JP7126592B1 - 粘性土の設計用非排水せん断強さの推定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】対象地盤の粘性土の設計用非排水せん断強さを簡便により精度よく推定できる方法を提供する。【解決手段】対象地盤Gに対するコーン貫入試験の測定データまたは対象地盤Gから採取した粘性土で作製した供試体を用いたせん断試験の試験結果に基づいて、対象地盤Gの粘性土の正規圧密状態における強度増加率を算出する。そして、コーン貫入試験の測定データに基づいて算出される粘性土の有効土被り圧に対する実効コーン先端抵抗の増加割合を示す近似直線の傾きを、粘性土の正規圧密状態における強度増加率に近似させる乗数の逆数をコーン係数として採用し、そのコーン係数とコーン貫入試験の測定データに基づいて算出される実効コーン先端抵抗とに基づいて対象地盤Gの粘性土の設計用非排水せん断強さを推定する。【選択図】図1

Description

本発明は、粘性土の設計用非排水せん断強さの推定方法に関し、さらに詳しくは、対象地盤の粘性土の設計用非排水せん断強さを簡便により精度よく推定できる方法に関するものである。
コーン係数と、コーン貫入試験の測定データに基づいて算出される実効コーン先端抵抗とを用いて対象地盤の粘性土の設計用非排水せん断強さを推定する方法が知られている。従来では、ボーリングにより対象地盤から採取した乱れの少ない土試料(不攪乱試料)を用いた室内試験(例えば、定体積一面せん断試験や一軸圧縮試験など)や原位置試験(例えば、原位置ベーンせん断試験など)により、粘性土の非排水せん断強さを推定している。そして、専門的な技術者が、その非排水せん断強さの推定値と、同じ場所で行ったコーン貫入試験の測定データとの関係性を比較分析して、コーン係数が算定されている。
しかしながら、対象地盤から乱れの少ない土試料を採取するには高度な技術を要し、一軸圧縮試験では、用いる土試料が乱れていると、粘性土の圧縮せん断強さを精度よく測定することはできない。また、一軸圧縮試験は、土試料の扱い方などによって試験結果に人為的な誤差が生じ易い。それ故、従来方法で信頼性の高いコーン係数を算定するには、熟練した技術が必要になる。また、従来方法では、ボーリングを開始してからコーン係数を算定するまでに、10日程度の比較的長い期間を要する。したがって、従来の粘性土の設計用非排水せん断強さの推定方法には、推定精度のばらつきや長い時間を要するという問題がある。
粘性土の設計用非排水せん断強さを簡易に推定する方法として、過去に蓄積した研究結果に基づいた粘性土の平均的なコーン係数の値(例えば、8~16の間の値)を用いる推定方法もある。しかしながら、その推定方法ではそれぞれの対象地盤における粘性土の固有の設計用非排水せん断強さを精度よく推定することはできない(例えば、特許文献1の段落0005参照)。それ故、対象地盤の粘性土の設計用非排水せん断強さを簡便により精度よく推定するには改善の余地がある。
特開2010-59670号公報
本発明は、対象地盤の粘性土の設計用非排水せん断強さを簡便により精度よく推定できる方法を提供することにある。
上記目的を達成するため本発明の粘性土の設計用非排水せん断強さの推定方法は、コーン係数と、コーン貫入試験の測定データに基づいて算出される実効コーン先端抵抗とを用いて対象地盤の粘性土の設計用非排水せん断強さを推定する粘性土の設計用非排水せん断強さの推定方法において、前記測定データに基づいて算出される前記対象地盤の前記粘性土の有効土被り圧に対する過剰間隙水圧の増加割合を示す近似直線の傾きに変換係数が乗じられた値を、前記粘性土の正規圧密状態における強度増加率とし、前記粘性土の前記有効土被り圧に対する前記実効コーン先端抵抗の増加割合を示す近似直線の傾きを前記強度増加率に近似させる乗数の逆数を、前記コーン係数として採用することを特徴とする。
本発明の別の粘性土の設計用非排水せん断強さの推定方法は、コーン係数と、コーン貫入試験の測定データに基づいて算出される実効コーン先端抵抗とを用いて対象地盤の粘性土の設計用非排水せん断強さを推定する粘性土の設計用非排水せん断強さの推定方法において、前記対象地盤から採取した前記粘性土で作製した供試体を用いたせん断試験の試験結果に基づいて、前記粘性土の正規圧密状態における強度増加率を算出し、前記測定データに基づいて算出される前記粘性土の有効土被り圧に対する前記実効コーン先端抵抗の増加割合を示す近似直線の傾きを前記強度増加率に近似させる乗数の逆数を、前記コーン係数として採用することを特徴とする。
本発明によれば、コーン貫入試験の測定データ、または、せん断試験の試験結果に基づいて対象地盤の粘性土の正規圧密状態における強度増加率を算出する。そして、この測定データに基づいて算出される対象地盤の粘性土の有効土被り圧に対する実効コーン先端抵抗の増加割合を示す近似直線の傾きを、算出した前記強度増加率に近似させる乗数の逆数を、コーン係数として採用する。これにより、前者の本発明ではコーン貫入試験の測定データのみに依拠して、後者の本発明では大部分をコーン貫入試験の測定データに依拠して、対象地盤の粘性土の設計用非排水せん断強さを推定できる。その結果、簡便ながらも高精度の推定が可能になる。
対象地盤に対してコーン貫入試験を行っている状況を断面視で例示する説明図である。 対象地盤の粘性土の有効土被り圧と過剰間隙水圧との関係を示すグラフ図である。 コーン貫入試験の測定データに基づいて算出した粘性土の正規圧密状態における強度増加率と、室内試験の試験結果に基づいて算出した粘性土の正規圧密状態における強度増加率との関係を示すグラフ図である。 対象地盤の粘性土の有効土被り圧と実効コーン先端抵抗との関係を示すグラフ図である。 自然堆積して年代効果を受けた粘性土の強度発現特性を模式的に示したグラフ図である。 本発明の推定方法に基づいて算出したコーン係数と、従来方法で算定したコーン係数との関係を示すグラフ図である。
以下、本発明の粘性土の設計用非排水せん断強さの推定方法を図に示した実施形態に基づいて説明する。
本発明の推定方法では、下記(1)式に示す、コーン係数Nktと、コーン貫入試験の測定データに基づいて算出される粘性土の実効コーン先端抵抗qnetとの公知の関係式に基づいて、対象地盤の粘性土の設計用非排水せん断強さSu(mob)が推定される。この粘性土は、粘土やシルトなどの粒径が75μm以下の土粒子(細粒分)を50%以上含む土である。
u(mob)=qnet/Nkt ・・・(1)
図1に例示するように、この推定方法では、対象地盤Gに対して公知のコーン貫入試験を実施することで、対象地盤Gの粘性土のコーン先端抵抗qCおよび間隙水圧u2を測定する。コーン貫入試験は、コーン貫入試験機1により先端が円錐形状のコーン2を対象地盤Gに一定速度で静的に貫入する試験であり、例えば、地盤工学会基準のJGS 1435-2012(電気式コーン貫入試験方法)に基づいて実施される。
図2は、コーン貫入試験の測定データに基づいて作成した粘性土の有効土被り圧σ’Vと過剰間隙水圧ueとの関係の例を示すグラフ図である。図2には、粘性土の有効土被り圧σ’Vと過剰間隙水圧ueとの関係をプロットした折れ線グラフが細線で記載されている。横軸の有効土被り圧σ’Vが、概ね50kPa以上の範囲が対象地盤Gの粘性土層のデータを示している。図2には、さらに、対象地盤Gの粘性土の有効土被り圧σ’Vに対する過剰間隙水圧ueの増加割合を示す近似直線L1が記載されている。
粘性土の有効土被り圧σ’Vは、下記(2)式により算出される。
σ’V=σV-u0 ・・・(2)
ここで、σVは土被り圧σVであり、u0はコーン2を貫入する以前の対象地盤Gの水圧u0である。土被り圧σVは、測定深度における地盤内の鉛直応力であり、粘性土の単位体積当たりの重量と測定深度から算出できる。コーン2を貫入する以前の対象地盤Gの水圧u0は、地下水面の深度から算出できる。
粘性土の過剰間隙水圧ueは、コーン貫入試験で測定された対象地盤Gの粘性土の間隙水圧u2に基づいて、下記(3)式により算出される。
e=u2―u0 ・・・(3)
したがって、図2の粘性土の有効土被り圧σ’Vと過剰間隙水圧ueとの関係を示すグラフ図は、対象地盤Gに対して実施したコーン貫入試験で取得したデータを用いて容易に作成できる。
粘性土の性状を示す数多くの様々な指標が存在しているが、本発明者らはこれら多様な指標の関係性について種々の分析を行った。その結果、粘性土の有効土被り圧σ’Vに対する過剰間隙水圧ueの増加割合と、粘性土の正規圧密状態における強度増加率(sun/σ’VC)との間に高い相関性があることを把握した。sunは粘性土の正規圧密状態の非排水せん断強さsunであり、σ’VCは粘性土の圧密圧力σ’VCである。
更には、粘性土の有効土被り圧σ’Vに対する過剰間隙水圧ueの増加割合を示す近似直線L1の傾きに変換係数βを乗じた値が、粘性土の正規圧密状態における強度増加率(sun/σ’VC)に近似することが見出された。そして、前述した変換係数βは、概ね0.08以上0.12以下の範囲内の値になり、主に日本国内の地盤の粘性土においては、近似直線L1の傾きに変換係数βとして0.1を乗じた値が、粘性土の正規圧密状態における強度増加率(sun/σ’VC)に精度よく近似することが判明した。図2には、粘性土の正規圧密状態における強度増加率(sun/σ’VC)に変換係数βの逆数(1/β)を乗じた値(傾き)を示す直線L2も記載されていて、この直線L2の傾きは近似直線L1の傾きと概ね一致している。
そこで、この推定方法では、コーン貫入試験の測定データに基づいて算出される対象地盤Gの粘性土の有効土被り圧σ’Vに対する過剰間隙水圧ueの増加割合を示す近似直線L1の傾きに変換係数βが乗じられた値を、対象地盤Gの粘性土の正規圧密状態における強度増加率(sun/σ’VC)とする。変換係数βは、粘性土の性状に応じて適宜設定できるが、例えば、0.08以上0.12以下の範囲内の値、日本国内の地盤の粘性土においては例えば、0.1とする。
図3は、コーン貫入試験の測定データに基づいて算出された粘性土の正規圧密状態の強度増加率(sun/σ’VC)と、信頼性の高い室内試験の試験結果に基づいて算出された粘性土の正規圧密状態の強度増加率(sun/σ’VC)との関係を示すグラフ図である。図3に示すように、両者の正規圧密状態の強度増加率(sun/σ’VC)の算出値は概ね一致しており、コーン貫入試験の測定データに基づいて、粘性土の正規圧密状態の強度増加率(sun/σ’VC)を精度よく算出できることが確認できる。
次いで、この推定方法では、図4に例示するように、コーン貫入試験の測定データに基づいて、横軸を有効土被り圧σ’Vとし、縦軸を実効コーン先端抵抗qnetとして、対象地盤Gの粘性土の有効土被り圧σ’Vと実効コーン先端抵抗qnetとの関係を示すグラフ図が作成される。図4には、粘性土の有効土被り圧σ’Vと実効コーン先端抵抗qnetとの関係をプロットした折れ線グラフが細線で記載されている。図4では、横軸の有効土被り圧σ’Vが、概ね50kPa以上の範囲が対象地盤Gの粘性土層のデータを示している。
粘性土の実効コーン先端抵抗qnetは、下記(4)式により算出される。
net=qt―σV ・・・(4)
ここで、qtは補正コーン先端抵抗qtであり、σVは土被り圧σVである。
図1に示すように、補正コーン先端抵抗qtは、間隙水圧u2を測定するためにコーン2に設けられたフィルター3に作用する水圧分を補正したコーン2の先端にかかる抵抗である。補正コーン先端抵抗qtは、下記(5)式により、コーン貫入試験で測定された対象地盤Gの粘性土のコーン先端抵抗qCと間隙水圧u2とに基づいて算出される。
t=qC+u2・(1-An/Ac)・・・(5)
ここで、Anはコーン2の円柱延長部上端面でのシャフト断面積Anであり、Acはコーン2の底部断面積Acである。
この推定方法では、図4に示すように、粘性土の有効土被り圧σ’Vに対する実効コーン先端抵抗qnetの増加割合を示す近似直線L3の傾きを、粘性土の正規圧密状態における強度増加率(sun/σ’VC)に近似させる乗数Aが算出される。言い換えると、実効コーン先端抵抗qnetに乗数Aが乗じられることで、粘性土の有効土被り圧σ’Vに対する実効コーン先端抵抗qnetの増加割合を示す近似直線L3と、粘性土の正規圧密状態における強度増加率(sun/σ’VC)の勾配を示す直線L4とが略平行になる乗数Aが算出される。その算出した乗数Aの逆数(1/A)をコーン係数Nktとして採用する。
そして、その算定したコーン係数Nktと、コーン貫入試験の測定データから算出された実効コーン先端抵抗qnetとに基づいて、(1)式により、粘性土の設計用非排水せん断強さSu(mob)の推定値が算出される。
u(mob)=qnet/Nkt ・・・(1)
図5は、自然堆積して年代効果を受けた粘性土(正規圧密エージド粘土)の強度発現特性を模式的に示したものである。図5に示すように、粘性土は、自然堆積後に化学的結合が起こることで非排水せん断強さSuが増加し、その後、二次圧密作用により非排水せん断強さSuがさらに増加する。図5に示す直線L5は自然堆積した粘性土の正規圧密状態の強度増加率(sun/σ’VC)を示し、直線L6は化学的結合による年代効果を受けた粘性土の有効土被り圧σ’Vに対する非排水せん断強さSuの増加率を示している。直線L7は二次圧密作用による年代効果を受けた粘性土の有効土被り圧σ’Vに対する非排水せん断強さSuの増加率を示している。
図5に示すように、化学的結合による年代効果の領域では、粘性土の有効土被り圧σ’Vに対する非排水せん断強さのSuの増加率を示す直線L6と、粘性土の正規圧密状態の強度増加率(sun/σ’VC)を示す直線L5とが概ね平行となる。また、(1)式に示すように、実効コーン先端抵抗qnetをコーン係数Nktで除した値が設計用非排水せん断強さSu(mob)となる。それ故、化学的結合による年代効果の領域では、粘性土の正規圧密状態の強度増加率(sun/σ’VC)と実効コーン先端抵抗qnetは、コーン係数Nkt介した一次的関係にある。それ故、前述したように、コーン貫入試験の測定データに基づいて算出される粘性土の有効土被り圧σ’Vに対する実効コーン先端抵抗qnetの増加割合を示す近似直線L3の傾きを、粘性土の正規圧密状態における強度増加率(sun/σ’VC)に近似させる乗数Aの逆数(1/A)を、コーン係数Nktとして採用することができる。
図6は、本発明の推定方法で算出されたコーン係数Nktと、熟練した技術者により従来方法で算定された信頼性の高いコーン係数Nktとの関係を示すグラフ図である。図6に示すように、本発明の推定方法で算出されたコーン係数Nktと、熟練した技術者により算定されたコーン係数Nktは概ね一致している。したがって、本発明の推定方法により、コーン係数Nktを精度よく算出できることが分かる。
このように、本発明では、コーン貫入試験の測定データに基づいて粘性土の有効土被り圧σ’Vに対する実効コーン先端抵抗qnetの増加割合を示す近似直線L3の傾きを算出する。そして、その近似直線L3の傾きを対象地盤Gの粘性土の正規圧密状態における強度増加率(sun/σ’VC)に近似させる乗数Aの逆数(1/A)をコーン係数Nktとして採用する。これにより、コーン貫入試験の測定データに依拠して、対象地盤Gの粘性土の設計用非排水せん断強さSu(mob)を推定できる。その結果、簡便ながらも高精度の推定が可能になる。
さらに、コーン貫入試験の測定データに基づいて対象地盤Gの粘性土の有効土被り圧σ’Vに対する過剰間隙水圧ueの増加割合を示す近似直線L1の傾きを算出する。そして、その近似直線L1の傾きに変換係数βを乗じた値を、粘性土の正規圧密状態における強度増加率(sun/σ’VC)とすると、対象地盤Gに対してコーン貫入試験を行うだけで、粘性土の正規圧密状態における強度増加率(sun/σ’VC)を簡易に算出できる。それ故、対象地盤Gの粘性土の設計用非排水せん断強さSu(mob)を簡便に精度よく推定するにはより有利になる。
コーン貫入試験の測定データには人為的な誤差はほとんど生じず、コーン貫入試験に要する時間は2~3時間程度である。それ故、上述したコーン貫入試験の測定データに基づいて設計用非排水せん断強さSu(mob)が算出される演算プログラムを作成しておけば、技術者の技量に依存せずに、対象地盤Gの粘性土の設計用非排水せん断強さSu(mob)を短時間で簡便に高い精度で推定することが可能になる。
具体的には、例えば、この推定方法により推定された対象地盤Gの粘性土の設計用非排水せん断強さSu(mob)が、要求される設計用非排水せん断強さSu(mob)の設計値を下回っている場合には、地盤改良工事を行う必要があることを早期に把握できる。さらに、この推定方法は、地盤改良材などを用いて改良した地盤の粘性土の設計用非排水せん断強さSu(mob)も同様に推定することが可能である。それ故、地盤改良工事を行った改良後の地盤に対してコーン貫入試験を再度行い、その測定データに基づいて設計用非排水せん断強さSu(mob)を推定することで、改良後の対象地盤の設計用非排水せん断強さSu(mob)が基準値を満足しているか否かを早期に確認できる。
コーン貫入試験を行う測定領域ごとにコーン係数Nktを算出すると、それぞれの測定領域の粘性土の設計用非排水せん断強さSu(mob)を精度よく推定するには有利になるが、粘性土の性状が同じであれば、コーン係数Nktは概ね同じ値となる。それ故、対象地盤Gの1ヶ所の測定領域でコーン係数Nktを算出すれば、他の測定領域ではそのコーン係数Nktと、それぞれの測定領域で行ったコーン貫入試験の測定データから算出した実効コーン先端抵抗qnetとに基づいて、それぞれの測定領域における粘性土の設計用非排水せん断強さSu(mob)を精度よく推定することが可能である。
上述した推定方法では、コーン貫入試験の測定データに基づいて、対象地盤Gの粘性土の正規圧密状態における強度増加率(sun/σ’VC)を算出する場合を例示したが、例えば、対象地盤Gから採取した粘性土で作製した供試体を用いてせん断試験を実施することで、粘性土の正規圧密状態における強度増加率(sun/σ’VC)を算出することもできる。前述したせん断試験は、例えば、地盤工学会規準 JGS 0560-2009(土の圧密定体積一面せん断試験方法)に基づいて行う。
粘性土の正規圧密状態における強度増加率(sun/σ’VC)を測定するせん断試験は、供試体の作製に用いる土試料は乱れた状態でも構わない。粘性土は、例えば、コーン貫入試験を行うことで生じる孔を利用してピートサンプリングを行うことで容易に採取できる。対象地盤Gから採取した粘性土を円筒形状の型枠に充填し、土試料を整形して供試体を作製できる程度の圧力をかけて粘性土を固め直すことで、円柱形状の土試料を作製する。その土試料を整形し、固め直した以上の異なる圧力で圧密した、少なくとも2つ以上の供試体に対してせん断試験を行うことで、粘性土の正規圧密状態における強度増加率(sun/σ’VC)を精度よく算出できる。その後の粘性土の設計用非排水せん断強さSu(mob)を推定する方法は先述した推定方法と同じである。なお、ボーリング等で乱れの少ない土試料を採取できた場合には、その土試料をそのまません断試験の供試体として用いることもできる。
このように、せん断試験の試験結果に基づいて粘性土の正規圧密状態における強度増加率(sun/σ’VC)を算出する方法では、一軸圧縮試験を行う従来方法のように対象地盤Gから粘性土を乱れの少ない状態で採取する必要はなく、粘性土を固め直して供試体を作製すればよい。また、粘性土の正規圧密状態における強度増加率(sun/σ’VC)を算出した後は、先述した推定方法と同様に、コーン貫入試験と簡易な演算を行うだけで、対象地盤Gの粘性土の設計用非排水せん断強さSu(mob)を推定できる。それ故、この推定方法でも同様に、技術者の技量に依存せずに、対象地盤Gの粘性土の設計用非排水せん断強さSu(mob)を、従来方法よりも簡便により精度よく推定できる。
1 コーン貫入試験機
2 コーン
3 フィルター
G 対象地盤

Claims (3)

  1. コーン係数と、コーン貫入試験の測定データに基づいて算出される実効コーン先端抵抗とを用いて対象地盤の粘性土の設計用非排水せん断強さを推定する粘性土の設計用非排水せん断強さの推定方法において、
    前記測定データに基づいて算出される前記対象地盤の前記粘性土の有効土被り圧に対する過剰間隙水圧の増加割合を示す近似直線の傾きに変換係数が乗じられた値を、前記粘性土の正規圧密状態における強度増加率とし、
    前記粘性土の前記有効土被り圧に対する前記実効コーン先端抵抗の増加割合を示す近似直線の傾きを前記強度増加率に近似させる乗数の逆数を、前記コーン係数として採用することを特徴とする粘性土の設計用非排水せん断強さの推定方法。
  2. 前記変換係数を0.08以上0.12以下の範囲内の値とする請求項1に記載の粘性土の設計用非排水せん断強さの推定方法。
  3. コーン係数と、コーン貫入試験の測定データに基づいて算出される実効コーン先端抵抗とを用いて対象地盤の粘性土の設計用非排水せん断強さを推定する粘性土の設計用非排水せん断強さの推定方法において、
    前記対象地盤から採取した前記粘性土で作製した供試体を用いたせん断試験の試験結果に基づいて、前記粘性土の正規圧密状態における強度増加率を算出し、
    前記測定データに基づいて算出される前記粘性土の有効土被り圧に対する前記実効コーン先端抵抗の増加割合を示す近似直線の傾きを前記強度増加率に近似させる乗数の逆数を、前記コーン係数として採用することを特徴とする粘性土の設計用非排水せん断強さの推定方法。
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