JP2016218161A - 撮像装置、制御方法およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】マニュアルフォーカスを使用して滑らかなフォーカス変化で撮影する【解決手段】カメラ本体140は、手動焦点調節手段によってフォーカスレンズが合焦位置から所定量だけ手前の位置に移動された際、フォーカスレンズのデフォーカス位置におけるフォーカスレンズの速度および加速度の少なくとも一方が、合焦位置でフォーカスレンズを停止させるための条件を満たしている場合には、手動焦点調節から自動焦点調節に切り替えるカメラMPU150を有する。【選択図】図6
Description
本発明は、デジタルカメラなどの撮像装置、制御方法およびプログラムに関する。
マニュアルフォーカス(MF)の際に、フォーカスレンズの停止位置が合焦位置からずれていた場合に、合焦位置に移動させる撮像装置は知られている。例えば、特許文献1は、MF時に、複数のレンズ位置でコントラスト評価値を取得することで合焦位置を算出し、フォーカスレンズの停止位置が合焦位置から所定範囲ずれていた場合は、フォーカスレンズを合焦位置に移動させる撮像装置を提案している。
また、複数の被写体のうち、ユーザの意図する被写体に合焦させる撮像装置も知られている。例えば、特許文献2は、オートフォーカス(AF)中に、MF手段からのフォーカスレンズの移動方向を指示するフォーカス位置変更指令に基づいて、フォーカスレンズを合焦位置に移動させる撮像装置を提案している。
しかしながら、特許文献1では、フォーカスレンズは停止後に合焦位置へ移動されるため、動画撮影に要求される滑らかなフォーカス変化での撮影を行うことができない。特許文献2でも、ユーザのMFによって意図した被写体に合焦するため、レンズ駆動速度がMFのたびに変動し、滑らかなフォーカス変化での撮影を行うことができない。
本発明は、MFを使用して滑らかなフォーカス変化で撮影することが可能な撮像装置およびその制御方法を提供することを例示的な目的とする。
本発明の撮像装置は、動画撮影が可能な撮像装置であって、フォーカスレンズの合焦位置を検出する焦点検出手段と、操作部材の操作量に応じて前記フォーカスレンズを移動させる手動焦点調節手段によって前記フォーカスレンズが、前記焦点検出手段によって検出された前記合焦位置から所定量だけ合焦方向において手前のデフォーカス位置に移動された場合、前記手動焦点調節手段による前記フォーカスレンズの移動を無効にし、自動焦点調節手段による前記フォーカスレンズの前記合焦位置への移動を開始させる制御手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、MFを使用して滑らかなフォーカス変化で撮影することが可能な撮像装置およびその制御方法を提供することができる。
図1は、本実施形態の撮像装置の一例としてのデジタルカメラの構成図である。本実施形態のデジタルカメラは、交換レンズ式一眼レフカメラであり、レンズユニット100と、カメラ本体(撮像装置)140と、を有する。レンズユニット100は、図中央の点線で示されるマウントMを介して、交換可能にカメラ本体140に装着される。なお、撮像装置は、動画撮影が可能であり、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、テレビカメラなどであってもよく、レンズ一体型であってもよい。
レンズユニット100は、第1レンズ群(変倍レンズ)101、絞り兼用シャッタ102、第2レンズ群103、フォーカスレンズ104、及び、駆動/制御系を有する。なお、図1は、フォーカスレンズ104などを単レンズとして図示しているが、各レンズは複数のレンズから構成されてもよい。第1レンズ群101、絞り兼用シャッタ102、第2レンズ群103およびフォーカスレンズ104は、被写体像を形成する撮影光学系を構成する。
第1レンズ群101は、撮影光学系の最も被写体側に配置され、光軸方向OAに移動可能に保持される。図1では、第1レンズ群は一体として移動する2枚のレンズから構成されるが、レンズ枚数は限定されない。絞り兼用シャッタ102は、その開口径を調節することで撮影時の光量調節を行う他、静止画撮影時には露光秒時調節用シャッタとして機能する。絞り兼用シャッタ102及び第2レンズ群103は一体として光軸方向OAに進退し、第1レンズ群101の進退動作との連動により焦点距離を変更する。フォーカスレンズ104は、光軸方向OAに移動されて焦点調節を行う。
駆動/制御系は、ズームアクチュエータ111、絞りシャッタアクチュエータ112、フォーカスアクチュエータ113、ズーム駆動回路114、絞りシャッタ駆動回路115、フォーカス駆動回路116を有する。また、駆動/制御系は、レンズMPU117、レンズメモリ118、フォーカスリング119、位置情報取得手段120、位置情報取得手段121を有する。
ズーム駆動回路114は、撮影者のズーム操作に応じてズームアクチュエータ111を駆動して、第1レンズ群101や第2レンズ群103を光軸方向OAに移動させる。絞りシャッタ駆動回路115は、絞りシャッタアクチュエータ112を駆動制御して絞り兼用シャッタ102の開口径を制御して、撮影光量を調節すると共に、静止画撮影時の露光時間制御を行う。
フォーカス駆動回路116は、自動焦点調節手段と手動焦点調節手段を兼ねている。自動焦点調節(Autofocus:AF)手段は、撮像面位相差焦点検出部169やTVAF焦点検出部170などの焦点検出手段を備え、該焦点検出手段によって検出された合焦位置にフォーカスレンズ104を自動で移動させる。手動焦点調節(ManualFocus:MF)手段は、フォーカスリング119などの操作部材の操作量に応じてフォーカスレンズ104を移動させる。即ち、フォーカス駆動回路116は、焦点検出結果及びフォーカスリング119の操作量に基づいてフォーカスアクチュエータ113を駆動制御して、フォーカスレンズ104を光軸方向OAに移動させる。フォーカスアクチュエータ113には、フォーカスレンズ104の現在位置を検出する位置情報取得手段121としての機能が備わっているが、位置情報取得手段121はフォーカスアクチュエータ113と別体であってもよい。
レンズMPU117は、レンズユニット100に係る全ての演算、制御を行い、ズーム駆動回路114、シャッタ駆動回路115、フォーカス駆動回路116、レンズメモリ118を制御するレンズ制御手段であり、マイクロコンピュータから構成される。レンズMPU117は、現在の各レンズの位置情報を取得し、カメラMPU150からの要求に応じて該位置情報を送信する。レンズ位置情報は、フォーカスレンズ104の光軸上の位置、撮影光学系が移動していない状態の射出瞳の光軸上位置、直径、射出瞳の光束を制限するレンズ枠の光軸上位置、直径などの情報を含む。
レンズMPU117は、位置情報取得手段121からフォーカスレンズ104の位置に関する情報を取得する。フォーカスアクチュエータ113は、例えば、ステッピングモータから構成され、位置情報取得手段121は、絶対位置を検出するための、フォトインタラプタとフォーカスレンズ104のレンズ枠に取り付けられた遮光部を含んでもよい。この場合、位置情報取得手段121は、遮光部がフォトインタラプタの光路を遮るときのフォーカスレンズ104の位置からどの方向に何パルス分ステッピングモータによって移動されたかの情報を取得し、これをレンズMPU117に送信する。レンズMPU117は、クロック情報をカメラMPU150から取得する。このため、レンズMPU117は、位置情報取得手段121からの情報に基づいて、フォーカスレンズ104の速度情報や加速度情報を取得することができる。MFにおいては、フォーカスレンズ104の速度や加速度はフォーカスリング119の回転速度や加速度とリンクしているので、レンズMPU117は、位置情報取得手段121からの情報に基づいて、フォーカスリング119の速度や加速度の情報を取得してもよい。また、レンズMPU117は、フォーカスリング119の回転操作を開始したこと、及び、操作終了が近いことを検出する機能を有する。
レンズメモリ118は、AFに必要な光学情報を記憶する。フォーカスリング119は、MF時にフォーカスレンズ104をユーザが手動操作する操作部材であるが、リング形状は操作部材の一例であって、レバーなどから構成されてもよい。フォーカスリング119は、その現在位置の情報を取得する位置情報取得手段120としての機能を有する。位置情報取得手段120は、位置情報からフォーカスリング119の回転速度(または角速度)と加速度(または角加速度)の情報を取得することができる。即ち、位置情報取得手段120は、フォーカスリング119の回転位置、操作量、速度、加速度などの情報を取得することができる。本実施形態のフォーカスリング119は、電子フォーカスリングであるが、これに限定されない。
なお、フォーカスリング119の構成は限定されないので、位置情報取得手段120の構成は特に限定されない。
カメラ本体140は、光学的ローパスフィルタ(LPF)161、撮像素子162、駆動/制御系を有する。
光学的LPF161は、撮影光学系を透過した光の高周波成分をカットし、撮影画像の偽色やモアレを軽減する。
撮像素子162は、撮影光学系が形成した被写体像を光電変換する。撮像素子162は、CMOSセンサとその周辺回路で構成され、横方向にm画素、縦方向にn画素が配置される。撮像素子162は、図2を参照して後述する光電変換素子を有する画素を含み、後述する位相差方式の焦点検出(位相差AF)を行うための一対の信号を出力することができる。得られた画像データのうち、位相差AFに対応する画像データは、画像処理回路164によって焦点検出用画像データに変換される。一方で、得られた画像データのうち、表示や記録、コントラスト方式の焦点検出のために用いられる画像データも、画像処理回路164に送られ、目的に合わせた所定の処理が行われる。但し、カメラ本体140は、位相差検出方式の焦点検出を行う専用の焦点検出ユニットを有してもよい。
駆動/制御系は、撮像素子駆動回路163、画像処理回路164、カメラMPU150、表示器166、操作スイッチ群(SW)167、メモリ168、撮像面位相差焦点検出部169、TVAF焦点検出部170を有する。
撮像素子駆動回路163は、撮像素子162の動作を制御するとともに、取得した画像信号をA/D変換してカメラMPU150及び画像処理回路164に送信する。画像処理回路164は、撮像素子162が取得した画像信号のγ変換、カラー補間、JPEG圧縮などを行う。
カメラMPU(プロセッサ)150は、カメラ本体140に係る全ての演算、制御を行うカメラ制御手段であり、マイクロコンピュータから構成される。カメラMPU150は、撮像素子駆動回路163、画像処理回路164、表示器166、メモリ168、撮像面位相差焦点検出部169、TVAF焦点検出部170を制御する。また、カメラMPU150は、マウントMの信号線を介してレンズMPU117と接続され、レンズMPU117に対してレンズ位置の取得や所定の駆動量でのレンズ駆動要求を発行したり、レンズユニット100に固有の光学情報を取得したりする。
カメラMPU150は、カメラ動作を制御するプログラムを格納したROM151、変数を記憶するRAM152、諸パラメータを記憶するEEPROM153を内蔵している。カメラMPU150は、図6を参照して後述するMFからAFへの切り換え、AFからMFへの切り替えなどの制御を行う。RAM152は、後述するフラグデータを格納してもよい。
表示器166は、LCDなどから構成され、カメラの撮影モードに関する情報、撮影前のプレビュー画像と撮影後の確認用画像、焦点検出時の合焦状態表示画像などを表示する表示手段である。操作SW167は、電源スイッチ、レリーズ(撮影トリガ)スイッチ、ズーム操作スイッチ、撮影モード選択スイッチ等で構成される。撮影モードは、静止画撮影モードと動画撮影モードを含む。本実施形態におけるメモリ168は、フラッシュメモリ等の着脱可能なメモリで、撮影済み画像を記録する。
撮像面位相差焦点検出部169は、撮像素子162、画像処理回路164により得られる焦点検出用画像データの像信号(焦点検出信号)により位相差方式の焦点検出処理(撮像面位相差AF)を行う焦点検出手段である。より具体的には、撮像面位相差焦点検出部169は、撮影光学系の一対の瞳領域を通過する光束により焦点検出用画素に形成される一対の像のずれ量に基づいて撮像面位相差AFを行う。撮像面位相差AFの方法については、後に詳細に説明する。
TVAF焦点検出部170は、画像処理回路164にて得られた画像情報のコントラスト成分により各種TVAF用評価値を算出し、コントラスト方式の焦点検出処理(TVAF)を行う。コントラスト方式の焦点検出処理では、フォーカスレンズ104を移動しながら複数のフォーカスレンズ位置で焦点評価値を算出し、焦点評価値がピークとなるフォーカスレンズ位置を検出する。
図2は、撮像素子162の撮像画素と焦点検出画素の配列を示す概略図である。撮像画素配列は、4列×4行の範囲で、焦点検出画素配列は8列×4行の範囲で示されている。撮像素子162の水平方向をx軸、撮像素子162の垂直方向をy軸、撮像素子162の高さ方向(光軸方向)をz軸と設定している。
図2において、2列×2行の画素群200は、R(赤)の分光感度を有する画素200Rが左上に、G(緑)の分光感度を有する画素200Gが右上と左下に、B(青)の分光感度を有する画素200Bが右下に配置されている。また、各画素は、2列×1行に配列された第1焦点検出画素201と第2焦点検出画素202により構成されている。
図2に示した4列×4行の画素(8列×4行の焦点検出画素)を面上に多数配置し、撮像画像(焦点検出信号)の取得を可能としている。ここで、撮像素子162は、画素の周期Pが4μm、画素数Nが横5575列×縦3725行=約2075万画素、焦点検出画素の列方向周期PAFが2μm、焦点検出画素数NAFが横11150列×縦3725行=約4150万画素を有するものとする。
図3(a)は、画素200Gを、撮像素子162の受光面側(+z側)から見た平面図であり、図3(b)は、図3(a)のa−a断面を−y側から見た断面図である。軸方向は、図2と同様に、撮像素子162の水平方向をx軸、撮像素子162の垂直方向をy軸、撮像素子162の高さ方向をz軸と設定している。
図3に示すように、画素200Gでは、各画素の受光側に入射光を集光するためのマイクロレンズ305が形成され、x方向にNH分割(2分割)、y方向にNV分割(1分割)された光電変換部301と光電変換部302が形成される。光電変換部301と光電変換部302が、それぞれ、第1焦点検出画素201と第2焦点検出画素202に対応する。
光電変換部301と光電変換部302は、p型層とn型層の間にイントリンシック層を挟んだpin構造フォトダイオードとしてもよいし、必要に応じて、イントリンシック層を省略し、pn接合フォトダイオードとしてもよい。
各画素において、マイクロレンズ305と、光電変換部301および光電変換部302との間に、カラーフィルタ306が配置される。必要に応じて、光電変換部(副画素)毎に、カラーフィルタ306の分光透過率を変えてもよいし、カラーフィルタ306を省略してもよい。
画素200Gに入射した光は、マイクロレンズ305により集光され、カラーフィルタ306で分光されたのち、光電変換部301、302によって受光される。光電変換部301、302では、受光量に応じて電子とホールが対生成され、空乏層で分離された後、負電荷の電子はn型層(不図示)に蓄積され、ホールは定電圧源(不図示)に接続されたp型層を通じて撮像素子外部へ排出される。光電変換部301、302のn型層(不図示)に蓄積された電子は、転送ゲートを介して、静電容量部(FD)に転送され、電圧信号に変換される。
図4は、図3(a)に示す画素200Gのa−a断面を+y側から見た断面図と撮影光学系(結像光学系)の射出瞳面を示す概略図である。図4では、射出瞳面の座標軸と対応付けるために、断面図のx軸とy軸を図3に対して反転させている。
図4において、400は、撮影光学系の射出瞳である。501は、第1焦点検出画素201に対応する、撮影光学系の射出瞳400の部分領域である第1瞳部分領域である。502は、第2焦点検出画素202に対応する、第1瞳部分領域501と異なる撮影光学系の射出瞳400の部分領域である第2瞳部分領域である。500は、第1瞳部分領域501と第2瞳部分領域502を合わせた(射出瞳400の全領域である画素200G全体で受光可能な)第3瞳領域である。
第1瞳部分領域501は、重心が−x方向に偏心している光電変換部301の受光面と、マイクロレンズによって、概ね、共役な関係になっており、第1焦点検出画素201で受光可能な瞳領域を表している。第1瞳部分領域501は、瞳面上で+X側に重心が偏心している。第2瞳部分領域502は、重心が+x方向に偏心している光電変換部302の受光面と、マイクロレンズによって、概ね、共役関係になっており、第2焦点検出画素202で受光可能な瞳領域を表している。第2瞳部分領域502は、瞳面上で−X側に重心が偏心している。
図5は、撮像素子と瞳分割との対応関係を示す光路図である。第1瞳部分領域501と第2瞳部分領域502の異なる瞳部分領域を通過した光束は、撮像素子162の各画素に、それぞれ、異なる角度で入射し、2×1分割された第1焦点検出画素201と第2焦点検出画素202で受光される。本実施形態は、瞳領域が水平方向に2つに瞳分割されている例であるが、垂直方向に瞳分割を行ってもよい。
撮像素子162には、第1瞳部分領域501を通過する光束を受光する第1焦点検出画素201と、第2瞳部分領域502を通過する光束を受光する第2焦点検出画素202と、第3瞳領域500を通過する光束を受光する撮像画素が複数配列されている。本実施形態では、各撮像画素が第1焦点検出画素と第2焦点検出画素から構成されているが、一部の撮像画素の代わりに別個の構成を有する第1焦点検出画素と第2焦点検出画素を配置してもよい。
本実施形態では、撮像素子の各画素の第1焦点検出画素201の受光信号を集めて第1焦点検出信号を生成し、各画素の第2焦点検出画素202の受光信号を集めて第2焦点検出信号を生成して焦点検出を行う。また、撮像素子162の各画素に、第1焦点検出画素201と第2焦点検出画素202の信号を加算することで、有効画素数Nの解像度の撮像信号(撮像画像)を生成する。
図6は、カメラMPU150が実行する制御方法を示すフローチャートであり、「S」はステップ(工程)を表す。図6に示す制御方法は、コンピュータに各ステップを実行させるためのプログラムとして具現化が可能であり、かかるプログラムは、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体に格納されてもよい。
S601において、カメラMPU150は、レンズMPU117から得られた情報に基づいて、フォーカスリング119の操作が開始されたかどうかを示す設定を行う。かかる設定は、mf_flagの値を0か1にすることによって行う。mf_flag=0は、フォーカスリング119の回転操作が開始されていないことを示す設定であり、mf_flag=1は、フォーカスリング119の回転操作が開始されたことを示す設定である。S601により、ユーザ自身がMF駆動への切り替え操作を行わずともMFを開始可能となる。なお、S601の詳細については図14を参照して後述する。
S602において、カメラMPU150は、S601で書き込まれたmf_flagが1であればS603へ進み、mf_flagが1でなければ(ここでは、mf_flag=0であれば)S601に戻る。
S603において、カメラMPU150は、ユーザによるフォーカスリング119の操作量に応じて、フォーカスアクチュエータ113を駆動するMF駆動を行う。ユーザは、フォーカスレンズ104の駆動速度を、フォーカスリング119を駆動させる速度により調節し、動画撮影時に滑らかなフォーカス変化を実現することができる。
S604において、カメラMPU150は、撮像面位相差焦点検出部169により合焦位置を検出し、合焦位置より所定量だけ合焦方向において手前のデフォーカス位置と、AFにおけるフォーカスレンズ104の停止位置を検出する。なお、合焦方向は、フォーカスレンズ104の現在の位置から合焦位置に向かう方向である。
S605において、カメラMPU150は、レンズMPU117からの情報に基づいて、S603で開始したMFからAFへ切り替えを行うかの設定を行う。かかる設定は、af_flagの値を0か1にすることによって行う。af_flag=0は、MFからAFに切り替える条件が満足されていないことを示す設定であり、af_flag=1は、MFからAFに切り替える条件が満足されたことを示す設定である。S605により、被写体が複数いる場合に、ユーザの意図する被写体に合焦させることが可能となる。
S606において、カメラMPU150は、S605で書き込まれたaf_flagが1であればS607へ進み、1でなければ(ここでは、af_flag=0であれば)S604に戻る。
S607において、カメラMPU150は、S604で検出した合焦位置へフォーカスレンズ104を駆動するAF駆動を開始する。AF駆動開始時のフォーカスレンズ104の駆動速度は、MFからAFへ切り替わる際のフォーカスレンズ104の駆動速度に応じて設定される。すなわち、MFからAFへ切り替わる際のフォーカスレンズ104の駆動速度が速いほど、AF駆動開始時のフォーカスレンズ104の駆動速度も速くなる。なお、本実施形態では、AF駆動開始時のフォーカスレンズ104の駆動速度は、MFからAFへ切り替わる際のフォーカスレンズ104の駆動速度と同じ速度とする。カメラMPU150は、フォーカスレンズ104の駆動速度の情報を随時取得しており、レンズMPU117にAFにおけるフォーカスレンズ104の駆動速度を指定することができる。また、AF駆動開始後は、カメラMPU150は、後述するように、フォーカスレンズ104が、徐々に減速するように制御する。カメラMPU150は、フォーカスレンズ104の駆動速度を、位置情報取得手段120または121から取得した情報から取得する。AFへの切り替えを行うことにより、MFでは難しい合焦位置への正確な移動を行って動画撮影をアシストすることができる。
S608において、カメラMPU150は、合焦判別を行う。合焦でない場合には、フォーカスレンズ104の駆動を継続し、合焦である場合には、フォーカスレンズ104の駆動を停止し、処理を終了する。処理終了後、焦点調節開始に戻り処理を再開する。このため、この場合は、S601は、AFからMFへの切り換えとなる。
図7は、図6に示すS604の詳細を説明するためのフローチャートである。
図8は、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号のデフォーカス量と第1焦点検出信号と第2焦点検出信号間の像ずれ量の概略関係図である。撮像面800に撮像素子162が配置され、図4、図5と同様に、撮影光学系の射出瞳400が、第1瞳部分領域501と第2瞳部分領域502に2分割される。
デフォーカス量dは、被写体の結像位置から撮像面までの距離を大きさ|d|とし、被写体の結像位置が撮像面より被写体側にある前ピン状態を負符号(d<0)、被写体の結像位置が撮像面より被写体の反対側にある後ピン状態を正符号(d>0)とする。被写体の結像位置が撮像面(合焦位置)にある合焦状態はd=0である。被写体801は合焦状態であり、被写体802は前ピン状態である。前ピン状態と後ピン状態を合わせて、デフォーカス状態(|d|>0)とする。
前ピン状態では、被写体802からの光束のうち、第1瞳部分領域501を通過した光束は、一度、集光した後、光束の重心位置G1を中心として幅Γ1に広がり、撮像面800でボケた像となる。同様に、被写体802からの光束のうち、第2瞳部分領域502を通過した光束は、一度、集光した後、光束の重心位置G2を中心として幅Γ2に広がり、撮像面800でボケた像となる。ボケた像は、第1焦点検出画素201または第2焦点検出画素202により受光され、第1焦点検出信号または第2焦点検出信号が生成される。よって、第1焦点検出信号(第2焦点検出信号)は、撮像面800上の重心位置G1(G2)に、被写体802が幅Γ1(Γ2)にボケた被写体像として記録される。被写体像のボケ幅Γ1(Γ2)は、デフォーカス量dの大きさ|d|が増加するのに伴い、概ね、比例して増加する。同様に、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号間の被写体像の像ずれ量p(=光束の重心位置の差G1−G2)の大きさ|p|も、デフォーカス量dの大きさ|d|が増加するのに伴い、概ね、比例して増加していく。後ピン状態(d>0)でも、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号間の被写体像の像ずれ方向が前ピン状態と反対となるが、同様である。
第1焦点検出信号と第2焦点検出信号、もしくは、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号を加算した撮像信号のデフォーカス量の大きさが増加するのに伴い、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号間の像ずれ量の大きさが増加する。本実施形態では、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号のデフォーカス量と像ずれ量の関係性を用いて、位相差方式の焦点検出を行う。
位相差方式の焦点検出では、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号を相対的にシフトさせて信号の一致度を表す相関量を計算し、相関(信号の一致度)が良くなるシフト量から像ずれ量を検出する。撮像信号のデフォーカス量の大きさが増加するのに伴い、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号間の像ずれ量の大きさが増加する関係性から、像ずれ量を検出デフォーカス量(合焦位置)に変換して焦点検出を行う。
S701において、カメラMPU150は、撮像素子162の有効画素領域の中から焦点調節を行う焦点検出領域を設定する。S702において、カメラMPU150は、焦点検出領域の第1焦点検出画素の受光信号から生成した第1焦点検出信号と、焦点検出領域の第2焦点検出画素の受光信号から生成した第2焦点検出信号を取得する。
S703において、カメラMPU150は、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号に、それぞれ、シェーディング補正処理(光学補正処理)を行う。図9は、撮像素子162の周辺像高における第1瞳部分領域501、第2瞳部分領域502、および射出瞳400の関係を示す。瞳の水平方向をX軸、瞳の垂直方向をY軸としている。
図9(a)は、撮影光学系の射出瞳距離Dlと撮像素子162の設定瞳距離Dsが同じ場合を示しており、この場合は、第1瞳部分領域501と第2瞳部分領域502により、射出瞳400が、概ね、均等に瞳分割される。
図9(b)は、射出瞳距離Dlが設定瞳距離Dsよりも短い場合を示しており、撮像素子162の周辺像高では、射出瞳400と撮像素子162の入射瞳の瞳ずれを生じ、射出瞳400が、不均一に瞳分割されてしまう。同様に、図9(c)は、射出瞳距離Dlが設定瞳距離Dsよりも長い場合を示しており、撮像素子162の周辺像高では、射出瞳400と撮像素子162の入射瞳の瞳ずれを生じ、射出瞳400が、不均一に瞳分割されてしまう。周辺像高で瞳分割が不均一になるのに伴い、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号の強度も不均一になり、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号のいずれか一方の強度が大きくなり、他方の強度が小さくなるシェーディングが生じる。
図7のS703において、カメラMPU150は、焦点検出領域の像高、撮影光学系のF値および射出瞳距離に応じて、第1焦点検出信号の第1シェーディング補正係数と、第2焦点検出信号の第2シェーディング補正係数を、それぞれ生成する。第1シェーディング補正係数を第1焦点検出信号に乗算し、第2シェーディング補正係数を第2焦点検出信号に乗算して、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号のシェーディング補正処理(光学補正処理)を行う。
位相差方式の焦点検出では、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号の相関(信号の一致度)に基づいて、デフォーカス量(合焦位置)の検出を行う。瞳ずれによるシェーディングが生じると第1焦点検出信号と第2焦点検出信号の相関(信号の一致度)が低下する場合がある。よって、位相差方式の第1焦点検出では、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号の相関(信号の一致度)を改善し、焦点検出性能を良好とするために、シェーディング補正処理(光学補正処理)を行うことが望ましい。
図7のS704において、カメラMPU150は、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号に、フィルタ処理を行う。図10は、S704のフィルタ処理の通過帯域(実線)で示すグラフである。横軸は空間周波数、縦軸はフィルタ係数を表している。位相差方式の焦点検出により、大デフォーカス状態での焦点検出を行うため、フィルタ処理の通過帯域は低周波帯域を含む。必要に応じて、大デフォーカス状態から小デフォーカス状態まで焦点調節を行う際に、デフォーカス状態に応じて、焦点検出時のフィルタ処理の通過帯域を、図10の一点鎖線で示すように、より高周波帯域に調整してもよい。
図7のS705において、カメラMPU150は、フィルタ処理後の第1焦点検出信号と第2焦点検出信号を相対的に瞳分割方向にシフトさせるシフト処理を行い、信号の一致度を表す相関量を算出する。フィルタ処理後のk番目の第1焦点検出信号をA(k)、第2焦点検出信号をB(k)、焦点検出領域に対応する番号kの範囲をWとする。シフト処理によるシフト量をs1、シフト量s1のシフト範囲をΓ1として、相関量CORは、数式(1)により算出される。
シフト量s1のシフト処理により、k番目の第1焦点検出信号A(k)とk−s1番目の第2焦点検出信号B(k−s1)を対応させて減算し、シフト減算信号を生成する。生成されたシフト減算信号の絶対値を計算し、焦点検出領域に対応する範囲W内で番号kの和を取り、相関量COR(s1)を算出する。必要に応じて、各行毎に算出された相関量(評価値)を、各シフト量毎に、複数行に渡って加算してもよい。
S706において、カメラMPU150は、相関量から、サブピクセル演算により、相関量が最小値となる実数値のシフト量を算出して像ずれ量p1とする。像ずれ量p1に、焦点検出領域の像高と、撮影光学系のF値、射出瞳距離に応じた変換係数Kをかけて、検出デフォーカス量(合焦位置)を検出する。位相差方式の焦点検出手段により、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号に、フィルタ処理とシフト処理を行い、相関量を算出し、相関量から検出デフォーカス量(合焦位置)を検出する。
図12は、図6に示すS605が用いられるシーンの概略図である。図12(a)は、被写体1と被写体2を含む撮影画像を示す図である。図12(b)は、図12(a)に示す画像が取得された際のカメラと、被写体1、2の位置関係を表した概略図である。この場合、カメラはユーザが、異なる位置ある被写体1、2のどちらにピントを合わせたいのか判断できず、ユーザの意図しない被写体にピントを合わせてしまう可能性がある。そこで、本実施形態は、フォーカスレンズ104の位置に関する閾値zafとフォーカスリング119の駆動加速度に関する閾値aafを使用してAF駆動開始判別を行い、ユーザの意図した被写体に合焦させている。
図11は、図6のS605の詳細を説明するためのフローチャートである。
S1101において、カメラMPU150は、S706で算出した合焦位置z0と、フォーカスアクチュエータ113で検出したフォーカスレンズ104の位置zの情報を取得する。S1102において、カメラMPU150は、|z−z0|≦zafを満たす場合はS1103に進み、満たさない場合にはS1106へ進む。ここで、zafは、予め設定したフォーカスレンズ104の位置に関する閾値(正の数)であり、合焦方向において所定量だけ手前のデフォーカス位置(z1+zaf)の設定に用いる。S1102は、MF手段によってフォーカスレンズ104が、合焦位置から所定量だけ合焦方向において手前のデフォーカス位置に移動されたかどうかを判定するステップである。
図13は、時間とフォーカスレンズ104の位置、駆動速度、駆動加速度の関係を示すグラフである。図13に示す情報は、位置情報取得手段121から取得してもよいし、位置情報取得手段120から得た情報から取得してもよい。図中のtaf1、taf2は、被写体1、2に対してそれぞれAF駆動を開始する時刻、tst1、tst2は被写体1、2に対してそれぞれAF駆動を完了する(フォーカスレンズ104を停止させる)時刻を表している。
図13(a)は、時間(横軸)とフォーカスレンズ104の位置(縦軸)の関係を示すグラフである。図中、z1は、被写体1の合焦位置を、z2は、被写体2の合焦位置を表している。実線は、MFによりフォーカスレンズ104を駆動している領域、点線はAFによりフォーカスレンズ104を駆動している領域を表している。また、黒線が被写体1に、灰色線が被写体2にピントを合わせている様子である。
図13(a)に示すように、合焦方向に合焦位置から閾値zt手前の位置にフォーカスレンズ104が到達した時刻taf1またはtaf2でMFからAFに切り替える。このように、合焦位置から閾値ztだけ手前の位置にフォーカスレンズ104が到達した場合が、MFからAFに切り替わる1つ目の条件である。
S1103において、カメラMPU150は、フォーカスリング119の駆動速度v及び駆動加速度aの情報を取得する。駆動速度v及び駆動加速度aは、上述したように、フォーカスリング119の位置情報から算出する。
S1104において、カメラMPU150は、フォーカスレンズ104(またはフォーカスリング119)の加速度の絶対値が閾値を超えたとき、即ち、|a|≧|aaf|が満足されたと判別すると、S1105に進み、そうでない場合にはS1106に進む。ここで、aafは予め設定したフォーカスリング駆動加速度に関するAF駆動開始の閾値である。S1104は、デフォーカス位置におけるフォーカスレンズ104の速度および加速度の少なくとも一方が、合焦位置でフォーカスレンズ104を停止させるための条件を満たしているかどうかを判定するステップとして機能する。
図13(b)は、図13(a)のグラフを時間微分し、時間(横軸)とフォーカスレンズ104(またはフォーカスリング119)の駆動速度(縦軸)の関係を示すグラフである。黒線が被写体1に、灰色線が被写体2にピントを合わせている。図13(c)は、図13(b)のグラフをさらに時間微分し、時間(横軸)とフォーカスレンズ104(またはフォーカスリング119)の駆動加速度(縦軸)の関係を示すグラフである。黒線が被写体1に、灰色線が被写体2にピントを合わせている。
動画撮影中のピント変化を滑らかにするには、図13(a)に示す動きが必要であるため、フォーカスレンズ104は、図13(b)に示すように、低速で動き始め、徐々に速度を上げて最高速に達し、その後徐々に速度を落として合焦位置で停止する。そのとき、駆動加速度aが、図13(c)に示すように、AFに切り替える時刻taf1、taf2付近で極小値をとるように閾値Zafが設定されている。そこで、駆動加速度aが閾値aafよりも大きくなった場合にMFからAFに切り替えることで、ユーザの意図した被写体へピントを合わせることが可能となる。
S1105において、カメラMPU150は、af_flag=1を書き込み、S1106において、カメラMPU150は、af_flag=0を書き込む。
例えば、図12において、所望の被写体(主被写体)が被写体2であるとする。図1に示す画面を取得した場合、カメラ本体140は、被写体1、2のどちらが主被写体であるのかは分からないが、不図示の被写体検出手段(例えば、顔検出手段)を利用して被写体1、2を検出している。S1101において、カメラ本体140は、被写体1、2のそれぞれの合焦位置z1、z2の情報を取得しており、zafの情報は予め保持している。S1102において、カメラ本体140は、z1、z2のそれぞれについて条件が満足されるかどうかを判断する。被写体1について、S1102の条件が満足されている場合、カメラ本体140は、S1104の条件が満足されているかどうかを判断する。この場合、主被写体が被写体2である場合、図13(c)に示す灰色曲線において、時刻taf1では、S1104の条件が満足されていない。その後、カメラ本体140は、時刻taf2において、被写体2について、S1102の条件が満足されていると判断し、次いで、S1104の条件が満足されていると判断し、S1105に進む。
S1105において、af_flag=1が書き込まれてS607でAF駆動が開始する時刻taf2では、図13(b)に示すように、フォーカスリング119の駆動速度は0ではない。このため、カメラMPU150は、時刻taf2後に行われたフォーカスリング119の操作によるMFを無効にし、AFを開始するようにレンズMPU117に命令する。
EEPROM153は、複数の異なる閾値(所定量)zafの値を格納し、操作SW167は、ユーザに、実際に使用する閾値zafの値を選択させる選択手段として機能してもよい。例えば、MFに慣れているユーザにとっては、主被写体の合焦位置にできるだけ近い位置までMFを働かせたい需要がある。この場合、ユーザは、極小値に対応する閾値zafよりも若干小さい閾値を選択する(つまり、MFからAFへの切り替えを遅くするモードを選択する)ことができる。また、MFに慣れていないユーザにとっては、早めにMFからAFに切り替えたい需要がある。この場合、ユーザは、極小値に対応する閾値zafよりも若干大きい閾値を選択する(つまり、MFからAFへの切り換えを早めるモードを選択する)ことができる。標準状態では、極小値に対応する閾値zafが選択されてもよい。選択された閾値はRAM152に格納されてもよい。これによって、MFをAFによってアシストする幅を調節することができる。極小値に対応する閾値zafよりも若干大きい閾値は、少なくともフォーカスリング119の最高速度(図13(b)に示す極大)に対応する位置よりも合焦位置側にあることが好ましい。これにより、主被写体への焦点調節精度を高めることができる。
図14は、図6に示すS601の詳細を説明するためのフローチャートである。S1401において、カメラMPU150は、フォーカスリング119の駆動加速度aを取得する。S1402において、カメラMPU150は、a≧amfを満たす場合にはS1403に進み、満たさない場合にはS1404へ進む。ここで、amfは、予め設定したフォーカスリング119の駆動加速度に関するMF駆動開始の閾値である。S1402は、フォーカスリング119を操作する速度および加速度の少なくとも一方が閾値以上になれば足りる。カメラMPU150は、かかる条件を満足する場合に、(AFの合焦の継続があればこれを無効にし、)MFによるフォーカスレンズ104の移動を有効にする。
図14では、カメラMPU150は、フォーカスレンズ104が合焦位置に移動した後も、AF手段にその合焦位置に対応する被写体に合焦させ、合焦状態を維持している。例えば、図12の被写体2が主被写体である場合にS608の合焦後に多少デフォーカスし、ユーザは被写体2に追従したままにしたいと考えている場合、図14のようにすれば、AFを被写体2に対して継続することができる。これにより、フォーカスレンズ104が移動して多少速度vが生じても、AFを継続することができる。但し、被写体2から被写体1へ変更する場合などの大きな変化に対応するために、図14では、フォーカスリング119の加速度を閾値amfと比較している。S1402において、フォーカスリングを回転操作する速度の絶対値が閾値以下であるかどうかを判断してもよいし、速度と加速度の両方を閾値と比較してもよい。もちろん、本発明は、S608で合焦位置にフォーカスレンズ104が到達し次第、AFを無効にして直ちにMFを働かせてもよい。つまり、S1402において、カメラMPU150は、単に図13(b)に示すvが0よりも大きいかどうかでMF駆動開始を判定してもよい。
図13中のtmf1、tmf2は、被写体1、2に対してそれぞれMF駆動を開始する時刻を表している。図13(c)における加速度が極大値を持つ時刻付近から、フォーカスレンズの位置変化が大きくなっていることから、この加速度の極大値を検知し、ユーザの意図したタイミングでMF駆動への切り替えを行う。S1403では、mf_flag=1を書き込み、S1404ではmf_flag=0を書き込む。mf_flag=1の場合は、MF駆動を開始することを意味し、mf_flag=0の場合には、MF駆動を開始しないことを意味する。
以上、カメラMPU150は、MFによってフォーカスレンズ104が合焦位置から所定量だけ手前のデフォーカス位置に移動された場合に移動された後にMFからAFに切り替えているので、ユーザが意図するMFを実現することができる。また、カメラMPU150は、デフォーカス位置におけるフォーカスレンズ104の速度および加速度の少なくとも一方が、合焦位置でフォーカスレンズを停止させるための条件を満たしているかどうかを判定する。これによって、ユーザが合焦位置にフォーカスレンズを停止させようとしている場合にのみMFからAFへの切り換えを行うことができる。特に、図12に示すように、複数の被写体(合焦位置)が存在する場合、ユーザが意図する被写体に合焦させることができる。なお、「MFからAFに切り替える」とは、MF手段によるフォーカスレンズ104の移動を無効にし、AF手段によるフォーカスレンズ104の移動を開始させることを意味する。フォーカスレンズ104の速度および加速度は、フォーカスリング119の回転操作がフォーカスレンズ104の移動とリンクしていることから、フォーカスリング119の角速度(または回転速度)若しくは角加速度に関する情報であってもよい。本実施形態によれば、MFをAFでアシストすると共に、フォーカスレンズ104の速度情報の条件によって主被写体への合焦精度を高めているので、滑らかなフォーカス変化で主被写体にピントが合った撮影が可能となる。
また、本実施形態では、フォーカスリング119は電子フォーカスリングであるが、フォーカスリング119は直接モータと接続されてもよい。その場合、クラッチ機構を切り離すことでAF駆動に切り変えたり、モータをフォーカスリング119と逆方向に回転させたりしてAF駆動を行ってもよい。
カメラMPU150は、S1102とS1104によって特定された主被写体の情報(例えば、被写体2が主被写体として特定されたこと)を表示器166に(所定のマークなどで)表示してもよい。これにより、フォーカスリング119の操作が不十分であることなどをユーザは知ることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
本発明は、撮像装置の用途に適用することができる。
104…フォーカスレンズ、119…フォーカスリング(操作部材)、150…カメラMPU(カメラ制御手段、自動焦点調節手段、手動焦点調節手段)、169…撮像面位相差焦点検出部(焦点検出手段)、z0、z1、z2…合焦位置
Claims (15)
- 動画撮影が可能な撮像装置であって、
フォーカスレンズの合焦位置を検出する焦点検出手段と、
操作部材の操作量に応じて前記フォーカスレンズを移動させる手動焦点調節手段によって前記フォーカスレンズが、前記焦点検出手段によって検出された前記合焦位置から所定量だけ合焦方向において手前のデフォーカス位置に移動された場合、前記手動焦点調節手段による前記フォーカスレンズの移動を無効にし、自動焦点調節手段による前記フォーカスレンズの前記合焦位置への移動を開始させる制御手段と、
を有することを特徴とする撮像装置。 - 前記制御手段は、前記手動焦点調節手段によって前記フォーカスレンズが、前記焦点検出手段によって検出された前記合焦位置から前記所定量だけ合焦方向において手前のデフォーカス位置に移動され、かつ、前記デフォーカス位置における前記フォーカスレンズの速度および加速度の少なくとも一方が、前記合焦位置で前記フォーカスレンズを停止させるための条件を満たしている場合、前記自動焦点調節手段による前記フォーカスレンズの前記合焦位置への移動を開始させることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
- 前記条件は、前記フォーカスレンズの加速度の絶対値が閾値以上となることであることを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
- 前記条件は、前記フォーカスレンズの速度の絶対値が閾値以下となることであることを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
- 前記制御手段は、前記デフォーカス位置に前記フォーカスレンズが達したときの前記フォーカスレンズの速度に応じて、前記自動焦点調節手段により前記フォーカスレンズを移動させる際の速度を設定することを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載の撮像装置。
- 前記制御手段は、前記デフォーカス位置に前記フォーカスレンズが達したときの前記フォーカスレンズの前記速度にて、前記自動焦点調節手段により前記フォーカスレンズを移動させることを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
- 前記制御手段は、前記操作部材を操作する速度および加速度の少なくとも一方が閾値以上になると、前記手動焦点調節手段による前記フォーカスレンズの移動を有効にすることを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか1項に記載の撮像装置。
- 前記制御手段は、前記フォーカスレンズが前記合焦位置に移動した後も、前記自動焦点調節手段に、前記合焦位置に対応する被写体に合焦させることを継続させることを特徴とする請求項1乃至7のうちいずれか1項に記載の撮像装置。
- 前記制御手段は、前記操作部材を操作する速度および加速度の少なくとも一方が閾値以上になると、前記自動焦点調節手段による合焦の継続を無効にし、前記手動焦点調節手段による前記フォーカスレンズの移動を有効にすることを特徴とする請求項8に記載の撮像装置。
- 前記所定量は、前記手動焦点調節手段によって前記デフォーカス位置に移動された前記フォーカスレンズの前記速度および加速度の少なくとも一方が前記条件を満たすように設定されることを特徴とする請求項2乃至4のうちいずれか1項に記載の撮像装置。
- 前記所定量を、複数の異なる値の中から選択させる選択手段を更に有することを特徴とする請求項1乃至10のうちいずれか1項に記載の撮像装置。
- 前記制御手段は、前記自動焦点調節手段による駆動を開始した後は前記フォーカスレンズの速度を徐々に減速させることを特徴とする請求項1乃至11のうちいずれか1項に記載の撮像装置。
- 前記フォーカスレンズの前記速度または加速度に関する情報によって特定された被写体を表示する表示手段を更に有することを特徴とする請求項2乃至4のうちいずれか1項に記載の撮像装置。
- フォーカスレンズの合焦位置を検出する焦点検出手段を有し、動画撮影が可能な撮像装置の制御方法であって、
操作部材の操作量に応じて前記フォーカスレンズを移動させる手動焦点調節手段によって前記フォーカスレンズが、前記焦点検出手段によって検出された前記合焦位置から所定量だけ合焦方向において手前のデフォーカス位置に移動されたかどうかを判定するステップと、
前記フォーカスレンズが前記デフォーカス位置に移動されたと判定されると、前記手動焦点調節手段による前記フォーカスレンズの移動を無効にし、自動焦点調節手段による前記フォーカスレンズの前記合焦位置への移動を開始させるステップと、
を有することを特徴とする撮像装置の制御方法。 - コンピュータに、請求項14に記載の撮像装置の制御方法を実行させるためのプログラム。
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