JP5579781B2 - 高線量放射性核種廃液処理装置 - Google Patents
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Description
(1)イオン交換樹脂による吸着では、原子炉燃料棒から排出された核分裂生成による放射性核種を吸着すると、イオン交換樹脂内部へ取り込まれる脱塩装置表面線量当量率が上昇し、吸着寿命が到達したイオン交換樹脂の保管後の最終処理方法が困難となる。
(2)イオン交換樹脂は核分裂生成による放射性核種の吸着能力が低いため、廃液処理量に対するイオン交換樹脂が多くなり、イオン交換樹脂が放射性廃棄物として処理される際の保管場所およびその後の処理費用の増大が懸念される。
ここで、前記吸着剤カラムが、円筒状の第1の本体(21)と、該第1の本体の導入側端面および排出側端面にそれぞれ取り付けられた円環板状の第1の導入側および排出側側板(24,26)とを備え、前記第1の廃液導入装置が、前記第1の導入側側板に挿入されて前記高線量放射性核種廃液を前記吸着剤カラムに導入するための前記第1のノズルを備え、前記第1の廃液排出装置が、前記第1の排出側側板(24)に挿入されて前記高線量放射性核種廃液を前記吸着剤カラムから排出するための前記第2のノズルを備え、前記イオン交換樹脂カラムが、円筒状の第2の本体(51)と、該第2の本体の導入側端面および排出側端面にそれぞれ取り付けられた円環板状の第2の導入側および排出側側板(54,56)とを備え、前記第2の廃液導入装置が、前記第2の導入側側板に挿入されて前記高線量放射性核種廃液を前記イオン交換樹脂カラムに導入するための前記第3のノズルを備え、前記第2の廃液排出装置が、前記第2の排出側側板に挿入されて前記高線量放射性核種廃液を前記イオン交換樹脂カラムから排出するための前記第4のノズルを備えてもよい。
前記第1および第2の導入側側板の後端開口面と前記第1および第2の排出側板の先端面とが、簡易なプラスチック製の外蓋と薄フィルムの内蓋とからなる円板状の蓋(T)によってそれぞれ塞がれていてもよい。
前記第1の廃液導入装置が、前記第1のノズルを該第1のノズルの長手方向に沿って移動させるための第1のノズル駆動装置(33)と、先端が該第1のノズルの後端部に取り付けられた第1の可撓性チューブ(34)とを備え、前記第2の廃液導入装置が、前記第3のノズルを該第3のノズルの長手方向に沿って移動させるための第2のノズル駆動装置(63)と、先端が該第3のノズルの後端部に取り付けられた第2の可撓性チューブ(64)とを備えてもよい。
前記第1のノズル駆動装置が、前面が前記第1のノズルの後端面に取り付けられた第1のヘッド部(33a)と、第1のロッド部(33b)と、該第1のロッド部を介して該第1のヘッド部と接続された第1の駆動部(33c)と、該第1のロッド部の先端部が貫通された、かつ、前記第1のノズルを前記吸着剤カラムの前記第1の導入側側板に向けて付勢するための第1の引張バネ(33d)とを備え、前記第2のノズル駆動装置が、前面が前記第3のノズルの後端面に取り付けられた第2のヘッド部(63a)と、第2のロッド部(63b)と、該第2のロッド部を介して該第2のヘッド部と接続された第2の駆動部(63c)と、該第2のロッド部の先端部が貫通された、かつ、前記第3のノズルを前記イオン交換樹脂カラムの前記第2の導入側側板に向けて付勢するための第2の引張バネ(63d)とを備えてもよい。
前記吸着剤カラムで処理された前記高線量放射性核種廃液を前記廃液処理タンクに戻すための第1のバイパス配管経路と、前記イオン交換樹脂カラムで処理された前記高線量放射性核種廃液を前記廃液処理タンクに戻すための第2のバイパス配管経路とをさらに具備してもよい。
前記吸着剤カラムおよび前記イオン交換樹脂カラムの下流側に、核種分析装置への第1および第2のサンプリング配管がそれぞれ取り付けられていてもよい。
前記第1および第2のカラム装着手段が、複数個の前記吸着剤カラムおよび複数個の前記イオン交換樹脂カラムがそれぞれストックされた第1および第2のストック塔(111)から該吸着剤カラムおよび該イオン交換樹脂カラムを1個ずつ前記第1および第2の装着箇所にそれぞれ移動させたのちに回転させて、前記第1および第2のストライカーが上にくるように該吸着剤カラムおよび該イオン交換樹脂カラムを該第1および第2の装着箇所にそれぞれ装着するための第1および第2のカラム装着装置(110)を備えてもよい。
(1)吸着剤カラムおよびイオン交換樹脂カラムをバイパス流の形成を防止した横置きタイプかつ脱着が容易な構造のカートリッジ型にするとともに、ノズルを介して高線量放射性核種廃液の吸着剤カラムおよびイオン交換樹脂カラムへの導入および排出を行うことにより、吸着剤カラムおよびイオン交換樹脂カラムの交換作業などを容易に行うことができるため、原子炉の系外に漏洩した予期せぬ大量の高線量放射性核種廃液を容易に処理することができる。
(2)吸着剤カラムおよびイオン交換樹脂カラムなどを搬送できる大きさにすることができるため、高線量放射性核種廃液処理装置を可搬型装置とすることができるので、上記の特許文献1に開示された放射性核種の除去方法に用いられている静設型の浄化装置に比べて柔軟な運用を行うことができる。
(3)吸着剤カラムおよびイオン交換樹脂カラムを縦置きタイプ(立型)にすると、その交換作業(ジブクレーンによる交換作業など)にクレーンが必要になるとともに作業員がボルトによる配管との装着・脱着を行う必要があるために作業員の放射線被曝が大きくなる可能性があり、また、浄化設備を配管を含めたユニットごとの交換にすると、配管器材を一式交換しなければならないために設備の効率性が悪くなるが、吸着剤カラムおよびイオン交換樹脂カラムを横置きタイプとすることにより、これらの問題を解決することができる。
本発明の高線量放射性核種廃液処理装置は、以下の点を特徴とする。
(1)横置きタイプのカートリッジ型吸着剤カラム(高線量放射性核種廃液中の比較的半減期の長い金属類(Co,Ni,Mo,Cr,Mn,Zn,Sr,Cs)などを選択的に除去するためのもの)と横置きタイプのカートリッジ型イオン交換樹脂カラム(高線量放射性核種廃液中の海水成分のNaClなどの除去(NaClが大量に存在する場合は、廃液を別途逆浸透膜装置などで前処理を行う。)およびその他の不純物の除去を行うためのもの)とを直列に配置し、カートリッジ型吸着剤カラムに通水したのちにカートリッジ型イオン交換樹脂カラムに通水することにより、原子炉への冷却水再循環または低レベル放射性廃液としての廃棄物処理建屋への保管や原子力発電所系外への排水が可能な程度まで高線量放射性核種廃液の放射能レベルを低減させる。
(2)吸着剤カラムおよびイオン交換樹脂カラムを脱着が容易な構造のカートリッジ型とすることにより、寿命と判定した場合には交換することで作業の中断を極力抑える。また、吸着剤カラムをカートリッジ型とすることにより、吸着剤としてキレート樹脂を使用する場合には、核種分析の結果を元に各核種を最適に吸着できる複数種のキレート樹脂を混合させて使用できるようにする。
カートリッジ型吸着剤カラムおよびカートリッジ型イオン交換樹脂カラムの導入側と排出側との間に差圧計を設置するとともに各カラムの下流側に導電率計を設置することにより、各カラムの寿命を判定できるようにする。
(3)圧密を防ぐために空間部分を設けるように吸着剤およびイオン交換樹脂をカートリッジ型吸着剤カラムおよびカートリッジ型イオン交換樹脂カラムにそれぞれ充填するとともに、この空間部分を仕切る邪魔板を各カラム内部に設けることにより、各カラムを横置きタイプにすることにより生じるバイパス流の形成を防止する。
(4)カートリッジ型吸着剤カラムについては、カラム表面に放射性遮蔽材として鉛などの外筒を設置することにより、放射性物質吸着が進行してカラムの表面線量が増大することに伴う作業員への被曝量を低減する。
(5)配管に設置した各弁および各ポンプはすべて遠隔制御できるようにすることにより、放射線量の高い装置付近での作業を極力なくして作業員の被曝を防止する。
(6)廃液処理タンク(処理前の高線量放射性核種廃液を貯蔵するためのタンク)から高線量放射性核種廃液処理装置へ高線量放射性核種廃液を供給するための配管経路にメッシュフィルタを設けることにより、高線量放射性核種廃液処理装置に供給する高線量放射性核種廃液への不純物の混入を防止する。
(7)カートリッジ型吸着剤カラムおよびカートリッジ型イオン交換樹脂カラムを個別に通水することができるようにバイパス配管経路をそれぞれ設けるとともに、各カラムの下流側に核種分析装置へのサンプリング配管をそれぞれ設けることにより、廃液性状(含まれる放射性核種)により最適な処理が行えるようにする。
全長は可搬性を考慮し、最大長は運搬用トレーラなどで可搬できる長さとする。重量も同じく運搬用トレーラなどで可搬できる重量とする。
なお、キレート樹脂カラム20を横置きタイプにするとバイパス流の形成が問題となるので(たとえば、上記の特許文献2参照)、圧密を防止するために、本体21内の上部に空間部分が生じるようにキレート樹脂Aを収納するとともに、この空間部分を本体21の軸方向に沿って3つの空間に区分するための2枚の半円板状の邪魔板22(邪魔板22の枚数は、空間部分の区分数に応じて3枚以上としてもよい。)を本体21内に取り付けている。これにより、上記の特許文献2に開示されたイオン交換樹脂塔のように押出し機構を必要とせずに、簡易な構成でバイパス流の形成を防止することができる。
また、本体21の外周面には、放射性遮蔽材として鉛などの外筒(不図示)が取り付けられている。
導入側側板24の中央部の貫通孔には、導入管25が取り付けられている。また、導入側側板24の後端開口面(本体21と反対側の開口面)は、簡易なプラスチック製の外蓋と薄フィルムの内蓋とからなる円板状の蓋Tによって塞がれている。
導入管25の後端部は、円環状の合成ゴムSによってシールされている。また、導入管25の後端面には、図2(b)に示すように導入側側板24に挿入されたノズル31をシールするための円環状の合成ゴムSが取り付けられている。
排出側側板26の中央部の貫通孔の後端部(本体21側の端部)には、排出管27が取り付けられており、排出側側板26の貫通孔の先端部は、廃液排出装置40の後述するノズル41を挿入するための挿入孔28として機能するようにされている。
排出側側板26の先端面には、円環板状の合成ゴムSが取り付けられている。また、排出側側板26の先端開口面は、簡易なプラスチック製の外蓋と薄フィルムの内蓋とからなる円板状の蓋Tによって塞がれている。
排出管27の先端面には、図2(b)に示すように挿入孔28に挿入されたノズル41をシールするための円環状の合成ゴムSが取り付けられている。
駆動部33cは、たとえば油圧ポンプを用いて構成されており、油圧供給装置(不図示)から作動油を供給して油圧ポンプによってロッド部33bを介してヘッド部33aを押し出すと、ノズル31は図3(a)図示右方向に移動し、一方、作動油を回収して油圧ポンプによってロッド部33bを介してヘッド部33aを引き戻すと、ノズル31は引張バネ33dの付勢力に抗して図3(a)図示左方向に移動するようにされている。
駆動部43cは、たとえば油圧ポンプを用いて構成されており、油圧供給装置から作動油を供給して油圧ポンプによってロッド部43bを介してヘッド部43aを押し出すと、ノズル41は図4(a)図示左方向に移動し、一方、作動油を回収して油圧ポンプによってロッド部43bを介してヘッド部43aを引き戻すと、ノズル41は図4(a)図示右方向に移動するようにされている。
すなわち、イオン交換樹脂カラム50は、図5(a)に示すように、本体51と、本体51の導入側端面および排出側端面にそれぞれ取り付けられた導入側側板54および排出側側板56とを備える。
なお、イオン交換樹脂カラム50を横置きタイプにするとバイパス流の形成が問題となるので、圧密を防止するために、本体51内の上部に空間部分が生じるようにイオン交換樹脂Bを収納するとともに、この空間部分を本体51の軸方向に沿って3つの空間に区分するための2枚の半円板状の邪魔板52(邪魔板52の枚数は、空間部分の区分数に応じて3枚以上としてもよい。)を本体51内に取り付けている。
導入側側板54の中央部の貫通孔には、導入管55が取り付けられている。また、導入側側板54の後端開口面(本体51と反対側の開口面)は、簡易なプラスチック製の外蓋と薄フィルムの内蓋とからなる円板状の蓋Tによって塞がれている。
導入管55の後端部は、円環状の合成ゴムSによってシールされている。また、導入管55の後端面には、図5(b)に示すように導入側側板54に挿入されたノズル61をシールするための円環状の合成ゴムSが取り付けられている。
排出側側板56の中央部の貫通孔の後端部(本体51側の端部)には、排出管57が取り付けられており、排出側側板56の貫通孔の先端部は、廃液排出装置70の後述するノズル71を挿入するための挿入孔58として機能するようにされている。
排出側側板56の先端面には、円環板状の合成ゴムSが取り付けられている。また、排出側側板56の先端開口面は、簡易なプラスチック製の外蓋と薄フィルムの内蓋とからなる円板状の蓋Tによって塞がれている。
排出管57の先端面には、挿入孔58に挿入されたノズル71をシールするための合成ゴムSが取り付けられている。
すなわち、廃液導入装置60は、図6(a)に示すように、円筒状のノズル61と、先端面がノズル61の先端面と同一平面上となるようにノズル61の先端部に設けられた円筒状の外筒62と、ノズル61をその長手方向(図6(a)図示左右方向)に沿って移動させるためのノズル駆動装置63と、可撓性チューブ64と、ノズル61および外筒62を貫通させてノズル61を支持する円環状の支持部材を有するノズル支持台65と、支持台66とを備える。
駆動部63cは、たとえば油圧ポンプを用いて構成されており、油圧供給装置から作動油を供給して油圧ポンプによってロッド部63bを介してヘッド部63aを押し出すと、ノズル61は図6(a)図示右方向に移動し、一方、作動油を回収して油圧ポンプによってロッド部63bを介してヘッド部63aを引き戻すと、ノズル61は引張バネ63dの付勢力に抗して図6(a)図示左方向に移動するようにされている。
すなわち、廃液排出装置70は、図7(a)に示すように、円筒状のノズル71と、ノズル71の先端部に取り付けられた円環状のストッパ72と、ノズル71をその長手方向(図7(a)図示左右方向)に沿って移動させるためのノズル駆動装置73と、可撓性チューブ74と、ノズル71を支持する円環状の支持部材を有するノズル支持台75と、支持台76とを備える。
駆動部73cは、たとえば油圧ポンプを用いて構成されており、油圧供給装置から作動油を供給して油圧ポンプによってロッド部73bを介してヘッド部73aを押し出すと、ノズル71は図7(a)図示左方向に移動し、一方、作動油を回収して油圧ポンプによってロッド部73bを介してヘッド部73aを引き戻すと、ノズル71は図7(a)図示右方向に移動するようにされている。
また、第2の弁V2と第6の弁V6とを接続する配管は途中で分岐されており、第6の弁V6を閉じるとともに第12の弁V12を開くと、キレート樹脂カラム20によって処理された放射性核種廃液を廃液処理タンク1に戻せるようにされている。
さらに、第7の弁V7と第14の弁V14とを接続する配管は途中で分岐されており、第7の弁V7を閉じるとともに第13の弁V13を開くと、イオン交換樹脂カラム50によって処理された放射性核種廃液を廃液処理タンク1に戻せるようにされている。
(1)キレート樹脂カラム20の装着作業
作業員は、遠隔制御装置を用いて第1乃至第14の弁V1〜V14をすべて閉じたのち、図2(a)に示したように空間部分が上になるようにキレート樹脂カラム20を装着台81に装着する。
その後、作業員は、廃液導入装置30の駆動部33cを駆動させて、ノズル31をキレート樹脂カラム20に向けて移動させる。これにより、ノズル31の先端部がキレート樹脂カラム20の導入側側板24に取り付けられた蓋Tを粉砕したのちに導入側側板24に挿入して、ノズル31の先端面が導入管25の後端面に当接される(図2(b)参照)。これにより、ノズル31の先端開口面と導入管25の後端開口面とは隙間なく接合されるが、引張バネ33dの付勢力によってより隙間なく接合される。
その後、作業員は、廃液排出装置40の駆動部43cを駆動して、ノズル41をキレート樹脂カラム20に向けて移動させる。これにより、ノズル41の先端部がキレート樹脂カラム20の排出側側板26に取り付けられた蓋Tを粉砕したのちに排出側側板26の挿入孔28に挿入して、ノズル41の先端面が排出管27の後端面に当接される(図2(b)参照)。これにより、ノズル41の先端開口面と排出管27の後端開口面とが隙間なく接合される。
その後、作業員は、遠隔制御装置を用いて第4の弁V4を開いたのちに第3の弁V3を開いて、雑用水供給装置から純水をキレート樹脂カラム20内にノズル31を介して供給することにより、キレート樹脂カラム20内の充水を行う。
その後、作業員は、遠隔制御装置を用いて第4の弁V4を閉じて、ノズル31と導入管25との接合部およびノズル41と排出管27との接合部からのリークの有無を純水による加圧で確認する。したがって、キレート樹脂カラム20内に供給する純水の圧力は、廃液供給ポンプ5の締切圧力以上とする。
その後、作業員は、遠隔制御装置を用いて雑用水供給装置からの純水の供給を止めるとともに第3の弁V3を閉じたのちに第1の弁V1および第2の弁V2を開く。これにより、遠隔制御装置を用いて廃液供給ポンプ5を駆動すると、メッシュフィルタ6を介して放射性核種廃液をキレート樹脂カラム20内に供給できる状態となる。
イオン交換樹脂カラム50の装着作業は、上述したキレート樹脂カラム20の装着作業と同様にして行われる。
すなわち、作業員は、遠隔制御装置を用いて第1乃至第14の弁V1〜V14をすべて閉じたのち、図2(a)に示したように空間部分が上になるようにイオン交換樹脂カラム50を装着台82に装着する。
その後、作業員は、廃液導入装置60の駆動部63cを駆動して、ノズル61をイオン交換樹脂カラム50に向けて移動させる。これにより、ノズル61の先端部がイオン交換樹脂カラム50の導入側側板54に取り付けられた蓋Tを粉砕したのちに導入側側板54に挿入して、ノズル61の先端面が導入管55の後端面に当接される(図5(b)参照)。これにより、ノズル61の先端開口面と導入管55の後端開口面とは隙間なく接合されるが、引張バネ63dの付勢力によってより隙間なく接合される。
その後、作業員は、廃液排出装置70の駆動部73cを駆動して、ノズル71をイオン交換樹脂カラム50に向けて移動させる。これにより、ノズル71の先端部がイオン交換樹脂カラム50の排出側側板56に取り付けられた蓋Tを粉砕したのちに排出側側板56の挿入孔58に挿入して、ノズル71の先端面が排出管57の後端面に当接される(図5(b)参照)。これにより、ノズル71の先端開口面と排出管57の後端開口面とが隙間なく接合される。
その後、作業員は、遠隔制御装置を用いて第9の弁V9を開いたのちに第8の弁V8を開いて、雑用水供給装置から純水をイオン交換樹脂カラム50内にノズル71を介して供給することにより、イオン交換樹脂カラム50内の充水を行う。
その後、作業員は、遠隔制御装置を用いて第9の弁V9を閉じて、ノズル61と導入管55との接合部およびノズル71と排出管57との接合部からのリークの有無を純水による加圧で確認する。したがって、イオン交換樹脂カラム50内に供給する純水の圧力は、廃液供給ポンプ5の締切圧力以上とする。
その後、作業員は、遠隔制御装置を用いて雑用水供給装置からの純水供給を止めるとともに第8の弁V8を閉じたのちに第6の弁V6および第7の弁V7を開く。これにより、遠隔制御装置を用いて廃液供給ポンプ5を駆動すると、メッシュフィルタ6、廃液導入装置30、キレート樹脂カラム20、廃液排出装置40を介して放射性核種廃液をイオン交換樹脂カラム50内に供給できる状態となる。
以上のようにしてキレート樹脂カラム20およびイオン交換樹脂カラム50の装着作業が終了すると、作業員は、遠隔制御装置を用いて第14の弁V14を開いたのちに廃液供給ポンプ5を駆動して、廃液処理タンク1に貯えられた放射性核種廃液をキレート樹脂カラム20およびイオン交換樹脂カラム50によって処理したのちに外部タンク2に供給させる。
これにより、遠隔制御装置を用いて冷却水ポンプ3を駆動すれば、放射性核種が浄化された冷却水を原子炉へ供給することができる。
作業員は、たとえばキレート樹脂カラム20の導入側および排出側の圧力差やキレート樹脂カラム20から排出される放射性核種廃液の導電率が上昇するとキレート樹脂カラム20の交換時期と判断して、キレート樹脂カラム20を排出するために、まず、遠隔制御装置を用いて廃液供給ポンプ5を停止するとともに第1および第2の弁V1,V2を閉じて、キレート樹脂カラム20内への放射性核種廃液の供給を止める。
その後、作業員は、遠隔制御装置を用いて第3および第5の弁V3,V5を開いたのち、雑用水供給装置から純水をキレート樹脂カラム20内にノズル31を介して供給することにより、キレート樹脂カラム20内のフラッシングを行う。
その後、作業員は、遠隔制御装置を用いて圧縮空気供給装置から圧縮空気をキレート樹脂カラム20内にノズル31を介して吹き込むことにより、キレート樹脂カラム20内に残留する純水をブローすることにより、キレート樹脂カラム20内の水抜きを行う。
その後、作業員は、遠隔制御装置を用いて圧縮空気供給装置を停止させ第3および第5の弁V3,V5を閉じ第4の弁V4を開いたのちに廃液排出装置40の駆動部43cを駆動してノズル41をキレート樹脂カラム20に向けて少し移動させて、キレート樹脂カラム20内の圧力ブローを行う。
その後、作業員は、遠隔制御装置を用いて廃液導入装置30の駆動部33cを駆動して、ノズル31をキレート樹脂カラム20から遠ざける方向に移動させる。これにより、ノズル31の先端部がキレート樹脂カラム20の導入側側板24から離される。
その後、作業員は、遠隔制御装置を用いて廃液排出装置40の駆動部43cを駆動して、ノズル41をキレート樹脂カラム20から遠ざける方向に移動させる。これにより、ノズル41の先端部がキレート樹脂カラム20の排出側側板26から離される。
その後、作業員は、遠隔制御装置を用いて第4の弁V4を閉じる。
イオン交換樹脂カラム50の排出作業は、上述したキレート樹脂カラム20の排出作業と同様にして行われる。
すなわち、作業員は、たとえばイオン交換樹脂カラム50の導入側および排出側の圧力差やイオン交換樹脂カラム50から排出される放射性核種廃液の導電率が上昇するとイオン交換樹脂カラム50の交換時期と判断して、イオン交換樹脂カラム50を排出するために、まず、遠隔制御装置を用いて第6および第7の弁V6,V7を閉じて、イオン交換樹脂カラム50内への放射性核種廃液の供給を止める。このとき、作業員は、遠隔制御装置を用いて第1および第2の弁V1,V2を閉じてキレート樹脂カラム20への放射性核種廃液の供給を止めてもよいし、遠隔制御装置を用いて第12の弁V12を開いてキレート樹脂カラム20で処理された放射性核種廃液を廃液処理タンク1に戻すことによりキレート樹脂カラム20での処理が繰り返されるようにしてもよい。
その後、作業員は、遠隔制御装置を用いて第8および第10の弁V8,V10を開いたのち、雑用水供給装置から純水をイオン交換樹脂カラム50内にノズル61を介して供給することにより、イオン交換樹脂カラム50内のフラッシングを行う。
その後、作業員は、遠隔制御装置を用いて圧縮空気供給装置から圧縮空気をイオン交換樹脂カラム50内にノズル61を介して吹き込むことにより、イオン交換樹脂カラム50内に残留する純水をブローすることにより、イオン交換樹脂カラム50内の水抜きを行う。
その後、作業員は、遠隔制御装置を用いて圧縮空気供給装置を停止させ第8および第10の弁V8,V10を閉じ第9の弁V9を開いたのちに廃液排出装置70の駆動部73cを駆動してノズル71をイオン交換樹脂カラム50に向けて少し移動させて、イオン交換樹脂カラム50内の圧力ブローを行う。
その後、作業員は、遠隔制御装置を用いて廃液導入装置60の駆動部63cを駆動して、ノズル61をイオン交換樹脂カラム50から遠ざける方向に移動させる。これにより、ノズル61の先端部がイオン交換樹脂カラム50の導入側側板54から離される。
その後、作業員は、遠隔制御装置を用いて廃液排出装置70の駆動部73cを駆動して、ノズル71をイオン交換樹脂カラム50から遠ざける方向に移動させる。これにより、ノズル71の先端部がイオン交換樹脂カラム50の排出側側板56から離される。
その後、作業員は、遠隔制御装置を用いて第9の弁V9を閉じる。
また、各カラムを通過する廃液の影響により振れが発生するのを防止するため、可撓性チューブ34,44に振れ影響を緩和できる剛性の高いメタルホースを採用したり、別途廃液の放射線遮蔽体を兼ねた振れ止め治具(たとえば、可撓性チューブ34,44の中央部およびその前後の3点で可撓性チューブ34,44を緩やかに固定する治具)を設置したりしてもよい。
特に、他プラントなどの運転実績から、一般的にイオン交換樹脂類の寿命は放射線量上昇→イオン交換塔内差圧上昇(不純物の付着)→導電率上昇の順であり、放射線量上昇を別にすると、カラムの差圧上昇が先に来ると考えられることから、各カラムの差圧上昇に耐えられるだけのノズルのシール性が確保できたならば、寿命的には伸ばせるものと考えられる。
ここで、カラム装着装置110は、複数個のキレート樹脂カラム20をストックするための縦断面形状がL字状のカラムストック塔111(第1のストッパ1121に係る重量を減らすために、第1のストッパ1121に向かって緩やかに勾配したコンベアでキレート樹脂カラム20を第1のストッパ1121まで移すようにしてもよい。また、キレート樹脂カラム20のストック部分を1本としたが複数本としてもよい。)と、カラムストック塔111の底部に設けられた第1および第2のストッパ1121,1122と、キレート樹脂カラム20の装着箇所に設けられた2組の第1および第2の着脱機構1131,1132、リミットスイッチ120、回転ローラ121および2個の支持ローラ122(回転ローラ121の左右(第1の着脱機構1131および第2の着脱機構1132)にそれぞれ取り付けられている。)とを備える。
複数個のキレート樹脂カラム20はカラムストック塔111に積み重なれて収納されており、第2のストッパ1122のロッドを上げた状態で第1のストッパ1121のロッドを下げることによって1個のキレート樹脂カラム20が第1および第2のストッパ1121,1122間の待機位置に移動し、第1のストッパ1121のロッドを上げた状態で第2のストッパ1122のロッドを下げることによって待機位置にあるキレート樹脂カラム20がカラムストック塔111の下部の排出口から排出するようにされている。
2組の第1および第2の着脱機構1131,1132は、キレート樹脂カラム20の導入側側板24を左右方向から挟んで装着位置に固定させるための1組の第1および第2の着脱機構1131,1132と、キレート樹脂カラム20の排出側側板26を左右方向から挟んで装着位置に固定させるための他の1組の第1および第2の着脱機構1131,1132とからなる。
第1の着脱機構1131は、第2の着脱機構1132のロッドを上げた状態で第1の着脱機構1131のロッドをキレート樹脂カラム20の装着箇所側(同図図示右向)に移動させると、末端部がロッドの先端部に固定されるとともに中央部が回転軸によって回転自在に支持された押え板が同図に矢印で示すように反時計方向(同図図示左回り)に回転して、カラムストック塔111の排出口から排出されたキレート樹脂カラム20を装着箇所に装着できるようにされている。
第2の着脱機構1132は、ロッドを下げると、左端部が回転軸によって回転自在に支持された押え板(キレート樹脂カラム20との当接面およびこの当接面と対向する対向面が円弧状にされている。)が同図に矢印で示すように時計方向(同図図示右回り)に回転して、装着箇所にあるキレート樹脂カラム20を同図に破線で示すように装着箇所から排出できるようにされている。
回転ローラ12および2個の支持ローラ122はキレート樹脂カラム20の導入側側板24に当接するように取り付けられており、キレート樹脂カラム20が装着箇所に装着されると回転ローラ121を回転させ、ストライカー130がリミットスイッチ120に当接するとリミットスイッチ120によって回転ローラ12を止めることにより、空間部分が上になるようにキレート樹脂カラム20を装着箇所に装着できるようにされている。
なお、回転ローラ12および2個の支持ローラ122はキレート樹脂カラム20の排出側板25側にも取り付けてもよい。
イオン交換樹脂カラム50についても同様である。
2 外部タンク
3 冷却水供給ポンプ
4 水中ポンプ
5 廃液供給ポンプ
6 メッシュフィルタ
10 廃液処理装置
20 キレート樹脂カラム
21,51 本体
22,52 邪魔板
23,53 洗浄・取出用プラグ
24,54 導入側側板
25,55 導入管
26,56 排出側側板
27,57 排出管
28,58 挿入孔
30,60 廃液導入装置
31,41,61,71 ノズル
32,62 外筒
33,43,63,73 ノズル駆動装置
33a,43a,63a,73a ヘッド部
33b,43b,63b,73b ロッド部
33c,43c,63c,73c 駆動部
33d,63d 引張バネ
34,64,74 可撓性チューブ
35,45,65,75 ノズル支持台
36,46,66,76 支持台
40,70 廃液排出装置
42,72 ストッパ
50 イオン交換樹脂剤カラム
81,82 装着台
110 カラム装着装置
111 カラムストック塔
1121,1122 第1および第2のストッパ
1131,1132 第1および第2の着脱機構
120 リミットスイッチ
121 回転ローラ
122 支持ローラ
130 ストライカー
A キレート樹脂
B イオン交換樹脂
F フィルタ
S 合成ゴム
T 蓋
V1〜V14 第1乃至第14の弁
Claims (8)
- 原子炉の系外に漏洩した予期せぬ大量の高線量放射性核種廃液を処理するための高線量放射性核種廃液処理装置(10)であって、
第1の装着箇所に装着され、上部に第1の空間部分を形成するように吸着剤(A)が収納されているとともに、上面に第1のストライカー(130)が取り付けられた横置きタイプのカートリッジ型吸着剤カラム(20)と、
廃液処理タンク(1)に貯められた前記高線量放射性核種廃液を前記吸着剤カラムに第1のノズル(31)を介して導入するための第1の廃液導入装置(30)と、
前記吸着剤カラムによって処理された前記高線量放射性核種廃液を該吸着剤カラムから第2のノズル(41)を介して排出するための第1の廃液排出装置(40)と、
前記吸着剤カラムの下流側である第2の装着箇所に装着され、上部に第2の空間部分を形成するようにイオン交換樹脂(B)が収納されているとともに、上面に第2のストライカーが取り付けられた横置きタイプのカートリッジ型イオン交換樹脂カラム(50)と、
前記吸着剤カラムによって処理された前記高線量放射性核種廃液を前記イオン交換樹脂カラムに第3のノズル(61)を介して導入するための第2の廃液導入装置(60)と、
前記イオン交換樹脂カラムによって処理された前記高線量放射性核種廃液を該イオン交換樹脂カラムから第4のノズル(71)を介して排出するための第2の廃液排出装置(70)と、
前記第1および第2のストライカーが上にくるように前記吸着剤カラムおよび前記イオン交換樹脂カラムをそれぞれ回転させて、該吸着剤カラムおよび該イオン交換樹脂カラムを前記第1および第2の装着箇所にそれぞれ装着するための第1および第2のカラム装着手段とを具備し、
前記吸着剤カラムに、前記第1の空間部分を該吸着剤カラムの軸方向に沿って複数の空間に区分するための第1の邪魔板(22)が取り付けられており、
前記イオン交換樹脂カラムに、前記第2の空間部分を該イオン交換樹脂カラムの軸方向に沿って複数の空間に区分するための第2の邪魔板(52)が取り付けられている、
ことを特徴とする、高線量放射性核種廃液処理装置。 - 前記吸着剤カラムが、円筒状の第1の本体(21)と、該第1の本体の導入側端面および排出側端面にそれぞれ取り付けられた円環板状の第1の導入側および排出側側板(24,26)とを備え、
前記第1の廃液導入装置が、前記第1の導入側側板に挿入されて前記高線量放射性核種廃液を前記吸着剤カラムに導入するための前記第1のノズルを備え、
前記第1の廃液排出装置が、前記第1の排出側側板(24)に挿入されて前記高線量放射性核種廃液を前記吸着剤カラムから排出するための前記第2のノズルを備え、
前記イオン交換樹脂カラムが、円筒状の第2の本体(51)と、該第2の本体の導入側端面および排出側端面にそれぞれ取り付けられた円環板状の第2の導入側および排出側側板(54,56)とを備え、
前記第2の廃液導入装置が、前記第2の導入側側板に挿入されて前記高線量放射性核種廃液を前記イオン交換樹脂カラムに導入するための前記第3のノズルを備え、
前記第2の廃液排出装置が、前記第2の排出側側板に挿入されて前記高線量放射性核種廃液を前記イオン交換樹脂カラムから排出するための前記第4のノズルを備える、
ことを特徴とする、請求項1記載の高線量放射性核種廃液処理装置。 - 前記第1および第2の導入側側板の後端開口面と前記第1および第2の排出側板の先端面とが、簡易なプラスチック製の外蓋と薄フィルムの内蓋とからなる円板状の蓋(T)によってそれぞれ塞がれていることを特徴とする、請求項1または2記載の高線量放射性核種廃液処理装置。
- 前記第1の廃液導入装置が、前記第1のノズルを該第1のノズルの長手方向に沿って移動させるための第1のノズル駆動装置(33)と、先端が該第1のノズルの後端部に取り付けられた第1の可撓性チューブ(34)とを備え、
前記第2の廃液導入装置が、前記第3のノズルを該第3のノズルの長手方向に沿って移動させるための第2のノズル駆動装置(63)と、先端が該第3のノズルの後端部に取り付けられた第2の可撓性チューブ(64)とを備える、
ことを特徴とする、請求項1乃至3いずれかに記載の高線量放射性核種廃液処理装置。 - 前記第1のノズル駆動装置が、前面が前記第1のノズルの後端面に取り付けられた第1のヘッド部(33a)と、第1のロッド部(33b)と、該第1のロッド部を介して該第1のヘッド部と接続された第1の駆動部(33c)と、該第1のロッド部の先端部が貫通された、かつ、前記第1のノズルを前記吸着剤カラムの前記第1の導入側側板に向けて付勢するための第1の引張バネ(33d)とを備え、
前記第2のノズル駆動装置が、前面が前記第3のノズルの後端面に取り付けられた第2のヘッド部(63a)と、第2のロッド部(63b)と、該第2のロッド部を介して該第2のヘッド部と接続された第2の駆動部(63c)と、該第2のロッド部の先端部が貫通された、かつ、前記第3のノズルを前記イオン交換樹脂カラムの前記第2の導入側側板に向けて付勢するための第2の引張バネ(63d)とを備える、
ことを特徴とする、請求項4記載の高線量放射性核種廃液処理装置。 - 前記吸着剤カラムで処理された前記高線量放射性核種廃液を前記廃液処理タンクに戻すための第1のバイパス配管経路と、
前記イオン交換樹脂カラムで処理された前記高線量放射性核種廃液を前記廃液処理タンクに戻すための第2のバイパス配管経路と、
をさらに具備することを特徴とする、請求項1乃至5いずれかに記載の高線量放射性核種廃液処理装置。 - 前記吸着剤カラムおよび前記イオン交換樹脂カラムの下流側に、核種分析装置への第1および第2のサンプリング配管がそれぞれ取り付けられていることを特徴とする、請求項1乃至6いずれかに記載の高線量放射性核種廃液処理装置。
- 前記第1および第2のカラム装着手段が、複数個の前記吸着剤カラムおよび複数個の前記イオン交換樹脂カラムがそれぞれストックされた第1および第2のストック塔(111)から該吸着剤カラムおよび該イオン交換樹脂カラムを1個ずつ前記第1および第2の装着箇所にそれぞれ移動させたのちに回転させて、前記第1および第2のストライカーが上にくるように該吸着剤カラムおよび該イオン交換樹脂カラムを該第1および第2の装着箇所にそれぞれ装着するための第1および第2のカラム装着装置(110)を備えることを特徴とする、請求項1乃至7いずれかに記載の高線量放射性核種廃液処理装置。
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