JP5753242B2 - 土の湿潤密度試験方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば地盤改良のための室内配合試験の一環として行う土の湿潤密度試験方法に関する。
軟弱な地盤とセメントや石灰等の固化材を撹拌混合して強固な地盤を造成する地盤改良工事を行う場合、予め室内試験(配合試験)にて造成地盤の目的に適う地盤強度とするに必要な固化材量(固化材添加量)を求めた上で施工する。
その室内試験は、造成地盤の設計基準強度を得るに必要な固化材添加量(kg/m3)を求める試験であって、原土(原位置土)の単位体積(1m3あたり)に添加する固化材量を求める試験である。固化材の添加に先立ち、原位置より採取した採取土にて原位置における原土の湿潤密度を求め、その湿潤密度を基準に固化材を添加混合して前述の固化材添加量を求める。よって、原土と室内にて求めた湿潤密度とに差が生じた場合には、その差が固化材添加量の差となる。これは、施工後の固化地盤の強度が必要以上に過大となったり、あるいは強度不足を招くことにほかならず、より精密な原土の湿潤密度を求める方法が求められていた。
そこで、このような背景に下に、採取土の湿潤密度の推定方法として例えば特許文献1に記載された技術が提案されている。この特許文献1に記載された技術は、いわゆる深層混合処理工法と称されるところの施工深度が20mから40m程度を対象とした地盤改良工法への適用を目的に考案されたものであり、そして、その対象土壌を砂(砂質土)と限定している。
より詳しくは、特許文献1に記載された技術では、「試料土の性状を含水比又は湿潤密度として、試験室内での試料土の性状を原位置での性状に近づけるように試料土に外力を加え、その後に生じた浮き水を除去して、浮き水除去後の試料土の含水比又は湿潤密度を原位置での試料土の含水比又は湿潤密度とする。」としていて、さらに具体例として「容器に、サンプラーで採取した試料土(砂質土)の所定量と所定量の水(飽和以上の水量)を入れ、これらを撹拌した後静置し、その後浮き水を除去する。この浮き水を除去した試料土の含水比、湿潤密度を原位置の含水比、湿潤密度とする。なお、用いる水は脱気水を用いることが望ましい。」としている。
つまり、試料土(採取土)の砂にブリージング現象が起こると思われる以上の水を添加加水して砂の飽和土を作製し、その後、静置や圧密によって生じた浮き水を除去した後の試料土の湿潤密度を原位置(原土)の湿潤密度として推定する方法である。この方法は、採取土を強制的にブリージング現象を起こさせて、その後の浮き水除去後の状態が原位置での原土状態に近いとしているものである。よって、この方法で可能な土質は砂に限られることになる。
特開2009−236716号公報
しかしながら、扇状地や三角州などで多く見られる沖積地盤では、粘土、シルト質土、砂、礫といった異なる土質が互層を成して形成されている。また、これらの互層地盤をトレンチャー等による鉛直方向に撹拌混合するような地盤改良工法(例えば、特開2002−212941号公報参照のこと。)においては、特許文献1の技術による湿潤密度の推定方法では不可能であった。
よって、互層地盤を鉛直撹拌するような地盤改良の場合には、ボーリングマシンやバックホウにて採取した採取土を、ノギス法(JIS A1225)やタッピング法(JGS 0821)により測定し、その測定値を原土の湿潤密度としてきた。しかし、異なる土質の土層区分の判別やタッピングによる締固め度合は試験者に委ねられており、試験者による差異が生じるなどの課題があり、なおも改善の余地を残している。
本発明はこのような課題に着目してなされたものであり、原位置での湿潤密度を採取土により求めることは困難なことではあるが、簡便な方法であっても実施工において弊害とならない範囲の近似値を安価に求めることができるようにした方法を提供するものである。
本発明は、異なる土質にて形成される互層地盤を原土とする土の湿潤密度試験方法であって、下記(a)〜(d)の工程を含むことを特徴とする。
(a)前記原土より採取した採取土から湿潤密度を求めようとする範囲の土を抽出採取土として抽出し、その抽出採取土をかき混ぜ合わせて一つの土質性状の試料土とする工程。
(b)前記試料土と液体とをそれぞれに計量した上で両者を撹拌混合して、ブリージング現象を起こさない程度の流動値としてテーブルフロー値にて120〜200mmの範囲内の流動性を有する飽和試料土を作製する工程。
(c)前記飽和試料土とそれに添加されている液体の重量および体積をそれぞれに求める工程。
(d)前記試料土の単位体積質量を前記原土の湿潤密度として次式(1)により求める工程。
・試料土の単位体積質量=(飽和試料土の重量−飽和試料土に添加されている液体の重量)/(飽和試料土の体積−飽和試料土に添加されている液体の体積)‥‥(1)
この場合において、より具体的には、請求項2に記載のように、前記飽和試料土の体積と重量は飽和試料土を計量モールドに充填した状態で求めるものとする。
また、請求項3に記載のように、前記飽和試料土に添加されている液体の重量は次式(2)により求めるものとする。
・飽和試料土に添加されている液体の重量=添加液体の重量×{飽和試料土の重量/(試料土の重量+添加液体の重量)}‥‥(2)
同様に、請求項4に記載のように、前記飽和試料土に添加されている液体の体積は次式(3)により求めるものとする。
・飽和試料土に添加されている液体の体積=飽和試料土に添加されている液体の重量/飽和試料土に添加されている液体の比重‥‥(3)
さらに、請求項5に記載のように、前記原土が不飽和土である場合の当該原土の湿潤密度は次式(4)により求めるものとする。
・原土の湿潤密度≒採取土の湿潤密度×{1−(原土の空気間隙率/100)}‥‥(4)
ここで、本発明を特定するにあたって必要な主要な用語を定義するならば、下記のとおりである。図1は土の3層構成図を示し、同図(A)は不飽和土の場合を、同図(B)は飽和土の場合をそれぞれに示す。
・原土:原位置での土砂(採取以前の自然状態の土砂)。
・採取土:原土をボーリングマシンやバックホウにて採取した土砂。
・試料土:採取土を混ぜ合わせて一つの土質性状とした土。
・土の湿潤密度ρt:土の単位体積質量であって、土の質量(重量)mをその土の体積Vで除して求めたもの(図1参照)で、ρt=m/V(g/cm3)で表される。
・ブリージング現象:一般的には、コンクリート打ち込み後、練り混ぜ水の一部が表面に浮いてくる現象をいう。ここでは、採取土と液体(水や固化材ミルク)とを撹拌混合した後の浮き水現象をいう。
・不飽和土:自然状態の土砂(土)は、図1の(A)に示すように土粒子と間隙部分(水と気体)とに分けられる。その3相(土粒子と水と気体)にて構成されている土を不飽和土という。
・飽和土:土の間隙が水で完全に満たされている状態の土をいう。自然状態における地下水面以下にある土は通常、飽和土であることが多い。言い換えると、図1の(B)に示すように空気間隙率(気体)が零の状態をいう。
・空気間隙率na:土の体積Vに対する土中の気体(空気)の占める体積Vaの割合を百分率で表したもので、na(%)=(Va/V)×100となる。
・単位体積質量:単位体積あたりの重量をいう。
・飽和試料土:前記試料土と液体とを撹拌混合して飽和土とした試料土。
本発明によれば、とかく困難とされている原位置での湿潤密度を採取土により求めるにあたって、簡便な方法のもとで実施工において弊害とならない範囲の近似値を安価に求めることができる。より具体的には、次に列挙するような効果が得られる。
(1)原土の採取時にボーリングマシンによるコアー変形が生じたとしても求められる湿潤密度はほぼ同じ値として得ることができる。
(2)バックホウ等で乱した採取土もボーリングマシンによる不攪乱土による採取土も求められる湿潤密度は同じ値として得ることができる。
(3)試験者の個人差による測定誤差を限りなく小さくでき、求められた湿潤密度の信頼性が高いものとなる。
(4)互層地盤の湿潤密度として層厚を重みとして加重平均(重み付き平均)したときの湿潤密度が求められることから、結果として改良深度に相当する原土の平均湿潤密度を求めることができる。
土の成分の構成説明図で、(A)は不飽和土の3層構成説明図、(B)は飽和度の構成説明図。 異なる土質で形成されている互層地盤の一例を示す柱状図。
本発明に係る土の湿潤密度試験方法を実施するためのより具体的な形態としてその実施例を示せば次のとおりである。
図2は、異なる土質で形成されているいわゆる互層地盤の柱状図である。この柱状図では、シルト、細砂、有機シルト、砂質シルトの四つの異なる土質から形成されている。ここでは、図2の柱状図に示された互層地盤のうち特定の範囲Q(改良深度5m)を、トレンチャー式地盤改良機にて鉛直撹拌混合する地盤改良工法での固化材添加量を求めるにあたり、それに先立って行う湿潤密度試験を前提としている。なお、上記トレンチャー式地盤改良機を用いた地盤改良工法は、先に例示した特開2002−212941号公報等にて公知である。
(1)原位置より採取したボーリングコアーより、図2の改良対称範囲(湿潤密度の計測範囲)Qのコアーを入念に撹拌混合して交ぜ合わせ、四つの異なる土質性状を均質な一つの土質性状とする。改良対象範囲Qは図2に示すようにGL−0.45mから5mの範囲であり、シルト、細砂、有機質シルト、砂質シルトの四つの土質からなる互層地盤となっている。四つの土質を交ぜ合わせた後には、砂混じり有機質シルトの一つの均質な試料土を作製する。
(2)前記試料土2500g、水(液体)250gをそれぞれを計量し、前記試料土と水を撹拌混合して飽和試料土(空気間隙率が零の状態をいう。)2750gを作製する。この時の飽和試料土の流動値は、テーブルフロー値にて162mmであった。また、ブリージング現象は見られなかった。
飽和試料土の流動値は土質性状によっても異なるが、テーブルフロー値にて120〜200mm以内の流動値とすることが望ましい。流動値が高すぎるとブリージング現象を起こし、また低すぎると後工程での計量モールドへの充填時に空隙を生じさせることとなる。計量モールドをタッピング(飽和試料土を充填した計量モールドをコンクリート床等に軽く打ちつけること。)させながら飽和試料土を充填するときに、計量モールド内にて空隙ができない程度の流動性を有し、且つ飽和試料土の表面に水が浮き上がるようなブリージング現象も起こらない流動性とする。よって、試料土が砂質土のようなケースには、セメントやベントナイト等の細粒分と水を混練りした固化材ミルクを添加液体とすることが望ましい。試料土を飽和試料土とする目的は、前述したように計量モールド内にて空隙をつくらず、且つブリージングも起こさなくすることにより、試験者による計量誤差をなくすことにある。
(3)飽和試料土の重量および体積を求める。
飽和試料土2750g全量をビーカー等に充填し計量したところ、その体積は1942cm3であった。飽和試料土の重量は、飽和試料土が充填されているビーカーとともに計量確認したところ概ね2750gであった。これらより、飽和試料土の単位体積質量は2750/1942=1.416g/cm3となる。
(4)前記飽和試料土に添加されている液体の重量および体積を求める。
飽和試料土全量(2750g)に添加されている水の体積は、水の比重が1.0g/cm3であることよりして250cm3となる。一方、飽和試料土全量(2750g)に添加されている水の重量は先に述べたように250gとなる。
(5)試料土の単位体積質量(湿潤密度)を次式にて求める。
試料土の単位体積質量=(飽和試料土の重量−飽和試料土に添加混合されている水の重量)/(飽和試料土の体積−飽和試料土に添加混合されている水の体積)
=(2750−250)/(1942−250)=1.478g/cm3
ここに、試料土の単位体積質量(湿潤密度)は1.478g/cm3となる。
(6)前記試料土の単位体積質量は、改良範囲の採取土を混ぜ合わせた土砂であって原位置における原土の互層地盤を一つの均質な原土とみなした場合の単位体積質量と言える。つまり、当該原土を単一の湿潤密度をもって評価したこととなる。
(7)先に(3)で説明した飽和試料土の重量および体積を計量モールドにて求めてみる。前記(3)では、飽和試料土の全量(2750g)の重量および体積を求めたが、この方法での体積計量は量も多くビーカー等への充填も面倒であり、計量誤差が生じることがある。よって、定量計量であり計量誤差の少ない計量モールド(1000cm3)にて飽和試料土の重量および体積を求めてみることとする。
1)作製した飽和試料土の一部を計量モールド(1000cm3)内に空隙ができないようにタッピングしながら充填する。
2)充填された飽和試料土の重量および体積を求める。
前記飽和試料土の体積は、計量モールドの容積が1000cm3であることよりして、その体積は1000cm3となる。次に単位体積あたりの飽和試料土の重量(飽和試料土1000cm3の重量)を求める。
単位体積あたりの飽和試料土の重量=飽和試料土が充填されている計量モールドの重量―計量モールド重量
=3765g−2350g=1415g
計量モールドの容積は1000cm3であり、飽和試料土の単位体積質量(湿潤密度)は1.415g/cm3となる。作製した飽和試料土の全量を計量したケースでの単位容体積質量は1.416g/cm3であり、ほぼ同じ値が求められたと言える。
3)飽和試料土に添加されている水の重量および体積は下記のように求める。
ここでは、1000cm3の飽和試料土に添加混合されている水の重量を求めることとなり、次式にて求める。
単位体積あたりの飽和試料土に添加混合されている水の重量=飽和試料土の単位体積質量×(添加水の重量/飽和試料土の全重量)
=1415×(250/2750)=128.6g
一方、その体積は、水の比重が1g/cm3であることから、水の体積は128.6cm3となる。
4)試料土の単位体積質量(湿潤密度)は次式にて求める。
試料土の単位体積質量=(単位体積あたりの飽和試料土の重量−単位体積あたりの飽和試料土に添加混合されている水の重量)/(単位体積あたりの飽和試料土の体積−単位体積あたりの飽和試料土に添加混合されている水の体積)
=(1415−128.6)/(1000−128.6)
=1.476g/cm3
先に求めた試料土の単位体積質量は、1.478g/cm3であった。その差は僅かであり、この値をもとに行う室内配合試験には支障のない値と言える。
5)以後の評価においては前記同様であり、上記「2)充填された飽和試料土の重量および体積を求める。」手順と上記「3)飽和試料土に添加されている水の重量および体積は下記のように求める。」手順とが入れ替わっても、前記同様に試料土の単位体積質量は求められる。
(8)ここまでの説明では添加液体を水としているが、原土の土質性状が砂質土の場合には、飽和試料土がブリージング現象を起こし易く、その結果、試料土(土砂)と水が分離し、計量誤差となることがある。このようなケースでは、水にセメントやベントナイト等の細粒分を混練りした固化材ミルクを予め作成しておき、この固化材ミルクを添加液体とすることが望ましい。これは、セメントやベントナイトには増粘効果があり、高含水な砂質土であってもブリージング現象が発生しにくいとされていることに基づいている。
ただし、上記3)での飽和試料土に添加されている液体(固化材ミルク)の体積を求めるには、その固化材ミルクの比重を考慮することが必要となる。以下にて、水・セメント比150%の固化材ミルクを添加液体とした場合の例について説明する。
1)固化材ミルクの比重を求める。
セメントの比重を3.0g/cm3として、水・セメント比が150%の場合の固化材ミルクの比重を求める。固化材ミルクの重量=セメント重量+水重量であるから、100g+150g=250gとなる。また、固化材ミルクの体積=(セメント体積/セメント比重)+(水重量/水比重)であるから、(100/3.0)+(150/1.0)=183.3cm3となる。さらに、固化材ミルクの比重=固化材ミルクの重量/固化材ミルクの体積であるから、250/183.3=1.36g/cm3となる。
2)前記試料土2500gに前記固化材ミルクを250g添加混合した場合、添加混合後の飽和試料土のテーブルフロー値(流動値)は、145mmであった。流動値は、先の例(162mm)よりも低くブリージング現象は見られなかった。
3)飽和試料土の重量および体積を求める。
ここでの体積計量は、流動値も低く計量の正確を期すために計量モールド(容積1000cm3のモールド)を用いて行う。容積が1000cm3の計量モールドに気泡が残らないようにタッピングしながら充填し、その重量を測定することにより、飽和試料土の重量および体積は求められる。
単位体積あたりの飽和試料土の重量=飽和試料土が充填されている計量モールドの重量―計量モールド重量
=3820g−2350g=1470g
一方、その体積は、容積が1000cm3の計量モールドを使用していることからして、言うまでもなく1000cm3となる。よって、飽和試料土の重量1470gとモールド体積1000cm3より、飽和試料土の単位体積質量(湿潤密度)は1470g/cm3となる。当然のことではあるが、添加液体を水とした場合(1415g/cm3)よりも大きな単位体積質量となった。
4)前記飽和試料土(1000cm3)に添加されている固化材ミルク(液体)の重量を求める。
ここでは、体積1000cm3の飽和試料土をいう。言い換えると、飽和試料土の単位体積あたり(1000cm3)に添加されている固化材ミルクの重量を求めることであり、次式より求める。
1000cm3の飽和試料土に添加されている液体の重量=固化材ミルクの重量×{飽和試料土の重量/(試料土の重量+固化相ミルクの重量)
=250×{1470/(2500+250)}=133.6g
5)前記飽和試料土に添加されている固化材ミルクの体積を次式より求める。
飽和試料土に添加されている固化材ミルクの体積=飽和試料土に添加されている固化材ミルクの重量/固化材ミルクの比重
=133.6/1.36=98.2cm3
6)試料土の単位体積質量を次式にて求める。
試料土の単位体積質量=(飽和試料土の重量−飽和試料土に添加混合されている固化材ミルクの重量)/(飽和試料土の体積−飽和試料土に添加混合されている固化材ミルクの体積)
=(1470−133.6)/(1000−98.2)=1.482g/cm3
ここに、試料土の単位体積質量(湿潤密度)は、1.482g/cm3となる。
(9)以上の説明から明らかなように、同一の試料土の単位体積質量について実施例1〜3にて求めた。先に述べたように、実施例1は添加液体を水として飽和試料土の全量より求めた場合であり、実施例2は添加液体を水として飽和土の体積を計量モールドにて求めた場合である。さらに、実施例3は添加液体を固化材ミルクとし飽和土の体積を計量モールドにて求めた場合である。
その単位体積質量は、実施例1では1.478g/cm3、実施例2では1.476g/cm3、実施例3では1.482g/cm3と、それぞれの方法によってばらつく結果となった。しかし、その差は、最小値と最大値にて0.006g/cm3とごく僅かであり、実質の配合試験に影響を及ぼすような結果ではない。ここでは、実施例3による方法が最大値となったが、この値を用いて行う配合試験が安全側の結果となることを考えると、添加液体に固化材ミルクを使用して飽和試料土の流動性を安定させる望ましい結果となると言える。しかし、実務レベルでは、飽和試料土の作製時にブリージング現象を起こさず、且つ流動性の得られる水量を添加することを心がければ、添加液体を水とすることが土質試験を簡素化する上で最も望ましいと言える。
(10)実施例1〜3で求めた湿潤密度と従来法(ノギス法とタッピング法)で求めた湿潤密度との比較してみる。
1)ノギス法での測定は以下の通りである。
ノギス法にて図2に示す各土層の湿潤密度を求めたところ表1の結果となった。
Figure 0005753242
層厚による加重平均値は下記の通りとなる。
{(0.95×1.473)+(1.37×2.032)+(2.31×1.257)+(0.37×1.653)}/5=1.54
よって、4層から形成される互層地盤(砂混じり有機質シルト)の湿潤密度(単位体積質量)は1.54g/cm3と測定された。
2)タッピング法での測定は以下の通りである。
試料土を計量モールドにタッピングしながら充填し、その重量を測定して求める。
単位体積あたりの試料土の重量=試料土が充填されている計量モールドの重量−計量モールド重量
=3746g−2350g=1396g
計量モールドの容積は1000cm3であることより、試料土の単位体積質量は1.396g/cm3となる。
3)測定結果の比較
ノギス法では1.54g/cm3、タッピング法では1.396g/cm3といった値となった。一般的には、ノギス法による場合は計測結果が大きく出る傾向にあり、タッピング法による場合は計測結果が小さく出る傾向にあると言われているが、先の実施例1〜3ではそれら三つの平均値にて1.479g/cm3となった。結果的には、従来法のそれぞれの中間値を示すこととなった。いずれの値も原位置での原土の湿潤密度ではないが、実施例1〜3による評価値(測定値)が、その値により近いといえる。また、計測モールドへの充填後の測定ではあるが試料土を飽和試料土とした上での測定であり、測定者による誤差も小さくなると言える。なお、それぞれの計測値を不等式にて表すと以下の通りとなる。
ノギス法(1.54)>本実施例(1.479)>タッピング法(1.396)
(11)原土が不飽和土の場合の再評価方法
一般的な土(土砂)は、図1の(A)に示したように土粒子と水および空気の3層にて構成されている。また、地下水面以下の土(土砂)は、気体(空気)による間隙部分が水で満たされ飽和状態となっている。その常態の土を飽和土といい、その模式図は図1の(B)に示す。通常の軟弱地盤は地下水面が高く、その原土の多くは飽和土となっている。しかし、原位置の状況によっては、地下水面が低く不飽和土となっている場合もあり、このような場合には先の方法で得られた湿潤密度を評価し直す必要がある。その方法について以下に述べる。
原土の体積中に占める気体(空気)の割合を百分率で表したものを空気間隙率(na)という。その空気間隙率をもって前記原土の湿潤密度の値を補正して、不飽和土の場合の原土の湿潤密度として再評価する。
土塊(土砂)の体積(原土の体積)をV、土中の気体(空気)の体積(原土中の気体の体積)Vaとしたとき、空気間隙率(na)=(Va/V)×100%で表される。また原土が不飽和土の場合の湿潤密度は次式にて求める。
不飽和土の湿潤密度=試料土の単位体積質量×{1−(na/100)}
1)不飽和土の計算例を以下に示す。
粘性土やシルト質粘性土の場合の空気間隙率(na)は1.5〜3%程度である。一例として、空気間隙率(na)が最大のときにおけるna=3%とした場合の湿潤蜜度を求める。不飽和土の湿潤密度をA1とし、試料土の単位体積質量をAとして上記式にあてはめると下記のようになる。
A1=A×{1−(na/100)}
=1.479×{1−(3/100)}=1.435g/cm3
上記より、不飽和土の湿潤密度A1は1.435g/cm3と再評価される。
2)対象土層(全土層)の原土の空気間隙率が3%とした場合、その採取土の湿潤密度は1.435g/cm3ということであり、タッピング法(1.396g/cm3)にて求めた値よりも僅かではあるが大きい値となった。これは、タッピング法では十分な締固めができないことから考えれば、この値がより原位置の原土の湿潤密度に近いと言える。しかし、多くの軟弱地盤は地下水面以下に存在しており、全土層が不飽和土であることは稀である。よって、実質の運用面においては、空気間隙率を考慮しなくても良いケースが多い。ちなみに、図2の柱状図では地下水面と施工基盤(改良層の上端)と概ね同位置にあり、全層を飽和土として評価しても何ら差し支えはない。
(12)その他
1)土質性状とブリージング現象の目安
飽和試料土を計測モールドに空隙もなく充填するには、少なくともテーブルフロー値にて120mm以上を確保することが望ましいことは言うまでもないが、そのテーブルフロー値が大きすぎてもブリージング現象を起こすこととなる。よって、原土に液体を添加した場合の土質性状によって異なるブリージング現象について考察する。
土質が砂質土の場合には、テーブルフロー値が120mm程度であってもブリージング現象を起こすこともあるが、粘性土の場合にはテーブルフロー値が200mmを超えてもブリージング現象は起こさないケースもある。このように土質性状によってブリージング現象を起こす限界値は異なるので、以下に述べるような目安をもって添加する液体の種類とその添加量を決定する。
・稀ではあるが大部分の土層が砂質土で構成されているようなこともある。このようなケースでは、飽和試料土の流動値が上昇してもブリージング現象を起こさないようにするために、セメントやベントナイト等の細粒分と水とを混練りした固化材ミルク等を添加液体として使用することが望ましい。
・部分的にでも細粒分(シルト、粘土)が存在するようなケースでは、添加液体を水とすることにより土質試験の簡素化を図る上で望ましい。

Claims (5)

  1. 異なる土質にて形成される互層地盤を原土とする土の湿潤密度試験方法であって、下記(a)〜(d)の工程を含むことを特徴とする土の湿潤密度試験方法。
    (a)前記原土より採取した採取土から湿潤密度を求めようとする範囲の土を抽出採取土として抽出し、その抽出採取土をかき混ぜ合わせて一つの土質性状の試料土とする工程。
    (b)前記試料土と液体とをそれぞれに計量した上で両者を撹拌混合して、ブリージング現象を起こさない程度の流動値としてテーブルフロー値にて120〜200mmの範囲内の流動性を有する飽和試料土を作製する工程。
    (c)前記飽和試料土とそれに添加されている液体の重量および体積をそれぞれに求める工程。
    (d)前記試料土の単位体積質量を前記原土の湿潤密度として次式(1)により求める工程。
    ・試料土の単位体積質量=(飽和試料土の重量−飽和試料土に添加されている液体の重量)/(飽和試料土の体積−飽和試料土に添加されている液体の体積)‥‥(1)
  2. 前記飽和試料土の体積と重量は飽和試料土を計量モールドに充填した状態で求めることを特徴とする請求項1に記載の土の湿潤密度試験方法。
  3. 前記飽和試料土に添加されている液体の重量は次式(2)により求めることを特徴とする請求項1または2に記載の土の湿潤密度試験方法。
    ・飽和試料土に添加されている液体の重量=添加液体の重量×{飽和試料土の重量/(試料土の重量+添加液体の重量)}‥‥(2)
  4. 前記飽和試料土に添加されている液体の体積は次式(3)により求めることを特徴とする請求項1または2に記載の土の湿潤密度試験方法。
    ・飽和試料土に添加されている液体の体積=飽和試料土に添加されている液体の重量/飽和試料土に添加されている液体の比重‥‥(3)
  5. 前記原土が不飽和土である場合の当該原土の湿潤密度は次式(4)により求めることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の土の湿潤密度試験方法。
    ・原土の湿潤密度≒試料土の単位体積質量×{1−(原土の空気間隙率/100)}‥‥(4)
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