JP2016216914A - 非構造壁、及び非構造壁構築方法 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)2本の軸部材が互いに交差する構造筋を配置することで、従来の非構造壁より高いエネルギー吸収能力を備えた構造である。
(2)構造筋を覆う壁部材はコンクリートよりも小さな弾性係数であるため、従来のコンクリート造の非構造壁に比べ、荷重を負担しないため、ひび割れや損傷の発生を著しく抑制することができる。
(3)構造筋は壁部材によって座屈補強されているため、引張力に加え圧縮力に対しても効果的に抵抗することができる。
(4)壁部材を木製材(あるいは木質単板の積層材)とすることで、居住空間として優れた外観を提供することができる。
(5)構造筋の降伏耐力や破壊耐力は明確に把握することができ、容易に設計できることから、計画する際に構造筋を積極的に耐震部材として採用することができる。
図1は、本願発明の非構造壁100を示す正面図であり、(a)は方立壁とした非構造壁100を、(b)は袖壁とした非構造壁100を示している。この図に示すように、本願発明の非構造壁100は、壁部材110と構造筋120で構成され、壁部材110は2枚の板部材からなり、構造筋120は断面寸法に比して軸長が極端に長い2本の軸部材121からなるもので鉄筋や鋼板などが使用される。そして、例えば既設の左柱PLと右柱PRの間に設けられた上部梁BUと下部梁BLの間に、本願発明の非構造壁100は構築される。なおこの図では、便宜上、構造筋120が見えるように描かれているが、実際には構造筋120は壁部材110に内蔵されている。
(壁部材)
既述のとおり壁部材110は、2枚の板部材111によって構成される。この板部材111は、木板や合板(木質単板の積層材)などコンクリート製ではない材料が用いられる。木板や合板といった木製の板材111のほか、FRP(Fiber Reinforced Plastics)製の板や、ガラス板、石膏ボード、合成樹脂板なども、板部材111として利用することができる。ただし板部材111は、コンクリートよりも小さな弾性係数を有する材料で形成される。
既述のとおり構造筋120は、2本の軸部材121によって構成される。壁部材110(板材111)の曲げ剛性を小さくした結果その荷重負担は小さくなり、必然的に構造筋120は大きな荷重を負担することとなる。したがって軸部材121は、引張強度、圧縮強度ともに大きな鋼材、例えば鉄筋や、細幅の平鋼(フラットバー)、山形鋼といった形鋼が使用される。もちろん軸部材121であって、引張強度、圧縮強度ともに大きな材料であれば、鋼材に限らず他の材料を用いることもできる。
本願発明の非構造壁100をコンクリート梁等に構築する方法としては大きく3つに分類することができ、さらに鉄骨梁の場合を含め、4つの例に分けて本願発明の非構造壁構築方法について説明する。
第1の例は、コンクリート造の上部梁BUと、同じくコンクリート造の下部梁BLとの間に、本願発明の非構造壁100を構築する方法であって、壁部材110と構造筋120を別部材として搬入しそれぞれ個別に設置するという方法である。
第2の例は、コンクリート造の上部梁BUと、同じくコンクリート造の下部梁BLとの間に、本願発明の非構造壁100を構築する方法であって、「半製品」を搬入し、その後搬入された残りの板部材111を設置するという方法である。なおここで半製品とは、壁部材110を構成する2枚の板部材111のうちの一方の板部材111と、X字状に組み合わせた2本の軸部材121を一体化したものである。
第3の例は、コンクリート造の上部梁BUと、同じくコンクリート造の下部梁BLとの間に、本願発明の非構造壁100を構築する方法であって、壁部材110と構造筋120が一体化された「既製の壁体」を搬入してそのまま設置するという方法である。
第4の例は、鉄骨造の上部梁BUと、同じく鉄骨造の下部梁BLとの間に、本願発明の非構造壁100を構築する方法であり、これまでの例とは異なる定着具130の使用に特徴がある。図8は、鉄骨造の梁に使用される定着具130を示す説明図であり、(a)は上部梁BUと下部梁BLに取り付けられた定着具130を示す正面図、(b)は上部梁BUに取り付けられた定着具130を示す部分断面図である。
110 壁部材
111 (壁部材の)板部材
112 (壁部材の)収容溝
120 構造筋
121 (構造筋の)軸部材
121U (軸部材の)分割上部
121L (軸部材の)分割下部
122 (構造筋の)連結具
123 (構造筋の)添接版
130 定着具
140 間詰材
BU 上部梁
BL 下部梁
PL 左柱
PR 右柱
Claims (7)
- 非コンクリート造の非構造壁であって、
板状の壁部材と、構造筋と、を備え、
前記壁部材は、コンクリートとは異なる材料であって、コンクリートよりも小さな弾性係数を具備する材料で形成され、
前記構造筋は、棒状又は板状の軸部材からなり、2本の該軸部材が互いに交差する構成であり、
前記構造筋が前記壁部材に内蔵された、ことを特徴とする非構造壁。 - 前記壁部材は、コンクリートの圧縮強度と引張強度の強度差よりも、小さい強度差を具備する材料で形成された、ことを特徴とする請求項1記載の非構造壁。
- 前記壁部材は、木製材、又は木質単板の積層材で形成された、ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の非構造壁。
- コンクリートとは異なる材料であってコンクリートよりも小さな弾性係数を具備する2枚の板部材で形成された壁部材と、棒状又は板状の2本の軸部材が互いに交差する構造筋と、を備えた非コンクリート造の非構造壁を、構造物に設置する非コンクリート造の非構造壁構築方法であって、
前記構造物に定着具を設置する定着具設置工程と、
前記軸部材を前記定着具に固定して、前記構造筋を設置する構造筋設置工程と、
2枚の前記板部材を、前記構造筋を挟み込んで固定して、該構造筋と壁部材からなる壁体を構築する壁体設置工程と、を備え、
前記壁部材を構成する一方又は両方の前記板部材には、前記構造筋を収容する収容溝が設けられた、ことを特徴とする非構造壁構築方法。 - コンクリートとは異なる材料であってコンクリートよりも小さな弾性係数を具備する2枚の板部材で形成された壁部材と、棒状又は板状の2本の軸部材が互いに交差する構造筋と、を備えた非コンクリート造の非構造壁を、構造物に設置する非コンクリート造の非構造壁構築方法であって、
前記構造物に定着具を設置する定着具設置工程と、
2枚の前記板部材のうち第1の板部材が取り付けられた前記軸部材を、前記定着具に固定して、前記構造筋を設置する構造筋設置工程と、
2枚の前記板部材のうち第2の板部材を、前記構造筋を挟み込んで前記第1の板部材に固定して、該構造筋と壁部材からなる壁体を構築する壁体設置工程と、を備えたことを特徴とする非構造壁構築方法。 - コンクリートとは異なる材料であってコンクリートよりも小さな弾性係数を具備する2枚の板部材で形成された壁部材と、棒状又は板状の2本の軸部材が互いに交差する構造筋と、を備えた非コンクリート造の非構造壁を、構造物に設置する非コンクリート造の非構造壁構築方法であって、
前記構造物に定着具を設置する定着具設置工程と、
前記構造筋を内蔵するように前記壁部材と該構造筋が一体化された壁体を設置する、壁体設置工程と、を備え、
前記壁体設置工程では、前記壁部材から一部突出した前記構造筋が、前記定着具に固定される、ことを特徴とする非構造壁構築方法。 - 前記非構造壁は、上部梁と下部梁の間であって、該上部梁と前記壁部材の間と該下部梁と前記壁部材の間に隙間が設けられるように配置され、
前記上部梁と前記壁部材の間の隙間、及び前記下部梁と前記壁部材の間の隙間に、間詰材を充填する間詰め工程を、さらに備えたことを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれかに記載の非構造壁構築方法。
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KR101923155B1 (ko) * | 2018-04-12 | 2019-02-27 | 고황건설(주) | 비내력벽 구조물 내진 보강 구조 시스템 |
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