JP2011176457A - 電子カメラ - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の焦点検出点を用いて焦点調節する場合に被写体形状の変化にかかわらず適切に焦点調節すること。
【解決手段】電子カメラは、撮影光学系1を通した被写体像を所定時間ごとに撮像する撮像素子2と、設定されている複数の焦点検出エリアにそれぞれ対応する撮像素子2の複数の光電変換部からの出力信号に基づいて、撮影光学系1の焦点調節状態をそれぞれ検出する焦点検出手段4と、撮像素子2による撮像画像の中の主要被写体領域を検出する主要被写体検出手段4と、最新の撮像画像の中で検出された主要被写体領域の大きさが、それ以前の撮像画像の中で検出された当該主要被写体領域の大きさと異なる場合に、当該最新の撮像画像の主要被写体領域に対応する焦点検出エリアの数を、当該それ以前の撮像画像の主要被写体領域に対応する焦点検出エリアの数と揃えるように設定制御する焦点検出エリア制御手段4とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子カメラに関する。
被写体がカメラ方向に移動する場合の被写体形状の変化に応じてAF測距枠の形状を変形させる技術が知られている(特許文献1参照)。
特開2009−69748号公報
従来技術では、主要被写体に複数の焦点検出点を対応させる場合への適用が困難であった。
本発明による電子カメラは、撮影光学系を通した被写体像を所定時間ごとに撮像する撮像素子と、設定されている複数の焦点検出エリアにそれぞれ対応する撮像素子の複数の光電変換部からの出力信号に基づいて、撮影光学系の焦点調節状態をそれぞれ検出する焦点検出手段と、撮像素子による撮像画像の中の主要被写体領域を検出する主要被写体検出手段と、最新の撮像画像の中で検出された主要被写体領域の大きさが、それ以前の撮像画像の中で検出された当該主要被写体領域の大きさと異なる場合に、当該最新の撮像画像の主要被写体領域に対応する焦点検出エリアの数を、当該それ以前の撮像画像の主要被写体領域に対応する焦点検出エリアの数と揃えるように設定制御する焦点検出エリア制御手段と、を備えることを特徴とする。
本発明による電子カメラでは、複数の焦点検出点を用いて焦点調節する場合、被写体形状の変化にかかわらず適切に焦点調節できる。
本発明の一実施の形態による焦点検出装置を搭載する電子カメラの要部構成を説明するブロック図である。 撮像素子に形成されているフォーカス検出用画素の位置を例示する図である。 焦点検出用画素列および周囲の撮像用画素を拡大した図である。 焦点検出用画素列の一部を拡大した図である。 撮像用画素列の一部を拡大した図である。 11個の焦点検出点を用いて人物撮影する場合を例示する図である。 焦点検出点の位置および間隔を変化させた例を示す図である。 焦点検出点の位置および間隔を変更制御する処理を説明するフローチャートである。 焦点検出点の位置および間隔を変更制御する処理を説明するフローチャートである。 焦点検出点の位置および間隔を変化させた例を示す図である。 デフォーカス量の算出に用いるポイント数を、焦点検出点の位置および間隔を変更する前後で揃えるための処理を説明するフローチャートである。 変形例2で焦点検出点を増やして横一列に並べた場合を例示する図である。
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。図1は、本発明の一実施の形態による焦点検出装置を搭載する電子カメラの要部構成を説明するブロック図である。電子カメラは、CPU4によって制御される。
撮影レンズ1は、撮像素子2の撮像面上に被写体像を結像させる。撮像素子2は、たとえば、CMOSイメージセンサによって構成される。撮像素子2は被写体像を撮像し、アナログ画像信号を画像信号処理回路3へ出力する。画像信号処理回路3は、AFE(Analog
Front End)回路と、A/D変換回路と、信号処理回路とを含む。
AFE回路は、アナログ画像信号に対して相関二重サンプリングやゲイン調整などのアナログ処理を行う。A/D変換回路は、アナログ処理後の画像信号をデジタル画像データに変換する。信号処理回路は、デジタル画像データに対して画像処理を施す。画像処理には、たとえば、γ変換処理、輪郭強調処理、フィルタ処理やホワイトバランス調整処理、フォーマット変換処理、画像圧縮・伸張処理などが含まれる。
CPU4は、カメラ内の各ブロックから出力される信号を入力して所定の演算を行い、演算結果に基づく制御信号を各ブロックへ出力する。CPU4はさらに、撮影レンズ1による焦点位置の調節状態(デフォーカス量)を算出するための位相差演算を行う。位相差演算の詳細については後述する。
LCDモニタ5は、CPU4からの指示に応じて撮像画像を表示したり、操作メニューを表示したりする。電源スイッチ6は、電源ボタン(不図示)の押下操作に連動してオン/オフし、オン操作信号またはオフ操作信号をCPU4へ送出する。
レリーズスイッチ7Aは、レリーズボタン(不図示)の押下操作に連動してオン/オフする。レリーズスイッチ7Aは、レリーズボタンが半押し操作されると半押し操作信号をCPU4へ出力し、レリーズボタンが全押し操作されると全押し操作信号をCPU4へ出力する。操作部材7は、電子カメラの各スイッチ類を含み、モード切替スイッチの切換操作やズーム操作など、各操作部材の操作内容に応じた操作信号をCPU4へ出力する。
レンズ駆動制御回路8は、CPU4からの指示に応じてレンズ駆動信号(レンズ駆動方向およびレンズ駆動量を指示する信号)をレンズ駆動機構9へ出力する。レンズ駆動機構9は、レンズ駆動信号に応じて撮影レンズ1を構成するフォーカスレンズを光軸方向へ進退移動させる。これにより、電子カメラのピント調節が行われる。
不揮発性メモリ10は、CPU4が実行するプログラムや、CPU4が行う処理に必要なデータなどを格納する。不揮発性メモリ10が格納するプログラムやデータの内容は、CPU4からの指示によって追加、変更が可能に構成されている。
<焦点調節処理>
CPU4が行うオートフォーカス(自動焦点調節)処理について詳細に説明する。本実施形態の撮像素子2は、フォーカス検出用の画素(焦点検出用画素と呼ぶ)を有する。フォーカス検出用画素は、特開2007−317951号公報に記載されているものと同様のものである。CPU4は、焦点検出用画素からの画素出力データを用いて位相差検出演算を行うことにより、焦点検出処理を行う。
図2は、撮像素子2に形成されているフォーカス検出用画素の位置を例示する図である。図2において、撮像素子2の有効撮像領域のうち、水平方向にL1〜L9で示す9ライン状にフォーカス検出用画素列が形成されている。本実施形態では、領域101〜領域111で示す11個の焦点検出点を設定し、11個の焦点検出点でそれぞれ得られるデフォーカス量に基づいてフォーカスレンズの駆動量を決定する。なお、焦点検出点と説明したが、実際にはL1〜L9で示す9ラインのフォーカス検出用画素列のうち、領域101〜領域111内に含まれるフォーカス検出用画素からの画素出力データに基づいて位相差検出演算を行う。なお、焦点検出点の数は11個以外の他の数へ変更可能に構成されている。たとえば、1個、11個、または51個のように択一的に選択可能である。
図3は、水平方向に並ぶ焦点検出用画素列Ln(nは1〜9)のうち1列および周囲の撮像用画素を拡大して例示する図である。図4は、焦点検出用画素列の一部を拡大して例示する図であり、図5は、撮像用画素列の一部を拡大して例示する図である。
図4において、焦点検出用画素311および312は、それぞれマイクロレンズ10と一対の光電変換部12および光電変換部13を備える。両光電変換部12、13は、それぞれが半円形状をしており、マイクロレンズ10の中央に対して左右対称に配置される。光電変換部12にはG色の色フィルタが形成され、他方の光電変換部13にはR色の色フィルタが形成されている。焦点検出用画素311と焦点検出用画素312では、色フィルタが形成される位置が逆である。
同様に、焦点検出用画素313および314は、それぞれマイクロレンズ10と一対の光電変換部14および光電変換部15を備える。両光電変換部14、15は、それぞれが半円形状をしており、マイクロレンズ10の中央に対して左右対称に配置される。光電変換部14にはG色の色フィルタが形成され、他方の光電変換部15にはB色の色フィルタが形成されている。焦点検出用画素313と焦点検出用画素314では、色フィルタが形成される位置が逆である。
焦点検出用画素311および312は、一対の光電変換部12および13の並び方向(この場合は水平方向)に交互に形成される。また、焦点検出用画素313および314は、一対の光電変換部14および15の並び方向(同水平方向)に交互に形成される。
図5において、撮像用画素310は、マイクロレンズ10と光電変換部11を備える。各光電変換部11には、ベイヤー配列されたG色、B色、R色のうちいずれか1色の色フィルタが形成される。撮像用画素310は、形成される色フィルタの色が隣接画素との間で異なることを除き、各画素共通である。
上述した構成を有することにより、焦点検出用画素は、特開2007−317951号公報に記載されるように、それぞれ瞳分割された光束が入射されることになる。具体的には、焦点検出用画素311のG色成分について着目すれば、マイクロレンズ10の右側略半面が遮光されているのと等価である。右半面からの光束が入らない光電変換部12には、左方向からの光束(A成分と呼ぶ)が入射される。一方、焦点検出用画素312のG色成分について着目すれば、マイクロレンズ10の左側略半面が遮光されているのと等価である。左半面からの光束が入らない光電変換部12には、右方向からの光束(B成分と呼ぶ)が入射される。
この結果、A成分の光束が入射される画素311から成る画素群から得られる画素出力(A成分のデータ列)は、撮影レンズ1の射出瞳の片半分から入射された光束による像を表し、B成分の光束が入射される画素312から成る画素群から得られる画素出力(B成分のデータ列)は、上記射出瞳の他の半分から入射された光束による像を表す。
CPU4は、A成分のデータ列およびB成分のデータ列の相対的な位置関係をずらしながら、2つのデータ列間の像ずれ量(シフト量と呼ぶ)と、A成分のデータ列とB成分のデータ列との相関度を演算する。相関値が最小となる(相関値が小さいほど2つのデータ列の相関度が高い)シフト量を求める演算は、公知の位相差検出演算による。CPU4は、相関値を最小にするシフト量に所定係数を掛けることにより、デフォーカス量(被写体像面と予定焦点面とのずれ)を求める。
図6は、11個の焦点検出点(領域101〜領域111)を用いて人物撮影する場合を例示する図である。CPU4は、LCDモニタ5に表示するライブビュー画像に重ねて、11個の焦点検出点を示すマーク(本例では□)を表示させる。ライブビュー画像は、レリーズスイッチ7Aが操作される前に、撮像素子2によって所定のフレームレート(たとえば30フレーム/毎秒)で撮像された画像のデータに基づく再生画像をいい、最新フレームのライブビュー画像が上記フレームレートで逐次表示される。撮影者は、ライブビュー画像を見ながら構図をチェックするとともにシャッターチャンスをうかがう。なお、図6においてフォーカス検出用画素列に対応する9ラインL1〜L9を記しているが、実際のLCDモニタ5には表示しない。
本実施形態では、図6の状態からズーム倍率を変更した場合に、注目被写体と重なる焦点検出点の数をズーム倍率の変更前後で揃えるように焦点検出点を変更する。具体的には、図7に例示するように、焦点検出点(領域101〜領域111)の位置および間隔を変更倍率に応じて変化させる。なお、フォーカス検出用画素列に対応する9ラインL1〜L9を実際のLCDモニタ5に表示させない点は、図6の場合と同様である。
上述した焦点検出点の位置および間隔を変更制御する処理の流れについて、図8に例示するフローチャートを参照して説明する。CPU4は、電源スイッチ6がオン操作されると、図8による処理を行うプログラムを起動させる。図8のステップS11において、CPU4は、AFモードの選択操作が行われたか否かを判定する。CPU4は、操作部材7からAFモードの選択操作信号が入力された場合にステップS11を肯定判定してステップS12へ進む。CPU4は、操作部材7からAFモードの選択操作信号が入力されない場合には、ステップS11を否定判定してステップS18へ進む。
ステップS12において、CPU4はAFモードの選択処理を行う。具体的には、操作部材7からの操作信号に基づいてAFエリアの画面内における位置変更、およびポイント数(上記1個、11個、または51個に相当)の選択を行ってステップS13へ進む。AFエリアは、領域101〜領域111で示される範囲に相当するものとする。
ステップS13において、CPU4はズーム操作が行われたか否かを判定する。CPU4は、操作部材7からズーム倍率変更操作信号が入力された場合にステップS13を肯定判定してステップS14へ進む。CPU4は、操作部材7からズーム倍率の変更操作信号が入力されない場合には、ステップS13を否定判定してステップS17へ進む。
ステップS14において、CPU4はズーム倍率の拡大か縮小かを判定する。CPU4は、ズーム倍率変更操作信号が拡大を指示する場合にステップS15へ進む。CPU4は、ズーム倍率変更操作信号が縮小を指示する場合には、ステップS16へ進む。
ステップS15において、CPU4は、ポイント数(焦点検出点の数)を変えることなくAFエリアの拡大(焦点検出点を示すマークを大きく、マークの間隔を広く)してステップS17へ進む。ステップS16において、CPU4は、ポイント数(焦点検出点の数)を変えないでAFエリアの縮小(焦点検出点を示すマークを小さく、マークの間隔を狭く)してステップS17へ進む。
ステップS17において、CPU4は撮影処理を行う。具体的には、レリーズスイッチ7Aからの半押し操作信号に応じてフォーカス調節および自動露出演算を行ってから撮影を行う。フォーカス調節では、設定されている焦点検出点を示すマークにそれぞれ含まれるフォーカス検出用画素からの画素出力データに基づいて焦点検出点ごとのデフォーカス量をそれぞれ算出し、算出したデフォーカス量に基づいてレンズ駆動制御回路8へフォーカスレンズの駆動を指示する。複数の焦点検出点に対応する複数のデフォーカス量の中から、至近被写体に対応するデフォーカス量を選ぶか、複数のデフォーカス量の全ての平均を算出してデフォーカス量とするかは、あらかじめ設定されている設定内容に従う。
自動露出演算では、撮像素子2で撮像されたライブビュー画像の信号レベルに基づいて測光処理を行い、測光処理で得た輝度情報に基づいて撮影条件を設定する。CPU4は、設定後の撮影条件を適用して記録用の本撮影を行い、ステップS11へ戻る。
上述したステップS11を否定判定して進むステップS18において、CPU4は、ポイント数(焦点検出点の数)、AFエリア(焦点検出点を示すマークの大きさおよびマークの間隔)を変えないでAFエリアの自動調整(いわゆる追尾)を以下のように行う。
CPU4は、設定されているポイント数(焦点検出点の数)のAFエリアの全て(すなわち焦点検出点を示すマークの全て)を含む対象物を追尾被写体Tとする。CPU4は、ライブビュー画像のうち追尾被写体Tに対応する画像データに基づいて特徴量データを生成し、該特徴量データを含む参照用データを不揮発性メモリ10に格納(登録)する。この参照用データは、追尾被写体Tを追尾する際のテンプレートマッチング用に用いる。
その後、CPU4は被写体追尾処理を行う。具体的には、取得時刻が異なる複数フレー
ムのライブビュー画像データを用いて公知のテンプレートマッチング処理を施すことによ
り、先に取得された画像データにおける追尾被写体Tと類似する領域を、後から取得され
た画像データから検出(追尾)する。
CPU4は、後から取得された画像データにおける検出領域の位置と、先に取得された画像データにおける追尾被写体Tの位置との相対距離が所定差を超えている場合に、AFエリアの全て(すなわち焦点検出点を示すマークの全て)を現位置から上記被写体追尾処理で検出した追尾被写体Tの位置へ自動的に移動させる。CPU4は、このようにAFエリアの自動調整を行うとステップS17へ進む。
以上説明した実施形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)撮影レンズ1を通した被写体像を所定時間ごとに撮像する撮像素子2と、設定されている複数の焦点検出点(領域101〜領域111)にそれぞれ対応する撮像素子2の複数の光電変換部からの出力信号に基づいて、撮影レンズ1の焦点調節状態をそれぞれ検出し、撮像素子2による撮像画像の中の追尾被写体領域を検出するとともに、最新の撮像画像の中で検出された追尾被写体領域の大きさが、それ以前の撮像画像の中で検出された当該追尾被写体領域の大きさと異なる場合に、当該最新の撮像画像の追尾被写体領域に対応する焦点検出点の数を、当該それ以前の撮像画像の追尾被写体領域に対応する焦点検出点の数と揃えるように設定制御するCPU4とを、電子カメラに備えるようにした。これにより、複数の焦点検出点を用いてピント合わせをする場合、追尾被写体形状の変化の前後において、それぞれ同様の精度で適切に焦点調節が行える。
(2)撮影レンズ1はズーム光学系を含み、CPU4は、ズーム光学系による倍率変化に応じて複数の焦点検出点の大きさおよび間隔をそれぞれ制御するので、ズーム倍率の変化に起因する追尾被写体形状の変化の前後において、それぞれ同様の精度で適切に焦点調節が行える。
(3)CPU4は、最新の撮像画像とそれ以前の撮像画像との間における追尾被写体領域の大きさの変化に応じて複数の焦点検出点の大きさおよび間隔をそれぞれ制御するので、焦点検出点の大きさおよび間隔を、リアルタイムに制御できる。この結果、焦点調節の追従性がよくなる。
(4)撮像素子2は、撮像用の光電変換部および撮影レンズ1を通過した被写体光束を一対の光束に分割して互いに異なる光電変換部へ導くように構成された焦点検出用の光電変換部を有し、CPU4は、焦点検出用の光電変換部からの出力信号に基づいて一対の光束による一対の像の位相差情報を検出し、該位相差情報に基づいて焦点調節状態を検出するとともに、複数の焦点検出点のそれぞれに焦点検出用の光電変換部を含むように焦点検出点を設定制御するようにした。これにより、ズーム倍率の変化や被写体形状の変化にかかわらず、それぞれ同様の精度で適切にピント合わせを行うことができる。
(変形例1)
注目被写体が電子カメラに対して近づいたり離れたりする場合にも、焦点検出点(領域101〜領域111)の位置および間隔を注目被写体の形状変化に応じて変化させるとよい。この場合の焦点検出点の位置および間隔を変更制御する処理の流れについて、図9に例示するフローチャートを参照して説明する。図9において、図8の場合と同様の処理には同一ステップ番号を付して説明を省略する。
ステップS12の次に進むステップS19において、CPU4は、被写体形状が変化したか否かを判定する。CPU4は、設定されているポイント数(焦点検出点の数)のAFエリアの全て(すなわち焦点検出点を示すマークの全て)を含む対象物を追尾被写体Tとする。CPU4は、ライブビュー画像のうち追尾被写体Tに対応する画像データに基づいて特徴量データを生成し、特徴量データを含む参照用データを不揮発性メモリ10に格納(登録)する。この参照用データは、追尾被写体Tを追尾する際のテンプレートマッチング用に用いる。
その後、CPU4は被写体追尾処理を行う。取得時刻が異なる複数フレームのライブビ
ュー画像データを用いて公知のテンプレートマッチング処理を施すことにより、先に取得
された画像データにおける追尾被写体Tと類似する領域を、後から取得された画像データ
から検出(追尾)する。
CPU4は、追尾した被写体形状が変化している場合にステップS19を肯定判定してステップS20へ進み、追尾した被写体形状が変化してない場合にはステップS19を否定判定してステップS17へ進む。
ステップS20において、CPU4は、追尾被写体Tに重なるポイント数(焦点検出点
の数)を変えることなく、AFエリアの拡大(焦点検出点を示すマークを大きく、マークの間隔を広く)もしくは縮小(焦点検出点を示すマークを小さく、マークの間隔を狭く)してステップS17へ進む。
変形例1によれば、被写体距離の変化に起因する被写体形状の変化の前後で注目被写体に対するピント合わせに寄与するポイント数(焦点検出点の数)を揃えたので、被写体形状の変化にかかわらず、同様の精度で適切にピント合わせを行うことができる。
(変形例2)
上述した実施形態や変形例1では、ポイント数(焦点検出点の数)を変えることなくA
Fエリア(焦点検出点を示すマークの大きさやマークの間隔)を変更後にデフォーカス量
を算出する際、変更後の焦点検出点であってフォーカス検出用画素を含むもの(すなわち
、ラインL1〜L9のいずれかと交わる焦点検出点マーク)を全て用いて焦点検出点ごとのデフォーカス量をそれぞれ算出した。たとえば、図6と図7とを比べると、焦点検出点(領域101〜領域111)の位置および間隔を変更する前後で、デフォーカス量の算出に用いる焦点検出点マークの数は11個で変化がない。
しかしながら、図10の例では、焦点検出点マークの大きさおよび間隔を小さく変更した結果、デフォーカス量の算出に用いることが可能な焦点検出点(すなわち、ラインL1〜L9のいずれかと交わる焦点検出点マーク)の数は11個から5個に減少する。そこで、CPU4は、フォーカス検出用画素列に対応するラインL7上で焦点検出点を6個増やして計11個とし、横一列に並べる(図12)。これにより、デフォーカス量の算出に用いることが可能な焦点検出点の数を11個に保つことが可能になる。
デフォーカス量の算出に用いるポイント数(焦点検出点の数)を、焦点検出点(領域1
01〜領域111)の位置および間隔を変更する前後で揃えるための処理について、図11に例示するフローチャートを参照して説明する。CPU4は、図11による処理を図8におけるS15の後、図8におけるS16の後、および図9におけるS20の後にそれぞれ行う。
図11のステップS31において、CPU4は、AFエリア(領域101〜領域111で示される範囲)内の焦点検出用画素列(AF画素ライン)の数について変化の状態を判定する。CPU4は、増加した(すなわち、ラインL1〜L9のいずれかと交わる焦点検出点マークの数が増えた)場合にステップS33へ進む。CPU4は、不変の場合にステップS32へ進む。また、CPU4は、減少した(すなわち、ラインL1〜L9のいずれかと交わる焦点検出点マークの数が減った)場合にステップS34へ進む。
ステップS33において、CPU4は、ラインL1〜L9と交わる焦点検出点の数(す
なわち焦点検出点マークの数)を減少させて図11による処理を終了する。なお、削減数は、増加分のみを減らすものとする。
ステップS32において、CPU4は、ラインL1〜L9と交わる焦点検出点の数(すなわち焦点検出点マークの数)を維持して図11による処理を終了する。
ステップS34において、CPU4は、ラインL1〜L9と交わる焦点検出点の数(す
なわち焦点検出点マークの数)を増加させて図11による処理を終了する。なお、増加数は、減少分のみを増やすものとする。
なお、ステップS33やステップS34においてラインL1〜L9と交わる焦点検出点の数(すなわち焦点検出点マークの数)を増減させた場合のCPU4は、ライブビュー画像に重ねてLCDモニタ5に表示する11個の焦点検出点を示すマーク(本例では□)については、ステップS33やステップS34の処理を行う前と同様の表示を継続する。
すなわち、上述した図10の例ではラインL1〜L9のいずれかと交わる焦点検出点マ
ークの数が11個から5個に減少しているが、ステップS34の処理を行って焦点検出点を横一列に11個にしたとしても(図12)、LCDモニタ5への表示は図10に例示した内容を継続する。
変形例2によれば、ズーム倍率の変化の前後や被写体形状の変化の前後で注目被写体に対するピント合わせに寄与するポイント数(焦点検出点の数)を揃えたので、ズーム倍率の変化や被写体形状の変化にかかわらず、同様の精度で適切にピント合わせを行うことができる。
(変形例3)
主要被写体を追尾する処理において、撮影用の撮像素子2によって取得されたライブビュー画像を用いる例を説明した。この代わりに、撮像素子2とは別の撮像素子、たとえば、測光用撮像素子によって取得された画像を用いてもよい。この場合のCPU4は、測光用画像のうち追尾被写体Tに対応する画像データに基づいて特徴量データを生成し、該特徴量データを含む参照用データを不揮発性メモリ10に格納(登録)する。この参照用データは、追尾被写体Tを追尾する際のテンプレートマッチング用に用いる。
そして、CPU4は、取得時刻が異なる複数フレームの測光用画像データを用いて公知
のテンプレートマッチング処理を施すことにより、先に取得された測光用画像データにお
ける追尾被写体Tと類似する領域を、後から取得された測光用画像データから検出(追尾
)する。
(変形例4)
上述した説明では、フォーカス検出用の画素(焦点検出用画素と呼ぶ)を有する撮像素子2を用いることにより、いわゆる撮像面位相差検出方式の焦点検出処理を行う例を説明した。この代わりに、焦点検出用画素を持たずに撮像用画素のみを有する撮像素子を用いて、焦点検出点に対応する撮像用画素からの画素出力データを用いてコントラスト検出を行うコントラスト検出方式の焦点検出処理を行う場合にも本発明を適用できる。この場合のCPU4は、複数の焦点検出点のそれぞれに、コントラスト検出(焦点評価値を算出)するための光電変換部を少なくとも1つ含むように焦点検出点を設定制御すればよい。
以上の説明はあくまで一例であり、上記の実施形態の構成に何ら限定されるものではない。
1…撮影レンズ
2…撮像素子
4…CPU
5…LCDモニタ
8…レンズ駆動制御回路
9…駆動機構
10…不揮発性メモリ

Claims (7)

  1. 撮影光学系を通した被写体像を所定時間ごとに撮像する撮像素子と、
    設定されている複数の焦点検出エリアにそれぞれ対応する前記撮像素子の複数の光電変換部からの出力信号に基づいて、前記撮影光学系の焦点調節状態をそれぞれ検出する焦点検出手段と、
    前記撮像素子による撮像画像の中の主要被写体領域を検出する主要被写体検出手段と、
    最新の撮像画像の中で検出された主要被写体領域の大きさが、それ以前の撮像画像の中で検出された当該主要被写体領域の大きさと異なる場合に、当該最新の撮像画像の主要被写体領域に対応する焦点検出エリアの数を、当該それ以前の撮像画像の主要被写体領域に対応する焦点検出エリアの数と揃えるように設定制御する焦点検出エリア制御手段と、
    を備えることを特徴とする電子カメラ。
  2. 請求項1に記載の電子カメラにおいて、
    前記撮影光学系は変倍光学系を含み、
    前記焦点検出エリア制御手段は、前記変倍光学系による倍率変化に応じて前記複数の焦点検出エリアの大きさおよび間隔をそれぞれ制御することを特徴とする電子カメラ。
  3. 請求項1に記載の電子カメラにおいて、
    前記焦点検出エリア制御手段は、前記最新の撮像画像と前記それ以前の撮像画像との間における主要被写体領域の大きさの変化に応じて前記複数の焦点検出エリアの大きさおよび間隔をそれぞれ制御することを特徴とする電子カメラ。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子カメラにおいて、
    前記焦点検出エリア制御手段は、前記最新の撮像画像の主要被写体領域に対する焦点検出エリアの配置関係を、当該それ以前の撮像画像の主要被写体領域に対する焦点検出エリアの配置関係と略類似した配置関係になるように制御することを特徴とする電子カメラ。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の電子カメラにおいて、
    前記焦点検出エリア制御手段は、前記最新の撮像画像の主要被写体領域の形状が、前記それ以前の撮像画像の主要被写体領域の形状と異なる場合にも、当該最新の撮像画像の主要被写体領域に対応する焦点検出エリアの数を、当該それ以前の撮像画像の主要被写体領域に対応する焦点検出エリアの数と揃えるように設定制御することを特徴とする電子カメラ。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の電子カメラにおいて、
    前記撮像素子は、撮像用の光電変換部および前記撮影光学系を通過した被写体光束を一対の光束に分割して互いに異なる光電変換部へ導くように構成された焦点検出用の光電変換部を有し、
    前記焦点検出手段は、前記焦点検出用の光電変換部からの出力信号に基づいて前記一対の光束による一対の像の位相差情報を検出し、該位相差情報に基づいて前記焦点調節状態を検出し、
    前記焦点検出エリア制御手段は、前記複数の焦点検出エリアのそれぞれに前記焦点検出用の光電変換部を含むように焦点検出エリアを設定制御することを特徴とする電子カメラ。
  7. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の電子カメラにおいて、
    前記撮像素子は、撮像用の光電変換部で構成され、
    前記焦点検出手段は、前記光電変換部からの出力信号に基づいてコントラスト情報を検出し、該コントラスト情報に基づいて前記焦点調節状態を検出し、
    前記焦点検出エリア制御手段は、前記複数の焦点検出エリアのそれぞれに前記光電変換部を少なくとも1つ含むように焦点検出エリアを設定制御することを特徴とする電子カメラ。
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