JP2016218810A - 記番号認識装置、媒体鑑別装置、自動取引装置、記番号管理装置、紙葉類処理装置、記番号管理システム、及び記番号管理プログラム - Google Patents

記番号認識装置、媒体鑑別装置、自動取引装置、記番号管理装置、紙葉類処理装置、記番号管理システム、及び記番号管理プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】紙葉類の記番号の認識精度を向上させる。【解決手段】第1光源の光を紙葉類に反射させた反射光と第2光源の光を該紙葉類に透過させた透過光とを受光し、画像データを出力する受光素子アレイと、前記第1光源と前記第2光源とを交互に発光させる光源駆動制御部と、前記反射光による反射画像と前記透過光による透過画像とを互いに補間した合成画像を生成する補間部と、前記合成画像に対して、前記紙葉類の記番号領域を文字認識する文字認識部と、を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、記番号認識装置、媒体鑑別装置、自動取引装置、記番号管理装置、紙葉類処理装置、記番号管理システム、及び記番号管理プログラムに関し、特に、紙幣などの紙葉類に印刷された記番号を読み取る装置に関する。
銀行等の金融機関や、コンビニエンスストア等の流通機関には、自動取引装置が配置されている。自動取引装置は、紙幣の金種を判別し、真贋を鑑別する紙葉類鑑別装置が内蔵されている。紙葉類鑑別装置は、発光素子やライン状の受光素子が内蔵されている光学センサを有している。また、近年、金融機関には、紙幣の画像から記番号を文字認識し、文字認識した記番号をデータベースに登録しておき、取引した紙幣を管理する管理装置を配置している。
特許文献1は、上発光素子、及び下受光素子と、下発光素子、及び上受光素子とを用いて、紙幣の表面側、及び裏面側の透過画像を得ることにより、透過光量パターンの検出精度を高める技術を開示している。また、特許文献2は、各桁の文字認識を行って得られた第1識別番号と、文字認識処理又は検索処理対象となる識別番号を示す第2識別番号とを比較して合致比率を算出し、合致比率が基準値より低い場合には第1識別番号を構成する各桁の文字を所定方向へシフトした番号と第2識別番号とを比較して合致比率を算出し、この合致比率が基準値以上になった場合にはシフト後の番号を第1識別番号として処理を継続する技術を開示している。
特開2011−43926号公報 特開2012−174132号公報
ところで、紙葉類鑑別装置は、記番号の認識精度向上のため、透過画像から記番号部分を抽出して、回転や移動などによる位置合わせを行い、反射画像に対して透過画像の記番号部分を合成することで、記番号部分の解像度を上げることが考えられる。
しかしながら、反射画像に対して、透過画像から抽出された記番号領域の画像を回転や移動などで位置合わせするためには、リソース、及び処理時間が必要になるという問題があった。
また、位置合わせを行って、反射画像と透過画像を合成して、合成画像を得たとしても記番号部分の解像度があまり上がらないという問題があった。つまり、位置合わせを行ってから、合成画像を得る手法では、紙葉類の記番号の認識精度を向上させることができなかった。また、2枚以上の紙幣が重なって搬送される重送状態の場合に、記番号を認識することができないという問題もあった。
そこで、本発明は、紙葉類の記番号の認識精度を向上させることができる記番号認識装置、媒体鑑別装置、自動取引装置、記番号管理装置、紙葉類処理装置、記番号管理システム、及び記番号管理プログラムを提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明の記番号認識装置は、第1光源の光を紙葉類に反射させた反射光と第2光源の光を該紙葉類に透過させた透過光とを受光し、画像データを出力する受光素子アレイと、前記第1光源と前記第2光源とを交互に発光させる光源駆動制御部と、前記反射光による反射画像と前記透過光による透過画像とを互いに補間した合成画像を生成する補間部と、前記合成画像に対して、前記紙葉類の記番号領域を文字認識する文字認識部と、を備えたことを特徴とする。なお、( )内の符号や文字は例示である。
この記番号認識装置によれば、記番号領域を文字認識する画像は、反射画像と透過画像とを互いに補間(結合)した合成画像であるので、反射画像よりも解像度が向上する。また、単一の受光素子アレイが、反射光(拡散反射光)、及び透過光(拡散透過光)を受光するので、反射画像と透過画像との位置精度が高い。このため、紙葉類の記番号の認識精度を向上させることができる。
また、前記重送検出部が前記重送を検出した場合は、前記反射画像と前記透過画像との差分画像を生成する差分画像生成部とをさらに備え、前記文字認識部は、前記差分画像と前記反射画像とに対して、前記記番号領域を文字認識することが好ましい。これにより、2枚以上の紙幣が重なって搬送される重送状態の場合であっても、記番号を認識することができる。
また、本発明の他の手段は、表示操作部を備え、紙葉類の記番号を管理する記番号管理装置であって、第1光源の光を紙葉類の表面に照射し、該紙葉類を撮像した反射画像と、前記第1光源の光と交互に発光する第2光源の光を該紙葉類の裏面に照射し、該紙葉類の表面を撮像した透過画像と前記反射画像とを互いに補間した合成画像と、前記合成画像の記番号領域を文字認識した文字認識結果とを前記表示操作部に表示させ、前記表示された文字認識結果の修正を受け付ける制御部を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、紙葉類の記番号の認識精度を向上させることができる。
本発明の第1実施形態である紙幣鑑別装置の構成図である。 本発明の第1実施形態である自動取引装置の構成図である。 反射画像と透過画像とを互いに補間した補間画像を説明する説明図である。 本発明の第1実施形態である紙幣鑑別装置の処理を示すフローチャートである。 本発明の第1実施形態である自動取引装置管理システムの構成図、及び管理装置の構成図である。 本発明の第1実施形態である管理装置の処理を示すフローチャートである。 本発明の第1実施形態である管理装置のデータベースに記録されるレコードの一例である。 本発明の第1実施形態である管理装置の操作表示部に表示される記番号修正画面である。 紙幣の重送状態を説明する説明図である。 重送時に記番号を抽出する記番号抽出方法を説明する説明図である。 本発明の第2実施形態である紙幣鑑別装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の第2施形態である管理装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態である管理装置のデータベースに記録されるレコードの一例である。 本発明の第2実施形態である管理装置の操作表示部に表示される画像の一例である。 本発明の比較例である紙幣鑑別装置の構成図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」と称する)につき詳細に説明する。なお、各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
(第1実施形態)
(構成の説明)
図1は、第1実施形態の紙幣鑑別装置の構成図である。
紙幣鑑別装置10は、上側搬送ガイド12と、下側搬送ガイド13と、ローラ15,16と、光学センサ50と、磁気センサ60と、厚み検出センサ70と、制御部80とを備え、紙幣BLの金種や真偽を鑑別する。また、紙幣BLは、記番号領域を備えており、紙幣鑑別装置10は、記番号認識装置として機能する。
上側搬送ガイド12と下側搬送ガイド13とは、双方で搬送路を形成する樹脂構造体である。ローラ15,16は、紙幣BLを前後方向に搬送する搬送ローラである。
光学センサ50は、上側反射透過センサ52と下側反射透過センサ53とを備え、搬送方向に隣接して配置されている。上側反射透過センサ52は、発光素子31,32,33と、導光体21,22,23と、レンズアレイ41と、受光素子アレイ42とを備え、発光素子33、及び導光体23は搬送路の下部に設けられている。また、下側反射透過センサ53は、発光素子34,35,36と、導光体24,25,26と、レンズアレイ43と、受光素子アレイ44とを備え、発光素子34、及び導光体24は搬送路の上部に設けられている。
導光体21,22,23,24,25,26は、断面視半トラック形状乃至半楕円形状の軸体であり、該軸体の端部に発光素子31,32,33,34,35,36を設けている。導光体21,22,23,24,25,26は、発光素子31,32,33,34,35,36が発光した光を導光し、導光された光を拡散により紙幣BLに対して線状に照射するものである。
発光素子31,32,33,34,35,36は、例えば、単色の可視光LED(Light Emitting Diode)であり、放熱板が設けられている。
レンズアレイ41は、導光体21,22が紙幣BLに対して上から線状に照射した光の拡散反射光を受光素子アレイ42に結像させ、また、導光体23が紙幣BLに対して下から線状に照射した光の拡散透過光を受光素子アレイ42に結像させるものである。レンズアレイ43は、導光体25,26が紙幣BLに対して下から線状に照射した光の拡散反射光を受光素子アレイ44に結像させ、また、導光体24が紙幣BLに対して上から線状に照射した光の拡散透過光を受光素子アレイ44に結像させるものである。なお、紙幣BLは、素材に光沢性があるポリマー紙幣であっても、印刷塗料が光を拡散させる。
受光素子アレイ42,44は、紙幣BLの搬送に伴い、レンズアレイ41,43により結像された紙幣BLの反射画像のデータや透過画像のデータを制御部80に出力する。つまり、受光素子アレイ42は、発光素子31,32が発光したときに、反射画像のデータを出力し、発光素子33が発光したときに、透過画像のデータを制御部80に出力する。受光素子44は、発光素子35,36が発光したときに、反射画像のデータを制御部80に出力し、発光素子34が発光したときに、透過画像のデータを制御部80に出力する。なお、導光体21,22,23,24,25,26、レンズアレイ41,43、及び受光素子アレイ42,44は、紙幣BLの長手方向よりも長い。
磁気センサ60は、磁気抵抗素子が線状に配列されたものであり、紙幣BLの磁気を検出する。厚み検出センサ70は、ローラ70,71を備え、一方のローラ71が上下して、紙幣BLの厚みを検出する。これにより、厚み検出センサ70は、紙幣BLの真偽だけでなく、重送も検出することができる。
制御部80は、CPU(Central Processing Unit)であり、ROM(Read Only Memory)に格納されたプログラムを実行することにより、各部を制御する。
図2は、本発明の第1実施形態である自動取引装置の構成図である。
自動取引装置1は、紙幣取扱部100と、表示操作部110と、明細票取扱部120と、カード取扱部130と、硬貨取扱部140と、制御装置150とを備える。紙幣取扱部100は、図示しない紙幣入出金口に投入された紙幣BLを紙幣収納庫に金種毎に収納し、収納された紙幣BLを紙幣入出金口に出金するものである。紙幣取扱部100は、前記した紙幣鑑別装置10と、通信部90とを備え、紙幣鑑別装置10の制御部80は、プログラムを実行することにより、光源駆動制御部81と、補間部82と、文字認識部83としての機能を実現する。なお、制御部80は、重送検出部84と、差分画像生成部85との機能も実現するが、第2実施形態で説明する。通信部90は、制御装置150との間でデータ通信を行うものであり、鑑別指示を受信し、鑑別結果を送信する。
表示操作部110は、タッチパネル式LCD(Liquid Crystal Display)であり、取引画面と保守画面とが切り替わるように構成されている。明細票取扱部120は、ロール紙に取引内容を印字し、印字された紙を切断し、排出するユニットである。カード取扱部130は、磁気カードやICカードに記録された情報を読み取り、読み取った情報を制御装置150に送信するユニットである。硬貨取扱部140は、硬貨入出金口に投入された硬貨を鑑別・計数して、硬貨収納庫に格納したり、硬貨収納庫に格納されている硬貨を硬貨入出金口に出金したりするユニットである。
制御装置150は、取引制御部155と、データベース160と、通信部170とを備え、各部を制御する。取引制御部155は、CPUであり、プログラムを実行することにより、取引制御や保守制御の機能を実現する。データベース160は、HDD(Hard Disk Drive)等の書き込み可能な不揮発性記憶部であり、所定の画像データや記番号認識結果が格納される。通信部170は、各部と情報を送受信したり、ネットワークを介して外部と通信を行ったりする。
光源駆動制御部81は、前記した発光素子31,32,33,34,35,36の通電を制御するものであり、同一色の可視光を発光させるものとする。特に、本実施形態においては、光源駆動制御部81は、上側反射用の発光素子31,32と、上側透過用の発光素子33とを交互に発光させ、また、下側反射用の発光素子35,36と、下側透過用の発光素子34とを交互に発光させることを特徴とする。
補間部82は、上側反射用の発光素子31,32を発光させて、受光素子アレイ42が撮像した反射画像(図3(a))と、上側透過用の発光素子33を発光させて、受光素子アレイ42が撮像した透過画像(図3(b))とを互いに補間して、補間画像(図3(c))のデータを生成する。つまり、補間画像は、反射画像のラインの間に、相当する透過画像を挿入した画像である。なお、図3の反射画像や透過画像は、紙幣BLの記番号部分を抽出した画像である。
図4は、本発明の第1実施形態である紙幣鑑別装置の処理を示すフローチャートである。
制御部80は、上側反射用の発光素子31,32と、上側透過用の発光素子33とを交互に発光させると同時に、受光素子アレイ42に撮像させる(S10)。これにより、制御部80は、反射画像と透過画像とを交互に取得する。S10の後、制御部80は、記番号領域の補間を行う(S12)。つまり、制御部80は、S10で取得した反射画像、及び透過画像の記番号領域を抽出して、記番号領域を抽出した反射画像(図3(a))と透過画像(図3(b))とを互いに補間して、合成画像(図3(c))を得る。これにより、画像の解像度が上がり、記番号の文字認識精度が向上する。
S12の後、制御部80は、合成画像(図3(c))を用いて、記番号の文字認識を行う(S14)。そして、制御部80は、文字認識結果(文字認識できていない桁の情報を含む。)、反射画像(図3(a))、透過画像(図3(b))、及び合成画像(図3(c))を制御装置150に送信して(S16)、処理を終了する。
図5(a)は、本発明の第1実施形態である自動取引装置管理システムの構成図である。
自動取引装置管理システム5は、複数の自動取引装置1a,1b,・・・と、管理装置400とが通信ネットワーク300を介して接続されており、紙幣BLの記番号を管理する記番号管理システムとして機能する。管理装置400は、表示操作部410とデータベース450とを接続している。
自動取引装置1a,1b,・・・は、内部の制御装置150が、紙幣鑑別装置10から文字認識結果、反射画像、透過画像、及び合成画像を受信し、これらを管理装置400に送信するものである。管理装置400は、文字認識結果である記番号等をデータベース450に格納しておき、作業者が表示操作部410において誤認識した記番号の修正作業を行う場合に修正情報を受け付ける記番号管理装置として機能する。
図5(b)は、管理装置400の構成を示す図である。
管理装置400は、制御部420と、記憶部430とを備え、制御部420は、記憶部430に格納されたプログラムを実行することにより、記番号修正部421と、OS422との機能を実現するCPUである。なお、記憶部430に格納されたプログラムは、ネットワークを介して更新可能である。
記番号修正部421は、ネットワーク300を介して受信した記番号等をデータベース450に格納すると共に、表示操作部410に表示させ、表示操作部410を介して、誤認識した記番号を作業者に修正させるものである。
図6は、本発明の第1実施形態である自動取引装置の管理装置の処理を示すフローチャートである。
記番号修正部421は、自動取引装置1から受信した文字認識結果である記番号をデータベース160に記録する(S20)。
図7は、本発明の第1実施形態である自動取引装置を管理する管理装置のデータベースに記録されるレコードの一例である。
レコード460は、紙幣鑑別装置番号、取引番号、金種、記番号1認識結果、記番号2認識結果、記番号1反射イメージ、記番号1透過イメージ、記番号1補間イメージ、記番号1手入力、記番号2反射イメージ、記番号2透過イメージ、記番号2補間イメージ、記番号2手入力の各データから構成される。ここで、紙幣BLは記番号が2箇所に印刷されているので、「記番号1」は一方の記番号を意味し、「記番号2」は、他方の記番号を意味する。
そして、図6に戻り、記番号修正部421は、受信した文字認識結果を用いて、認識できなかった桁があるか否かを判定する(S22)。認識できなかった桁がある場合には(S22でYes)、記番号の修正を行う(S26)。
図8は、本発明の第1実施形態である管理装置の操作表示部に表示される記番号修正画面である。
記番号修正画面200は、記番号1表示領域210、記番号2表示領域220、データベース表示領域230を備える。紙幣BLは、記番号が2箇所に印刷されているので、記番号修正画面200は、記番号1、及び記番号2の2つの表示領域を備える。また、記番号1表示領域210、及び記番号2表示領域220は、反射イメージ(反射画像)、補間イメージ(補間画像)、認識結果、手入力の表示領域を備える。データベース表示領域230は、No、検知比率、装置番号、取引番号、記番号1認識結果、記番号2認識結果の項目から構成される。
図8において、認識結果は、記番号1及び記番号2共に、「AB12345?C」であり、頭記号「AB」、通し番号の最初の5桁「12345」、及び末尾記号「C」は文字認識できている。しかし、通し番号の下1桁目が「?」であり、これは文字認識できていないことを示している。作業者は、反射イメージや補間イメージを参照して、文字認識できていない桁を入力し、誤認識した桁を修正する。
再び、図6に戻り、S26で記番号の修正を行った場合や、認識できなかった桁が無かった場合には(S22でNo)、記番号修正部421は、処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態の紙幣鑑別装置10によれば、反射イメージデータを透過イメージデータで補間することにより、記番号領域の解像度が上がり、記番号の文字認識精度が向上する。また、管理装置400は、作業者が記番号領域の抽出画像を見ながら文字入力できるので、記番号を入力する作業者の負担を軽減し、データベースに記憶される記番号の精度を向上させることができる。
(第2実施形態)
第1実施形態は、紙幣BLが重送しないものとして記番号の文字認識を行ったが、紙幣BLが重送したときであっても、1枚目の画像と2枚目の画像とを分離して、各画像を文字認識することができる。
図9は、紙幣の重送状態を説明する説明図である。
紙幣BLの重送状態は、1枚目紙幣BL1と2枚目紙幣BL2とが重なって搬送されるものである。
図10は、重送時に記番号を抽出する記番号抽出方法を説明する説明図である。
ここでは、1枚目紙幣と2枚目紙幣とは、記番号の通し番号が連続数字であり、最初の2桁の数字が「12」で同一であるとしているが、異なった数字でもよい。
透過画像は、1枚目紙幣の記番号と2枚目紙幣の記番号とが重なった状態で撮像され、何れの紙幣の記番号か区別することが困難である。反射画像は、反射面側の紙幣(1枚目紙幣BL1)の記番号が明瞭に撮像されるが、非反射面側の紙幣(2枚目紙幣BL2)の記番号が見えない画像になってしまう。ここで、反射画像と透過画像との差分画像を演算すると、非反射面側の紙幣(2枚目紙幣)の記番号が明瞭になる一方、反射面側の紙幣(1枚目紙幣)の記番号が不明瞭になる。
つまり、反射画像は、反射面側の紙幣(1枚目紙幣)の記番号の画像が明瞭であるので、反射画像から1枚目紙幣の記番号を抽出することができる。一方、差分画像は、非反射面側の紙幣(2枚目紙幣)の記番号の画像が明瞭であるので、差分画像から2枚目紙幣の記番号を抽出することができる。
(構成の説明)
第2実施形態の紙幣鑑別装置10bは、図2の破線で示すように、第1実施形態の制御部80に対して、重送検出部84と、差分画像生成部85とをさらに備える。
重送検出部84は、紙幣BLの重送を検出する検出手段であり、例えば、厚み検出センサ70の出力情報を用いて、重送を検出する。差分画像生成部85は、反射画像と透過画像との差分画像を演算し、演算された差分画像データを生成する。なお、差分画像は、2枚目紙幣の記番号を抽出している。
図11は、本発明の第2実施形態である紙幣鑑別装置の処理を示すフローチャートである。
制御部80は、上側反射用の発光素子31,32と、上側透過用の発光素子33とを交互に発光させると同時に、受光素子アレイ42に撮像させる(S32)。これにより、制御部80は、紙幣BLの反射画像と透過画像とを取得する。S32の後、制御部80は、重送か否かの判定を行う(S34)。重送でなかったときには(S32でNo)、制御部80は、前記第1実施形態と同様に、記番号領域の補間を行う(S42)。この補間により、解像度が上がる。
一方、重送であると判定したときには(S32でYes)、制御部80は、記番号領域の差分演算を行う(S36)。つまり、制御部80は、S32で反射画像を取得し、S36で差分画像を取得することになり、1枚目紙幣の記番号の画像、及び2枚目紙幣の記番号の画像を明瞭に取得することができる。
S36、又はS42の後、制御部80は、記番号の文字認識を行う(S38)。つまり、制御部80は、反射画像の記番号領域を文字認識して、1枚目紙幣の記番号を取得し、差分画像の記番号領域を文字認識して、2枚目紙幣の記番号を取得する。そして、制御部80は、文字認識結果である記番号、反射画像、差分画像等を制御装置150に送信し(S40)、処理を終了する。
図12は、本発明の第2実施形態である管理装置の動作を示すフローチャートである。
このルーチンは、管理装置400が、自動取引装置1の制御装置150から記番号等を受信したら起動する。
管理装置400は、自動取引装置1から受信した記番号をデータベース450に記録する(S50)。
図13は、本発明の第2実施形態である管理装置のデータベースに記録されるレコードの一例である。
レコード465の内容は、第1実施形態のレコード460(図7)と同様であるが、「重送枚数」、「記番号1透過−反射イメージ」、記番号1の「重送枚数手入力」、「記番号2透過−反射イメージ」、記番号2の「重送枚数手入力」の項目が追加されている。ここで、「記番号1透過−反射イメージ」は、記番号1の差分画像を意味し、「記番号2透過−反射イメージ」は、記番号2の差分画像を意味する。
S50の後、管理装置400は、認識できなかった桁があるか否か判定する(S52)。認識できなかった桁があるときは(S52でYes)、管理装置400は、記番号の修正を行う(S54)。つまり、管理装置400は、操作表示部410に表示画面250を表示させ、作業者が手入力で修正を行う。
図14は、本発明の第2実施形態である管理装置の操作表示部に表示される記番号修正画面の一例である。
記番号修正画面250は、重送領域260と、記番号1表示領域215と、記番号2表示領域225と、データベース表示領域230とを備える。重送領域260は、記番号1の反射イメージの領域と、記番号2の反射イメージの領域と、重送枚数を記載する領域とを備えている。
記番号1表示領域215、及び記番号2表示領域225は、第1実施形態の記番号1表示領域210、及び記番号2表示領域220と同様に、反射イメージ、認識結果、手入力の領域を備えるが、合成画像である補間イメージの領域の代わりに、差分画像である「反射−透過イメージ」の領域を備える点で相違する。データベース表示領域230は、第1実施形態と同一であるが、図14は、図8に比較して表示可能行が少なくなっている。
図12に戻り、管理装置400は、S52の判定で、認識できなかった桁が無かったときや(S52でNo)、S54の記番号の修正が終了したら、処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態の紙幣鑑別装置10bは、透過イメージデータから反射イメージデータを取り除いて2枚目以降の記番号を抽出することができる。このため、紙幣鑑別装置10bは、重送時の記番号を認識することが可能になり、重送で返却した紙幣を特定することが可能となる。したがって、管理装置400は、重送時の紙幣についても記番号のブラックリストにないかのチェックが可能となる。
(比較例)
金融機関に配置される比較例の管理装置の紙幣鑑別装置(記番号管理装置)は、光を紙幣に照射し、その反射画像を撮像する反射イメージセンサと、光を紙幣に透過させて、その透過画像を撮像する透過イメージセンサとは、別の受光センサで構成されていた。
図15は、本発明の比較例である紙幣鑑別装置の構成図である。
紙幣鑑別装置10bは、上側搬送ガイド12と、下側搬送ガイド13と、ローラ15,16と、磁気センサ60と、厚み検出センサ70とを備え、記番号認識装置として機能する点は、第1実施形態と同様である。しかしながら、紙幣鑑別装置10bは、上側反射センサ56と下側反射センサ57と透過センサ58とを備え、透過センサ58が搬送方向に離間して配置している点で、第1実施形態の紙幣鑑別装置10と相違する。
上側反射センサ56は、発光素子31,32と、導光体21,22と、レンズアレイ41と、受光素子アレイ42とを備え、搬送路の上部に設けられている。また、下側反射センサ57は、発光素子35,36と、導光体25,26と、レンズアレイ43と、受光素子アレイ44とを備え、搬送路の下部に設けられている。ここで、上側反射センサ56と下側反射センサ57とは、搬送方向に離間しており、同時発光しても互いに影響しないように構成されている。
透過センサ58は、発光素子34と、導光体24と、レンズアレイ45と、受光素子アレイ46とを備え、発光素子34、及び導光体24が搬送路の上部に設けられており、レンズアレイ45、及び受光素子アレイ46が搬送路の下部に設けられている。
紙幣鑑別装置10bは、上側反射センサ56や下側反射センサ57の位置と、透過センサ58の位置とは離間しており、紙幣BLの搬送速度のバラツキもある。このため、紙幣鑑別装置10bは、反射画像又は透過画像を回転移動や平行移動を行って、位置合わせを行うことは困難を伴う。つまり、反射画像と透過画像とを互いに補間して画質を向上させることは困難を伴う。
これに対して、前記各実施形態の紙幣鑑別装置10は、反射画像と透過画像とを同一の受光素子アレイ41,44で撮像しているので、反射画像と透過画像との位置精度が高い。また、紙幣鑑別装置10は、反射画像を透過画像で補間しているので、平行移動を行う必要が無い。
(変形例)
本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような種々の変形が可能である。
(1)前記各実施形態の発光素子31,32,33,34,35,36は、単色の可視光LEDであるとしたが、赤(R)、緑(G)、青(B)の三原色LEDとしてもよく、紫外光LEDや赤外光LEDを追加してもよい。この場合、紙幣鑑別装置10は、紙幣BLが1ライン分走行している間に、全ての色を順次発光させることが好ましい。例えば、赤(R)、緑(G)、青(B)の三原色LEDを点灯させる場合、紙幣鑑別装置10は、発光素子31,32が赤色を点灯している間に、受光素子アレイ41が赤の1ライン分の反射データを出力し、発光素子31,32が緑色を点灯している間に、受光素子アレイ41が緑の1ライン分の反射データを出力し、発光素子31,32が青色を点灯している間に、受光素子アレイ41が青の1ライン分の反射データを出力することになる。そして、紙幣鑑別装置10は、次の1ラインで、発光素子33が赤色、緑色、青色を順次、発光している間に、受光素子アレイ41が赤、緑、青の1ライン分の透過データを順次出力することになる。
(2)前記各実施形態は、記番号認識装置としての紙幣鑑別装置10を備えた自動取引装置1が管理装置400に文字認識結果や画像を送信することにしたが、自動取引装置は、管理装置400自体が紙幣鑑別装置10を備えた紙葉類処理装置の構成であっても構わない。ここで、紙葉類処理装置は、例えば、集積部に集積された紙幣を設定枚数で結束処理する施封部を備えるものがある。
(3)前記各実施形態は、紙幣BLの記番号を文字認識したが、払込票等の帳票に印刷された記番号を文字認識することもできる。このとき、紙幣鑑別装置10は、導光体21,22,23,24,25,26を用いることなく、発光素子31,32,33,34,35,36単独で、紙幣BLに光を照射し、受光素子アレイ41,44に二次元CCDを用いて、二次元画像を出力してもよい。
(4)前記第2実施形態は、厚み検出センサ70を用いて、紙幣BLの厚みで重送を検出したが、反射画像や合成画像が重送画像であるか否か判定するようにしてもよい。
1 自動取引装置
5 自動取引装置管理システム(記番号管理システム)
10,10b 紙幣鑑別装置(記番号認識装置)
12 上側搬送ガイド
13 下側搬送ガイド
15,16,71,72 ローラ
21,22,23,24,25,26 導光体
31,32,33,34,35,36 発光素子
41,43,45 レンズアレイ
42,44 受光素子アレイ
50 光学センサ
52 上側反射透過センサ
53 下側反射透過センサ
56 上側反射センサ
57 下側反射センサ
58 透過センサ
60 磁気センサ
70 厚み検出センサ
80 制御部
81 光源駆動制御部
82 補間部
83 文字認識部
84 重送検出部
85 差分画像生成部
90 通信部
100 紙幣取扱部
110,410 表示操作部
120 明細票取扱部
130 カード取扱部
140 硬貨取扱部
150 制御装置
155 取引制御部
160,450 データベース
170 通信部
200,250 記番号修正画面
210,215 記番号1表示領域
220,225 記番号2表示領域
230 データベース表示領域
260 重送領域
300 通信ネットワーク
400 管理装置(記番号管理装置)
420 制御部
421 記番号修正部
422 OS
430 記憶部
460,465 レコード
BL 紙幣

Claims (10)

  1. 第1光源の光を紙葉類に反射させた反射光と第2光源の光を該紙葉類に透過させた透過光とを受光し、画像データを出力する受光素子アレイと、
    前記第1光源と前記第2光源とを交互に発光させる光源駆動制御部と、
    前記反射光による反射画像と前記透過光による透過画像とを互いに補間した合成画像を生成する補間部と、
    前記合成画像に対して、前記紙葉類の記番号領域を文字認識する文字認識部と、
    を備えたことを特徴とする記番号認識装置。
  2. 請求項1に記載の記番号認識装置であって、
    前記搬送路中の紙葉類が重送していることを検出する重送検出部と、
    前記重送検出部が前記重送を検出した場合は、前記反射画像と前記透過画像との差分画像を生成する差分画像生成部とをさらに備え、
    前記文字認識部は、前記差分画像と前記反射画像との双方に対して、前記記番号領域を文字認識する
    ことを特徴とする記番号認識装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の記番号認識装置であって、
    前記記番号領域の文字認識結果を外部に送信する通信部をさらに備えた
    ことを特徴とする記番号認識装置。
  4. 請求項3に記載の記番号認識装置であって、
    前記通信部は、前記合成画像の中に文字認識できなかった桁がある場合は、その桁の情報を送信する
    ことを特徴とする記番号認識装置。
  5. 第1光源の光を紙葉類に反射させた反射光と第2光源の光を該紙葉類に透過させた透過光とを受光し、画像データを出力する受光素子アレイと、
    前記第1光源と前記第2光源とを交互に発光させる光源駆動制御部と、
    前記反射光による反射画像と前記透過光による透過画像とを互いに補間した合成画像を生成する補間部と、
    前記合成画像に対して、前記紙葉類の記番号領域を文字認識する文字認識部と、
    を備えたことを特徴とする媒体鑑別装置。
  6. 請求項5に記載の媒体鑑別装置を備えたことを特徴とする自動取引装置。
  7. 表示操作部を備え、紙葉類の記番号を管理する記番号管理装置であって、
    第1光源の光を紙葉類の表面に照射し、該紙葉類を撮像した反射画像と、前記第1光源の光と交互に発光する第2光源の光を該紙葉類の裏面に照射し、該紙葉類の表面を撮像した透過画像と前記反射画像とを互いに補間した合成画像と、前記合成画像の記番号領域を文字認識した文字認識結果とを前記表示操作部に表示させ、前記表示された文字認識結果の修正を受け付ける制御部
    を備えたことを特徴とする記番号管理装置。
  8. 請求項7に記載の記番号管理装置であって、
    前記制御部は、
    前記反射画像が重送画像であるときは、前記反射画像と前記透過画像との差分画像と、該差分画像の記番号領域を文字認識した文字認識結果とを前記表示操作部に表示させる
    ことを特徴とする記番号管理装置。
  9. 第1光源の光を紙葉類に反射させた反射光と第2光源の光を該紙葉類に透過させた透過光とを受光し、画像データを出力する受光素子アレイと、前記第1光源と前記第2光源とを交互に発光させる光源駆動制御部と、前記反射光による反射画像と前記透過光による透過画像とを互いに補間した合成画像を生成する補間部と、前記合成画像に対して、前記紙葉類の記番号領域を文字認識する文字認識部とを備えた記番号管理装置と、
    前記補間部が生成した合成画像と前記文字認識部が文字認識した文字認識結果とを表示操作部に表示させ、前記文字認識結果の修正を受け付ける制御部を備える記番号管理装置と、
    を備えたことを特徴とする記番号管理システム。
  10. 表示操作部を備え、紙葉類の記番号を管理するコンピュータに実行させる記番号管理プログラムであって、
    第1光源の光を紙葉類の表面に照射し、該紙葉類を撮像した反射画像と、前記第1光源の光と交互に発光する第2光源の光を該紙葉類の裏面に照射し、該紙葉類の表面を撮像した透過画像と前記反射画像とを互いに補間した合成画像と、前記合成画像の記番号領域を文字認識した文字認識結果とを前記表示操作部に表示させるステップと、
    前記表示された文字認識結果の修正を受け付けるステップと
    を実行させることを特徴とする記番号管理プログラム。
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