JP2016218031A - ソイルセメントの配合設計方法 - Google Patents

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一哉 八木澤
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聖勝 山口
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幸司 飯塚
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Abstract

【課題】現場土砂を有効利用して、現場土砂に適した状態のソイルセメントを作ること。
【解決手段】ソイルセメントの配合設計方法は、現場土砂を採取するステップ(S1)と、ソイルセメントによる施工対象に要求される目標強度を決定するステップ(S3)と、現場土砂の細粒分含有率を算出するステップ(S4)と、算出された細粒分含有率で決定された目標強度を満たすか否かを判断するステップ(S5)と、決定された目標強度を満たすと判断した場合に、当該目標強度を満たすソイルセメントのタイプを決定するステップ(S6)と、現場土砂に加えるセメントの添加量を決定するステップ(S8)と、現場土砂に加える水の添加量を決定するステップ(S9)と、決定されたセメントの添加量及び水の添加量に基づいて室内配合試験を行うステップ(S12)と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ソイルセメントの配合設計方法に関する。
土石流等の発生による災害を防ぐ砂防堰堤が知られている。砂防堰堤は、河川の上流側に対向するように設けられる上流壁部と、河川の下流側に対向するように設けられる下流壁部と、両壁部の間に形成される空間に打設される中詰材とを備えている。中詰材としては、砂防堰堤の施工現場から採取される現場土砂にセメントを混ぜて作られるソイルセメントが用いられることが多い(例えば、特許文献1参照)。
中詰材として用いられるソイルセメントは、流動性のないもの(INSEM材)と流動性のあるものがあり、一般的には流動性のないソイルセメントを用いた方が、施工コストが安価であることが多い。
ソイルセメントの配合に際しては、配合強度に応じて、現場土砂に添加する単位体積あたりのセメント量、単位体積あたりの水量を決定している。
特開2014−173232号公報
しかし、施工現場では、施工コストを優先するあまり、現場土砂の性状が流動性のないソイルセメントの配合に適していない場合(現場土砂の細粒分含有率が高い場合)であっても、現場土砂に砕石等の購入材を混ぜ、現場土砂の細粒分含有率を調整し、流動性のないソイルセメントとして用いる場合があり、現場土砂を有効利用できていない問題がある。
また、ソイルセメントの室内配合試験は、現場土砂を用いて行うため、現場土砂に砕石を加えると土砂の物性が変わり、現場で再度室内配合試験を行う必要があり、手間が増えてしまう。
また、流動性のないソイルセメントを用いる場合には、ソイルセメントの打設後に重機で締め固める必要があるが、上流壁部又は下流壁部の勾配が緩くなると締め固めを行う重機を配置することができず、施工が不可能となる場合もある。
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、現場土砂を有効利用して、現場土砂に適した状態のソイルセメントを作ることができるソイルセメントの配合設計方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、ソイルセメントの配合設計方法であって、施工現場の現場土砂を採取するステップと、前記施工現場でソイルセメントを用いて施工される施工対象に要求される目標強度を決定するステップと、ソイルセメントの配合に用いる現場土砂の細粒分含有率を算出するステップと、細粒分含有率とセメントの添加量と圧縮強度との関係から、算出された細粒分含有率で決定された目標強度を満たすか否かを判断するステップと、算出された細粒分含有率で決定された目標強度を満たすと判断した場合に、当該目標強度を満たすソイルセメントのタイプを決定するステップと、細粒分含有率とソイルセメントのタイプとセメントの添加量との関係から、現場土砂に加えるセメントの添加量を決定するステップと、細粒分含有率とセメントの添加量と水の添加量との関係から、現場土砂に加える水の添加量を決定するステップと、決定されたセメントの添加量及び水の添加量に基づいて室内配合試験を行うステップと、を有することを特徴とする。
現場土砂の細粒分含有率と、当該現場土砂の細粒分含有率を所定値まで下げるために現場土砂と置換すべき砕石の割合である砕石置換率との関係から、前記現場土砂の細粒分含有率を所定値にするための砕石置換率に相当する砕石を現場土砂と置換して細粒分含有率を下げるステップを有することが好ましい。
前記目標強度は、施工対象に応じて圧縮強度が、0.5N/mm以上1.5N/mm未満、1.5N/mm以上〜3.0N/mm未満、3.0N/mm以上、のいずれかであることが好ましい。
セメントの添加量は、上限値が300kg/mであることが好ましい。
決定されるソイルセメントのタイプは、打設後に転圧を行う転圧タイプ、スランプを有し、打設後に締め固めを必要とする流動タイプ、スランプを有し、打設後に締め固めを必要としない高流動タイプ、のいずれかであることが好ましい。
前記転圧タイプのソイルセメントは、スランプ値がゼロであることが好ましい。
前記流動タイプのソイルセメントは、スランプ値が15〜20cmであることが好ましい。
前記高流動タイプのソイルセメントは、スランプフロー値が55〜65cmであることが好ましい。
また、本発明は、上記のソイルセメントの配合設計方法により作製されたソイルセメントであることを特徴とする。
本発明によれば、現場土砂を有効利用して、現場土砂に適した状態のソイルセメントを作ることができる。
ソイルセメントの配合設計の流れを示すフローチャートである。 細粒分含有率が異なる土砂にセメントを混ぜてソイルセメントを作成したときの細粒分含有率、圧縮強度、単位体積あたりのセメントの添加量及びソイルセメントのタイプに関する実験データをまとめた早見表である。 施工の対象となる施設の適用部位毎の目標強度レベルを説明する図である。 細粒分含有率と砕石置換率との関係を示すグラフである。 スランプ値15cmを得るための水の添加量と細粒分含有率との関係を示すグラフである。 スランプフロー値55cmを得るための水の添加量と細粒分含有率との関係を示すグラフである。 コーン指数が500kN/m以上となるような水の添加量と細粒分含有率との関係を示すグラフである。 転圧タイプのソイルセメントの単位体積あたりの重量と細粒分含有率との関係を示すグラフである。 流動タイプのソイルセメントの単位体積あたりの重量と細粒分含有率との関係を示すグラフである。 高流動タイプのソイルセメントの単位体積あたりの重量と細粒分含有率との関係を示すグラフである。
本発明の好ましい実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に示す実施形態は一例であり、本発明の範囲において、種々の実施形態をとりうる。
ソイルセメントは、例えば、土石流等の発生時の土砂災害を防止する堰堤の施工に用いられる。ソイルセメントは、施工現場から採取される現場土砂にセメント、水を混合することにより作られる。なお、ソイルセメントは、セメント及び水に限らず、混和剤として、ソイルセメントの流動性を高める流動化剤や、ソイルセメントの凝結を遅延させる遅延剤を混ぜてもよい。
図1は、ソイルセメントの配合設計の流れを示すフローチャートである。図2は、細粒分含有率が異なる土砂にセメントを混ぜてソイルセメントを作成したときの細粒分含有率、圧縮強度、単位体積あたりのセメントの添加量及びソイルセメントのタイプに関する実験データを早見表としてまとめたものであり、以下の実施の形態において、ソイルセメントの配合設計を行う際のデータベースとなるものである。
<現場土砂の採取及び物性値試験>
図1に示すように、施工に適したソイルセメントを作る際には、最初に、施工現場における現場土砂を採取する(ステップS1)。
次に、採取した現場土砂の物性値試験を行う(ステップS2)。これは、ソイルセメントの主成分となる現場土砂の物性を把握するためである。物性値試験は、JIS規格に基づいて行う。
物性値試験としては、例えば、骨材の単位容積質量試験(JIS A 1104)、細骨材の有機不純物試験(JIS A 1105)、粗骨材の密度及び吸水率試験(JIS A 1110)、土の含水比試験(JIS A 1203)、土の粒度試験(JIS A 1204)、突固めによる土の締固め試験(JIS A 1210)等が挙げられる。もちろん、これらの試験に限られることはなく、他の試験を併せて行ってもよい。
<目標強度レベルの決定>
次に、施工の対象施設(堰堤の間詰め、堰堤の床固工、盛土等)に応じて設定されている目標強度レベルを決定する(ステップS3)。
図3に示すように、施工の対象となる施設におけるソイルセメントの適用部位毎に材齢28日の目標強度レベルが設定されている。目標強度レベルは、最大圧縮応力に安全率を乗じたものであり、レベル1、レベル2、レベル3の三段階に設定されている。目標強度レベル1においては、目標とする圧縮強度が0.5N/mm以上1.5N/mm未満の範囲内であり、目標強度レベル2においては、目標とする圧縮強度が1.5N/mm以上〜3.0N/mm未満の範囲内であり、目標強度レベル3においては、目標とする圧縮強度が3.0N/mm以上である。例えば、ステップS3において、ソイルセメントを護岸工の内部材として用いる場合、図3に示すように、目標強度レベルは、レベル2となる。なお、目標強度レベルは、3段階に限られるものではなく、より細分化してもよい。
図2に示すように、現場土砂の細粒分含有率が高くなるにつれて、達成可能な目標強度レベルも低くなっていることがわかる。また、細粒分含有率が80%を超えると、現場土砂に含まれる細粒分及び水分の割合が多すぎて、セメントの添加量を増やしても目標強度レベル1を満たすソイルセメントすら作成できないため、現場土砂をそのまま用いることができず、砕石の混合による現場土砂の改良が必要となる。
<細粒分含有率の算出及び目標強度の判断>
次に、土の粒度試験(JIS A 1204)で得られた結果から、現場土砂に含まれる細粒分含有率を算出する(ステップS4)。ここで、細粒分含有率とは、現場土砂に含まれる粒径が0.075mm未満の細粒分(シルト及び粘土)の重量の割合をいう。
次に、細粒分含有率と圧縮強度との関係から、算出された細粒分含有率が、ステップS3において決定された目標強度レベルを満たすかどうかを判断する(ステップS5)。
ステップS5の判断は、過去の実験データに基づいて作成された図2の早見表により行う。図2においては、現場土砂の細粒分含有率と当該現場土砂に加える単位体積あたりのセメントの添加量との関係から、各目標強度レベルでソイルセメントとして適用可能な領域をグレースケールで表示している。例えば、上記のように目標強度レベルがレベル2であり、現場土砂の細粒分含有率が23%であった場合、図2に示す早見表を縦方向に見れば、セメントを現場土砂の単位体積(1m)あたり200kg/m〜300kg/mの範囲で添加すればレベル2の強度を実現できることがわかり、目標強度レベル2を満たすと判断できる。
<ソイルセメントのタイプ(施工タイプ)の決定>
ステップS5において、現場土砂の細粒分含有率(23%)で目標強度レベル(レベル2)を満たすソイルセメントを作成できると判断した場合(ステップS5:YES)、施工に用いるソイルセメントのタイプ(性状)、すなわち、施工タイプを決定する(ステップS6)。なお、ステップS6においては、施工コスト、施設の施工条件等を考慮し、再度、施工タイプの選定を行うこともある。
ここで、ソイルセメントのタイプとしては、超硬練りでスランプ値がゼロであり、打設後に振動ローラ等の重機で転圧が必要な転圧タイプと、軟練りでスランプ値(15〜20cm)を有し、打設後にバイブレータ等で締め固めが必要な流動タイプと、超軟練りでスランプフロー値(55〜65cm)を有し、施工領域に流し込むだけで締め固めを必要としない高流動タイプとがあり、施工条件に応じて最適なソイルセメントを決定する。例えば、転圧タイプのソイルセメントは、施工コストを低く抑えることができるが、打設後に重機等で転圧が必要なことから、ソイルセメントが打設される施設の壁面勾配が緩い場合には、重機等が入らないため、転圧することができない。このような場合には、スランプを有する流動タイプ又は高流動タイプのソイルセメントを作成することが最適である。
図2においては、現場土砂の細粒分含有率と当該現場土砂に加える単位体積あたりのセメントの添加量との関係から、各施工タイプでソイルセメントとして適用可能な領域をグレースケールで表示している。図2に示す早見表を縦方向に見れば、細粒分含有率が23%の場合には、転圧タイプのソイルセメントが施工に適用可能であることがわかる。
ここで、図2における高流動タイプ及び流動タイプにおいて、斜線の表示がされている領域は、ソイルセメントを作成する場合に、水だけでなく流動化剤を添加する必要があることを示している。細粒分含有率が23%の場合、流動化剤を添加すると、単位体積あたりのセメントの添加量にこだわらなければ、流動タイプ及び高流動タイプのソイルセメントも施工に適用可能となる。流動化剤としては、例えば、株式会社フローリック製のジオスパーKを用い、セメント添加量に対して1.0〜3.0%の範囲内で添加する。
図2に示すように、転圧タイプのソイルセメントを作成する場合には、現場土砂の細粒分含有率が40%以下でなければ目標強度レベル1を満たす圧縮強度を有するソイルセメントすら作成できないことがわかる。
ソイルセメントのタイプを決定した後、図2を用いて、決定したソイルセメントのタイプで施工できるか、及び添加するセメント量は過剰かどうかについて判断する(ステップS7)。
図2に示すように、1つの細粒分含有率で見た場合でも、セメントの添加量によっては複数の異なるタイプのソイルセメントを用いることができる場合がある。例えば、細粒分含有率が23%でセメントの添加量が200kg/mの場合においては、転圧タイプ及び流動タイプのソイルセメントを用いることができる。また、細粒分含有率が23%でセメントの添加量が300kg/mの場合においては、流動タイプ、高流動タイプのソイルセメントを用いることができる。なお、複数のタイプのソイルセメントが適用できる場合には、経済性を考慮して転圧タイプ、流動タイプ、高流動タイプの優先順位で決定することが好ましい。
ステップS7において、現在の細粒分含有率では、所望するタイプのソイルセメントが作成できないと判断した場合(ステップS7:NO)、砕石を現場土砂に混ぜて改良するか否かを判断する(ステップS21)。
ステップS21において、砕石を現場土砂に混ぜて改良すると判断した場合(ステップS21:YES)、図4を用いて、所望する細粒分含有率とするための砕石置換率を求める(ステップS22)。
ここで、細粒分含有率を20%にしたい場合には、砕石置換率(y)は、現場土砂の細粒分含有率(x)を用いて、以下の式(1)で求めることができる。
y=−0.0133x+2.1338x−12.965 ・・・(1)
その後、砕石置換率に相当する割合の重量の現場土砂を除去し、同じ重さの砕石を現場土砂に混ぜて細粒分含有率を下げ(ステップS23)、物性値試験を行って、改良された現場土砂の細粒分含有率を算出する(ステップS4)。
ステップS21において、現場土砂を改良しないと判断した場合(ステップS21:NO)には、当該現場土砂を用いて目標強度レベルを実現するソイルセメントが作成できないので、配合設計は行われず、作業は終了となる(ステップS24)。
<単位体積あたりのセメントの添加量の決定>
ステップS7において、決定したソイルセメントのタイプで施工ができると判断した場合(ステップS7:YES)、図2を用いて、現場土砂の細粒分含有率、ステップS3において決定された目標強度レベル及びステップS6において決定されたソイルセメントのタイプから、現場土砂の単位体積あたりのセメントの添加量を決定する(ステップS8)。ここで、細粒分含有率とソイルセメントのタイプが同じ条件で目標強度レベルを達成できる場合には、経済性を考慮して、最も少ない単位体積あたりのセメント添加量に決定することが好ましい。
ここで、単位体積あたりのセメントの添加量は、最大で300kg/mである。セメントの添加量の上限を300kg/mとした理由は、生コンクリート製造時のセメントの添加量が300kg/mであることから、セメントをそれ以上加えることはソイルセメントとして経済的ではないからである。
このように、施工対象となる施設が決まれば、目標強度レベルが図3に基づいて決まり、この目標強度レベル、細粒分含有率及びソイルセメントのタイプから単位体積あたりのセメントの添加量が図2に基づいて決まる。
<単位体積あたりの水の添加量の決定>
次に、現場土砂の細粒分含有率、ステップS6において決定されたソイルセメントのタイプ(施工タイプ)及びステップS8において決定された単位体積あたりのセメントの添加量から単位体積あたりの水の添加量を決定する(ステップS9)。
図5は、流動タイプにおいて、スランプ値15cmを得るための水の添加量と細粒分含有率との関係を示すグラフである。図5に示すように、細粒分含有率と水の添加量は比例関係が成立するため、細粒分含有率から一義的に水の添加量を決定することができる。
ここで、単位体積あたりのセメント添加量が200kg/mの場合における水の添加量(y)は、細粒分含有率(x)を用いて以下の式(2)で、水に加えて流動化剤を添加する場合は細粒分含有率(x)を用いて以下の式(3)で水の添加量(y)を算出することができる。
y=4.735x+138.53 ・・・(2)
y=5.9357x+51.844 ・・・(3)
図6は、高流動タイプにおいて、スランプフロー値55cmを得るための水の添加量と細粒分含有率との関係を示すグラフである。図6に示すように、細粒分含有率と水の添加量は比例関係が成立するため、細粒分含有率から一義的に水の添加量を決定することができる。
ここで、単位体積あたりのセメント添加量が200kg/mの場合における水の添加量(y)は、細粒分含有率(x)を用いて以下の式(4)で、水に加えて流動化剤を添加する場合は細粒分含有率(x)を用いて以下の式(5)で水の添加量(y)を算出することができる。
y=6.4857x+89.226 ・・・(4)
y=6.4857x+89.226 ・・・(5)
図7は、コーン指数が500kN/m以上となるような水の添加量と細粒分含有率との関係を示すグラフである。転圧タイプのソイルセメントは、スランプ値がゼロであり、ソイルセメントの打設後に重機による締め固めが必要であることから、普通ブルドーザ(15t級程度)のコーン指数を指標としている。また、図7は転圧タイプを選定する上での水の添加量の限界値であり、これを超える場合は、流動タイプまたは砕石置換を選定することとなる。
例えば、細粒分含有率が23%、決定されたソイルセメントのタイプが転圧タイプ、決定された単位体積あたりのセメントの添加量が200kg/mであった場合、単位体積あたりの水の添加量が約135kg/mを超える場合は、図7から転圧タイプを選定することはできない。
<単位体積重量の推定>
ステップS9と並行して、図8から図10を用いて、現場土砂の細粒分含有率及びソイルセメントのタイプからソイルセメントの単位体積重量を算出する(ステップS10)。
ここで、図8は、転圧タイプのソイルセメントの単位体積あたりの重量と細粒分含有率との関係を示すグラフであり、図9は、流動タイプのソイルセメントの単位体積あたりの重量と細粒分含有率との関係を示すグラフであり、図10は、高流動タイプのソイルセメントの単位体積あたりの重量と細粒分含有率との関係を示すグラフである。
図8から図10に示すように、細粒分含有率とソイルセメントの単位体積あたりの重量は比例関係が成立するため、細粒分含有率から一義的にソイルセメントの単位体積あたりの重量(kN/m)を決定することができる。
図8に示すように、ソイルセメントが転圧タイプで、単位体積あたりのセメントの添加量が200kg/mの場合における単位体積重量(y)は以下の式(6)で算出することができる。
y=−0.1x+23.1 ・・・(6)
図9に示すように、ソイルセメントが流動タイプで、単位体積あたりのセメントの添加量が200kg/mの場合における単位体積重量(y)は以下の式(7)で算出することができる。
y=−0.1544x+24.065 ・・・(7)
図10に示すように、ソイルセメントが高流動タイプで、単位体積あたりのセメントの添加量が300kg/mの場合における単位体積重量(y)は以下の式(8)で算出することができる。
y=−0.1467x+23.133 ・・・(8)
なお、ステップS10におけるソイルセメントの単位体積重量の算出は、ステップS9の前に行ってもよいし、ステップS9の後に行ってもよい。
<室内配合設計>
次に、上述の方法により決定したセメント及び水の添加量に基づいて、室内配合試験の諸元を決定し(ステップS11)、その後、室内配合試験を行う(ステップS12)。以上をもって、ソイルセメントの配合設計が完了する。
<効果>
以上のようなソイルセメントの配合設計方法によれば、現場で採取した現場土砂の物性値試験を行い、細粒分含有率に基づいて、セメントの添加量、水の添加量、及び施工に用いるソイルセメントのタイプを決定することができるので、現場土砂の性状に合わせてソイルセメントを作成することができ、現場土砂を有効利用することができる。
また、細粒分含有率に基づいて、簡単な方法でソイルセメントの室内配合試験を行うことができ、現場配合試験との整合性も高まり、手戻りの少ない配合試験設計を行うことができる。
また、併せて、単位体積あたりのソイルセメントの重量を推定することができるので、施工対象となる施設の安定計算に必要な諸元を簡単に得ることができる。
<その他>
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではない。図表に示したデータ及び近似式は実験により取得したデータに基づくものであり、今後、実証実験を重ねて取得データを増やすにつれてより精度の高いソイルセメントの配合設計を行うことができる。

Claims (9)

  1. 施工現場の現場土砂を採取するステップと、
    前記施工現場でソイルセメントを用いて施工される施工対象に要求される目標強度を決定するステップと、
    ソイルセメントの配合に用いる現場土砂の細粒分含有率を算出するステップと、
    細粒分含有率とセメントの添加量と圧縮強度との関係から、算出された細粒分含有率で決定された目標強度を満たすか否かを判断するステップと、
    算出された細粒分含有率で決定された目標強度を満たすと判断した場合に、当該目標強度を満たすソイルセメントのタイプを決定するステップと、
    細粒分含有率とソイルセメントのタイプとセメントの添加量との関係から、現場土砂に加えるセメントの添加量を決定するステップと、
    細粒分含有率とセメントの添加量と水の添加量との関係から、現場土砂に加える水の添加量を決定するステップと、
    決定されたセメントの添加量及び水の添加量に基づいて室内配合試験を行うステップと、
    を有することを特徴とするソイルセメントの配合設計方法。
  2. 現場土砂の細粒分含有率と、当該現場土砂の細粒分含有率を所定値まで下げるために現場土砂と置換すべき砕石の割合である砕石置換率との関係から、前記現場土砂の細粒分含有率を所定値にするための砕石置換率に相当する砕石を現場土砂と置換して細粒分含有率を下げるステップを有することを特徴とする請求項1に記載のソイルセメントの配合設計方法。
  3. 前記目標強度は、施工対象に応じて圧縮強度が、0.5N/mm以上1.5N/mm未満、1.5N/mm以上〜3.0N/mm未満、3.0N/mm以上、のいずれかであることを特徴とする請求項1又は2に記載のソイルセメントの配合設計方法。
  4. セメントの添加量は、上限値が300kg/mであることを特徴とする請求項1から3までのいずれか一項に記載のソイルセメントの配合設計方法。
  5. 決定されるソイルセメントのタイプは、打設後に転圧を行う転圧タイプ、スランプを有し、打設後に締め固めを必要とする流動タイプ、スランプを有し、打設後に締め固めを必要としない高流動タイプ、のいずれかであることを特徴とする請求項1から4までのいずれか一項に記載のソイルセメントの配合設計方法。
  6. 前記転圧タイプのソイルセメントは、スランプ値がゼロであることを特徴とする請求項5に記載のソイルセメントの配合設計方法。
  7. 前記流動タイプのソイルセメントは、スランプ値が15〜20cmであることを特徴とする請求項5に記載のソイルセメントの配合設計方法。
  8. 前記高流動タイプのソイルセメントは、スランプフロー値が55〜65cmであることを特徴とする請求項5に記載のソイルセメントの配合設計方法。
  9. 請求項1から8までのいずれか一項に記載のソイルセメントの配合設計方法により作製されたソイルセメント。
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