JP2016211762A - 空調換気システム - Google Patents

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Abstract

【課題】保安性に優れた空調換気システムを提供する。【解決手段】空調換気システム100は、冷媒回路RCを構成する室外ユニット20及び室内ユニット30を含む空調装置10と、換気用の給気ファン43及び排気ファン44を含む換気装置40と、空調装置10の動作を制御するコントローラ70と、換気装置40の動作を制御するアダプタユニット50と、を備える。室内ユニット30及び換気装置40は、対象空間SPに設置される。空調装置10は、運転時に冷媒回路RCにおいて冷媒を循環させて、対象空間SPの冷房又は暖房を行う。アダプタユニット50は、換気装置40と電気的に接続され、換気装置40の動作を制御可能な状態においてコントローラ70へ状態報知信号を送信する。コントローラ70は、状態報知信号を受信しない場合には、空調装置10の運転を開始させない。【選択図】図8

Description

本発明は、同一の対象空間に配置される空調装置の室内ユニットと換気装置とを含む空調換気システムに関する。
従来、特許文献1(特開2001−74283号公報)に示すように、燃焼性の冷媒が循環する冷媒回路を有する空調装置の室内ユニットと、換気扇(換気装置)とを室内(対象空間)に設置し、そして、燃焼性の冷媒の漏洩を検知した際に、換気装置を運転することで燃焼性の冷媒を対象空間から排出するようにした構成が提案されている。
ここで、空調装置と換気装置とをビル等の建物に設置することによって、対象空間の冷暖房及び換気を行うようにする場合には、実際には、空調装置と換気装置とが、互いに独立して設置される場合が多い。すなわち、換気装置としては、換気扇のようなファンを有するものや、排熱回収のための全熱交換器を有するもの、除湿や加湿のための除加湿器を有するもの等、様々な種類のものが存在しており、空調装置とは独立してユーザのニーズに応じて選定されるため、設置現場において、異なる業者によって空調装置と換気装置とが独立して設置される場合が多い。
しかし、空調装置と換気装置とが独立して選定及び設置される場合であっても、空調装置からの冷媒の漏洩によって、対象空間における酸欠事故、着火事故(冷媒が微燃性又は燃焼性を有する場合)又は中毒事故(冷媒が毒性を有する場合)が発生することを防止するために、冷媒が漏洩した際に換気を行い、対象空間において酸欠濃度、可燃濃度又は毒性限界濃度を超えないようにすることが重要である。ところが、空調装置と換気装置とが独立して選定及び設置されると、異なる業者によって設置作業が行われることもあり、両装置間の通信系統の接続が確実になされない場合も想定される。係る場合には、冷媒漏洩が生じた際の換気が確実に行われない。
すなわち、空調装置と換気装置とが独立して設置される構成においては、冷媒が漏洩した際に換気装置が運転される等の対策が確立しないままで空調装置の運転が行われるおそれがあり、空調装置からの冷媒の漏洩による事故が発生する可能性を排除することができないという問題がある。
そこで、本発明の課題は、保安性に優れた空調換気システムを提供することである。
本発明の第1観点に係る空調換気システムは、空調装置と、換気装置と、空調制御部と、換気制御部と、を備える。空調装置は、室外ユニットと室内ユニットとを含む。室内ユニットは、室外ユニットとともに冷媒回路を構成する。室内ユニットは、対象空間に設置される。空調装置は、運転時に冷媒回路において冷媒を循環させて、対象空間の冷房又は暖房を行う。換気装置は、換気用の換気ファンを含む。換気装置は、対象空間に設置される。空調制御部は、空調装置の動作を制御する。換気制御部は、換気装置と電気的に接続される。換気制御部は、換気装置の動作を制御する。換気制御部は、換気装置の動作を制御可能な状態において、空調制御部へ報知信号を送信する。空調制御部は、報知信号を受信しない場合には、空調装置の運転を開始させない。
本発明の第1観点に係る空調換気システムでは、換気制御部は換気装置の動作を制御可能な状態において空調制御部へ報知信号を送信し、空調制御部は報知信号を受信しない場合には空調装置の運転を開始させない。これにより、対象空間において換気装置が適正に設置されていない場合や、換気装置と換気制御部との通信が正常に行われない場合、又は換気装置が機械的に正常に動作しない場合には、空調制御部へ報知信号が送信されない。その結果、対象空間において換気装置が空調装置とは独立して設置されるか否かに関わらず、換気制御部の動作を制御可能な場合に限って空調装置の運転がなされる。すなわち、冷媒漏洩が生じた際に確実に換気が行われると想定されない状況においては、空調装置の運転がなされない。したがって、冷媒漏洩に対する保安性が確実に担保される。
なお、ここでの「報知信号を受信しない場合」には、換気制御部から報知信号が送信されないことにより空調制御部が報知信号を受信しない場合、及び換気制御部から報知信号が送信されているにも関わらず空調制御部が報知信号を正常に受信できない場合が含まれる。
また、ここでの「冷媒回路」において使用される冷媒としては、例えば、R32のような微燃性の冷媒、又は、プロパンのような燃焼性を有する冷媒、又は、アンモニアのような毒性を有する冷媒が含まれる。
本発明の第2観点に係る空調換気システムは、第1観点に係る空調換気システムであって、換気装置は、駆動部と、フレームと、をさらに含む。駆動部は、換気ファンを駆動させる。フレームは、換気ファンを保持する。換気制御部は、換気装置とは別体として構成される。
本発明の第2観点に係る空調換気システムは、施工後の空調換気システムにおいても、容易に適用可能となる。すなわち、換気制御部が換気装置と別体として構成されていることにより、施工後の空調換気システムにおいて換気制御部を新たに付加することで、第2観点に係る空調換気システムが構築される。すなわち、汎用性が向上する。
本発明の第3観点に係る空調換気システムは、第1観点又は第2観点に係る空調換気システムであって、換気装置は、駆動電圧供給部と、接続端子と、をさらに含む。駆動電圧供給部は、換気ファンの駆動電圧を供給する。接続端子は、換気制御部と電気的に接続される。換気制御部は、換気装置へ電気信号を出力する。駆動電圧供給部は、接続端子を介して入力された制御信号に基づいて駆動電圧を供給する。
本発明の第3観点に係る空調換気システムは、施工後の空調換気システムにおいて、さらに容易に適用可能となる。すなわち、換気装置が、駆動電圧供給部と、接続端子と、含むことにより、施工後の空調換気システムにおいて換気制御部を新たに付加することが容易となる。よって、汎用性がさらに向上する。
本発明の第4観点に係る空調換気システムは、第1観点又は第2観点に係る空調換気システムであって、換気装置は、商用電源から駆動電源を供給される。換気制御部は、切換部を含む。切換部は、電源供給ライン上に配置される。電源供給ラインは、換気装置と商用電源とを結ぶ。切換部は、電源供給ラインの導通及び遮断を切り換える。
本発明の第4観点に係る空調換気システムは、施工後の空調換気システムにおいて、さらに容易に適用可能となる。すなわち、施工後の空調換気システムにおいて換気装置の型式に限定されることなく、換気制御部を新たに付加することが容易となる。よって、汎用性がさらに向上する。
本発明の第5観点に係る空調換気システムは、第1観点から第4観点のいずれかに係る空調換気システムであって、空調制御部は、換気制御部へ電気信号を送信する。換気制御部は、受信した電気信号に基づき、換気装置の動作を制御する。
これにより、既存の空調装置の伝送路(例えば室内ユニットとリモコンとを結ぶ通信線)を用いて遠隔的に換気装置の動作を制御することが可能となり、コストを抑制しつつ保安性を確保することが可能となる。
本発明の第6観点に係る空調換気システムは、第5観点に係る空調換気システムであって、空調制御部は、電気信号を送信することで、換気装置の動作を、換気装置に関連づけられた室内ユニットの動作に連動するように、制御する。
これにより、状況に応じて、換気装置を、空調装置の動作に連動して運転させることが可能となる。よって、利便性が向上する。
本発明の第7観点に係る空調換気システムは、第6観点に係る空調換気システムであって、室内ユニット及び/又は換気装置を複数備えるとともに、統括制御部をさらに備える。統括制御部は、複数の室内ユニット及び/又は複数の換気装置の動作を統括的に制御する。各換気装置は、いずれかの室内ユニットと、同一の対象空間に設置される。統括制御部は、複数の室内ユニット及び/又は複数の換気装置を複数のグループに振り分ける。統括制御部は、グループ毎に室内ユニット及び換気装置を一括制御する。
これにより、室内ユニットと換気装置とを統括的に制御することが可能となる。よって、利便性がさらに向上する。
また、複数の室内ユニットを有する室内マルチ型の空調装置では、対象空間の所定のエリアごとに室内ユニット及び換気装置を設置して、換気装置と連動させて運転することもある。例えば、オフィスにおいて勤務時間外に労働者が在室していない場合には、省エネルギのために空調装置及び換気装置を連動させて停止させることがある。
しかし、室内マルチ型の空調装置と換気装置とを連動させる構成においても、空調装置及び換気装置自体は、独立して設置して運転することが可能な装置である。すなわち、両装置間の通信系統の接続が行われている場合には、必要に応じて両装置を連動させて運転できるようになっているが、両装置間の通信系統の接続が行われていない場合には、互いに連動することはなく、両装置を独立して運転できるだけである。このように、室内マルチ型の空調装置と換気装置とが独立して選定及び設置されることを考慮すると、空調装置からの冷媒の漏洩を検知した際に、換気装置を運転することで冷媒を対象空間から排出する構成を採用しようとしても、設置現場において、両装置間の通信系統の接続が確実になされない状況が発生するおそれがある。このため、室内マルチ型の空調装置と換気装置とが独立して設置される構成においては、冷媒が漏洩した際に換気装置が運転される等の対策が確立しないままで空調装置の運転が行われるおそれがあり、空調装置からの冷媒の漏洩による事故が発生する可能性を排除することができないという問題がある。
第7観点に係る空調換気システムでは、複数の室内ユニットを有する室内マルチ型の空調装置と、換気装置と、が独立して設置される構成においても保安性が確実に担保される。
本発明の第8観点に係る空調換気システムは、第1観点から第7観点のいずれかに係る空調換気システムであって、換気制御部は、無線通信によって報知信号を送信する。
これにより、対象空間において通信ネットワークを容易に構築することが可能となる。
本発明の第9観点に係る空調換気システムは、第1観点から第7観点のいずれかに係る空調換気システムであって、空調制御部と、換気制御部とは、通信線により電気的に接続される。通信線は、報知信号の伝送路を構成する。
これにより、対象空間において、既存の空調装置の通信線(例えば室内ユニットとリモコンとを結ぶ通信線)を用いて通信ネットワークを構築することが可能となる。よって、コストを抑制しつつ保安性を確保することが可能となる。
本発明の第1観点に係る空調換気システムでは、対象空間において換気装置が空調装置とは独立して設置されるか否かに関わらず、換気制御部の動作を制御可能な場合に限って空調装置の運転がなされる。すなわち、冷媒漏洩が生じた際に確実に換気が行われると想定されない状況においては、空調装置の運転がなされない。したがって、冷媒漏洩に対する保安性が確実に担保される。
本発明の第2観点に係る空調換気システムでは、施工後の空調換気システムにおいても、容易に適用可能となり、汎用性が向上する。
本発明の第3観点に係る空調換気システムでは、施工後の空調換気システムにおいて、さらに容易に適用可能となり、汎用性がさらに向上する。
本発明の第4観点に係る空調換気システムでは、施工後の空調換気システムにおいて、さらに容易に適用可能となり、汎用性がさらに向上する。
本発明の第5観点に係る空調換気システムでは、既存の空調装置の伝送路を用いて遠隔的に換気装置の動作を制御することが可能となり、コストを抑制しつつ保安性を確保することが可能となる。
本発明の第6観点に係る空調換気システムでは、状況に応じて、換気装置を、空調装置の動作に連動して運転させることが可能となり、利便性が向上する。
本発明の第7観点に係る空調換気システムでは、室内ユニットと換気装置とを統括的に制御することが可能となり、利便性がさらに向上する。また、複数の室内ユニットを有する室内マルチ型の空調装置と、換気装置と、が独立して設置される構成においても保安性が確実に担保される。
本発明の第8観点に係る空調換気システムでは、対象空間において通信ネットワークを容易に構築することが可能となる。
本発明の第9観点に係る空調換気システムでは、対象空間において、既存の空調装置の通信線を用いて通信ネットワークを構築することが可能となり、コストを抑制しつつ保安性を確保することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る空調換気システムの概略構成図。 空調換気システムにおいて構成される冷媒回路及び伝送路を示した模式図。 換気装置の概略構成図。 コントローラと、コントローラに接続される各部を模式的に示すブロック図。 状態判定部(アダプタユニット)の処理の流れの一例を示したフローチャート。 グルーピングテーブルの一例を示した模式図。 コントローラの処理の流れの一例を示したフローチャート。 コントローラ、アダプタユニット、及び換気装置において行われる処理の一例を模式的に示したシーケンス図。 変形例Dに係る空調換気システムにおいて構成される冷媒回路及び伝送路を示した模式図。 変形例Eに係る空調換気システムにおいて構成される冷媒回路及び伝送路を示した模式図。 変形例Nに係る空調換気システムにおいて構成される冷媒回路及び伝送路を示した模式図。
本発明の一実施形態に係る空調換気システム100について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
(1)空調換気システム100
図1は、本発明の一実施形態に係る空調換気システム100の概略構成図である。図2は、空調換気システム100において構成される冷媒回路RC及び伝送路を示した模式図である。
空調換気システム100は、ビルや工場等に設置されて、対象空間の冷房、暖房及び換気等の空気調和を実現するシステムである。本実施形態において、空調換気システム100は、複数の対象空間SP(SP1及びSP2)の空気調和を行う。
空調換気システム100は、主として、対象空間SPの冷房又は暖房を行う空調装置10と、複数の換気装置40と、を有している。また、空調換気システム100は、複数のアダプタユニット50(換気制御部)と、複数の冷媒漏洩センサ60と、空調換気システム100の動作を統括的に制御するコントローラ70(空調制御部、統括制御部)と、を有している。
なお、本実施形態においては、対象空間SPにおいて既に設置されている空調装置10と、換気装置40と、を用いて、空調換気システム100を構成する場合について説明する。具体的には、空調装置10と換気装置40とが設置されている対象空間SPにおいて、アダプタユニット50を追加的に設置することで空調換気システム100を構成する。
(1−1)空調装置10
空調装置10は、冷媒回路RCを含み、冷媒回路RCにおいて冷媒を循環させて蒸気圧縮方式の冷凍サイクルを行うことにより、各対象空間SP(SP1及びSP2)の冷房又は暖房を行う。
空調装置10は、主として、熱源ユニットとしての1台の室外ユニット20と、利用ユニットとしての複数(ここでは4台)の室内ユニット30と、コマンドを入力する入力装置としての複数(ここでは2個)のリモコン35と、室外ユニット20及び各室内ユニット30の動作を統括的に制御する集中管理機器38と、を備えている。
なお、本実施形態においては、各対象空間SPに2台の室内ユニット30と、1個のリモコン35と、が配置されている。具体的には、対象空間SP1に室内ユニット30a、30b及びリモコン35aが配置され、対象空間SP2には室内ユニット30c、30d及びリモコン35bが配置されている。
空調装置10では、室外ユニット20と、各室内ユニット30と、がガス連絡配管GP及び液連絡配管LPで接続されることで冷媒回路RCが構成されている。
冷媒回路RCには、冷媒として、例えば、R32のような微燃性を有する冷媒、又は、プロパンのような燃焼性を有する冷媒、又は、アンモニアのような毒性を有する冷媒が封入されている。
(1−1−1)室外ユニット20
室外ユニット20は、室外に設置される。室外ユニット20は、主として、複数の冷媒配管(第1配管P1〜第6配管P6)と、圧縮機21と、四路切換弁22と、室外熱交換器23と、室外膨張弁24と、室外ファン25と、室外ユニット制御部26と、を有している。
第1配管P1は、ガス連絡配管GPと四路切換弁22とを接続する冷媒配管である。第2配管P2は、四路切換弁22と圧縮機21の吸入ポート(図示省略)とを接続する吸入配管である。第3配管P3は、圧縮機21の吐出ポート(図示省略)と四路切換弁22とを接続する吐出配管である。第4配管P4は、四路切換弁22と室外熱交換器23のガス側とを接続する冷媒配管である。第5配管P5は、室外熱交換器23の液側と室外膨張弁24とを接続する冷媒配管である。第6配管P6は、室外膨張弁24と液連絡配管LPとを接続する冷媒配管である。
圧縮機21は、低圧のガス冷媒を吸入し、圧縮して吐出する機構である。圧縮機21は、圧縮機モータ21aを内蔵された密閉式の構造を有している。圧縮機21では、圧縮機ケーシング(図示省略)内に収容されたロータリ式やスクロール式等の圧縮要素(図示省略)が、圧縮機モータ21aを駆動源として駆動される。圧縮機モータ21aは、運転中、インバータ制御され、状況に応じて回転数を調整される。圧縮機21は、駆動時に、吸入ポートから冷媒を吸入し、圧縮後、吐出ポートから吐出する。
四路切換弁22は、冷媒回路RCにおいて冷媒の流れる方向を切り換えるための切換弁である。四路切換弁22は、第1配管P1、第2配管P2、第3配管P3及び第4配管P4と個別に接続されている。四路切換弁22は、冷房運転時には、第1配管P1と第2配管P2とが接続されるとともに、第3配管P3と第4配管P4とが接続されるように、流路を切り換える(図1の四路切換弁22の実線を参照)。また、四路切換弁22は、暖房運転時には、第1配管P1と第3配管P3とが接続されるとともに、第2配管P2と第4配管P4とが接続されるように、流路を切り換える(図1の四路切換弁22の破線を参照)。
室外熱交換器23は、冷房運転時には冷媒の凝縮器又は放熱器として機能し、暖房運転時には冷媒の蒸発器として機能する熱交換器である。室外熱交換器23は、冷媒が流れる伝熱管(図示省略)と、伝熱面積を増大する伝熱フィン(図示省略)と、を含む。室外熱交換器23は、運転時において、伝熱管内の冷媒と、室外ファン25によって生成される空気流と、が熱交換可能なように配置されている。
室外膨張弁24は、開度調整が可能な電動弁である。室外膨張弁24は、冷房運転時には全開とされ、暖房運転時には開度に応じて冷媒を減圧する膨張弁として機能する。
室外ファン25は、例えばプロペラファンである。各室外ファン25は、室外ファンモータ25aの出力軸に接続されており、室外ファンモータ25aに連動して駆動する。室外ファン25は、駆動すると、外部から室外ユニット20内に流入し室外熱交換器23を通過してから室外ユニット20外へ流出する空気流を生成する。
室外ユニット制御部26は、CPUやメモリ等で構成されるマイクロコンピュータである。室外ユニット制御部26は、室外ユニット20における各アクチュエータの動作を制御する。室外ユニット制御部26は、各室内ユニット30の室内ユニット制御部34(後述)と、通信線を介して接続されており、相互に信号の送受信を行う。また、室外ユニット制御部26は、集中管理機器38と、WANやLAN等の通信ネットワークを介して接続されており、相互に信号の送受信を行う。また、室外ユニット制御部26は、各室内ユニット制御部34、各リモコン35又は各アダプタユニット50と、集中管理機器38と、の間の通信において送受信される信号を中継する。
(1−1−2)室内ユニット30
室内ユニット30は、例えば、いわゆる天井埋込み型、天井吊下げ型又は壁掛け型の室内機である。室内ユニット30は、室外ユニット20とともに冷媒回路RCを構成している。室内ユニット30は、主として、室内熱交換器31と、室内膨張弁32と、室内ファン33と、室内ユニット制御部34と、を有している。
室内熱交換器31は、冷房運転時には冷媒の蒸発器として機能し、暖房運転時には冷媒の凝縮器又は放熱器として機能する熱交換器である。室内熱交換器31は、いわゆるクロス・フィン・チューブ熱交換器である。室内熱交換器31は、一端が室内膨張弁32まで延びる冷媒配管に接続されるとともに、他端がガス連絡配管GPに接続されている。室内熱交換器31は、運転時において、伝熱管(図示省略)内の冷媒と、室内ファン33によって生成される空気流と、が熱交換可能なように配置されている。
室内膨張弁32は、開度調整が可能な電動弁である。室内膨張弁32は、室内ユニット30の運転停止時には、最小開度に制御される。室内膨張弁32は、冷房運転時には開度に応じて冷媒を減圧する膨張弁として機能し、暖房運転時には全開とされる。
室内ファン33は、例えばプロペラファンや多翼ファンであり、室内ファンモータ33aの出力軸に接続されている。室内ファン33は、室内ファンモータ33aに連動して駆動する。室内ファン33は、駆動すると、室内ユニット30内に流入して室内熱交換器31を通過した後に室内ユニット30外に流出する空気流を生成する。
室内ユニット制御部34は、CPUやメモリ等で構成されるマイクロコンピュータである。室内ユニット制御部34は、室内ユニット30における各アクチュエータの動作を制御する。各室内ユニット制御部34は、室外ユニット制御部26又は集中管理機器38と、信号の送受信を行う。また、各室内ユニット制御部34は、対応するリモコン35及びアダプタユニット50と、ネットワークNWを介して通信する。また、各室内ユニット制御部34は、対応するリモコン35又はアダプタユニット50と、室外ユニット制御部26又は集中管理機器38と、の間の通信において送受信される信号を中継する。
なお、本実施形態において、ネットワークNWは、通信線で構成されるいわゆる有線ネットワークであり、電気信号の伝送路として機能する。具体的に、対象空間SP1においては通信線CB1によってネットワークNWが構築され、対象空間SP2においては通信線CB2によってネットワークNWが構築されている。
(1−1−3)リモコン35
リモコン35は、空調装置10へのコマンドを入力するための入力キー(図示省略)と、運転状態を表示するディスプレイ(図示省略)を有するユーザインターフェースである。リモコン35は、同一の対象空間SPに配置される室内ユニット30の室内ユニット制御部34とネットワークNWを介して相互に信号の送受信を行う。
本実施形態において、リモコン35aは、室内ユニット30bの室内ユニット制御部34と通信線CB1で接続されている。また、リモコン35bは、室内ユニット30dの室内ユニット制御部34と通信線CB2で接続されている。
また、リモコン35は、室内ユニット制御部34に信号を中継されることで、室外ユニット制御部26、集中管理機器38、又はアダプタユニット50と、通信を行う。
(1−1−4)集中管理機器38
集中管理機器38は、空調装置10及び複数の換気装置40を含む空調換気システム100の動作を統括的に制御するコンピュータである。集中管理機器38は、CPUと、ROM、RAMやフラッシュメモリ等のメモリと、を含んでいる。また、集中管理機器38は、ユーザがコマンドを入力する入力部と、ユーザに情報を表示する表示部と、を含んでいる。
集中管理機器38は、例えば各対象空間SPとは離れた監視室や集中管理室等に配置されるサーバである。集中管理機器38は、室外ユニット制御部26と、相互に信号の送受信を行う。また、集中管理機器38は、室外ユニット制御部26に信号を中継されることで、室内ユニット制御部34、リモコン35、又はアダプタユニット50と、通信を行う。
(1−2)換気装置40
図3は、換気装置40の概略構成図である。換気装置40は、対象空間SPの換気を行う。換気装置40は、対象空間SP(より詳細には対象空間SPの天井裏空間)において、空調装置10とは独立して設置されている。換気装置は、商用電源5から電源を供給されている。
空調換気システム100では、複数(ここでは2台)の換気装置40(換気装置40a及び40b)を有している。換気装置40aは対象空間SP1に配置され、換気装置40bは対象空間SP2に配置されている。
各換気装置40は、複数のダクト(取入ダクト401、給気ダクト402、取出ダクト403、及び排気ダクト404)を有している。取入ダクト401は、室外空気OAを対象空間SPに取り入れるための取入口に接続される。給気ダクト402は、室外空気OAを供給空気SAとして供給する給気口に接続される。取出ダクト403は、室内空気RAを対象空間SPから取り出すための取出口に接続される。排気ダクト404は、室内空気RAを排出空気EAとして室外に排出するための排出口に接続される。
また、各換気装置40は、本体フレーム41(フレーム)と、熱交換器42と、換気用の給気ファン43(換気ファン)及び排気ファン44(換気ファン)と、ファン駆動制御部45(駆動部、駆動電圧供給部)と、を有している。
本体フレーム41は、給気ファン43及び排気ファン44を収容している(保持している)。本体フレーム41内には、互いに区画された2つの空気流路(給気流路41a及び排気流路41b)が形成されている。給気流路41a及び排気流路41bは、それぞれ熱交換器42を横切るように形成されている。給気流路41aは、その一端が取入ダクト401に接続され、他端が給気ダクト402に接続されている。給気流路41aは、室外から対象空間SPに向けて空気を流すための空気流路である。排気流路41bは、その一端が取出ダクト403に接続され、他端が排気ダクト404に接続されている。排気流路41bは、対象空間SPから室外に向けて空気を流すための空気流路である。
熱交換器42は、2つの空気流(ここでは、室内空気RAと室外空気OA)の間で顕熱と潜熱とを同時に熱交換する全熱交換器である。熱交換器42は、本体フレーム41内に配置され、2つの給気流路41a上に位置している。
給気ファン43は、室外から対象空間SPに向かう空気流を生成する。給気ファン43は、シロッコファンであり、駆動部である給気ファンモータ43aを含む。給気ファン43は、本体フレーム41内に配置され、給気流路41a上に位置している。
排気ファン44は、対象空間SPから室外に向かう空気流を生成する。排気ファン44は、シロッコファンであり、駆動部である排気ファンモータ44aを含む。排気ファン44は、排気流路41b上に位置している。
ファン駆動制御部45は、給気ファン43(給気ファンモータ43a)及び排気ファン44(排気ファンモータ44a)の駆動を制御する制御部である。ファン駆動制御部45は、本体フレーム41に設けられた電装品箱411内に収容されている。ファン駆動制御部45は、給気ファンモータ43a及び排気ファンモータ44aに対して回転数に応じた駆動電圧を供給するインバータ(図示省略)と、供給する電圧を回転数(風量)に基づいて決定する電圧決定部(図示省略)と、を含む。すなわち、本実施形態の換気装置40は、給気ファン43及び排気ファン44の回転数を調整可能である。
ファン駆動制御部45は、外部機器と電気的に接続されるための接続端子451(図4参照)を有している。ファン駆動制御部45は、接続端子451に通信線の一端側を接続されることで、通信線の他端側に接続されている機器(ここではアダプタユニット50)と、電気的に接続されて通信可能となる。
ファン駆動制御部45は、接続端子451及び通信線を介して接続されたアダプタユニット50から、制御信号(後述する回転数制御信号)を送信される(すなわち、接続端子451を介して制御信号を入力される)と、当該回転数制御信号に基づいた回転数で給気ファンモータ43a又は排気ファンモータ44aが駆動するように、給気ファンモータ43a又は排気ファンモータ44aに駆動電圧を供給する。
(1−3)アダプタユニット50
アダプタユニット50は、ファン駆動制御部45に制御信号を送信することで、対応する換気装置40(給気ファン43及び排気ファン44)の動作を制御するユニットである。空調換気システム100は、複数(ここでは2個)のアダプタユニット50(第1アダプタユニット50a及び第2アダプタユニット50b)を有している。具体的に、第1アダプタユニット50aは、対象空間SP1に配置され換気装置40aに対応している。第2アダプタユニット50bは、対象空間SP2に配置され換気装置40bに対応している。
アダプタユニット50は、対応する換気装置40(本体フレーム41)とは別体に構成され、独立して配置されている。特に、本実施形態においては、アダプタユニット50は、既に空調装置10及び換気装置40が設置されている対象空間SPにおいて、追加的に配置される。
アダプタユニット50は、ROM及びRAM等のメモリやCPU等で構成されるマイクロコンピュータを含む。また、アダプタユニット50は、ファン駆動制御部45及び室内ユニット制御部34と信号を送受信するための通信モジュールを含んでいる。
アダプタユニット50は、室内ユニット制御部34(コントローラ70)から送信される信号に基づき、ファン駆動制御部45に対し、給気ファン43(給気ファンモータ43a)及び/又は排気ファン44(排気ファンモータ44a)の発停及び回転数を切り換える指令を含む信号(以下、「回転数制御信号」)を送信する。すなわち、アダプタユニット50は、受信する電気信号に基づき、換気装置40の動作を制御する。
アダプタユニット50は、電源を投入されると、定期的(所定時間t1が経過する毎)にファン駆動制御部45との通信が正常に可能であり、且つ、換気装置40が機械的に正常に動作するか否かの判定(以下、「状態判定」と記載)を行う。本実施形態において、所定時間t1は、1minに設定されている。
アダプタユニット50は、状態判定における判定結果が正常である(すなわち、アダプタユニット50と換気装置40間の通信が正常に可能であり、且つ、換気装置40が機械的に正常に動作する)ことを確認すると、伝送信号(以下、「状態報知信号」)を室内ユニット制御部34に送信する。すなわち、アダプタユニット50は、ファン駆動制御部45との通信が正常に可能であり、且つ、換気装置40が機械的に正常に動作する状態においては、定期的に室内ユニット制御部34(コントローラ70)に対して状態報知信号(報知信号)を送信する。
具体的に、状態判定において、アダプタユニット50は、駆動指令又は回転数制御信号に対する換気装置40の動作が正常である場合(具体的には、停止状態にある換気装置40が駆動指令を受けて正常に駆動する場合、或いは駆動している給気ファン43又は排気ファン44の回転数が送信した直近の回転数制御信号と合致する場合)には、換気装置40との通信が正常に可能であり、且つ、換気装置40が機械的に正常に動作する状態にある、と判定する。一方で、アダプタユニット50は、駆動指令又は回転数制御信号に対する換気装置40の動作が正常でない場合(具体的には、停止状態にある換気装置40が駆動指令を受けて正常に駆動しない場合、或いは駆動中している給気ファン43又は排気ファン44の回転数が送信した直近の回転数制御信号と合致しない場合)には、換気装置40との通信が正常に行えない、又は換気装置40が機械的に正常に動作しない、と判定する。
なお、アダプタユニット50は、給気ファンモータ43aや排気ファンモータ44aを流れるモータ電流や磁束の変化等に基づき、公知の方法により給気ファン43及び排気ファン44の発停状態及び回転数を検知する。
ここで、状態報知信号は、アダプタユニット50とファン駆動制御部45(換気装置40)との通信、及びアダプタユニット50と室内ユニット制御部34(コントローラ70)との通信、が正常に行える状態にあり、且つ、換気装置40が機械的に正常に動作する状態にあることを、室内ユニット制御部34(コントローラ70)へ報知するための信号である。すなわち、アダプタユニット50は、換気装置40の動作を制御可能な状態にある場合、定期的(所定時間t1が経過する毎)に状態報知信号を室内ユニット制御部34(コントローラ70)に送信する。
アダプタユニット50の詳細については、後述の「(3)アダプタユニット50の詳細」において説明する。
(1−4)冷媒漏洩センサ60
冷媒漏洩センサ60は、対象空間SPにおける冷媒漏洩を検知するためのセンサである。本実施形態では、冷媒漏洩センサ60は、公知の汎用品が用いられる。
冷媒漏洩センサ60は、対応する対象空間SPに配置されている。空調換気システム100では、複数(2個)の冷媒漏洩センサ60(第1冷媒漏洩センサ60a及び第2冷媒漏洩センサ60b)を有している。
第1冷媒漏洩センサ60aは、対象空間SP1に設置されている。第2冷媒漏洩センサ60bは、対象空間SP2に設置されている。
各冷媒漏洩センサ60は、同一の対象空間SP1に設置されている室内ユニット30の室内ユニット制御部34と電気的に接続されている。第1冷媒漏洩センサ60aは、室内ユニット30bの室内ユニット制御部34と電気的に接続されている。第2冷媒漏洩センサ60bは、室内ユニット30dの室内ユニット制御部34と電気的に接続されている。
冷媒漏洩センサ60は、冷媒漏洩を検出すると、冷媒漏洩が生じている旨を示す電気信号(以下、「冷媒漏洩信号」と記載)を、接続されている室内ユニット制御部34に出力する。
(1−5)コントローラ70
空調換気システム100では、室外ユニット制御部26と、各室内ユニット制御部34と、各リモコン35と、集中管理機器38と、が通信ネットワークを介して接続されることで、空調換気システム100の動作を制御するコントローラ70が構成されている。コントローラ70の詳細については、後述の「(4)コントローラ70の詳細」において説明する。
(2)空調換気システム100の運転
(2−1)冷房運転
リモコン35に冷房運転開始指示が入力される等して、コントローラ70によって冷房運転に係る制御が実行されると、四路切換弁22が冷房運転状態(図2の四路切換弁22の実線で示された状態)に切り換えられて、圧縮機21及び室外ファン25が起動する。また、冷房運転を行う対象空間SPに設置された室内ユニット30(以下、「冷房室内ユニット30」と記載)の室内ファン33が起動するとともに室内膨張弁32が適切な開度で開けられる。
係る状態になると、冷房室内ユニット30の室内熱交換器31に流入した冷媒が、室内ファン33によって生成される空気流と熱交換して蒸発する。室内熱交換器31を流出した冷媒は、ガス連絡配管GP、第1配管P1、四路切換弁22、及び第2配管P2を通過して圧縮機21に吸入されて圧縮される。圧縮機21から吐出された冷媒は、第3配管P3、四路切換弁22、及び第4配管P4を通過して室外熱交換器23に流入する。
室外熱交換器23に流入した冷媒は、室外ファン25が生成する空気流と熱交換して凝縮する。室外熱交換器23から流出した冷媒は、第5配管P5、室外膨張弁24、第6配管P6、及び液連絡配管LPを通過して冷房室内ユニット30の室内膨張弁32に流入する。室内膨張弁32に流入した冷媒は、室内膨張弁32の開度に応じて減圧される。室内膨張弁32から流出した冷媒は、再び室内熱交換器31に流入する。
(2−2)暖房運転
リモコン35に暖房運転開始指示が入力される等して、コントローラ70によって暖房運転に係る制御が実行されると、四路切換弁22が暖房運転状態(図2の四路切換弁22の破線で示された状態)に切り換えられて、圧縮機21及び室外ファン25が起動する。また、室外膨張弁24が適切な開度で開けられる。また、暖房運転を行う対象空間SPに設置された室内ユニット30(以下、「暖房室内ユニット30」と記載)の室内ファン33が起動する。
係る状態になると、室外熱交換器23に流入した冷媒が、室外ファン25によって生成される空気流と熱交換して蒸発する。室外熱交換器23を流出した冷媒は、第4配管P4、四路切換弁22、及び第2配管P2を通過して圧縮機21に吸入されて圧縮される。圧縮機21から吐出された冷媒は、第3配管P3、四路切換弁22、及び第1配管P1、及びガス連絡配管GPを通過して暖房室内ユニット30の室内熱交換器31に流入する。
室内熱交換器31に流入した冷媒は、室内ファン33が生成する空気流と熱交換して凝縮する。室内熱交換器31から流出した冷媒は、室内膨張弁32、液連絡配管LP、及び第6配管P6を通過して室外膨張弁24に流入する。室外膨張弁24に流入した冷媒は、室外膨張弁24の開度に応じて減圧される。室外膨張弁24から流出した冷媒は、再び室外熱交換器23に流入する。
(2−3)換気運転
換気装置40に換気運転の開始指示がなされると、給気ファン43及び排気ファン44が起動する。なお、換気運転の指示には、アダプタユニット50からの要求による場合と、コントローラ70からの要求による場合と、がある。
給気ファン43及び排気ファン44が駆動状態になると、取入ダクト401を通じて室外から換気装置40内に流入した室外空気OAと、取出ダクト403を通じて対象空間SPから換気装置40内に流入した室内空気RAとが、熱交換器42において、熱交換を行う。その後、熱交換器42において熱交換を行った室外空気OAは、給気ダクト402を通じて供給空気SAとして対象空間SPに供給される。また、熱交換器42において熱交換を行った室内空気RAは、排気ダクト404を通じて排出空気EAとして室外に排出される。
(2−4)強制換気運転
空調換気システム100では、対象空間SPにおいて冷媒が漏洩した場合に、漏洩した冷媒を室外へ排出すべく強制換気運転が行われる。
具体的には、冷媒回路RCから冷媒が漏洩し、漏洩した冷媒が対象空間SPに流入すると、冷媒漏洩センサ60によって係る冷媒漏洩が検出される。コントローラ70は、冷媒漏洩センサ60からの信号を受けて、冷媒漏洩が生じていることを検知し、冷媒漏洩センサ60が冷媒漏洩を検出した対象空間SPに設置される換気装置40を起動すべく、対応するアダプタユニット50へ強制換気運転開始信号を送信する。これにより、給気ファン43及び排気ファン44が起動する。係る強制換気運転では、給気ファン43及び排気ファン44は、例えば、回転数(風量)が最大の状態で駆動を継続する。
なお、この際、コントローラ70は、各室内ユニット30の室内膨張弁32を最小開度(全閉状態)に制御するとともに室内ファン33を停止させ、圧縮機21及び室外ファン25を停止させる。これにより、冷媒回路RCにおいて冷媒の循環が停止し、更なる冷媒漏洩が抑制される。
また、コントローラ70は、冷媒漏洩が生じている旨をユーザに報知すべく、冷媒漏洩が生じていることを示す情報と、冷媒漏洩が生じている対象空間SPを特定する情報と、をリモコン35に表示させる。
(3)アダプタユニット50の詳細
図4は、コントローラ70と、コントローラ70に接続される各部を模式的に示すブロック図である。
アダプタユニット50は、主として、アダプタユニット記憶部51と、アダプタユニット通信部52と、アダプタユニット入力部53と、アダプタユニット制御部54と、状態判定部55と、を有している。
(3−1)アダプタユニット記憶部51
アダプタユニット記憶部51は、ROM、RAM、及びフラッシュメモリ等で構成されている。アダプタユニット記憶部51は、各種情報を記憶するための揮発性及び不揮発性の記憶領域を含んでいる。アダプタユニット記憶部51には、アダプタユニット50における各部の処理に用いられるプログラムが格納されている。
また、アダプタユニット記憶部51は、ユーザやコントローラ70から運転開始指示が入力されているか否かを判別する運転コマンド判別フラグ51aを含んでいる。運転コマンド判別フラグ51aは、換気装置40へ運転開始指示が入力された場合に立てられ、換気装置40が停止される場合に解除される。
また、アダプタユニット記憶部51は、ユーザやコントローラ70から入力された回転数(風量)を判別する風量判別フラグ51bを含んでいる。風量判別フラグ51bは、給気ファン43及び排気ファン44のそれぞれの回転数(風量)を段階的に判別可能なように、所定のビット数を含んでいる。
(3−2)アダプタユニット通信部52
アダプタユニット通信部52は、コントローラ70及びファン駆動制御部45から送信された信号を受信して、アダプタユニット記憶部51の所定の記憶領域に格納する。
また、アダプタユニット通信部52は、コントローラ70から送信された運転開始信号や強制換気運転開始信号を受信すると、運転コマンド判別フラグ51aを立てる。
また、アダプタユニット通信部52は、コントローラ70等から送信された回転数を指示する信号を受信すると、当該回転数に対応するように風量判別フラグ51bを設定する。
また、アダプタユニット通信部52は、コントローラ70から送信された強制換気運転開始信号を受信すると、給気ファン43及び排気ファン44の最大回転数(最大風量)に対応するように、風量判別フラグ51bを設定する。
アダプタユニット通信部52は、他の各部からの依頼を受けて、所定の信号を送信する。例えば、アダプタユニット通信部52は、アダプタユニット制御部54からの依頼を受けて、回転数制御信号をファン駆動制御部45へ送信する。
(3−3)アダプタユニット入力部53
アダプタユニット入力部53は、入力キー(図示省略)等を介してユーザが入力したコマンドを受け付ける部分である。アダプタユニット入力部53は、ユーザが入力した運転開始指示を受け付けると、運転コマンド判別フラグ51aを立てる。また、アダプタユニット入力部53は、ユーザが入力した回転数(風量)指定指示を受け付けると、指定された回転数(風量)に対応するように風量判別フラグ51bを設定する。
(3−4)アダプタユニット制御部54
アダプタユニット制御部54は、給気ファン43及び排気ファン44の発停及び風量を調整すべく、ファン駆動制御部45へ所定の信号を送信する。
アダプタユニット制御部54は、運転コマンド判別フラグ51aが立てられると、風量判別フラグ51bを参照し、ファン駆動制御部45へ回転数制御信号を送信する。これにより、給気ファン43及び排気ファン44が指定された回転数(風量)で駆動する。
また、アダプタユニット制御部54は、運転コマンド判別フラグ51aが解除されると、ファン駆動制御部45へ運転停止信号を送信する。これにより、給気ファン43及び排気ファン44が停止する。
(3−5)状態判定部55
図5は、状態判定部55の処理の流れの一例を示したフローチャートである。
状態判定部55は、換気装置40の動作を正常に制御可能か否か、を判定する機能部である。状態判定部55は、タイマー機能を有しており、時間を計測可能である。
状態判定部55は、電源を投入されると、ファン駆動制御部45に対して所定時間t1(10sec)が経過する毎に状態判定を行う(図5のステップS101及びステップS102を参照)。
状態判定部55は、状態判定の結果、換気装置40との通信が正常に可能であり、且つ、換気装置40が機械的に正常に動作する状態にある(すなわち、換気装置40が正常に動作する)と判定した場合には、状態報知信号を生成し、アダプタユニット通信部52にコントローラ70へ向けて送信させる(図5のステップS103及びS104を参照)。この際、状態判定部55は、検知した給気ファン43及び排気ファン44の回転数(風量)に関する情報等を含めて状態報知信号を生成する。
(4)コントローラ70の詳細
図4に示すように、コントローラ70は、各アダプタユニット50(第1アダプタユニット50a及び第2アダプタユニット50b)と、電気的に接続されている。また、コントローラ70は、各冷媒漏洩センサ60(第1冷媒漏洩センサ60a及び第2冷媒漏洩センサ60b)と電気的に接続されている。また、コントローラ70は、空調装置10の各アクチュエータ(圧縮機21、四路切換弁22、室外膨張弁24、室外ファン25、室内膨張弁32、及び室内ファン33等)と、電気的に接続されている。
コントローラ70は、主として、記憶部71と、通信部72と、入力制御部73と、グループ設定部74と、アクチュエータ制御部75と、運転許可部76と、強制換気制御部77と、表示制御部78と、を有している。
(4−1)記憶部71
記憶部71は、ROM、RAM、及びフラッシュメモリ等で構成されている。記憶部71は、各種情報を記憶するための揮発性又は不揮発性の記憶領域を含んでいる。記憶部71には、コントローラ70における各部の処理に用いられるプログラムが格納されている。
記憶部71には、ユーザによって、入力された運転開始、運転停止、運転モード、設定温度、設定風量、風向き等の設定項目等を特定する情報であるコマンド情報が適宜格納される。
また、記憶部71には、グループ制御(後述)に用いられるグルーピングテーブルTB1(後述)が格納される。
また、記憶部71は、換気装置40との通信が正常に可能であり、且つ、換気装置40が機械的に正常に動作する状態にあるか否か(すなわち、換気装置40が正常に制御可能か否か)を、換気装置40毎に判別するための状態判別フラグ71a及び71bを含んでいる。状態判別フラグ71a及び71bは、いずれかのアダプタユニット50(すなわち、いずれかの換気装置40)に1対1で対応している。
具体的に状態判別フラグ71aは、第1アダプタユニット50a(すなわち、換気装置40a)に対応しており、換気装置40aとの通信が正常に可能であり、且つ、換気装置40aが機械的に正常に動作する状態にあるか否か、を判別するためのフラグである。状態判別フラグ71bは、第2アダプタユニット50b(すなわち、換気装置40b)に対応しており、換気装置40bとの通信が正常に可能であり、且つ、換気装置40bが機械的に正常に動作する状態にあるか否か、を判別するためのフラグである。
状態判別フラグ71a及び71bは、コントローラ70が状態報知信号を受信すると立てられ、前回の状態報知信号を受信してから所定時間t2以上、新たな状態報知信号を受信しない場合には解除される。すなわち、コントローラ70は、アダプタユニット50からの状態報知信号を受信しない場合、又は前回の状態報知信号から所定時間t2以上新たな状態報知信号を受信しない場合には、アダプタユニット50及び換気装置40間の通信、若しくはコントローラ70及びアダプタユニット50間の通信が正常に行えない状態にある、又は換気装置40が機械的に正常に動作しない状態にある、と判断して、状態判別フラグを立てない又は解除する。なお、本実施形態において、所定時間t2は、3minに設定されている。
また、記憶部71は、各冷媒漏洩センサ60の検出結果(すなわち、各対象空間SPにおける冷媒漏洩の有無)を個別に判別するための冷媒漏洩判別フラグFa及びFbを含んでいる。冷媒漏洩判別フラグFa及びFbは、いずれかの冷媒漏洩センサ60に1対1で対応している。具体的に冷媒漏洩判別フラグFaは、第1冷媒漏洩センサ60aに対応している。冷媒漏洩判別フラグFbは第2冷媒漏洩センサ60bに対応している。冷媒漏洩判別フラグFa及びFbは、対応する冷媒漏洩センサ60から冷媒漏洩信号を受信した場合(すなわち、対応する冷媒漏洩センサ60が設置される対象空間SPにおいて冷媒漏洩が生じた場合)に立てられる。
また、記憶部71は、室内ユニット30の運転が運転許可部76によって許可されているか否かを、後述するグループ毎に識別する運転可否判別フラグ(G1及びG2)が、グループの数(ここでは2つ)に対応して設けられている。
運転可否判別フラグG1はグループ1(後述)に対応しており、運転可否判別フラグG2はグループ2(後述)に対応している。運転可否判別フラグG1が立てられていない時にはグループ1に所属する室内ユニット30(30a及び30b)の運転が禁止された状態を示しており、立てられている時には当該室内ユニット30の運転が許可された状態を示している。また、運転可否判別フラグG2が立てられていない時にはグループ2に所属する室内ユニット30(30c及び30d)の運転が禁止された状態を示しており、立てられている時には当該室内ユニット30の運転が許可された状態を示している。
(4−2)通信部72
通信部72は、他の各部(アダプタユニット50、リモコン35、又はアクチュエータやセンサ等)から送信された信号を受信して、記憶部71の所定の記憶領域に格納する。また、通信部72は、ファン駆動制御部45から状態報知信号を受信すると、送信元のアダプタユニット50に対応する状態判別フラグ(71a又は71b)を立てる。また、通信部72は、冷媒漏洩センサ60から冷媒漏洩信号を受信した場合、対応する冷媒漏洩判別フラグ(Fa又はFb)を立てる。
(4−3)入力制御部73
入力制御部73は、ユーザのコマンドを受け付けて、コマンドに対応する処理を実行し、処理結果を記憶部71の所定の記憶領域に格納する。
例えば、入力制御部73は、ユーザによって、運転開始、運転停止、運転モード、設定温度、設定風量、風向き等の設定項目等が新たに入力された時は、入力された指示を特定するコマンド情報を記憶部71に格納する。
(4−4)グループ設定部74
また、グループ設定部74は、ユーザによって、グルーピング設定が行われたときは、当該グルーピング設定に基づいたテーブル(以下、「グルーピングテーブルTB1」と記載)を作成して記憶部71に格納する。
なお、グルーピング設定とは、空調換気システム100に含まれている機器(具体的には室内ユニット30、換気装置40、冷媒漏洩センサ60)をグループ分けして登録する処理である。係るグルーピング設定は、グループ毎に運転状態を統括的に制御するグループ制御を実行するために行われる。
図6は、グルーピングテーブルTB1の一例を示した模式図である。図6では、機器ごとに、固有の識別情報である変数「ユニット番号」と、所属するグループを特定する情報である変数「グループ番号」と、機器の種類を特定する情報である変数「機種コード」が、個別に定義されている。
例えば、室内ユニット30aは、ユニット番号の値が「1」と定義されている。また、他の機器のユニット番号の値については、室内ユニット30bは「2」、室内ユニット30cは「3」、室内ユニット30dは「4」、換気装置40aは「5」、換気装置40bは「6」、第1冷媒漏洩センサ60aは「7」、第2冷媒漏洩センサ60bは「8」、とそれぞれ定義されている。
また、室内ユニット30aは、グループ番号の値が「1」と定義されている。また、他の機器のグループ番号の値については、室内ユニット30bは「1」、室内ユニット30cは「2」、室内ユニット30dは「2」、換気装置40aは「1」、換気装置40bは「2」、第1冷媒漏洩センサ60aは「1」、第2冷媒漏洩センサ60bは「2」、とそれぞれ定義されている。すなわち、図6に示すグルーピングテーブルTB1においては、対象空間SP1に設置されている室内ユニット30a、室内ユニット30b、換気装置40a、及び第1冷媒漏洩センサ60aが、同一グループ(グループ1)に所属していることが示されている。また、対象空間SP2に設置されている室内ユニット30c、室内ユニット30d、換気装置40b、及び第2冷媒漏洩センサ60bが同一グループ(グループ2)に所属していることが示されている。
また、室内ユニット30a、室内ユニット30b、室内ユニット30c、及び室内ユニット30dについては、機種コードの値が、室内ユニットであることを示す「1」と定義されている。また、換気装置40a及び40bについては、機種コードの値が、換気装置40であることを示す「2」と定義されている。また、第1冷媒漏洩センサ60a及び第2冷媒漏洩センサ60bについては、機種コードの値が、冷媒漏洩センサ60であることを示す「3」と定義されている。
入力制御部73は、ユーザによって新たにグルーピング設定が行われた時には、グルーピングテーブルTB1を適宜更新する。これにより、空調換気システム100では、複数の室内ユニット30及び換気装置40の動作を統括的に制御し、同一の対象空間SPに設置された室内ユニット30と換気装置40とを連動させること(すなわち、グループ制御)が可能となっている。
なお、本実施形態では、室内ユニット30aがグループ1の親機に設定されており、室内ユニット30cがグループ2の親機に設定されている。
(4−5)アクチュエータ制御部75
アクチュエータ制御部75は、制御プログラムに沿って、空調装置10に含まれる各アクチュエータ(例えば圧縮機21、四路切換弁22、室外膨張弁24、室外ファン25、室内膨張弁32、及び室内ファン33等)の動作を、状況に応じて個別に制御する。
また、アクチュエータ制御部75は、グループ制御が要求される場合には、記憶部71に格納されているグルーピングテーブルTB1に基づいて、空調換気システム100に含まれる機器の運転状態をグループ毎に統括的に制御するグループ制御を実行する。グループ制御が要求される場合とは、ユーザによってグループ毎の運転状態の切換えコマンドが入力される場合等である。
アクチュエータ制御部75は、冷媒漏洩判別フラグFa及びFbを適宜参照し、冷媒漏洩判別フラグFa又はFbが立てられた状態にある時には、室内ファン33を最大回転数で駆動させるとともに、空調装置10に含まれるその他のアクチュエータを運転停止状態に制御する。具体的には、アクチュエータ制御部75は、室内膨張弁32を最小開度(全閉)に制御するとともに、圧縮機21及び室外ファン25の駆動を停止させる。
なお、このように冷媒漏洩が生じた際に室内ファン33を最大回転数で駆動させるのは、対象空間SPにおいて漏洩した冷媒を攪拌し、冷媒濃度が高まることを抑制するためである。また、室内膨張弁32を最小開度(全閉)に制御するとともに、圧縮機21及び室外ファン25の駆動を停止させるのは、更なる冷媒回路RCにおける冷媒の循環を停止させて、更なる冷媒漏洩を抑制するためである。
また、アクチュエータ制御部75は、運転可否判別フラグG1及びG2を適宜参照し、運転可否判別フラグG1又はG2が立てられていない時には、対応するグループに所属する室内ユニット30を運転停止状態に制御する。例えば、運転可否判別フラグG1が立てられていない時には、グループ1に所属する室内ユニット30a及び30bを運転停止状態に制御する。また、運転可否判別フラグG2が立てられていない時には、グループ2に所属する室内ユニット30c及び30dを運転停止状態に制御する。
なお、室内ユニット30の「運転停止状態」とは、室内膨張弁32が最小開度(全閉)に制御されるとともに、室内ファン33の駆動が停止された状態である。また、室内ユニット30を「運転停止状態に制御する」には、室内ユニット30が停止状態にある場合に運転開始信号が入力されても運転を開始させないことや、室内ユニット30が運転状態にある場合に運転停止信号が入力されていなくても運転を停止させることが含まれる。
(4−6)運転許可部76
運転許可部76は、グループ毎に室内ユニット30の運転を許可するか否かを決定する機能部である。運転許可部76は、記憶部71の状態判別フラグ71a及び71bを参照し、状態判別フラグ71a及び71bの状態に基づいて室内ユニット30の運転を許可するか否かを決定し、状況に応じて運転可否判別フラグG1又はG2を立てる。
例えば、運転許可部76は、状態判別フラグ71aが立てられていない場合には、グループ1に所属する室内ユニット30a及び30bの運転を禁止すべく、運転可否判別フラグG1を立てない又は解除する。また、運転許可部76は、状態判別フラグ71bが立てられていない場合には、グループ2に所属する室内ユニット30c及び30dの運転を禁止すべく、運転可否判別フラグG2を立てない又は解除する。
(4−7)強制換気制御部77
強制換気制御部77は、対象空間SPにおいて冷媒漏洩が生じた際に、当該対象空間SPに設置されている換気装置40を強制的に駆動させる機能部である。
強制換気制御部77は、冷媒漏洩判別フラグFa及びFbを適宜参照し、冷媒漏洩判別フラグFa又はFbが立てられると、対応するアダプタユニット50に対して強制換気信号を送信する。
具体的には、強制換気制御部77の処理においては、冷媒漏洩判別フラグFaと第1アダプタユニット50aとが対応づけられており、冷媒漏洩判別フラグFaが立てられると、強制換気制御部77は第1アダプタユニット50aへ強制換気信号を送信する。その結果、対象空間SP1において冷媒漏洩が生じた際には、換気装置40aの給気ファン43及び排気ファン44が最大回転数(最大風量)で駆動する(すなわち、強制換気運転が行われる)。
また、強制換気制御部77の処理においては、冷媒漏洩判別フラグFbと第2アダプタユニット50bとが対応づけられており、冷媒漏洩判別フラグFbが立てられると、強制換気制御部77は第2アダプタユニット50bへ強制換気信号を送信する。その結果、対象空間SP2において冷媒漏洩が生じた際には、換気装置40bの給気ファン43及び排気ファン44が最大回転数(最大風量)で駆動する(すなわち、強制換気運転が行われる)。
(4−8)表示制御部78
表示制御部78は、状況に応じて、ユーザに対して表示する表示情報を生成して、対応する機器(リモコン35又は集中管理機器38)において表示させる。
例えば、表示制御部78は、空調装置10が運転状態にある場合には、駆動している室内ユニット30の運転情報(設定温度、設定風量、又は風向き等)を表示させる表示情報を生成して対応するリモコン35に表示させる。
また、表示制御部78は、運転可否判別フラグG1及びG2を適宜参照し、運転可否判別フラグG1及びG2の状態に応じた表示情報を生成する。例えば、表示制御部78は、運転可否判別フラグG1が立てられていない時には、グループ1の室内ユニット30の運転が禁止されている旨を示す表示情報を生成してリモコン35a及び集中管理機器38に表示させる。また、表示制御部78は、運転可否判別フラグG2が立てられていない時には、グループ2の室内ユニット30の運転が禁止されている旨を示す表示情報を生成してリモコン35bに表示させる。
また、表示制御部78は、状態判別フラグ71a及び71bを適宜参照し、状態判別フラグ71a及び71bの状態に応じた表示情報を生成する。例えば、表示制御部78は、状態判別フラグ71aが立てられていない時には、グループ1(対象空間SP1)において換気装置40aが正常に制御できない状態にある(すなわち、換気装置40aとの通信が正常に行えない、又は換気装置40aが正常に動作しない)ことを示す表示情報、を生成してリモコン35a及び集中管理機器38に表示させる。また、表示制御部78は、状態判別フラグ71bが立てられていない時には、グループ2(対象空間SP2)において換気装置40bが正常に制御できない状態にある(すなわち、換気装置40bとの通信が正常に行えない、又は換気装置40bが正常に動作しない)ことを示す表示情報、を生成してリモコン35b及び集中管理機器38に表示させる。
また、表示制御部78は、冷媒漏洩判別フラグFa及びFbを適宜参照し、冷媒漏洩判別フラグFa又はFbの状態に応じた表示情報を生成する。例えば、表示制御部78は、冷媒漏洩判別フラグFaが立てられた時には、対象空間SP1において冷媒漏洩が生じている旨を示す表示情報を生成してリモコン35a及び集中管理機器38に表示させる。また、表示制御部78は、冷媒漏洩判別フラグFbが立てられた時には、対象空間SP2において冷媒漏洩が生じている旨を示す表示情報を生成してリモコン35b及び集中管理機器38に表示させる。
(5)コントローラ70の処理の流れ
図7は、コントローラ70の処理の流れの一例を示したフローチャートである。
コントローラ70は、例えば以下のような流れで制御を実行する。なお、以下の処理の流れは、一例であり、適宜変更が可能である。
ステップS201において、コントローラ70は、ユーザによってグルーピング設定が入力されたか否かを判定する。当該判定がNOの場合(すなわちユーザによってグルーピング設定が入力されない場合)、ステップS203へ進む。一方、当該判定がYESの場合(すなわちユーザによってグルーピング設定が入力された場合)、ステップS202へ進む。
ステップS202において、コントローラ70は、入力されたユーザのグルーピング設定に基づき、グルーピングテーブルTB1を生成(又は更新)する。その後ステップS203へ進む。
ステップS203において、コントローラ70は、冷媒漏洩が生じていないか否かを判定する。当該判定がNOの場合(すなわち冷媒漏洩が生じている場合)、ステップS204へ進む。一方、当該判定がYESの場合(すなわち冷媒漏洩が生じていない場合)、ステップS205へ進む。
ステップS204において、コントローラ70は、冷媒漏洩が生じた対象空間SPの室内ユニット30の室内ファン33を最大回転数(最大風量)で運転させる。また、コントローラ70は、空調装置10のその他のアクチュエータを停止状態に制御する。また、コントローラ70は、強制換気運転開始信号を対応するアダプタユニット50へ送信して、冷媒漏洩が生じている対象空間SPにおいて設置されている換気装置40を最大回転数(最大風量)で運転させる。また、コントローラ70は、冷媒漏洩が生じている旨をリモコン35及び集中管理機器38に表示させる。その後、ユーザによって解除されるまで当該状態を継続する。
ステップS205において、コントローラ70は、状態報知信号を正常に受信しているか否かを判定する。当該判定がNOの場合(すなわち状態報知信号を1度も受信していない場合、又は状態報知信号を受信してから所定時間t2以上新たな状態報知信号を受信しない場合)、ステップS206へ進む。一方、当該判定がYESの場合(すなわち状態報知信号を正常に受信した場合)、ステップS207へ進む。
ステップS206において、コントローラ70は、状態報知信号を正常に送信されていないアダプタユニット50が設置されている対象空間SP(すなわち、換気装置40を正常に制御できない状態にある対象空間SP)の、室内ユニット30の運転を禁止する(すなわち、停止状態にある室内ユニット30については運転を開始させず、運転状態にある室内ユニット30については運転を停止させる)。また、コントローラ70は、換気装置40を正常に制御できない状態にある対象空間SPを特定する情報、及び当該対象空間SPにおいて室内ユニット30の運転が禁止される旨を示す情報、をリモコン35及び集中管理機器38に表示させる。その後、ステップS207へ進む。
ステップS207において、コントローラ70は、運転コマンドが入力されたか否か(すなわち、運転開始指示、運転停止指示、設定温度指定、設定風量指定、及び風向指定等の設定項目が入力されたか否か)を判定する。当該判定がNOの場合(すなわち運転コマンドが入力されていない場合)、ステップS201に戻る。一方、当該判定がYESの場合(すなわち運転コマンドが入力された場合)、ステップS208へ進む。
ステップS208において、コントローラ70は、入力された運転コマンドが、換気装置40を正常に制御できない状態にある対象空間SPに設置されている室内ユニット30、に関する運転コマンドか否か(すなわち、通信が正常に可能な対象空間SPに関する運転コマンドか否か)を判定する。当該判定がNOの場合(すなわち換気装置40を正常に制御できない状態にある対象空間SPに関する運転コマンドである場合)、ステップS201に戻る。一方、当該判定がYESの場合(すなわち、換気装置40を正常に制御できる状態にある対象空間SPに関する運転コマンドである場合、ステップS209へ進む。
ステップS209において、コントローラ70は、入力された運転コマンドに対応する処理を実行する。その後、ステップS201に戻る。
(6)空調換気システム100における処理
図8は、コントローラ70、アダプタユニット50(50a又は50b)、及び換気装置40(40a又は40b)において行われる処理の一例を模式的に示したシーケンス図である。
図8のS1の期間に示すように、空調換気システム100では、アダプタユニット50は、定期的(所定時間t1経過毎)に状態判定を行う。アダプタユニット50は、状態判定の結果、換気装置40を正常に制御可能な状態にあると判定した場合には、状態報知信号をコントローラ70へ送信する。コントローラ70は、状態報知信号を受けて、送信元のアダプタユニット50が設置される対象空間SPは換気装置40を正常に制御可能な状態にあることを把握し、当該対象空間SPにおいて室内ユニット30の運転を許可する(すなわち、当該室内ユニット30が所属するグループに対応する運転可否判別フラグを立てる)。
図8のS2の期間に示すように、空調換気システム100では、コントローラ70がアダプタユニット50から状態報知信号を受信してから、新たな状態報知信号を受信しない状態が所定時間t2(ここでは30sec)以上継続した場合、新たな状態報知信号を送信されていないアダプタユニット50が設置されている対象空間SP、における室内ユニット30の運転を禁止する(すなわち、当該室内ユニット30が所属するグループに対応する運転可否判別フラグを立てない又は解除する)。図8のS2では、換気装置40を正常に制御可能な状態ではない(換気装置40がアダプタユニット50の指令に対して正常に応答しない)ことに伴って、状態報知信号がコントローラ70へ送信されない様子が示されている。
図8のS3の期間に示すように、空調換気システム100では、冷媒漏洩センサ60(60a又は60b)から冷媒漏洩信号がコントローラ70へ送信されると、コントローラ70は、冷媒漏洩信号の送信元の冷媒漏洩センサ60が設置されている対象空間SP(すなわち、冷媒漏洩が生じている対象空間SP)において、室内ファン33を最大回転数で駆動させる。また、空調装置10のその他のアクチュエータの駆動を停止させ、冷媒の循環を停止させる。また、コントローラ70は、強制換気信号をアダプタユニット50へ送信する。強制換気信号を受信したアダプタユニット50は、(回転数を最大に指定した)回転数制御信号を換気装置40へ送信する。その結果、換気装置40が給気ファン43及び排気ファン44の双方が回転数最大(最大風量)で駆動し、冷媒漏洩が生じている対象空間SPにおいて、換気が行われる。また、コントローラ70は、リモコン35及び集中管理機器38に表示させて、冷媒漏洩が生じている旨をユーザに報知する。このような状態が、ユーザやサービスマンによって解除されるまで継続する。
(7)空調換気システム100の特徴
(7−1)
空調換気システム100では、アダプタユニット50は、換気装置40を正常に制御可能な状態にあることを示す状態報知信号を、コントローラ70へ定期的に送信している。すなわち、アダプタユニット50は、換気装置40の動作を制御可能な状態において定期的にコントローラ70へ状態報知信号を送信している。また、コントローラ70は、状態報知信号を受信しない場合には、状態報知信号を正常に送信されていないアダプタユニット50が設置された対象空間SP(すなわち、換気装置40の動作を正常に制御できない対象空間SP)において室内ユニット30(空調装置10)の運転を禁止している(すなわち運転を開始させない又は運転を停止させるように制御している)。
これにより、対象空間SPにおいて換気装置40が適正に設置されていない場合や、換気装置40との通信が正常に行われない場合、また、換気装置40が機械的に正常に動作しない場合には、コントローラ70へ状態報知信号が送信されない。その結果、対象空間SPにおいて換気装置40が空調装置10とは独立して設置されるか否かに関わらず、換気装置40の動作を制御可能な場合に限って空調装置10の運転が行われるようになっている。すなわち、冷媒漏洩が生じた際に確実に換気が行われると想定されない状況においては、空調装置10の運転がなされないようになっている。よって、冷媒漏洩に対する保安性が確実に担保されている。
特に、ここでは、冷媒回路RCに封入される冷媒が微燃性、燃焼性又は毒性を有するため、冷媒が対象空間SPに漏洩した際に換気装置40が運転される等の対策がなされなければ、可燃濃度又は毒性限界濃度を超えてしまい、着火事故や中毒事故が発生するおそれがある。しかし、上記実施形態では、室内マルチ型の空調装置10を設置するにあたり、設置現場において、冷媒が漏洩した際に換気装置40の運転により換気が行われることが確実な状態に限って空調装置10の運転が行われるため、冷媒の漏洩による着火事故や中毒事故の発生を確実に抑制できるようになっている。
(7−2)
空調換気システム100では、アダプタユニット50は、給気ファン43、排気ファン44、駆動部(給気ファンモータ43a及び排気ファンモータ44a)、及び本体フレーム41を含む換気装置40とは、とは別体として構成されている。このようにアダプタユニット50が換気装置40とは別体として構成されていることにより、施工後の空調換気システムにおいても、アダプタユニット50を新たに付加することで、適用できるように構成されている。その結果、汎用性が向上しており、施工後の空調換気システムにおいても保安性を確実に担保できるようになっている。
(7−3)
空調換気システム100では、換気装置40は、給気ファン43及び排気ファン44の駆動電圧を供給するファン駆動制御部45と、アダプタユニット50と電気的に接続される接続端子451と、を有し、ファン駆動制御部45は接続端子451を介して入力された制御信号(回転数制御信号)に基づいて駆動電圧を供給する。これにより、施工後の空調換気システムにおいて、容易に、アダプタユニット50を追加的に設置できるようになっている。
(7−4)
空調換気システム100では、コントローラ70はアダプタユニット50へ信号(例えば強制換気運転開始信号など)を送信し、アダプタユニット50は受信した信号に基づき換気装置40の動作を制御している。このように構成したことにより、既存の空調装置10の伝送路を用いて遠隔的に換気装置40の動作を制御できるようになっており、コストを抑制しつつ保安性を確保できるようになっている。
(7−5)
空調換気システム100では、コントローラ70は、信号を送信することで、換気装置40の動作を、換気装置40に関連づけられた室内ユニット30の動作と連動するように制御(グループ制御)している。これにより、状況に応じて、換気装置40を、空調装置10の動作に連動して運転させることが可能となっており、利便性が向上している。
(7−6)
空調換気システム100では、コントローラ70が、複数の室内ユニット30及び複数の換気装置40を、各機器が設置される対象空間SPに基づき、グループに振り分け、グループ毎に室内ユニット30及び換気装置40を一括制御(グループ制御)できるように構成されている。これにより、室内ユニット30と換気装置40とを統括的に制御することが可能となっており、利便性が向上している。
また、複数の室内ユニット30を有する室内マルチ型の空調装置10と、換気装置40と、が独立して設置される構成においても保安性が確実に担保されるようになっている。
(7−7)
空調換気システム100では、コントローラ70とアダプタユニット50とが、通信線CB1又はCB2(すなわち、室内ユニット30とリモコン35とを結ぶ通信線)により電気的に接続されることで、状態報知信号の伝送路(すなわち、ネットワークNW)が構成されている。このように、対象空間SPにおいて既存の空調装置10の通信線を用いて通信ネットワークが構築されており、通信ネットワークの構築に係るコストが抑制されている。
(8)変形例
上記実施形態は、以下の変形例に示すように適宜変形が可能である。なお、各変形例は、矛盾が生じない範囲で他の変形例と組み合わせて適用されてもよい。
(8−1)変形例A
上記実施形態では、対象空間SPが2つ(SP1及びSP2)の場合について説明した。しかし、対象空間SPは3つ以上あってもよく、1つであってもよい。
また、対象空間SPには、2台の室内ユニット30と1台の換気装置40が設置されていた。しかし、対象空間SPに設置される室内ユニット30の台数は1台であってもよく、3台以上であってもよい。また、対象空間SPに設置される換気装置40の台数は、2台以上であってもよい。係る場合、アダプタユニット50は、換気装置40の台数に応じて適宜設置されればよい。
(8−2)変形例B
上記実施形態では、換気装置40は、2つの換気ファン(給気ファン43及び排気ファン44)を有していた。しかし、換気装置40は、必ずしも2つの換気ファンを有している必要はない。すなわち、換気装置40は、1つの換気ファンのみを有するものであってもよい。係る場合、本体フレーム41内の空気流路(給気流路41a及び排気流路41b)については、一方を省略すればよい。
また、換気装置40は、熱交換器42を含んでいたが、熱交換器42については必ずしも必要ではなく、適宜省略可能である。
また、換気ファンとしてシロッコファンが採用されたが、例えばプロペラファン等の他のファンが換気ファンとして採用されてもよい。
また、換気装置40は、必ずしも対象空間SPの天井裏空間に設置される必要はなく、対象空間SPの換気が可能である限り、設置態様について特に限定されない。例えば、換気装置40は、対象空間SPの壁裏や床下に設置されてもよい。また、換気装置40は、対象空間SPとダクト等で連通する機械室等に設置されてもよい。
(8−3)変形例C
上記実施形態では、換気装置40は、インバータを含むファン駆動制御部45を有していた。しかし、換気装置40において、ファン駆動制御部45は、インバータを必ずしも含む必要はない。すなわち、換気ファンの回転数を調整不可のものが、換気装置40として採用されてもよい。係る場合、回転数制御信号は、換気装置40の発停を切り換える信号となる。
(8−4)変形例D
上記実施形態の空調換気システム100は、図9に示す空調換気システム200のように構成してもよい。以下、空調換気システム200について説明する。なお、空調換気システム100と共通する部分については説明を省略する。
空調換気システム200では、換気装置40(40a及び40b)に代えて換気装置80(80a及び80b)が配置され、アダプタユニット50(50a及び50b)に代えてアダプタユニット90(90a及び90b)が配置されている。
換気装置80は、1つの換気ファン81と、換気ファン81の駆動部に相当する換気ファンモータ81aと、を有している。また、換気ファン81は、換気ファンモータ81aの駆動回路82(ファン駆動制御部)を有している。
アダプタユニット90は、商用電源5及び換気装置80の間に配置され、商用電源5及び換気装置80と直列に接続されている。すなわち、アダプタユニット90は、商用電源5と換気装置80とを結ぶ電源供給ライン上に配置されている。
アダプタユニット90は、商用電源5から換気ファンモータ81aへ供給される電源を遮断する切換部91を有している。切換部91は、トランジスタ等の半導体スイッチや、電磁リレー等である。また、アダプタユニット90は、切換部91へ駆動電圧を供給して切換部91の開閉を切り換える切換制御部92を有している。
空調換気システム200では、アダプタユニット90において切換部91の状態が切り換えられることにより、換気装置80への電源供給ラインの導通及び遮断が切り換えられるとともに換気ファン81の発停が切り換えられる。具体的に、アダプタユニット90は、ユーザ又はコントローラ70から換気運転を開始するコマンドを入力された場合、及びコントローラ70から強制換気運転開始信号を受信した場合、切換部91を閉状態に制御して換気ファン81を駆動させる。
このような空調換気システム200による場合、施工後の空調換気システムにおいて、換気制御部としてのアダプタユニット90を新たに付加することがさらに容易となる。すなわち、換気装置40のような接続端子451を有していない換気装置80においても適用可能となり、施工後の空調換気システムにおいて、換気装置の型式に限定されることなく換気制御部としてのアダプタユニット90を新たに付加することが容易となる。よって、汎用性がさらに向上する。
なお、空調換気システム200では、アダプタユニット90の切換部91が、商用電源5及び駆動回路82の間に配置されているが、駆動回路82及び換気ファンモータ81aの間において駆動回路82及び換気ファンモータ81aと直列に配置されてもよい。
(8−5)変形例E
上記実施形態の空調換気システム100は、図10に示す空調換気システム300のように構成してもよい。
空調換気システム300では、室内ユニット制御部34(コントローラ70)と、アダプタユニット50と、が通信線で接続されておらず、電波又は赤外線を用いたいわゆる無線通信によって信号の送受信を行っている。その他の部分については、空調換気システム100と略同一である。
このような空調換気システム300による場合、対象空間SPにおいて室内ユニット制御部34とアダプタユニット50とを接続する通信線を取り回す必要がないため、ネットワークNWを構築することが容易である。
(8−6)変形例F
上記実施形態では、所定時間t1は1minに設定され、所定時間t2は3minに設定されていた。しかし、所定時間t1及びt2は必ずしもこれに限定されず、適宜変更が可能である。例えば、所定時間t1は、30secに設定されてもよいし10minに設定されてもよい。また、所定時間t2は、1.5minに設定されてもよいし30minに設定されてもよい。
(8−7)変形例G
上記実施形態では、換気装置40の発停や回転数を切り換える独立したリモコンは設置されていなかったが、係るリモコンを別に設置してもよい。また、このようなリモコンに関する機能をアダプタユニット50に設けてもよい。
(8−8)変形例H
上記実施形態では、対象空間SPにおいて1つの冷媒漏洩センサ60が設置されていた。しかし、これに限定されず、対象空間SPに2つ以上の冷媒漏洩センサ60を配置してもよい。
また、冷媒漏洩センサ60は、対象空間SPにおける冷媒漏洩を検出可能な位置に配置される限り、配置態様については特に限定されない。例えば、冷媒漏洩センサ60は、室内ユニット30に配置されてもよく、リモコン35に配置されてもよく、換気装置40に配置されてもよく、またアダプタユニット50に配置されてもよい。
(8−9)変形例I
上記実施形態では、アダプタユニット50は、対象空間SPに独立して配置された。しかし、アダプタユニット50は、換気装置40及びコントローラ70と通信可能である限り、配置態様については特に限定されない。例えば、アダプタユニット50は、室外ユニット20内に配置されてもよく、室内ユニット30内に配置されてもよく、リモコン35内に配置されてもよく集中管理機器38内に配置されてもよく、また換気装置40内に配置されてもよい。
また、アダプタユニット50は、対象空間SPから離れた遠隔地において独立して配置されてもよい。係る場合、アダプタユニット50は、換気装置40及びコントローラ70とLANやWAN等のネットワークで接続されればよい。
(8−10)変形例J
上記実施形態では、グルーピングテーブルTB1において、2つのグループ(グループ1及びグループ2)が構成され、各グループに、2台の室内ユニット30と、1台の換気装置40と、1つの冷媒漏洩センサ60と、が含まれていた。しかし、グルーピングテーブルTB1において構成されるグループの数は特に限定されず、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。また、グループに含まれる室内ユニット30、換気装置40、冷媒漏洩センサ60の数は、特に限定されず、適宜変更が可能である。
(8−11)変形例K
上記実施形態では、空調装置10及び換気装置40が既に設置されている対象空間SPにおいて、アダプタユニット50を追加的に設置することで、空調換気システム100が構成される場合について説明した。しかし、これに限定されず、対象空間SPに空調装置10及び換気装置40を新規に設置する際に、アダプタユニット50も併せて設置して、空調換気システム100を構成してもよいことはもちろんである。
(8−12)変形例L
上記実施形態では、アダプタユニット50は、状態判定において、駆動指令又は回転数制御信号に対する換気装置40の動作が正常であるか否か(すなわち、停止状態にある場合に駆動指令を受けて正常に駆動するか否か、或いは給気ファン43又は排気ファン44の回転数が送信した直近の回転数制御信号と合致するか否か)によって、換気装置40を正常に制御可能であるか否かを判定していた。
しかし、これに限定されず、アダプタユニット50は、状態判定に係る処理として、定期的に換気装置40へ伝送信号を送信し、当該伝送信号に対する換気装置40の応答がある場合に換気装置40との通信が正常に可能であると判定し、伝送信号を所定回数(例えば3回)送信しても当該伝送信号に対する換気装置40の応答がない場合に換気装置40との通信が正常に可能でない(すなわち、換気装置40を正常に制御できない)状態にあると判定するように構成してもよい。
また、換気装置40に温度センサ(図示省略)等のセンサが配置されている場合には、アダプタユニット50が当該センサの検出結果を正常に受信可能な場合に換気装置40との通信が正常に可能であると判定し、正常に受信できない場合に換気装置40との通信が正常に可能でない(すなわち、換気装置40を正常に制御できない)状態にあると判定するように構成してもよい。
(8−13)変形例M
上記実施形態では、コントローラ70は、グループ設定部74を含み、空調換気システム100に含まれる機器(室内ユニット30及び換気装置40等)に関し、グループ制御を行えるように構成されていた。しかし、空調換気システム100においては、グループ制御は必ずしも必要ではなく、グループ設定部74については省略可能である。
(8−14)変形例N
上記実施形態の空調換気システム100は、図11に示す空調換気システム500のように構成してもよい。以下、空調換気システム500について説明する。なお、空調換気システム100と共通する部分については説明を省略する。
図11は、空調換気システム500において構成される冷媒回路RC及び伝送路を示した模式図である。
空調換気システム500においては、アダプタユニット50(50a及び50b)に代えてアダプタユニット95(95a及び95b)が配置されている。また、空調換気システム500では、室内ユニット制御部34(コントローラ70)と、アダプタユニット95と、が通信線で接続されておらず、電波又は赤外線を用いたいわゆる無線通信を行っている。
空調換気システム500では、アダプタユニット95が室内ユニット制御部34(コントローラ70)へ信号(状態報知信号)を送信し、室内ユニット制御部34(コントローラ70)はアダプタユニット95が送信した信号を受信するのみでアダプタユニット95に対し信号を送信しない。すなわち、空調換気システム500では、室内ユニット制御部34(コントローラ70)及びアダプタユニット95間の通信は、空調換気システム100のように双方向ではなく、一方向である。
空調換気システム500では、冷媒漏洩センサ60が、室内ユニット制御部34(コントローラ70)とは接続されておらず、アダプタユニット95と電気的に接続されている。
このように構成される空調換気システム500によっても、本発明と同様の効果を実現することが可能である。
すなわち、アダプタユニット95が、換気装置40を正常に制御可能な状態において、定期的に状態報知信号を送信することで、コントローラ70は、状態報知信号を受信しない場合には、状態報知信号を正常に送信されていないアダプタユニット95が設置された対象空間SP(すなわち、換気装置40の動作を正常に制御できない対象空間SP)において室内ユニット30(空調装置10)の運転を禁止する(すなわち運転を開始させない又は運転を停止させるように制御する)。
その結果、対象空間SPにおいて換気装置40が空調装置10とは独立して設置されるか否かに関わらず、換気装置40の動作を制御可能な場合に限って空調装置10の運転が行われる。すなわち、冷媒漏洩が生じた際に確実に換気が行われると想定されない状況においては、空調装置10の運転がなされない。よって、冷媒漏洩に対する保安性が確実に担保される。
なお、空調換気システム500においては、コントローラ70の強制換気制御部77及び冷媒漏洩判別フラグ(Fa及びFb)に相当する機能部がアダプタユニット95に設けられ、アダプタユニット95が、対象空間SPにおいて冷媒漏洩が生じた際の強制換気に関する制御を行う。
すなわち、空調換気システム500では、冷媒漏洩センサ60は、冷媒漏洩を検知した際、冷媒漏洩信号を、コントローラ70に対してではなく、接続されているアダプタユニット95に対して送信する。アダプタユニット95は、冷媒漏洩信号を受信すると、対応する換気装置40を最大回転数(最大風量)で駆動させる。その結果、空調換気システム500によっても、対象空間SPにおいて冷媒漏洩が生じた際に、強制換気運転が行われる。
なお、空調換気システム500において、室内ユニット制御部34(コントローラ70)及びアダプタユニット95間を通信線で接続し、無線通信ではなく有線通信が行われるように構成してもよい。
(8−15)変形例O
上記実施形態では、アダプタユニット50は、室内ユニット制御部34と通信線CB1又はCB2で接続されることで、コントローラ70と通信可能に構成されていた。しかし、アダプタユニット50は、コントローラ70の他の要素(リモコン35、室外ユニット制御部26、又は集中管理機器38等)と、有線あるいは無線ネットワークで接続されることで、コントローラ70と通信するように構成されてもよい。
本発明は、空調装置と換気装置を有する空調換気システムに適用可能である。
5 :商用電源
10 :空調装置
20 :室外ユニット
26 :室外ユニット制御部
30(30a−30d) :室内ユニット
34 :室内ユニット制御部
35(35a、35b) :リモコン
38 :集中管理機器
40(40a、40b)、80 :換気装置
41 :本体フレーム(フレーム)
41a :給気流路
41b :排気流路
42 :熱交換器
43 :給気ファン(換気ファン)
43a :給気ファンモータ
44 :排気ファン(換気ファン)
44a :排気ファンモータ
45 :換気ファン制御部(駆動部、駆動電圧供給部)
50、90 :アダプタユニット(換気制御部)
50a :第1アダプタユニット
50b :第2アダプタユニット
51 :アダプタユニット記憶部
51a :運転コマンド判別フラグ
51b :風量判別フラグ
52 :アダプタユニット通信部
53 :アダプタユニット入力部
54 :アダプタユニット制御部
55 :状態判定部
60 :冷媒漏洩センサ
60a :第1冷媒漏洩センサ
60b :第2冷媒漏洩センサ
70 :コントローラ(空調制御部、統括制御部)
71 :記憶部
71a、71b :状態判別フラグ
72 :通信部
73 :入力制御部
74 :グループ設定部
75 :アクチュエータ制御部
76 :運転許可部
77 :強制換気制御部
78 :表示制御部
81 :換気ファン
81a :換気ファンモータ
82 :駆動回路(駆動部)
91 :切換部
92 :切換制御部
100、200、300、500 :空調換気システム
401 :取入ダクト
402 :給気ダクト
403 :取出ダクト
404 :排気ダクト
411 :電装品箱
451 :接続端子
CB1、CB2 :通信線
EA :排出空気
Fa、Fb :冷媒漏洩判別フラグ
G1、G2 :運転可否判別フラグ
GP :ガス連絡配管
LP :液連絡配管
NW :ネットワーク(伝送路)
OA :室外空気
RA :室内空気
RC :冷媒回路
SA :供給空気
SP(SP1、SP2) :対象空間
TB1 :グルーピングテーブル
特開2001−74283号公報

Claims (9)

  1. 室外ユニット(20)と、前記室外ユニットとともに冷媒回路(RC)を構成し対象空間(SP)に設置される室内ユニット(30)と、を含み、運転時に前記冷媒回路において冷媒を循環させて前記対象空間の冷房又は暖房を行う空調装置(10)と、
    換気用の換気ファン(43、44、81)を含み、前記対象空間に設置される換気装置(40)と、
    前記空調装置の動作を制御する空調制御部(70)と、
    前記換気装置と電気的に接続され、前記換気装置の動作を制御する換気制御部(50、90)と、
    を備え、
    前記換気制御部は、前記換気装置の動作を制御可能な状態にある場合、前記空調制御部へ報知信号を送信し、
    前記空調制御部は、前記報知信号を受信しない場合には、前記空調装置の運転を開始させない、
    空調換気システム(100、200、300、500)。
  2. 前記換気装置は、前記換気ファンを駆動させる駆動部(45、82)と、前記換気ファンを保持するフレーム(41)と、をさらに含み、
    前記換気制御部は、前記換気装置とは別体として構成される、
    請求項1に記載の空調換気システム(100、200、300、500)。
  3. 前記換気装置は、前記換気ファンの駆動電圧を供給する駆動電圧供給部(45)と、前記換気制御部と電気的に接続される接続端子(451)と、をさらに含み、
    前記換気制御部は、前記換気装置へ制御信号を出力し、
    前記駆動電圧供給部は、前記接続端子を介して入力された前記制御信号に基づいて前記駆動電圧を供給する、
    請求項1又は2に記載の空調換気システム(100、300)。
  4. 前記換気装置は、商用電源(5)から駆動電源を供給され、
    前記換気制御部は、前記換気装置と前記商用電源とを結ぶ電源供給ライン上に配置され前記電源供給ラインの導通及び遮断を切り換える切換部(91)を含む、
    請求項1又は2に記載の空調換気システム(200)。
  5. 前記空調制御部は、前記換気制御部へ電気信号を送信し、
    前記換気制御部は、受信した前記電気信号に基づき前記換気装置の動作を制御する、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の空調換気システム(100、200、300)。
  6. 前記空調制御部は、前記電気信号を送信することで、前記換気装置の動作を、前記換気装置に関連づけられた前記室内ユニットの動作に連動するように制御する、
    請求項5に記載の空調換気システム(100、200、300)。
  7. 前記室内ユニット及び/又は前記換気装置を複数備えるとともに、
    複数の前記室内ユニット及び/又は複数の前記換気装置の動作を統括的に制御する統括制御部(70)をさらに備え、
    各前記換気装置は、いずれかの前記室内ユニットと、同一の前記対象空間に設置され、
    前記統括制御部は、複数の前記室内ユニット及び/又は複数の前記換気装置を複数のグループに振り分け、前記グループ毎に前記室内ユニット及び前記換気装置を一括制御する、
    請求項6に記載の空調換気システム(100、200、300)。
  8. 前記換気制御部は、無線通信によって前記報知信号を送信する、
    請求項1から7のいずれか1項に記載の空調換気システム(300、500)。
  9. 前記空調制御部と、前記換気制御部とは、前記報知信号の伝送路(NW)を構成する通信線(CB1、CB2)により電気的に接続される、
    請求項1から8のいずれか1項に記載の空調換気システム(100、200)。
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