JP2016211885A - 放射性物質の吸着装置、及び該吸着装置の使用方法 - Google Patents

放射性物質の吸着装置、及び該吸着装置の使用方法 Download PDF

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Abstract

【課題】吸着剤に吸着した放射性物質から放射される放射線に作業者が暴露されることを十分に抑制できる、放射性物質の吸着装置を提供する。
【解決手段】放射性物質を吸着する吸着剤10と、吸着剤を内部に封じ込めるように収容する収容容器20とを備え、放射性物質を含む被処理水Aを収容容器内に供給することにより被処理水と吸着剤とを接触させるように構成され、収容容器20は、放射線を遮蔽する材料によって形成され、内側空間を上側と下側とに仕切るように配置された仕切り板23を備え、仕切り板23には、被処理水を通す複数の孔23aが形成され、収容容器20は、仕切り板の下方の空間に供給された被処理水が複数の孔を通り下から上へ移動しつつ、仕切り板23の上側に配置された吸着剤10と接触するように構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、放射性物質の吸着装置、及び該吸着装置の使用方法に関する。
原子力発電所などにおいて核分裂反応によって生じる放射性物質としては、例えば水に溶解しやすい放射性セシウムなどが知られている。このような放射性物質は、水に溶解した状態で被処理水に含まれ、例えば被処理水と吸着剤とを接触させることにより、吸着剤に吸着される。さらに放射性物質は、例えば吸着剤とともに埋め立てられることにより処分される。
従来、放射性物質を吸着剤に吸着させるための放射性物質の吸着装置としては、例えば放射性物質を吸着する吸着剤と、吸着剤を収容する容器とを備えたものが知られている。
この種の放射性物質の吸着装置は、放射性物質を含む被処理水を容器内に供給することにより、被処理水に含まれる放射性物質を容器内の吸着剤に接触させ、放射性物質を吸着剤に吸着させるように構成されている。また、この種の放射性物質の吸着装置は、通常、放射性物質を吸着して破過した吸着剤を作業者が容器内から取り出し、新たな吸着剤を作業者が容器内に入れることにより、繰り返して使用される。
これに対して、例えば、吸着剤を内部に収納する収納容器と、放射線を遮蔽する材料で形成され収納容器を内部に収めるように構成された遮蔽容器とを容器として備えたものが提案されている(特許文献1)。特許文献1に記載された放射性物質の吸着装置によれば、吸着剤が収納された収納容器を遮蔽容器内に収めた状態で、作業者が遮蔽容器を搬送することにより、放射性物質を吸着した吸着剤を保管庫などに搬送することができる。また、特許文献1に記載された放射性物質の吸着装置によれば、放射線を遮蔽する材料で遮蔽容器が形成されていることから、吸着剤に吸着された放射性物質から放射される放射線が、装置外へ漏れることを幾分抑えることができる。
しかしながら、特許文献1に記載された放射性物質の吸着装置では、遮蔽容器の上部が放射線を遮蔽する材料で形成されていないことから、放射線が装置外へ漏れることを必ずしも十分に抑えることができない。また、吸着剤を収納する収納容器が放射線を遮蔽する材料で形成されていないため、収納容器の交換作業や吸着剤の交換作業において、放射線が吸着装置外へ漏れるおそれがある。多量の放射線が装置外へ漏れると、作業者が有害な放射線に暴露されるため、作業者が吸着装置を取り扱うことが困難となる。
特開2014−137246号公報
本発明は、上記のことなどを考慮し、吸着剤に吸着した放射性物質から放射される放射線に作業者が暴露されることを十分に抑制できる、放射性物質の吸着装置を提供することを課題とする。また、本発明は、斯かる吸着装置の使用方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決すべく、本発明に係る放射性物質の吸着装置は、放射性物質を吸着する吸着剤と、吸着剤を内部に封じ込めるように収容する収容容器とを備え、
放射性物質を含む被処理水を収容容器内に供給することにより被処理水と吸着剤とを接触させるように構成され、
収容容器は、放射線を遮蔽する材料によって形成され、内側空間を上側と下側とに仕切るように配置された仕切り板を備え、仕切り板には、被処理水を通す複数の孔が形成され、
収容容器は、仕切り板の下方の空間に供給された被処理水が複数の孔を通り下から上へ移動しつつ、仕切り板の上側に配置された吸着剤と接触するように構成されている。
上記構成からなる放射性物質の吸着装置によれば、収容容器が、放射線を遮蔽する材料によって吸着剤を封じ込めるように形成されているため、吸着剤に吸着した放射性物質からの放射線が収容容器外へ漏れることを十分に抑制できる。従って、吸着剤に吸着した放射性物質から放射される放射線に作業者が暴露されることを十分に抑制できる。
また、前記放射性物質の吸着装置においては、仕切り板の下方の空間に被処理水がいったん供給されてから、被処理水が仕切り板の上方の吸着剤と接触することとなる。そして、被処理水の供給力を調整することにより、供給された被処理水をより十分に吸着剤と接触させることができる。従って、被処理水中の放射性物質をより十分に吸着剤に吸着させることができる。
本発明の放射性物質の吸着装置においては、収容容器は、上方に向けて開口した容器本体と、開口を閉塞する蓋体とを有し、蓋体が容器本体から取り外し可能に構成されていることが好ましい。
斯かる構成により、吸着剤を収容容器の容器本体内に収容すること、及び、いったん収容した吸着剤を容器本体から取り出すことが容易にできる。
本発明の放射性物質の吸着装置は、ドラム缶をさらに備え、収容容器は、ドラム缶の内部に閉じ込められるように形成されていることが好ましい。
斯かる構成により、放射性物質が吸着した吸着剤を収容した収容容器をドラム缶内に閉じ込めることができる。ドラム缶は、比較的移動させやすい所定形状であることから、ドラム缶内に収容容器を閉じ込めた状態の吸着装置を、比較的容易に移動させることができる。また、ドラム缶は、比較的安定な形状であることから、移動先では、ドラム缶内に収容容器を閉じ込めた状態の吸着装置を安定に保管することができる。
本発明の放射性物質の吸着装置の使用方法は、上記吸着装置に上記被処理水を供給することにより、上記吸着装置における吸着剤と、放射性物質を含む被処理水とを接触させ、放射性物質を吸着剤に吸着させることを特徴とする。
上述の通り、本発明の放射性物質の吸着装置、及び、吸着装置の使用方法は、吸着剤に吸着した放射性物質から放射される放射線に作業者が暴露されることを十分に抑制できるという効果を奏する。
放射性物質の吸着装置の一実施形態を表した模式図。 図1の一部を拡大した図。 放射性物質の吸着装置にて、放射性物質を吸着剤に吸着させているときの様子を表した模式図。 放射性物質の吸着装置にて、ドラム缶内に収容容器を閉じ込めたときの様子を表した模式図。 放射性物質の吸着装置の使用方法の一実施形態において用いる複数の吸着装置を表した模式図。
以下、本発明に係る放射性物質の吸着装置の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
本実施形態の放射性物質の吸着装置1は、図1に示すように、放射性物質を吸着する吸着剤10と、吸着剤10を内部に収容する収容容器20とを備え、放射性物質を含む被処理水Aを収容容器20内に供給することにより被処理水Aと吸着剤10とを接触させるように構成されている。
詳しくは、前記吸着装置1は、図1に示すように、上記の吸着剤10と、放射線を遮蔽する材料によって吸着剤10を封じ込めるように形成された収容容器20と、収容容器20に被処理水Aを供給する外部供給路30と、放射性物質が吸着剤10に吸着することにより生じ収容容器20から排出された浄化水Zを装置外へ排出する外部排出路40と、被処理水Aの放射線量及び浄化水Zの放射線量を測定する放射線測定部60と、収容容器20を内部に閉じ込めるためのドラム缶50とを備える。
前記吸着装置1は、放射性物質を含む被処理水Aを外部供給路30によって収容容器20へ供給し、被処理水Aを収容容器20内の吸着剤10に接触させ、放射性物質の少なくとも一部を吸着剤10に吸着させるように構成されている。また、前記吸着装置1は、被処理水Aの放射線量及び浄化水Zの放射線量を放射線測定部60によって測定しつつ、収容容器20から排出された浄化水Zを外部排出路40によって装置外へ排出するように構成されている。また、前記吸着装置1は、ドラム缶50内に収容容器20を閉じ込めることができるように構成されている。
前記放射性物質は、放射能を持つ物質である。即ち、放射性物質は、放射線を出す物質である。
前記放射性物質は、例えば、原子力発電所における核分裂反応によって生じる。
前記放射性物質としては、放射性水素、放射性炭素、放射性ヨウ素、放射性プルトニウム、放射性セシウム等が挙げられる。
前記放射性物質は、通常、水に十分に溶解する放射性セシウムである。
前記放射性セシウムとしては、セシウム134(134Cs)、セシウム137(137Cs)などが挙げられる。これらの放射性セシウムは、例えば、原子力発電所において核分裂によって発生し得る。
前記被処理水Aは、例えば、放射性セシウムを放射性物質として含む。前記被処理水Aは、例えば、放射性セシウムを含む焼却灰と水とを混合し、放射性セシウムを水に溶解させることによって生じ得る。前記被処理水Aの放射線量は、通常、10〜5000 Bq/Lである。
前記吸着剤10は、放射性物質を吸着するものである。前記吸着剤10は、通常、粒状である。前記吸着剤10は、少なくともセシウムイオンを吸着するものであることが好ましい。
前記吸着剤10としては、例えば、ゼオライト等の無機吸着剤、陽イオンを吸着するイオン交換樹脂、又は、フェロシアン化コバルト、フェロシアン化銅、若しくはフェロシアン化第二鉄などのフェロシアン化金属化合物などが採用される。
前記吸着剤10としては、比較的安価でありながら、セシウムの吸着性能に優れるという点で、ゼオライトが好ましい。
前記浄化水Zは、被処理水Aに含まれる放射性物質が吸着剤10に吸着されることにより生じた、被処理水Aよりも放射性線量が少ないものである。
本実施形態の吸着装置1においては、前記収容容器20は、放射線を遮蔽する材料によって吸着剤10を封じ込めるように形成されている。前記収容容器20は、図1に示すように、上方に向けて開口した容器本体21と、容器本体21の開口を閉塞する蓋体22とを有し、蓋体22が容器本体21から取り外し可能に構成されている。
前記収容容器20は、蓋体22が容器本体21の開口を閉塞した状態にて、吸着剤10を内部に封じ込め、吸着剤10に吸着された放射性物質からの放射線を遮蔽するように形成されている。詳しくは、前記収容容器20は、放射線を遮蔽する所定の厚みの板材によって吸着剤10をいずれの方向からも取り囲むように、中空円柱状に形成されている。
放射線を遮蔽する材料は、鉛、バリウム、鉄、タングステン、及び、コンクリートからなる群より選択される少なくとも1種を含む材料である。
なお、前記収容容器20を中空円柱状(円筒状)に形成する所定厚みの板材は、ステンレスなどで形成された耐食層を表面側に備えても良い。例えば、本実施形態において、板材は、板状の鉛と、外表面側に配置されステンレス(SUS316)で形成された耐食層とを備える。斯かる構成の板材によって、収容容器20が水や酸等によって腐食することを抑制できる。なお、耐食層は、板材が被処理水Aと接する内表面側のみに配置され得る。
前記容器本体21は、上方に向けて開口した中空円柱状(円筒状)である。前記容器本体21を形成する板材(放射線を遮蔽する材料)の厚みは、通常、15mm〜280mmである。
前記蓋体22は、容器本体21を閉塞できる円盤状である。また、前記蓋体22は、放射線を遮蔽する材料によって形成され、通常、15mm〜280mmの厚み、好ましくは100mm以下の厚みを有する。
前記蓋体22には、被処理水Aを容器本体21内に供給する供給経路24(後述)が厚み方向に貫通するための供給用貫通孔が形成されている。また、前記蓋体22には、浄化水Zを容器本体21内から排出する排出経路25(後述)が厚み方向に貫通するための排出用貫通孔が形成されている。
前記収容容器20は、蓋体22の外周部分と、容器本体21の開口周縁を形成している部分とを、ボルト及びパッキンによって接合することにより、容器本体21の開口を蓋体22で閉塞するように構成されている。
前記収容容器20は、下部の内側空間に被処理水Aを供給し、被処理水Aの供給力によって被処理水Aを下から上に移動させつつ、被処理水Aを吸着剤10に接触させるように構成されている。
詳しくは、前記収容容器20は、内側空間を上側と下側とに仕切るように配置された仕切り板23と、供給された被処理水Aを仕切り板23の下方の空間に送る供給経路24と、浄化水Zを収容容器20外へ排出する排出経路25とを備える。仕切り板23には、被処理水Aを通す複数の孔23aが形成されている。
そして、前記収容容器20は、供給経路24によって仕切り板23の下方の空間に供給された被処理水Aが、仕切り板23の複数の孔23aを通り下から上へ移動しつつ、仕切り板23の上側に配置された吸着剤10と接触するように構成されている。また、前記収容容器20は、被処理水Aを吸着剤10に含浸させつつ蓋体22の内表面に達するまで移動させるように構成されている。また、前記収容容器20は、放射性物質を吸着剤10に吸着させることによって浄化水Zを生じさせ、浄化水Zを排出経路25を通して排出するように構成されている。
前記仕切り板23の複数の孔23aは、仕切り板23を厚み方向にそれぞれ貫通するように、仕切り板23の全体にわたって形成されている。また、前記仕切り板23の複数の孔23aの大きさは、粒状の吸着剤10が通らず被処理水Aが通る大きさである。
前記仕切り板23は、横方向の端部が容器本体21の内表面に接合されることにより、容器本体21内にて固定されている。前記仕切り板23は、通常、樹脂材料又は金属材料で形成されている。
前記仕切り板23の上方には、吸着剤10が配置され、仕切り板23の下方には、容器本体21の下部の内表面及び仕切り板23の下側面によって、空間が形成されている。
前記供給経路24は、仕切り板23の下方に被処理水Aを供給する供給管を有する。供給管は、例えば金属製又は樹脂製である。
前記供給管は、例えば図1に示すように、上下方向に配置され、上端部の開口が上を向くように配置され、下端部の開口が下を向くように配置されている。
前記供給管の上端は、ドラム缶50の胴体51の上側の開口を天板52で塞いだ状態では、ドラム缶50の天板52よりも下方に配置される(図1の左側の破線円内における点線部分)。前記供給管の下端は、仕切り板23よりも下に配置されている。なお、供給経路24の供給管は、上述した供給用貫通孔を通り、蓋体22を厚み方向に貫通している。
前記供給経路24は、上記の供給管によって、容器本体21内における仕切り板23よりも下側の空間に被処理水Aを供給するように構成されている。
前記排出経路25は、収容容器20から浄化水Zを排出する排出管を有する。排出管は、適宜、最適な材料によって形成され、例えば金属製又は樹脂製である。
前記排出管は、例えば図1に示すように、上下方向に配置され、上述した排出用貫通孔を通り、蓋体22を厚み方向に貫通している。
前記排出管の上端は、ドラム缶50の胴体51の上側の開口を天板52で塞いだ状態では、ドラム缶50の天板52よりも下方に配置される(図1の右側の点線円内における点線部分)。前記排出管の下端は、蓋体22の内表面と面一になるように配置されている。なお、吸着剤10が収容容器20外へ出ることを防止する流出防止部材(例えば、金属製メッシュ、焼結体で構成された板材など)が、収容容器20の蓋体22の内表面に沿って、排出経路25(排出管)の下端の開口を覆うように配置されている。
前記排出経路25は、上記排出管の下端の高さまで上がってきた浄化水Zが、上記の排出管を経て収容容器20外へ排出されるように構成されている。
前記ドラム缶50は、日本工業規格のJIS Z1600又はZ1601のいずれかに適合するものである。前記ドラム缶50は、通常、200Lの内容量を有する。
前記ドラム缶50は、筒状の胴体51と、胴体51の上側の開口を覆う天板52と、胴体51の下側の開口を覆う地板53とを有する。
前記ドラム缶50は、天板52が胴体51から取外し可能に構成されている。前記ドラム缶50は、天板52を取り外した状態で、胴体51の上側の開口を経て収容容器20を胴体51の内側空間に入れることができるように構成されている。前記ドラム缶50は、収容容器20を胴体51の内側空間に入れた状態で、胴体51の上側の開口を天板52で塞ぐことができるように構成されている。
前記ドラム缶50は、胴体51の内側面と収容容器20の容器本体21の外側面とが接し、且つ、地板53の内表面と収容容器20の容器本体21の底部外表面とが接した状態で、収容容器20を内部に収容して閉じ込めるように構成されている。また、前記ドラム缶50は、収容した収容容器20を内部で固定し、収容容器20の移動を規制するように構成されている。
本実施形態の吸着装置1は、図1に示すように、収容容器20の容器本体21の開口が蓋体22で閉塞された状態、即ち、収容容器20内に吸着剤10を封じ込めて収容した状態にて、外部供給路30を経た被処理水Aを収容容器20へ供給しつつ被処理水Aの放射線量を放射線測定部60によって測定するように構成されている。本実施形態の吸着装置1は、収容容器20から排出された浄化水Zを外部排出路40に通して排出しつつ浄化水Zの放射線量を放射線測定部60によって測定するように構成されている。また、本実施形態の吸着装置1は、ドラム缶50の胴体51と地板53とで区画された内側空間内に収容容器20を収めた状態で、上記のごとく被処理水Aと吸着剤10とを接触させて浄化水Zを生じさせ、収容容器20から浄化水Zを排出するように構成されている。
前記外部供給路30は、例えば図1に示すように、金属製又は樹脂製の外部供給管31と、外部供給管31の被処理水供給側の端部に取り付けられた金属製の連結器(カプラ)32とを有する。外部供給路30の被処理水A供給先側の端部は、外部供給管31で形成され、開口が下を向くように配置されている。外部供給管30の下端部は、例えば図示しないカプラによって、収容容器20の供給経路24の上端部につながっている。
前記外部供給路30は、外部供給管31の被処理水A供給先側の端部にて、収容容器20の供給経路24の上端部と結合可能に構成されている。そして、前記外部供給路30は、外部供給管31が供給経路24と結合した状態で、被処理水Aを収容容器20へ供給するように構成されている。
さらに、前記外部供給路30は、収容容器20の供給経路24と結合した結合部分(図2において矢印で示す)にて、収容容器20の供給経路24から取り外せるように構成されている。
詳しくは、図2に示すように、供給経路24は、収容容器20の蓋体22を厚み方向に貫通する短管24aを上部に有し、パッキンを介したフランジ結合によって短管24aを外部供給路30と結合するように構成されている。斯かる短管24aは、蓋体22を貫通しつつ蓋体22に溶接されている。
前記外部排出路40は、例えば図1に示すように、金属製又は樹脂製の外部排出管41と、外部排出管41の浄化水排出先側の端部に取り付けられた金属製の連結器(カプラ)42とを有する。外部排出路40の浄化水排出元側の端部は、外部排出管41で形成され、開口が下を向くように配置されている。外部排出管41の下端部は、例えば図示しないカプラによって、収容容器20の排出経路25の上端部につながっている。
前記外部排出路40は、外部排出管41の浄化水排出元側の端部にて、収容容器20の排出経路25の上端部と結合可能に構成されている。そして、前記外部排出路40は、外部排出管41が収容容器20の排出経路25と結合した状態で、浄化水Zを装置外へ排出するように構成されている。
さらに、前記外部排出路40は、収容容器20の排出経路25と結合した結合部分にて、収容容器20の排出経路25から取り外せるように構成されている。
なお、外部排出路40と収容容器20の排出経路25との結合部分は、例えば、上述した外部供給路30と収容容器20の供給経路24との結合部分と同様に構成されている。
前記放射線測定部60は、被処理水Aの放射線量を測定する第一測定器61と、浄化水Zの放射線量を測定する第二測定器62とを有する。
第一測定器61は、外部供給路30の途中に取り付けられ、外部供給路30内を通る被処理水Aの放射線量を測定するように構成されている。一方、第二測定器62は、外部排出路40の途中に取り付けられ、外部排出路40内を通る浄化水Zの放射線量を測定するように構成されている。各測定器61、62は、外部供給路30及び外部排出路40からそれぞれ取り外し可能に構成されている。
前記放射線測定部60の各測定器61、62は、それぞれの放射性物質に特有の放射線エネルギー量を量るように構成されている。例えば、各測定器61、62は、各放射性物質(例えば放射性セシウム)に特有のγ線エネルギーを特定し、そのγ線エネルギー量を測定するように構成されている。なお、各測定器61、62が測定するエネルギー量は、γ線エネルギー量に限定されず、β線エネルギー量であっても良い。
前記第一測定器61及び第二測定器62としては、一般的なものを用いることができる。各測定器61、62としては、具体的には例えば、ガイガーミュラー計数管(GM管)を備えたもの、シンチレータを備えたNaI(TI)シンチレーション検出器などを用いることができる。
各測定器61、62を用いた測定結果は、例えば、マイクロシーベルト(単位:μSv/hr)で表される。具体的には、被処理水Aや浄化水Zにおける放射性セシウムの量は、例えば、μSv/hrの単位で表される。なお、放射線量(単位:μSv/hr)を測定し、この測定値を基にして、放射能量ベクレル(単位:Bq/kg)を求めることもできる。
本実施形態の吸着装置1は、収容容器20の供給経路24にいったん取り付けた外部供給路30と、収容容器20の排出経路25にいったん取り付けた外部排出路40と、各測定器61、62とを取り外すことによって、ドラム缶50の胴体51と地板53とで区画された内側空間内に収容容器20を収めることができるように構成されている。さらに、本実施形態の吸着装置1は、ドラム缶50の胴体51の上側の開口を天板52で塞ぐことによって、収容容器20をドラム缶50内に閉じ込めることができるように構成されている。
詳しくは、本実施形態の吸着装置1は、図3に示すように、ドラム缶50の胴体51と地板53とで区画された内側空間内に収容容器20を収め天板52を取り外した状態であって、外部供給路30と外部排出路40とを収容容器20に取り付けた状態で、吸着剤10に放射性物質を吸着させるように構成されている。また、本実施形態の吸着装置1は、図4に示すように、収容容器20にいったん取り付けた外部供給路30と外部排出路40とを取り外しドラム缶50の胴体51の上側の開口を天板52で塞ぐことによって、収容容器20をドラム缶50内に閉じ込めることができるように構成されている。
上記のように構成された本実施形態の吸着装置1は、収容容器20が、放射線を遮蔽する材料によって吸着剤10を封じ込めるように形成されているため、吸着剤10に吸着した放射性物質からの放射線が収容容器20外へ漏れることを十分に抑制できる。従って、放射性物質を吸着剤10に吸着させたあとに、吸着装置1を取り扱う作業者が放射線に暴露されることを十分に抑制できる。なお、放射線を遮蔽する材料として鉛が利用される場合は、コンクリートが利用される場合に比べ、収容容器20を形成する板材の厚みを薄くできる。従って、収容容器20の大きさをより小さくでき、収容容器20を軽量化することができる。従って、鉛を利用して形成された収容容器20を備えた吸着装置1は、可搬性に適している。
本実施形態の吸着装置1においては、上述したように、収容容器20は、内側空間を上側と下側とに仕切るように配置された仕切り板23を備え、仕切り板23には、被処理水Aを通す複数の孔23aが形成されている。また、収容容器20は、仕切り板23の下方の空間に供給された被処理水Aが複数の孔23aを通り下から上へ移動しつつ、仕切り板23の上側に配置された吸着剤10と接触するように構成されている。
斯かる構成により、仕切り板23の下方の空間に被処理水Aがいったん供給されてから、被処理水Aが仕切り板23の上方の吸着剤10と接触することとなる。そして、被処理水の供給力を調整することにより、供給された被処理水Aをより十分に吸着剤10と接触させることができる。従って、被処理水A中の放射性物質をより十分に吸着剤10に吸着させることができる。
本実施形態の吸着装置1においては、上述したように、収容容器20は、上方に向けて開口した容器本体21と、開口を閉塞する蓋体22とを有し、蓋体22が容器本体21から取り外し可能に構成されている。
斯かる構成により、吸着剤10を収容容器20の容器本体21内に収容すること、及び、いったん収容した吸着剤10を容器本体21から取り出すことが、容易にできる。
本実施形態の吸着装置1は、上述したように、ドラム缶50をさらに備える。また、収容容器20は、ドラム缶50の内部に閉じ込められるように形成されている。
斯かる構成により、放射性物質が吸着した吸着剤10を収容した収容容器20をドラム缶50内に閉じ込めることができる。ドラム缶50は、比較的移動させやすい所定形状であることから、ドラム缶50内に収容容器20を閉じ込めた状態の吸着装置1を、比較的容易に移動させることができる。また、ドラム缶50は、比較的安定な形状であることから、移動先では、ドラム缶50内に収容容器20を閉じ込めた状態の吸着装置1を安定に保管することができる。
本実施形態の吸着装置1は、そのまま吸着剤10を保管するための容器となる。従って、破過した吸着剤10を収容容器20内から作業者が取り出す必要がない。また、本実施形態の吸着装置1では、最も外側にドラム缶50が配置されているため、作業者は、従来のドラム缶50と同様に、上記の吸着装置1を取り扱うことができる。なお、放射性物質を輸送させるための一般的に流通している容器がドラム缶であることから、作業者は、上記の吸着装置1を、放射性物質を輸送させるための一般的な容器として取り扱うことができる。
次に、本発明に係る放射性物質の吸着装置の使用方法の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
本実施形態の放射性物質の吸着装置の使用方法は、上記吸着装置1に上記被処理水Aを供給することにより、上記の吸着装置1の吸着剤10と、放射性物質を含む被処理水Aとを接触させ、放射性物質を吸着剤10に吸着させるものである。
本実施形態の使用方法(以下、単に使用方法ともいう)では、例えば図5に示すように、複数の吸着装置を用いて被処理水A中の放射性物質を吸着剤10に吸着させる。
詳しくは、前記使用方法は、被処理水Aの上流側の吸着装置1にて生じた浄化水Zを下流側の吸着装置1の吸着剤10に接触させるように複数の吸着装置を直列的に配列する配列工程と、
放射線を遮断する材料によって形成された上記の収容容器20内に被処理水Aを供給することによって、吸着剤10と被処理水Aとを接触させ、放射性セシウムなどの放射性物質を吸着剤10に吸着させる吸着工程と、
被処理水Aの放射線量、及び、吸着工程によって放射性物質が吸着剤10に吸着した後に生じる浄化水Zの放射線量の少なくともいずれか一方を測定する放射線測定工程と、
放射線測定工程にて浄化水Zの放射線量が所定量を超えたときに吸着工程を止める停止工程と、
停止工程後に最も上流側の吸着装置の収容容器20内に水を送ることによって収容容器20内の残留水を置換する置換工程と、
収容容器20から外部供給路30及び外部排出路40を取り外し、最も上流側の吸着装置を複数の吸着装置の配列から外す取り外し工程と、
取り外し工程後の収容容器20を逆さまに配置して収容容器20内の水を抜く水抜き工程と、
水抜き工程の後の収容容器20をドラム缶50の中に閉じ込める閉じ込め工程と、
ドラム缶50内に収容容器20を閉じ込めた吸着装置1を移動させる移動工程とを備える。
前記配列工程では、例えば図5に示すように、複数の吸着装置1,1を、供給する被処理水Aの上流側と下流側とで互いに隣り合うように配列する。
前記配列工程を備えた前記使用方法では、複数の吸着装置のうち最も上流側の吸着装置1の吸着剤10が最も早く破過する。
前記吸着工程では、上記の収容容器20の容器本体21の開口が蓋体22によって閉塞された状態で、上記の供給経路24によって収容容器20の下部へ被処理水Aを供給する。即ち、収容容器20内の仕切り板23の下方の空間に被処理水Aを供給する。
前記吸着工程では、ドラム缶50の胴体51の下側の開口を地板53で塞ぎ胴体51の上側の開口を開放し、収容容器20をドラム缶50の胴体51内に入れた状態で、被処理水Aを収容容器20内に供給する。吸着工程では、外部供給路30と収容容器20の供給経路24とをつなげた状態で、外部供給路30を通った被処理水Aを供給経路24に送り、供給経路24の下端部から収容容器20内の下部の空間へ被処理水Aを供給する。
前記吸着工程では、被処理水Aの供給力(供給する被処理水Aの水圧)によって、収容容器20内にて被処理水Aを下から上へ移動させつつ、被処理水Aを吸着剤10に接触させる。
前記吸着工程では、放射性物質の少なくとも一部を吸着剤10に吸着させることによって、被処理水Aよりも放射性物質の含有量が減った浄化水Zを得る。そして、収容容器20の上部から上記の排出経路25を経て浄化水Zが排出される。吸着工程では、排出経路25と外部排出路40とをつなげた状態で、排出経路25を経た浄化水Zを外部排出路40に送り、浄化水Zを収容容器20から排出する。
前記吸着工程は、吸着剤10が破過するまで、又は、吸着剤10が飽和吸着量まで放射性物質を吸着する(被処理水Aの放射線量と浄化水Bの放射線量とが同じになる)まで行う。なお、吸着剤10が破過したことは、放射線測定工程の結果に基づいて決定することができる。
なお、破過とは、吸着剤10の吸着能が少なくなった状態のことである。詳しくは、破過とは、浄化水Zの放射線量が、許容される放射線量を上回った状態のことである。吸着剤10が破過したことは、各測定器61、62によって測定される放射線量の経時変化を比較すること、又は、吸着剤10が破過するときの浄化水Zの放射線量を予め決めておくこと、などによって決定することができる。
本実施形態においては被処理水Aを上向流で供給し、吸着剤10の上部側から放射線量を測定する構成としているため、被処理水中の放射性物質が吸着剤10の下部側から上部側に徐々に吸着されることで、吸着剤10上部側における測定値が徐々に上昇する。この測定値の経時変化を測定することで吸着剤10がどの程度放射性物質を吸着しているか予測することができる。
前記放射線測定工程での放射線測定は、通常、吸着工程を行いつつ行う。放射線測定工程での放射線測定は、吸着工程を行いつつ、連続して、又は時間間隔を空けて行うことができる。
前記放射線測定工程は、少なくとも、浄化水Zの放射線量を上記の第二測定器62によって測定することによって行うことが好ましい。放射線測定工程では、最も上流側の吸着装置1の収容容器20から排出された浄化水Zの放射線量を経時的に測定し、斯かる浄化水Zの放射線量が、許容される放射線量を上回ったときに、吸着剤10が破過したと判断することができる。又は、放射線測定工程では、第一測定器61によって被処理水Aの放射線量も測定しつつ、収容容器20に供給される被処理水Aの放射線量と、収容容器20から排出される浄化水Zの放射線量とが同じになったときに、吸着剤10が飽和吸着量まで放射性物質を吸着したと判断することができる。
前記停止工程は、収容容器20への被処理水Aの供給を止めることによって行う。停止工程は、例えば、吸着剤10が破過したと判断されたとき、又は、放射線測定工程によって最も上流側の吸着装置1の吸着剤10が飽和吸着量まで放射性物質を吸着したと判断されたときに、行うことができる。
前記置換工程は、浄化水Zよりも放射線量が少ない水(例えば水道水)を外部供給路30を経由させて収容容器20内に送ることによって行う。前記置換工程では、収容容器20内に送られた水によって、収容容器20内に残留した残留水が外部排出路40を経て収容容器20から排出される。これにより、収容容器20内の残留水が浄化水Zよりも放射線量が少ない水で置換される。
前記置換工程は、被処理水Aが、放射性物質(例えば放射性セシウム)を含む焼却灰(特に飛灰)を洗浄した後の排水である場合に、行うことが好ましい。被処理水Aが斯かる排水である場合には、停止工程後の収容容器20内において、特に多くの放射性物質(放射性セシウムなどの塩分)が含まれるため、金属製の収容容器20の内表面が腐食されやすくなる。置換工程を行うことにより、このような腐食を抑制できる。
前記取り外し工程は、配列工程にて配列された複数の吸着装置のうち最も上流側の吸着装置を配列から外すこと、供給経路24の上部に取り付けてあった外部供給路30を取り外すこと、及び、排出経路25の上部に取り付けてあった外部排出路40を取り外すこと、によって行う。
具体的には、前記取り外し工程では、まず、最も上流側の吸着装置を配列から外す。次に、配列に残った吸着装置によって被処理水A中の放射性物質を吸着させるように、残った吸着装置を再び配列する。続いて、配列から外した吸着装置において、ドラム缶50の胴体51の上端よりも上方に突き出るように配置された外部供給路30を、収容容器20の供給経路24との結合部分から外す。同様に、外部排出路40を収容容器20の排出経路25との結合部分から外す。これにより、収容容器20の最上端は、ドラム缶50の胴体51に天板52が取り付けられたときに、天板52の内表面よりも下方に配置されることとなる。
前記水抜き工程では、上述のごとく外部供給路30及び外部排出路40を取り外した収容容器20を、ドラム缶50の胴体51及び地板53の内側空間に収めたまま、逆転(上下を逆転)させる。そして、水抜き工程では、逆転後、吸着剤10が収容容器20外へ出ることを排出経路25の下端に配置された(収容容器20の内表面に沿って配置された)上述の流出防止部材によって防止しつつ、収容容器20内に残った水を排出経路25へ送って、収容容器20外へ出す。
前記閉じ込め工程は、通常、複数の吸着装置のうち最も上流側に配列された吸着装置1であって最も早く破過した吸着剤10を備えた吸着装置1、又は、複数の吸着装置のうち最も上流側に配列された吸着装置1であって最も早く飽和吸着量に達した吸着剤10を備えた吸着装置1に対して行う。
前記閉じ込め工程では、ドラム缶50の天板52でドラム缶50の胴体51の上側の開口を塞ぐことにより、収容容器20をドラム缶50の中に閉じ込める。
前記閉じ込め工程では、ドラム缶50の天板52でドラム缶50の胴体51の上側の開口を塞ぐ。これにより、放射性物質を吸着した吸着剤10を内部に収容した収容容器20を、ドラム缶50内に閉じ込める。
前記閉じ込め工程では、取り外し工程によって既に外部供給路30と外部排出路40とが収容容器20から外されていることから、単に天板52でドラム缶50の胴体51の上側の開口を塞ぐことにより、収容容器20をドラム缶50内に閉じ込めることができる。
なお、前記閉じ込め工程では、天板52で胴体51の上側の開口を塞ぐ前に、供給経路24及び排出経路25それぞれの上部開口に遮断部材を詰めることができる。遮蔽部材を開口に詰めることで、後述する移動工程やその後の保管時において、放射線が収容容器20外へ漏洩することを防止できる。
前記移動工程は、閉じ込め工程を行った後の吸着装置1に対して行う。
前記移動工程では、例えば、吸着剤10に放射性物質を吸着させた場所から別の場所へ、前記吸着装置1を移動させる。前記移動工程では、作業者の力によって、又は、一般的な運搬機によって、吸着装置1を移動させる。前記移動工程では、例えば、放射性物質の保管場所へ吸着装置1を移動させる。
上記実施形態の使用方法では、複数の吸着装置のうち最も上流側に配列された吸着装置1において、吸着剤10が最も早く破過する、又は、吸着剤10が飽和吸着量まで放射性物質を吸着する。従って、複数の吸着装置のうち、最も上流側に配列された吸着装置1に対して取り外し工程及び移動工程を行う。最も上流側に配列された吸着装置1を配列から外すことにより、上流側から2番目に配列されていた吸着装置1が最も上流側に配列された吸着装置1となる。従って、最も上流側に配列された吸着装置1を新たな吸着装置1に入れ替える操作をしなくとも、放射性物質の吸着を再び開始することができる。これにより、放射性物質を吸着剤10に吸着させる操作の中断時間を比較的短くすることができる。
上記実施形態の使用方法では、内部に吸着剤10を収容した収容容器20が放射線を遮蔽する材料で形成されているため、作業者が放射線に曝されることを抑制しつつ、放射性物質を吸着した吸着剤10を収容容器20から出さずに、吸着装置1を移送することができる。特に、吸着剤10が放射性物質を吸着した後においては、吸着剤10が高濃度の放射性物質を蓄積しているため、作業者が放射線に暴露されるおそれがある。しかしながら、上記実施形態の使用方法では、放射線を遮蔽する材料で形成された収容容器20を用いることにより、作業者が放射線に暴露されることを抑制できる。
上記実施形態の使用方法では、水抜き工程を行うことにより、収容容器20内部の水を排出させることができる。詳しくは、上述したように、排出経路25の下端が蓋体22の内表面と面一となるように配置されていることから、水抜き工程にて収容容器20の上下を逆転させると、排出経路25の下端(逆転後では上端)の位置が蓋体22の内表面の最も低い位置とほぼ同じとなる。これにより、収容容器20に残った水は、収容容器20外へ出る。従って、水抜き工程によって、収容容器20内に残存する水に起因する問題を防止することができる。具体的には、金属製の収容容器20の内表面が水によって腐食することを防止することができる。
なお、収容容器20は、上述したように、仕切り板23によって内側空間を上側と下側とに区分けするように構成され、内側空間の上側に吸着剤10を収容するように構成されている。従って、仮に、水抜き工程によって収容容器20内の水が完全に排出されなくても、収容容器20の上下を元に戻すと、残存する水が内側空間の下側に溜まる。従って、吸着剤10が水に浸漬された状態となることを防止することができる。
上記実施形態の使用方法では、内部にて吸着剤10が収容された収容容器20を放射性物質の吸着のために利用するだけでなく、収容容器20を備えた吸着装置1を放射性物質の保管のためにそのまま利用して、保管場所で保管することができる。従って、放射性物質を吸着した吸着剤10を作業者が収容容器20から取り出して別容器に入れ替える必要がない。しかも、作業者が保管作業をしているときに放射線に暴露されることも抑制できる。
本実施形態の放射性物質の吸着装置、及び、該吸着装置の使用方法は、上記例示の通りであるが、本発明は、上記例示の放射性物質の吸着装置、及び、該吸着装置の使用方法に限定されるものではない。
また、一般の放射性物質の吸着装置、及び、該吸着装置の使用方法において用いられる種々の態様を、本発明の効果を損ねない範囲において、採用することができる。
例えば、上記の実施形態においては、収容容器20の排出経路25の下端が、蓋体22の内表面と面一になるように配置されていたが、本発明では、排出経路25の下端は、蓋体22の内表面よりも内方に突出していても良い。
また、上記の実施形態の使用方法は、収容容器20の上下を逆転させる水抜き工程を備えていたが、本発明の使用方法では、水抜き工程を行う代わりに、ポンプ等を利用して供給部24から収容容器20内の残留水を引き抜いても良い。なお、本発明の使用方法では、水抜き工程の後、乾燥した空気を収容容器20内に供給して、吸着剤10を乾燥させても良い。
また、上記の実施形態の使用方法は、前記水抜き工程を備えていたが、本発明の使用方法では、水抜き工程が必須ではなく、水抜き工程を行わなくてもよい。
本発明の放射性物質の吸着装置及び吸着装置の使用方法は、例えば、焼却灰などから溶出した放射性セシウムなどの放射性物質を吸着剤に吸着させ、吸着剤が破過したあとの吸着装置を取り扱うために、好適に利用される。
また、本発明の放射性物質の吸着装置及び吸着装置の使用方法は、例えば、吸着剤が破過したあとの吸着装置を保管場所で保管するために、好適に利用される。
1:放射性物質の吸着装置、
10:吸着剤、
20:収容容器、
21:容器本体、 22:蓋体、 23:仕切り板、 23a:孔、
24:供給経路、 25:排出経路、
30:外部供給路、 31:外部供給管、
40:外部排出路、 41:外部排出管、
50:ドラム缶、 51:胴体、 52:天板、 53:地板、
60:放射線測定部、
61:第一測定器、 62:第二測定器、
A:被処理水、 Z:浄化水。

Claims (4)

  1. 放射性物質を吸着する吸着剤と、前記吸着剤を内部に封じ込めるように収容する収容容器とを備え、
    前記放射性物質を含む被処理水を前記収容容器内に供給することにより前記被処理水と前記吸着剤とを接触させるように構成され、
    前記収容容器は、放射線を遮蔽する材料によって形成され、内側空間を上側と下側とに仕切るように配置された仕切り板を備え、前記仕切り板には、前記被処理水を通す複数の孔が形成され、
    前記収容容器は、前記仕切り板の下方の空間に供給された前記被処理水が複数の孔を通り下から上へ移動しつつ、前記仕切り板の上側に配置された前記吸着剤と接触するように構成されている、放射性物質の吸着装置。
  2. 前記収容容器は、上方に向けて開口した容器本体と、前記開口を閉塞する蓋体とを有し、前記蓋体が前記容器本体から取り外し可能に構成されている、請求項1に記載の放射性物質の吸着装置。
  3. ドラム缶をさらに備え、前記収容容器は、前記ドラム缶の内部に閉じ込められるように形成されている、請求項1又は2に記載の放射性物質の吸着装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の放射性物質の吸着装置に前記被処理水を供給することにより、前記吸着装置の前記吸着剤と前記被処理水とを接触させ、放射性物質を前記吸着剤に吸着させる、放射性物質の吸着装置の使用方法。
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