JP2016209505A - 縫目のほつれ止め装置付き二重環縫いミシン - Google Patents

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Abstract

【課題】自糸ルーピングによるほつれ止め効果と共に、自糸ルーピング後におけるルーパ糸の切断処理及び切断後のルーパ糸の保持に不具合を招くことがなく、次の縫製を所定通り確実且つ見栄えよく行うことができるほつれ止め装置付き二重環縫いミシンを提供する。【解決手段】自糸ルーピングを実行するためのほつれ止め装置Hの他に、自糸ルーピング後のルーパ1の進出動作時に、ルーパ糸供給源装置とルーパ1との間に亘ってかけ渡し位置するルーパ糸部分10aを引掛けて側方に移動することにより、ルーパ糸部分10aを屈曲させてルーパ1に供給されるルーパ糸10にルーパ糸供給源装置側への引戻し力を付与するルーパ糸引戻し力付与装置84が備えられている。【選択図】図13

Description

本発明は、主として横筒形に代表される二重環縫いミシンを使用して、針糸とルーパ糸とにより二重環縫いの縫目を形成し、この二重環縫いの縫目の縫い終わり部分にほつれが発生することを防止するように構成されている縫目のほつれ止め装置付き二重環縫いミシンに関する。
一般的な横筒形等の二重環縫いミシンは、針糸を保持して上昇及び下降する針と、ルーパ糸を保持して前記針の上下運動経路に略直交する方向に進退動作するルーパとを備えており、前記針が針板の下に形成する針糸ループを前記ルーパの進出動作により捕捉し、該ルーパが保持するルーパ糸により前記針糸を他糸ルーピングすることを繰り返すことによって、縫製生地に二重環縫いの縫目を形成する。
二重環縫いミシンにより形成される一般的な二重環縫いの縫目の構造は、図27に示すように、縫い終わり時に切断されたルーパ糸10の端部10aが、図27中の矢符に示す方向に引っ張られた場合、該ルーパ糸10は、針糸20a,20bが形成する最終の針糸ループ20a2,20b2から抜け出し、その抜け出しが縫い始め側に向けて波及移行しやすく、その結果、縫目Mの全体にほつれが発生するという問題を有している。
上記のような二重環縫いミシンにより形成される縫目特有のほつれを防止することを目的として、本出願人は、特開2011−206527号公報及び特開2013−6009号公報に示すようなほつれ止め装置付二重環縫いミシンの開発に成功している(以下、これを本出願人による先行技術という)。
上記した本出願人による先行技術である二重環縫いミシンのほつれ止め装置は、図28及び図29に示すように、針糸20a,20b(本発明の実施の形態で説明する図17〜図23参照)を保持して針板12の略中央に左右方向に間隔を隔てて設定された針落ち位置A,Aに対して上下動する針2a,2b(本発明の実施の形態で説明する図17〜図23参照)と、ルーパ糸10を保持して針落ち位置A,Aの並び方向に進退動作可能で、進出時に針板12下に形成する針糸ループ20a2,20b2を捕捉するルーパ1(本発明の実施の形態で説明する図17〜図23参照)と、ルーパ1に対して接近及び離反動作可能で、図28に示すように、ルーパ1から離れた待機位置と図29に示すように、ルーパ1に接近した糸掛け位置との間に亘って上下方向の支軸30を中心として針板12と略平行な面内を揺動する円弧状に湾曲した糸掛けフック3と、該糸掛けフック3の中途部上面に固定ネジ60により固定されて糸掛けフック3と一体に揺動する円弧状に湾曲したルーパ糸保持体6と、前記糸掛けフック3及びルーパ糸保持体6を前記待機位置と糸掛け位置とに駆動揺動させる糸操作エアシリンダ32と、糸掛けフック3よりも針板12から離れた位置に配置されて、糸掛けフック3が糸掛け位置で捉えた針糸ループ20a2,20b2を糸掛け位置と待機位置との間の保持位置で保持させるように、針板台11の上面に支持されて針板12と略平行な面内で上下方向の支軸90を中心として揺動する揺動レバー9及びストッパレバー4と、ストッパレバー4を揺動レバー9の一部に係合する係合位置から該係合位置から外れた退避位置に駆動揺動させるストッパシリンダ42と、前記糸掛けフック3と揺動レバー9とを連動連結する連結ロッド35と、連結ロッド35と糸操作シリンダ32の左側に前方に向けて突出のばね掛け部95との間に配置された戻しばね91と、通常の縫製が終えた後に前記糸操作シリンダ32及びストッパシリンダ42を選択的に動作制御して、糸掛けフック3の先端のフック部3bが糸掛け位置で捉えた一方の針糸ループ20b2を前記保持位置で保持させるとともに、ルーパ糸保持体6の先端の糸受け部6aをフック部3bの前方でルーパ1の上側に位置させ、この状態を維持して少なくとも1針分の縫製動作を行わせる制御部8(本発明の実施の形態で説明する図15参照)と、を備えて構成されている。
なお、本出願人による先行技術である二重環縫いミシンのほつれ止め装置は、針板台11が左右方向に長い一体物に構成されているが、本発明の実施の形態では、針板台11が左右に二分割された構成のもので説明する。これ以外において、後述する本発明の実施の形態で説明する二重環縫いミシンのほつれ止め装置における構成部材及び構成部位と同一又は対応する構成部材及び構成部位には、本発明の実施の形態のほつれ止め装置で説明する符号と同一の符号を付して、それらの詳しい説明は省略する。
上記した本出願人による先行技術であるほつれ止め装置によれば、通常の縫製を終えた後に制御部8を介して糸掛けフック3、ルーパ糸保持体6、ストッパレバー4及び揺動レバー9の各動作を制御して前述のような1針分の縫製動作を行わせることにより、図30に示すように、ルーパ糸10は、二重環縫いの縫目Mの最後に縫製生地の裏面に形成される右側(図30においては左側)の最終針糸ループ20b2内を通り、ほつれ止めのための1針分の縫製の際に縫製生地の裏面側に抜け出す針糸20bの前で折り返し、右側最終針糸ループ20b2内を通った位置で切断され、その結果、針糸20bとルーパ糸10とにより、図示のような結び目状の他糸ルーピングが形成される。一方、1針分の縫製の際に縫製生地の裏面側に抜け出す左側(図30においては右側)の針糸20aは、通常縫製時の最後に縫製生地の裏面に形成される最終針糸ループ20a2内を通り、その最終針糸ループ20a2を自糸ルーピングする。これによって、左側の自糸ルーピング部と、右側の結び目状の他糸ルーピングとの相乗作用により、ルーパ糸10に如何なる方向からの力が作用しても、二重環縫いの縫目Mに特有のほつれの発生を防止することができる。
特開2011−206527号公報 特開2013−6009号公報
以上のように、本出願人による先行技術であるほつれ止め装置付き二重環縫いミシンによると、通常の縫製を終えた後に連続して上述のようなほつれ止めのための1針分の縫製動作を行うことにより、二重環縫いの縫目に特有のほつれの発生を有効に防止し得る。そのため、縫製終了後に閂止め等のほつれ止め専用の別工程作業を行う必要がなくなり、多量の縫製品を次々と連続して生産する場合の縫製作業効率の増進を図ることが可能である。しかしながら、本出願人が既に開発に成功している先行技術としての二重環縫いミシンにおいては、糸の種類や糸締まり等の調整により自糸ルーピングを行うためのほつれ止め動作によってルーパ糸に弛みが生じることがあった。その結果、縫い終わり時における糸切り装置によるルーパ糸の切断及び切断後のルーパ糸端部の保持に不具合を招いて次の縫製処理が所定通りに行えなくなるという課題が残されていた。以下、この点について詳述する。
本出願人による先行技術である二重環縫いミシンにおいては、自糸ルーピングによるほつれ止め効果を得るために、本発明の実施の形態の図18及び図19でも説明するように、通常縫製を終了した後に、糸掛けフック3をルーパ1に対して接近動作させて針糸ループ20a2を針の下降位置よりもルーパ1の進出端側に保持させるとともに、ルーパ糸保持体6をルーパ1に対して接近動作させて該ルーパ糸保持体6の先端のルーパ糸受け部6aにより縫製生地から延びるルーパ糸10を左側の針落ち位置に保持させるといった動作が必要不可欠である。このような自糸ルーピングによるほつれ止め効果を得るための必要不可欠な動作によって生じたルーパ糸10の弛みを前記糸の種類や糸締まり等の調整により除去できない場合があった。
そして、ルーパ糸10に弛みが生じていると、図31に示すように、針の上昇に伴いルーパ1の後側(図31では手前側)に位置する針糸20a,20bが矢印dのように下方に移動するとき、ルーパ糸10が針糸20a,20bに摺接してルーパ1の下方へ巻き込まれることがある。このような状態で、糸切り装置5が作動されて図32に示すように、可動メス50が前記ルーパ1に対して近接した左前方への進出位置から針落ち位置の他側(左側)寄り外部位置に向けて矢印x方向に往行駆動移動されても、可動メス50先端側のルーパ糸捕捉部50aがルーパ1の先端近くと縫製生地Wの裏面側との間に掛け渡されているルーパ糸10をうまく引掛けることができないばかりでなく、可動メス50の針糸捕捉部50bに針糸20a,20bと共に引掛けられて切断されてしまうことになる。切断された針糸20a,20bは通常通り針糸払い機構などにより針板12の上方へ払い上げられるが、切断されたルーパ糸10はルーパ1先端の糸孔に対して自由状態となる。
その結果、次の縫製時にルーパ1先端の糸孔に残っているルーパ糸10の長さによっては、ルーパ1の先端糸孔からルーパ糸10が抜け出してしまい、縫目が形成できなかったり、縫目が形成できたとしても、縫い始め部に長いルーパ糸10が残って縫製物の仕上り具合、見栄えが悪化したりするという問題(課題)があった。
本発明は上述の諸実情に鑑みてなされたもので、自糸ルーピングによるほつれ止め効果を得ると共に、自糸ルーピング後におけるルーパ糸の切断処理及び切断後のルーパ糸の保持に不具合を招くことがなく、次の縫製を所定通り確実に、且つ、見栄えよく行うことができるほつれ止め装置付き二重環縫いミシンを提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明に係るほつれ止め装置付き二重環縫いミシンは、針糸を保持して上下動する針と、ルーパ糸を保持して前記針の上下動経路に略直交する方向に進退動作可能で、進出動作時に前記針が針板下に形成する針糸ループを捉えるルーパとを備え、前記ルーパの進出動作により捉えた前記針糸ループを該ルーパが保持するルーパ糸で他糸ルーピングすることにより縫製生地に二重環縫いの縫目を形成する二重環縫いミシンであって、前記ルーパに対して接近及び離反動作可能で、接近動作時に前記ルーパが捉えた針糸ループを前記針の下降位置よりも前記ルーパの進出端側で保持する針糸保持機構と、前記ルーパに対して接近及び離反動作可能で、接近動作時に前記ルーパから縫製生地に延びるルーパ糸を前記針の下降位置よりも前側又は後側で保持するルーパ糸保持機構と、前記針糸保持機構及び前記ルーパ糸保持機構の接離動作を、前記針及びルーパの動作、並びに前記縫製生地の送り動作と関連して制御する制御部とを備え、該制御部は、前記ルーパを進出位置とし、前記針を上昇位置として通常縫製を終了した後に、前記針糸保持機構及び前記ルーパ糸保持機構を接近動作させて前記針糸ループを前記針の下降位置よりも前記ルーパの進出端側に、且つ、ルーパ糸を前記針の下降位置よりも前側又は後側に位置保持させ、この状態を、前記針が前記ルーパに捉えられた針糸ループを通って下降するまで維持し、その後、前記針糸ループの前記位置保持を解除して、前記針の下降及び上昇、前記ルーパの進退動作、及び前記縫製生地の送り動作と合わせて前記針が前記針糸ループを通って下降することを含む少なくとも1針分の縫製動作を実行することにより、前記針が保持する針糸によって前記ルーパが保持する針糸ループを自糸ルーピングして縫目のほつれを防止するように構成されている縫目のほつれ止め装置付き二重環縫いミシンにおいて、
前記自糸ルーピング後の前記ルーパの進出動作時に、ルーパ糸供給源装置と前記ルーパとの間に亘ってかけ渡し位置するルーパ糸部分を引掛けて側方に移動することにより、前記ルーパ糸部分を屈曲させて前記ルーパに供給されるルーパ糸部分に前記ルーパ糸供給源装置側への引戻し力を付与するルーパ糸引戻し力付与装置が備えられていることを特徴とする。
上記のごとき特徴構成を有する本発明に係るほつれ止め装置付き二重環縫いミシンによれば、ルーパを進出状態として通常縫製を終了した後に、該ルーパが捉えた針糸ループを、針の下降位置よりもルーパの進出端側に位置保持させ、且つ、ルーパ糸を前記針の下降位置よりも前側又は後側に位置保持させ、この状態を、前記針が前記ルーパに捉えられた針糸ループを通って下降するまで維持し、その後、前記針糸ループの前記位置保持を解除して前記針が前記針糸ループを通って下降することを含む少なくとも1針分の縫製動作を行わせることによって、下降する針が保持する針糸で先の針糸ループを自糸ルーピングさせ、この自糸ルーピング部分でルーパ糸を押えて、針糸及びルーパ糸の付与張力の大小に関係なく、ルーパ糸の抜けを防止し、閂止め等のほつれ止め専用の別工程作業を行わなくても、縫目のほつれを防止することができる。
その上、自糸ルーピングによるほつれ止め動作後のルーパの進出動作時に、ルーパ糸引戻し力付与装置の作動に伴いルーパ糸供給源装置とルーパとの間に亘ってかけ渡し位置するルーパ糸部分を引掛けて側方に移動させ屈曲させて該ルーパ糸部分にルーパ糸供給源装置側への引戻し力を付与することにより、通常縫製の終了後にルーパ糸を前記針の下降位置よりも前側又は後側に位置保持させるといった自糸ルーピングによるほつれ止めのための必要不可欠な動作によって発生するルーパ糸の弛みを解消することができる。これによって、自糸ルーピング後におけるルーパ糸の弛みに起因する切断不良及び切断後のルーパ糸保持の不具合の発生をなくすることができ、次の縫製を所定通り確実に、且つ、見栄えよく行うことができる
といった効果を奏する。
本発明に係るほつれ止め装置付き二重環縫いミシンにおいて、前記ルーパ糸供給源装置と前記ルーパとの間には、両者間に亘ってかけ渡し位置するルーパ糸部分を略直線状に移動案内する少なくとも2つのルーパ糸案内具が設けられており、前記ルーパ糸引戻し力付与装置は、前記ルーパ糸供給源装置に近い位置を支点軸にして水平又は略水平面を前記ルーパ糸案内具に対向する位置とルーパ糸部分を屈曲させる側方位置とに亘り往復揺動可能な揺動アームと、該揺動アームの先端部に取り付けられて前記2つのルーパ糸案内具のうち、前記ルーパ糸供給源装置側に近いルーパ糸案内具寄りのルーパ糸部分を引掛けるルーパ糸引掛け部と、前記揺動アームを前記二位置間に亘って往復揺動駆動させるアクチュエータと、から構成されていることが好ましい。
この場合は、ルーパ糸引戻し力付与装置が水平又は略水平面内を支点軸周りで往復揺動可能な揺動アームと該揺動アームを二位置間に亘って往復揺動駆動するアクチュエータとから構成されるので、機構的に簡易であるとともに、ミシンベッド部内の少ない水平空間にコンパクトに収めることができる。また、2つのルーパ糸案内具と揺動アームとの位置関係によって、ルーパ糸部分をルーパ糸供給源装置に近い側は前後方向に直線状に、かつ、ルーパに近い側は前後左右方向に斜めに引張ることで、揺動アームの少ない揺動量でルーパ糸に対してそれの弛みを解消するに十分な引戻し力を付与することができる。
特に、前記ルーパ糸引戻し装置におけるアクチュエータとしては、前記揺動アームを前記ルーパ糸案内具に対向する位置から前記側方位置へ往行揺動付勢するスプリングと、このスプリングの付勢力に抗して前記揺動アームを前記側方位置から前記ルーパ糸案内具に対向する位置へ復行揺動駆動させる流体圧シリンダと、の組み合わせから構成されていることが好ましい。
この場合は、スプリングの弾性力を有効利用して、ルーパ糸の弛みの程度に応じて適正なルーパ糸引戻し力を付与することが可能であり、ルーパ糸に異常な引戻し力(張力)が働いたり、引戻し力の不足による切断不良や切断後のルーパ糸保持の不具合の発生防止ができなかったりすることを防ぐことができる。
また、本発明に係るほつれ止め装置付き二重環縫いミシンにおいて、前記制御部は、前記自糸ルーピングのための前記少なくとも1針分の縫製動作時における前記縫製生地の送りの停止、又は通常縫製時よりも小さい送り量の送り動作の下で実行するように構成されていることが好ましい。
この場合は、自糸ルーピング部分を密にして自糸ルーピング部分によるルーパ糸の押えを強化することができ、縫い終わり部分でのルーパ糸の抜け出し及びそれの波及によるほつれ止め効果を一層確実なものとすることができる。
また、本発明に係るほつれ止め装置付き二重環縫いミシンにおいて、前記ルーパ糸保持体は、前記ルーパに対して前記針糸保持機構と一体的に接近及び離反動作可能に構成されていることが好ましい。
この場合は、針糸保持機構の駆動機構をルーパ保持機構の駆動機構に兼用させることが可能であるため、ほつれ止め装置全体の構成をできるだけ小型簡素化且つ低コスト化することができる。
なお、本発明に係る二重環縫いミシンは、横筒形の二重環縫いミシンを対象とする場合に好適であるが、横筒形以外の1本針二重環縫いミシンや平ベットタイプの二重環縫いミシンを対象ミシンとしてもよい。
本発明の実施の形態に係る横筒形二重環縫いミシン全体を、ミシンベッド部の上部カバーを取り外した状態で示す外観斜視図である。 図1の要部の拡大斜視図である。 同上横筒形二重環縫いミシンにおける縫目のほつれ止め装置の要部の構成を示す斜視図である。 同上縫目のほつれ止め装置の要部の構成の一部を取り外した状態を示す斜視図である。 同上縫目のほつれ止め装置の要部の構成を示す平面図である。 同上縫目のほつれ止め装置のストッパ機構の構成及び第1動作を説明する要部の底面図である。 同上ストッパ機構の構成及び第2動作を説明する要部の底面図である。 同上ストッパ機構の構成及び第3動作を説明する要部の底面図である。 同上ストッパ機構の構成及び第4動作を説明する要部の底面図である。 横筒形二重環縫いミシンにおける糸切り装置の往復駆動移動機構の構成を説明する分解斜視図である。 同上往復駆動移動機構により糸切り装置が退避位置に後退された状態を示し、(A)は要部の平面図、(B)は図11(A)のA−A線に沿った縦断面図である。 同上往復駆動移動機構により糸切り装置が進出位置に進出された状態を示同上縫目のほつれ止め装置による第1ほつれ止め動作の説明図である。る。 本発明の実施の形態のルーパ糸引戻し力付与装置の構成及び通常の縫製時の状態を示す要部の拡大平面図である。 本発明の実施の形態のルーパ糸引戻し力付与装置の構成及びルーパ糸引戻し動作状態を示す要部の拡大平面図である。 縫目のほつれ止め装置を含めて第一実施の形態に係る横筒形二重環縫いミシンの制御系の構成を示すブロック図である。 同上縫目のほつれ止めのための制御部の動作内容を時系列的に示すタイムチャートである。 同上縫目のほつれ止め装置による第1ほつれ止め動作の説明図である。 同上縫目のほつれ止め装置による第2ほつれ止め動作の説明図である。 図18の動作状態を、図18とは反対方向から見た要部の拡大斜視図である。 同上縫目のほつれ止め装置による第3ほつれ止め動作の説明図である。 同上縫目のほつれ止め装置による第4ほつれ止め動作の説明図である。 同上縫目のほつれ止め装置による第5ほつれ止め動作の説明図である。 (a)〜(f)は糸切り装置の糸切り動作を順番に説明する要部の斜視図である。 図23(a)の状態を、図23とは反対方向から見た要部の拡大斜視図である。 図23(c)の状態を、図23とは反対方向から見た要部の拡大斜視図である。 本発明の実施の形態に係る横筒形二重環縫いミシンによる二重環縫いの縫目の構造を縫製生地の裏面から見た図である。 一般的な二重環縫いの縫い終り部分の縫目の構成を略示する底面図である。 本出願人による先行技術における縫目のほつれ止め装置の要部の構成を略示する平面図である。 同上本出願人による先行技術における縫目のほつれ止め装置の要部の動作状態を説明する平面図である。 同上本出願人による先行技術における縫目のほつれ止め装置により得られる二重環縫いの縫目の構造を縫製生地の裏面から見た図である。 同上本出願人による先行技術における図24に対応する状態を示す要部の拡大斜視図である。 同上本出願人による先行技術における図25に対応する状態を示す要部の拡大斜視図である。
以下、本発明の実施の形態を図面にもとづいて説明する。なお、本実施の形態において本出願人による先行技術の二重環縫いミシンと同一の構成には同一の符号を付して説明する。
図1は本発明の実施の形態に係る横筒形二重環縫いミシン全体を、ミシンベッド部の上カバーを取り外した状態で示す外観斜視図、図2は図1の要部の拡大斜視図、図3及び図4は同上横筒形二重環縫いミシンが装備する縫目のほつれ止め装置の要部の構成を示す斜視図、図5は同縫目のほつれ止め装置の要部の構成を示す平面図であり、図6乃至図9はほつれ止め装置のストッパ機構の構成及び第1〜第4動作を説明する要部の底面図である。
また、図10は横筒形二重環縫いミシンの糸切り装置における往復駆動移動機構の構成を説明する分解斜視図、図11は同上往復駆動移動機構により糸切り装置が退避位置に後退された状態を示し、(A)は要部の平面図、(B)は図11(A)のA−A線に沿った縦断面図、図12は同上往復駆動移動機構により糸切り装置が進出位置に進出され、可動メスが最も左方にまで往行駆動移動された状態を示し、(A)は要部の平面図、(B)は図12(A)のB−B線に沿った縦断面図である。
なお、以下の説明においては、図3〜図5及び図10〜図12中に矢符により示した「左,右」及び「前,後」なる表現を使用して説明する。ここで、「前」は、縫製作業者に近い側、「後」は、縫製作業者から離れた側、「左,右」は、縫製作業者に近い前側からみた場合の「左,右」である。
図1及び図2に示すように、本実施の形態に係る横筒形二重環縫いミシンは、ミシン本体部Dの上下位置から左方に向けてミシンアーム部C及びミシンベッド部Bが互いに略平行状に延設されている。ミシンアーム部Cの内部には、伝動回転軸、左右の針2a,2bを上下に往復運動させる針駆動機構、布押えを上下に往復運動させる押え駆動機構やそれら各駆動機構への動力伝達機構等が組み込まれているが、それら駆動機構や動力伝達機構は周知のため、説明を省略する。
また、横筒形二重環縫いミシンは、図5に示すように、ルーパ1と、左右の針2a,2b(図17〜図23参照)と、ミシンベッド部Bの上面に取り付けられた針板台11と、この針板台11に装備される縫目のほつれ止め装置Hと、前記針板台11上に取り付けられる針板12と、ルーパ糸引戻し力付与装置84と、を備えている。
前記針板12の下方部のミシンベッド部B内には、ルーパ糸10を保持して前記針2a,2bの上下往複運動経路に略直交する左右方向に進退動作するルーパ1、糸切り装置5及び該糸切り装置5の固定メス51の刃縁部51eが、図11(A),(B)に示すように、前記針板12及びルーパ1に対して近接する位置であって、後述するストッパ部材33に後述する当たり部材34が当接する左前方への進出位置P1と、図12(A),(B)に示すように、前記進出位置P1よりも右後方の退避位置P2との間に亘って往復駆動移動させると共に、糸切り装置5が前記進出位置P1に移動された状態において後述する可動メス50のみを針落ち位置の一側(右側)寄り外部位置と他側(左側)寄り外部位置との間に亘ってx−y方向に直線的に往復駆動移動させる往復駆動移動機構70等が組み込まれている。
前記左右の針2a,2bは、ミシンアーム部C内の伝動回転軸(図示省略)の回転に連動して上昇及び下降する針棒(図示省略)の下端部に取り付けられている。図3、図5中のA,Aは、針2a,2bの針落ち位置(下降位置)を示している。針落ち位置A,Aは、針板12の略中央部において、左右方向に間隔を隔てて設定されている。
ルーパ1は、ミシンベッド部B内に配置され、図示省略するルーパ駆動機構の動作を介して針2a,2bの上下往復運動経路に略直交して、これら針2a,2bの並び方向に進退(左進及び右退)動作する。図5の実線は、ルーパ1が左進位置に動作した状態を示し、図5の破線は、ルーパ1が右退位置に動作した状態を示す。図5の実線に示すように、左進位置にあるルーパ1の先端部は、針落ち位置A,Aを越えて左方向に延出し、図5の破線に示すように、右退位置にあるルーパ1の先端部は、針落ち位置A,Aの右方向に離れて位置する。
横筒形二重環縫いミシンは、針2a,2bの上昇及び下降動作とルーパ1の左進及び右退動作とにより、針板12上にセットされた縫製生地(図示省略)を縫製する。縫製生地は、針板12上に布押えにより押えられ、ミシンベッドBの内部に設けられた送り機構の動作により、図5の矢印Y方向に送り移動される。送り機構は、針板12上に突出して後方向に移動し、且つ、針板12下に没入して前方向に復帰移動する動作を繰り返す送り歯を備え、この送り歯により縫製生地は間欠的に矢印Y方向に送り移動される。
上述した針棒、ルーパ駆動機構及び送り機構は、伝動回転軸(図示省略)からの伝動により互いに同期して動作する公知の機構である。針2a,2bは、針糸20a,20b(図17〜図23参照)を保持して、縫製生地を貫通して針板12下に達し、その後、上昇して縫製生地の上方へ抜け出す。ルーパ1は、ルーパ糸10(図17〜図23参照)を保持し、針2a,2bの上昇開始に合わせて左進し、針板12下に形成される針糸20a,20bのループ20a2,20b2を捉える。縫製生地は、針2a,2bの上昇時に送り移動される。針2a,2bは、送り移動した縫製生地を貫いて下降し、右退中のルーパ1が保持するルーパ糸10を捉える。二重環縫いミシンは、以上の動作を繰り返して、縫製生地に二重環縫いの縫目を形成する。
次にまず、上記の如き横筒形二重環縫いミシンが備える縫目のほつれ止め装置Hについて詳述する。ほつれ止め装置Hは、針糸保持機構と、ルーパ糸保持機構と、ストッパ機構と、前記針糸保持機構の糸掛けフック3(後述する)と前記ストッパ機構のストッパ部材4(後述する)とを連動連結する連結部材としての連結ロッド35と、制御部8(後述する)と、を備えている。
前記針糸保持機構は、糸掛けフック3と、該糸掛けフック3を前記ルーパ1から離れた待機位置と前記ルーパ1に接近した糸掛け位置との間に亘って上下方向の支軸30を中心として駆動揺動させる往復動式の糸操作シリンダ32と、を有する。糸掛けフック3の揺動中心となる支軸30は、針板12の右後側角部の近傍に配置され、前記針板台11上に支持されている。
糸掛けフック3は、円弧状の湾曲形状を有し、支軸30から左方へ延びる支持アーム3eの先端部に、前方へ折り返すように連設されている。糸掛けフック3の先端部は、針板12の下側において、左側後方から針落ち位置A,Aに臨ませてあり、該先端部には、外向きに突出するフック部3bが形成されている。支持アーム3eは、支軸30から前方へ向けて延びる延設部3cを有し、この延設部3cの先端部に、連結ロッド35の一端部が連結されている。
図5に示すように、前記糸掛けフック3の基部には、ルーパ糸保持機構として円弧状の湾曲形状を有するルーパ糸保持体6が2本の固定ネジ60,60を介して共締め固定されている。ルーパ糸保持体6の先端部は、前記糸掛けフック3の左側に略沿って前方へ延び、糸掛けフック3の先端部の前位置で針落ち位置A,Aに臨ませている。ルーパ糸保持体6の先端部には、二股に分岐されたルーパ糸受け部6aが形成されている。ルーパ糸保持体6は、固定ネジ60,60を緩めることで糸掛けフック3に対する位置が調節可能であり、この位置調節により、先端のルーパ糸受け部6aによるルーパ糸10の保持が確実になるように構成されている。
前記ストッパ機構は、図6〜図9に示すように、前記糸操作シリンダ32の出力ロッド31の先端部(左端部)に止めネジ36を介して固定され、エアチューブ33を介して供給される作動エアによって糸操作シリンダ32が伸縮動作することにより左右方向に直線的に往復駆動移動されるストッパ部材14と、該ストッパ部材14の一部に係合及び係合解除可能な揺動レバー9と、該揺動レバー9を前記ストッパ部材14の一部に係合して前記糸掛けフック3が待機位置に位置する方向に揺動付勢するスプリング96と、該スプリング96の揺動付勢力に抗して前記揺動レバー9を前記ストッパ部材14の一部から強制的に係合解除させる片動式(左方向への押出し駆動式)のストッパシリンダ42と、により構成されている。
前記ストッパシリンダ42の出力ロッド41は、エアチューブ43を介して供給される作動エアによってストッパシリンダ42が左方向へ押出し駆動されることに伴い前記揺動レバー9を前記スプリング96の揺動付勢力に抗して反時計方向に揺動させるように構成されている。
揺動レバー9は、揺動レバー取付台92の上面に上下方向の支軸90を中心として揺動可能に支持されている。揺動レバー9は、先端部に前記ストッパ部材14の一部に係合可能な係合爪9aを有しており、図6に示すように、糸操作シリンダ32(図4参照)の伸張動作により前記ストッパ部材14が左方向に駆動移動されているとき、即ち、糸掛けフック3が待機位置に移動されているときは、スプリング96の付勢力によりストッパ部材14の側部に接触し、糸操作シリンダ32の収縮動作により前記ストッパ部材14が右方向に駆動移動されたときは、図7に示すように、スプリング96の付勢力により支軸90を中心として時計方向に揺動して先端の係合爪9aがストッパ部材14の一部に係合可能な状態となる。
また、図8に示すように、収縮した糸操作シリンダ32(図4参照)を再び少量だけ伸張動作させることにより、揺動レバー9の先端の係合爪9aがストッパ部材14の一部に係合して、ストッパ部材14の左方向への駆動移動が一時的にストップされる。このようにストッパ部材14が一時的にストップされた状態において、前記糸掛けフック3は、連結ロッド35を介して前記待機位置と糸掛け位置との間の保持位置に移動し停止する。このとき、糸掛けフック3の先端のフック部3bは、図5に示す糸掛け位置(針落ち位置A,A)から左後方に移動して、針糸20a,20bを引掛けて前記保持位置に保持する。
更に、図9に示すように、ストッパシリンダ42の伸張に伴い出力ロッド41を左方向へ押出し駆動させることにより、前記揺動レバー9が前記スプリング96の揺動付勢力に抗して反時計方向に揺動されて、該揺動レバー9の先端の係合爪9aがストッパ部材14の一部から係合解除され、ストッパ部材14の一時的なストップが解除される。これによって、糸操作シリンダ32は、最大限に伸張動作されて糸掛けフック3が連結ロッド35を介して待機位置に揺動復帰される。
以上のように、本実施の形態において、針糸保持機構の糸掛けフック3は、糸操作シリンダ32及びストッパシリンダ42の伸縮動作により、前述した待機位置、糸掛け位置及び保持位置との間に亘って揺動する。
また、本実施の形態に係る横筒形二重環縫いミシンにおいては、ミシンベッド部Bの上面に取り付けられる針板台11が、図3〜図5に示すように、左側針板台部11Lと右側針板台部11Rとに二分割された構成が採用されている。左側針板台部11Lの上面に、前記針板12が止めネジ100を介して取り外し可能に取り付けられていると共に、前記針糸保持機構の糸掛けフック3の揺動中心となる支軸30を支持している。
二分割された左側針板台部11Lにおける左端部近くの前後複数箇所(2箇所)、具体的には、図5中に仮想線で示すミシンアーム部Cの先端(左端)近傍で前記針板12の取付箇所とは離れた箇所にはネジ孔101が形成されており、これらネジ孔101に螺合する止めネジ部材102介して、左側針板台部11Lはミシンベッド部Bの上面に締付け固定及び固定解除可能(着脱可能)に取り付けられている。
また、ミシンベッド部Bの上面及び前記左側針板台部11Lには、図4に示すように、前記止めネジ部材102による2箇所の締付け固定箇所から離れた箇所にノックピン103及び該ノックピン103が嵌合するピン孔104が形成されており、ピン孔104をノックピン103に上方から差し込み嵌合することにより、左側針板台部11Lを、ミシンベッド部Bに対して所定の位置及び姿勢に位置決めし、この状態で、前記止めネジ部材102をネジ孔101にねじ込むことにより、左側針板台部11Lをミシンベッド部Bの上面に締付け固定可能としている。
なお、第一実施の形態では、ノックピン103がミシンベッド部Bの上面から上方へ向けて突出され、ピン孔104が左側針板台部11Lに形成されたものについて説明及び図示しているが、ノックピン103が左側針板台部11Lの下面から下方へ向けて突出され、ピン孔104がミシンベッド部Bの上面に形成されたものであってもよい。
一方、二分割された右側針板台部11Rは、前記糸操作シリンダ32及びストッパシリンダ42を支持するシリンダ取付台部(以下、該右側針板台部11Rをシリンダ取付台部と称する)を構成するものであり、該シリンダ取付台部11Rの下部には上述したストッパ機構が配置されている。詳細には、シリンダ取付台部11Rの下面には、図5〜図8に示すように、糸操作シリンダ32が取付ネジ105を介して固定支持されていると共に、該糸操作シリンダ32の下部にストッパシリンダ42が二段重ねの状態に配置されており、該ストッパシリンダ42は、取付ネジ106を介してシリンダ取付台部11Rに固定支持されている。
前記シリンダ取付台部11Rは、ミシンベッド部Bの後面に止めネジ部材107を介して固定状態に組み付けられている。ここで、固定状態とは、ほつれ止め装置Hをミシンベッド部Bに組付ける時に前記止めネジ部材107の締め付けにより所定の位置に固定され、組付け後は、位置調整等も行わず所定の組み付け位置に固定される状態を指す。
前記連結ロッド35の一端(右端)部は、ストッパ機構におけるストッパ部材14にピンネジ108により回動可能に連結されている。この連結ロッド35の一端とストッパ部材14とのピンネジ108による連結部に対応する箇所のシリンダ取付台部11Rには、糸操作シリンダ32の伸縮に伴って左右方向に直線的に往復移動するストッパ部材14の直線的な往復移動を許容するように、左右方向に沿って長いスリット109が形成されている。
また、前記連結ロッド35の他端で前記糸掛けフック3に連なる延設部3cとの連結端部分35aは、前記延設部3cの略厚み分だけ下方に屈曲されている。この下方に屈曲された連結ロッド35の連結端部分35aには、上方へ向けてピン110が突出されている一方、前記延設部3cには、前記ピン110の上方から該ピン110に差し込み可能及び上方へ抜き出し可能な連結孔111が形成されている。
これによって、左側針板台部11Lをミシンベッド部Bに対して固定解除してミシンベッド部Bから取り外す際、連結ロッド35と延設部3cとを固定連結する、例えば止めネジ等を弛緩操作して両者の連動状態を解除するといった作業を行う必要がなく、左側針板台部11Lを上方へ持ち上げるだけで、延設部3cの連結孔111をピン110から上方へ抜き出して連結ロッド35と延設部3c(糸掛けフック3)との連動状態を解除することが可能である。また、左側針板台部11Lをミシンベッド部Bに取り付ける際も、左側針板台部11Lを上方からミシンベッド部Bに向けて移動させるだけで、連結孔111を上方からピン110に差し込んで連結ロッド35と延設部3c(糸掛けフック3)とを連動状態に復帰することが可能である。なお、連結ロッド35の連結端部分35aは、必ずしも下方に屈曲する必要がない。つまり、連結ロッド35は、その全長にわたって偏平な板状のものであってもよい。
更に、前記ストッパ機構における揺動レバー9を上下方向の支軸90を中心として揺動可能に支持する揺動レバー取付台92は、シリンダ取付台部11Rに、左右方向の長いスリット93と止めネジ94とを介して左右に位置調節可能に取り付けられている。これは、シリンダ取付台部11Rをミシンベッド部Bに止めネジ部材107を介して固定状態に組み付けられた後においても、揺動レバー取付台92をシリンダ取付台部11Rに対して左右に位置調節することにより、糸掛けフック3に保持された針糸ループ20a2,20b2からルーパ1が抜け出すタイミングを任意に調整することを可能とし、これによって、縫目のほつれ止めのための自糸ルーピングを確実に行わせることができるように構成されている。
以上に説明したように、本実施の形態に係る横筒形二重環縫いミシンにおいては、針板台11を、左側針板台部11Lと右側針板台部11Rとに二分割した構成を採用しており、これによって、縫目のほつれ止め装置Hをミシンベッド部Bに組み付けるに際して、左右で二分割された針板台11の左側針板台部11L及び右側のシリンダ取付台部11Rを個々別々にミシンベッド部Bに取り付けることが可能となる。そのため、左右両側針板台部11L、11Rが一体化されて左右に長くて大きい一つの針板台を取り扱う場合に比べて、ほつれ止め装置H全体のミシンベッド部Bに対する取り付け(組み付け)作業を少ない労力で楽に行うことができるように構成されている。
また、針板台11(左側針板台部11L及び右側のシリンダ取付台部11R)をミシンベッド部Bに一旦、組み付けた後に、例えば、ルーパ1やそれの作動用部材など針板台11の下部でミシンベッド部Bの内部に収容されている縫いを構成する部材の位置や運動軌跡を修正して縫い調子を調整することが必要になった場合、あるいは、針板台11の下部でミシンベッド部Bの内部に収容されている各種部品の補修や交換等のメンテナンスが必要になった場合、エアチューブ33及び43が接続されている糸操作シリンダ32及びストッパシリンダ43を組付け時に所定位置に強く固定支持しているシリンダ取付台部11Rは、ミシンベッド部Bから取り外す必要がなく、左側針板台部11Lのみをミシンベッド部Bから固定解除して取り外すだけで十分に広い作業スペースを確保して縫い調子の調整やメンテナンスを容易に行うことが可能である。
次に、本実施の形態に係る横筒形二重環縫いミシンが備えている糸切り機構5について説明する。この糸切り機構5は、図10乃至図12に示すように、該糸切り装置5が往復駆動移動機構70を介して前記針板12及びルーパ1に対して近接した前記進出位置P1と該進出位置P1よりも右後方の退避位置P2との間に亘って往復駆動移動可能に構成されている。そして、糸切り装置5は、所定の縫製動作終了後、つまり、縫い終わり時に前記縫製生地Wの裏面側に突出する左右の針糸部20a1,20b1及びルーパ糸部10aを切断する糸切断用の可動メス50と、前記進出位置P1において前記左右の針2a,2bのうち右針2bの上下往複運動経路内に入らない範囲で針落ち位置に接近する位置に刃部51eが配置される固定メス51と、前記可動メス50の下部に配置されて切断されたルーパ糸10の端部を前記可動メス50との間に弾性的に挟み保持する板バネ製のルーパ糸挟み部材52と、該ルーパ糸挟み部材52の挟み保持力調整用の糸挟み補助バネ53と、を有している。
前記可動メス50は、図10及び図12に示すように、左右方向に長い帯状板材から構成され、この長い帯状板材からなる可動メス50の先端寄り位置には、該可動メス50が前記針落ち位置の他側(左側)寄り外部位置から一側(右側)寄り外部位置に向けて復行駆動移動される時に、前記針板12上の縫製生地Wの裏面側に突出する右左の針糸部20b1、20a1を引掛けて捕捉する針糸捕捉部50bが形成されていると共に、前記可動メス50の先端部には、該可動メス50が前記針落ち位置の他側(左側)寄り外部位置から一側(右側)寄り外部位置に向けて復行駆動移動される時に、前記針板12上の縫製生地Wの裏面側に突出するルーパ糸部10aを引掛けて捕捉するルーパ糸捕捉部50aが形成されている。そして、可動メス50の復行駆動移動時に前記針糸捕捉部50bで捕捉された針糸部20b1、20a1及び前記ルーパ糸捕捉部50aで捕捉されたルーパ糸部10aを前記針落ち位置の一側(右側)寄り外部位置よりも他側(右側)寄り位置にまで移動させて前記各捕捉部50b、50aと前記固定刃51の刃縁部51eとの摺接により切断するように構成されている。
前記糸切り装置5を、前記進出位置P1と前記退避位置P2との間に亘って往復駆動移動させると共に、糸切り装置5が前記進出位置P1に移動された状態において前記可動メス50のみを針落ち位置の一側(右側)寄り外部位置と他側(左側)寄り外部位置との間に亘ってx−y方向に直線的に往復駆動移動させる往復駆動移動機構70は、図10、図11(A),(B)及び図12(A),(B)に示すように構成されている。 即ち、前記可動メス50は、その右端部下面を、ネジ123を介して可動メス台124に固定されている。この可動メス台124の長手方向(左右方向)の略中央部にはU字状の切欠部125が形成されていると共に、この切欠部125を挟んだ左右位置には可動メス台124の長手方向に沿って長い左右一対のスリット126a,126bが形成されている。
前記固定メス51は、前記可動メス50の上面に配置されており、該固定メス51の右端部下面には、メス台ガイド127及び前記ルーパ糸挟み部材52の右端部が重合配置されている。これら固定メス51、メス台ガイド127及びルーパ糸挟み部材52がネジ128を介して固定メス台129の左端部に固定されている。前記可動メス台124は、前記固定メス台129の裏面(下面)に挿通される頭付きボルト148と左右一対のリンク140a,140bの一端部にその上面側から挿入されるツバ付き円柱状ナット131a,131bとにより、前記ツバ付き円柱状ナット131a,131bが前記左右一対のリンク140a,140bの一端部の回動を許容する状態で、かつ、前記可動メス台124における左右一対のスリット126a,126bの長さ範囲内で摺動移動可能な状態に挟持されている。
前記左右一対のリンク140a,140bの他端部は、その上面側から挿入されて左右一対のリンク140a,140bの他端部内での回動を許容するツバ付きスリーブ141a,141bを皿ネジ142a,142bを介して装置取付台130にネジ止めされている。これによって、前記可動メス台124及び固定メス台129は、左右一対のリンク140a,140bの揺動運動に伴い、左右方向に往復移動可能な状態で装置取付台130に支持されている。
なお、ツバ付きスリーブ141a,141bのうち、右側のツバ付きスリーブ141bは、右側のリンク140bの両端穴のピッチを変更することで、左側のリンク140aのツバ付きスリーブ141aを支点として糸切り装置5の前記進出位置P1における可動メス50の針落ち位置及びルーパ1に対する生地送り方向での進出移動起点の位置を微調整可能とするべくエキセンカム状に形成されている。
前記固定メス台129には、左右一対のリンク140a,140bのうち左側のリンク140aの下方位置において前記装置取付台130にネジ止めされたストッパ部材133に当接する当たり部材134が形成されている。
また、前記固定メス台129の長手方向中央部の後部には、前記可動メス台124の左端より少し右寄り位置から後方に突出された突起135に当接離間する係合突起136が形成されている。この係合突起136が前記突起135に当接することにより、可動メス台124が単独でそれ以上右方向へ移動できないように構成されている。更に、前記可動メス台124は、前記装置取付台130にネジ止めされ、かつ、一端部が前記当たり部材134の右端面に弾接されたバネ137を介して常に左方向へ移動するように弾性的に付勢されている。
前記装置取付台130には、前記固定メス台129が左右方向に摺動自在に嵌入する溝146が形成されており、周囲に配置した複数個のネジ147を介してミシンベッド部Bに固定されている。また、装置取付台130には、糸切り用エアシリンダ48のピストン148の先端部に段付きネジ143を介して枢支連結されて、装置取付台130に軸144を中心として矢印a−b方向に駆動揺動可能な駆動レバー145が取り付けられている。この駆動レバー145の先端の先細円形部145aが前記可動メス台124の略中央部に形成のU字状の切欠部125に係合されている。
上記のように構成された往復駆動移動機構70によれば、図11(A),(B)に示すように、糸切り用エアシリンダ48のピストン148の伸長により駆動レバー145がb方向に駆動揺動されている時、糸切り装置5はバネ137の弾性付勢力に抗して右方に移動して係合突起136と突起135とが当接した状態となるとともに、左右一対のリンク140a,140bの円柱状ナット131a,131bは左右一対のスリット126a,126b内の最も左側に寄った状態に移動し、固定メス台129の当たり部材134の左端面はストッパ部材133から離間している。この状態において、糸切り装置5は退避位置P2にあり、ルーパ1の移動を妨げないような傾斜姿勢で待機している。
そして、図12(A),(B)に示すように、前記ピストン148の収縮により駆動レバー145がa方向に駆動揺動されると、固定メス台129の当たり部材134がバネ137の弾性付勢力により左方に移動する。これに伴って、前記係合突起136と突起135とが当接したまま糸切り装置5が左右一対のリンク140a,140bの揺動により前記傾斜姿勢の傾斜角度を減じながら、固定メス台129の当たり部材134の左端面がストッパ部材133に当接するまで左方へ移動する。これによって、糸切り装置5が進出位置P1にまで移動し、縫い進行方向に対して略直交した姿勢となる。
この状態からピストン148が更に収縮して前記駆動レバー145がa方向に駆動揺動されると、固定メス台129を前記進出位置P1に残したまま、可動メス台124が針板Pの針落ち位置を通過して左方向(x方向)に移動する。すなわち、可動メス台124に固定された可動メス50のみが針板12とルーパ1との間を左進(往行移動)する。このとき、前記可動メス台124及び固定メス台129は、左右一対のリンク140a,140bの揺動運動に伴い、左右方向に往復移動可能な状態で装置取付台130に支持されているので、可動メス50は左右一対のリンク140a,140bにより直線的に移動されるように制御される。
次いで、ピストン148が伸長されることにより、前記駆動レバー145がb方向に駆動揺動される。これに伴って、可動メス50が最も左進した位置より右方向(y方向)に移動して前記進出位置P1で待機中の固定メス51の下部にまで右退(復行移動)する。この状態から更にピストン148が収縮することにより、糸切り装置5は、図11(A),(B)に示す退避位置P2に後退移動される。
以上に説明した構成及び装置の他に、本実施の形態の二重環縫いミシンは、ルーパ糸引戻し力付与装置84を備えている。
ルーパ糸引戻し力付与装置84は、図1及び図2に示すように、前記糸切り装置5の往復駆動移動機構70の上部のミシンベッド部Bの内部に配置されている。該ルーパ糸引戻し力付与装置84は、糸調子皿等のルーパ糸供給源装置(これは周知のため、図示及び具体的な構成の説明は省略する。)と前記ルーパ1との間に亘ってかけ渡し位置するルーパ糸部分10aを略直線状に操出し移動案内するために固定設置されている複数個のルーパ糸案内具150と、前記ルーパ糸供給源装置に近い位置を支点軸151として水平又は略水平面内を前記ルーパ糸案内具150に対向する位置と前方側方位置とに亘り往復揺動可能な揺動アーム152と、該揺動アーム152を前記二位置間に亘って往復揺動駆動させるアクチュエータ153と、を備え、前記揺動アーム152の先端部には、前記複数個のルーパ糸案内具150で、互いに近い距離を隔てて対向位置する2つのルーパ糸案内具150a,150b間のルーパ糸部分10aのうち前記ルーパ糸供給源装置に近いルーパ糸案内具150a寄りのルーパ糸部分10aを引掛けるルーパ糸引掛け部154が取り付けられている。
前記アクチュエータ153は、図14に示すように、前記揺動アーム152を前記ルーパ糸引掛け部154が前記ルーパ糸案内具150aに対向する位置から前記前方側方位置へ往行揺動付勢するスプリング153aと、図13に示すように、前記揺動アーム152から略直角に一体延出されたアーム部152aに作用することで該揺動アーム152を前記ルーパ糸引掛け部154が前記前方側方位置から前記ルーパ糸案内具150aに対向する位置へ復行揺動駆動させる単動式の伸縮流体圧(空気圧)シリンダ153bと、の組合せから構成されている。
上記のように構成されたルーパ糸引戻し力付与装置84は、上述した自糸ルーピング後の前記ルーパ1の進出動作時に図13の状態から図14の状態になるように作動される。これによって、ルーパ糸部分10aが平面視で略直角三角形の一方の直線辺と斜辺とを形成するように前方側方に屈曲されて、ルーパ糸供給源装置から前記ルーパ1に供給されるルーパ糸部分10aに前記ルーパ糸供給源装置側への引戻し力が付与される。その結果、通常縫製の終了後にルーパ糸10をルーパ糸保持体6により前記針の下降位置よりも前側に位置保持させるといった自糸ルーピングによるほつれ止め効果を得るための必要不可欠な動作によって発生することがあるルーパ糸10の弛みを取り除くことができる。
なお、前記ルーパ糸引戻し力付与装置84におけるアクチュエータ153のうち、ルーパ糸部分10aに引戻し力を付与するスプリング153aとしては、ルーパ糸部分10aに過剰に強い引戻し力を付与した場合、縫い皺などを生じる可能性があるため、縫い皺などが発生しない程度の適正な引戻し力を付与できるような弾性付勢力に設定されていることが望ましい。
図15は、上述したような縫目のほつれ止め装置H及び糸切り装置5を含めて本実施の形態に係る横筒形二重環縫いミシンの制御系の構成を示すブロック図である。
二重環縫いミシンの制御部8には、ペダルスイッチ21による踏み込み信号21a及び踏み返し信号21bと、針2a,2bが上死点近傍にあるときに発信される針位置信号22と、糸切り信号23及び針糸払い信号24とがそれぞれ入力される。
一方、制御部8からは、糸操作シリンダ32、ストッパシリンダ42及び糸切り用エアシリンダ48のそれぞれに動作制御信号が出力される。糸掛けフック3及びルーパ糸保持体6は、制御部8から糸操作シリンダ32及びストッパシリンダ42に出力される動作制御信号に従って前述の如く動作し、糸切り用エアシリンダ48は、制御部8から出力される糸切り信号23に従ってそれぞれ伸縮動作する。
更に、制御部8からは、伝動回転軸の駆動源であるミシンモータ80、布押えを昇降する布押えシリンダ81、後述するように切断された針糸20a,20bを跳ね上げるエアワイパ82、縫製生地の送り量を調整する送り低減機構83、及びルーパ糸引戻し力付与装置84にもそれぞれ動作制御信号が出力される。
送り低減機構83は、送り機構における送り歯の動作態様を変えること、例えば、送り歯の動作経路を針板12に対して傾けて針板P上への突出時間を短くすることにより、針板12上の縫製生地に送り歯が作用する時間を短くする、あるいは、送り歯を循環作動させるレバーの長さを変更することにより、送り歯による単位送りピッチを小さくするなどして縫製生地の送り量を低減するものであって、このような送り低減機構83は、公知であるため、詳細の図示及び説明は省略する。
制御部8は、二重環縫いの縫目を形成する縫製終了後に、糸掛けフック3を、ミシンモータ80、布押えシリンダ81、エアワイパ82、送り低減機構83及びルーパ糸引戻し力付与装置84と関連して動作させることにより、二重環縫いの縫目のほつれ止め動作及び糸切り動作を実行する。
図16は、ほつれ止めのための制御部8の動作内容を時系列的に示すタイムチャートである。制御部8は、CPU、ROM及びRAMを備えるコンピュータであり、図16のタイムチャートに従うほつれ止め動作及び糸切り動作は、ROMに格納されている制御プログラムに基づくCPUの一連の動作により実行される。
図17〜図22は、本実施の形態に係る横筒形二重環縫いミシンにおけるほつれ止め装置Hによるほつれ止め動作の説明図であり、図16のタイムチャートに従う制御部8の動作によって生じる糸掛けフック3及びルーパ糸保持体6の動作状態を示している。
ミシンを使用する縫製作業者は、通常の縫製を終了する際、ミシン駆動のためのペダルの踏み込み操作を止め、その後にほつれ止め動作を実行することになるが、この場合、前記ペダルを踏み返し操作する。ペダルスイッチ21は、ペダルに付設してあり、踏み込み操作中は踏み込み信号21aを出力し、踏み返し操作されたときは踏み返し信号21bを出力する。
制御部8は、通常の縫製が終了し、図16のS1の時点において、ミシン駆動のためのペダルが踏み込み状態から中立状態に戻されたとき、つまり、ペダルスイッチ21から踏み込み信号21a及び踏み返し信号21bのいずれも出力されない状態になったとき、入力側に与えられる針位置信号22を参照してミシンモータ80に停止指令を出力する。これにより、ミシンは、針2a,2bが上死点近傍にあって、ルーパ1が左進した状態で一時停止する。
その後、制御部8は、前記ペダルが踏み返し操作されるまで待機する。図16のS2の時点において踏み返し操作され、入力側に踏み返し信号21bが入力された場合、制御部8は、まず、S3の時点において、送り低減機構83に動作開始指令を与えて送り歯による単位送りピッチを小さくするなど縫製生地の送り量を通常縫製時の送り量よりも小さく(低減)し、その後、以下に述べるほつれ止め動作を開始する。なお、前記送り低減機構83における送り歯による縫製生地の小さい送り量の送りの開始時期(S3)は、糸掛けフック3により針糸ループ20a2,20b2を針2a,2bの下降位置よりもルーパ1の進出端側に位置させる前の1針前に設定されている。
なお、制御部8は、ペダルスイッチ21から踏み込み信号21aが再入力された場合、通常の縫製動作に復帰するので、縫製作業者は、ペダルを再度踏み込み操作することによって、通常の縫製を継続することができる。また、図15において、S1の時点からS2の時点までの間は中立状態が維持されることになっているが、このような中立状態の維持は必ずしも必要でなく、通常の縫製終了時のペダルの操作は、踏み込み状態から踏み返し状態に連続的に移行されるものでもよい。この場合は、移行の過程で中立位置を通過する際、踏み込み信号21a及び踏み返し信号21bのいずれも出力されない無信号状態となり、制御部8は、この無信号状態をトリガーとして、前述のように、針2a,2bが上死点近傍に上昇し、ルーパ1が左進した状態を実現した後にほつれ止め動作を開始する。
また、図16のタイムチャートでは、S2の時点におけるペダルの踏み返し操作が、以下に説明するほつれ止め動作の実行中に継続されることになっているが、このような踏み返し操作をほつれ止め動作が終了するまでの間、継続する必要はなく、踏み返し信号21bの入力停止後もほつれ止め動作は、制御部8の働きにより継続して実行される。
図17は、ほつれ止め動作の開始時における針2a,2b、ルーパ1、糸掛けフック3及びルーパ糸保持体6の状態を示している。針2a,2bは、2本の針糸20a,20bと1本のルーパ糸10とにより二重環縫いの縫目Mが形成された縫製生地の上方へ抜け出した状態にある。ルーパ1は、縫製生地の下側で左進し、針2a,2bが形成する針糸ループ20a2,20b2を捉えた状態にある。この状態で、針糸20a,20b及びルーパ糸10を切断すると、図24に示すように、ほつれが生じやすい一般的な縫い終わり部が形成される。
ほつれ止め動作の開始後、制御部8は、まず、図16のS2の時点において、出力側の糸操作シリンダ32に動作指令を与える。これによって、糸操作シリンダ32は、図6に示す伸張状態から図7に示す収縮状態に動作してストッパ部材14が右方向に駆動移動され、これに伴い糸掛けフック3は、ストッパ部材14及び連結ロッド35を介して支軸30を中心として揺動し待機位置から糸掛け位置に移動する。このとき、糸掛けフック3の先端のフック部3bが一方の針糸ループ20a1を引掛けるとともに、ストッパ機構における揺動レバー9がスプリング96の付勢力により支軸90を中心して時計方向に揺動し、その先端の係合爪9aがストッパ部材14の一部に係合可能な状態となる。
その直後、制御部8は、糸操作シリンダ32に動作指令を与えて、該糸操作シリンダ32は、図7に示す状態から図8に示す状態にまで少し伸張し、ストッパ部材14が直線的に左方へ駆動移動される。この糸操作シリンダ32の少量伸張時において、揺動レバー9の先端の係合爪9aがストッパ部材14の一部に係合する。これによって、ストッパ部材14の左方向への駆動移動が一時的にストップされる。このようにストッパ部材14の左方向への駆動移動が一時的にストップされた状態において、図18に示すように、前記糸掛けフック3は、連結ロッド35を介して前記待機位置と糸掛け位置との間の保持位置に移動して停止し、先端のフック部3bが針糸ループ20a2を前記保持位置に保持するとともに、図19に示すように、ルーパ糸保持体6は、ルーパ1の前側に進出して先端のルーパ糸受け部6aが左側の針落ち位置Aの前方でルーパ糸10を保持する。これによって、ルーパ糸保持体6が前記待機位置に戻ったときに、該ルーパ糸保持体6から外れたルーパ糸10に弛みが生じる場合がある。
糸掛けフック3及びルーパ糸保持体6は、図20に示すように、針糸20a,20b及びルーパ糸10の保持を、縫製生地の送り移動が完了し、針2a,2bが糸掛けフック3の保持する針糸ループ20a2を通り、該針糸ループ20a2を捉えるまで継続する。このとき、ルーパ糸保持体6が保持するルーパ糸10は、図20に示すように左側の針2aの前側を横切るように位置している。従って、左側の針2aは、ルーパ糸10を捕捉することがなく、該ルーパ糸10は右側の針2bによりルーパ1の後側で捕捉されるのみである。
以上の如く糸掛けフック3及びルーパ糸保持体6を前記各位置で移動停止させた後、制御部8は、図16のS3の時点において、ミシンモータ80に動作指令を与える。この動作指令は、針位置信号22を参照して、針2a,2bが下降した後に再度上死点近傍位置に上昇するまでの間与えられる。これによって、縫製生地に対する1針分の縫製動作が行われる。この1針分の縫製は、送り低減機構83の動作により、通常の縫製時よりも小さい送り量の下で実行される。
次に、制御部8は、図16のS4の時点で、ストッパ機構のストッパシリンダ42に動作指令を与えて、該ストッパシリンダ42を伸長させ、それに伴い出力ロッド41が左方向へ押出し駆動される。これにより、図9に示すように、前記揺動レバー9が前記スプリング96の揺動付勢力に抗して反時計方向に揺動されて、該揺動レバー9の先端の係合爪9aがストッパ部材14の一部から係合解除され、ストッパ部材14の一時的なストップが解除される。このようなストッパ部材14に対するストップ解除により、糸操作シリンダ32がS4の時点において最大限に伸張される。これによって、糸掛けフック3及びルーパ糸保持体6は、図20に示すように、ストッパ部材14及び連結ロッド35を介して支軸30を中心として揺動し前記保持位置から待機位置に復帰移動される。
また、制御部8は、前記ストッパシリンダ42を伸長させ、かつ、前記糸操作シリンダ32を最大限伸長させる図16のS4の時点で、ルーパ糸引戻し力付与装置84を動作させる。これによって、ルーパ糸保持体6から解放されたルーパ糸10にルーパ糸供給源装置側への引戻し力が付与されてルーパ糸10に生じている弛みが取り除かれる。具体的には、ルーパ糸引戻し力付与装置84におけるアクチュエータ153の一方である伸縮流体圧シリンダ153bが収縮し、アクチュエータ153のもう一方であるスプリング153aの付勢力によって、前記揺動アーム152が支点軸151周りにおいて、図14に示すように、アーム先端の前記ルーパ糸引掛け部154が前記ルーパ糸案内具150aに対向する位置から前記前方側方位置へ往行揺動する。これにより、ルーパ糸部分10aが平面視で略直角三角形の一方の直線辺と斜辺とを形成するように前方側方に屈曲されて前記ルーパ1に供給されるルーパ糸部分10aに前記ルーパ糸供給源装置側への引戻し力が付与される。その結果、通常縫製の終了後にルーパ糸10をルーパ糸保持体6により前記針の下降位置よりも前側に位置保持させるといった自糸ルーピングによるほつれ止め効果を得るための必要不可欠な動作によって発生するルーパ糸10の弛みが取り除かれる。
そして、ルーパ1は、針2a,2bの下降と共に右退動作し、捕捉した針糸ループ20a2から抜け出す。このルーパ1の抜け出しにより、図21に示すように、右側の針2bは、通常の縫製時と同様にルーパ糸10を捕捉した状態となる一方、左側の針2aは、左側の針糸ループ20a2を捕捉した状態となる。
この状態において、ルーパ1は、左進に転換し、針2a,2bは、上昇に転換する。図22に示すように、左進するルーパ1は、針糸ループ20a2、20b2を捉え、上昇する針2a,2bは、縫製生地の上方へ抜け出す。これにより、ルーパ1が捉えた針糸20aは、先に捕捉した針糸ループ20a2を針糸20aでルーピングする、いわゆる、自糸ルーピングすることになる。
1針分の縫製動作後は、針2a,2bが上死点近傍まで上昇し、ルーパ1が左進端近傍に達した状態で終了する。その後、図16のS5の時点において、制御部8に糸切り信号23が入力されると、糸切り装置5の糸切り用エアシリンダ48に動作指令が与えられて該糸切り用エアシリンダ48が所定の動作を行う。これにより、往復駆動移動機構70を介して糸切り装置5は、図12に示すように、針落ち位置A,Aの一側寄り外部位置である前記進出位置P1まで移動される。その後、糸切り動作が行われる、この糸切り動作を、図23に基づいて、以下に詳しく説明する。
まず、図23(a)に示すように、縫い終わり時に糸切り装置5が針落ち位置の一側寄り外部位置である前記進出位置P1にまで移動された後、図23(b)に示すように、可動メス50のみが前記進出位置P1から針落ち位置の他側寄り外部位置に向けて矢印x方向に往行駆動移動される。この往行駆動移動により、図23(c)に示すように、可動メス50先端側のルーパ糸捕捉部50aがルーパ1の先端近くと縫製生地Wの裏面側との間に掛け渡されているルーパ糸10を越えた直後に可動メス50の移動方向が反転されて前記ルーパ糸捕捉部50aに縫製生地Wの裏面側に突出するルーパ糸部10aが引掛けられ捕捉される。
続いて、図23(d)に示すように、可動メス50が前記針落ち位置の他側寄り外部位置から前記進出位置P1に向けて矢印y方向に復行駆動移動され、この復行駆動移動時に針糸捕捉部50bに縫製生地Wの裏面側に突出する左右の針糸部20a1,20b1が引掛けられて捕捉される。そして、可動メス50が更に矢印y方向に復行駆動移動されることによって、図23(e)に示すように、前記針糸捕捉部50bに捕捉された針糸部20a1、20b1及びルーパ糸捕捉部50bに捕捉されたルーパ糸部10aが、各捕捉部50a,50bと固定メス51との摺接により切断される。
その後、図23(f)に示すように、針2a,2bは針板12の上方へ移動すると共に、ルーパ1に保持されているルーパ糸10の端部が可動メス50とルーパ糸挟み部材52との間に弾性的に挟み保持される。
ルーパ糸引戻し力付与装置84は、上記したような糸切り動作が終えるまで動作を継続して、ルーパ1の先端から縫製生地に延びるルーパ糸10に所定の引戻し力を付与し続ける。これにより、図22及び図24に示すように、1針分の縫製動作後、針2a,2bが上死点近傍まで上昇することに伴いルーパ1の後側(図24では手前側)に位置する針糸20a,20bが矢印dのように下方に移動したとしても、ルーパ糸10には弛みがないために、該ルーパ糸10が針糸20a,20bに摺接してルーパ1の下方へ巻き込まれることがない。
そのため、次に糸切り装置5が作動されて図23(b),(c)に示すように、可動メス50が前記ルーパ1に対して近接した左前方への進出位置から針落ち位置の他側(左側)寄り外部位置に向けて矢印x方向に往行駆動移動されたとき、図25に明示するように、可動メス50先端側のルーパ糸捕捉部50aはルーパ1の先端近くと縫製生地Wの裏面側との間に掛け渡されているルーパ糸10を確実に引掛けることができるとともに、可動メス50の針糸捕捉部50bは針糸20a,20bを確実に引掛けて固定メス51との摺接により確実に切断することが可能であり、切断されたルーパ糸10の端部は可動メス50とルーパ糸挟み部材52との間に確実に挟み保持される。
したがって、自糸ルーピング後におけるルーパ糸10の弛みに起因する切断不良及び切断後のルーパ糸保持の不具合の発生をなくすることができ、次の縫製を所定通り確実に、且つ、見栄えよく行うことができる。
以上の糸切断動作が終了した後、糸切り装置5は、往復駆動移動機構70を介して、図11(A),(B)に示すような退避位置P2に移動されルーパ1の移動を妨げないような傾斜姿勢で次の縫製を待機することになる。一方、制御部8は、針糸払い信号24が入力されるまで待機し、図16のS6の時点において針糸払い信号24が入力されると、エアワイパ82に動作指令を出力して該エアワイパ82を動作させる。このエアワイパ82は、空気を吹き出し、針2a,2bに連続している針糸20a,20bの切断端部を跳ね上げる。その後、制御部8は、図16のS7の時点において布押えシリンダ81に動作指令を出力して該布押えシリンダ81を動作させて、押え金を針板12の上面から上昇させることにより、自糸ルーピングによるほつれ止めが行われた縫製生地Wを取り出して次の縫製に備える。
上記したほつれ止めのための1針分の縫製動作おいて、図26に示すように、ルーパ糸10は、縫目Mの最後に縫製生地Wの裏面に形成される右側の針糸ループ20b2内を通り、ほつれ止めの1針分の縫製動作の際に縫製生地Wの裏面に抜け出す右側の針糸20bの前で折り返し、右側の最終の針糸ループ20b2を再度通って引き出されて切断される。
一方、ほつれ止めのための1針分の縫製動作の際に縫製生地Wの裏面に抜け出す左側の針糸部20a1は、通常の縫製時の最後に続けて縫製生地Wの裏面に形成される最終の針糸ループ20a2内を通り、該最終の針糸ループ20a2を自糸ルーピングして、単環縫いの縫目Mを形成する。従って、ルーパ糸10は、針糸20aと最終の針糸ループ20b2とにより強固に押えられ、図26に示すように、左側の最終の針糸ループ20b2と一回前に形成された針糸ループ20cとの間に掛け渡された状態に拘束される。この拘束は、ルーパ糸部10aにいかなる方向の力が加わっても維持されるので、二重環縫いの縫目Mに特有のほつれの発生が防止される。
また、ほつれ止めのための1針分の縫製動作において、前記送り低減機構83における送り歯による縫製生地の送り量が通常の縫製時の送り量よりも小さくすることにより、自糸ルーピング前の他糸ルーピングによる縫目のピッチを、それより前の他糸ルーピングによる縫目のピッチよりも小さくすることが可能である。これにより、左側の針糸20aと左側の最終針糸ループ20a2との間のルーパ糸部10aの押えが強化されて抜け止め抵抗が大きくなる。従って、図26に示す状態となった場合、二重環縫いの縫目Mのほつれは、自糸ルーピング部と、自糸ルーピング前の他糸ルーピングによる縫目のピッチが小さくなることに伴うルーパ糸10の抜け止め抵抗の増大との相乗作用により確実に防止することができる。
なお、上記実施の形態においては、前記ルーパ糸保持体6を、針糸保持機構における前記糸掛けフック3と一体的にルーパ1に対して接近及び離反動作可能に構成したものについて説明したが、ルーパ糸保持体6を前記針糸保持機構における糸掛けフック3とは別個にルーパ1に対して接近及び離反動作可能に構成してもよい。
また、上記実施の形態においては、前記ルーパ糸保持体6を、ルーパ1の前側に進出して先端のルーパ糸受け部6aが針落ち位置A,Aの前方でルーパ糸10を保持するように構成したものについて説明したが、ルーパ1の後側に進出して先端のルーパ糸受け部6aが針落ち位置A,Aの後部でルーパ糸10を保持するように構成してもよい。
更に、上記実施の形態においては、ほつれ止め装置Hを装着する針板台11が、左側針板台部11Lと右側針板台部11Rとに二分割された構成を採用し、これによって、ほつれ止め装置Hのミシンベッド部Bに対する組み付け作業性やメンテナンスの容易性の向上が図れるようにしたものについて説明したが、ほつれ止め装置Hにおける針板台11としては、先行技術にも示しているように、左右に長い一体物に構成されたものであってもよい。
更にまた、上記各実施の形態では、2本針の横筒形二重環縫いミシンを適用対象としたが、1本針の横筒形二重環縫いミシンや平ベッドタイプの二重環縫いミシンに適用してもよい。
1 ルーパ
2a,2b 針
3 糸掛けフック
4 ストッパ部材
6 ルーパ糸保持体
8 制御部
10 ルーパ糸
10a ルーパ糸部分
12 針板
20a,20b 針糸
20a1,20b1 針糸部
20a2,20b2 針糸ループ
84 ルーパ糸引戻し装置
150,150a,150b ルーパ糸案内具
151 支点軸
152 揺動アーム
153 アクチュエータ
153a スプリング
153b 伸縮流体圧シリンダ
154 ルーパ糸引掛け部
A 針落ち位置
B ミシンベッド部
M 二重環縫いの縫目
H ほつれ止め装置
W 縫製生地

Claims (6)

  1. 針糸を保持して上下動する針と、ルーパ糸を保持して前記針の上下動経路に略直交する方向に進退動作可能で、進出動作時に前記針が針板下に形成する針糸ループを捉えるルーパとを備え、前記ルーパの進出動作により捉えた前記針糸ループを該ルーパが保持するルーパ糸で他糸ルーピングすることにより縫製生地に二重環縫いの縫目を形成する二重環縫いミシンであって、
    前記ルーパに対して接近及び離反動作可能で、接近動作時に前記ルーパが捉えた針糸ループを前記針の下降位置よりも前記ルーパの進出端側で保持する針糸保持機構と、
    前記ルーパに対して接近及び離反動作可能で、接近動作時に前記ルーパから縫製生地に延びるルーパ糸を前記針の下降位置よりも前側又は後側で保持するルーパ糸保持機構と、
    前記針糸保持機構及び前記ルーパ糸保持機構の接離動作を、前記針及びルーパの動作、並びに前記縫製生地の送り動作と関連して制御する制御部とを備え、
    該制御部は、前記ルーパを進出位置とし、前記針を上昇位置として通常縫製を終了した後に、前記針糸保持機構及び前記ルーパ糸保持機構を接近動作させて前記針糸ループを前記針の下降位置よりも前記ルーパの進出端側に、且つ、ルーパ糸を前記針の下降位置よりも前側又は後側に位置保持させ、この状態を、前記針が前記ルーパに捉えられた針糸ループを通って下降するまで維持し、その後、前記針糸ループの前記位置保持を解除して、前記針の下降及び上昇、前記ルーパの進退動作、及び前記縫製生地の送り動作と合わせて前記針が前記針糸ループを通って下降することを含む少なくとも1針分の縫製動作を実行することにより、前記針が保持する針糸によって前記ルーパが保持する針糸ループを自糸ルーピングして縫目のほつれを防止するように構成されている縫目のほつれ止め装置付き二重環縫いミシンにおいて、
    前記自糸ルーピング後の前記ルーパの進出動作時に、ルーパ糸供給源装置と前記ルーパとの間に亘ってかけ渡し位置するルーパ糸部分を引掛けて側方に移動することにより、前記ルーパ糸部分を屈曲させて前記ルーパに供給されるルーパ糸部分に前記ルーパ糸供給源装置側への引戻し力を付与するルーパ糸引戻し力付与装置が備えられていることを特徴とする縫目のほつれ止め装置付き二重環縫いミシン。
  2. 前記ルーパ糸供給源装置と前記ルーパとの間には、両者間に亘ってかけ渡し位置するルーパ糸部分を略直線状に移動案内する少なくとも2つのルーパ糸案内具が設けられており、前記ルーパ糸引戻し力付与装置は、前記ルーパ糸供給源装置に近い位置を支点軸にして水平又は略水平面を前記ルーパ糸案内具に対向する位置とルーパ糸部分を屈曲させる側方位置とに亘り往復揺動可能な揺動アームと、該揺動アームの先端部に取り付けられて前記2つのルーパ糸案内具のうち、前記ルーパ糸供給源装置側に近いルーパ糸案内具寄りのルーパ糸部分を引掛けるルーパ糸引掛け部と、前記揺動アームを前記二位置間に亘って往復揺動駆動させるアクチュエータと、から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の縫目のほつれ止め装置付き二重環縫いミシン。
  3. 前記ルーパ糸引戻し装置におけるアクチュエータは、前記揺動アームを前記ルーパ糸案内具に対向する位置から前記側方位置へ往行揺動付勢するスプリングと、このスプリングの付勢力に抗して前記揺動アームを前記側方位置から前記ルーパ糸案内具に対向する位置へ復行揺動駆動させる流体圧シリンダと、の組み合わせから構成されていることを特徴とする請求項2に記載の縫目のほつれ止め装置付き二重環縫いミシン。
  4. 前記制御部は、前記自糸ルーピングのための前記少なくとも1針分の縫製動作時における前記縫製生地の送りの停止、又は通常縫製時よりも小さい送り量の送り動作の下で実行するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の縫目のほつれ止め装置付き二重環縫いミシン。
  5. 前記ルーパ糸保持体は、前記ルーパに対して前記針糸保持機構と一体的に接近及び離反動作可能に構成されている請求項1に記載の縫目のほつれ止め装置付き二重環縫いミシン。
  6. 前記針糸保持機構は、前記ルーパから離れた待機位置と前記ルーパに接近した糸掛け位置との間に亘って上下方向の支軸を中心として針板と略平行な面内を揺動する糸掛けフック及び該糸掛けフックを前記待機位置と糸掛け位置とに駆動揺動させるフックアクチュエータを有すると共に、
    この針糸保持機構の糸掛けフックよりも前記針板から離れた位置に配置されて、前記糸掛けフックが前記糸掛け位置で捉えた針糸ループを、前記糸掛け位置と待機位置との間の保持位置で保持させるように、糸掛けフックの糸掛け位置から待機位置への揺動を一時的に停止及び停止解除可能なストッパ部材及び該ストッパ部材の前記停止及び停止解除を司るストッパアクチュエータを有するストッパ機構、並びに前記針糸保持機構の糸掛けフックと前記ストッパ機構のストッパ部材とを連動連結する連結部材を更に備えており、
    前記制御部は、前記フックアクチュエータ及びストッパアクチュエータを選択的に制御し、前記糸掛けフックが前記糸掛け位置で捉えた針糸ループを前記ストッパ部材との当接により前記糸掛け位置と前記待機位置との間で保持させるように構成されている請求項1乃至5のいずれか1項に記載の縫目のほつれ止め装置付き二重環縫いミシン。
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