JP2016210275A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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宏志 川端
Hiroshi Kawabata
宏志 川端
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Abstract

【課題】旋回性能と駆動性能とに優れる空気入りタイヤの提供。【解決手段】タイヤ2は、トレッド4、一対のサイドウォール6、一対のビード10、カーカス12、ベルト14及びバンド16を備えている。このカーカス12は、トレッド4及びサイドウォール6の内側に沿って一方のビード10と他方のビード10との間に架け渡されている。このトレッド4の半径方向内側において、ベルト14は、カーカス12の半径方向内側に積層されている。バンド16は、カーカス12の外側に積層されている。バンド14は、バンドコードとトッピングゴムとを備えている。バンドコードは、周方向に延びている。【選択図】図1

Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。
車両に装着される空気入りタイヤとして、路面に接地するトレッド、タイヤの骨格をなすカーカス、ベルト及びバンドを備えるものが広く知られている。このタイヤでは、ベルト及びバンドは、カーカスの外側に積層されている。このベルト及びバンドはトレッドの内側に位置して、トレッドの剛性を高めている。バンドは、ベルトの半径方向外側に積層されている。このバンドは、ベルトのリフティングを抑制している。
特開2012−106530号公報には、ベルト及びバンドがカーカスの内側に積層されたタイヤが提案されている。このタイヤでは、ベルトの端部の拘束力が向上している。これにより、トレッドの剛性が均一化されている。このタイヤは高速耐久性に優れる。トレッドの変形が抑制されており、転がり抵抗が低減されている。このタイヤでは、従来の構成が大きく変えられることなく、高速耐久性が向上し、転がり抵抗が低減されている。
特開2012−106530号公報
更なる車両の性能の向上に伴い、タイヤにも更なる旋回性能及び駆動性能の向上が求められている。例えば、レース用車両では、高速走行における高い旋回性能と駆動性能との両立が求められている。特開2012−106530号公報のタイヤのトレッドは、軸方向の剛性に比べて、周方向の剛性に劣り易い。特に、駆動性能の向上の観点では、このトレッドの周方向の剛性の向上が課題となる。
本発明の目的は、旋回性能と駆動性能とに優れる空気入りタイヤの提供にある。
本発明に係る空気入りタイヤは、トレッド、一対のサイドウォール、一対のビード、カーカス、ベルト及びバンドを備えている。上記トレッドは、路面と接地するトレッド面を形成している。それぞれのサイドウォールは、上記トレッドの端から半径方向略内向きに延びている。それぞれのビードは、上記サイドウォールの半径方向内側に位置している。上記カーカスは、上記トレッド及び上記サイドウォールの内側に沿って一方のビードと他方のビードとの間に架け渡されている。上記トレッドの半径方向内側において、上記ベルトは上記カーカスの内側に積層されており、上記バンドは上記カーカスの外側に積層されている。上記バンドは、バンドコードとトッピングゴムとを備えている。上記バンドコードは、周方向に延びている。
好ましくは、上記タイヤは、車両の駆動輪用タイヤである。好ましくは、上記トレッドの厚さは、1mm以上5mm以下である。
本発明に係る空気入りタイヤセットは、駆動輪用タイヤと操舵輪用タイヤとを備えている。上記駆動輪用タイヤ及び上記操舵用タイヤのそれぞれは、トレッド、一対のサイドウォール、一対のビード、カーカス、ベルト及びバンドを備えている。上記トレッドは、路面と接地するトレッド面を形成している。それぞれのサイドウォールは、上記トレッドの端から半径方向略内向きに延びている。それぞれのビードは、上記サイドウォールの半径方向内側に位置している。上記カーカスは、上記トレッド及び上記サイドウォールの内側に沿って一方のビードと他方のビードとの間に架け渡されている。上記バンドは、バンドコードとトッピングゴムとを備えている。上記バンドコードは、周方向に延びている。上記カーカスは、カーカスプライからなっている。上記カーカスプライは、カーカスコードとトッピングゴムとを有している。上記カーカスコードは、赤道面に対して傾斜して延びている。この傾斜角度の絶対値は、75度以上90度以下である。この傾斜角度の絶対値は、赤道面においるカーカスコードの傾斜角度として測定される。この傾斜角度の絶対値90度のとき、赤道面と直交する最大値をとる。上記駆動輪用タイヤでは、上記トレッドの半径方向内側において、上記ベルトは上記カーカスの内側に積層されており、上記バンドは上記カーカスの外側に積層されている。上記操舵輪用タイヤでは、上記トレッドの半径方向内側において、上記ベルトは上記バンドの内側に積層されており、上記バンドは上記カーカスの内側に積層されている。
好ましくは、上記駆動輪用タイヤ及び上記操舵用タイヤの上記トレッドの厚さは、1mm以上5mm以下である。
本発明に係る空気入りタイヤでは、ベルトがカーカスの内側に積層されることで、トレッド全体の剛性が均一に向上している。更に、バンドがカーカスの外側に積層されることで、周方向のトレッドの剛性が向上している。このタイヤは、特に高い駆動性能を発揮しうる。本発明に係る空気入りタイヤセットでは、このタイヤを駆動輪用タイヤとし、カーカスがバンドの外側に積層されたタイヤを操舵輪用タイヤとして、組み合わされている。このタイヤセットは、高い旋回性能を発揮すると共に、高い駆動性能を発揮する。
図1は、本発明の一実施形態に係るタイヤセットのリアタイヤが示された断面図である。 図2は、本発明の一実施形態に係るタイヤセットのフロントタイヤが示された断面図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
本発明に係るタイヤセットは、図1の空気入りタイヤ2と図2の空気入りタイヤ3とを含む。このタイヤセットは、例えば、レース用車両である四輪自動車に装着される。ここでは、一対の後輪が駆動輪にされ、一対の前輪が操舵輪にされたレース用車両を例に、説明がされる。この車両では、タイヤ2は後輪に使用され、タイヤ3は前輪に使用される。
図1において、上下方向がタイヤ2の半径方向であり、左右方向がタイヤ2の軸方向であり、紙面との垂直方向がタイヤ2の周方向である。一点鎖線CLは、タイヤ2の赤道面を表わす。このタイヤ2の形状は、赤道面に対して対称である。
このタイヤ2は、トレッド4、一対のサイドウォール6、一対のクリンチ8、一対のビード10、カーカス12、ベルト14、バンド16、インナーライナー20及び一対のチェーファー22を備えている。このタイヤ2は、チューブレスタイプである。
トレッド4は、路面と接地するトレッド面24を形成する。図1の点Pcは、トレッド面24と赤道面との交点を表している。点Ptは、トレッド端を表している。このトレッド端Ptは、トレッド面24にあり、路面に接地する軸方向外端を表している。このトレッド端は、正規リムに組み込まれて正規内圧にされて、正規荷重が負荷されて路面に接地した状態で、定められる。点Pcは、トレッド端Ptより半径方向外側に位置している。トレッド4は、半径方向外向きに凸な形状を呈している。両矢印Wtは、トレッド幅を表している。このトレッド幅Wtは、一方のトレッド端Ptから他方のトレッド端Ptまでの距離として測られる。このトレッド幅Wtは、トレッド面24に沿って測られる。
図1の両矢印Ttは、トレッド4の厚さを表している。この厚さTtは、赤道面において、半径方向に測定される。トレッド面24には、溝が刻まれていない。このタイヤ2は、所謂スリックタイヤである。タイヤ2の様なレース用のスリックタイヤでは、この厚さTtは、一般的な乗用車のそれに比べて薄い。この厚さTtは、例えば、1mm以上5mm以下である。このタイヤ2のトレッド面24に、溝が刻まれてもよい。この溝により、トレッドパターンが形成される。
このトレッド4は、一層からなってもよいし、ベース層とキャップ層との二層からなってもよい。二層の場合、キャップ層は、ベース層の半径方向外側に位置する。キャップ層は、ベース層に積層される。ベース層は、接着性に優れた架橋ゴムからなる。ベース層の典型的な基材ゴムは、天然ゴムである。キャップ層は、耐摩耗性、耐熱性及びグリップ性に優れた架橋ゴムからなる。
それぞれのサイドウォール6は、トレッド4の軸方向端から半径方向略内向きに延びている。このサイドウォール6の半径方向外側端は、トレッド4と接合されている。このサイドウォール6の半径方向内側端は、クリンチ8と接合されている。このサイドウォール6は、耐カット性及び耐候性に優れた架橋ゴムからなる。このサイドウォール6は、カーカス12の損傷を防止する。
それぞれのクリンチ8は、サイドウォール6の半径方向略内側に位置している。クリンチ8は、軸方向において、ビード10及びカーカス12よりも外側に位置している。クリンチ8は、耐摩耗性に優れた架橋ゴムからなる。クリンチ8は、リムのフランジと当接する。
それぞれのビード10は、サイドウォール6の半径方向略内側に位置している。ビード10は、クリンチ8の軸方向内側に位置している。このビード10は、内コア26
と、内コア26から半径方向外向きに延びる内エイペックス28と、外コア30と、外コア30から半径方向外向きに延びる外エイペックス32とを備えている。軸方向において、内コア26は外コア30の内側に位置しており、内エイペックス28は外エイペックス32の内側に位置している。
内コア26はリング状であり、巻回された非伸縮性のワイヤーを含む。内コア26はワイヤーが周方向に沿って渦巻き状に巻き回されることにより形成されている。ワイヤーの典型的な材質は、スチールである。内エイペックス28は、半径方向外向きに先細りである。内エイペックス28は、高硬度な架橋ゴムからなる。
外コア30はリング状であり、巻回された非伸縮性のワイヤーを含む。外コア30はワイヤーが周方向に沿って渦巻き状に巻き回されることにより形成されている。ワイヤーの典型的な材質は、スチールである。外エイペックス32は、半径方向外向きに先細りである。外エイペックス32は、高硬度な架橋ゴムからなる。
カーカス12は、トロイド状の形状を有し、タイヤ2の骨格をなす。カーカス12は、カーカスプライ34を備えている。カーカスプライ34は、両側のビード10の間に架け渡されており、トレッド4及びサイドウォール6に沿っている。カーカスプライ34の端部は、内コア26及び内エイペックス28と、外コア30及び外エイペックス32との間に挟まれている。このカーカスプライ34の端部は、内コア26と外コア30とに挟まれて、ビード10に固定されている。
カーカスプライ34は、並列された多数のカーカスコードとトッピングゴムとからなる。それぞれのカーカスコードが赤道面に対してなす角度の絶対値は、75°から90°である。換言すれば、このカーカス12はラジアル構造を有する。カーカスコードは、有機繊維からなる。好ましい有機繊維として、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。カーカス12が、2枚以上の複数枚のカーカスプライから形成されてもよい。
ベルト14は、トレッド4の半径方向内側に位置している。ベルト14は、軸方向において、一方のトレッド端Ptの近傍から他方のトレッド端Ptの近傍まで延びている。ベルト14は、カーカス12の半径方向内側に積層されている。ベルト14は、カーカス12を補強する。ベルト14は、内側層36及び外側層38からなる。図1に示される様に、軸方向において、内側層36の幅は外側層38の幅よりも若干大きい。図示されていないが、内側層36及び外側層38のそれぞれは、並列された多数のベルトコードとトッピングゴムとからなる。それぞれのベルトコードは、赤道面に対して傾斜している。傾斜角度の一般的な絶対値は、10°以上35°以下である。内側層のベルトコードの赤道面に対する傾斜方向は、外側層のベルトコードの赤道面に対する傾斜方向とは逆である。この傾斜角度の絶対値は、カーカスコードのそれより小さくされている。ベルトコードの好ましい材質は、スチールである。ベルトコードに、有機繊維が用いられてもよい。図1の両矢印Waは、ベルト14の軸方向幅を表している。この幅Waは、ベルト14の軸方向一方端から他方端まで、ベルト14に沿って測られる。このタイヤ2では、内側層36の軸方向一方端から他方端まで、内側層36に沿って測られる。この幅Waは、タイヤの最大幅の0.7倍以上が好ましい。ベルト14が、3以上の層を備えてもよい。
バンド16は、カーカス12の半径方向外側に位置している。図1の両矢印Wbは、バンド16の軸方向幅を表している。この幅Wbは、バンド16の軸方向一方端から他方端まで、バンド16に沿って測られる。この幅Wbは、ベルト14の幅Waよりも大きい。バンド16は、ベルト14を覆っている。図示されていないが、このバンド16は、バンドコードとトッピングゴムとからなる。バンドコードは、螺旋状に巻かれている。このバンド16は、いわゆるジョイントレス構造を有する。バンドコードは、実質的に周方向に延びている。周方向に対するバンドコードの角度は、5°以下、さらには2°以下である。このバンドコードの傾斜角度の絶対値は、ベルトコードのそれより小さくされている。このバンドコードによりベルト14が拘束されるので、ベルト14のリフティングが抑制される。バンドコードは、有機繊維からなる。好ましい有機繊維として、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。
インナーライナー20は、カーカス12及びベルト14の内側に位置している。赤道面の近傍において、インナーライナー20は、ベルト14の内側に接合されている。インナーライナー20は、空気遮蔽性に優れた架橋ゴムからなる。インナーライナー20の典型的な基材ゴムは、ブチルゴム又はハロゲン化ブチルゴムである。インナーライナー20は、タイヤ2の内圧を保持する。
それぞれのチェーファー22は、ビード10の近傍に位置している。タイヤ2がリムに組み込まれると、このチェーファー22がリムと当接する。この当接により、ビード10の近傍が保護される。この実施形態では、チェーファー22は、クリンチ8と一体である。従って、チェーファー22の材質はクリンチ8の材質と同じである。チェーファー22がクリンチ8と別体にされてもよい。チェーファー22が、布とこの布に含浸したゴムとからなってもよい。
このタイヤ2では、トレッド4の半径方向内側において、ベルト14とバンド16とがカーカス12に積層されている。ベルトコードとバンドコードとカーカスコードとが互いに交差して重ね合わされている。このベルト14及びバンド16が、トレッド4の剛性の向上に寄与している。
このベルト14がカーカス12の内側に積層されているので、ベルト14の端部のリフティングが抑制されている。更に、半径方向において、バンド16がベルト14を覆っているので、ベルト14の端部のリフティングが効果的に抑制されている。これにより、トレッド4の端部の変形が抑制されている。
トレッド4の内側において、カーカス12の外側にバンド16が位置している。このバンド16のバンドコードは、周方向に延びている。これにより、トレッド4の周方向の剛性が向上している。トレッド4の周方向の剛性が向上しているので、このタイヤ2は、駆動力及び制動力を路面に効率良く伝達する。このタイヤ2は、駆動性能に優れている。
このトレッド4は剛性が向上しているので、路面に接地したときの変形が小さい。このタイヤ2は、転がり抵抗が低減されている。周方向に巻回されて延びるバンドコードがトレッド4の周方向の剛性を特に向上させている。これにより、駆動及び制動に係る変形が抑制されている。このタイヤ2は、駆動力及び制動力が作用する状態における、転がり抵抗が特に低減されている。
このタイヤ2は、主にレースに使用されるスリックタイヤである。このタイヤ2では、レース用のため、特にトレッド4と路面との摩擦係数が大きくされる。このため、トレッド4に、一般の乗用車用タイヤに比べて、柔らく、粘着摩擦が大きい基材ゴムが使用される。この様な基材ゴムは、変形し易く、発熱が大きくなり易い。
トレッド4のトレッド面24は、周方向に円弧を形成している。このタイヤ2では、接地するトレッド面24の半径方向内側の部分は、平面状の路面24に沿って変形する。このとき、タイヤ2の半径方向外側では、周方向に圧縮応力による変形が生じる。タイヤ2の半径方向内側では、周方向に引張応力による変形が生じる。この変形において、周方向に延びるバンドコードが中立軸となる。このタイヤ2では、バンド16がカーカス12の外側に積層されている。このタイヤ2では、路面に接地したときのトレッド4の周方向の変形が抑制されている。バンド16によってトレッド4の周方向の剛性を向上させることで、トレッド4の変形が抑制される。このタイヤ2は、転がり抵抗をより低減しうる。特に、変形し易い基材ゴムからなり、厚さTtが薄いトレッド4を備えるタイヤ2では、転がり抵抗を効果的に低減しうる。このタイヤ2は、レースに使用されるタイヤとして好適である。この観点から、この厚さTtは、好ましくは5mm以下であり、更に好ましくは4mm以下であり、特に好ましくは3mm以下である。
このタイヤ2では、半径方向において、バンド16とベルト14との間にカーカス12が位置している。このトレッド4の半径方向内側では、バンド16の内側で、カーカスコードが軸方向に延びている。このカーカスコードがトレッド4の軸方向の剛性の向上に寄与する。軸方向の剛性の向上の観点から、カーカスコードの傾斜角度の絶対値は、好ましくは85度以上であり、更に好ましくは88度以上であり、特に好ましくは90度である。このトレッド4は、周方向の剛性に優れると共に、軸方向の剛性にも優れている。このタイヤ2は、駆動性能及び旋回性能に優れており、転がり抵抗が低減されている。このタイヤ2は、特に駆動性能及び制動性能に優れており、駆動輪用タイヤに好適である
本発明では、タイヤ2の各部材の寸法及び角度は、タイヤ2が正規リムに組み込まれ、正規内圧となるようにタイヤ2に空気が充填された状態で測定される。特に言及されない限り、測定時には、タイヤ2には荷重がかけられない。本明細書において正規リムとは、タイヤ2が依拠する規格において定められたリムを意味する。例えば、JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規リムである。本明細書において正規内圧とは、タイヤ2が依拠する規格において定められた内圧を意味する。例えば、JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。本明細書において正規荷重とは、タイヤ2が依拠する規格において定められた荷重を意味する。例えば、JATMA規格における「最高負荷能力」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「LOAD CAPACITY」は、正規荷重である。
図2には、空気入りタイヤ3が示されている。ここでは、タイヤ3について、タイヤ2と異なる構成が説明される。ここでは、タイヤ2と同様の構成の説明が省略される。タイヤ2と同様の構成ついて、同じ符号が用いられて、説明がされる。
このタイヤ3は、トレッド4、一対のサイドウォール6、一対のクリンチ8、一対のビード10、カーカス12、ベルト14、バンド16、インナーライナー20及び一対のチェーファー22を備えている。
このタイヤ3のトレッド4の半径方向内側において、バンド16がカーカス12の半径方向内側に位置している。ベルト14がバンド16の半径方向内側に位置している。このタイヤ3では、半径方向外向きにおいて、バンド16、カーカス12の順に積層されている他は、タイヤ2と同様に構成されている。
このタイヤ3では、トレッド4の半径方向内側において、ベルト14とバンド16とがカーカス12の内側に積層されている。ベルトコードとバンドコードとカーカスコードとが互いに交差して重ね合わされている。このベルト14及びバンド16が、トレッド4の剛性の向上に寄与している。このトレッド4は剛性が向上しているので、路面に接地したときの変形が小さい。このタイヤ3は、転がり抵抗が低減されている。
トレッド4の半径方向内側に、カーカス12、ベルト14及びバンド16が積層されている。このうち、カーカス12がトレッド4に最も近く位置している。このカーカス12のカーカスコードは、軸方向に延びている。これにより、トレッド4の軸方向の剛性が向上している。トレッド4の軸方向の変形が抑制されている。旋回走行に係るトレッド4の変形が抑制されている。これにより、このタイヤ3は旋回性能に特に優れている。
このタイヤ3は、レース用のスリックタイヤである。このタイヤ3では、トレッド4に、一般の乗用車用タイヤに比べて、柔らく、粘着摩擦が大きい基材ゴムが使用される。この様な基材ゴムは、変形し易く、発熱が大きくなり易い。
トレッド4は、半径方向外向きに凸な形状を呈している。このトレッド面24が路面に接地すると、トレッド4は、平面状の路面24に沿って変形する。このとき、タイヤ2の半径方向外側では、軸方向に圧縮応力による変形が生じる。タイヤ2の半径方向内側では、軸方向に引張応力による変形が生じる。この変形において、軸方向に延びるカーカスコードが中立軸となる。このタイヤ3では、カーカス12がバンド16の外側に積層されている。このため、タイヤ3では、路面に接地したときのトレッド4の軸方向の変形が抑制されている。カーカス12によってトレッド4の軸方向の剛性を向上させることで、この様な基材ゴムの変形が抑制されうる。特に、変形し易い基材ゴムからなり、厚さTtが薄いトレッド4を備えるタイヤ3では、転がり抵抗を効果的に低減しうる。このタイヤ3は、レースに使用されるタイヤに好適である。
このように、このタイヤ3は、旋回性能に優れており、転がり抵抗が低減されている。このタイヤ3は、操舵輪用タイヤに好適である。
前述のタイヤ2を駆動輪である後輪に使用し、タイヤ3を操舵輪である前輪に使用することで、車両は優れた旋回性能と駆動性能とを発揮しうる。このタイヤ2とタイヤ3とのセットは、車両の旋回性能と駆動性能とを共に向上しうる。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[タイヤA]
図1に示されたタイヤAを製作した。このタイヤAのサイズは、330/710R18であった。このタイヤAは、スリックタイヤであった。
[タイヤB]
図2に示されたタイヤBを製作した。このタイヤBでは、半径方向において、バンドがベルトの外側に積層されており、カーカスがバンドの外側に積層されていた。その他の構成は、タイヤAと同様であった。
[従来タイヤ]
従来タイヤが準備された。このタイヤでは、半径方向において、ベルトがカーカスの外側に積層されており、バンドがベルトの外側に積層されていた。その他の構成は、タイヤAと同様であった。
[転がり抵抗]
転がり抵抗試験機が用いられた。タイヤが正規リムに組み込まれて、正規内圧の空気が充填された。このタイヤに正規荷重が負荷されて、速度80km/hで走行させた。このタイヤの転がり抵抗係数(RRC)が測定された。この結果が、従来タイヤが基準とされた指数として、下記の表1に示されている。この指数は数値が小さいほど好ましい。
[高速耐久性]
タイヤを正規リムに組み込み、このタイヤに空気を充填して内圧を280kPaとした。このタイヤをドラム式走行試験機に装着し、ECE30により規定された荷重/速度性能テストに準拠して、ステップスピード方式により、耐久性の評価がされた。このテストでは、段階的に走行速度を上昇させていき、タイヤが破壊したときの速度と時間とが測定された。この結果は、表1に指数として示されている。この指数は、従来タイヤを100としており、数値が大きいほど好ましい
[コーナリング試験]
フラットベルト式タイヤ6分力測定装置を用い、下記の測定条件でコーナリング試験がされた。このときの軸方向の横力と周方向の前後力を測定した。
使用リム:正規リム
内圧:正規内圧
荷重:1.5kN
速度:30km/h
キャンバー角:0°
スリップ角:1°
従来タイヤの横力及び前後力をそれぞれ100としたときの指数が、下記の表1に示されている。この指数は、数値が大きいほど好ましい。
Figure 2016210275
表1に示されるように、本発明に係るタイヤAは、転がり抵抗、耐久性、前後力及び横力の評価結果で、総合的に優れている。このタイヤAは、特に、前後力と転がり抵抗の低減とに優れている。このタイヤAは、従来タイヤに比べて、横力にも優れている。この評価結果から、タイヤAの優位性は明らかである。
[実施例1]
操舵輪に使用される一対のタイヤBと、駆動輪に使用される一対のタイヤAとの、タイヤセットが準備された。
[実施例2]
操舵輪に使用される一対のタイヤAと、駆動輪に使用される一対のタイヤBとの、タイヤセットが準備された。
[比較例1]
操舵輪及び駆動輪に使用される従来タイヤの、タイヤセットが準備された。
[比較例2]
操舵輪及び駆動輪に使用されるタイヤBの、タイヤセットが準備された。
[駆動性能及び旋回性能]
これらのタイヤセットを正規リムに組み込み、正規内圧の空気を充填した。排気量が3400ccであるレース用四輪自動車が準備された。この四輪自動車の前輪が操舵輪であり、後輪が駆動輪であった。この四輪自動車を用いて、実施例1、実施例2、比較例1及び比較例2のタイヤセットについて、ドライバーによる官能評価がされた。ドライバーに、この四輪自動車をレーシングサーキットで運転させて、駆動性能及び旋回性能を評価させた。この結果が、指数として下記の表2に示されている。この指数は、数値が大きいほど好ましい。
[ラップタイム評価]
この四輪自動車を、ドライバーに、レーシングサーキットで運転させた。一周4.5kmのレーシングサーキットを10周して、その平均ラップタイムを測定した。その結果が走行タイムの指数として下記の表2に示されている。また、平均ラップタイムを基準にして、10周目のラップタイムの低下が求められた。その結果がタイム低下の指数として下記の表2に示されている。これらの結果は、比較例1を基準とした指数であり、この指数は、数値が大きいほど好ましい。
Figure 2016210275
表2に示されるように、実施例1のタイヤセットは、駆動性能、旋回性能及びラップタイムにおいて、総合的に優れている。実施例2と比較例2とでは、評価結果の数値では差がないが、実施例2は、比較例2に比べて、制動性能に優れていた。その他の性能において、実施例と比較例2とは同等の評価結果であった。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
以上説明された方法は、車両に装着される空気入りタイヤに広く適用されうる。
2・・・タイヤ
3・・・タイヤ
4・・・トレッド
6・・・サイドウォール
8・・・クリンチ
10・・・ビード
12・・・カーカス
14・・・ベルト
16・・・バンド
20・・・インナーライナー
22・・・チェーファー
24・・・トレッド面
26・・・内コア
28・・・内エイペックス
30・・・外コア
32・・・外エイペックス
34・・・カーカスプライ
36・・・内側層
38・・・外側層

Claims (5)

  1. トレッド、一対のサイドウォール、一対のビード、カーカス、ベルト及びバンドを備えており、
    上記トレッドが路面と接地するトレッド面を形成しており、
    それぞれのサイドウォールが、上記トレッドの端から半径方向略内向きに延びており、
    それぞれのビードが、上記サイドウォールの半径方向内側に位置しており、
    上記カーカスが、上記トレッド及び上記サイドウォールの内側に沿って一方のビードと他方のビードとの間に架け渡されており、
    上記トレッドの半径方向内側において、上記ベルトが上記カーカスの内側に積層されており、上記バンドが上記カーカスの外側に積層されており、
    上記バンドがバンドコードとトッピングゴムとを備えており、上記バンドコードが周方向に延びている空気入りタイヤ。
  2. 上記タイヤが車両の駆動輪用タイヤである請求項1に記載のタイヤ。
  3. 上記トレッドの厚さが1mm以上5mm以下である請求項1又は2に記載のタイヤ。
  4. 駆動輪用タイヤと操舵輪用タイヤとを備えており、
    上記駆動輪用タイヤ及び上記操舵用タイヤのそれぞれが、トレッド、一対のサイドウォール、一対のビード、カーカス、ベルト及びバンドを備えており、
    上記トレッドが路面と接地するトレッド面を形成しており、
    それぞれのサイドウォールが、上記トレッドの端から半径方向略内向きに延びており、
    それぞれのビードが、上記サイドウォールの半径方向内側に位置しており、
    上記カーカスが、上記トレッド及び上記サイドウォールの内側に沿って一方のビードと他方のビードとの間に架け渡されており、
    上記バンドがバンドコードとトッピングゴムとを備えており、上記バンドコードが周方向に延びており、
    上記カーカスがカーカスプライからなっており、上記カーカスプライがカーカスコードとトッピングゴムとを有しており、上記カーカスコードが赤道面に対して傾斜して延びており、この傾斜角度の絶対値が75度以上90度以下であり、
    上記駆動輪用タイヤでは、上記トレッドの半径方向内側において、上記ベルトが上記カーカスの内側に積層されており、上記バンドが上記カーカスの外側に積層されており、
    上記操舵輪用タイヤでは、上記トレッドの半径方向内側において、上記ベルトが上記バンドの内側に積層されており、上記バンドが上記カーカスの内側に積層されている空気入りタイヤセット。
  5. 上記トレッドの厚さが1mm以上5mm以下である請求項4に記載のタイヤ。
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