JP2016209108A - シート部材および歯科用チェア - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シート部材30は、背もたれ部20と着座部12とを有し着座部12に対する背もたれ部20の傾斜角度を調整可能な歯科用チェア2に取り付け可能なシート部材30であって、歯科用チェア2の背もたれ部20に取り付けられ、患者が寄りかかる背面シート32と、背面シート32から突出し、患者が座るロール状座部31とを有する。
【選択図】図7
Description
このような問題に対し、特許文献1には、マット状シートを備える歯科用チェアが開示されている。そして、特許文献1の歯科用チェアでは、身長が低い子供等の患者に対して診療を行う際に、マット状シートを折り畳んでセットすることで背面シートの長さを短くし、患者の頭部がヘッドレストに届きやすくなるようにしている。
本発明は、患者の体型によらず、歯科用チェアにおいて背面部を倒した場合にヘッドレストから患者の頭部がずれることを抑制することを目的とする。
また、前記座部には、当該座部に座る患者が掴むための掴み部が設けられていることを特徴とすることができる。この場合、掴み部を設けない場合と比較して、患者が座部に安定して座ることが可能になる。
さらに、前記座部は、円筒形状を有することを特徴とすることができる。この場合、本構成を採用しない場合と比較して、患者の姿勢が座部により妨げられることが抑制される。
また、前記座部は、前記背面シートから突出した状態と、当該背面シートに収納された状態とに切り替え可能に構成されることを特徴とすることができる。この場合、歯科用チェアを、患者が大人である場合と子供である場合とで併用することが可能となる。
さらに、前記座部は、前記背面シートの傾斜角度が調整される場合に当該背面シートに連動して移動することを特徴とすることができる。この場合、背面シートを倒すのに伴うヘッドレストからの頭部のずれがより抑制される。
さらにまた、他の観点から捉えると、本発明が適用されるシート部材は、背面と座面とを有する歯科用チェアに取り付けられるシート部材であって、前記座面に座った患者が寄りかかる背面シートと、前記背面シートから突出した状態と、前記背面シートに収容された状態とに切り替えられ、当該背面シートから突出した状態では前記座面に代えて患者が座る部分を構成し、当該背面シートに収容された状態では当該座面に座った患者の姿勢を阻害しない座部とを備えるシート部材である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施の形態が適用される歯科用診療装置1の全体構成を示した斜視図である。
図1に示すように、本実施の形態が適用される歯科用診療装置1は、床面の上に、診療を受ける患者が座る歯科用チェア2を備えている。また、歯科用診療装置1には、歯科用チェア2の脇に、医師用トレーテーブル3が設けられるとともに、インスツルメントホルダ4が設けられている。さらに、歯科用診療装置1には、光源を備えたデンタルライト5とデンタルライト5を支持する支柱6が設けられている。さらにまた、本実施の形態の歯科用診療装置1では、歯科用チェア2の脇に、患者がうがいを行う際に用いるコップに対して水を供給する供給装置(スピットン装置)7が設けられている。
図1に示すように、本実施の形態の歯科用チェア2には、床面に置かれる基台部11が設けられている。また、歯科用チェア2には、基台部11上に設けられ診療を受ける患者が着座する座面または着座シートの一例としての着座部12、着座部12の後方に設けられ着座部12に着座した患者が寄りかかる背面の一例としての背もたれ部20が設けられている。さらに、歯科用チェア2には、着座部12の後方と背もたれ部20の下方とを接続し、医師等による操作に基づいて着座部12に対する背もたれ部20の角度を変更する接続部13が設けられている。さらにまた、歯科用チェア2には、着座部12の上方に設けられ着座部12に着座した患者が頭を載せるヘッドレスト14、着座部12の脇に設けられ着座部12に着座した患者が腕を載せるアームレスト15が設けられている。
なお、詳細については後述するが、例えば身長の小さい子供等の患者に対して診療を行う場合には、患者は、背もたれ部20に取り付けられたシート部材30の後述するロール状座部31に腰かけ、着座部12のクッション材121に足を載せた状態で座る。
ここで、シート部材30には、大人や身長の高い子供等の患者に対して診療を行う場合に、着座部12に座った患者が寄りかかるための通常のシート部材と、身長の低い子供等や腰の曲げ伸ばしが困難な老人等の患者に対して診療を行う場合に、患者が着座し且つ寄りかかるための子供用シート部材が存在する。ここで、図1には、シート部材30として子供用シート部材が背面部21に取り付けられた例を示している。
図2に示すように、背もたれ部20の背面部21には、シート部材30の後述する鉤状部331(図4(b)参照)が引っ掛けられる引っ掛け部211が設けられている。引っ掛け部211は、背面部21の上方側に2つ設けられている。
また、背面部21には、シート部材30の後述する係合部332(図4(b)参照)が係合される受け部212が設けられている。受け部212は、背面部21において引っ掛け部211の下方の左右両側にそれぞれ設けられている。
アームレスト15は、着座部12のうち一方の側面(この例では、着座部12に座った患者の左側)から上方に向かって延びるように設けられている。
また、背もたれ部20の形状や接続部13の移動動作等によっては、背もたれ部20を倒すのに伴って着座部12からヘッドレスト14までの距離が変動する場合がある。この場合、背もたれ部20を倒す前の状態でヘッドレスト14に患者の頭部が届いている場合であっても、背もたれ部20を倒すことで患者の頭部がヘッドレスト14からずれるおそれがある。
これに対し、本実施の形態の歯科用チェア2では、例えば身長(座高)が低い子供等の患者に対して診療を行う場合には、着座部12ではなくシート部材30の後述するロール状座部31に患者を座らせることで、上記課題を解決している。
図3、図4(a)〜(b)は、本実施の形態が適用されるシート部材30の構成を示した図である。図3は、シート部材30の斜視図であり、図4(a)は、シート部材30を図3におけるIVA側から見た図であり、図4(b)は、シート部材30を図3におけるIVB側から見た図である。
図3および図4(a)〜(b)に示すように、シート部材30は、患者が腰掛けるための座部の一例としてのロール状座部31と、ロール状座部31に腰かけた患者が寄りかかる背面シート32と、ロール状座部31および背面シート32を支持する支持板33とを備えている。
図5に示すように、ロール状座部31は、円柱状の芯材311と、芯材311の周囲に設けられ弾性を有するクッション材312とを備えている。また、ロール状座部31の両端には、芯材311の軸方向と直交する方向に突出し、支持板33に固定される固定部材313が設けられている。
本実施の形態のロール状座部31では、芯材311およびクッション材312は、固定部材313に対して回転しないように固定されている。
図4(b)に示すように、本実施の形態の支持板33には、背面シート32が支持される側とは反対側に突出し、背もたれ部20における背面部21(図1参照)の引っ掛け部211(図2参照)に引っ掛けられる鉤状部331が設けられている。鉤状部331は、支持板33における上方側に2つ設けられている。そして、それぞれの鉤状部331は、上方から下方に向かって曲がった形状を有している。
図6および上述した図3に示すように、シート部材30を背面部21に取り付けた状態では、ロール状座部31が、クッション材312から前方(着座部12が延びる側)に向かってから突出した状態となる。本実施の形態では、ロール状座部31の突出量D1は、およそ140mmとなっている。
これにより、ロール状座部31からヘッドレスト14までの距離が、着座部12からヘッドレスト14までの距離よりも短くなっている。本実施の形態では、ロール状座部31からヘッドレスト14までの距離D3は、ヘッドレスト14を一番下まで下げた状態で、およそ490mmとなっている。
上述したように、本実施の形態では、ロール状座部31からヘッドレスト14までの距離D3が、着座部12からヘッドレスト14までの距離と比較して短くなっている。このため、患者が身長の低い子供の場合であっても、ロール状座部31に腰をかけることでヘッドレスト14まで頭部が届くようになる。
また、図8(a)に示すように、例えば身長が130cm程度の患者の場合、ヘッドレスト14を所定の位置に上昇させることで、ロール状座部31に腰をかけた患者の頭部がヘッドレスト14の位置にくるようになっている。
ここで、上述したように、ロール状座部31は、背もたれ部20およびヘッドレスト14に連動して移動する。言い換えると、ロール状座部31からヘッドレスト14までの距離D3(図6参照)は、背もたれ部20を倒す動作によっても変わらないようになっている。
この結果、本実施の形態の歯科用チェア2では、背もたれ部20を倒した後、診療を始める前に、患者に頭部の位置を移動してもらう必要が無くなり、患者に煩わしさを与えにくくなる。
背もたれ部20にシート部材30を取り付ける際には、背もたれ部20の背面部21と、シート部材30の支持板33とを対向させる。そして、図9(a)にて矢印X1で示すように、シート部材30を背面部21に対して上方から下方に向けてスライドさせることで、シート部材30の支持板33に設けられたそれぞれの鉤状部331を、背面部21の引っ掛け部211にそれぞれ引っ掛ける。
これにより、シート部材30が背もたれ部20の背面部21から取り外される。
特に本実施の形態では、シート部材30の鉤状部331を引っ掛け部211に対して上方から挿入し引っ掛けている。このため、例えばロール状座部31に患者が座りシート部材30に上方から下方に向かう力がかかった場合であっても、シート部材30が下方にずれることが抑制される。
続いて、本発明の実施の形態2について説明する。図10(a)〜(b)は、実施の形態2が適用されるシート部材30の構成を示した図である。実施の形態2のシート部材30では、ロール状座部31(図2参照)とは異なる形状のサドル状座部35を有している。なお、以下の説明において、実施の形態1と同様の構成については、同様の符号を用い、ここでは詳細な説明は省略する。
図10(a)〜(b)に示すように、サドル状座部35は、座部の一例であって、患者が跨るサドル部35aと、サドル部35aの左右両側に設けられサドル部35aに跨った患者が掴むための掴み部の一例としての摘み部35bと、サドル部35aと摘み部35bとの間に設けられサドル部35aに跨った患者が足を入れるための凹部35cとを有している。また、サドル状座部35のサドル部35aおよび摘み部35bの表面は、弾性を有する部材(不図示)により覆われている。
ここで、実施の形態1と同様に、サドル状座部35は、背もたれ部20およびヘッドレスト14と連動して移動し、サドル状座部35からヘッドレスト14までの距離は、背もたれ部20を倒す動作によっても変わらないようになっている。
この結果、実施の形態2のシート部材30を用いた歯科用チェア2では、実施の形態1と同様に、背もたれ部20を倒した後、診療を始める前に、患者に頭部の位置を移動してもらう必要が無くなり、患者に煩わしさを与えにくくなる。
また、上述したように、サドル状座部35の表面は弾性を有する部材により覆われているため、患者の足がサドル状座部35に当たった場合であっても、患者に不快感を与えにくい。
このような構成を採用することで、患者の身長によってシート部材30を交換する必要がなくなり、利便性が向上する。
Claims (8)
- 背面と座面とを有し当該座面に対する当該背面の傾斜角度を調整可能な歯科用チェアに取り付け可能なシート部材であって、
前記歯科用チェアの前記背面に取り付けられ、患者が寄りかかる背面シートと、
前記背面シートから突出し、患者が座る座部と
を有するシート部材。 - 前記座部には、当該座部に座る患者が掴むための掴み部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のシート部材。
- 前記座部は、円筒形状を有することを特徴とする請求項1または2に記載のシート部材。
- 患者が座る着座シートと、
前記着座シートに対し傾斜角度を調整可能に構成され、患者が寄りかかる背面シートと、
前記背面シートの上部に設けられ、患者が頭を載せるヘッドレストと、
前記背面シートから突出し、前記着座シートに対して当該背面シートが立てられた状態では、当該着座シートに代えて患者が座る座部と
を備える歯科用チェア。 - 前記座部は、前記背面シートから突出した状態と、当該背面シートに収納された状態とに切り替え可能に構成されることを特徴とする請求項4に記載の歯科用チェア。
- 前記座部は、前記背面シートの傾斜角度が調整される場合に当該背面シートに連動して移動することを特徴とする請求項4または5に記載の歯科用チェア。
- ヘッドレストに患者の頭を載せて診療を行う歯科用チェアに取り付けられる子供用のシート部材であって、
患者が寄りかかる背面シートと、
前記背面シートから突出し、患者が座る位置から前記ヘッドレストまでの距離を短くする円筒形状のロール状座部と
を備える子供用のシート部材。 - 背面と座面とを有する歯科用チェアに取り付けられるシート部材であって、
前記座面に座った患者が寄りかかる背面シートと、
前記背面シートから突出した状態と、前記背面シートに収容された状態とに切り替えられ、当該背面シートから突出した状態では前記座面に代えて患者が座る部分を構成し、当該背面シートに収容された状態では当該座面に座った患者の姿勢を阻害しない座部と
を備えるシート部材。
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Citations (5)
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2015
- 2015-04-30 JP JP2015093313A patent/JP2016209108A/ja active Pending
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