JP2016217311A - 内燃機関の状態判定装置及び内燃機関の状態判定方法 - Google Patents

内燃機関の状態判定装置及び内燃機関の状態判定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】気筒休止が行われたか否かを確実に判定することが可能な内燃機関の状態判定装置及び内燃機関の状態判定方法を提供する。【解決手段】内燃機関の状態判定装置は、内燃機関100が有する複数の気筒102a,102b,102c,102dの一部を休止する気筒休止制御を行う気筒休止制御部250と、吸気弁又は排気弁を駆動するカムシャフト112の回転を取得する回転取得部210と、カムシャフト112の回転をフーリエ解析するフーリエ解析部220と、フーリエ解析部220によるフーリエ解析の結果に基づいて、休止気筒の吸気弁および排気弁の少なくともいずれかの動作状態を判定する気筒休止状態判定部230と、を備える。【選択図】図4

Description

本発明は、内燃機関の状態判定装置及び内燃機関の状態判定方法に関する。
従来、車両等に搭載される内燃機関において、気筒休止機構を備えたものがある。気筒休止機構の一態様として、油圧制御によって、内燃機関の気筒のうちの一部の気筒の吸気弁及び排気弁の双方を閉じた状態で維持する油圧式の気筒休止機構が知られている。内燃機関の要求トルクが小さい場合等に、かかる気筒休止機構を制御して一部の気筒を休止させることにより、燃費の向上が図られる。例えば、四気筒の内燃機関では、気筒休止制御が実行可能であれば、内燃機関の運転状況に応じて四気筒運転と二気筒運転とを切り替えることができる。
このような気筒休止機構を備えた内燃機関では、気筒休止機構が正常に作動していないと、内燃機関を適切に制御することができない。例えば、内燃機関のインテークマニホールドに導入する空気量や、各気筒の燃料噴射量及び点火時期等は、稼働する気筒数によって変わり得る。このため、気筒休止機構が正常に作動しているか否かを判定する必要がある。
下記の特許文献1には、カム軸速度変動量と所定の判定値との偏差に基づき休筒切り換え完了か否かを判定して休筒切り換え判定情報を発する休筒切り換え判定手段とを有する内燃機関の吸排気弁作動状態検知装置が記載されている。
また、下記の特許文献2には、休筒気筒の休筒サイクル時のカム軸回転速度の変動値が設定された変動閾値を上回ったか否かのレベル判定信号を出力する変動レベル判定手段と、この変動レベル判定手段のレベル判定信号に基づき休筒切り換え中か否かを判定して休筒判定信号を出力する休筒切り換え判定手段とを備えることが記載されている。
特開2917643号公報 実登2514632号公報
しかしながら、上記特許文献1,2に記載された技術では、カム軸速度の変動量に基づいて休筒切り換え完了か否かを判定しているため、変動量が微小な場合は、休筒切り換えが行われたか否かの判定が困難になる問題があった。このため、気筒休止を行った場合に、実際に吸気弁や排気弁の作動が停止したか否かを判定することは困難である。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、気筒休止が行われたか否かをより正確に判定することが可能な、新規かつ改良された内燃機関の状態判定装置及び内燃機関の状態判定方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、内燃機関が有する複数の気筒の一部を休止する気筒休止制御を行う気筒休止制御部と、吸気弁および排気弁を駆動するカムシャフトの回転を取得する回転取得部と、前記カムシャフトの回転をフーリエ解析するフーリエ解析部と、前記フーリエ解析部による前記フーリエ解析の結果に基づいて、休止気筒の吸気弁および排気弁の少なくともいずれかの動作状態を判定する気筒休止状態判定部と、を備える内燃機関の状態判定装置が提供される。
前記気筒休止状態判定部は、前記フーリエ解析の結果に基づいて、特定の低周波数域で振幅のピークが発生している場合に、休止気筒の吸気弁および排気弁の少なくともいずれかが正常に停止していると判定するものであっても良い。
また、前記気筒休止状態判定部は、前記フーリエ解析の結果に基づいて、特定の低周波数域で振幅のピークが発生していない場合に、休止気筒の吸気弁および排気弁の少なくともいずれかが正常に停止していないと判定するものであっても良い。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、内燃機関が有する複数の気筒の一部を休止する気筒休止制御を行うステップと、吸気弁および排気弁を駆動するカムシャフトの回転を取得するステップと、前記カムシャフトの回転をフーリエ解析するステップと、前記フーリエ解析の結果に基づいて、休止気筒の吸気弁および排気弁の少なくともいずれかの動作状態を判定するステップと、を備える内燃機関の状態判定方法が提供される。
以上説明したように本発明によれば、気筒休止が行われたか否かをより正確に判定することが可能となる。
本発明の一実施形態にかかる内燃機関の構成を示す模式図である。 気筒休止機構の構成例を詳細に示す模式図である。 気筒休止状態の気筒休止機構を示す説明図である。 制御装置の構成を示す模式図である。 全気筒運転と2気筒運転の場合のそれぞれにおいて、フーリエ解析部によるフーリエ解析の結果を示す特性図である。 全気筒運転の場合のカムシャフトのトルク変動を示す特性図である。 2気筒運転の場合のカムシャフトのトルク変動を示す特性図である。 制御装置で行われる処理を示すフローチャートである。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.内燃機関の構成>
<1−1.全体構成>
まず、本発明の一実施形態にかかる内燃機関の状態判定装置を適用可能な内燃機関の全体構成について説明する。図1は、本実施形態にかかる内燃機関(エンジン)100の概略構成を示す図である。かかる内燃機関100は、シリンダブロック101a、シリンダヘッド101b、気筒102a,102b,102c,102d、ピストン104、コネクティングロッド106、点火プラグ108、吸排気弁110、カム機構111及びクランクシャフト115を備える。また、内燃機関100は、4つの気筒102a,102b,102c,102dのうちの2つの気筒102a,102bを休止させるための気筒休止機構10L,10Rを備える。
シリンダブロック101aには、複数の気筒102a,102b,102c,102dが設けられる。図1の例では、4つの気筒102a,102b,102c,102dがシリンダブロック101aに設けられている。各々の気筒102a,102b,102c,102dにはそれぞれピストン104が進退移動可能に保持され、シリンダヘッド101b、気筒102a,102b,102c,102d及びピストン104によって燃焼室が形成される。ピストン104は、燃焼室における燃料の燃焼によって直線往復運動を行う。当該直線往復運動は、コネクティングロッド106を介してクランクシャフト115に回転運動として伝達される。
クランクシャフト115は、クランクピン116、クランクジャーナル118及びこれらと連結されるクランクアーム120を備える。クランクピン116はコネクティングロッド106と連結される。ピストン104の直線往復運動によってクランクアーム120が回転し、クランクアーム120の回転によってクランクジャーナル118が回転する。クランクシャフト115は、図示しない駆動伝達装置に連結され、内燃機関100の出力トルクが駆動伝達装置に伝達される。
吸排気弁110は、カム機構111によって開閉動作が行われる。吸気弁の開弁によって各燃焼室に外部の新気が取り込まれ、排気弁の開弁によって燃焼後のガスが各燃焼室から排出される。各気筒102a,102b,102c,102dに備えられる吸排気弁110の数は適宜設定することができる。例えば、各気筒102a,102b,102c,102dに、それぞれ2つの吸気弁及び排気弁を備えることができる。また、各燃焼室内に供給される燃料は、点火プラグ108によって点火され、燃焼する。
カム機構111は、カムシャフト112と、当該カムシャフト112に固定されるカム114とを備える。カムシャフト112は、内燃機関のクランクシャフト115にチェーン117を介して連結され、クランクシャフト115の回転に伴って回転する。より詳細には、チェーン117の駆動が可変カムタイミング機構(VCT)119に伝達され、可変カムタイミング機構119は、エンジンの運転状況に応じ、カムシャフト112の回転を進角又は遅角させ、吸排気弁110の開閉タイミングを変える。
吸排気弁110は、図示しない復帰用バネを備える。カムシャフト112の回転に伴ってカム114が回転し、カム114のカム山が直接的又は間接的に吸排気弁110を押し込むことによって吸排気弁110が開かれる。図1に示した内燃機関100では、カム114と吸排気弁110との間にロッカーアーム30が備えられ、吸排気弁110はロッカーアーム30を介してカム114によって押し込まれる。また、吸排気弁110は、カム114のカム山による吸排気弁110の押し込みから解放されると、復帰用バネによって元の位置に戻される。
本実施形態にかかる内燃機関100は、4つの気筒102a,102b,102c,102dのすべてが稼働する全気筒運転と、2つの気筒102c,102dが稼働する2気筒運転とで切り替え可能になっている。すなわち、気筒102a,102bは気筒休止制御の制御対象となっている。かかる気筒102a,102bに備えられた吸排気弁110とカム機構111のカム114との間には気筒休止用のロッカーアーム30が設けられる。気筒休止用のロッカーアーム30は気筒休止機構10L,10Rの一部を構成し、当該ロッカーアーム30には油圧が供給される。
制御装置200は、内燃機関100の全般を制御する。特に、本実施形態では、制御装置200は、全気筒運転と2気筒運転の切り換えを制御するとともに、2気筒運転に移行したか(2気筒運転が正常に行われているか)否かを判定する機能を有している。
<1−2.気筒休止機構>
気筒休止機構10L,10Rは、気筒102a,102bを対象とした気筒休止制御に用いられる。気筒休止機構10Lは、気筒102aを休止させるための機構であり、気筒休止機構10Rは、気筒102bを休止させるための機構である。かかる気筒休止機構10L,10Rは、作動油の油圧を気筒休止用のロッカーアーム30に供給することにより気筒102a,102bの吸排気弁110を閉じた状態で保持させる。気筒休止機構10L,10Rは、オイルポンプ13、メインギャラリ15、油圧制御弁17L,17R、圧力センサ19L,19R、ピボット60及びロッカーアーム30を備える。油圧制御弁17L,17Rは、制御装置200によって通電制御が行われる。
気筒休止機構10L,10Rでは、オイルパン11内の作動油がオイルポンプ13によって吸い上げられて圧送されるとともに、油圧制御弁17L,17Rによって、ロッカーアーム30への作動油の供給及びロッカーアーム30からの作動油の排出が切り替えられる。油圧ライン23L,23Rを介してロッカーアーム30に作動油が供給され、油圧が上昇すると、ロッカーアーム30は吸排気弁110を閉じた状態に保持する。また、油圧ライン23L,23R及び油圧排出ライン21L,21Rを介してロッカーアーム30から作動油が排出され、油圧が低下すると、吸排気弁110はカム114及び復帰用バネによって開閉可能な状態になる。
オイルポンプ13は、オイルパン11内の作動油を吸い上げて圧送する。オイルポンプ13は、例えば、内燃機関100のクランクシャフト115に連結されたギヤポンプとすることができる。オイルポンプ13は、電気モータによって駆動される電動ポンプであってもよい。メインギャラリ15は、オイルポンプ13により圧送される作動油を蓄積する。オイルポンプ13及びメインギャラリ15は、内燃機関100の他の摺動部等に対して作動油を供給するための油圧回路と共用されてもよい。この場合、メインギャラリ15には、他の油圧供給配管が接続される。また、メインギャラリ15に、作動油中の異物を捕集するオイルフィルタを備えてもよい。
本実施形態では、油圧制御弁17L,17Rとピボット60との間の油圧ライン23L,23Rに圧力センサ19L,19Rが設けられている。圧力センサ19L,19Rは、それぞれ油圧ライン23L,23Rの油圧を検出する。検出された油圧は、制御装置200により読み込み可能になっている。
図2は、気筒休止機構10の構成例を詳細に示す模式図である。図2では、一つの吸排気弁110を閉じた状態で保持するための機構の構成例が示されている。他の吸排気弁110を閉じた状態で保持するための機構も基本的に同一の構成を有する。かかる気筒休止機構10は、オイルポンプ13、メインギャラリ15、油圧制御弁17、圧力センサ19、ピボット60及びロッカーアーム30を備える。図2では、油圧排出ラインが省略されている。
ロッカーアーム30は、第1のロッカーシャフト40、第2のロッカーシャフト50、ローラ55及びピストン70を備える。第1のロッカーシャフト40は、その一端側において吸排気弁110の後端部を押し込み可能になっている。かかる第1のロッカーシャフト40の一端側において、第1のロッカーシャフト40及び第2のロッカーシャフト50が支持軸57によって接続されている。第1のロッカーシャフト40と第2のロッカーシャフト50とは、支持軸57を中心に互いに回動可能になっている。
第2のロッカーシャフト50にはローラ55の回転軸53が挿入されており、ローラ55は回転自在に第2のロッカーシャフト50に支持されている。ローラ55には、カム機構111のカム114のカム面が当接する。したがって、カムシャフト112の回転に伴ってカム114が回転する際に、ローラ55及び第2のロッカーシャフト50がカム山によってカムシャフト112から離れる方向に押し込まれる。
第2のロッカーシャフト50の長さは、第1のロッカーシャフト40の長さよりも短い。第1のロッカーシャフト40における支持軸57が連結される端部とは反対側の端部であって、第2のロッカーシャフト50と重ならない位置には、ピストン保持孔41が設けられている。ピストン保持孔41は段付きの軸方向孔であり、ピストン保持孔41にはピストン70が軸方向に進退動可能に保持されている。ピストン70は、ピストン保持孔41内を摺動可能な段付きの外形を有する。ピストン70の後端側には押圧バネ49が備えられている。ピストン保持孔41の段差部分とピストン70の段差部分とが対向する空間は圧力室45として形成される。
ピストン保持孔41のうちの圧力室45の部分には油圧通路43が連通している。油圧通路43には、ピボット60に設けられた切替回路65が連通する。かかる切替回路65には油圧ライン23が連通しており、メインギャラリ15から油圧制御弁17及びピボット60を介して、圧力室45に油圧が供給される。また、ピボット60及び油圧制御弁17を介して、圧力室45から油圧が排出される。ピストン70は、押圧バネ49の付勢力によって前進方向に付勢される。一方、油圧通路43を介して圧力室45に油圧が導入され、油圧によるピストン70への力が押圧バネ49の付勢力を上回ると、ピストン70は後退する。
図2に示したように、ピストン70の前進時、すなわち、押圧バネ49の付勢力が油圧によるピストン70への力を上回っている状態では、第2のロッカーシャフト50における、支持軸57が連結される端部とは反対側の端部が、ピストン70の先端に係止される。この状態では、支持軸57を中心とした第2のロッカーシャフト50の回動が制限される。そのため、第2のロッカーシャフト50がローラ55を介してカム114のカム山により押し込まれると、第2のロッカーシャフト50はピストン70によって回動が制限されているために、第1のロッカーシャフト40と第2のロッカーシャフト50とが一体となって押し込まれる。
このとき、第1のロッカーシャフト40及び第2のロッカーシャフト50は、ピボット60と第1のロッカーシャフト40との当接部分を中心に回動し、第1のロッカーシャフト40が吸排気弁110を開弁方向に押し込む。これにより、吸排気弁110は、復帰用バネの付勢力に抗して移動し、開弁する。カム山によるロッカーアーム30の押し込みが終了すると、吸排気弁110は、復帰用バネの付勢力によって、閉弁状態に戻される。
一方、図3に示したように、油圧によるピストン70の付勢力が押圧バネ49の付勢力を上回り、ピストン70が後退した状態では、第2のロッカーシャフト50はピストン70に係止されない。この状態では、第2のロッカーシャフト50は支持軸57を中心に回動可能になる。そのため、第2のロッカーシャフト50がローラ55を介してカム114のカム山により押し込まれると、第2のロッカーシャフト50のみが回動し、吸排気弁110の復帰用バネの付勢力が作用している第1のロッカーシャフト40は移動しない。これにより、吸排気弁110が閉弁状態で保持される。
なお、図1に示した内燃機関100は、各気筒102a,102b,102c,102dに、それぞれ吸気弁及び排気弁が2つずつ、合計4つの吸排気弁110が備えられている。図1においては、各気筒102a,102b,102c,102dごとに、2つの吸気弁又は排気弁が示されている。気筒休止機構10L,10Rの油圧ライン23L,23Rは、気筒102a,102bの4つの吸気弁又は排気弁に設けられるロッカーアーム30及びピボット60に対して接続される。
そのため、例えば、気筒休止機構10Lの油圧ライン23Lに油圧が供給されると、気筒102aに備えられた2つの吸気弁又は排気弁に設けられるロッカーアーム30の圧力室45に対して油圧が供給される。したがって、気筒102aに備えられた2つの吸気弁又は排気弁が同時期に閉じた状態で保持される。
<2.カム角度センサーの構成>
カムシャフト112の回転は、カム角度センサ120によって検出される。図1に示すように、カムシャフト112の一端には、ロータ122が固定されている。一例として、カム角度センサ120は、ホールセンサから構成され、ロータ122に設けられた突起部による磁束変化を検出することでカムシャフト112の回転を検出する。
<3.制御装置の構成>
図4は、制御装置200の構成を示す模式図である。図4に示すように、制御装置200は、カム角度センサ120からカムシャフト112の回転を取得する回転取得部210、カム角度センサ120が検出したカムシャフト112の回転をフーリエ解析するフーリエ解析部220、フーリエ解析部220によるフーリエ解析の結果に基づいて、休止気筒の吸排気弁110が停止しているか否かを判定する気筒休止状態判定部230を有して構成されている。
また、制御装置200は、各種運転状態(エンジン回転数、油温、水温、車速、運転者の要求トルク)に基づいて気筒休止許可判定を行う気筒休止許可判定部240、気筒休止が許可された場合に気筒休止制御を行う気筒休止制御部250、を更に有している。気筒休止制御部250は、油圧制御弁17を制御することで、圧力室45への油圧の供給、圧力室45からの油圧の排出を行い、気筒休止制御を行う。なお、図4に示す制御装置200の構成要素は、CPUなどの中央演算処理装置とこれを機能させるためのプログラム(ソフトウェア)から構成されることができる。この場合に、そのプログラムは、制御装置200が備えるメモリ、または外部から装着されるメモリなどの記録媒体に格納されることができる。
<4.フーリエ解析結果による吸排気弁の動作判定>
図5は、全気筒(4気筒)運転と2気筒運転の場合のそれぞれにおいて、フーリエ解析部220によるフーリエ解析の結果を示す特性図である。図5において、実線の特性は全気筒運転を示しており、破線の特性は2気筒運転を示している。図5に示すように、2気筒運転の場合、低周波数(17Hz付近)で大きな振幅ピークが生じていることが判る。一方、全気筒運転では、低周波数における振幅ピークは生じていない。これにより、図5の実線の特性と破線の特性の差を利用することで、動弁系の吸排気弁110が実際に停止されたのかを検出することが可能である。従って、カム角度センサ120の検出値をフーリエ解析し、特定の低周波数で振幅のピークが生じている場合は、2気筒運転が正常に行われていると判断することができる。なお、図5では、動弁系の吸気弁を停止する場合を示しているが、排気弁を停止する場合も同様である。
フーリエ変換による動弁系の異常判定は、吸気弁又は排気弁を駆動するカムシャフト112毎に行うことができる。吸気弁のカムシャフト112の回転を検出してフーリエ変換することにより、2気筒運転の場合に吸気弁が正常に停止しているか否かを検出可能であり、排気弁のカムシャフト112の回転を検出してフーリエ変換することにより、2気筒運転の場合に排気弁が正常に停止しているか否かを検出可能である。吸気弁を駆動するカムシャフト112と排気弁を駆動するカムシャフト112の双方において動弁系に異常が生じていない場合、最終的な正常判定が行われる。一方、吸気弁を駆動するカムシャフト112と排気弁を駆動するカムシャフト112のいずれか一方において動弁系に異常が生じている場合、最終的な異常判定が行われる。
図6A及び図6Bは、全気筒運転と2気筒運転の場合のカムシャフト112のトルク変動を示す特性図である。ここでは、気筒102a,102cの吸気弁に設けられたカムシャフト112のトルク変動を例示する。図6Aに示す特性は全気筒運転を示しており、図6Bに示す特性は2気筒運転を示している。図6Aに示す全気筒運転の場合、カムシャフト112が1回転(360°)すると、気筒102cの吸排気弁110が駆動される際の正トルク及び負トルクと、気筒102aの吸排気弁110が駆動される際の正トルク及び負トルクと、が発生する。このため、カムシャフト112が回転する際のトルクは比較的滑らかに変動する。なお、正トルクは開弁時のトルクであり、負トルクは閉弁時のトルクである。
一方、図6Bに示す2気筒運転の場合、気筒102cを対象とした気筒休止制御が行われるため、カムシャフト112が1回転すると、気筒102aの吸排気弁110が駆動される際の正トルク及び負トルクのみが発生する。すなわち、気筒102cの吸気弁のバルブスプリングの反力が無くなるため、全気筒運転の場合に比べて、カムシャフト112が1回転する間のトルク発生回数が半減する。これにより、カムシャフト112が回転する際のトルクの滑らかさが低下し、カムシャフト112の回転に振動が発生し易くなる。このため、図5に示したように、2気筒運転の場合は特定の低周波数域で振幅のピークが発生する。可変バルブタイミング機構119では、カムシャフト112のエネルギーによって作動するため、気筒休止に伴うカムシャフト112のトルク変化が応答性、保持性に顕著に現れる。この特性を利用し、カム角度センサ120の検出値をフーリエ解析することで、低周波数域での振幅のピークの有無に応じて気筒休止状態の判定を行うことができる。
なお、可変バルブタイミング機構119は、油圧を用いてバルブタイミングを可変するため、油圧によるダンピング効果によって振幅のピークは低下する。従って、可変バルブタイミング機構119を用いない内燃機関においては、図5に示す振幅のピークはより顕著に現れる。
なお、図5では、17Hz付近で振幅ピークが生じた例を示しているが、振幅ピークが生じる周波数は、動弁系に関連する部品、機構に応じて相違する場合がある。また、可変カムタイミング機構119の有無によっても振幅ピークが生じる周波数は相違する場合がある。振幅ピークが生じる周波数が相違したとしても、気筒休止が行われると低周波数域で振幅のピークが生じるため、これに基づいて気筒休止が正常に行われているか否かを確実に判定することができる。
<3.制御装置の処理フロー>
図7は、制御装置200で行われる処理を示すフローチャートである。先ず、ステップS10では、気筒休止許可判定フラグがオン(ON)であるか否かを判定する。気筒休止許可判定フラグは、エンジン回転数、油温、水温、車速、ドライバーの要求トルク等の各パラメータについて、全ての条件が成立した場合にオンとされる。気筒休止許可判定フラグのオン・オフ、及びステップS10の判定は、気筒休止許可判定部240によって行われる。
次のステップS12では、カム角度センサ120によりカムシャフト112の回転角の検出を開始する。制御装置200の回転取得部210は、カム角度センサ120からカムシャフト112の回転を取得する。次のステップS14では、フーリエ解析部220が、カム角度センサ120により取得したカムシャフト112の回転のフーリエ解析を開始する。なお、ステップS12とステップS14は実質的に同時に開始される。また、ステップS12とステップS14の処理は、後述のステップS16以降の処理の実行中も平行して行われる。
ステップS14の後はステップS16へ進み、動弁系の気筒休止制御をオンにする。これにより、気筒休止制御部250からの指令によって油圧制御弁17が制御され、油圧制御弁17及びピボット60を介して、圧力室45に油圧が供給される。気筒休止制御が正常に行われると、油圧によるピストン70の付勢力が押圧バネ49の付勢力を上回り、ピストン70が後退した状態になるため、第1のロッカーシャフト40は移動せず、吸排気弁110が閉弁状態で保持される。
次のステップS18では、フーリエ解析部220によるフーリエ解析の結果に基づいて、気筒休止状態の判定を行う。具体的には、気筒休止状態判定部230は、フーリエ解析の結果に基づいて、特定の低周波域に振幅のピークが発生している場合は、休止気筒の吸排気弁110が実際に閉弁状態で維持されていると判定し、ステップS20へ進む。ステップS20では、気筒休止制御(気筒休止機構10L,10Rの動作)が正常に行われているため、気筒休止中フラグ(初期値オフ)をオンにする。
一方、ステップS18において、フーリエ解析の結果に基づいて特定の低周波域に振幅のピークが発生していない場合は、気筒休止状態判定部230は、休止気筒の吸排気弁110が実際には閉弁状態になっていないと判定し、ステップS22へ進む。ステップS22では、気筒休止制御(気筒休止機構10L,10Rの動作)が正常に行われていないため、気筒休止中フラグをオフにする。気筒休止制御をオンにしたにも関わらず、気筒休止中フラグがオフのままの場合、気筒休止制御をオフとする。これにより、気筒休止制御部250の指令によりって油圧制御弁17が制御され、圧力室45から油圧が排出され、全気筒運転が行われる。
なお、図1に示すような左右のバンクに気筒休止機構10L,10Rが設けられている内燃機関100においては、左右のバンクの双方のカムシャフト112の回転を検出してフーリエ変換することにより、左右のバンクのそれぞれで吸排気弁110が正常に停止しているか否かを判定することができ、動弁系の異常が左右いずれのバンクで生じているかを判定することができる。
また、上述した実施形態では4気筒の内燃機関100を例示したが、6気筒など他の気筒数の内燃機関にも適用することができる。また、上述した実施形態では、気筒102a,102cと気筒102b,102dとが水平に対向する内燃機関100を例示したが、V型、直列型など他の気筒配置の内燃機関にも適用することができる。例えば、片側3気筒のV型の内燃機関においても、本実施形態の手法を適用することで、低周波域に振幅ピークが生じていない場合は、休止すべき気筒の動弁系が実際には休止していないことを検出可能である。また、例えば、片側3気筒のV型の内燃機関において、3気筒全てを休止(片バンク休止)する場合においても、本実施形態を適用することにより、低周波域に振幅ピークが生じていない場合は、3気筒のうちの1気筒又は2気筒の動弁系が実際には駆動していることを検出可能である。
以上説明したように本実施形態によれば、気筒休止を行った場合に、カム角度センサ120の検出値をフーリエ解析した結果に基づいて、動弁系が停止して実際に気筒休止が行われたか否かを判定することができる。従って、気筒休止が正常に行われていない場合は、全気筒運転に切り換えることで、内燃機関100を正常に運転することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
100 内燃機関
112 カムシャフト
102a,102b,102c,102d 気筒
200 制御装置
210 回転取得部
220 フーリエ変換部
230 気筒休止状態判定部
250 気筒休止制御部

Claims (4)

  1. 内燃機関が有する複数の気筒の一部を休止する気筒休止制御を行う気筒休止制御部と、
    吸気弁および排気弁を駆動するカムシャフトの回転を取得する回転取得部と、
    前記カムシャフトの回転をフーリエ解析するフーリエ解析部と、
    前記フーリエ解析部による前記フーリエ解析の結果に基づいて、休止気筒の吸気弁および排気弁の少なくともいずれかの動作状態を判定する気筒休止状態判定部と、
    を備えることを特徴とする、内燃機関の状態判定装置。
  2. 前記気筒休止状態判定部は、前記フーリエ解析の結果に基づいて、特定の低周波数域で振幅のピークが発生している場合に、休止気筒の吸気弁および排気弁の少なくともいずれかが正常に停止していると判定することを特徴とする、請求項1に記載の内燃機関の状態判定装置。
  3. 前記気筒休止状態判定部は、前記フーリエ解析の結果に基づいて、特定の低周波数域で振幅のピークが発生していない場合に、休止気筒の吸気弁および排気弁の少なくともいずれかが正常に停止していないと判定することを特徴とする、請求項1に記載の内燃機関の状態判定装置。
  4. 内燃機関が有する複数の気筒の一部を休止する気筒休止制御を行うステップと、
    吸気弁および排気弁を駆動するカムシャフトの回転を取得するステップと、
    前記カムシャフトの回転をフーリエ解析するステップと、
    前記フーリエ解析の結果に基づいて、休止気筒の吸気弁および排気弁の少なくともいずれかの動作状態を判定するステップと、
    を備えることを特徴とする、内燃機関の状態判定方法。
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