JP2016208846A - 苗移植機 - Google Patents

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雄右 奥平
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Abstract

【課題】苗植付作業の作業性を向上させること。【解決手段】走行車体2と、走行車体2の後部に積載された苗を植え付ける苗植付部4と、苗植付部4の昇降動作および植付動作の少なくともいずれかを入切する場合に操作される植付操作部材100と、植付操作部材100の入切操作によって苗植付部4へ伝達される動力を接続/接続解除する植付クラッチ装置105と、植付操作部材100に接続され、入切操作に応じて移動することで入切操作の動力を植付クラッチ装置105へ伝達する連動部材110と、連動部材110に接続され、植付操作部材100の入切操作の位置にあわせて植付クラッチ装置105の接続/接続解除状態を切り替える植付切替部材111とを備える。【選択図】図3

Description

本発明は、苗移植機に関する。
従来、苗移植機では、苗の植付動作を行う植付装置へ伝達される動力を接続/接続解除する植付クラッチ装置を、操縦席に設けられた植付操作レバーの操作に伴って動作させるものがある。このような苗移植機では、植付操作レバーと植付クラッチ装置との間に電動モータが設けられ、植付操作レバーを操作することで、電動モータが作動して植付クラッチ装置を接続/接続解除動作させる(たとえば、特許文献1参照)。
特許第3123519号公報
しかしながら、上述したような従来の苗移植機では、植付操作レバーを操作してから電動モータが作動するまでにタイムラグが発生するため、植付クラッチ装置による接続/接続解除のタイミングが植付操作レバーの実際の操作よりも遅れることがある。このような遅れがあると、苗を余分に植え付けたり、苗を植え付けられなかったりするなど、苗植付作業の作業性が低下することがある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、苗植付作業の作業性を向上させることができる苗移植機を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の苗移植機は、走行車体と、前記走行車体の後部に積載された苗を植え付ける苗植付部と、前記苗植付部の昇降動作および植付動作の少なくともいずれかを入切する場合に操作される植付操作部材と、前記植付操作部材の入切操作によって前記苗植付部へ伝達される動力を接続/接続解除する植付クラッチ装置と、前記植付操作部材に接続され、前記入切操作に応じて移動することで該入切操作の動力を前記植付クラッチ装置へ伝達する連動部材と、前記連動部材に接続され、前記植付操作部材の入切操作の位置にあわせて前記植付クラッチ装置の接続/接続解除状態を切り替える植付切替部材とを備えることを特徴とする。
請求項2に記載の苗移植機は、請求項1に記載の苗移植機において、前記連動部材は、前記植付操作部材の植付動作に対する切操作に応じて前記植付クラッチ装置を接続解除する逆転防止部材を備えることを特徴とする。
請求項3に記載の苗移植機は、請求項2に記載の苗移植機において、前記連動部材は、前記逆転防止部材が取り付けられ、前記連動部材の移動方向に可動であって該移動方向における両端部が円弧状に突出した取付部と、前記取付部よりも前記植付操作部材側に設けられ、前記取付部を前記連動部材の先端側へ付勢する逆転防止付勢部材とを備え、前記逆転防止付勢部材は、前記植付操作部材の前記苗植付部の上昇動作に対する入操作の位置で最も収縮する長さであることを特徴とする。
請求項4に記載の苗移植機は、請求項1から3のいずれか1項に記載の苗移植機において、前記走行車体は、作動油を貯留するオイルタンクと、前記オイルタンクから作動油を移動させる作動油移動部材と、前記植付クラッチ装置から前記苗植付部へ動力を伝達する植付伝動軸とを備え、前記作動油移動部材は、機体の左右方向のいずれかへ寄せた位置に配置され、前記連動部材は、機体の左右方向における前記作動油移動部材と同方向へ寄せた位置、かつ、前記植付伝動軸と平行となる向きで配置されることを特徴とする。
請求項5に記載の苗移植機は、請求項1から4のいずれか1項に記載の苗移植機において、機体の前後方向において機体フレームの第1梁フレームおよび第2梁フレームの間に設けられ、軽量エンジンを支持する第1エンジンフレームと、前記第1エンジンフレームおよび前記機体フレームの後部を形成する左右一対の連結フレームに対して着脱可能に設けられ、重量エンジンを支持する第2エンジンフレームとをさらに備えることを特徴とする。
請求項6に記載の苗移植機は、請求項5に記載の苗移植機において、前記苗植付部を昇降させる昇降リンク装置と、前記昇降リンク装置を前記機体フレームの後部に取り付ける左右一対のリンクフレームと、前記一対の連結フレームおよび前記一対のリンクフレームのそれぞれの上部が取り付けられる取付ステーと、前記一対の連結フレームおよび前記一対のリンクフレームのそれぞれの下部が取り付けられる左右一対の後部フレームとをさらに備え、前記連結フレーム、前記リンクフレームおよび前記後部フレームによってトラスが形成されるとともに、前記取付ステーに他の装置が配置される空間が形成されることを特徴とする。
請求項7に記載の苗移植機は、請求項6に記載の苗移植機において、前記一対の後部フレームの後部および前記一対のリンクフレームの下部の間に形成された空間部と、前記一対のリンクフレームの下部に設けられ、前記走行車体の後輪に駆動力を伝達する左右一対の後輪伝動ケースと、前記一対の後輪伝動ケースに着脱可能に設けられ、機体に装着される他の装置に対して駆動力を伝達する他の伝動ケースとをさらに備えることを特徴とする。
請求項1に記載の苗移植機によれば、連動部材に植付切替部材が設けられることで、植付操作部材の入切操作と略同時に植付クラッチ装置による接続/接続解除を行うことができる。これにより、植付操作部材の入切操作に対する植付クラッチ装置の接続/接続解除動作が遅れることを防止することができ、苗植付作業の作業性を向上させることができる。
請求項2に記載の苗移植機によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、連動部材に逆転防止部材が設けられることで、苗植付部の植付動作に対する切操作の場合に植付クラッチ装置に逆転動力が加わることを防止することができる。これにより、植付クラッチ装置が破損することを防止することができ、耐久性を向上させることができる。
請求項3に記載の苗移植機によれば、請求項2に記載の発明の効果に加えて、取付部の両端部が円弧状に形成されることで、植付操作部材の操作量に応じて連動部材が傾斜姿勢をとった場合でも、取付部を連動部材の移動に追従させることができる。これにより、メカロックを防止することができ、植付操作部材の操作性の低下や部品の破損を防止することができる。また、連動部材に逆転防止付勢部材を設けることで、植付操作部材を苗植付部の植付動作に対する切操作の位置へ移動させた場合に、逆転防止部材を植付クラッチ装置の接続解除側へ移動させることができる。この結果、逆転動力が伝達されることによる植付クラッチ装置の破損を防止することができる。また、植付操作部材を苗植付部の昇降動作に対する入操作の位置へ移動させた場合に逆転防止付勢部材が最も収縮することで、連動部材の移動による逆転防止部材に加わる負荷を逆転防止付勢部材で吸収することができる。これにより、連動部材および逆転防止部材の破損を防止することができる。
請求項4に記載の苗移植機によれば、請求項1から3のいずれか1項に記載の発明の効果に加えて、連動部材が植付伝動軸と平行となる向きで配置されることで、作動油移動部材がこれまで配置されていた空間を利用することができる。これにより、連動部材を配置するために余分なスペースを確保する必要がなくなり、機体のコンパクト化を図ることができる。
請求項5に記載の苗移植機によれば、請求項1から4のいずれか1項に記載の発明の効果に加えて、第2エンジンフレームが第1エンジンフレームおよび左右の連結フレームに設けられることで、搭載されるエンジンの種類に関係なく機体フレームの共用化を図ることができる。これにより、生産性を向上させることができる。
請求項6に記載の苗移植機によれば、請求項5に記載の発明の効果に加えて、連結フレーム、リンクフレームおよび後部フレームによってトラスが形成されることで、機体フレームの後部の強度を向上させることができる。これにより、昇降リンク装置や他の装置、たとえば、施肥装置の荷重を受けても耐久性を低下させない。
請求項7に記載の苗移植機によれば、請求項6に記載の発明の効果に加えて、後部フレームの後部およびリンクフレームの下部の間に空間部が形成されることで、後輪伝動ケースに他の伝動ケースの着脱を行うための作業スペースを確保することができる。これにより、他の装置を追加する場合に後輪伝動ケースを取り外す必要がなくなり、他の装置、たとえば、施肥装置や整地ロータの取付作業などを含めた苗植付作業全体の作業能率を向上させることができる。
図1は、苗移植機の概略左側面図である。 図2は、苗移植機の概略平面図である。 図3は、植付操作部材、植付クラッチ装置および連動部材の概略右側面図である。 図4は、図3におけるA部拡大図である。 図5は、メインフレーム上における連動部材の配置を示す概略平面図である。 図6は、メインフレームの概略平面図である。 図7は、メインフレームの概略左側面図である。 図8は、サイドフレームおよび補強フレームの説明図である。 図9は、メインフレームおよび後輪伝動ケースの概略左側面図である。 図10は、後輪伝達ケースおよび補助伝達ケースの平断面図である。 図11は、補助伝達ケースの説明図である。 図12は、後輪伝達ケースおよび補助伝達ケースの着脱の説明図である。 図13は、(a)エンジンおよびセルモータカバーの概略平面図である。(b)エンジンおよびセルモータカバーの概略側面図である。 図14は、エンジンおよびエンジンファンカバーの概略側面図である。 図15は、前輪サスペンションの概略側断面図である。 図16は、図15におけるB部模式拡大図である。 図17は、取付ステーおよび泥除け板の模式説明図である。 図18は、取付けステーおよび泥除け板の他の例(例1)の模式説明図である。 図19は、取付けステーおよび泥除け板の他の例(例2)の模式説明図である。
以下に、本発明に係る苗移植機の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
図1は、苗移植機の概略左側面図である。図2は、苗移植機の概略平面図である。なお、以下では、図1および図2に示すように、苗移植機1の前進方向を「前」、苗移植機1の後退方向を「後」とし、前後方向と直交する方向を左右方向とする。また、左右方向において、苗移植機1の前方に向かって右側を「右」とし、苗移植機1の前方に向かって左側を「左」とする。
図1および図2に示すように、苗移植機1は、乗用型田植機であり、走行車体2の後方に昇降リンク装置3を介して苗植付部4が昇降可能に装着される。また、苗移植機1は、走行車体2の後部上方に施肥装置5の本体部分が設けられている。
走行車体2は、左右一対の前輪10および左右一対の後輪11を備えた車両であり、機体の前部にミッションケース12が配置されている。また、ミッションケース12の左右側方には、左右の前輪伝動ケース(前輪アクスルケース)13が設けられている。走行車体2は、左右の前輪伝動ケース13の操向方向を変更可能なそれぞれの前輪支持部から外向きに突出する左右の前輪車軸に左右の前輪10がそれぞれ取り付けられている。また、走行車体2は、ミッションケース12の背面部にメインフレーム15の前端部が固定されている。さらに、走行車体2は、メインフレーム15の後端左右中央部に前後方向に水平に設けられた後輪ローリング軸を支点として、左右一対の後輪伝動ケース(後輪ギアケース)18がローリング自在に支持され、後輪伝動ケース18から外向きに突出する後輪車軸11aに後輪11が取り付けられている。なお、本実施形態では、四輪駆動車両を例示しているが、後輪11にエンジン駆動力が伝達される構成または前輪10にエンジン駆動力が伝達される構成を採用してもよい。
エンジン20は、メインフレーム15上に搭載されており、エンジン20の回転動力が、ベルト伝動装置21およびHST(Hydro Static Transmission:静油圧式無段変速機)23を介してミッションケース12へ伝達される。ミッションケース12に伝達された回転動力は、ミッションケース12内のトランスミッションによって変速された後、走行動力と外部取出動力とに分離して取り出される。そして、走行動力は、一部が前輪アクスルケース13へ伝達されて前輪10を駆動するとともに、残りが後輪伝動ケース18,18へ伝達されて後輪11を駆動する。また、外部取出動力は、ミッションケース12内に設けられた植付クラッチケース(図示省略)へ伝達され、植付伝動軸26によって苗植付部4へ伝達されるとともに、施肥伝動機構(図示省略)によって施肥装置5へ伝達される。
エンジン20の上部はエンジンカバー30で覆われており、エンジンカバー30上には座席31が設置されている。座席31の前方には各種操作機構を内蔵するフロントカバー32があり、フロントカバー32の上方に前輪10を操向操作するハンドル34が設けられている。エンジンカバー30およびフロントカバー32の下端左右両側部は、水平状のフロアステップ35となっている。フロアステップ35は、一部格子状となっており(図2参照)、フロアステップ35を歩く作業者の靴についた泥が圃場に落下するようになっている。また、フロアステップ35上の後部は、後輪フェンダを兼ねるリアステップ36となっている。また、走行車体2の前部の左右両側部には、補給用の苗を載せておく予備苗載台38が機体よりも側方に張り出す位置および内側に収納した位置に回動可能に設けられている。
昇降リンク装置3は、平行リンク構成であって、1本の上リンク40と、左右一対の下リンク41とを備えている。上リンク40および下リンク41は、基部側がメインフレーム15の後端部に立設された背面視で門形のリンクベースフレーム42に回動自在に取り付けられ、先端側に縦リンク43が連結されている。そして、縦リンク43の下端部に苗植付部4に回転自在に支承された連結軸44が挿入連結され、連結軸44を中心として苗植付部4がローリング自在に連結されている。メインフレーム15に固着された支持部材と上リンク40に一体形成されたスイングアーム(図示省略)の先端部との間には、昇降油圧シリンダ46が設けられている。このような昇降リンク装置3では、昇降油圧シリンダ46を油圧で伸縮させることにより、上リンク40が上下に回動し、苗植付部4が略一定姿勢のまま昇降する。
苗植付部4は、6条植の構成であり、伝動ケース50、苗載台51、苗植付装置52および線引きマーカ97などを備えている。なお、伝動ケース50は、苗植付部4のフレームを兼ねている。また、苗載台51は、マット苗を載せて左右方向に往復移動し、苗を一株分ずつ各条の苗取出口51aへ供給するとともに、横一列分の苗を全て苗取出口51aへ供給すると、苗送りベルト51bによって苗を下方へ移送する。また、苗植付装置52は、苗取出口51aへ供給された苗を圃場に植え付ける。線引きマーカ97は、左右一対であり、次行程における機体進路を表土面に線引きする。
苗植付部4の下部には、中央にセンターフロート55、センターフロート55の左右両側にサイドフロート56がそれぞれ設けられている。センターフロート55およびサイドフロート56は、圃場の泥面に接地させた状態で機体を進行させると、各フロート55,56が泥面を整地しつつ滑走し、整地跡に苗植付装置52により苗が植え付けられる。各フロート55,56は、圃場表土面の凹凸に応じて前端側が上下動するように回動自在に取り付けられている。そして、植付作業時にはセンターフロート55の前部の上下動が仰角センサ(図示省略)により検出され、仰角センサの検出結果に応じて昇降油圧シリンダ46を制御する油圧バルブ(図示省略)を切り替えて苗植付部4を昇降させることにより、苗の植付深さを常に一定に維持する。
施肥装置5は、肥料ホッパ60に貯留されている粒状の肥料を繰出部61によって一定量ずつ繰り出し、繰り出した肥料を施肥ホース62でセンターフロート55およびサイドフロート56の左右両側に取り付けられた施肥ガイド(図示省略)まで導き、施肥ガイドの前側に設けられた作溝体によって苗植付条の側部近傍に形成される施肥構内へ落とし込むようになっている。そして、ブロア用電動モータ53によって駆動するブロア58で発生させたエアが、左右方向に長いエアチャンバ59を経由して施肥ホース62に吹き込まれ、施肥ホース62内の肥料を風圧で強制的に搬送するようになっている。
また、苗植付部4には、整地装置の一例であるロータ27(27a,27b)が取り付けられている。さらに、苗載台51は、苗植付部4の全体を支持する左右方向および上下方向のそれぞれの幅一杯の矩形の支持枠体65の支持ローラ65aをレールとして、左右方向にスライドするように構成されている。
上述したように、走行車体2には、エンジンカバー30の上部に操縦席(座席)31が設置されており、座席31の前方、かつ、走行車体2の前側中央部にハンドル34などの操縦部が配設されている。操縦部の内部には、各種の操作装置やエンジン用燃料の燃料タンクなどが配設されており、操縦部の上部には、操作装置を作動させる各種操作レバーなどや計器類、ハンドル34が配設されている。操作レバーとしては、走行車体2の前後進および走行速度を操作する走行操作部材(変速レバー)の他、座席31の後方に、苗植付部4の昇降動作および植付動作を入切する場合に操作される後述する植付操作部材(植付操作レバー)100(図3参照)が配設されている。以下では、植付操作部材100による操作について説明する。
図3は、植付操作部材100、植付クラッチ装置105および連動部材110の概略右側面図である。図4は、図3におけるA部拡大図である。なお、図3および図4では、図中左側が走行車体2(図1参照)の後部側となり、図中右側が走行車体2の前部側となる。
図3に示すように、植付操作部材(植付操作レバー)100は、苗植付部4の各動作(昇降動作および植付動作)を切り替えるものである。植付操作部材100は、レバーガイドの案内溝を前後方向にシフトされて、上述した昇降リンク装置3(図1参照)の昇降シリンダの伸縮によって昇降される苗植付部4(図1参照)の状態位置を示す「植付上(上昇)」位置、昇降シリンダの伸縮動作を停止する「昇降中立(停止)」位置、苗植付部4を苗植姿勢位置へ下降させる「植付下(下降)」位置、および苗植付姿勢位置に下降された苗植付部4の伝動を入り(ON)にする「植付入(植付)」位置へシフトすることができる。植付操作部材100の回動軸101まわりには、シフト操作(入切操作)によるレバー位置を検知するレバーポテンショメータが設けられている。なお、植付操作部材100の操作位置は、たとえば、最も後方へ傾けた場合が「植付上」位置であり、以下順に「昇降中立」位置、「植付下」位置、そして、最も前方へ傾けた場合が「植付入」位置となる。また、植付操作部材100は、「植付上」位置へ傾けると「昇降中立」位置へ戻るように付勢されている。
植付操作部材100の前方に配置されているミッションケース12の上部には、植付操作部材100の入切操作によって苗植付部4へ伝達される動力を接続/接続解除する植付クラッチ装置105が設けられている。また、植付操作部材100および植付クラッチ装置105の間には、双方を連結する棒状の連動部材(連動ロッド)110が設けられている。連動部材110は、植付操作部材100の入切操作に応じて連動して前後方向に移動し、植付操作部材100の操作によるレバー下端部102の位置の変更によって、植付操作部材100の入切操作による動力を植付クラッチ装置105へ伝達する。
また、図4に示すように、植付クラッチ装置105は、クラッチ本体106と、クラッチ入切部材107とを備えている。クラッチ本体106は、クラッチケース106a内に駆動側回転体および従動側回転体を備えており、ミッションケース12内のトランスミッションを介して伝達された回転動力を、接続状態の場合に苗植付部4に向けて動力を伝達する植付伝動軸26へ伝達し、接続解除状態で遮断する。クラッチ入切部材(クラッチ入切ピン)107は、クラッチケース106aの上部に配置され、連動部材110の前後への移動に応じて苗植付部4へ伝達される動力の接続/接続解除を実行可能に設けられている。クラッチ入切部材107は、上方に引き上げられた状態で植付クラッチ装置105を接続状態とし、下降してクラッチケース106a内へ挿入されることで植付クラッチ装置105を接続解除状態とする。なお、植付クラッチ装置105を接続解除する場合は、クラッチ入切部材107をクラッチケース106a内のクラッチ体に形成されている接触溝の壁と接触させた衝撃でクラッチ爪同士の噛み合いを解除する。
連動部材110は、植付切替部材111と、逆転防止部材112とを備えている。植付切替部材111は、連動部材110の前側端部に設けられるとともに、連動部材110との連結部分である基端部を中心として上下に揺動可能に設けられている。また、植付切替部材111は、先端部にクラッチ入切部材107が取り付けられている。したがって、植付切替部材111は、連動部材110の移動に伴って揺動し、揺動することでクラッチ入切部材107を上下に移動させ、植付操作部材100の入切操作の位置にあわせて植付クラッチ装置105の接続/接続解除状態を切り替える。また、植付切替部材111は、連動部材110が前側へ進出した場合に下方へ向けて揺動してクラッチ入切部材107を下降させる。これにより、植付クラッチ装置105の接続解除状態へと切り替わる。また、植付切替部材111は、連動部材110が後側へ退避した場合に上方へ向けて揺動してクラッチ入切部材107を上昇させる。これにより、植付クラッチ装置105の接続状態へと切り替わる。逆転防止部材(逆転防止アーム)112は、植付操作部材100が植付動作が切りとなる位置へと移動すると(植付動作に対する切操作)、このような切操作に応じて植付クラッチ装置105を強制的に接続解除する。逆転防止部材112の一端部は、ミッションケース12(図3参照)に回動自在に連結されている。また、逆転防止部材112の他端部は、連動部材110に設けられた取付部113に取り付けられている。ここで、取付部113は、連動部材110に設けられた2つの鍔状の規制部(規制片)114a,114bの間に配置されている。2つの規制部のうち、一方の規制部114aは、連動部材110に固定されており、他方の規制部114bは、連動部材110の軸方向に可動する。
また、取付部113は、連動部材110の移動方向に沿った両端部がそれぞれ外方へ向けて円弧状に突出するように形成されている。また、連動部材110は、逆転防止付勢部材(逆転防止スプリング)115をさらに備えている。逆転防止付勢部材115は、取付部113よりも植付操作部材100側、すなわち、後側に設けられ、逆転防止部材112を植付クラッチ装置105の接続解除側、すなわち、前側へ向けて付勢する。逆転防止付勢部材115は、前側端部が規制部114bによって規制され、後側端部が連動部材110に固定された規制部114cに規制されている。これにより、連動部材110の先端側(前側)へ付勢力を付与することができる。また、逆転防止付勢部材115は、植付操作部材100の苗植付部4の上昇動作に対する入操作の位置で最も収縮する長さとなるように設定されている。
このような苗移植機1の構成によれば、連動部材110に植付切替部材111が設けられることで、機械的な連動によって植付操作部材100の入切操作と略同時に植付クラッチ装置105による接続/接続解除を行うことができる。これにより、植付操作部材100の入切操作に対する植付クラッチ装置105の接続/接続解除動作が遅れることを防止することができる。この結果、苗植付作業の作業性を向上させることができる。
また、連動部材110に逆転防止部材112が設けられることで、苗植付部4の植付動作に対する切操作の場合に、植付クラッチ装置105に逆転動力(植付クラッチ装置105が接続解除状態となるはずが、クラッチ爪同士の係合が正常に外れないことで発生し、植付伝動軸26(図5参照)を逆転方向へ回転させてしまう動力)が加わることを防止することができる。これにより、植付クラッチ装置105が破損することを防止することができる。この結果、耐久性を向上させることができる。
また、取付部113の両端部が円弧状に形成されることで、植付操作部材100の操作量に応じて連動部材110が傾斜姿勢をとった場合でも、取付部113を連動部材110の移動に追従させることができる。これにより、操作時のメカロックを防止することができ、植付操作部材100の操作性の低下や部品の破損を防止することができる。また、連動部材110に逆転防止付勢部材115が設けられることで、植付操作部材100を苗植付部4の植付動作に対する切操作の位置へ移動させた場合に、逆転防止部材112を植付クラッチ装置105の接続解除側へ強制的に移動させることができる。この結果、逆転動力が伝達されることによる植付クラッチ装置105の破損を防止することができる。また、植付操作部材100を苗植付部4の上昇動作に対する入操作の位置へ移動させた場合に逆転防止付勢部材115が最も収縮することで、「植付上」〜「植付入」までの連動部材110の移動のストロークにわたって付勢力を付与することができる。このため、連動部材110による逆転防止部材112に加わる負荷を逆転防止付勢部材115で吸収することができる。これにより、連動部材110および逆転防止部材112の破損を防止することができる。
次に、図5〜図9を参照して機体の各フレームについて説明する。図5は、メインフレーム15上における連動部材110の配置を示す概略平面図である。図6は、メインフレーム15の概略平面図である。図7は、メインフレーム15の概略左側面図である。図5に示すように、走行車体2の機体のメインフレーム15上には、植付クラッチ装置105や連動部材110の他、オイルタンク(図示省略)と、作動油移動部材121と、植付伝動軸26とが所定の配置で設けられている。オイルタンクは、作動油を貯留する。作動油移動部材121は、送油ホース(送出流路)121aおよびリターンホース(戻り流路)121bを備えており、オイルタンクから作動油を移動させる。オイルタンクから送油バルブ122を介して送出された作動油は、送油ホース121aでミッションケース12内へと移動される。また、送油ホース121aで移動された作動油は、リターンホース121bで移動されてオイルタンクに戻る。作動油移動部材121は、メインフレーム15の左右方向のいずれかへ寄せた位置に配置される。なお、本実施形態では、作動油移動部材121は、メインフレーム15の右側へ寄せて配置されている。また、植付伝動軸26は、メインフレーム15の植付クラッチ装置105から苗植付部4へ動力を伝達する。また、連動部材110は、メインフレーム15の左右方向における作動油移動部材121と同方向へ寄せた位置、かつ、植付伝動軸26と平行となる向きで配置される。なお、本実施形態では、連動部材110は、メインフレーム15の右側へ寄せて配置されている。また、メインフレーム15の中央部には、エンジン(ガソリンエンジンなどの軽量エンジン)20が載置されるエンジンマウントスペースSが形成されている。
このような苗移植機1の構成によれば、作動油移動部材121(送油ホース121aおよびリターンホース121b)が左右いずれかに片寄せて配置され、また、連動部材110が植付伝動軸26と平行となる向きで、かつ、作動油移動部材121と同方向に片寄せて配置されることで、作動油移動部材121が配置されていた空間を利用することができる。これにより、連動部材110を配置するために余分なスペースを確保する必要がなくなり、機体のコンパクト化を図ることができる。
図6および図7に示すように、機体のメインフレーム15は、機体前部の前部フレーム130および機体後部の後部フレーム133に大別される。前部フレーム130は、左右方向を向いた前側梁フレーム131と、前側梁フレーム131と平行な第1梁フレーム132とを備えている。後部フレーム133は、前後方向を向いた左右一対の連結フレーム134と、左右方向を向いた第2梁フレーム135と、前後方向を向いた左右一対のリアフレーム(リンクフレーム)136とを備えている。また、第1梁フレーム132および第2梁フレーム135の間には、前後方向を向いた中央フレーム137が架け渡されている。また、第1梁フレーム132および中央フレーム137の連結部分にガソリンエンジンなどの軽量エンジン20(図1参照)の前端部を支持するとともに、中央フレーム137の後側に軽量エンジン20の後端部を支持する第1エンジンフレーム138が設けられている。なお、第1エンジンフレーム138は、上述したエンジンマウントスペースSを形成する。また、ディーゼルエンジンなどの重量エンジンが搭載される場合には、別付の第2エンジンフレーム139が取り付けられる。第2エンジンフレーム139が取り付けられることで、ガソリンエンジンなどの軽量エンジンよりも強度が必要なディーゼルエンジンのような重量エンジンにも容易に対応することができる。
このような苗移植機1の構成によれば、第2エンジンフレーム139が第1エンジンフレーム138および左右一対の連結フレーム134に設けられることで、搭載されるエンジン20の種類(重量)に関係なく機体フレーム(メインフレーム15)の共用化を図ることができる。これにより、生産性を向上させることができる。
図6および図7に示すように、メインフレーム15において、第1梁フレーム132に一対のハーネスガイド140が設けられている。ハーネスガイド140は、前側が水平状に形成され、後側が垂直状に形成されており、ハーネスなどをガイドするハーネスガイド部140aと、エンジンカバーを支持するエンジンカバーステー部140bとを備えている。すなわち、ハーネスガイド140は、ハーネスをガイドする機能およびエンジンカバーステーの機能を備えており、双方を兼用可能に構成されている。また、ハーネスガイド140がエンジン20(図1参照)周辺に設けられることで、ハーネスなどの配管のレイアウトを確実に行うことができる。
図7に示すように、後部フレーム133の後側には、昇降リンク装置3(図1参照)と、左右一対のリアフレーム(リンクフレーム)136と、取付ステー141とが設けられている。昇降リンク装置3は、上述したように、苗植付部4(図1参照)を昇降させる。リアフレーム136は、昇降リンク装置3をメインフレーム15に取り付けるために設けられる。取付ステー141には、左右一対の連結フレーム134および左右一対のリアフレーム136のそれぞれの下部が取り付けられる。また、後部フレーム133には、一対の連結フレーム134および一対のリアフレーム136のそれぞれの下部が取り付けられる。また、後部フレーム133の後部における左右それぞれには、連結フレーム134、リアフレーム136および後部フレーム133の斜めフレーム133aによってトラスが形成される。さらに、取付ステー141に他の装置(たとえば、施肥装置5)の配置空間が形成される。また、リアフレーム136は、メインフレーム15とは別体に設けられている。そして、施肥装置5の駆動系の配置スペースを拡大するために、リアフレーム136の取付ステー141は、後方に延出しないよう最小限縮めた長さに形成されている。
このような苗移植機1の構成によれば、左右それぞれに、連結フレーム134、リアフレーム136および後部フレーム133の斜めフレーム133aによってトラスが形成されることで、メインフレーム15の後部の強度を向上させることができる。これにより、昇降リンク装置3や他の装置、たとえば、施肥装置5の荷重を受けても耐久性を低下させない。
図8は、サイドフレーム144および補強フレーム145の説明図である。なお、図8では、図中上側に機体の概略平面図を示し、図中下側に機体の概略左側面図を示している。図8に示すように、メインフレーム15において、角チューブ142からメインフレーム15の中央部にかけて板材(斜めフレーム)143が配置されている。また、機体の左右側部には、斜めフレーム143と略平行にサイドフレーム144を補強するための補強フレーム145が設けられている。
図9は、メインフレーム15および後輪伝動ケース18の概略左側面図である。図9に示すように、メインフレーム15において、左右一対の後部フレーム133の後部および左右一対のリアフレーム(リンクフレーム)136の下部の間には、各種オプションの着脱作業を行う作業スペースに利用可能な空間部150が形成されている。また、上述した左右一対の後輪伝動ケース18は、リアフレーム136の下部に設けられ、走行車体2の後輪11(図1参照)に駆動力を伝達する。また、後輪伝動ケース18には、機体(苗移植機1)に装着される他の装置、拡張作業装置(施肥装置5および整地ロータ27)に対して駆動力を伝達する他の伝動ケース(補助伝動装置68の補助伝動ケース67)が着脱可能に設けられている。
このような苗移植機1の構成によれば、後部フレーム133の後部(斜めフレーム133a)およびリアフレーム136の下部の間に空間部150が形成されることで、オプションの着脱を行うための作業スペースを確保することができる。これにより、他の装置(たとえば、施肥装置5や整地ロータ27)を追加する場合に後輪伝動ケース18を取り外す必要がなくなり、他の装置の取付作業などを含めた苗植付作業全体の作業能率を向上させることができる。
次に、図10〜図12を参照して、上述した苗移植機1における後輪伝動ケース18および補助伝動ケース67の構成および動作について説明する。図10は、後輪伝動ケース18および補助伝動ケース67の平断面図である。図11は、補助伝動ケース67の説明図である。図12は、補助伝動ケース67の脱着の説明図である。なお、図10には、苗移植機1における左側の補助伝動ケース67に整地ロータ27(図1参照)の駆動系が取り付けられた状態を示しており、右側の補助伝動ケース67に施肥装置5(図1参照)の伝動系が取り付けられた状態を示している。また、図12には、苗移植機1における右側の後輪伝動ケース18および補助伝動ケース67を示している。
図10および図11に示すように、左右の走行輪である後輪(図2参照)11へ駆動力を伝達する左右の後輪伝動ケース18には、補助作業装置68へ駆動力を伝達する補助伝動ケース67がそれぞれ着脱自在、かつ、回動自在に装着されている。なお、補助作業装置68とは、施肥装置5、整地ロータ27(いずれも、図1参照)など、およびこれらの駆動系を含めた装置の総称である。このように、補助伝動ケース67を着脱自在とすることで、補助作業装置68を増設または撤去する場合に補助伝動ケース67の着脱によって対応することができる。また、補助伝動ケース67が後輪伝動ケース18に対して回動中心18aを中心として回動可能に装着されることで、補助作業装置68の伝動機構の取付方向にあわせて補助伝動ケース67の装着姿勢を変更することができる。これにより、補助作業装置68を、着脱が容易となる位置へ移動させてから着脱することができ、また、補助伝動ケース67を左右で共通化することができる。さらに、後輪伝動ケース18が補助作業装置68への伝動に影響しないため、左右の後輪伝動ケース18を同一構成とすることができ、後輪伝動ケース18の生産性を従来よりも向上させることができる。
また、走行車体2には、ミッションケース12(図1参照)から左右の後輪伝動ケース18へ駆動力を伝達する走行伝動部材(ドライブシャフト)69が設けられている。走行伝動部材69には、補助伝動ケース67および後輪伝動ケース18が装着されている。また、走行伝動部材69は、同一の走行伝動部材69から後輪伝動ケース18および補助伝動ケース67へ駆動力が供給されるように構成されている。さらに、走行伝動部材69は、左右の補助伝動ケース67および走行車体2を接続部材(ジョイントプレート)71を介して連結している。このように、左右の走行伝動部材69に後輪伝動ケース18および補助伝動ケース67をそれぞれ装着したことで、一つの走行伝動部材69で後輪伝動ケース18および補助伝動ケース67へ駆動力を供給することができる。これにより、伝動経路が簡略化され、部品点数を削減することができる。また、補助伝動ケース67を外しても後輪伝動ケース18への伝動経路が変わらないため、補助作業装置68の着脱にあわせた構成へと容易に変更することができる。
後輪伝動ケース18の内部には、走行伝動部材69に装着される出力ベベルギア72と、出力ベベルギア72と噛合する入力ベベルギア73と、入力ベベルギア73の回転によって走行輪(後輪)11を回転させる車軸75とが設けられている。また、補助伝動ケース67の内部には、走行伝動部材69に装着される出力スプロケット76と、補助作業装置68の伝動機構へ駆動力を伝達する入力スプロケット77と、補助作業装置68の伝動機構を回転させる補助作業出力軸79とが設けられている。このように、同一の走行伝動部材69に出力ベベルギア72および出力スプロケット76が設けられたことで、走行車体2の走行速度の変化にあわせて補助作業装置68の動作量を変更することができる。これにより、走行速度に適しない作業が行われることを防止することができる。この結果、苗の育成が良好となる。
図12に示すように、後輪伝動ケース18の入力軸78は、補助伝動ケース67よりも外部へ延長され、オプションの他の補助伝動ケース67の走行伝動部材69に対する伝動軸と共用可能に設けられている。なお、図12には、標準の補助伝動ケース67が後輪伝動ケース18にすでに装着されており、標準の補助伝動ケース67に代えてオプションの補助伝動ケース67を装着する例を示している。
図13は、エンジン20およびエンジンファンカバー156の概略側面図である。図13に示すように、苗移植機1(図1参照)のエンジン20には、泥水などがエンジンファン155の通気孔から浸入しないように、側方(横下)を覆うエンジンファンカバー156が取り付けられている。泥水などがエンジンファン155の通気孔から浸入すると、エンジン20の空冷システムに不具合が発生することがあるが、このように、エンジンファンカバー156が取り付けられることで、泥水などの浸入を防ぐことができる。
図13(a)は、エンジン20およびセルモータカバー156の概略平面図である。図13(b)は、エンジン20およびセルモータカバー156の概略側面図である。図13に示すように、苗移植機1(図1参照)のエンジン20には、エンジン20を始動させるセルモータ155に泥水などがかからないように、セルモータ155の前方および側方が隠れるようにセルモータカバー156が配置されている。なお、セルモータカバー156は、エンジン20近傍のフレームなどに支持されている。苗植付作業中にセルモータ155に泥水がかかると、エンジン20に不具合が発生することがあるが、セルモータカバー156が配置されることで、セルモータ155を泥水などから保護することができる。
図14は、エンジン20およびエンジンファンカバー158の概略側面図である。図14に示すように、苗移植機1(図1参照)のエンジン20には、エンジンファン157の通気穴から泥水などが浸入しないように、エンジンファン157の側方および下方が隠れるようにエンジンファンカバー158が配置されている。なお、エンジンファンカバー158は、第1エンジンフレーム138(図6参照)などに支持されている。苗植付作業中にエンジンファン157の通気穴から泥水などが浸入すると、エンジン20の空冷システムに不具合が発生することがあるが、エンジンファンカバー158が配置されることで、エンジンファン20の通気穴から泥水などが浸入することを防止することができる。
図15は、前輪サスペンション80の概略側断面図である。図16は、図15におけるB部模式拡大図である。図15に示すように、右側の前輪10(図2参照)を備える前輪伝動ケース13には、走行車体2(図1参照)に装着されるアッパーケース81と、アッパーケース81に摺動自在、かつ、回動自在に装着されるロワーケース82と、アッパーケース81およびロワーケース82の間の空間部にスプリング83を有するサスペンション機構84とが設けられている。アッパーケース81またはロワーケース82のフランジ部85の内部には、スプリング83が配置される空間に接続される圧抜部(図示省略)が形成されている。また、後輪11への駆動力は、入力軸86の先端の歯車86aが、入力軸86と略直交する向きの歯車87と噛合することで伝達される。
このように、アッパーケース81またはロワーケース82に圧抜部(図示省略)が形成されたことで、サスペンション機構84の作用による前輪伝動ケース13内の圧力変化を小さくすることができ、前輪伝動ケース13内の破損を防止することができる。また、前輪伝動ケース13内の圧力変化が前輪伝動ケース13によって抑えられることにより、スプリング83の荷重による緩衝効果を向上させることができ、苗移植機1(図1参照)の走行性や植付精度を向上させることができる。
また、図16に示すように、前輪サスペンション80では、アッパーケース81およびロワーケース82は、双方の連結部分にストッパ部90が設けられることで、スプリング83のストッパ機能を有している。ストッパ部90は、アッパーケース81のフランジ部91およびロワーケース82の先端部に設けられたストッパ板92によってスプリング83のストッパとして機能させることができる。このような構成とすることで、油が落ち易いケース通しや潤滑部分でストップをかけることができる。また、キングピン94および上部のベベルギア(歯車86a,87)の間をストッパとして利用することで、寸法誤差などがあったとしても、確実にストップをかけることができる。
また、アッパーケース81の上部のカバー93とキングピン94との距離が近接されている。これにより、アッパーケース81内で異常などが生じた場合には、キングピン94がカバー93を突き破るなど、カバー93に変化があらわれる。また、前輪サスペンション80を組み立てる場合には、最初に、アッパーケース81およびロワーケース82、次いで、キングピン94および歯車87、そして最後に、カバー93が取り付けられる。この場合、カバー93がストッパとなる。このように構成されることで、たとえば、異常摩耗や過負荷による歯車86a,87などの破壊があった場合は、アッパーケース81の上部(カバー93)によって異常を認識することができる。
次に、図17〜図19を参照して、整地ロータ27による泥はねを防止する取付ステー171および泥除け板172について説明する。図17は、取付ステー171および泥除け板172の模式説明図である。図18は、他の例(例1)の取付けステー171および泥除け板172の模式説明図である。図19は、他の例(例2)取付ステー171および泥除け板172の模式説明図である。図17に示すように、圃場を均す整地ロータ27(図1参照)による泥はねを防止するために、植付フレーム170に支持された取付ステー171を介して泥除け板172が配置されている。取付ステー171は、植付フレーム170に対してボルトなどの固定具173によって着脱自在に取り付けられている。また、泥除け板172は、取付ステー171の先端側に溶接などによって固着されている。従来は、植付フレームに固着された取付ステーの先端側に泥除け板が着脱可能に取り付けられていたが、オプションとして整地ロータなどを後付けする場合に、取付ステーが取付作業の妨げとなり、たとえば、取付ステーを切断してから取付作業を行っていた。ところが、このように取付ステー171を植付フレーム170に着脱自在とすることで、取付ステー171を切断しなくても整地ロータ27などを取り付けることができる。すなわち、オプションの取付作業を容易に行うことができる。
また、図18に示すように、取付ステー171が植付フレーム170に対して角度変更可能に構成されてもよい。具体的には、取付ステー171が、回動部174と、ガイド穴175と、ストッパ176とを備え、回動部174を回動中心として回動する。回動部174にはボルトなどを用いており、ボルトを緩めて取付ステー171の角度を変更し、ボルトを締め付けることで取付ステー171を変更された角度に保持する。また、取付ステー171にはガイド穴175が設けられており、ガイド穴175に植付フレーム170に取り付けられたストッパ(ストッパピン)176が挿通されていることで、取付ステー171の回動をガイドするとともに、回動角度を規制することができる。このような構成によれば、圃場にあわせて泥除け板172を配置する位置や角度を調節することができる。
また、図19に示すように、取付ステー171が苗植付作業中に発生する機体の振動を許容するように構成されてもよい。具体的には、取付ステー171が、回動部174と、ガイド穴175と、ストッパ176と、位置決め穴177と、付勢部材178とを備え、回動部174を中心として回動する。取付ステー171にはガイド穴175が設けられており、ガイド穴175に植付フレーム170に取り付けられたストッパ(ストッパピン)176が挿通されていることで、取付ステー171の回動をガイドするとともに、回動角度を規制することができる。また、植付フレーム170にはストッパ176の取付位置を変更可能とする位置決め穴177が設けられており、取付ステー171の基本角度を設定することができる。さらに、植付フレーム170と取付ステー171との間は付勢部材(スプリング)178によって付勢されている。このため、取付ステー171は、外力によって角度が変わっても、付勢部材178の付勢力によって元の角度に復帰する。このような構成によれば、たとえば、苗移植機1(図1参照)が、畔を乗り越えるなどして機体に振動が発生しても、振動を許容するように取付ステー171が可動する。これにより、振動による取付ステー171および泥除け板172の変形や破損を防止することができる。
また、通常、泥除け板172は、金属製(鉄板)である場合が多いが、たとえば、泥除け板172を樹脂製としてもよい。このように、泥除け板172を、可塑性のある金属から樹脂に変えることで、泥除け板172の変形を防止することができる。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
1 苗移植機
2 走行車体
3 昇降リンク装置
4 苗植付部
5 施肥装置
10 前輪
11 後輪
11a 後輪車軸
12 ミッションケース
13 前輪伝動ケース
15 メインフレーム
18 後輪伝動ケース
20 エンジン
26 植付伝動軸
67 補助伝動ケース
68 補助作業装置
69 走行伝動部材
71 接続部材
72 出力ベベルギア
73 入力ベベルギア
75 車軸
76 出力ベベルギア
77 入力ベベルギア
79 補助作業出力軸
80 前輪サスペンション
81 アッパーケース
82 ロワーケース
83 スプリング
84 サスペンション機構
85 フランジ部
86 入力軸
86a 歯車
87 歯車
90 ストッパ部
91 フランジ部
92 ストッパ板
93 カバー
94 キングピン
100 植付操作部材(植付操作レバー)
101 回動軸
102 レバー下端部
105 植付クラッチ装置
106 クラッチ本体
107 クラッチ入切部材(クラッチ入切ピン)
110 連動部材(連動ロッド)
111 植付切替部材
112 逆転防止部材(逆転防止アーム)
113 取付部
114a 規制部
114b 規制部
114c 規制部
115 逆転防止付勢部材(逆転防止スプリング)
121 作動油移動部材
121a 送油ホース
121b リターンホース
130 前部フレーム
131 前側梁フレーム
132 第1梁フレーム
133 後部フレーム
134 連結フレーム
135 第2梁フレーム
136 リアフレーム(リンクフレーム)
137 中央フレーム
138 第1エンジンフレーム
139 第2エンジンフレーム
140 ハーネスガイド
141 取付ステー
142 角チューブ
143 斜めフレーム
144 サイドフレーム
145 補強フレーム
150 空間部
155 セルモータ
156 セルモータカバー
157 エンジンファン
158 エンジンファンカバー
170 植付フレーム
171 取付ステー
172 泥除け板
173 固定具
174 回動部
175 ガイド穴
176 ストッパ
177 位置決め穴
178 付勢部材
S エンジンマウントスペース

Claims (7)

  1. 走行車体と、
    前記走行車体の後部に積載された苗を植え付ける苗植付部と、
    前記苗植付部の昇降動作および植付動作の少なくともいずれかを入切する場合に操作される植付操作部材と、
    前記植付操作部材の入切操作によって前記苗植付部へ伝達される動力を接続/接続解除する植付クラッチ装置と、
    前記植付操作部材に接続され、前記入切操作に応じて移動することで該入切操作の動力を前記植付クラッチ装置へ伝達する連動部材と、
    前記連動部材に接続され、前記植付操作部材の入切操作の位置にあわせて前記植付クラッチ装置の接続/接続解除状態を切り替える植付切替部材と
    を備えることを特徴とする苗移植機。
  2. 前記連動部材は、
    前記植付操作部材の植付動作に対する切操作に応じて前記植付クラッチ装置を接続解除する逆転防止部材を備えること
    を特徴とする請求項1に記載の苗移植機。
  3. 前記連動部材は、
    前記逆転防止部材が取り付けられ、前記連動部材の移動方向に可動であって該移動方向における両端部が円弧状に突出した取付部と、
    前記取付部よりも前記植付操作部材側に設けられ、前記取付部を前記連動部材の先端側へ付勢する逆転防止付勢部材と
    を備え、
    前記逆転防止付勢部材は、
    前記植付操作部材の前記苗植付部の上昇動作に対する入操作の位置で最も収縮する長さであること
    を特徴とする請求項2に記載の苗移植機。
  4. 前記走行車体は、
    作動油を貯留するオイルタンクと、
    前記オイルタンクから作動油を移動させる作動油移動部材と、
    前記植付クラッチ装置から前記苗植付部へ動力を伝達する植付伝動軸と
    を備え、
    前記作動油移動部材は、
    機体の左右方向のいずれかへ寄せた位置に配置され、
    前記連動部材は、
    機体の左右方向における前記作動油移動部材と同方向へ寄せた位置、かつ、前記植付伝動軸と平行となる位置に配置されること
    を特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の苗移植機。
  5. 機体の前後方向において機体フレームの第1梁フレームおよび第2梁フレームの間に設けられ、軽量エンジンを支持する第1エンジンフレームと、
    前記第1エンジンフレームおよび前記機体フレームの後部を形成する左右一対の連結フレームに対して着脱可能に設けられ、重量エンジンを支持する第2エンジンフレームと
    をさらに備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の苗移植機。
  6. 前記苗植付部を昇降させる昇降リンク装置と、
    前記昇降リンク装置を前記機体フレームの後部に取り付ける左右一対のリンクフレームと、
    前記一対の連結フレームおよび前記一対のリンクフレームのそれぞれの上部が取り付けられる取付ステーと、
    前記一対の連結フレームおよび前記一対のリンクフレームのそれぞれの下部が取り付けられる左右一対の後部フレームと
    をさらに備え、
    前記連結フレーム、前記リンクフレームおよび前記後部フレームによってトラスが形成されるとともに、前記取付ステーに他の装置が配置される空間が形成されること
    を特徴とする請求項5に記載の苗移植機。
  7. 前記一対の後部フレームの後部および前記一対のリンクフレームの下部の間に形成された空間部と、
    前記一対のリンクフレームの下部に設けられ、前記走行車体の後輪に駆動力を伝達する左右一対の後輪伝動ケースと、
    前記一対の後輪伝動ケースに着脱可能に設けられ、機体に装着される他の装置に対して駆動力を伝達する他の伝動ケースと
    をさらに備えることを特徴とする請求項6に記載の苗移植機。
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