JP5910474B2 - 内燃機関のチェーンテンション制御装置 - Google Patents
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Description
本発明は、内燃機関のチェーンテンション制御装置、特にチェーンテンショナが装着された内燃機関のクランク軸とカム軸の間のチェーンに作用する張力(以下、テンションという)を制御する内燃機関のチェーンテンション制御装置に関する。
内燃機関において、クランク軸から動弁機構のカム軸に回転動力を伝達する無端伝動要素としてのチェーンには、緩みなく正確なタイミングで回転伝動することが要求される。そこで、内燃機関の温度変化や回転速度の変動によるチェーンのテンションの変化、あるいは経年変化によるテンションの低下を吸収し、そのチェーンのテンションを適正範囲内に保つチェーンテンショナが使用されている。
従来のチェーンテンショナとしては、例えばテンショナハウジングとプランジャの間の高圧室内に筒体を設けることにより、テンショナハウジング側のオイル供給口から逆止弁を介して高圧室内に導入されるオイルが筒体により高圧室内の先端側に導かれるようにして、高圧室内のエアの排出を促進できるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上述の従来のチェーンテンショナは、高圧の油圧室内のオイルをプランジャとテンショナハウジングの間の隙間等から所定流量でリークさせる構成であった。そのため、チェーンテンショナにチェーンからの大きな荷重が掛かった状態で内燃機関が停止すると、高圧部のオイルが徐々に外部に漏れ出たり、高圧室内にエアが溜まってしまったりする場合があった。
そのような場合、チェーンテンショナを備えた内燃機関が長時間放置された後に再始動されるような始動時において、チェーンテンショナからの正常な油圧反力が得られず、チェーンがばたついて異音を発生したり、プランジャが過度に後退してチェーンの歯飛びが生じたりする可能性があった。
あるいは、そのような始動時の異音やチェーンの歯飛びを抑えるために、チェーンからの荷重によるプランジャの後退量を制限するラチェット機構(バックストラップ機構)を設けたり、高圧室内へのエアの侵入量を抑える多孔性の樹脂バーを設けたりする必要があり、コスト高となっていた。
そこで、本発明は、ラチェット機構や樹脂バー等といったオイル漏れ対策部品を削減可能にしてチェーンテンショナのコスト低減を図るとともに、そのチェーンテンショナを装備した内燃機関の始動時の異音や歯飛びの発生を的確に防止することのできる内燃機関のチェーンテンション制御装置を提供することを目的とする。
本発明に係る内燃機関のチェーンテンション制御装置は、上記目的達成のため、(1)クランク軸とカム軸の間で回転伝動する無端のチェーンと、該チェーンに作用するテンションを調節するチェーンテンショナと、を備えた内燃機関のチェーンテンション制御装置であって、前記チェーンテンショナが、前記テンションに応じた荷重が掛かるプランジャと、前記プランジャを摺動可能に保持するとともに、内部に前記荷重に対抗する油圧反力を発生させる油圧室を画成するテンショナハウジングと、前記荷重に対抗する方向の付勢力を前記プランジャに加える付勢機構と、前記油圧室内の油圧と該油圧室にオイルを補給可能なオイル補給通路内の油圧との差圧に応じて開閉動作し、前記油圧室をオイル補給通路に接続する開弁状態と前記油圧室を前記オイル補給通路から遮断する閉弁状態とに切り替わる逆止弁と、を含んで構成され、前記逆止弁が、前記油圧室内の油圧が前記オイル補給通路内の油圧より高いときに前記差圧に応じた閉弁方向の付勢力を前記プランジャに加えつつ閉弁する一方、前記油圧室内の前記油圧が前記オイル補給通路内の油圧より低いときに開弁して前記油圧室を前記オイル補給通路に接続するように構成され、前記内燃機関には、前記クランク軸および前記カム軸のうちいずれかの回転停止角度位置を該回転停止角度位置に応じて変化する前記荷重が低荷重側となる特定の停止角度領域内に制御する停止角度制御機構が付設されていることを特徴とする。
この構成により、本発明では、チェーンテンショナ内で油圧反力を発生させる油圧室がテンショナハウジングの内奥側(プランジャ摺動穴の内奥側)に位置することになり、油圧室とオイル補給通路を接続可能な逆止弁が油圧室に対しプランジャ側に位置することになるから、油圧室内にエアが入り難くなる。しかも、内燃機関の運転停止時にチェーンからチェーンテンショナに掛かる荷重が低荷重側となるよう、クランク軸もしくはカム軸の回転停止角度が特定の停止角度領域内に制御されることから、プランジャに掛かる荷重によって油圧室内のオイルが漏れ出ることが有効に抑制される。したがって、オイル漏れ対策部品の削減が可能になることでチェーンテンショナのコストが低減されるとともに、チェーンテンショナを装備した内燃機関の始動時の異音や歯飛びの発生が的確に防止されることになる。
本発明の内燃機関のチェーンテンション制御装置においては、(2)前記停止角度制御機構は、前記内燃機関の前記クランク軸の回転停止角度位置を前記特定の停止角度領域内に制御するものであるのがよい。
この構成により、既存のクランク角センサの検出情報を基に、クランク軸の回転停止角度を特定の停止角度領域内に精度良く制御可能となる。
上記(2)の構成を有する内燃機関のチェーンテンション制御装置においては、(3)前記停止角度制御機構は、前記内燃機関に接続する補機側から前記クランク軸に作用する負荷トルクを可変制御するものであるのがよい。
この場合、補機の負荷トルク調整により、内燃機関の運転停止時にチェーンからチェーンテンショナに掛かる荷重を低荷重側に容易にかつ精度良く制御できるとともに、補機負荷トルクによってクランク軸の回転停止角度位置を制御する既存の停止制御機構を利用することも可能になる。
本発明の内燃機関のチェーンテンション制御装置においては、(4)前記逆止弁は、前記オイル補給通路の一部を形成するよう前記プランジャに設けられた弁座と、前記油圧室内に前記弁座に着座可能に配置されるとともに前記弁座からの離間距離が制限されるよう前記プランジャに保持された逆止弁体と、を有していてもよい。
この場合、プランジャにオイル補給通路の一部が形成されることになり、仮にオイル補給通路内にエアが混入しても、高圧の油圧室を通らないエア抜き経路を容易に確保可能となる。また、チェーンからの荷重が作用するプランジャの外端部が油圧反力を受ける内端部より鉛直上方側に位置する一般的な配置形態において、高圧となる油圧室内にエアが入り難くなる。
上記(4)の構成を有する内燃機関のチェーンテンション制御装置においては、(5)前記プランジャの内部に、前記オイル補給通路の一部を形成しつつ前記オイルを貯留する低圧室が形成されており、前記プランジャに前記テンションに応じた荷重が掛かるとき、前記油圧室と前記低圧室とが前記逆止弁によって遮断されてもよい。
この場合、プランジャに対しチェーンテンションに応じた荷重が掛からないとき、低圧室内にエアが入ったとしても、そのエアは低圧室内の最上部に移動することになり、付勢手段の作用により逆止弁が開弁した状態下で、油圧室内にエアを混入させることなくオイルが補給されることになる。一方、プランジャに対しチェーンテンションに応じた荷重が掛かって油圧室内の油圧が立ち上がり始めると、逆止弁が閉弁して油圧室がオイル補給通路側から遮断され、油圧室内の油圧がチェーンテンションに応じた高圧に迅速に到達することになる。
本発明の内燃機関のチェーンテンション制御装置においては、(6)前記付勢機構が、前記プランジャと前記テンショナハウジングの間に介装され、前記プランジャを前記荷重に対抗する方向に常時付勢する弾性部材によって構成されていてもよい。
この場合、簡素な付勢機構を構成できるとともに、弾性部材を予めプランジャに保持させた状態でプランジャをテンショナハウジングに組み込むことができ、組み立ても容易化できる。
本発明によれば、油圧反力を生じる油圧室をテンショナハウジングの内奥側に位置させてプランジャ側からのオイルの補給を可能にするとともに、内燃機関の運転停止時にチェーンからチェーンテンショナに掛かる荷重を低荷重側に制御するので、プランジャに掛かる荷重によって油圧室内のオイルが漏れ出たり油圧室内にエアが入ったりすることを有効に抑制することができる。その結果、オイル漏れ対策部品の削減を可能にしてチェーンテンショナのコスト低減を図るとともに、そのチェーンテンショナを装備した内燃機関の始動時の異音や歯飛びの発生を的確に防止することができる内燃機関のチェーンテンション制御装置を提供することができる。
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
(一実施形態)
図1ないし図3は、本発明の一実施形態に係る内燃機関のチェーンテンション制御装置の構成を示すものであり、図4ないし図8は、その内燃機関およびテンション制御装置の動作を説明するものである。
図1ないし図3は、本発明の一実施形態に係る内燃機関のチェーンテンション制御装置の構成を示すものであり、図4ないし図8は、その内燃機関およびテンション制御装置の動作を説明するものである。
まず、構成について説明する。
本実施形態の内燃機関のチェーンテンション制御装置は、多気筒の内燃機関に適用するものであり、図1および図2に示すように、エンジン10に装備されている。
エンジン10は、火花点火式の直列4気筒エンジンによって構成されている。このエンジン10は、複数の気筒11を形成する機関本体12と、複数の気筒11内に摺動可能に設けられるとともに燃焼室13を形成する複数のピストン14と、これら複数のピストン14がコネクティングロッド15を介して連結されたクランク軸16とを備えている。
また、エンジン10は、燃焼室13の上部側に開閉動作可能に配置された吸気弁17および排気弁18と、燃焼室13内の圧縮された混合ガスに火花を放つよう点火時期が制御される点火プラグ19と、吸気弁17および排気弁18をクランク軸16の回転に伴うピストン14のストローク位置に応じて開閉動作させる動弁機構20と、を有している。
動弁機構20は、例えば、クランク軸16の回転速度[rpm]の1/2の回転速度で回転するようクランク軸16に無端伝動要素であるチェーン61を介して回転伝動可能に連結された吸気側のカム軸21および排気側のカム軸22と、吸気側のカム軸21および排気側のカム軸22の回転に伴うリフト変化に応じて吸気弁17および排気弁18を開弁方向および閉弁方向に駆動する図示しないロッカーアームおよびバルブスプリング等を含んで構成されている。
各気筒11の吸気ポート部分11aにはインジェクタ23(燃料噴射弁)が装着されており、複数の気筒11に対応する複数のインジェクタ23は、それぞれデリバリパイプ24に接続されている。このデリバリパイプ24には、図外の燃料タンク内の燃料が燃料ポンプによりプレッシャレギュレータを介して供給されるようになっている。
各気筒11の吸気ポート部分11aに接続する吸気管26には、吸気脈動や吸気干渉を抑える所定の容積を有するサージタンク26aが設けられているとともに、上流側の図示しないエアクリーナの近傍で吸入空気量を検出するエアフローメータ27と、エアフローメータ27とサージタンク26aの間に位置するスロットルバルブ29とが、それぞれ装着されている。
また、各気筒11の排気ポート部分11bに接続する排気管31には、三元触媒からなる排気浄化用の触媒装置32と、この触媒装置32の近傍、例えば触媒装置32より上流側の排気通路中で排気空燃比を検出する限界電流形のA/Fセンサ33(空燃比センサ)とが装着されている。
さらに、エンジン10には、クランク軸16の基準クランク角度位置からの回転角度であるクランク角を検出するクランク角センサ41と、吸気側のカム軸21および排気側のカム軸22の基準カム角度位置からの回転角度であるカム角を検出する吸気側および排気側のカム角センサ42,43とが装着されている。
クランク角センサ41は、クランク軸16に一体回転可能に設けられたクランク角検出用ロータ41aと、その近傍に配設された電磁ピックアップ41bとによって構成されている。
クランク角検出用ロータ41aの外周には、複数の歯(符号無し)が所定の角度ピッチ(例えば10°CA(クランク角)毎)で形成されるとともに、その外周の特定箇所に複数歯分(例えば30°CA分)の欠歯部が設けられている。また、電磁ピックアップ41bは、クランク角検出用ロータ41aの外周の歯が近傍を通過する度に電圧パルスを発生するようになっており、その電圧パルスの発生間隔および発生個数をモニタすることで、クランク軸16の回転位相(回転角度位置)を検出できるようになっている。
吸気側および排気側のカム角センサ42,43は、カム角検出用ロータ42a,43aと、電磁ピックアップ42b,43bとによって構成されている。カム角検出用ロータ42aは、吸気側のカム軸21に一体回転可能に取り付けられており、カム角検出用ロータ43aは、排気側のカム軸22に一体回転可能に取り付けられている。各カム角検出用ロータ42a,43aは、例えば回転軸心回りの角度区間によって歯形が異なるとともにそのうちの1区間において欠歯している。
また、各電磁ピックアップ42b,43bは、対応するカム角検出用ロータ42aまたは43aの外周の歯が近傍を通過する(歯の近接状態が切り替わる)毎に、電磁誘導作用により電圧が正負に変化するカム角検出信号を発生するようになっている。
そして、ECU50は、このカム角センサ42の検出信号の正負の変化に応じてオン、オフが切り替わるカム信号を生成し、クランク角センサ41からの最初の欠歯信号の入力が確認された時点においてカム信号がオンとなっていれば、TDC信号の出力時に第1気筒が圧縮上死点にあり、その時点においてカム信号がオフとなっていれば、TDC信号の出力時に第1気筒は排気上死点にあるとして、気筒判別できるようになっている。なお、このような気筒判別処理自体は、例えば特開2004−239180号公報に記載されるものと同様である。
エンジン10には、また、複数の気筒11に対応する複数の点火プラグ19を点火駆動する点火駆動回路46と、複数の気筒11に対応する複数のインジェクタ23を開弁駆動する噴射駆動回路47とが配線接続されるとともに、インジェクタ23に燃料を供給する前記燃料ポンプ等が配管接続されている。また、クランク軸16には、発電機であるオルタネータ48が無端伝動ベルト49を介して連結されている。
ここで、点火駆動回路46は、エンジン10を電子制御するECU(電子制御ユニット)50からの指令点火時期制御信号に応じて複数の点火プラグ19を所定の順序(例えば、第1気筒、第3気筒、第4気筒、第2気筒の順)で点火駆動することができる。
噴射駆動回路47は、ECU50からの噴射制御信号(指令噴射時間)に応じて複数のインジェクタ23を順次その指令噴射時間に応じた開度(デューティ比)で開弁駆動することができるようになっている。
オルタネータ48は、図示しないバッテリに接続されるとともに、エンジン10を搭載する車両に装備される各種電気負荷にも接続されており、各種電気負荷の負荷量より発電量が多いときにはバッテリに充電する一方、各種電気負荷の負荷量より発電量が少ないときにはバッテリに放電させる機能を有している。
このオルタネータ48には、ボルテージレギュレータ48r(電圧調整器)が装着されている。ボルテージレギュレータ48rは、オルタネータ48の出力電圧やバッテリ端子電圧に応じてオルタネータ48の界磁電流を制御することで、オルタネータ48に各種電気負荷の負荷量に応じた電力を供給させたり、バッテリに必要な充電を実行させたりする機能を有している。このボルテージレギュレータ48rは、ECU50からの発電電圧制御信号に応じてその電圧調整レベルを可変設定することができるようになっている。
ECU50は、エアフローメータ27、空燃比センサ33、クランク角センサ41およびカム角センサ42,43からセンサ情報に加え、図示しない水温センサ、アクセル開度センサ、車速センサ、ブレーキスイッチ等の各種センサ情報に基づいて、エンジン10を電子制御するようになっている。
このECU50は、具体的なハードウェア構成を図示しないが、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)に加えて不揮発メモリ等のバックアップ用メモリを含んでおり、さらに、A/D変換器等を含む入力インターフェース回路と、ドライバやリレースイッチを含む出力インターフェース回路と、他の車載ECUとの通信インターフェース等を含んで構成されている。
ここで、ECU50の入力インターフェース回路には、クランク角センサ41やカム角センサ42,43の検出信号を取込んでそれらの信号波形を整形する波形整形回路等が含まれる。また、ECU50の出力インターフェース回路には、アクチュエータ類のドライバ回路等が含まれるか接続されており、インジェクタ23を噴射駆動する噴射駆動回路47や点火プラグ19を点火駆動する点火駆動回路46が接続されている。
ECU50は、ROMやバックアップメモリ(以下、ROM等という)に格納された制御プログラムに従って、例えばいわゆるマルチタスク処理を実行する。そして、ECU50は、エンジン10の機関回転速度NE、充填効率KL(各気筒11内に吸入された空気量/各気筒11内に吸入可能な空気量)、点火時期、空燃比A/F等の相互の関係を前提として、例えば目標トルクおよび目標回転数を実現するよう、エンジン10のスロットル開度、点火時期、燃料噴射時間等を制御する機能を有している。ECU50は、また、ROM等に格納された制御プログラムに従って、前述のクランク角検出機能や気筒判別機能を発揮することができる。
本実施形態においては、ECU50には、さらに、エンジン10の運転を停止するときに、クランク軸16の回転停止角度位置を特定の停止角度領域内に制御する機能を発揮するようになっており、その機能を発揮するためのプログラム、メモリ領域および設定情報等を含む停止角度制御部51(停止角度制御機構)が付設されている。
なお、本実施形態では、停止角度制御部51は、クランク軸16の回転停止角度位置を特定の停止角度領域内に制御するものとして説明するが、クランク軸16と排気側のカム軸22(テンショナ側のカム軸)とのうちいずれか一方または双方の回転停止角度位置をその一方または双方の特定の停止角度領域内に制御するものであってもよい。
ここにいう特定の停止角度領域とは、クランク軸16と吸気側および排気側のカム軸21,22との回転角度位置に応じてチェーン61に作用するテンションが変動するとき、チェーン61からチェーンテンショナ62に加わる荷重(図3に示す荷重Fc)がその変動範囲内において低荷重側となるクランク角度領域に相当し、特にクランク軸16の回転停止時にチェーンテンショナ62に加わる荷重がその変動範囲内における最小荷重から一定範囲内に入り得る停止角度領域をいう。
また、チェーン61のチェーンテンショナ62側の移動部分とは、クランク軸16上のチェーンスプロケット16spから排気側のカム軸22上のチェーンスプロケット22spへと移動する区間内においてチェーンテンショナ62によりテンションが調節される部分である。
ところで、チェーン61は、緩み側であるチェーンテンショナ62側の移動部分61z1をスリッパ65によってガイドされるとともに、吸気側および排気側のカム軸21、22の間の移動部分61z2と、吸気側のカム軸22からクランク軸16への張り側の移動部分61z3とを、それぞれの固定ガイドユニット66、67によりガイドされている。
停止角度制御部51は、エンジン10に接続する補機側からクランク軸16に作用する負荷トルクを可変制御するようになっており、例えばオルタネータ48の発電出力(界磁電流、発電電圧)に応じて変化するオルタネータ48の回転負荷トルクを可変制御するようになっている。
具体的には、停止角度制御部51は、エンジン10の運転停止に際してオルタネータ48のフィールドコイルに流れる界磁電流を可変制御することで、オルタネータ48の回転負荷トルクをトルクの増大方向および低下(減小)方向のうち少なくとも一方に制御し、クランク軸16を特定の停止角度領域内のクランク角で停止させるようになっている。
ところで、クランク軸16の停止角度位置は、クランク軸16に作用するトルクの合成値(以下、合成トルクという)が低下する領域で停止し易い。クランク軸16に作用する合成トルクは、エンジン10の複数の気筒11(本実施形態では4つ)内の圧力や、動弁機構20の複数の吸気弁17および排気弁18を閉弁方向に付勢する複数のバルブスプリングの反力、各摺動部のフリクションに応じて変化する。そして、通常、この合成トルクは、複数の気筒11のうちいずれかの気筒11が圧縮行程の後期にあるクランク角範囲付近で大きくなる。
さらに、チェーン61のうちチェーンテンショナ62側の移動部分61z1のテンションは、吸気側および排気側のカム軸21,22のうちチェーンテンショナ62側となる排気側のカム軸22の回転負荷トルクがその変動範囲内で高トルク側にあるときに、小さくなる。
よって、エンジン10の運転停止時にクランク軸16を停止させる特定の停止角度領域は、排気側のカム軸22の回転負荷トルクがその変動範囲内で高トルク側にある角度領域であって、クランク軸16に作用する合成トルクがその変動幅のうち低トルク側にある角度領域とするのがよい。
図5は、クランク角の変化に対する排気側のカム軸22の回転負荷トルク(図中の「カムトルク」;以下、排気カムトルクという)の変化を示している。排気カムトルクは、同図中の点線の楕円で囲まれた部分で、最大トルクから一定範囲内の高トルク側にある。
図6は、排気カムトルクの変化と、チェーン61のテンショナ側の移動部分61z1のテンションおよび張り側の移動部分61z3のテンションの変化とを比較可能に示している。この図6中に破線で示す排気カムトルクの変化に対して、同図中に点線で示すチェーン61の張り側の移動部分61z3(図2参照)のテンションは、負荷トルクである排気カムトルクの変化と類似する変動傾向を示している。
一方、チェーン61の緩み側であるテンショナ側の移動部分61z1のテンションは、図6中に実線で示すように、排気カムトルクの変化とは逆の位相となる傾向で変動している。すなわち、排気カムトルクが高トルク側にあるとともにチェーン61の張り側の移動部分61z3のテンションが高テンション側にあって、排気カムトルクおよび張り側の移動部分61z3のテンションが共に低下し始めている特定の停止角度領域Za(例えば、排気弁18の最大バルブリフトに対応するクランク角より40°CAだけ前のクランク角から最大バルブリフトに対応するクランク角までのクランク角領域)内において、テンショナ側の移動部分61z1のテンションは最も小さくなる。
この特定の停止角度領域Zaをエンジン10のピストン14の位置との関連付けて示すと、図7に示すように、いずれかの気筒内で圧縮行程の後期となるクランク角範囲付近を過ぎてクランク軸16に作用する合成トルクが低下する区間となっている。
なお、図6の上部に四角枠を付けて示す#1〜#4は、それぞれ排気行程となる気筒番号を示している。また、排気弁18のバルブリフト[mm]とそのバルブリフトに応じて正負に変化するカムトルクの関係を、図8に示している。
ECU50の停止角度制御部51は、図外のイグニッションスイッチがOFF側に手動操作されてイグニッションOFFの要求が発生したとき、あるいは、エンジン10の自動停止等のためにイグニッションOFFの要求が発生したとき、オルタネータ48の回転負荷トルクを可変制御することで、クランク軸16を特定の停止角度領域Za内に停止させる。
そのために、停止角度制御部51には、イグニッションOFFの要求が発生してからクランク軸16が回転停止するまでの間におけるオルタネータ48の界磁電流の大きさやその可変制御パターンを予めの実験等によってROM等に記憶させている。また、その界磁電流の大きさやその可変制御パターンは、イグニッションOFFの要求が発生したときの冷却水温や補機の作動状態、エンジン回転数[rpm]等に応じて、複数種類のうちから選択して用いるようにしてもよいし、その停止制御時間を変化させてもよい。
一方、図2に示すように、エンジン10は、クランク軸16と吸気側および排気側のカム軸21,22の間で回転伝動する無端のチェーン61と、そのチェーン61に作用するテンションを調節するチェーンテンショナ62と、を備えている。
図2および図3に示すように、チェーンテンショナ62は、チェーン61に作用するテンションに応じた軸方向の荷重Fcが掛かるプランジャ71と、プランジャ71を微小クリアランスで摺動可能に保持する摺動穴部72を有するテンショナハウジング74と、プランジャ71とテンショナハウジング74の間に圧縮状態で組み付けられた圧縮コイルばね75(付勢機構)と、を含んで構成されている。
テンショナハウジング74は、摺動穴部72の内部にプランジャ71によって塞がれた油圧室73を画成しており、油圧室73の内部に荷重Fcに対抗する油圧反力を発生させることができるようになっている。また、テンショナハウジング74には、チェーンテンショナ62を機関本体12にボルト締結するための取り付け穴74hが形成されている。
圧縮コイルばね75は、プランジャ71とテンショナハウジング74の間に介装され、プランジャ71を荷重Fcに対抗する反力方向(図3中の矢印Fp方向)に常時付勢する弾性部材、すなわち、油圧室73内の液圧が低下したときでも付勢する弾性部材となっている。また、圧縮コイルばね75は、チェーン61から加わる荷重Fcによってプランジャ71が所定位置から摺動穴部72の内奥側に後退するとき、その後退量に応じて圧縮されつつ反力方向への付勢力を増加させるようになっている。
チェーンテンショナ62は、さらに、油圧室73内の油圧とその油圧室73にオイルを補給可能なオイル補給通路76内の油圧との差圧に応じて開閉動作する逆止弁77を含んで構成されており、逆止弁77は、油圧室73をオイル補給通路76に接続する開弁状態と、油圧室73をオイル補給通路76から遮断する閉弁状態とに切り替え可能になっている。
この逆止弁77は、油圧室73内の油圧がオイル補給通路76内の油圧より高いときには、その差圧に応じた閉弁方向(矢印Fp方向)の付勢力をプランジャ71に加えつつ閉弁する一方、油圧室73内の油圧がオイル補給通路76内の油圧より低いときには、油圧室73をオイル補給通路76に接続するように開弁するように構成されている。
より具体的には、図3に示すように、逆止弁77は、オイル補給通路76の一部を形成するようプランジャ71に設けられた弁座77sと、油圧室73内に弁座77sに着座可能に配置された逆止弁体77vとを有している。ここで、逆止弁体77vは、複数の放射方向の連通穴78hを有するリテーナ78によってプランジャ71に対する移動範囲を制限され、弁座77sからの離間距離(開弁時の隙間)が規定されるようになっている。また、弁座77sは、略有底円筒状のプランジャ本体71aの開口した内端部71b側に円筒状のスリーブ71cを圧入することで、油圧室73内に突出したそのスリーブ71cの一端側内周部によって構成されている。
リテーナ78は、例えばスリーブ71cに嵌合し固定されているが、圧縮コイルばね75によってプランジャ71に押し付けられるフランジ部を有するものであってもよいし、プランジャ本体71aの内端部71bの内周壁面部に嵌合されて保持されていてもよい。
プランジャ71の内部には、油圧室73に接続可能なオイル補給通路76の一部を形成しつつオイルを貯留する低圧室81が形成されるとともに、この低圧室81に外部からオイルを補給できるように低圧室81を外部補給通路83に連通させる少なくとも1つの径方向の貫通孔82が形成されている。そして、エンジン10の運転時には、図内のオイルポンプから供給されるオイルが、外部補給通路83から貫通孔82および低圧室81を通して油圧室73内に補給されるようになっている。
また、テンショナハウジング74には、プランジャ71の外周面における貫通孔82の開口に対向する連通溝74cが形成されている。この連通溝74cは、外部補給通路83が摺動穴部72の内周壁面に開口する部分を少なくともプランジャ71の軸線方向に拡張させたものであり、プランジャ71の軸方向変位の全域で貫通孔82を外部補給通路83に連通させるようになっている。
図3に示すように、チェーンテンショナ62がプランジャ71の軸線を傾斜させる傾斜姿勢(以下、単に傾斜姿勢という)で設置される場合、エンジン10が停止して外部補給通路83からの作動の補給が停止された状態が続くと、テンショナハウジング74の摺動穴部72の内部にオイルの液面Lが形成され得る。
テンショナハウジング74の連通溝74cは、チェーンテンショナ62が傾斜姿勢で設置されるとき、オイルの液面Lより鉛直方向下方側に位置するように配置されており、同図中に実線で示すような帯状の溝形状を有している。ただし、図3中に仮想線で示す部分を含むように、連通溝74cは、摺動穴部72の内周全域に及ぶ環状溝となっていてもよい。
なお、圧縮コイルばね75は、圧力室73の内部に配置されているが、プランジャ71に対して反力方向の付勢力を常時加えるようにプランジャ71とテンショナハウジング74の間に介装されてもよい。また、圧縮コイルばね75は、ばね以外の弾性部材でもよいし、プランジャ71を荷重Fcに対抗する反力方向に常時付勢するように構成された任意の付勢機構によって構成され得る。
次に、作用について説明する。
上述のように構成された本実施形態の内燃機関のチェーンテンション制御装置においては、チェーンテンショナ62内で油圧反力を発生させる油圧室73がテンショナハウジング74の内奥側、すなわち、プランジャ摺動穴である摺動穴部72の内奥側に位置することに加えて、逆止弁77が油圧室73に対しプランジャ71側に位置する。したがって、油圧室73内にエアが混入し難くなる。
また、本実施形態では、エンジン10を停止させるべく、イグニッションOFFの要求が発生すると、図4に示すような停止制御が実行される。
すなわち、エンジン10の運転停止時にチェーン61からチェーンテンショナ62に掛かる荷重Fcが低荷重側となるよう、クランク軸16の回転停止角度が特定の停止角度領域Za内に制御される(ステップS11)。
したがって、クランク軸16の回転が完全に停止するときには、その停止角度位置が特定の停止角度領域Za内に位置し、排気側のカム軸22の回転負荷トルクがその変動範囲内で高トルク側にあり、かつ、クランク軸16に作用する合成トルクがその変動幅のうち低トルク側にある状態となる。その結果、チェーン61のテンショナ側の移動部分61z1のテンションが、その変動範囲内における最小値から一定変動幅内の低荷重側に入る状態で停止後の緩んだ状態が確定する(ステップS12)。
これにより、チェーン61からプランジャ71に作用する荷重Fcが低荷重で確定し、エンジン10の停止後に油圧室73内のオイルが過剰に加圧されて外部に漏れ出るということが有効に抑制される(ステップS13)。
よって、従来のラチェット機構や樹脂バー等といったオイル漏れ対策部品の削減が可能になり、チェーンテンショナ62のコストが低減可能になる。しかも、本実施形態のように、チェーンテンショナ62の搭載角(鉛直方向に対するプランジャの軸線の傾き)が大きく、エンジン10の停止後に長期間放置された後の再始動時であっても、エンジン10の始動時における異音や歯飛びの発生が的確に防止されることになる。
また、本実施形態では、既存のクランク角センサ41の検出情報を基に、クランク軸16の回転停止角度を特定の停止角度領域Za内に精度良く制御することができる。
しかも、停止角度制御部51は、エンジン10に接続するオルタネータ48側からクランク軸16に作用する負荷トルクを可変制御するので、チェーン61からチェーンテンショナ62に掛かる荷重Fcを容易にかつ精度良く制御できる。加えて、アイドリングストップ車等における再始動性を向上させるべく、補機の負荷トルク調整によりクランク軸16の回転停止角度位置を所定範囲内に制御するような既存の停止制御機構(例えば、特開2012−136980号公報、特開2008−215230号公報等参照)を利用することも可能になる。
さらに、本実施形態では、逆止弁77が弁座77sと逆止弁体77vとを有し、プランジャ71にオイル補給通路76の一部が形成されることから、仮にオイル補給通路76内にエアが混入しても、高圧の油圧室73内を通過させることなくオイル中から摺動穴部72の外部へとエア抜きする経路を容易に確保できることになる。また、チェーン61から荷重Fcが作用するプランジャ71の外端部が油圧反力を受ける内端部71bより鉛直上方側に位置する本実施形態の配置形態において、高圧室となる油圧室73内には、エアが入り難い。
加えて、本実施形態では、プランジャ71の内部には、オイル補給通路76の一部を形成しつつオイルを貯留する低圧室81が形成され、プランジャ71にチェーン61からの荷重Fcが掛かるとき、油圧室73と低圧室81とが逆止弁によって遮断される。したがって、プランジャ71に荷重Fcが掛からないときに低圧室81内にエアが入ったとしても、そのエアは低圧室81内の最上部に移動することになり、圧縮コイルばね75の作用により逆止弁77が開弁した状態下で、油圧室73内にエアを混入させることなくオイルが補給されることになる。一方、プランジャ71に荷重Fcが掛かって油圧室73内の油圧が立ち上がり始めると、逆止弁77が閉弁して油圧室73がオイル補給通路76側から遮断され、油圧室73内の油圧がチェーンテンションに応じた高圧に迅速に到達する。
また、本実施形態においては、圧縮コイルばね75が、プランジャ71とテンショナハウジング74の間に介装され、プランジャ71を荷重Fcに対抗する方向Fpに常時付勢するので、簡素な付勢機構を構成できる。しかも、圧縮コイルばね75を予めプランジャ71に保持させた状態で、プランジャ71をテンショナハウジング74に組み込むことができるので、組み立ても容易化できる。
このように、本実施形態においては、油圧反力を生じる油圧室73をテンショナハウジング74の内奥側に位置させてプランジャ71側からのオイルの補給を可能にするとともに、エンジン10の運転停止時にチェーン61からチェーンテンショナ62に掛かる荷重Fcを低荷重側に制御する。したがって、プランジャ71に掛かる荷重Fcによって油圧室73内のオイルが外部に漏れ出たり油圧室73内にエアが入ったりすることを有効に抑制することができる。その結果、ラチェット機構等のオイル漏れ対策部品の削減を可能にしてチェーンテンショナ62のコスト低減を図るとともに、そのチェーンテンショナ62を装備したエンジン10の始動時に異音や歯飛びの発生を的確に防止することができる。
なお、上述の一実施形態においては、エンジン10を直列4気筒としたが、他のタイプの内燃機関であってもよい。また、本実施形態では、クランク軸16の停止角度位置を特定の停止領域Za内に制御するものとしたが、テンショナ側に位置するカム軸の停止角度位置をそれに対応する特定の停止角度領域内に制御するようにしてもよいし、クランク軸16およびテンショナ側に位置するカム軸の双方の停止角度位置を特定の停止角度領域内に制御してもよい。
また、クランク角センサ41の検出情報を基にクランク軸16の停止角度位置を特定の停止領域Za内に制御するものとしたが、カム軸の回転位置や他のセンサ情報を基にエンジン10の停止時における回転負荷の制御を行うことも考えられる。
以上説明したように、本発明に係る内燃機関のチェーンテンション制御装置は、プランジャに掛かる荷重によって油圧室内のオイルが漏れ出たり油圧室内にエアが入ったりすることを有効に抑制することができる。その結果、オイル漏れ対策部品の削減を可能にしてチェーンテンショナのコスト低減を図るとともに、そのチェーンテンショナを装備した内燃機関の始動時の異音や歯飛びの発生を的確に防止することができる内燃機関のチェーンテンション制御装置を提供することができる。よって、本発明は、チェーンテンショナが装着された内燃機関のクランク軸とカム軸の間のチェーンに作用するテンションを制御する内燃機関のチェーンテンション制御装置全般に有用である。
10…エンジン(内燃機関)、11…気筒、12…機関本体、13…燃焼室、14…ピストン、16…クランク軸、17…吸気弁、18…排気弁、19…点火プラグ、20…動弁機構、21…吸気側のカム軸、22…排気側のカム軸(テンショナ側のカム軸)、23…インジェクタ(燃料噴射弁)、24…デリバリパイプ、26…吸気管、29…スロットルバルブ、31…排気管、41…クランク角センサ、42,43…カム角センサ、46…点火駆動回路、47…噴射駆動回路、48…オルタネータ(補機)、48r…ボルテージレギュレータ(電圧調整器)、49…無端伝動ベルト、50…ECU(電子制御ユニット)、51…停止角度制御部(停止角度制御機構)、61…チェーン(無端の回転伝動要素)、61z1…テンショナ側の移動部分(緩み側の移動部分、チェーンの一部)、61z3…張り側の移動部分、62…チェーンテンショナ、71…プランジャ、71a…プランジャ本体、71b…内端部、71c…スリーブ、72…摺動穴部、73…油圧室(高圧室)、74…テンショナハウジング、74c…連通溝、76…オイル補給通路、77…逆止弁、77s…弁座、77v…逆止弁体、78…リテーナ、78h…放射方向の連通穴、81…低圧室、82…貫通孔、83…外部補給通路
Claims (6)
- クランク軸とカム軸の間で回転伝動する無端のチェーンと、該チェーンに作用するテンションを調節するチェーンテンショナと、を備えた内燃機関のチェーンテンション制御装置であって、
前記チェーンテンショナが、
前記テンションに応じた荷重が掛かるプランジャと、
前記プランジャを摺動可能に保持するとともに、内部に前記荷重に対抗する油圧反力を発生させる油圧室を画成するテンショナハウジングと、
前記荷重に対抗する方向の付勢力を前記プランジャに加える付勢機構と、
前記油圧室内の油圧と該油圧室にオイルを補給可能なオイル補給通路内の油圧との差圧に応じて開閉動作し、前記油圧室をオイル補給通路に接続する開弁状態と前記油圧室を前記オイル補給通路から遮断する閉弁状態とに切り替わる逆止弁と、を含んで構成され、
前記逆止弁が、前記油圧室内の油圧が前記オイル補給通路内の油圧より高いときに前記差圧に応じた閉弁方向の付勢力を前記プランジャに加えつつ閉弁する一方、前記油圧室内の前記油圧が前記オイル補給通路内の油圧より低いときに開弁して前記油圧室を前記オイル補給通路に接続するように構成され、
前記内燃機関には、前記クランク軸および前記カム軸のうちいずれかの回転停止角度位置を該回転停止角度位置に応じて変化する前記荷重が低荷重側となる特定の停止角度領域内に制御する停止角度制御機構が付設されていることを特徴とする内燃機関のチェーンテンション制御装置。 - 前記停止角度制御機構は、前記内燃機関の前記クランク軸の回転停止角度位置を前記特定の停止角度領域内に制御することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のチェーンテンション制御装置。
- 前記停止角度制御機構は、前記内燃機関に接続する補機側から前記クランク軸に作用する負荷トルクを可変制御することを特徴とする請求項2に記載の内燃機関のチェーンテンション制御装置。
- 前記逆止弁は、前記オイル補給通路の一部を形成するよう前記プランジャに設けられた弁座と、前記油圧室内に前記弁座に着座可能に配置されるとともに前記弁座からの離間距離が制限されるよう前記プランジャに保持された逆止弁体と、を有していることを特徴とする請求項1ないし請求項3のうちいずれか1の請求項に記載の内燃機関のチェーンテンション制御装置。
- 前記プランジャの内部に、前記オイル補給通路の一部を形成しつつ前記オイルを貯留する低圧室が形成されており、前記プランジャに前記テンションに応じた荷重が掛かるとき、前記油圧室と前記低圧室とが前記逆止弁によって遮断されることを特徴とする請求項4に記載の内燃機関のチェーンテンション制御装置。
- 前記付勢機構が、前記プランジャと前記テンショナハウジングの間に介装され、前記プランジャを前記荷重に対抗する方向に常時付勢する弾性部材によって構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のうちいずれか1の請求項に記載の内燃機関のチェーンテンション制御装置。
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