JP2016216550A - ビニル系組成物並びにコーティング剤及び非水系二次電池用セパレータ - Google Patents
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Abstract
【課題】無機粒子を増粘分散でき、かつ無機粒子と組み合わせた乾燥塗膜の耐湿性を向上できる組成物を提供することにある。
【解決手段】ケイ素含有ビニル重合体粒子とカルボキシメチル基含有セルロースエーテル又はその塩とを組み合わせて、無機粒子を増粘分散させると、耐湿性を向上できる。前記ケイ素含有ビニル重合体粒子は、有機溶媒の存在下で溶液重合したアニオン性基を有するケイ素含有ビニル重合体に水を添加してエマルジョン化した粒子であってもよい。前記ケイ素含有ビニル重合体粒子は、さらにカチオン性基を有していてもよい。前記ケイ素含有ビニル重合体粒子の体積平均粒径(D50)は10〜2000nm程度である。前記ケイ素含有ビニル重合体粒子は、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル系単量体と、加水分解縮合性シリル基を有する(メタ)アクリル系単量体と、置換アミノ基を有する(メタ)アクリル系単量体と、アルキル基を有する(メタ)アクリル系単量体との共重合体で形成された粒子であってもよい。
【選択図】なし
【解決手段】ケイ素含有ビニル重合体粒子とカルボキシメチル基含有セルロースエーテル又はその塩とを組み合わせて、無機粒子を増粘分散させると、耐湿性を向上できる。前記ケイ素含有ビニル重合体粒子は、有機溶媒の存在下で溶液重合したアニオン性基を有するケイ素含有ビニル重合体に水を添加してエマルジョン化した粒子であってもよい。前記ケイ素含有ビニル重合体粒子は、さらにカチオン性基を有していてもよい。前記ケイ素含有ビニル重合体粒子の体積平均粒径(D50)は10〜2000nm程度である。前記ケイ素含有ビニル重合体粒子は、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル系単量体と、加水分解縮合性シリル基を有する(メタ)アクリル系単量体と、置換アミノ基を有する(メタ)アクリル系単量体と、アルキル基を有する(メタ)アクリル系単量体との共重合体で形成された粒子であってもよい。
【選択図】なし
Description
本発明は、無機粒子を増粘分散させるための組成物並びにこの組成物を含むコーティング剤及びこの組成物を用いて得られた耐熱層を備えた非水系二次電池用セパレータに関する。
近年、リチウムイオン二次電池の用途は多様化しており、大きくは携帯電話機・スマートフォン・タブレット等の携帯機器用、電力貯蔵等の定置用、車載用、移動体用に分けられる。これらのうち、特に車載用については環境や資源問題についての懸念より、従来のガソリン車からハイブリッド車(HEV)や電気自動車(EV)への切り替えが急がれているため、今後更に需要が伸びて行くと予想されている。しかし、車載用リチウムイオン二次電池では、携帯機器用リチウムイオン二次電池などの小型タイプに比べ、大容量で高エネルギー密度が要求される。そのため、電池内外での短絡や過充電等の原因で異常発熱した場合、想定以上の温度になる可能性があり、より一層の安全性が要求されている。
従来、リチウムイオン二次電池のセパレータとしては、ポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)等のポリオレフィンで形成された微多孔質膜が主に使用されているが、PPの融点は155℃程度であり、PEの融点は125℃程度である。このように、従来のセパレータは、耐熱性の低いポリオレフィンで形成されているため、高温時には微細孔が閉塞してリチウムイオンの伝導を抑制することにより、電流を遮断する機能(シャットダウン機能)を付与させて安全性を担保している。
しかし、車載用や大型蓄電用などに搭載するリチウムイオン二次電池では、小型タイプに比べ、大容量・高エネルギー密度が要求されるため、異常発熱によりセル温度がポリオレフィン多孔質膜で形成されたセパレータのシャットダウン温度である125〜155℃を超える場合が想定される。電池のセル温度がセパレータのシャットダウン温度を超えると、セパレータが収縮、変形(メルトダウン)することにより、正極及び負極が直接接触して大きな発熱を引き起こし、熱暴走に繋がる可能性があった。そのため、セパレータの耐熱性を向上させ、電池温度の急激な上昇に伴うセパレータの溶融を防止する必要があり、従来から、セパレータの片面又は両面に耐熱層を積層する方法が試みられている。また、ポリオレフィンは他の樹脂や他の材料との接着性が低いため、ポリオレフィン多孔質膜と電極との接着性が十分ではなく、電池容量の低下やサイクル特性の低下を引き起こす虞があった。そこで、耐熱層として、セパレータの耐熱性の向上や電極とセパレータとの接着性の向上を目的に、バインダー(樹脂)及びフィラー(セラミックス)を含む多孔質層が汎用されている。さらに、耐熱層は、ペーストやコーティング剤をセパレータの表面に塗工して製造されている。コーティング剤としては、アラミド樹脂やフッ素樹脂などの疎水性バインダーを含む溶剤系コーティング剤が汎用されているが、取り扱い性に優れる点から、親水性バインダーを含む水系コーティング剤も提案されている。
特開2011−171290号公報(特許文献1)には、高出力用リチウムイオン電池などの蓄電デバイスに用いられるセパレータとして利用され、ポリオレフィン系多孔フィルムの少なくとも片面に無機粒子を含む粒子含有層が形成された多孔質フィルムが開示されている。この文献には、前記粒子含有層を形成するための塗剤には、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、セルロース及び/又はセルロース塩、アクリル系樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体などのエチレン−アクリル酸共重合体などの増粘剤で粘度を調節できると記載され、セルロース及び/又はセルロース塩が好ましいと記載されている。実施例では、シリカ粒子などを含む塗液の増粘剤として、カルボキシメチルセルロース(CMC)単独、又はCMCとPVDF/アクリル水分散体との組み合わせが使用されている。
このように、セラミックスなどの無機粒子をペースト化する際の増粘剤としては、一般的にCMCが用いられている。しかし、CMCは吸湿性が高いため、得られた耐熱層の含水量が増加する。そのため、このセパレータを備えた非水系二次電池は、内部に多くの水分が持ち込まれ、電池容量が低下する。
特開2008−287888号公報(特許文献2)には、少なくとも支持体の片面に、温度により親水性から疎水性に変化する高分子化合物を含む高分子エマルジョンと微粒子を含有する高分子コーティング組成物からなる塗工層が積層された非水電解液二次電池用セパレータが開示されている。この文献には、前記高分子化合物の主モノマーとして、N−アルキル又はN−アルキレン置換(メタ)アクリルアミド誘導体が記載され、副モノマーとしては、各種のエチレン性不飽和モノマーが記載され、これらのモノマーは界面活性剤を用いた乳化重合で重合されると記載されている。前記高分子エマルジョンは、反応性官能基を有し、この反応性官能基と反応させるための架橋剤も含む。また、成膜性を付与するために併用する樹脂として、カルボキシメチルセルロースなどの多数の樹脂が例示されている。実施例では、N−イソプロピルアクリルアミドを主モノマーとして、アクリル酸、ダイアセトンアクリルアミド、メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、2−ヒドロキシメタクリル酸エチルを、アニオン性を有する反応性界面活性剤を用いて乳化重合して、数平均分子量100nmのエマルジョンを製造している。さらに、このエマルジョンをバインダーとして、架橋剤及びシリカ被覆酸化チタンヒドロゾルを含むコーティング組成物を多孔質ポリエチレンフィルム上に塗工してセパレータを作製している。
しかし、この文献には、CMCが任意に添加される樹脂の一例として例示されているだけであり、CMCとの組み合わせは具体的に開示されておらず、CMCの吸湿性に対する視点はない。さらに、特許文献2の高分子化合物をCMCと組み合わせても、耐熱層の耐湿性を向上できない上に、アルミナ粒子に適用すると凝集する。
特開2012−233199号公報(特許文献3)には、リチウムイオン電池などのセパレータとして適用できる多孔性膜として、ポリエチレン多孔性膜の一面又は両面に、水溶性高分子0.1〜30重量%と、乳化重合法又は懸濁重合法により製造された非水溶性の粒子状高分子1〜40重量%と、無機充填材1〜50重量%と、水20〜70重量%からなるセラミックスラリーが塗布された多孔成膜が開示されている。この文献の実施例では、アルミナとアクリル−アクリロニトリル共重合エマルジョンラテックスとCMCとを含む水分散セラミックスラリーが調製されている。
しかし、この文献にも、CMCの耐湿性の改善については記載されておらず、実施例で使用されている非水溶性の粒状高分子では、耐湿性を向上できない。
従って、本発明の目的は、無機粒子を増粘分散でき、かつ無機粒子と組み合わせた乾燥塗膜の耐湿性を向上できる組成物並びにこの組成物を含むコーティング剤及びこの組成物を用いて得られた耐熱層を備えた非水系二次電池用セパレータを提供することにある。
本発明の他の目的は、無機粒子を増粘分散でき、かつ塗工性を向上できる組成物並びにこの組成物を含むコーティング剤及びこの組成物を用いて得られた耐熱層を備えた非水系二次電池用セパレータを提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、長期間に亘り粘度の上昇を抑制できる安定性の高い水性エマルジョンを調製できる組成物並びにこの組成物を含むコーティング剤及びこの組成物を用いて得られた耐熱層を備えた非水系二次電池用セパレータを提供することにある。
本発明の別の目的は、水性コーティング剤を用いても、電池本体内部への水分の持込量を低減できる非水系二次電池用セパレータを提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため、ケイ素含有ビニル重合体粒子とカルボキシメチル基含有セルロースエーテル又はその塩とを組み合わせることにより、無機粒子を増粘分散でき、かつ無機粒子と組み合わせた乾燥塗膜の耐湿性を向上できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の組成物は、無機粒子を増粘分散させるための組成物であって、ケイ素含有ビニル重合体粒子とカルボキシメチル基含有セルロースエーテル又はその塩とを含む。前記ケイ素含有ビニル重合体粒子は、有機溶媒の存在下で溶液重合したアニオン性基を有するケイ素含有ビニル重合体に水を添加してエマルジョン化した粒子であってもよい。前記ケイ素含有ビニル重合体粒子は、さらにカチオン性基を有していてもよい。前記ケイ素含有ビニル重合体粒子の体積平均粒径(D50)は10〜2000nm程度である。本発明の組成物は、界面活性剤を含まないのが好ましい。前記ケイ素含有ビニル重合体粒子は、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル系単量体と、加水分解縮合性シリル基を有する(メタ)アクリル系単量体と、置換アミノ基を有する(メタ)アクリル系単量体と、アルキル基を有する(メタ)アクリル系単量体(アルキル(メタ)アクリレート)との共重合体で形成された粒子であってもよい。その場合、単量体全体に対して、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル系単量体の割合は2〜15重量%程度であり、加水分解縮合性シリル基を有する(メタ)アクリル系単量体の割合は1〜20重量%程度であり、置換アミノ基を有する(メタ)アクリル系単量体の割合は0.1〜10重量%程度である。前記ケイ素含有ビニル重合体粒子は、加水分解縮合性シリル基の縮合により架橋していてもよい。前記カルボキシメチル基含有セルロースエーテル又はその塩は、カルボキシメチルセルロース塩であってもよい。前記ケイ素含有ビニル重合体粒子と前記カルボキシメチル基含有セルロースエーテル又はその塩との重量割合は、前者/後者=100/1〜0.05/1程度である。本発明の組成物は、水を含む水性エマルジョンであってもよい。
本発明には、前記組成物と無機粒子を含むコーティング剤も含まれる。このコーティング剤において、ケイ素含有ビニル重合体粒子の割合は、無機粒子100重量部に対して1〜30重量部程度である。
本発明には、前記コーティング剤で形成された耐熱層とポリオレフィンで形成された多孔質層とを含む非水系二次電池用セパレータも含まれる。
本発明では、ケイ素含有ビニル重合体粒子とカルボキシメチル基含有セルロースエーテル又はその塩とを組み合わせているため、無機粒子を増粘分散でき、かつ無機粒子と組み合わせた乾燥塗膜の耐湿性を向上できる。そのため、この組成物で非水二次電池用セパレータを形成すると、水性コーティング剤を用いても、電池本体内部への水分の持込量を低減できる。また、前記ケイ素含有ビニル重合体粒子を、有機溶媒の存在下で溶液重合した後、水を添加して水性エマルジョン化する転相法により調製することにより、塗工性も向上でき、均一な塗膜を形成できる。さらに、前記ケイ素含有ビニル重合体粒子にカチオン性基を導入することにより、長期間に亘り粘度の上昇を抑制できる安定性(経時安定性)の高い水性エマルジョンを調製できる。
[ケイ素含有ビニル重合体粒子]
ケイ素含有ビニル重合体粒子を構成するケイ素含有ビニル重合体は、ビニル単位とケイ素原子とを有していればよいが、通常、ケイ素含有ビニル単量体を重合成分として含む。
ケイ素含有ビニル重合体粒子を構成するケイ素含有ビニル重合体は、ビニル単位とケイ素原子とを有していればよいが、通常、ケイ素含有ビニル単量体を重合成分として含む。
(加水分解縮合性ビニル単量体)
ケイ素含有ビニル単量体は、(ポリ)オルガノシロキサン単位を有するビニル単量体などであってもよいが、水性エマルジョンであっても、無機粒子と組み合わせた乾燥塗膜の耐湿性を向上できる点から、加水分解縮合性シリル基を有するビニル単量体(加水分解縮合性ビニル単量体)が好ましい。
ケイ素含有ビニル単量体は、(ポリ)オルガノシロキサン単位を有するビニル単量体などであってもよいが、水性エマルジョンであっても、無機粒子と組み合わせた乾燥塗膜の耐湿性を向上できる点から、加水分解縮合性シリル基を有するビニル単量体(加水分解縮合性ビニル単量体)が好ましい。
加水分解縮合性ビニル単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸3−(ヒドロキシジメチルシリル)プロピルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシジC1−4アルキルシリルC2−4アルキル;(メタ)アクリル酸2−(トリメトキシシリル)エチル[2−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメトキシシラン]、(メタ)アクリル酸3−(トリメトキシシリル)プロピル、(メタ)アクリル酸4−(トリメトキシシリル)ブチル、(メタ)アクリル酸2−(トリエトキシシリル)エチル、(メタ)アクリル酸3−(トリエトキシシリル)プロピル、(メタ)アクリル酸4−(トリエトキシシリル)ブチルなどの(メタ)アクリル酸トリC1−4アルコキシシリルC2−4アルキル;(メタ)アクリル酸2−(ジメトキシメチル)エチル、(メタ)アクリル酸3−(ジメトキシメチル)プロピルなどの(メタ)アクリル酸(ジC1−4アルコキシC1−4アルキル)C2−4アルキル;(メタ)アクリル酸3−(ジメトキシフェニルシリル)プロピルなどの(メタ)アクリル酸(ジC1−4アルコキシアリール)C2−4アルキル;(メタ)アクリル酸3−(メトキシジメチル)プロピルなどの(メタ)アクリル酸C1−4アルコキシジC1−4アルキル)C2−4アルキル;(メタ)アクリル酸3−(メトキシジフェニルシリル)プロピルなどの(メタ)アクリル酸(C1−4アルコキシジアリール)C2−4アルキル;(メタ)アクリル酸3−(メトキシメチルフェニル)プロピルなどの(メタ)アクリル酸などの(メタ)アクリル酸(C1−4アルコキシC1−4アルキルアリール)C2−4アルキル;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ−3−[3−(トリメトキシシリル)プロポキシ]プロピルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシ(トリC1−4アルコキシシリルC2−4アルコキシ)C3−6アルキル;(メタ)アクリル酸3−(トリクロロシリル)プロピルなどの(メタ)アクリル酸(トリハロシリル)C2−4アルキル;(メタ)アクリル酸3−(ジクロロメチル)プロピルなどの(メタ)アクリル酸(ジハロC1−4アルキルシリル)C2−4アルキル;(メタ)アクリル酸3−(ジクロロフェニルシリル)プロピルなどの(メタ)アクリル酸(ジハロアリールシリル)C2−4アルキル;(メタ)アクリル酸3−(クロロジメチルシリル)プロピルなどの(メタ)アクリル酸;(ハロジC1−4アルキルシリル)C2−4アルキル;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなどのビニルシラン化合物などが挙げられる。
これらの加水分解縮合性ビニル単量体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、加水分解縮合性(メタ)アクリル系単量体が汎用され、前記耐湿性の向上効果などに優れる点から、(メタ)アクリル酸3−(トリメトキシシリル)プロピルなどの(メタ)アクリル酸トリC1−3アルコキシシリルC3−4アルキルが好ましい。
(アニオン性ビニル単量体)
ケイ素含有ビニル重合体粒子は、転相法によりケイ素含有ビニル重合体粒子を含む水性エマルジョンを調製できる点から、ケイ素原子に加えて、さらにアニオン性基を含むのが好ましい。アニオン性基の導入方法は、特に限定されないが、ケイ素含有ビニル重合体が、前記ケイ素含有ビニル単量体に加えて、アニオン性基を有するビニル単量体(アニオン性ビニル単量体)を重合成分として含むのが好ましい。
ケイ素含有ビニル重合体粒子は、転相法によりケイ素含有ビニル重合体粒子を含む水性エマルジョンを調製できる点から、ケイ素原子に加えて、さらにアニオン性基を含むのが好ましい。アニオン性基の導入方法は、特に限定されないが、ケイ素含有ビニル重合体が、前記ケイ素含有ビニル単量体に加えて、アニオン性基を有するビニル単量体(アニオン性ビニル単量体)を重合成分として含むのが好ましい。
アニオン性ビニル単量体としては、カルボキシル基、スルホン酸基(スルホ基)、リン酸基などのアニオン性基を有するビニル単量体、例えば、(メタ)アクリル酸やエチルアクリル酸などのC1−3アルキル基を有するアクリル酸、(メタ)アクリル酸カルボキシメチルなどの(メタ)アクリル酸カルボキシC1−3アルキル;(メタ)アクリル酸スルホンエチル、(メタ)アクリル酸スルホン酸プロピルなどの(メタ)アクリルスルホン酸C1−4アルキル;クロトン酸、ソルビン酸、マレイン酸、イタコン酸などのビニルカルボン酸;ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、ビニルトルエンスルホン酸、スチレンスルホンなどのビニルスルホン酸類;2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などの(メタ)アクリルアミドスルホン酸などが挙げられる。
これらのアニオン性ビニル単量体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのアニオン性ビニル単量体のうち、転相法でケイ素含有ビニル重合体を製造する場合、安定して水性エマルジョンを形成できる点から、カルボキシル基を有するビニル単量体が好ましく、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル系単量体、特に(メタ)アクリル酸が汎用される。
(カチオン性ビニル単量体)
ケイ素含有ビニル重合体粒子は、長期間に亘り粘度の上昇を抑制できる安定性の高い水性エマルジョンを調製できる点から、ケイ素原子及びアニオン性基に加えて、さらにカチオン性基を含むのが好ましい。カチオン性基の導入方法は、特に限定されないが、ケイ素含有アビニル重合体が、前記ケイ素含有ビニル単量体及びアニオン性ビニル単量体に加えて、カチオン性基を有するビニル単量体(カチオン性ビニル単量体)を重合成分として含むのが好ましい。
ケイ素含有ビニル重合体粒子は、長期間に亘り粘度の上昇を抑制できる安定性の高い水性エマルジョンを調製できる点から、ケイ素原子及びアニオン性基に加えて、さらにカチオン性基を含むのが好ましい。カチオン性基の導入方法は、特に限定されないが、ケイ素含有アビニル重合体が、前記ケイ素含有ビニル単量体及びアニオン性ビニル単量体に加えて、カチオン性基を有するビニル単量体(カチオン性ビニル単量体)を重合成分として含むのが好ましい。
カチオン性ビニル単量体としては、置換アミノ基(3級アミノ基)、イミノ基、第4級アンモニウム塩基などのカチオン性基を有するビニル単量体、例えば、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−ジt−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート3−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、3−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、3−ジt−ブチルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどのジC1−4アルキルアミノC2−4アルキル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムメトサルフェートなどの(メタ)アクリロイルオキシC2−4アルキルC1−3アルキルアンモニウム塩などが挙げられる。
これらのカチオン性ビニル単量体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのカチオン性ビニル単量体のうち、前記安定性の向上効果が大きい点から、置換アミノ基を有する(メタ)アクリル系単量体が好ましく、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどのジC2−4アルキルアミノC2−3アルキル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
(他のビニル単量体)
ケイ素含有ビニル重合体粒子は、無機粒子と組み合わせた乾燥塗膜の機械的特性を向上できる点から、前記単量体に加えて、他のビニル単量体を重合成分として含むのが好ましい。
ケイ素含有ビニル重合体粒子は、無機粒子と組み合わせた乾燥塗膜の機械的特性を向上できる点から、前記単量体に加えて、他のビニル単量体を重合成分として含むのが好ましい。
他のビニル単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートなどのC1−10アルキル(メタ)アクリレート;フェニル(メタ)アクリレートなどのアリール(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレートなどのアラルキル(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシC2−6アルキル(メタ)アクリレート;グリシジル(メタ)アクリレート;エチレン、プロピレンなどのα−C2−10オレフィン;スチレンなどの芳香族ビニル;(メタ)アクリロニトリルなどの(メタ)アクリロニトリル類;(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド類;酢酸ビニルなどのビニルエステル類などが挙げられる。
これら他のビニル単量体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、前記乾燥塗膜の機械的特性をバランス良く向上できる点から、メチル(メタ)アクリレートやブチル(メタ)アクリレートなどのC1−10アルキル(メタ)アクリレートが好ましく、メチル(メタ)アクリレートなどのC1−2アルキル(メタ)アクリレート(特にメチルメタクリレートなどのC1−2アルキルメタクリレート)と、ブチル(メタ)アクリレートなどのC3−10アルキル(メタ)アクリレート(特にn−ブチルアクリレートなどのC3−6アルキルアクリレート)との組み合わせが特に好ましい。
C1−2アルキル(メタ)アクリレートとC3−10アルキル(メタ)アクリレートとの重量割合は、前者/後者=10/1〜1/10、好ましくは5/1〜1/5、さらに好ましくは2/1〜1/2(特に1.5/1〜1/1)程度である。
(ケイ素含有ビニル重合体)
ケイ素含有ビニル重合体において、加水分解縮合性ビニル単量体[特に加水分解縮合性シリル基を有する(メタ)アクリル系単量体]の割合は、単量体全体に対して1重量%以上であり、例えば1〜20重量%、好ましくは2〜15重量%、さらに好ましくは3〜10重量%程度である。加水分解縮合性ビニル単量体の割合が少なすぎると、無機粒子と組み合わせた乾燥塗膜の耐湿性が低下する虞がある。
ケイ素含有ビニル重合体において、加水分解縮合性ビニル単量体[特に加水分解縮合性シリル基を有する(メタ)アクリル系単量体]の割合は、単量体全体に対して1重量%以上であり、例えば1〜20重量%、好ましくは2〜15重量%、さらに好ましくは3〜10重量%程度である。加水分解縮合性ビニル単量体の割合が少なすぎると、無機粒子と組み合わせた乾燥塗膜の耐湿性が低下する虞がある。
アニオン性ビニル単量体[特にカルボキシル基を有する(メタ)アクリル系単量体]の割合は、単量体全体に対して、例えば2〜15重量%、好ましくは3〜12重量%、さらに好ましくは4〜8重量%程度である。アニオン性ビニル単量体の割合が少なすぎると、転相法でケイ素含有ビニル重合体を製造する場合、転相が困難となり、有機溶媒を除去したのちのエマルジョン中に一部樹脂の塊が生じる虞があり、多すぎると、転相後のエマルジョンが不安定となる虞があり、例えば、暫く放置するとゼリー状に固まる虞がある。
カチオン性ビニル単量体[特に置換アミノ基を有する(メタ)アクリル系単量体]の割合は、単量体全体に対して10重量%以下であり、例えば0.1〜10重量%、好ましくは0.3〜5重量%、さらに好ましくは0.5〜3重量%程度である。カチオン性ビニル単量体の割合が少なすぎると、水性エマルジョンを調製した場合、経時安定性が低下する虞があり、多すぎると、無機粒子と組み合わせた乾燥塗膜の耐湿性が低下する虞がある。
ケイ素含有ビニル重合体がアニオン性基を含む場合、ケイ素含有ビニル重合体は、塩の形態であってもよい。塩は、通常、無機塩基との塩である。無機塩基としては、例えば、アンモニウム塩;カリウム塩、ナトリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩;銀塩、銅塩などの遷移金属塩などが挙げられる。これらの塩のうち、アンモニウム塩の他、一価金属塩(ナトリウムなどのアルカリ金属塩など)などが好ましい。
ケイ素含有ビニル重合体の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)において、ポリスチレン換算で、例えば1000〜200000、好ましくは5000〜100000、さらに好ましくは10000〜50000程度である。
(ケイ素含有ビニル重合体粒子の特性及び製造方法)
ケイ素含有ビニル重合体粒子の形状は、特に限定されず、無定形状、繊維状、楕円体状、球状、平板状、粉粒状などであってもよく、通常、球状である。
ケイ素含有ビニル重合体粒子の形状は、特に限定されず、無定形状、繊維状、楕円体状、球状、平板状、粉粒状などであってもよく、通常、球状である。
ケイ素含有ビニル重合体粒子の体積平均粒径(D50)は10〜2000nm(例えば10〜1000nm)程度の範囲から選択でき、塗工性を向上できる点から、例えば20〜500nm、好ましくは30〜200nm、さらに好ましくは30〜150nm(特に50〜100nm)程度である。平均粒径が小さすぎると、製造が困難となる虞があり、大きすぎると、塗工性が低下する虞がある。
なお、本発明では、体積平均粒径は、動的光散乱式粒度分析計により測定でき、その50%累積粒径を平均粒径とする。詳細には、後述する実施例に記載の方法で測定できる。
ケイ素含有ビニル重合体粒子は、乾燥塗膜の機械的特性などの点から、加水分解縮合性シリル基の縮合により架橋しているのが好ましい。ケイ素含有ビニル重合体粒子のゲル分率は95%以上であってもよく、好ましくは98%以上、さらに好ましくは99%以上である。本発明では、ゲル分率は後述する実施例に記載の方法で測定できる。
ケイ素含有ビニル重合体粒子の製造方法は、特に限定されないが、耐湿性に優れた乾燥塗膜を形成でき、かつ取り扱い性に優れた水性エマルジョンを調製できる点から、有機溶媒の存在下で溶液重合したアニオン性基を有するケイ素含有ビニル重合体に水を添加してエマルジョン化する転相法が好ましい。転相法としては、慣用の製造方法を利用できる。
例えば、前記ビニル単量体を混合し、有機溶媒の存在下、共重合させ、得られた重合体を、アルカリ(例えば、トリエチルアミンなどのアルキルアミン、モルホリンなどの環状アミン、トリエタノールアミンなどのアルカノールアミン、ピリジン、アンモニアなど)や酸[例えば、無機酸(例えば、塩酸、硫酸など)、有機酸(例えば、酢酸、プロピオン酸などのカルボン酸、スルホン酸など)など]を用いて溶解又は分散させる。なお、重合操作は、バッチ式、連続式であってもよい。
溶液重合で用いる有機溶媒としては、例えば、アルコール(例えば、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノールなどの低級アルコールなど)、芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなど)、脂肪族炭化水素(例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなど)、脂環族炭化水素(例えば、シクロヘキサンなど)、エステル類(例えば、酢酸エチル、酢酸n−ブチルなど)、ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトンなど)、エーテル類(例えば、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランなど)などが挙げられる。これら有機溶媒は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、イソプロパノールなどのアルコール、トルエンなどの芳香族炭化水素、メチルエチルケトンなどのケトンなどが汎用される。
有機溶媒の割合は、特に制限されず、ビニル単量体の総量に対して、例えば0.1〜5重量倍(特に0.5〜2重量倍)程度である。
溶液重合では、電子線や紫外線などの活性エネルギー線の照射により重合を開始してもよく、重合開始剤を用いて重合を開始してもよい。重合開始剤としては、例えば、アゾ化合物[例えば、アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、アゾビスシアノ吉草酸、2,2−アゾビス(2−アミジノプロパン)ハイドロクロライド、2,2−アゾビス(2−アミジノプロパン)アセテートなど]、無機過酸化物(例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩、過酸化水素)、有機過酸化物[例えば、過酸化ベンゾイル、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート]及びレドックス触媒[例えば、亜硫酸塩もしくは重亜硫酸(例えば、アルカリ金属塩、アンモニウム塩など)、L−アスコルビン酸、エリソルビン酸などの還元剤と、過硫酸塩(例えば、アルカリ金属塩、アンモニウム塩など)、過酸化物などの酸化剤との組合わせからなる触媒系]などが例示できる。これらの重合開始剤は、単独で又は2種以上組合わせて使用できる。
重合開始剤の割合は、ビニル単量体の総量に対して、例えば0.001〜20重量%、好ましくは0.01〜10重量%、さらに好ましくは0.1〜10重量%程度である。
さらに、溶液重合では、重合体の分子量を調整するために、連鎖移動剤、例えば、カテコールなどのアルコール類、チオール類、メルカプタン類(例えば、n−ラウリルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシランなど)などを用いてもよい。
溶液重合における反応温度は、例えば50〜150℃、好ましくは70〜130℃程度である。また、反応時間は、例えば1〜10時間、好ましくは2〜7時間程度である。なお、重合の終点は、赤外吸収スペクトルにおける二重結合の吸収(1648cm−1)の消滅やガスクロマトグラフィーを用いて、未反応の単量体の減少などにより確認できる。
得られた重合体がイオン性基としてアニオン性基を支配的に有する場合、塩基を添加することにより親水性を向上でき、重合体を容易に水にエマルジョン化できる。塩基としては、例えば、有機塩基(例えば、トリエチルアミンなどのアルキルアミン、モルホリンなどの環状アミン、トリエタノールアミンなどのアルカノールアミン、ピリジンなど)、無機塩基(例えば、アンモニア、アルカリ金属水酸化物など)などが挙げられる。塩基の割合は、アニオン性基に対して0.3〜1.5倍モル程度である。
得られた重合体がイオン性基としてカチオン性基を支配的に有する場合、酸を添加することにより親水性を向上でき、重合体を容易に水にエマルジョン化できる。酸としては、例えば、無機酸(例えば、塩酸、リン酸、硫酸、硝酸など)、有機酸[例えば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸などの飽和脂肪族モノカルボン酸;シュウ酸、アジピン酸などの飽和脂肪族ポリカルボン酸;(メタ)アクリル酸などの不飽和脂肪族モノカルボン酸;マレイン酸、イタコン酸などの不飽和脂肪族ポリカルボン酸;乳酸、クエン酸などの脂肪族オキシカルボン酸など]などが例示できる。酸の割合は、例えば、カチオン性基に対して0.3〜1.5倍モル程度であってもよい。
溶液重合により得られた重合体のエマルジョン化(乳化)は、有機溶剤の存在下又は非存在下で行うことができる。有機溶剤の存在下、重合体を溶解又は乳化分散する場合、有機溶剤としては、水溶性の有機溶媒(例えば、イソプロパノールなどのアルコールなど)を用いる場合が多い。有機溶媒の存在下、重合体を乳化した場合、乳化後、有機溶媒を蒸発などにより除去してもよく、エマルジョンは有機溶媒を含有してもよい。なお、重合体を乳化する前に有機溶剤を除去する場合、低沸点の有機溶剤(例えば、メチルエチルケトンなどのケトン)を用いる場合が多い。
溶液重合により得られた重合体を、有機溶媒の存在下、乳化する場合、重合体を含む有機溶液に添加剤(例えば、乳化剤、pH調整剤、酸など)を添加した後、水を添加して乳化できる。この場合、水は、滴下などにより徐々に添加するのが好ましい。乳化するときの温度は、低温の方が好ましく、例えば70℃以下(例えば5〜70℃)、好ましくは50℃以下(例えば10〜50℃)程度である。
水を添加して乳化(転相)した後、温度80℃以下(例えば5〜80℃程度)、常圧又は減圧下(例えば0.0001〜1気圧程度)の条件で有機溶媒を除去してもよい。
[カルボキシメチル基含有セルロースエーテル又はその塩]
カルボキシメチル基含有セルロースエーテルとしては、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)、アルキルカルボキシメチルセルロース(メチルカルボキシメチルセルロースなど)、ヒドロキシアルキルカルボキシメチルセルロース(ヒドロキシエチルカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルカルボキシメチルセルロースなど)などが挙げられる。これらのカルボキシメチル基含有セルロースエーテルは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
カルボキシメチル基含有セルロースエーテルとしては、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)、アルキルカルボキシメチルセルロース(メチルカルボキシメチルセルロースなど)、ヒドロキシアルキルカルボキシメチルセルロース(ヒドロキシエチルカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルカルボキシメチルセルロースなど)などが挙げられる。これらのカルボキシメチル基含有セルロースエーテルは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらのカルボキシメチル基含有セルロースエーテルのうち、カルボキシメチルセルロース(CMC)が好ましい。
CMCの平均エーテル化度(カルボキシメチル基の平均エーテル化度)(又は平均置換度DS)は、適度な水溶性及び水中での粘性を発現でき、組成物の塗工性が向上する範囲であればよく、0.1〜3程度の範囲から選択でき、好ましくは0.2〜2、さらに好ましくは0.5〜1.2程度である。
なお、「平均置換度」とは、セルロースを構成するグルコース単位の2,3及び6位のヒドロキシル基に対する置換度(置換割合、特に、塩を形成していてもよいカルボキシメチル基の置換度)の平均であり、最大値は3である。
カルボキシメチル基含有セルロースエーテル(特にCMC)は、塩を形成していてもよい。塩としては、例えば、アルカリ金属塩(リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、ルビジウム塩、セシウム塩など)などの一価金属塩、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩など)などの二価金属塩、第四級アンモニウム塩、アミン塩、置換アミン塩又はこれらの複塩などが挙げられる。CMCの場合、ナトリウム塩などのアルカリ金属塩、アンモニウム塩が好ましい。
本発明では、水溶性などの点からは、カルボキシメチル基含有セルロースエーテル(特にCMC)は塩の形態であるのが好ましいが、溶解性を制御する点から、部分又は完全酸型CMCであってもよい。酸型CMCにおいて、遊離のカルボキシル基(CMCの遊離のカルボキシル基)をAモル、塩を形成したカルボキシル基(CMCの塩を形成したカルボキシル基)をBモルとするとき、[A/(A+B)]×100(%)で表される酸型化率は、例えば、0.01〜100%の範囲から選択でき、例えば、30%以下(例えば、0.01〜30%)、好ましくは0.1〜20%、さらに好ましくは1〜10%程度であってもよい。
なお、CMCの酸型化率は、酸又はアルカリ滴定、電導度測定、赤外線吸収スペクトル、核磁気共鳴スペクトルなどの慣用の方法を利用して測定できる。
カルボキシメチル基含有セルロースエーテル(特にCMC)又はその塩の粘度は、水不溶性無機粒子が適度に分散したペーストを調製でき、均一な膜を形成できる範囲で選択でき、例えば、1重量%水溶液の粘度(25℃、ブルックフィールド粘度計LVDVII+、ローターNo.4、30rpm)が300〜20000mPa・s、好ましくは400〜10000mPa・s、さらに好ましくは500〜5000mPa・s程度である。
カルボキシメチル基含有セルロースエーテル(特にCMC)又はその塩の平均重合度(粘度平均重合度)は、特に制限されないが、例えば10〜1000、好ましくは50〜900、さらに好ましくは100〜800程度である。
カルボキシメチル基含有セルロースエーテル(特にCMC)の1重量%水溶液のpHは、例えば4〜9、好ましくは5〜8、さらに好ましくは5.5〜7.7(特に6〜7.5)程度である。
カルボキシメチル基含有セルロースエーテル又はその塩の形状は、特に限定されず、無定形状、繊維状、楕円体状、球状、平板状、粉粒状などであってもよく、通常、無定形状、粉粒状などである。水への分散性、無機粒子との接触性などの点から、等方形状が好ましく、長径と短径との比(アスペクト比)は、例えば、10以下(例えば、1〜10)、好ましくは1〜5、さらに好ましくは1〜3(特に1〜2)程度である。
カルボキシメチル基含有セルロースエーテル(特にCMC)又はその塩の体積平均粒径(D50)は、例えば1〜100μm、好ましくは5〜50μm、さらに好ましくは10〜40μm(特に15〜30μm)程度である。さらに、粒子径の変動係数([粒子径の標準偏差/平均粒子径]×100)は、例えば、100以下(例えば、1〜100程度)、好ましくは3〜80、さらに好ましくは5〜60(特に10〜50程度)である。
粒度の調整方法としては、塊状物に対して、慣用の粉砕機、例えば、サンプルミル、ハンマーミル、ターボミル、アトマイザー、カッターミル、ビーズミル、ボールミル、ロールミル、ジェットミルなどを使用して粉砕してもよい。さらに、粉砕後、必要に応じて、分級してもよい。
[無機粒子を増粘分散させるための組成物]
本発明の組成物において、ケイ素含有ビニル重合体粒子とカルボキシメチル基含有セルロースエーテル又はその塩との重量割合は、前者/後者=100/1〜0.05/1程度の範囲から選択でき、例えば50/1〜0.1/1、好ましくは20/1〜0.5/1、さらに好ましくは15/1〜1/1(特に10/1〜1.5/1)程度である。ケイ素含有ビニル重合体粒子の割合が少なすぎると、無機粒子と組み合わせた乾燥塗膜の耐湿性が低下し易く、多すぎると、増粘分散性が低下する虞がある。
本発明の組成物において、ケイ素含有ビニル重合体粒子とカルボキシメチル基含有セルロースエーテル又はその塩との重量割合は、前者/後者=100/1〜0.05/1程度の範囲から選択でき、例えば50/1〜0.1/1、好ましくは20/1〜0.5/1、さらに好ましくは15/1〜1/1(特に10/1〜1.5/1)程度である。ケイ素含有ビニル重合体粒子の割合が少なすぎると、無機粒子と組み合わせた乾燥塗膜の耐湿性が低下し易く、多すぎると、増粘分散性が低下する虞がある。
本発明の組成物は、ケイ素含有ビニル重合体粒子とカルボキシメチル基含有セルロースエーテル又はその塩とを含んでいればよいが、取り扱い性などに優れる点から、水系組成物であるのが好ましく、水性エマルジョンであるのが特に好ましい。水性エマルジョンの溶媒としては、水を含むのが好ましく、水に加えて、水性溶媒(メタノール、エタノール、イソプロパノールなどの低級アルコール、アセトンなどのケトン類など)を含んでいてもよいが、通常、水単独である。水性エマルジョンにおいて、ケイ素含有ビニル重合体粒子とカルボキシメチル基含有セルロースエーテル又はその塩との割合は、エマルジョン全体に対して、例えば1〜70重量%、好ましくは5〜65重量%、さらに好ましくは10〜55重量%(特に20〜50重量%)程度であり、また45〜70重量%(特に50〜70重量%)程度の高濃度のエマルジョンも調製できる。
本発明の組成物は、さらに他の樹脂成分(例えば、スチレンブタジエンゴムなどのゴム又はエラストマー成分など)を含んでいてもよい。他の樹脂成分の割合は、組成物全体に対して50重量%以下であってもよく、例えば1〜50重量%、好ましくは3〜40重量%程度である。
本発明の組成物は、さらに慣用の添加剤、例えば、充填剤、滑剤、分散剤、帯電防止剤、安定剤(酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤など)、難燃剤、粘度調整剤、増粘剤、消泡剤などを含んでいてもよい。これらの添加剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの添加剤の割合は、組成物全体に対して10重量%以下(例えば0.1〜5重量%)程度である。これらの添加剤のうち、塗工性や前記乾燥塗膜の耐湿性を向上できる点から、本発明では、ケイ素含有ビニル重合体粒子は、界面活性剤(乳化剤)及び反応性界面活性剤(反応性乳化剤)を実質的に含まないのが好ましく、界面活性剤及び反応性界面活性剤を含まないのが特に好ましい。
[コーティング剤]
本発明のコーティング剤は、前記組成物と無機粒子とを含む。無機粒子としては、用途に応じて適宜選択でき、例えば、炭素材(カーボン)、金属単体、金属珪酸塩(珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、アルミノ珪酸マグネシウムなど)、鉱物質(ゼオライト、ケイソウ土、焼成珪成土、タルク、カオリン、セリサイト、ベントナイト、スメクタイト、クレーなど)、金属炭酸塩(炭酸マグネシウム、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウムなど)、金属酸化物(アルミナ、シリカ、酸化亜鉛、二酸化チタンなど)、金属水酸化物(水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなど)、金属硫酸塩(硫酸カルシウム、硫酸バリウムなど)などで形成された粒子などが利用できる。
本発明のコーティング剤は、前記組成物と無機粒子とを含む。無機粒子としては、用途に応じて適宜選択でき、例えば、炭素材(カーボン)、金属単体、金属珪酸塩(珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、アルミノ珪酸マグネシウムなど)、鉱物質(ゼオライト、ケイソウ土、焼成珪成土、タルク、カオリン、セリサイト、ベントナイト、スメクタイト、クレーなど)、金属炭酸塩(炭酸マグネシウム、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウムなど)、金属酸化物(アルミナ、シリカ、酸化亜鉛、二酸化チタンなど)、金属水酸化物(水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなど)、金属硫酸塩(硫酸カルシウム、硫酸バリウムなど)などで形成された粒子などが利用できる。
これらの無機粒子は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの無機粒子のうち、非水系二次電池用セパレータの耐熱層を形成する場合、アルミナ(酸化アルミニウム)やシリカ(二酸化ケイ素)などの金属酸化物粒子が汎用される。
無機粒子の形状は、特に限定されず、無定形状、繊維状、楕円体状、球状、平板状、粉粒状などであってもよく、通常、無定形状、粉粒状などである。
無機粒子の体積平均粒径(D50)は2μm以下(例えば1nm〜2μm)程度の範囲から選択でき、例えば1〜1000nm、好ましくは3〜500nm、さらに好ましくは5〜100nm程度である。無機粒子の粒径が大きすぎると、塗工性が低下する虞がある。
本発明のコーティング剤において、ケイ素含有ビニル重合体粒子の割合は、無機粒子100重量部に対して、例えば1〜30重量部、好ましくは5〜25重量部、さらに好ましくは10〜20重量部程度である。ケイ素含有ビニル重合体粒子の割合が少なすぎると、乾燥塗膜の耐湿性が低下し易く、多すぎると、吸湿量が増加して乾燥塗膜の耐湿性が低下する虞がある。
カルボキシメチル基含有セルロースエーテル(特にCMC)又はその塩の割合は、無機粒子100重量部に対して、例えば0.05〜10重量部、好ましくは0.1〜7重量部、さらに好ましくは1〜5重量部程度である。カルボキシメチル基含有セルロースエーテル(塩)の割合が少なすぎると、増粘分散効果が低下する虞があり、多すぎると、増粘し過ぎる虞がある。
[非水系二次電池用セパレータ]
本発明の非水系二次電池用セパレータは、前記コーティング剤で形成された耐熱層とポリオレフィンで形成された多孔質層とを含む。
本発明の非水系二次電池用セパレータは、前記コーティング剤で形成された耐熱層とポリオレフィンで形成された多孔質層とを含む。
耐熱層は、前記多孔質層の少なくとも一方の面に形成されていればよく、通常、慣用の塗工方法により、前記多孔質層の上に塗布した後、乾燥することにより製造される。塗工方法としては、例えば、例えば、ロールコーター、エアナイフコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、リバースコーター、バーコーター、コンマコーター、ディップ・スクイズコーター、ダイコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、シルクスクリーンコーター法、ディップ法、スプレー法、スピナー法などが挙げられる。これらの方法のうち、ブレードコーター、バーコーター法やグラビアコーター法などが汎用される。
耐熱層の平均厚みは、例えば0.1〜50μm、好ましくは0.5〜40μm、さらに好ましくは1〜30μm程度である。
前記多孔質層としては、ポリオレフィンで形成されていれば、特に限定されないが、非水系二次電池用セパレータとしては利用されている慣用の多孔質膜を利用でき、通常、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリC2−4オレフィン(特にポリエチレン)で形成された不織布や多孔質シートを利用できる。
多孔質層の空隙率は、例えば5〜80体積%、好ましくは10〜70体積%、さらに好ましくは20〜60体積%程度である。
多孔質層の平均厚みは、例えば1〜100μm、好ましくは5〜50μm、さらに好ましくは10〜30μm程度である。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
<原料>
以下の原料を使用した。
以下の原料を使用した。
アルミナ粒子:住友化学(株)製「AKP−3000」、平均粒径0.5μm
増粘分散剤:CMCのNa塩(ダイセルファインケム(株)製「品番1220」)
MMA:メタクリル酸メチル(三菱ガス化学(株)製)
BA:アクリル酸n−ブチル((株)日本触媒製)
HEMA:メタクリル酸ヒドロキシエチル(三菱ガス化学(株)製)
2−EHA:アクリル酸2−エチルヘキシル((株)日本触媒製)
AA:アクリル酸((株)日本触媒製)
MAA:メタクリル酸(三菱ガス化学(株)製)
シランカップリング剤:γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製「A−174」)
アニオン乳化剤:ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸塩(日本乳化剤(株)製「ニューコール707−SF」)
反応性乳化剤:ポリエチレングリコールモノメタクリレート(日油(株)製「ブレンマーPE−200」)
DEAEMA:ジエチルアミノエチルメタクリレート(三菱ガス化学(株)製)
DEAEA:ジエチルアミノエチルアクリレート(サートマー社製)。
増粘分散剤:CMCのNa塩(ダイセルファインケム(株)製「品番1220」)
MMA:メタクリル酸メチル(三菱ガス化学(株)製)
BA:アクリル酸n−ブチル((株)日本触媒製)
HEMA:メタクリル酸ヒドロキシエチル(三菱ガス化学(株)製)
2−EHA:アクリル酸2−エチルヘキシル((株)日本触媒製)
AA:アクリル酸((株)日本触媒製)
MAA:メタクリル酸(三菱ガス化学(株)製)
シランカップリング剤:γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製「A−174」)
アニオン乳化剤:ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸塩(日本乳化剤(株)製「ニューコール707−SF」)
反応性乳化剤:ポリエチレングリコールモノメタクリレート(日油(株)製「ブレンマーPE−200」)
DEAEMA:ジエチルアミノエチルメタクリレート(三菱ガス化学(株)製)
DEAEA:ジエチルアミノエチルアクリレート(サートマー社製)。
<エマルジョン中の樹脂の平均粒径>
動的光散乱式粒度分析計(日機装(株)製「品番:UPA−EX150」)を用いて、体積平均粒子径(D50)を測定した。
動的光散乱式粒度分析計(日機装(株)製「品番:UPA−EX150」)を用いて、体積平均粒子径(D50)を測定した。
<アルミナペーストの製造>
イオン交換水58.8重量部に、増粘分散剤1.2重量部を添加し、ホモディスパー(特殊機化工業(株)製「2.5型」)を用いて、4000rpmで30分間撹拌して充分に溶解させた。続いて、アルミナ粒子40重量部を添加し、同条件で2時間攪拌して耐熱層用塗工液(以下「アルミナペースト」と称する)を製造した。アルミナペーストにおける各成分は、以下の重量比となるように調整した。
イオン交換水58.8重量部に、増粘分散剤1.2重量部を添加し、ホモディスパー(特殊機化工業(株)製「2.5型」)を用いて、4000rpmで30分間撹拌して充分に溶解させた。続いて、アルミナ粒子40重量部を添加し、同条件で2時間攪拌して耐熱層用塗工液(以下「アルミナペースト」と称する)を製造した。アルミナペーストにおける各成分は、以下の重量比となるように調整した。
アルミナ(乾燥品基準):CMC(乾燥品基準):蒸留水=40.0:1.2:58.8。
<エマルジョン中の樹脂のゲル分率>
ガラス板の上に乾燥後の膜厚が50μmとなるまでエマルジョンを塗布・乾燥した後、120℃×10分加熱焼付けした。デシケータ内で放冷し、エマルジョン塗布前後のガラス板の重量差(0.1mgまで精秤)から、ガラス板に塗布されたエマルジョン(乾燥後)の重量[W(a)g]を測定した。次いで、このガラス板をアセトンに室温下24時間浸漬した後に引き上げ、ドライヤ−で10分乾燥した。デシケータ内で放冷し、ガラス板の重量[W(b)g]を測定し、以下の計算式に基づいて、ゲル分率を算出した。
ガラス板の上に乾燥後の膜厚が50μmとなるまでエマルジョンを塗布・乾燥した後、120℃×10分加熱焼付けした。デシケータ内で放冷し、エマルジョン塗布前後のガラス板の重量差(0.1mgまで精秤)から、ガラス板に塗布されたエマルジョン(乾燥後)の重量[W(a)g]を測定した。次いで、このガラス板をアセトンに室温下24時間浸漬した後に引き上げ、ドライヤ−で10分乾燥した。デシケータ内で放冷し、ガラス板の重量[W(b)g]を測定し、以下の計算式に基づいて、ゲル分率を算出した。
ゲル分率=[W(a)−W(b)]/W(a)×100。
<エマルジョンの合成>
[合成例1]
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート、窒素導入管及び温度計を備えた2リットルの反応容器に、イソプロピルアルコール(以下「IPA」と称する)275重量部を添加し、撹拌しながらアゾビスイソブチロニトリル(以下「AIBN」と称する)2重量部を添加して溶解し、80℃に加温した。共重合成分として、メチルメタクリレート(MMA)165重量部、n−ブチルアクリレート(BA)140重量部、ジエチルアミノエチルメタクリレート(DEAEMA)3.5重量部、アクリル酸(AA)21重量部、シランカップリング剤(A−174)21重量部を混合し、滴下ロートを用いて約4時間かけて反応容器に滴下した。滴下終了後、追加触媒としてAIBN1.5重量部をIPA71重量部に溶解して、反応容器に滴下し、さらに2時間反応を保持した。重合終了後、撹拌を続けながら、25重量%アンモニア水23重量部を反応容器に加え、イオン交換水1260重量部を約1時間かけて反応容器に滴下してエマルジョン化した。エマルジョン化後、ロータリーエバポレーターを用いてIPAを蒸発させ、エマルジョンEm1を得た。エマルジョンEm1の固形分は30重量%であった。エマルジョン合成時の反応性は良好「○」であった。エマルジョンの平均粒子径は68nmであった。エマルジョン中の樹脂のゲル分率は99%以上であった。
[合成例1]
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート、窒素導入管及び温度計を備えた2リットルの反応容器に、イソプロピルアルコール(以下「IPA」と称する)275重量部を添加し、撹拌しながらアゾビスイソブチロニトリル(以下「AIBN」と称する)2重量部を添加して溶解し、80℃に加温した。共重合成分として、メチルメタクリレート(MMA)165重量部、n−ブチルアクリレート(BA)140重量部、ジエチルアミノエチルメタクリレート(DEAEMA)3.5重量部、アクリル酸(AA)21重量部、シランカップリング剤(A−174)21重量部を混合し、滴下ロートを用いて約4時間かけて反応容器に滴下した。滴下終了後、追加触媒としてAIBN1.5重量部をIPA71重量部に溶解して、反応容器に滴下し、さらに2時間反応を保持した。重合終了後、撹拌を続けながら、25重量%アンモニア水23重量部を反応容器に加え、イオン交換水1260重量部を約1時間かけて反応容器に滴下してエマルジョン化した。エマルジョン化後、ロータリーエバポレーターを用いてIPAを蒸発させ、エマルジョンEm1を得た。エマルジョンEm1の固形分は30重量%であった。エマルジョン合成時の反応性は良好「○」であった。エマルジョンの平均粒子径は68nmであった。エマルジョン中の樹脂のゲル分率は99%以上であった。
[合成例2〜7]
原料を表1に示す原料に変更する以外は合成例1と同様にしてエマルジョンEm2〜Em7を合成した。
原料を表1に示す原料に変更する以外は合成例1と同様にしてエマルジョンEm2〜Em7を合成した。
[合成例8]
撹拌機、温度計、滴下ロート、還流冷却器を備えた2リットルの反応容器に、イオン交換水334重量部と、アニオン乳化剤2.2重量部を仕込み、75℃に昇温した。その後10重量%過硫酸アンモニウム水溶液11重量部を投入し、以下に示すモノマー乳化液を2時間かけて滴下した。
撹拌機、温度計、滴下ロート、還流冷却器を備えた2リットルの反応容器に、イオン交換水334重量部と、アニオン乳化剤2.2重量部を仕込み、75℃に昇温した。その後10重量%過硫酸アンモニウム水溶液11重量部を投入し、以下に示すモノマー乳化液を2時間かけて滴下した。
(モノマー乳化液)
アニオン乳化剤:15重量部
MMA(メタクリル酸メチル):238重量部
BA(アクリル酸ブチル):238重量部
AA(アクリル酸):7重量部
イオン交換水:140重量部
滴下後、モノマー、乳化剤及び水の混合液を、高圧ホモジナイザーを用いて均一に乳化し、モノマー乳化液とした。滴下終了後75℃に保持して1時間熟成反応を行い、60℃に冷却した後、追加触媒として過硫酸アンモニウム0.2重量部を水2重量部に溶解した溶液を投入し、更に約1時間反応させ、エマルジョンEm8を得た。このエマルジョンEm8の固形分は50重量%であった。
アニオン乳化剤:15重量部
MMA(メタクリル酸メチル):238重量部
BA(アクリル酸ブチル):238重量部
AA(アクリル酸):7重量部
イオン交換水:140重量部
滴下後、モノマー、乳化剤及び水の混合液を、高圧ホモジナイザーを用いて均一に乳化し、モノマー乳化液とした。滴下終了後75℃に保持して1時間熟成反応を行い、60℃に冷却した後、追加触媒として過硫酸アンモニウム0.2重量部を水2重量部に溶解した溶液を投入し、更に約1時間反応させ、エマルジョンEm8を得た。このエマルジョンEm8の固形分は50重量%であった。
[合成例9]
原料を表1に示す原料に変更する以外は合成例8と同様にしてエマルジョンEm9を合成した。
原料を表1に示す原料に変更する以外は合成例8と同様にしてエマルジョンEm9を合成した。
[合成例10]
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート、窒素導入管及び温度計を備えた2リットルの反応容器に、IPA708重量部を入れ、撹拌しながらAIBN」2重量部を添加して溶解し、80℃に加温した。共重合成分として、メチルメタクリレート(MMA)150重量部、ジエチルアミノエチルメタクリレート(DEAEMA)112重量部、アクリル酸(AA)37重量部、反応性乳化剤75重量部を混合し、滴下ロートを用いて約4時間かけて反応容器に滴下した。滴下終了後、追加触媒としてAIBN1.5重量部をIPA162重量部に溶解して、反応容器に滴下し、さらに2時間反応を保持した。重合終了後、撹拌を続けながら、88重量%蟻酸4重量部を反応容器に添加し、イオン交換水1747重量部を約1時間かけて反応容器に滴下してエマルジョン化した。エマルジョン化後、ロータリーエバポレーターを用いてIPAを蒸発させ、エマルジョンEm10を得た。このエマルジョンEm10の固形分は23重量%であった。
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート、窒素導入管及び温度計を備えた2リットルの反応容器に、IPA708重量部を入れ、撹拌しながらAIBN」2重量部を添加して溶解し、80℃に加温した。共重合成分として、メチルメタクリレート(MMA)150重量部、ジエチルアミノエチルメタクリレート(DEAEMA)112重量部、アクリル酸(AA)37重量部、反応性乳化剤75重量部を混合し、滴下ロートを用いて約4時間かけて反応容器に滴下した。滴下終了後、追加触媒としてAIBN1.5重量部をIPA162重量部に溶解して、反応容器に滴下し、さらに2時間反応を保持した。重合終了後、撹拌を続けながら、88重量%蟻酸4重量部を反応容器に添加し、イオン交換水1747重量部を約1時間かけて反応容器に滴下してエマルジョン化した。エマルジョン化後、ロータリーエバポレーターを用いてIPAを蒸発させ、エマルジョンEm10を得た。このエマルジョンEm10の固形分は23重量%であった。
合成例の結果を表1に示す。
<実施例1〜11及び比較例1〜4>
[耐熱層用ペーストの作製]
アルミナペーストと合成例で得られた各エマルジョンとを表2に示す割合で混合して、耐熱層用ペーストを作製し、以下の試験に供した。なお、表2の固形分比は重量比であり、エマルジョン中の樹脂とCMCとの比率も示した。また、比較例1では、アルミナペーストをそのまま耐熱層用ペーストとして評価した(ブランク)。また、耐湿性試験では、耐湿性試験において、耐湿性Aでは、製造直後のエマルジョンとアルミナペーストとを混合し、耐湿性Bでは、製造後40℃で1週間静置したエマルジョンとアルミナペーストとを混合して評価した。
[耐熱層用ペーストの作製]
アルミナペーストと合成例で得られた各エマルジョンとを表2に示す割合で混合して、耐熱層用ペーストを作製し、以下の試験に供した。なお、表2の固形分比は重量比であり、エマルジョン中の樹脂とCMCとの比率も示した。また、比較例1では、アルミナペーストをそのまま耐熱層用ペーストとして評価した(ブランク)。また、耐湿性試験では、耐湿性試験において、耐湿性Aでは、製造直後のエマルジョンとアルミナペーストとを混合し、耐湿性Bでは、製造後40℃で1週間静置したエマルジョンとアルミナペーストとを混合して評価した。
[塗工性試験]
ポリエチレン樹脂製多孔質フィルム(膜厚20μm、空孔率50%、透気度300秒/100cc)又はガラス板を、得られた耐熱層用ペーストに1〜2秒浸漬後、引き上げ、液はじきの有無を目視で確認して、以下の基準で塗工性を評価した。
ポリエチレン樹脂製多孔質フィルム(膜厚20μm、空孔率50%、透気度300秒/100cc)又はガラス板を、得られた耐熱層用ペーストに1〜2秒浸漬後、引き上げ、液はじきの有無を目視で確認して、以下の基準で塗工性を評価した。
○:多孔質フィルム及びガラス板ともに液はじきがなく、塗工性良好
×:多孔質フィルム及びガラス板ともに液はじきが有り、塗工性不良。
×:多孔質フィルム及びガラス板ともに液はじきが有り、塗工性不良。
[乾燥塗膜の耐湿性試験]
1)秤量瓶(内径48mm,高さ48mm,容量70mL)を150℃×1.5時間乾燥し、デシケーター中で放冷した。
2)秤量瓶の風袋を精密天秤にて0.1mgまで計量した(W0)。
3)秤量瓶に前記耐熱層用ペーストを約12g秤量した。
4)液状でなくなるまで秤量瓶を熱風乾燥機にて80℃×1〜2時間乾燥した。
5)その後秤量瓶を150℃×1.5時間乾燥させた。
6)秤量瓶をデシケーター中にて放冷し、精密天秤にて重量を測定した(W1)。
7)秤量瓶を恒温恒湿槽にて温度25℃・湿度75%で静置した。
8)24時間後、秤量瓶の重量を測定した(W2)。
9)以下の計算式により吸湿量(%)を求めた。
吸湿量(%)=(W2−W1)/(W1−W0)×100
得られた吸湿量に応じて以下の基準で耐湿性を評価した。
1)秤量瓶(内径48mm,高さ48mm,容量70mL)を150℃×1.5時間乾燥し、デシケーター中で放冷した。
2)秤量瓶の風袋を精密天秤にて0.1mgまで計量した(W0)。
3)秤量瓶に前記耐熱層用ペーストを約12g秤量した。
4)液状でなくなるまで秤量瓶を熱風乾燥機にて80℃×1〜2時間乾燥した。
5)その後秤量瓶を150℃×1.5時間乾燥させた。
6)秤量瓶をデシケーター中にて放冷し、精密天秤にて重量を測定した(W1)。
7)秤量瓶を恒温恒湿槽にて温度25℃・湿度75%で静置した。
8)24時間後、秤量瓶の重量を測定した(W2)。
9)以下の計算式により吸湿量(%)を求めた。
吸湿量(%)=(W2−W1)/(W1−W0)×100
得られた吸湿量に応じて以下の基準で耐湿性を評価した。
○:吸湿量0.35%以下であり、耐湿性良好
△:吸湿量0.35%を超えるが0.40%以下であり、耐湿性やや良好
×:吸湿量0.45を超え、耐湿性不良。
△:吸湿量0.35%を超えるが0.40%以下であり、耐湿性やや良好
×:吸湿量0.45を超え、耐湿性不良。
実施例及び比較例の評価結果を表2に示す。なお、表2中の耐湿性の吸湿量(%)は、24時間後の吸湿量である。
実施例では、塗工性、耐湿性ともに優れているのに対して、比較例1〜3では、塗工性、耐湿性にともに低かった。さらに、比較例4では、アルミナペーストとエマルジョンとを混合すると、凝集した。
本発明の組成物は、無機粒子を増粘分散させるために利用できる。特に、無機粒子を増粘分散させたコーティング剤は、例えば、電池(リチウム電池、リチウム二次電池、燃料電池、アルカリ二次電池、ニッケル水素二次電池、ニッケル−カドミウム電池、鉛蓄電池など)、コンデンサ、キャパシタなどの蓄電素子のセパレータの耐熱層に利用でき、リチウム二次電池などの非水系二次電池用セパレータの耐熱層に好適に利用できる。
Claims (14)
- 無機粒子を増粘分散させるための組成物であって、ケイ素含有ビニル重合体粒子とカルボキシメチル基含有セルロースエーテル又はその塩とを含む組成物。
- ケイ素含有ビニル重合体粒子が、有機溶媒の存在下で溶液重合したアニオン性基を有するケイ素含有ビニル重合体に水を添加してエマルジョン化した粒子である請求項1記載の組成物。
- ケイ素含有ビニル重合体粒子が、さらにカチオン性基を有する請求項1又は2記載の組成物。
- ケイ素含有ビニル重合体粒子の体積平均粒径(D50)が10〜2000nmである請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
- 界面活性剤を含まない請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
- ケイ素含有ビニル重合体粒子が、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル系単量体と、加水分解縮合性シリル基を有する(メタ)アクリル系単量体と、置換アミノ基を有する(メタ)アクリル系単量体と、アルキル基を有する(メタ)アクリル系単量体との共重合体で形成された粒子である請求項1〜5のいずれかに記載の組成物。
- 単量体全体に対して、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル系単量体の割合が2〜15重量%であり、加水分解縮合性シリル基を有する(メタ)アクリル系単量体の割合が1〜20重量%であり、置換アミノ基を有する(メタ)アクリル系単量体の割合が0.1〜10重量%である請求項6記載の組成物。
- ケイ素含有ビニル重合体粒子が、加水分解縮合性シリル基の縮合により架橋している請求項7記載の組成物。
- カルボキシメチル基含有セルロースエーテル又はその塩が、カルボキシメチルセルロース塩である請求項1〜8のいずれかに記載の組成物。
- ケイ素含有ビニル重合体粒子とカルボキシメチル基含有セルロースエーテル又はその塩との重量割合が、前者/後者=100/1〜0.05/1である請求項1〜9のいずれかに記載の組成物。
- 水を含む水性エマルジョンである請求項1〜10のいずれかに記載の組成物。
- 請求項1〜11のいずれかに記載の組成物と無機粒子を含むコーティング剤。
- ケイ素含有ビニル重合体粒子の割合が、無機粒子100重量部に対して1〜30重量部である請求項12記載のコーティング剤。
- 請求項12又は13記載のコーティング剤で形成された耐熱層とポリオレフィンで形成された多孔質層とを含む非水系二次電池用セパレータ。
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-
2015
- 2015-05-15 JP JP2015100531A patent/JP2016216550A/ja active Pending
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