JP2016210073A - 気泡シート及びバキュームプラグ - Google Patents

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Abstract

【課題】全域に亘って高い緩衝性能を得ることができる気泡シート、及び、当該気泡シートの製造を実現し得る真空成形ロールを構成するバキュームプラグを提供する。【解決手段】本発明に係る気泡シートは、少なくともキャップフィルム、バックフィルムを備えた気泡シートであって、前記キャップフィルムが、突起の頂部における中心と一部が重なるように形成されたバキューム跡を有する。また本発明に係るバキュームプラグは、気泡シート製造用の真空成形ロールのキャビティの底部に設けられる円盤状のバキュームプラグであって、前記キャビティの底壁を構成するプラグ本体と、このプラグ本体に穿たれた一個以上のバキューム孔とを備えたものであり、前記バキューム孔の少なくとも一部が当該プラグ本体の中心と一部が重なるように存在する。【選択図】図5

Description

本発明は、気泡シート及び当該気泡シートを製造する真空成形ロールに適用されるバキュームプラグに関するものである。
従来、キャップ状の突起を多数設けたキャップフィルムと、平坦なバックフィルムとを貼り合わせてなる気泡シートが緩衝包装材や断熱材等として広く使用されている。当該気泡シートは通常、以下のような手順にて製造される。
まず、キャップフィルム用ダイスから熱可塑化状態で逐次供給されるキャップフィルム用素材を真空排気装置に接続された真空成形ロールに送り出す。この真空成形ロールの外周面には、気泡成形用のキャビティすなわち突起が多数個凹設されており、真空吸引によりキャビティの形状に対応した多数のキャップ状の突起を有したキャップフィルムを連続的に形成する。一方、バックフィルム用ダイスから熱可塑化状態で逐次供給されるバックフィルム用素材を加圧ロールにより前記キャップフィルムに押し付ける。これにより、キャップフィルムの裏面にバックフィルムが順次貼り合わされ、二層構造をなす気泡シートを連続的に成形される。
そして近年、気泡シートの品質を向上させるべく、特許文献1に記載のものでは、巾方向全域においてフィルムの厚みの偏りを無くすことで、従来よりも高い緩衝力を有する気泡シートを提供している。同文献では、両側から吸引される真空成形ロールの巾方向中央部領域と端部領域とで生じ得るキャビティに対する吸引力の差を補正して均一なものとすることで、気泡シートにおける各突起の厚みを均等なものとする技術が具体的に開示されている。
特開2007−283443号公報
しかしながら、今後のさらなる生産性の向上を図るべく真空成形ロールの回転速度を高速として成形スピードを上げると、通常の成形スピードではみられなかった品質のバラツキ、具体的には個々の突起の肉厚にバラツキが生じてしまう不具合を招来してしまうことが分かった。このような不具合は、成形速度を上げていくと個々の突起の成形速度に差が生じ、この差が大きくなると成形が速い箇所が遅い箇所の肉厚を奪ってしまうという現象に起因していると考えられる。その結果、成形された気泡シートにおける個々の突起の肉厚にバラツキが生じ、緩衝力にもばらつきが出て均一な品質をもつ気泡シートは得られなかった。特に上述した不具合は、突起の容積が大きいものであればある程顕著に現れる傾向がみられる。
本発明は、このような不具合に着目したものであり、高い緩衝性能を有する気泡シート、及び、成形スピードを高めても当該気泡シートの製造を実現し得る真空成形ロールを構成するバキュームプラグを提供することを目的としている。
本発明は、このような目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。すなわち本発明に係る気泡シートは、少なくともキャップフィルム、バックフィルムを備えた気泡シートであって、前記キャップフィルムが、突起の頂部における中心と一部が重なるように形成されたバキューム跡を有することを特徴とする。
ここで、「中心」とは、厳密に中心であると解されるような点状の微少な領域が勿論含まれるのみならず、当該微少な領域を含む一定面積を有する領域を差し示す概念である。
すなわち本願発明者は、気泡シートの製造工程における吸引時の管路抵抗を減らすことで、個々の突起の強度のバラツキを無くし、且つ突起の成形スピードを速めることで気泡シートの成形スピードを速めて生産性を高めても品質が高い気泡シートが得られることを初めて見出した。具体的には、キャビティから真空吸引される際、キャビティに接続する下穴の真上である中心付近から吸引が行われることにより吸引時の管路抵抗が有効に減じられる。そしてこのように成形された気泡シートにはもれなく、上述の通り突起の頂部における中心又はその付近にバキューム跡が形成されることから、本発明がなされたものである。
このようなものであれば、製造時の突起成形が各突起とも速やかになされた状態で製造されているため、巾方向の位置に拘わらず高い緩衝力を有する気泡シートを提供することができる。
加えて、突起の成形が速やかに行われている気泡シートに見られる他の特徴としては、キャップフィルムが、バキューム跡の外側に略真円形線状模様を有するものが挙げられる。すなわちキャップフィルムに上記バキューム跡と併せてこの略真円形線状模様が形成されるという事は、後に説明する本発明に係るバキュームプラグを用いている旨の証左であると解されるからである。
特に、突起成形時の真空吸引がよりスムーズに行われている気泡シートに見られる特徴としては、バキューム跡が1本以上の互いに交錯しない直線状であり、そのバキューム跡の一端が略真円形線状模様から始まっている態様を挙げることができる。
ここで「略真円形線状」とは、真円は勿論含まれる。加えて真円のみならず、楕円、その他の種々の形状を含む概念である。
加えて直線状のバキューム跡の少なくとも1本の長さは、略真円形線状模様の半径よりも長いものであれば、突起成形時の真空吸引がより確実に行われていることの証左であると考えられるため、より望ましい。
そして、上述した特徴を有する気泡シートの提供を実現し得る本発明に係るバキュームプラグは、気泡シート製造用の真空成形ロールのキャビティの底部に設けられるバキュームプラグであって、キャビティの底壁を構成するプラグ本体と、このプラグ本体に穿たれた一個以上のバキューム孔とを備えたものであり、バキューム孔の少なくとも一部が当該プラグ本体の中心と一部が重なるように存在することを特徴とする。
ここで、「バキューム孔」とはプラグ本体に形成された閉鎖形状をなす開口に限られない、すなわちキャビティの底部に孔を形成し得るものであれば、プラグ本体に形成された外周に開放されたスリットや切欠といったものも勿論含まれる。
このようなものであれば、既存の気泡シート製造用設備に大きな変更を来たすことなく、上述した効果を得ることができる。すなわち、気泡シートの製造工程における吸引時の管路抵抗を減らすことで、個々の突起の強度のバラツキを無くし、且つ突起の成形スピードを速めることで気泡シートの成形スピードを速めて生産性を高めても品質が高い気泡シートを提供することができる。
加えて、個々の突起の成形スピードをより速めることにより気泡シートの厚みのバラツキをより有効に抑え得る本発明に係るバキュームプラグは、気泡シート製造用の真空成形ロールのキャビティの底部に設けられるバキュームプラグであって、キャビティの底壁を構成するプラグ本体と、このプラグ本体に穿たれた一個以上のバキューム孔とを備えたものであり、バキューム孔はプラグ本体の外周からプラグ本体の中心付近に向けて切り込まれた1本以上の互いに交錯しない直線状のスリットであり、当該スリットの長さはプラグ本体の半径の長さよりも長いことを特徴とする。
このように、プラグ本体にその中心付近に向けて一本、又は互いに交錯しない複数本のスリットを設けることにより下穴の真上まで達するスリットとすることができ、下穴による真空吸引時の管路抵抗を有効に減少させることができるので、個々の突起の成形スピードをより速めることにより気泡シートの厚みのバラツキをより有効に抑えることができる。その結果本発明によれば、全域に亘って高い緩衝性能を得ることができる気泡シートを提供することができる。
本発明によれば、全域に亘って高い緩衝性能を得ることができる気泡シート、及び、当該気泡シートの製造を実現し得る真空成形ロールを構成するバキュームプラグを提供することができる。
本発明の一実施形態に係る外観図。 同実施形態に係る真空成形ロールを備えた成形機を模式的に示す図。 同実施形態に係る真空成形ロールを模式的に示す正面図。 図3に係る要部拡大断面を模式的に示す図。 同実施形態に係る突起及びバキュームプラグを模式的に示す図。 同実施形態の変形例に係る突起及びバキュームプラグを示す図。 同上。 同上。 本発明の実施例を説明するための図。 同実施例に対応した比較例を模式的に示す図。 本発明の実施例を説明するための図。
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
本実施形態に係る気泡シート1は、例えば図1に示すように、キャップ状をなす突起4が形成されたキャップフィルム3及びバックフィルム2を備えた、所謂二層状の気泡シート1である。しかし勿論、キャップ状をなす突起4の頂部40にさらにライナーフィルムといった別異のフィルムを備えたものであっても良い。同図に示すように本実施形態に係る気泡シート1はパターンにより模式的に図示しているように、キャップフィルム3によって形成される各突起4の頂部40に、略真円形状模様45やバキューム跡41が形成されてなる。
すなわち、本実施し形態に係る気泡シート1は、キャップフィルム3が、突起4の頂部40における中心たる中心領域4aと一部が重なるように形成されたバキューム跡41を有することを特徴とする。以下、当該気泡シート1の構成並びに当該気泡シート1を製造する設備や手順について説明する。
本実施形態に係る気泡シート1製造用の真空成形ロールRは、図1に示す気泡シート成形機の一部を構成するものであり、図2及び図3に示すように、円筒状のロール本体R1と、ロール本体R1を貫通するように設けた回転軸R2と、バネ等の付勢手段RSによってロール本体R1に向かって付勢され且つ一定の圧力でロール本体R1の両端にそれぞれ添接する一対のサイドプレートR3とを備えたものである。なお、回転軸R2は、図示しない軸受けに支持されている。
ロール本体R1は、外周面に多数個凹設されたキャビティR11と、ロール本体R1の一端から他端に亘って形成され両端を開口させた複数の吸引用横孔R12と、各キャビティR11の底壁に設けられそれらのキャビティR11をそれぞれ対応する吸引用横孔R12に連通させる下穴R13とを具備したものである。
各キャビティR11は、図4等に示すように、断面視略台形状をなすものであり、本実施形態では、このようなキャビティR11をロール本体R1の外周面に千鳥状に設けている。このキャビティR11は、本実施形態ではロール本体R1に穿った開口であるキャビティ本体R11aと、このキャビティ本体R11aに組み付けるバキュームプラグ5とを有している。バキュームプラグ5は、例えばジュラルミンといった金属素材から形成した薄板状、具体的には略円盤状をなすものであり、キャビティ本体R11aの底部に嵌合する形状を有する。当該バキュームプラグ5の具体的な形状並びに形状については後に詳述する。
各吸引用横孔R12は、アキシャル孔とも称される通り、ロール本体R1の軸心方向に沿って延伸する略直線状のものであり、これら複数の吸引用横孔R12を、ロール本体R1の周方向に沿って所定ピッチ離間させて設けている。本実施形態では、これら各吸引用横孔R12の両端を真空排気装置Vに接続し得るように構成している。
下穴R13は、図3に示すように、キャビティR11からロール本体R1の軸心に向かって延伸し且つ吸引用横孔R12に連通するものである。本実施形態では、図4に示すように、ロール本体R1の周方向に沿って隣接する複数列のキャビティR11から延伸する下穴R13が共通の吸引用横孔R12に連通するようにしている。そしてこの下穴R13は、本実施形態では各キャビティR11の平面視略中心付近において略真円状に開口した形状をなす。
サイドプレートR3は、図2に示すように、真空排気装置Vに通じる真空用ポートR31(いわゆる「バキュームゾーン」)と、大気に通じる大気圧用ポートR32とを備えている。そして、真空成形ロールRの回動時に、ロール本体R1の軸心方向に沿って真空用ポートR31と連通する位置に来た複数の吸引用横孔R12が真空用ポートR31を介して真空排気装置Vに接続され、真空吸引されるようにしている。本実施形態の真空成形ロールRは、各吸引用横孔R12の両端をそれぞれ対応するサイドプレートR3の真空用ポートR31を介して真空排気装置Vに接続し得るように構成している。
なお、回転軸R2を中空とし、この中空を利用してロール本体R1を内部から冷却する熱媒体を循環させ得るようにしている。
次に、このような真空成形ロールRを備えた気泡シート成形機を用いて気泡シート1を製造する手順について図1等を参照して説明する。
先ず、キャップフィルム用ダイスD3から熱可塑化状態にある膜状のキャップフィルム用素材S3が回転する真空成形ロールRに逐次供給され、真空排気装置Vに接続された真空成形ロールRの真空吸引作用によりキャビティR11の形状に対応した多数の突起4を有したキャップフィルム3を連続的に形成する。一方、バックフィルム用ダイスD2から熱可塑化状態にある膜状のバックフィルム用素材S2が真空成形ロールRに逐次供給され、加圧ロールRAにより当該バックフィルム用素材S2をキャップフィルム3の裏面側に押し付けて貼り合わせる。これにより、キャップフィルム3とバックフィルム2とからなり多数の気泡すなわち突起4を有する二層構造の気泡シート1が成形され、その後、剥離ロールRBにより真空成形ロールRから剥離され、ピンチロールRCへと移行し、所定の工程(切断工程等)を経て完成品となる。
しかして本実施形態に係るバキュームプラグ5は、真空成形ロールRのキャビティR11の底部に設けられる円盤状のものであって、バキューム孔51の少なくとも一部がプラグ本体50の中心である中心領域5aに存在することを特徴とする。なお本実施形態においてバキュームプラグ5の形状のあくまで一例として「円盤状」としているが勿論、バキュームプラグ5の形状はキャビティ本体R11aに隙間無く嵌り得る平面形状であり且つキャビティR11を形成し得る内面側が平坦に形成されていれば厳密な円盤状には限られない。以下、バキュームプラグ5の構成及び当該バキュームプラグ5の適用によって形成される気泡シート1の突起4について図5に示して説明する。
バキュームプラグ5は、キャビティR11の底壁を構成するプラグ本体50と、このプラグ本体50に穿たれたバキューム孔51とを備えたものである。このバキューム孔51はプラグ本体50の外周55からプラグ本体50の中心付近に向けて切り込まれた1本の直線状のスリット52であり、当該直線状のスリット52の長さL52はプラグ本体50の半径R50よりも長く形成されている。すなわちこのバキューム孔51である直線状のスリット52はプラグ本体50における流れ方向の中心線CL上を通る。
このような直線状のスリット52を設けることにより、図4に示すように、キャビティR11から吸引用横孔R12に至る、下穴R13を通る空気の流れがよりスムーズに促される。換言すれば、キャビティR11から吸引用横孔R12までの管路抵抗が最小となるため、吸引による突起4の成形が何れの場所にあるキャビティR11においても速やかに行われる。これにより、素材厚みのバラツキの原因とされるキャビティR11間に発生する成形速度のバラツキが回避され、何れの箇所においても十分な強度を有する突起4が形成される。
そして同図に示すとおり、当該バキュームプラグ5を用いて製造された気泡シート1の突起4の頂部40には、中心である中心領域4a内にバキューム跡41が形成されている。またこの突起4の頂部40には、バキューム跡41の外側に概略環形状をなす略真円形線状模様45が形成される。そしてこのバキューム跡41は他端側が突起4の頂部40における流れ方向の中心線CL上を通るとともに一端42aが略真円形線状模様45から始まっている直線状のバキューム跡42である。そして、この突起4の頂部40では、直線状のバキューム跡42の長さは、略真円形線状模様45の半径R45よりも長いという特徴がみられることになる。
以上のような構成とすることにより、本実施形態に係る気泡シート1は各突起4とも成形が速やかになされた状態で製造されている。そのため、成形スピードを速くした場合であっても、また突起4の容積が大きいものとした場合であっても、巾方向の位置に拘わらず高い緩衝力を有する気泡シート1となっている。
さらに、製造時の突起4の成形がより速やかに行われている気泡シート1に見られる特徴の一例として本実施形態では、バキューム跡41が、突起4の頂部40における流れ方向の中心線CL上を通っている態様を開示している。
加えて、突起4の成形が速やかに行われている気泡シート1に見られる他の特徴として本実施形態では、キャップフィルム3が、バキューム跡41の外側に略真円形線状模様45を有するものを開示している。すなわち当該略真円罫線上模様45がバキューム跡41と併せて形成されるという事は、本実施形態に係るバキュームプラグ5を使用しているという証左である。
特に、突起4成形時の真空吸引がよりスムーズに行われている気泡シート1に見られる特徴として本実施形態では、バキューム跡41が1本以上の互いに交錯しない直線状のバキューム跡42であり、その一端42aが略真円形線状模様45から始まっている態様を開示している。
加えて本実施形態に係る気泡シート1は、直線状のバキューム跡42の長さが、略真円形線状模様45の半径R45よりも長いことから、製造工程における突起4成形時の真空吸引がより確実に行われていることの証左であると考えられるため、突起4を構成する素材厚みのバラツキがより小さくなっている。
そして、本実施形態に係るバキュームプラグ5により、既存の気泡シート1製造用設備に大きな変更を来すことなく、製造工程における吸引時の管路抵抗を減らすことで、個々の突起4の成形スピードの向上を促して突起4の素材厚みすなわち強度のバラツキを無くすことで品質が高い気泡シート1の製造を実現している。加えて突起4の成形スピードを速めることで気泡シート1の成形スピードを速めて生産性を高めても突起4の素材厚みすなわち強度のバラツキを無くすことで品質が高い気泡シート1を提供することができる。
加えて、個々の突起4の成形スピードをより速めることにより気泡シート1の厚みのバラツキをより有効に抑え得るべく本実施形態では、プラグ本体50の外周55からプラグ本体50の中心付近に向けて切り込まれた1本の直線状のスリット52を設けている。これによりスリット52を下穴R13の真上まで達するバキューム孔51とすることができ、下穴R13による真空吸引時の管路抵抗を有効に減少させることができる。その結果、個々の突起4の成形スピードをより速めることにより気泡シート1の厚みのバラツキをより有効に抑えることができる。その結果実施形態によれば、全域に亘って高い緩衝性能を得ることができる気泡シート1を成形、提供することができる。
<変形例>
以下、本実施形態の変形例について図6〜図8に示して説明する。ここで、これら図6以降に示す各構成について図1〜図5に示したものに相当するものに対しては同じ符号を付すとともにその詳細な説明を省略する。
図6に示すバキュームプラグ5は、キャビティR11の底壁を構成するプラグ本体50と、このプラグ本体50に穿たれたバキューム孔51とを備え、バキューム孔51の少なくとも一部が当該プラグ本体50の中心領域5aに存在する点は上記図5のものと同様である。しかしながら同図に示すバキュームプラグ5はバキューム孔51が外周55とは離間し、中心領域5a内のみに穿たれた円形孔53となっている。
そして同図に示すとおり、当該バキュームプラグ5を用いて製造された気泡シート1の突起4の頂部40には、中心領域4a内に円形状のバキューム跡43が形成される。またこの突起4の頂部40には、バキューム跡41の外側に概略環形状をなす略真円形線状模様45が形成されている。
図7に示すバキュームプラグ5は、図6に示した円形孔53に代えて、平面視矩形状をなす矩形孔54としたものである。また当該バキュームプラグ5を用いて製造された気泡シート1の突起4の頂部40には、中心領域4a内に矩形状のバキューム跡44が形成される。またこの突起4の頂部40には、バキューム跡41の外側に概略環形状をなす略真円形線状模様45が形成されている。
図8に示すバキュームプラグ5は、図6に示した円形孔53に加えて、中心領域5aよりも外側にさらに平面視円形状をなす端部円形孔H53が穿たれたものである。また当該バキュームプラグ5を用いて製造された気泡シート1の突起4の頂部40には、中心領域4a内に形成された円形状のバキューム跡43の他、中心領域5a外に他のバキューム跡H43が形成される。またこの突起4の頂部40には、これらバキューム跡43、H43の外側に概略環形状をなす略真円形線状模様45が形成されている。
上述したような各変形例に係る突起4を有した気泡シート1、及びバキュームプラグ5であっても、上記実施形態同様の効果を奏する。
以上、本発明の実施形態及び変形例について説明したが、各部の具体的な構成は、上述した実施形態及び変形例のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
ここで、上記実施形態では本発明に係る気泡シートとして、キャップフィルム及びバックフィルムからなる態様を開示しているが、本発明の特徴であるバキューム跡は、キャップフィルムのみに見られる特徴である。それ故、本発明に係るキャップフィルムは、気泡シートを構成し得るキャップフィルムであって、突起の頂部における中心と一部が重なるように形成されたバキューム跡を有するキャップフィルム、とも解することができる。
そして、上記実施形態及び変形例ではバキュームプラグに設けたバキューム孔の各形状を開示したが勿論、これら形状が異なるバキュームプラグを一の真空成形ロールにおいて混在させてもよい。具体的には、真空排気装置からの距離が遠いキャビティ程、より大きなバキューム孔を有するバキュームプラグを配するといった態様が挙げられる。この場合成形される気泡シートには、巾方向でそれぞれ異なる形状のバキューム跡が形成されるものの、製品としては均質化され高い緩衝力を有した高品質なものが提供され得る。
さらに、実施形態及び変形例では、真空成形ロールが、吸引用横孔の両端を真空排気装置に接続し得るように構成したものであったが、これに限らず、吸引用横孔の一端のみを真空排気装置に接続し得るように構成したものであっても構わない。
またキャビティが平面視略多角形状のものである場合、当該キャビティの底壁を構成するバキュームプラグも、キャビティに嵌合する形状にすればよい。
また、外周面に多数個凹設されるキャビティの配置態様は、千鳥配置の他、千鳥配置を90度傾けた逆千鳥配置、又は格子配置、或いは千鳥配置を15〜45度傾けた斜め配置等、種々のものであってもよい。
上記実施形態及び変形例では、ロール本体の周方向に沿って隣接する複数列のキャビティの各吸引孔が共通の吸引用横孔に連通する態様を例示したが、各列のキャビティの吸引孔がそれぞれ対応する一の吸引用横孔にそれぞれ連通する態様を採用しても構わない。
また、本発明に係る真空成形ロールを用いて製造される気泡シートは、キャップフィルムとバックフィルムとからなり、梱包材等として使用可能な二層状のものであったが勿論、キャップフィルムの表面側(各突起の頂部側)にさらにライナーフィルムを貼着し、自動車の内装材等として使用可能な三層状の中空板を製造する過程で成形される中間成形物であってもよい。
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
これより本発明の実施例について図9、図10及び図11並びに表1及び表2を用いて説明する。なお本発明は当該実施例によってなんら限定されるものではない。
本実施例では、図11に示すように、上記実施形態に係るバキュームプラグ5と、従来真空成形ロールに適用されていた比較用プラグR5とを同じ真空成形ロールRに用い、以下に記す条件にて気泡シートを製造した。そしてバキュームプラグ5によって形成される突起4、並びに比較用プラグによって形成される突起について、図9に示すa、b、c、d、eといった5箇所の厚み寸法を計測し、その平均値及び標準偏差を算出した。
今回の実施例に係るバキュームプラグ5は、実施例1としては上記図5に示された態様のものを用い、実施例2としては上記図6に示された態様のものを用いた。これら各実施例に係るバキュームプラグ5の具体的な形状は上記実施形態及び変形例に記載しているためここでの説明を省略する。
比較用プラグR5は図10に特に示すように、外周の形状は上記実施形態に係るバキュームプラグ5と同形状をなしているものの、中心領域R5a外にのみバキューム孔R51が形成されたものである。比較例1は、互いに90°の角度をなして直交する仮想の十文字線に沿いつつ、外周から中心領域R5aに達しない位置まで延伸する4本のスリット状をなすバキューム孔R51が穿たれたものである。比較例2は、実施例1との比較に重点を置いたものであり、外周から中心領域R5aに達しない位置まで延伸する1本のスリット状をなすバキューム孔R51が穿たれたものである。比較例3は、実施例2との比較に重点を置いたものであり、中心領域R5a外であり外周よりも内側の場所に穿たれた円形状をなすバキューム孔R51が穿たれたものである。
今回は、気泡シートを成形する時期又は条件をそれぞれ異ならせ、表1及び表2に示す試験1及び試験2を行った。
<試験方法及び設定条件>
試験1及び試験2では、それぞれ時期を変えて、成形スピードを分速40mに設定した冷却再加熱法により製造された気泡シートに対し、上記図5及び図6に係るバキュームプラグ5にて成形された突起4をそれぞれ実施例1及び実施例2、図10に図示された比較用プラグR5によって成形された突起をそれぞれ比較例1、比較例2及び比較例3とし、図9に示した各箇所の厚み寸法を測定した。これら試験1及び試験2の結果をそれぞれ表1及び表2に示す。
Figure 2016210073
Figure 2016210073
<試験結果>
試験1及び試験2の結果である表1及び表2に示されるように、通常よりも成形スピードを上げたこれらの試験では、実施例1及び実施例2の標準偏差の方が比較例1、比較例2及び比較例3といった何れの比較例の標準偏差よりも、全ての測定場所において低いという結果が得られた。さらに時期を変えたこれら2回の試験においても同様の結果を得たということから、成形スピードを上げても緩衝力が高い気泡シートが得られるという本発明の効果は安定して得られることが分かった。
本発明は気泡シート及び当該気泡シートを製造する真空成形ロールに適用されるバキュームプラグとして利用することができる。
1…気泡シート
2…バックフィルム
3…キャップフィルム
4…突起
40…頂部
41…バキューム跡
4a…中心(中心領域)
CL…流れ方向の中心線(中心線)
42…直線状のバキューム跡
42a…一端
45…略真円形線状模様
R…真空成形ロール
R11…キャビティ
5…バキュームプラグ
5a…中心(中心領域)
50…プラグ本体
51…バキューム孔
55…外周
52…直線状のスリット
L42…直線状のバキューム跡の長さ
R45…略真円形線状模様の半径
L52…直線状のスリットの長さ
R50…プラグ本体の半径

Claims (6)

  1. 少なくともキャップフィルム、バックフィルムを備えた気泡シートであって、
    前記キャップフィルムが、突起の頂部における中心と一部が重なるように形成されたバキューム跡を有する気泡シート。
  2. 前記キャップフィルムが、前記バキューム跡の外側に略真円形線状模様を有する請求項1記載の気泡シート。
  3. 前記バキューム跡が1本以上の互いに交錯しない直線状のものであり、そのバキューム跡の一端が前記略真円形線状模様から始まっている請求項2記載の気泡シート。
  4. 前記直線状のバキューム跡の少なくとも一本の長さは、前記略真円形線状模様の半径よりも長いことを特徴とする請求項3記載の気泡シート。
  5. 気泡シート製造用の真空成形ロールのキャビティの底部に設けられるバキュームプラグであって、
    前記キャビティの底壁を構成するプラグ本体と、このプラグ本体に穿たれた一個以上のバキューム孔とを備えたものであり、前記バキューム孔の少なくとも一部が当該プラグ本体の中心と一部が重なるように存在することを特徴とするバキュームプラグ。
  6. 気泡シート製造用の真空成形ロールのキャビティの底部に設けられるバキュームプラグであって、
    前記キャビティの底壁を構成するプラグ本体と、このプラグ本体に穿たれた一個以上のバキューム孔とを備えたものであり、前記バキューム孔は前記プラグ本体の外周から前記プラグ本体の中心付近に向けて切り込まれた1本以上の互いに交錯しない直線状のスリットであり、当該スリットの長さは前記プラグ本体の半径の長さよりも長いことを特徴とするバキュームプラグ。
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