JP2011013645A5 - - Google Patents
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Description
本発明は、フォーカスレンズと撮像素子とを移動させて焦点調節を行う撮像装置に関する。
デジタルスチルカメラやビデオカメラ等の撮像装置では、位相差検出方式やコントラスト検出方式等の焦点検出方式により撮影光学系の焦点状態を検出し、該検出結果に基づいて撮影光学系に含まれるフォーカスレンズを移動させることで焦点調節を行うことが多い。
また、特許文献1には、フォーカスレンズの移動に加えて、被写体像を光電変換する撮像素子を移動させることで焦点調節を行う撮像装置が開示されている。この撮像装置では、まずコントラスト検出方式の焦点評価値を得るためにフォーカスレンズを高速移動(粗ピッチ移動)させる。次に、撮像素子を焦点評価値のピーク位置に移動させるように微小移動(細ピッチ移動)させる。これにより、高速かつ高精度な焦点調節を可能としている。
しかしながら、特許文献1にて開示された撮像装置では、撮像素子の可動範囲がフォーカスレンズの可動範囲に対して狭いために十分に焦点調節を行えない場合が生じる。例えば、動きのある被写体に対して連続的に撮影を行う場合、被写体の動きに追従するようにフォーカスレンズの移動と撮像素子の移動による焦点調節を繰り返しながら各撮影を行う。このとき、撮像素子はその可動範囲の様々な位置への移動と撮影のための停止とを繰り返すことになる。
しかし、撮像素子がその可動範囲の一端の近傍に停止して撮影が行われた場合、次の撮影のための焦点調節に必要な可動量をその停止位置から他端の方向には確保できるものの、該一端の方向には確保できない。これにより、次の撮影のために焦点調節を行う際に、撮像素子の移動を用いることができなくおそれがある。
本発明は、フォーカスレンズと撮像素子を移動させて焦点調節を行う場合に、焦点調節ごとの撮像素子の可動範囲を十分に確保することができるようにした撮像装置を提供する。
本発明の一側面としての撮像装置は、フォーカスレンズを移動させるとともに、撮像素子を所定の可動範囲内で移動させて焦点調節を行う。該撮像装置は、焦点調節のために移動した撮像素子の位置を検出する位置検出手段と、焦点調節後に、撮像素子を、位置検出手段により検出された位置よりも可動範囲における中央に近い所定位置に移動させ、かつ該撮像素子の所定位置への移動によって生じるピントずれを低減するようにフォーカスレンズを移動させる制御手段とを有することを特徴とする。
また、本発明の他の一側面としての撮像装置の制御方法は、フォーカスレンズを移動させるとともに、撮像素子を所定の可動範囲内で移動させて焦点調節を行う撮像装置に適用される。該制御方法は、焦点調節のために移動した撮像素子の位置を検出するステップと、焦点調節後に、撮像素子を、検出された位置よりも可動範囲における中央に近い所定位置に移動させ、かつ該撮像素子の所定位置への移動によって生じるピントずれを低減するようにフォーカスレンズを移動させるステップとを有することを特徴とする。
本発明によれば、焦点調節後の撮像素子の所定位置への移動によって、次の焦点調節を行うための撮像素子の可動量を十分に確保することができる。しかも、該撮像素子の所定位置への移動によって生じるピントずれをフォーカスレンズの移動により低減することで、撮像素子の所定位置への移動によってピントが大きくずれた状態になることを回避できる。
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
図1には、本発明の実施例1である一眼レフデジタルカメラ(撮像装置)100と、該カメラ100に取り外し可能に装着される交換レンズ300とにより構成されるカメラシステムの構成を示す。なお、本実施例では、レンズ交換式の一眼レフデジタルカメラについて説明するが、本発明は、レンズ一体型のデジタルカメラやビデオカメラ等の他の撮像装置にも適用することができる。
一眼レフデジタルカメラ(以下、カメラという)100において、2は交換レンズ300内の不図示の撮影光学系により形成された被写体像を光電変換するCCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子である。1は撮像素子2の露光量を制御するためのシャッターである。3は撮像素子2からのアナログ出力信号をデジタル信号(画像データ)に変換するA/D変換器である。
4は画像処理部であり、A/D変換器3からの画像データに対して、画素補間処理、色変換処理、ホワイトバランス処理、ガンマ処理、AWB(オートホワイトバランス)処理等の画像処理を行って、表示用画像及び記録用画像を生成する。また、画像処理部4は、画像データから高周波成分であるコントラスト情報を取り出す。
カメラシステム制御部(制御手段)20は、AF(オートフォーカス)処理やAE(自動露出)処理等の各種処理及びカメラ100内の各種動作の制御を行う。
AF処理において、カメラシステム制御部20は、後述する焦点検出部9で検出された焦点状態に基づいて、交換レンズ300内のレンズシステム制御部301及びレンズ駆動部302を通じて、撮影光学系内のフォーカスレンズ303を光軸方向に移動させる。また、同じAF処理において、カメラシステム制御部20は、焦点検出部9で検出された焦点状態に基づいて、後述する撮像素子駆動部12を通じて、撮像素子2を光軸方向に移動させる。
AE処理において、カメラシステム制御部20は、不図示の測光部からの測光情報に基づいて、シャッター制御部11を通じてシャッター1を制御したり、レンズシステム制御部301を通じて撮影光学系303内に設けられた不図示の絞りを制御したりする。
メモリ制御部5は、A/D変換器3、画像処理部4、画像表示メモリ6、D/A変換器7及びメモリ8を制御する。画像処理部4にて生成された表示用画像や記録用画像はそれぞれ、メモリ制御部5を介して画像表示メモリ6及びメモリ8に書き込まれる。
焦点検出部9は、画像処理部4により取り出されたコントラスト情報を用いて、コントラスト検出方式により、撮影光学系の焦点状態を検出する。焦点状態の検出方法については後述する。
10は液晶モニタ等により構成される画像表示部である。画像表示メモリ6に書き込まれた表示用画像は、D/A変換器7を介して画像表示部10に表示される。画像処理部4にて順次生成される表示用画像(ここでは動画を構成するフレーム画像)を画像表示部10に所定周期で表示することで、電子ファインダ(ライブビュー画像表示)機能を実現できる。
メモリ8には、記録用画像(静止画及び動画)が記憶される。また、メモリ8は、カメラシステム制御部20の作業領域としても使用される。
撮像素子駆動部12は、カメラシステム制御部20からの制御信号に応じて、ステッピングモータやボイスコイルモータ等のアクチュエータにより撮像素子2を所定の可動範囲内で光軸方向に移動させる。
13は位置検出手段としての位置情報算出部であり、撮像素子駆動部12によって移動される撮像素子2の位置情報を算出する。具体的には、位置情報算出部13は、撮像素子2が撮像素子駆動部12によって移動されるごとにその移動量を不図示のメモリに蓄積し、該移動量の合計に基づいて撮像素子2の位置情報を算出する。
15はシャッタースイッチSW1であり、不図示のシャッターボタンが半押し操作されるとONとなる。カメラシステム制御部20は、シャッタースイッチSW1のONに応じて、AF処理、AE処理及びAWB処理等を開始する。
16はシャッタースイッチSW2であり、シャッターボタンが全押し操作されるとONとなる。カメラシステム制御部20は、シャッタースイッチSW2のONに応じて、記録用画像を取得するための撮像素子2の露光、画像処理部4による記録用画像の生成、及び生成された記録用画像のメモリ8への記録を含む撮像処理を行う。
交換レンズ300において、レンズ駆動部302は、ステッピングモータやボイスコイルモータ等のアクチュエータにより撮影光学系内のフォーカスレンズ303を光軸方向に移動させる。
レンズシステム制御部301は、カメラシステム制御部20からの制御信号に応じて、レンズ駆動部302にフォーカスレンズ303を光軸方向に移動させたり、絞りを動作させたりする。
次に、カメラ100(主として、カメラシステム制御部20)の動作について説明する。まず、AF処理及び撮像処理に関する動作を、図2のフローチャートを用いて説明する。
ステップS1では、カメラシステム制御部20は、不図示の電源スイッチのONに応じてライブビュー画像の表示を開始する。
次に、ステップS2では、カメラシステム制御部20は、シャッタースイッチSW1がONになったか否かを判別する。シャッタースイッチSW1がONになった場合にのみステップS3に進み、AF処理を行う。AF処理の詳細については後述する。シャッタースイッチSW1がONではない場合には、ステップS2を繰り返す。
ステップS4では、カメラシステム制御部20は、AE処理を行うとともに、画像処理部4にAWB処理を行わせる。
次に、ステップS5では、カメラシステム制御部20は、シャッタースイッチSW2がONになったか否かを判別する。シャッタースイッチSW2がONになった場合にのみステップS6に進む。シャッタースイッチSW2がONではない場合には、ステップS2〜S5を繰り返す。
ステップS6では、カメラシステム制御部20は、ライブビュー画像の表示を停止させる。そして、ステップS7では、カメラシステム制御部20は、シャッター制御部11を通じてシャッター1を開け、撮像素子2の露光を開始する。所定時間の露光を終えた後、ステップS8では、カメラシステム制御部20は、シャッター制御部11を通じてシャッター1を閉じる。
ステップS8でシャッター1が閉じられた後、カメラシステム制御部20は、ステップS9にてA/D変換器3に撮像素子2のアナログ出力信号から画像データを作成させ、さらにステップS10にて画像処理部4に記録用画像を生成させる。また、ステップS11にて、カメラシステム制御部20は、画像処理部4からメモリ制御部5への記録用画像の転送と、該記録用画像のメモリ8への記録を行わせる。
また、ステップS9〜S11と並行して、カメラシステム制御部20は、ステップS101にて、フォーカスレンズ303と撮像素子2の光軸方向の位置を修正する処理(以下、位置修正処理という)を行う。この位置修正処理の詳細については後述する。
ステップ11及びステップS101の終了後、カメラシステム制御部20は、ステップS1に戻ってライブビュー画像の表示を再開させる。
なお、図2のフローチャートは、連続撮影ではなく単枚撮影を行う場合の処理の流れを説明したものであるため、ステップS11及びステップS10からステップS1に戻ってライブビュー画像の表示を再開する。ただし、連続撮影を行う場合には、ステップS11及びステップS10からステップS3に戻って、次の撮影のためのAF処理を行う。
このように、本実施例では、撮像素子2の露光後、画像データの作成、記録用画像の生成、記録用画像の転送及び記録(ステップS9〜S11)を行っている間に、位置修正処理を行う(ステップS101)。このため、撮像処理に影響を与えることなく、位置修正処理を行うことができる。
次に、図2のステップS3にて行われるAF処理の詳細について、図3のフローチャートを用いて説明する。
ステップS201では、カメラシステム制御部20は、コントラスト検出方式による焦点検出を行うために必要な情報を取得するために、撮像素子2の露光を開始する。
次にステップS202では、カメラシステム制御部20は、レンズシステム制御部301を通じてフォーカスレンズ303を無限端から至近側に向かって第1の所定量だけ移動させる。ただし、フォーカスレンズ303を至近端から無限側に向かって移動させるようにしてもよい。
ステップS203では、カメラシステム制御部20は、フォーカスレンズ303の第1の所定量の移動後において、画像処理部4に、画像データからコントラスト情報を取り出させる。
そして、ステップS204では、カメラシステム制御部20は、焦点検出部9に、コントラスト情報からAF評価値を算出させ、該AF評価値のピークを検出できたか否かを判定する。ピークを検出できない場合は、ステップS202に戻り、再度フォーカスレンズ303を第1の所定量だけ移動させ、ステップS203及びS204にて、画像処理部4及び焦点検出部9にコントラスト情報の取り出しとAF評価値の算出とを行わせる。
ここで、図4(a)を用いて、フォーカスレンズ303の移動によるAF評価値のピーク検出について説明する。図4(a)は、フォーカスレンズの位置(横軸)とAF評価値(縦軸)との関係を示している。この図では、フォーカスレンズを無限端側から至近端側に第1の所定量ずつ移動させ、該移動ごとに算出されたAF評価値401〜406の変化を示している。
フォーカスレンズの移動に伴って画像データのコントラストが増加するほどAF評価値も増加する(401〜404)。フォーカスレンズが最大(ピーク)のAF評価値(以下、ピークAF評価値という)407に対応する位置を過ぎて移動すると、AF評価値は減少に転じる(405,406)。したがって、AF評価値が増加から減少に転じる間にピークAF評価値407が存在することが分かる。そして、ピークAF評価値407に対応するフォーカスレンズの位置が、合焦状態に近い状態が得られるフォーカスレンズの位置となる。
ただし、このAF評価値のピーク検出では、ピーク位置をできるだけ短時間で検出することを優先するために、アクチュエータによるフォーカスレンズの単位移動量である上記第1の所定量がある程度大きく設定される。このため、AF評価値404,405が算出された2箇所のフォーカスレンズ位置の間のどこがピークAF評価値407に対応するフォーカスレンズ位置(合焦位置)なのかを正確に判定することができない。
このため、ステップS204においてAF評価値のピークを検出できた場合は、ステップS205に進む。ステップS205では、カメラシステム制御部20は、撮像素子駆動部12を通じて、AF評価値がステップS204で検出されたピークAF評価値407に近づく方向に、撮像素子2の移動を開始する。
撮像素子2の移動は、フォーカスレンズ303の単位移動量である第1の所定量に比べて小さい第2の所定量ずつ行う。撮像素子2の移動を第2の所定量ずつ行うことで、フォーカスレンズ303を第1の所定量ずつ移動させる場合に比べて、より高い精度で合焦状態を得ることが可能となる。このことについては、後述する。
撮像素子2は、その移動前は該撮像素子2の可動範囲の中央部に位置する。移動開始後の撮像素子2の移動量は、位置情報算出部13にて蓄積される。
なお、ここにいう可動範囲の「中央部」とは、厳密な中央位置だけでなく、該中央位置の近傍の位置を含む意味である。言い換えれば、「中央部」とは、撮像素子2の移動によるAF評価値のピーク検出を行うための十分な撮像素子2の可動量を、該撮像素子2の前後方向(被写体側及びその反対側)にほぼ同量ずつ確保することができる位置であればよい。このことは、以下の説明でも同じである。
ステップS206では、カメラシステム制御部20は、撮像素子2の第2の所定量の移動後に撮像素子2を停止させ、撮像素子2の露光を行う。そして、画像処理部4に、該露光によって得られた画像データのコントラスト情報を取り出させる。
そして、ステップS207では、カメラシステム制御部20は、焦点検出部9に、コントラスト情報からAF評価値を算出させ、該AF評価値のピークを検出できたか否かを判定する。ピークを検出できない場合は、ステップS205に戻り、再度、撮像素子2を第2の所定量だけ移動させ、ステップS206及びS207にて、画像処理部4及び焦点検出部9にコントラスト情報の取り出しとAF評価値の算出を行わせる。
ここで、図4(b)を用いて、撮像素子2の移動によるAF評価値のピーク検出について説明する。図4(b)は、撮像素子の位置(横軸)とAF評価値(縦軸)との関係を示している。この図では、撮像素子を、図4(a)に示したピークAF評価値407よりも至近端側から無限端側に第2の所定量ずつ移動させ、該移動ごとに算出されたAF評価値409〜414の変化を示している。可動範囲の中央部に位置する撮像素子の移動開始時のAF評価値408として、図4(a)に示したAF評価値406を用いることで、次に算出されるAF評価値409が撮像素子の移動開始時のAF評価値408に対して増加したか否かを判別することができる。
撮像素子の移動に伴って画像データのコントラストが増加するほどAF評価値も増加し(409〜412)、撮像素子がピークAF評価値413に対応する位置を過ぎて移動すると、AF評価値は減少に転じる(414)。したがって、AF評価値が増加から減少に転じる間にピークAF評価値413が存在することが分かる。このとき、前述したように、撮像素子の単位移動量である第2の所定量がフォーカスレンズの単位移動量である第1の所定量よりも小さいので、算出されたピークAF評価値413は、実際の合焦状態を示すAF評価値にほぼ等しい。このため、ピークAF評価値413に対応する撮像素子の位置がほぼ正確な合焦位置となり、前述したフォーカスレンズの移動によるAF評価値のピーク検出による場合に比べて高い精度で合焦状態を得ることができる。
ステップS207においてAF評価値のピークを検出できた場合は、ステップS208に進む。ステップS208では、カメラシステム制御部20は、撮像素子2を、増加から減少に転じたAF評価値414が算出された位置から第2の所定量だけこれまでの移動方向とは反対方向に移動させる。これにより、撮像素子2をピークAF評価値413に対応する位置に移動させることができる。
次に、ステップS209では、カメラシステム制御部20は、位置情報算出部13に、蓄積した撮像素子2の移動量から現在の撮像素子2の位置を示す位置情報を算出させる。カメラシステム制御部20は、位置情報算出部13により算出された位置情報を、第1の位置情報として記憶する。以上により、AF処理を終了する。
次に、上記AF処理後(焦点調節後)に、図2のステップS101にて行われる撮像素子2及びフォーカスレンズ303の位置修正処理について、図5のフローチャートを用いて説明する。
ステップS301では、カメラシステム制御部20は、位置情報算出部13にて算出された撮像素子2の位置情報を取得する。そして、カメラシステム制御部20は、該位置情報に基づいて、撮像素子2をその可動範囲の中央部(所定位置)に戻す、言い換えれば、撮像素子2をAF処理において移動した位置よりも可動範囲の中央に近い所定位置に戻すための撮像素子2の移動量を算出する。以下の説明において、撮像素子2を可動範囲の中央部に戻すための移動量を戻し量といい、撮像素子2を可動範囲の中央部に戻すための移動を、戻し移動という。
さらに、カメラシステム制御部20は、撮像素子2を戻し量だけ戻し移動させて可動範囲の中央部に戻した場合に生じるピントずれの量を算出する。そして、該ピントずれを低減(補正)して合焦状態を得るためのフォーカスレンズ303の移動量(以下、フォーカス補正量という)を算出する。以下の説明において、フォーカスレンズ303のこの移動を、フォーカスレンズ303の補正移動という。
次に、ステップS302では、カメラシステム制御部20は、撮像素子駆動部12を通じて、撮像素子2をステップS301で算出した戻し量だけ戻し移動させ、その可動範囲の中央部に戻す。
さらに、ステップS303では、カメラシステム制御部20は、レンズシステム制御部301を通じて、フォーカスレンズ303をステップS301で算出したフォーカス補正量だけ補正移動させる。このとき、フォーカスレンズ303を、AF処理におけるフォーカスレンズ303の単位移動量(第1の所定量)よりも小さな単位移動量(第3の所定量)で移動させる。これにより、ステップS302で撮像素子2を移動させることで生じたピントずれが良好に補正(低減)され、再び合焦状態が得られる。このため、撮像処理の終了後にライブビュー画像の表示を再開する際に、ライブビュー画像が大きくぼけた状態で表示されることを回避できる。
最後に、ステップS304では、カメラシステム制御部20は、位置情報算出部13から取得した撮像素子2の位置情報を0にリセットする。これにより、次の撮影のためのAF処理における撮像素子2の移動量の蓄積を0から開始することができる。以上により、撮像素子2及びフォーカスレンズ303の位置修正処理を終了する。
次に、図6を用いて、撮像素子2及びフォーカスレンズの位置修正処理を行う理由について説明する。図6において、502は撮像素子駆動部12によって移動される撮像素子2の光軸方向における可動範囲を示している。
図6(a)には、図2のステップS3でAF処理を開始する前の状態(図4(a)に示したAF評価値401が得られる状態)を示している。フォーカスレンズ303によって得られる撮影光学系の焦点位置501は、可動範囲502の中央部に位置する撮像素子2の撮像面2aよりも前側に位置し、撮像面上には、ぼけた被写体像が形成されている。
図6(b)には、AF処理が開始され、フォーカスレンズ303が図4(a)に示したピークAF評価値407に対応する位置に移動した状態である。撮影光学系の焦点位置501は、可動範囲502の中央部に位置する撮像素子2の撮像面2aよりも若干後側に位置し、撮像面上には、おおむね合焦状態であるが、厳密にはぼけた被写体像が形成されている。
図6(c)には、撮像素子2を合焦位置に移動させた状態(図2のステップS3のAF処理を終了した状態)を示している。撮影光学系の焦点位置501は、可動範囲502の後端近傍に移動した撮像素子2の撮像面と一致している。つまり、高精度な合焦状態が得られている。
図6(c)の状態で撮像処理を開始することも可能である。しかし、すぐに次の撮影のためのAF処理を行う場合には、後端方向への撮像素子2の可動量を十分に確保することができない。このため、前述した撮像素子2及びフォーカスレンズの位置修正処理を行う。
図6(d)には、撮像素子2の戻し移動(図5のステップS302)を行った後の状態を示している。撮像素子2は、図6(c)に示した位置から可動範囲502の中央部に戻されている。これにより、すぐに次の撮影のためのAF処理を行う場合でも、撮像素子2の前後方向への可動量を十分に確保することができる。ただし、撮像素子2が可動範囲502の中央部に戻った結果、撮影光学系の焦点位置501は撮像素子2の撮像面よりも後方に位置し、撮像面上の被写体像にぼけが生ずる。
図6(e)には、フォーカスレンズの補正移動(図5のステップS303)を行った後の状態を示している。この補正移動によって、撮影光学系の焦点位置501は、可動範囲502の中央部に位置する撮像素子2の撮像面とほぼ一致し、再び合焦状態が得られる。このときのフォーカスレンズ303の移動は、前述したように、AF処理よりも小さな単位移動量(第3の所定量)で行われるので、焦点位置501の撮像面に対する一致度を高めることができる。
なお、前述したステップS301において、撮像素子2の戻し量を算出する際に、フォーカスレンズ303の最小単位移動量に合わせて戻し量を算出することで、さらに精度良く焦点位置501を撮像面に一致させることができる。
以上説明したように、本実施例では、AF処理におけるフォーカスレンズ303と撮像素子2の移動後に、撮像素子2をその可動範囲の中央部(位置情報算出部13により算出された位置よりも可動範囲の中央に近い位置)に移動させる。したがって、次の撮影のためのAF処理における撮像素子2の前後方向への可動量を十分に確保することができ、該AF処理において高精度に合焦状態を得ることができる。
しかも、この撮像素子2の移動により生じたピントずれを補正(低減)するようにフォーカスレンズ303も補正移動させる。このため、撮像素子2の戻し移動によってピントが大きくずれた状態になることを回避できる。したがって、ライブビュー画像の表示を停止した後に再開したときに、ライブビュー画像が大きくぼけた状態で表示されることを回避することができる。
なお、本実施例では、撮像処理を行うごとに撮像素子及びフォーカスレンズの位置修正処理を行う場合について説明したが、必ずしもその必要はない。例えば、AF処理を複数回行うごとに、撮像素子及びフォーカスレンズの位置修正処理を行ってもよい。これにより、撮像処理とは関係なく、常に高精度な焦点調節を行うことができる。
また、本実施例では、AF処理において、フォーカスレンズを移動させてAF評価値のピーク検出を行った後に、撮像素子を移動させる場合について説明したが、必ずしもその必要はない。例えば、フォーカスレンズの移動ごとにAF評価値の変化量が所定値より小さくなった場合には、AF評価値がピークとなる位置が近いと判定し、撮像素子の移動に移行するようにしてもよい。これにより、より高速に合焦状態を得ることができる。
また、本実施例では、焦点検出方式としてコントラスト検出方式を用いる場合について説明したが、焦点検出方式はこれに限らず、例えば、位相差検出方式を使用してもよい。この場合、撮影光学系を透過した光束を、ペリクルミラー等の光学素子で分割し、これらの分割光束を撮像素子と該撮像素子とは別に設けた位相差焦点検出用のセンサに導くように構成すればよい。また、撮像素子を用いた焦点検出を、該撮像素子の画素を用いた位相差検出方式で行ってもよい。さらに、撮像素子を用いたコントラスト検出方式と撮像素子とは別に設けた位相差焦点検出用のセンサを用いた位相差検出方式とを組み合わせて焦点検出を行うようにしてもよい。
図7には、本発明の実施例2である一眼レフデジタルカメラにおける撮像素子及びフォーカスレンズの位置修正処理の流れを示している。本実施例は、実施例1に対して、不必要な撮像素子の戻し移動及びフォーカスレンズの補正移動を行わないようにすることで、より高速にAF処理を繰り返し行うことができるようにするものである。
なお、本実施例におけるカメラシステムの構成(図1)や、AF処理及び撮像処理に関する動作(図2及び図3)は、実施例1にて説明したものと同じである。
図7に示す撮像素子及びフォーカスレンズの位置修正処理も、図2のステップS101にて行われる。
ステップS301では、実施例1でも説明したように、カメラシステム制御部20は、位置情報算出部13にて算出された撮像素子2の位置情報を取得する。そして、カメラシステム制御部20は、撮像素子2の位置情報に基づいて撮像素子2の戻し量を算出するとともにフォーカス補正量を算出する。
次に、S3001では、カメラシステム制御部20は、ステップS301で算出された撮像素子2の戻し量が所定の閾値(第1の所定値)A以下であるか否かを判定する。戻し量が閾値A以下である場合には、撮像素子2の戻し移動を行わずにステップS304に進む。一方、戻し量が閾値Aより大きい場合はステップS302に進み、撮像素子2の戻し移動を行わせる。
このように、本実施例では、算出された撮像素子2の戻し量が閾値A以下である(閾値Aより小さい)ときには、撮像素子2の戻し移動を制限する。戻し量が小さい場合は、撮像素子2の可動範囲において、次の撮影のためのAF処理における撮像素子2の前後方向への可動量を十分に確保できているためである。これにより、必要のない撮像素子2の戻し移動、さらにはこれに伴うフォーカスレンズ303の補正移動を排除して、素早く次の撮影のためのAF処理を開始することができるようにしている。また、これにより、カメラシステムにおける省電力化も図ることができる。
ステップS302及びステップS303では、実施例1で説明したように、カメラシステム制御部20は、ステップS301で算出した戻し量だけ撮像素子2を戻し移動させ、さらにフォーカスレンズ303をフォーカス補正量だけ補正移動させる。
ステップS304では、実施例1で説明したように、カメラシステム制御部20は、位置情報算出部13から取得した撮像素子2の位置情報を0にリセットする。
図8には、本発明の実施例3である一眼レフデジタルカメラにおける撮像素子及びフォーカスレンズの位置修正処理の流れを示している。本実施例は、実施例2に対して、さらに高速にAF処理を繰り返し行うことができるようにするものである。
なお、本実施例におけるカメラシステムの構成(図1)や、AF処理及び撮像処理に関する動作(図2及び図3)は、実施例1にて説明したものと同じである。
図8に示す撮像素子及びフォーカスレンズの位置修正処理も、図2のステップS101にて行われる。
ステップS301では、実施例1でも説明したように、カメラシステム制御部20は、位置情報算出部13にて算出された撮像素子2の位置情報を取得する。そして、カメラシステム制御部20は、撮像素子2の位置情報に基づいて撮像素子2の戻し量を算出するとともにフォーカス補正量を算出する。
次に、S3001では、実施例2と同様に、カメラシステム制御部20は、ステップS301で算出された撮像素子2の戻し量が閾値A以下であるか否かを判定する。戻し量が閾値A以下である場合には、撮像素子2の戻し移動を行わずにステップS304に進む。一方、戻し量が閾値Aより大きい場合はステップS302に進み、撮像素子2の戻し移動を行わせる。
ステップS302では、実施例1で説明したように、カメラシステム制御部20は、ステップS301で算出した戻し量だけ撮像素子2を戻し移動させる。
次に、ステップS3002では、カメラシステム制御部20は、ステップS301で算出されたフォーカス補正量が、所定の閾値(第2の所定値)B以下であるか否かを判定する。フォーカス補正量が閾値B以下である場合には、フォーカスレンズ303の補正移動を行わずにステップS304に進む。一方、フォーカス補正量が閾値Bより大きい場合には、ステップS303に進む。
ここで、閾値Bについて説明する。フォーカス補正量がフォーカスレンズ303の最小単位移動量より大きい場合は、フォーカスレンズ303の補正移動によって、撮像素子2の戻し移動により生じたピントずれを良好に補正することができる。
一方、フォーカス補正量がフォーカスレンズ303の最小単位移動量より小さい場合は、フォーカスレンズ303を最小単位移動量だけ補正移動させても、撮像素子2の戻し移動により生じたピントずれを最も良好に補正できる位置を通り過ぎる。以下、このピントずれを最も良好に補正できる位置を最良補正位置という。
補正移動後のフォーカスレンズ303の位置と最良補正位置との差が、フォーカスレンズ303の補正移動前の位置と最良補正位置との差よりも小さくなる場合には、フォーカスレンズ303の補正移動によりピントずれを少なくすることができる。
このことから、フォーカスレンズ303の最小単位移動量がフォーカス補正量の2倍より小さければ、フォーカスレンズ303の補正移動によるピントずれの低減効果が得られる。したがって、閾値Bは、フォーカスレンズ303の最小単位移動量の2倍に設定するとよい。ただし、これは例であり、閾値Bは任意に設定することができる。
このように、本実施例では、撮像素子2の戻し移動を行った場合でも、フォーカス補正量が閾値B以下である(閾値Bより小さい)ときには、フォーカスレンズ303の補正移動を制限する。これにより、無用なフォーカスレンズ303の補正移動を排除して、素早く次の撮影のためのAF処理を開始することができるようにしている。また、これにより、カメラシステムにおける省電力化も図ることができる。
ステップS303では、実施例1で説明したように、カメラシステム制御部20は、ステップS301で算出したフォーカス補正量だけフォーカスレンズ303を補正移動させる。
ステップS304では、実施例1で説明したように、カメラシステム制御部20は、位置情報算出部13から取得した撮像素子2の位置情報を0にリセットする。
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
本発明によれば、フォーカスレンズの移動と撮像素子の移動による焦点調節を行う場合に、焦点調節ごとの撮像素子の可動範囲を十分に確保できる撮像装置を実現できる。
2 撮像素子
4 画像処理部
9 焦点検出部
10 画像表示部
12 撮像素子駆動部
13 位置情報算出部
20 カメラシステム制御部
100 カメラ
300 交換レンズ
302 レンズ駆動部
303 フォーカスレンズ
4 画像処理部
9 焦点検出部
10 画像表示部
12 撮像素子駆動部
13 位置情報算出部
20 カメラシステム制御部
100 カメラ
300 交換レンズ
302 レンズ駆動部
303 フォーカスレンズ
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