以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。
[全体構成]
以下、実施の形態に係るリモコン装置について説明する。図1は、実施の形態に係るリモコン装置の使用状態を模式的に示す斜視図である。図1に示すように、リモコン装置1は、赤外線信号を発信して、例えばテレビ200などの電子機器を遠隔操作するものである。リモコン装置1は、略直方体状に形成されており、ユーザーによって把握されて用いられる。
図2は、本実施の形態に係るリモコン装置の構成を示す正面図である。図3は、本実施の形態に係るリモコン装置の構成を示す側面図である。図4は、本実施の形態に係るリモコン装置の構成を示す裏面図である。図5は、本実施の形態に係るリモコン装置を長手方向の一端側から見た図である。図6は、本実施の形態に係るリモコン装置を長手方向の他端側から見た図である。
なお、以下の説明において、リモコン装置1を正面から見て長手方向を上下方向とし、リモコン装置1を正面から見て幅方向を左右方向とし、リモコン装置1の奥行方向を前後方向とする。
図2〜図6に示すように、リモコン装置1は、リモコン本体2と、複数の操作ボタン3と、複数の発信部4とを備えている。
リモコン本体2は、例えば略直方体状に形成されている。リモコン本体2の前面は、操作面21であり、複数の操作ボタン3が上下方向に沿って配列されている。
また、操作ボタン3は、本実施の形態では6つ設けられている。具体的には、操作ボタン3には、テレビ200の電源のON/OFFを切り替えるための第1ボタン3aと、テレビ200のチャンネルをアップさせるための第2ボタン3bと、テレビ200のチャンネルをダウンさせるための第3ボタン3cと、音量を増加させるための第4ボタン3dと、音量を減少させるための第5ボタン3eと、地上デジタル放送、BSデジタル放送、CSデジタル放送を切り替えるための第6ボタン3fと、がある。そして、操作面21の上から順に、第1ボタン3a、第2ボタン3b、第3ボタン3c、第4ボタン3d、第5ボタン3e及び第6ボタン3fが上下方向に沿って一列に配列されている。
また、複数の操作ボタン3は、その表面が全ての操作ボタン3で視覚的に異なる。具体的には、操作ボタン3の表面の色又は柄が複数の操作ボタン3の全てで異なっている。
操作ボタン3は、ユーザーが押すことで操作面21に対して沈み込み、またユーザーが手を離すと元の位置に復帰する押下式ボタンである。この操作ボタン3の操作面21から露出した部分(露出部31)が平面視略円形状になっている。全ての操作ボタン3の露出部31は、平面視した場合の大きさ及び外形が同じ形状となっている。
図7は、操作ボタン3の露出部31の構成を示す断面図であり、(a)は第1ボタン3a及び第2ボタン3bの構成を示し、(b)は第3ボタン3c〜第6ボタン3fの構成を示している。
図2及び図7に示すように、露出部31の平面視中央部には、平面視略円形状の凹部32が設けられている。凹部32の表面は、内側に向かって凹んだ曲面に形成されている。また、露出部31における凹部32よりも外側の円環状部33の表面は、外側に向かって凸となる曲面に形成されている。
そして、図7の(a)に示すように、第1ボタン3a及び第2ボタン3bの凹部32には、突起34が設けられている。具体的には、凹部32の上部の周縁部に突起34が配置されている。突起34の先端部は、凹部32と円環状部33との境界部分よりも、前方に突出している。また、この突起34は、図7の(b)に示すように、第3ボタン3c〜第6ボタン3fには設けられていない。
これらの操作ボタン3は、図2に示すように、操作面21に形成された第1の収納凹部5と、第2の収納凹部6とに収納されている。操作ボタン3は、押下されていない状態の場合でも操作面21から突出しないように第1の収納凹部5と第2の収納凹部6とに収納されている(図3参照)。これにより操作面21が例えば床、卓上などに接したとしても、操作ボタン3は押下されず、誤操作を防止することができる。
第1の収納凹部5は、複数の操作ボタン3のうち、機能が類似する一対の操作ボタン3だけをまとめて収納するものである。ここで、「機能が類似する」とは、操作対象であるテレビ200に対する操作が類似していることを意味する。具体的には、機能が類似する一対の操作ボタン3としては、チャンネルを増減するための第2ボタン3bと第3ボタン3cという組み合わせと、音量を増減するための第4ボタン3dと第5ボタン3eという組み合わせとが挙げられる。第2ボタン3bと第3ボタン3cとは、チャンネルの進行方向は異なるものの、チャンネルを切り替えるという点では一致しているため、「機能が類似する」に含まれる。他方、第4ボタン3dと第5ボタン3eとは、音量増加操作及び音量減少操作と異なるものの、音量を変更するという点では一致しているため、「機能が類似する」に含まれる。
このように、機能が類似する一対の操作ボタン3は、例えばテレビ200などの電子機器の出力の一種類(音量、チャンネル等)を段階的に切り替えるための赤外線信号を発信させるボタンであり、かつ一方の操作ボタン3が出力を増加させるための赤外線信号を発信させるボタンであり、他方の操作ボタン3が出力を減少させるための赤外線信号を発信させるボタンであればよい。
第1の収納凹部5は、2つ設けられており、一方がチャンネル用の収納凹部51であり、他方が音量用の収納凹部52である。
収納凹部51は、第2ボタン3bと第3ボタン3cとをまとめて収納するように、上下方向に長い平面視略楕円形状に形成されている。収納凹部51の底部には、第2ボタン3bと第3ボタン3cとを個別に露出させるための開口511b,511cが設けられている。収納凹部51内において開口511b,511cの間には、一対の突部512が設けられている。一対の突部512は左右方向に延在した直線状に形成されており、これらが互いに左右方向に間をあけて配置されている。
収納凹部52は、第4ボタン3dと第5ボタン3eとをまとめて収納するように、上下方向に長い平面視略楕円形状に形成されている。収納凹部52の外形は、平面視で収納凹部51の外形と略同じ形状となっている。収納凹部52の底部には、第4ボタン3dと第5ボタン3eとを個別に露出するための開口521d,521eが設けられている。収納凹部52内において開口521b,521cの間には、1つの突部522が設けられている。突部522は左右方向に延在した直線状に形成されている。
第2の収納凹部6は、複数の操作ボタン3のうち、機能が類似する一対の操作ボタン3(第2ボタン3bと第3ボタン3cという組み合わせ、第4ボタン3dと第5ボタン3eという組み合わせ)以外の操作ボタン3(第1ボタン3a、第6ボタン3f)を個別に収納するものである。
第2の収納凹部6は、2つ設けられており、一方が電源用の収納凹部61であり、他方が放送切替用の収納凹部62である。
収納凹部61は、第1ボタン3aを収納するように、平面視円形状に形成されている。収納凹部61の底部には、第1ボタン3aを露出する開口611が形成されている。収納凹部61の上下方向の中央部であって、収納凹部61の周縁部には、内側に向かって突出した突部612が形成されている。
収納凹部62は、第6ボタン3fを収納するように、平面視円形状に形成されている。収納凹部62の底部には、第6ボタン3fを露出する開口621が形成されている。
このように、複数の操作ボタン3の形状と当該操作ボタン3の周囲の形状との組み合わせが、複数の操作ボタン3の全てで異なっている。前記組み合わせが異なるとは、操作ボタン3の形状と当該操作ボタン3の周囲の形状との少なくとも1つが全ての操作ボタン3で異なっていればよい。これにより、ユーザーは操作ボタン3とその周囲とを触ることによって各操作ボタン3を識別することができる。具体的には、第1ボタン3aにおいては、当該第1ボタン3aに備わる突起34と、収納凹部61に備わる突部612との組み合わせが他の操作ボタン3とは異なる。第2ボタン3bにおいては、当該第2ボタン3bに備わる突起34と、第2ボタン3bの下方に設けられた一対の突部512との組み合わせが他の操作ボタン3とは異なる。第3ボタン3cにおいては、突起34を有さない第3ボタン3cの表面形状と、第3ボタン3cの上方に設けられた一対の突部512との組み合わせが他の操作ボタン3とは異なる。第4ボタン3dにおいては、突起34を有さない第4ボタン3dの表面形状と、第4ボタン3dの下方に設けられた突部522との組み合わせが他の操作ボタン3とは異なる。第5ボタン3eにおいては、突起を有さない第5ボタン3eの表面形状と、第5ボタン3eの上方に設けられた突部522との組み合わせが他の操作ボタン3とは異なる。第6ボタン3fにおいては、突起を有さない第6ボタン3fの表面形状と、突部を有さない収納凹部62との組み合わせが他の操作ボタン3とは異なる。
また、操作面21には、各操作ボタン3を識別するための識別情報7a〜7hが表記されている。各識別情報7a〜7hの上下方向は、リモコン装置1の上下方向と一致している。
具体的には、操作面21における第1ボタン3aの上方には、例えば「電源」という第1識別情報7aが表記されている。この第1識別情報7aは、第1ボタン3aが電源のON/OFFを切り替えるためのものであることを示す。
操作面21における収納凹部51の上方には、例えば「チャンネル」という第2識別情報7bが表記されている。この第2識別情報7bは、第2ボタン3b及び第3ボタン3cがチャンネルを変更するためのものであることを示す。
操作面21における第2ボタン3bの左方には、例えば、上向きの矢印を模した第3識別情報7cが表記されている。第2識別情報7bと第3識別情報7cとで、第2ボタン3bがチャンネルをアップさせるためのものであることを示す。
操作面21における第3ボタン3cの左方には、例えば、下向きの矢印を模した第4識別情報7dが表記されている。第2識別情報7bと第4識別情報7dとで、第3ボタン3cがチャンネルをダウンさせるためのものであることを示す。
操作面21における収納凹部52の上方には、例えば「音量」という第5識別情報7eが表記されている。この第5識別情報7eは、第4ボタン3d及び第5ボタン3eが音量を変更するためのものであることを示す。
操作面21における第4ボタン3dの左方には、例えば、「+」という第6識別情報7fが表記されている。第5識別情報7eと第6識別情報7fとで、第4ボタン3dが音量を増加させるためのものであることを示す。
操作面21における第5ボタン3eの左方には、例えば、「−」という第7識別情報7gが表記されている。第5識別情報7eと第7識別情報7gとで、第5ボタン3eが音量を減少させるためのものであることを示す。
操作面21における第6ボタン3fの上方には、例えば「地デジ/BS/CS」という第8識別情報7hが表記されている。この第8識別情報7hは、第6ボタン3fが地上デジタル放送、BSデジタル放送、CSデジタル放送を切り替えるためのものであることを示す。
なお、識別情報7a〜7hは、操作面21の表面への印刷に限らず、操作面21から突出させた形状にしたり、点字を付すことにより、各操作ボタン3を識別させることもできる。
また、リモコン本体2の操作面21とは反対側の裏面22には、電池23が収納される電池収納部(図示省略)と、電池収納部を開閉する蓋体25とが設けられている。蓋体25には、リモコン装置1とは別体の支持具に、当該リモコン装置1を固定するための雌ネジ部26が設けられている。支持具は、リモコン装置1を支持するものであり、雌ネジ部26に螺合する雄ネジを有している。支持具としては例えば三脚などが挙げられる。なお、雌ネジ部26は、裏面22に限らず、操作面21、上面28、下面29及び両側面の少なくとも一つの面に設けられていてもよい。
蓋体25の上部には、楕円形状の凹部27が設けられており、ユーザーが凹部27に触れると、その部分がリモコン本体2の上部であることをユーザーに認識させるようになっている。
発信部4は、指向性を有する赤外線信号を発信する発信部であり、例えば赤外線光を発光する赤外線LEDなどである。本実施の形態では、発信部4は3つ設けられている。
第1の発信部41及び第2の発信部42は、第1の発信部41から発信された赤外線信号の進行方向と、第2の発信部42から発信された赤外線信号の進行方向とが、操作面21と略平行な方向であって略逆向きとなるように、リモコン本体2に設けられている。なお、第1の発信部41から発信された赤外線信号の進行方向と、第2の発信部42から発信された赤外線信号の進行方向とは、操作面21に対して例えば、±10度の範囲に収まっていればよい。また、第1の発信部41から発信された赤外線信号の進行方向と、第2の発信部42から発信された赤外線信号の進行方向とは、完全に逆向きでなくてもよく、互いに概ね反対方向を向いていればよい。
具体的には、第1の発信部41は、赤外線信号をリモコン装置1の上方に向けて発信するように、リモコン本体2の上面28に設けられている。また、第2の発信部42は、赤外線信号をリモコン装置1の下方に向けて発信するように、リモコン本体2の下面29に設けられている。
第3の発信部43は、操作面21に対して直交する方向に赤外線信号を発信する。具体的には、第3の発信部43は、赤外線信号を後方に向けて発信するように、リモコン本体2の裏面22の上部に設けられている。
次に、リモコン装置1の制御構成について説明する。
図8は、リモコン装置1の制御構成を示すブロック図である。
図8に示すように、リモコン装置1の制御部8には、各操作ボタン3と、各発信部4と、スピーカ9とが電気的に接続されている。具体的には、制御部8は、CPU、ROM、RAMなどを備えており、ROMに格納されたプログラムがCPUに読み込まれることで、様々な機能を実現する。ROMには、予め各操作ボタン3に対応した赤外線信号が記憶されている。なお、赤外線信号は、各メーカーや、機種、製造年など毎に信号構造が異なっている。このため、ROMには、各種の信号構造に対応した複数種類の赤外線信号群が予め記憶(プリセット)されている。ここで、スピーカ9に代えてブザーを用いてもよい。
[リモコン装置の動作]
次に、リモコン装置1の動作について説明する。
リモコン装置1には、通常モードと、設定モードと、制限モードとがある。通常モードは、テレビ200を操作するためのモードである。設定モードは、テレビ200に対応した赤外線信号群に設定するためのモードである。制限モードは、第6ボタン3fの機能を制限するためのモードである。
各モードは、各操作ボタン3に対して所定の操作が行われることにより切り替えられる。所定の操作としては、例えば複数の操作ボタン3を同時に所定時間以上長押しする操作とする。切り替え先のモード毎に、長押しする複数の操作ボタン3を異ならせておけば、各モードの切り替えが可能である。以下では、設定モードに切り替えるための操作を第1操作とし、制限モードに切り替えるための操作を第2操作とし、通常モードに切り替えるための操作を第3操作とする。
以下、リモコン装置1の動作について具体的に説明する。
図9は、リモコン装置1の動作の流れを示すフローチャートである。
ステップS1では、制御部8は通常モードとする。
ステップS2では、制御部8は、操作ボタン3が押下されると、当該操作ボタン3に対応した赤外線信号を全ての発信部4から出力させる。このとき、各発信部4からの信号出力タイミングは、同時であってもよいし、わずかに時間差をつけていてもよい。
ステップS3では、制御部8は、第1操作が行われたか否かを判定する。制御部8は、第1操作が行われた場合にはステップS4に移行し、第1操作が行われなかった場合には、ステップS9に移行する。
ステップS4では、制御部8は、設定モードに切り替える。このとき、制御部8は、スピーカ9を制御して、設定モードに切り替わった旨を示す音をスピーカ9から出力させる。
ステップS5では、制御部8は、所定の操作ボタン3が操作されるたびに、異なる種類の赤外線信号群のうちチャンネルアップ用の赤外線信号を発信部4から出力させる。ROM中に記憶されている全種類の赤外線信号群のチャンネルアップ用の赤外線信号が出力された場合には、制御部8は、赤外線信号群が一巡した旨を示す音をスピーカ9から出力させる。テレビ200に対応した赤外線信号群のチャンネルアップ用の赤外線信号が発信部4から出力されると、テレビ200のチャンネルがアップする。これにより、ユーザーは、現在設定されている赤外線信号群がテレビ200に対応したものであることを認識する。
ステップS6では、制御部8は、決定操作が行われた否かを判定する。決定操作とは、現在の設定をその後も継続して使用することを決定するための操作である。決定操作は、設定モード時のチャンネルアップ用の操作と、第1操作と、第2操作と、第3操作とのいずれかとも異なる操作であればよい。そして、制御部8は、決定操作が行われていない場合にはステップS5に移行し、決定操作が行われた場合にはステップS7に移行する。
ステップS7では、制御部8は、決定操作の直前に発信された赤外線信号群の種類を、今後使用する赤外線信号群として決定する。このとき、制御部8は、スピーカ9を制御して、今後使用する赤外線信号群が決定された旨を示す音をスピーカ9から出力させる。
ステップS8では、制御部8は、第3操作が行われたか否かを判定する。制御部8は、第3操作が行われた場合にはステップS1に移行して通常モードに切り替え、第3操作が行われなかった場合には、ステップS5に移行する。
ステップS9では、制御部8は、第2操作が行われたか否かを判定する。制御部8は、第2操作が行われた場合にはステップS10に移行し、第2操作が行われなかった場合には、ステップS1に移行する。
ステップS10では、制御部8は、制限モードに切り替える。このとき、制御部8は、スピーカ9を制御して、制限モードに切り替わった旨を示す音をスピーカ9から出力させる。
ステップS11では、制御部8は、所定の操作ボタン3が操作されるたびに、有効化される放送の候補を切り替える。ユーザーは所定の操作ボタン3を押下することで、地上デジタル放送、BSデジタル放送、CSデジタル放送から有効化する1つ〜3つの放送を選択する。このとき、制御部8は、スピーカ9を制御して、現在有効化候補として選択されている放送を示す音をスピーカ9から出力させる。なお、ユーザーにわかりやすくするため、有効化候補を音声で出力してもよい。
ステップS12では、制御部8は、決定操作が行われた否かを判定する。ここでの決定操作は、制限モード時の放送選択用の操作と、第1操作と、第2操作と、第3操作とのいずれかとも異なる操作であればよい。そして、制御部8は、決定操作が行われていない場合にはステップS11に移行し、決定操作が行われた場合にはステップS13に移行する。
ステップS13では、制御部8は、決定操作の直前に選択されていた有効化候補の放送を、有効化する放送として決定する。このとき、制御部8は、スピーカ9を制御して、有効化される放送が決定された旨を示す音をスピーカ9から出力させる。決定後においては、制御部8は、放送切り替え用の第6ボタン3fが操作されたとしても、有効化されていない放送への切り替えができないようにする。つまり、有効化する放送が2以下である場合には、第6ボタン3fの機能が制限されることになる。
ステップS14では、制御部8は、第3操作が行われたか否かを判定する。制御部8は、第3操作が行われた場合にはステップS1に移行して通常モードに切り替え、第3操作が行われなかった場合にはステップS11に移行する。
なお、制限モードにおいて、地上デジタル放送、BSデジタル放送、CSデジタル放送から有効化する1つ〜3つの放送を選択する代わりに、1つ〜3つの放送を無効化するようにしてもよい。ここで、BSデジタル放送及びCSデジタル放送を無効化した場合には、第6ボタン3fそのものの機能を制限してもよい。つまり、第6ボタン3fを操作できなくすることによって、地上デジタル、BSデジタル、CSデジタルのいずれかの放送に固定して使用できるようにしてもよい。
[操作時におけるリモコン装置の状態]
次に、操作時におけるリモコン装置1の状態について具体的に説明する。
図10は、操作時におけるリモコン装置1の状態を示す模式図である。
なお、上述したように、リモコン装置1では、操作ボタン3が押下されると、当該操作ボタン3に対応した赤外線信号が全ての発信部4から発信されるが、図10では、テレビ200で主に受信される赤外線信号のみを実線で示し、他の赤外線信号は破線で示している。
図10の(a)は、椅子300に座ったユーザーがテレビ200に対峙した状態でリモコン装置1を用いる場合を図示している。この場合、ユーザーは、リモコン装置1の上面28、つまり第1の発信部41をテレビ200に向けてリモコン装置1を操作する。このため、テレビ200は、第1の発信部41から発せられた赤外線信号を主に受信する。
図10の(b)は、ベッド301に座ってテレビ200に対峙したユーザーが、操作面21の各識別情報7a〜7hを確認しながらリモコン装置1を操作する場合を図示している。この場合、ユーザーは、リモコン装置1の裏面22、つまり第3の発信部43をテレビ200に向けてリモコン装置1を操作する。このため、テレビ200は、第3の発信部43から発せられた赤外線信号を主に受信する。
図10の(c)は、図10の(b)の状態から寝そべって、頭をテレビ200とは反対側に向けたユーザーが、操作面21の各識別情報7a〜7hを確認しながらリモコン装置1を操作する場合を図示している。この場合、ユーザーは、リモコン装置1の下面29、つまり第2の発信部42をテレビ200に向けてリモコン装置1を操作する。このため、テレビ200は、第2の発信部42から発せられた赤外線信号を主に受信する。
[効果等]
以上説明したように、リモコン本体2の操作面21には、複数の操作ボタン3のうち、機能が類似する一対の操作ボタン3をまとめて収納する第1の収納凹部5が形成されている。
心理学では、いわゆるマジカルナンバーという考えがある。この考えでは、人間が短期的に記憶できる個数は4個±2個(或いは7個±2個という説もある)と言われている。いずれにおいてもユーザーが初見で認識する個数を極力小さくしておけば、それだけ簡単な印象を与えることができる。本実施の形態では、第1の収納凹部5が一対の操作ボタン3を1つの操作対象としてユーザーに錯覚させることができ、高齢者若しくは障がい者が操作ボタン3を見ることで感じる心理的な負担を抑制することができる。
また、機能が全く異なる操作ボタン3がまとめられていると、ユーザーに混乱を与えたり、誤操作を誘発するおそれがあるが、機能が類似する一対の操作ボタン3が第1の収納凹部5にまとめられているので、誤操作を抑制することができる。
また、リモコン本体2の操作面21には、複数の操作ボタン3のうち、機能が類似する一対の操作ボタン3以外の操作ボタン3を個別に収納する第2の収納凹部6が形成されている。これにより、全ての操作ボタン3が第1の収納凹部5若しくは第2の収納凹部6に収納される。
例えば手が不自由なユーザーがリモコン装置1を使用する場合を想定する。全ての操作ボタン3が収納凹部5,6に収納されているために、収納凹部5,6内に指示体(ペンなどの支持棒、指など)を入れれば、収納凹部5,6の内壁面がそれ以上の指示体の移動を遮る。このため、ユーザーは押したい操作ボタン3に対して確実に指示体を案内することができる。
また、第1の収納凹部5内には、一対の操作ボタン3の間に突部512,522が形成されているので、第1の収納凹部5内においても突部512,522によって指示体の移動が遮られることになる。したがって、第1の収納凹部5内の一対の操作ボタン3を誤操作しにくくすることができる。
また、第1の収納凹部5が2以上あり、2以上の第1の収納凹部5内の突部512,522はそれぞれ形状が異なっているので、ユーザーは、これらの突部512,522を触ることによって各第一の収納凹部5を目視しなくとも識別することができる。
また、複数の操作ボタン3の形状と当該操作ボタン3の周囲の形状との組み合わせが、複数の操作ボタン3の全てで異なっている。このため、ユーザーが操作ボタン3とその周囲とを触ることによって各操作ボタン3を目視しなくとも識別することができる。
また、複数の操作ボタン3のうち、テレビ200の電源のON/OFFを切り替えるための第1ボタン3aの形状と、当該第1ボタン3aの周囲の形状との組み合わせも、他の操作ボタン3の組み合わせと異なっている。第1ボタン3aは、テレビ200を操作する際に最初に用いられるべきものであるので、テレビ200を操作するうえで優先度の高い第1ボタン3aを目視しなくとも識別することができる。
また、操作ボタン3の平面視中央部には凹部32が形成されているので、凹部32に指示体を引っ掛けることができ、より操作ボタン3を操作しやすくすることができる。
また、複数の操作ボタン3の少なくとも1つの凹部32の周縁部に突起34が設けられているので、突起のない操作ボタン3との触覚的な差異を付けることができる。これにより、ユーザーが操作ボタン3だけを触っただけで、突起34のある操作ボタン3と、突起のない操作ボタン3とを識別することができる。また、突起34は、凹部32の周縁部に設けられているために、凹部32の内面に指が当たる前に突起34が指に触れることになる。このため突起34が存在していることを確実にユーザーに知らしめることができる。
また、複数の操作ボタン3の表面の色又は柄が複数の操作ボタン3の全てで異なっているので、ユーザーは目視によりすべての操作ボタン3を識別することができる。
また、地上デジタル放送、BSデジタル放送、CSデジタル放送を切り替えるための第6ボタン3fの機能が制限可能であるので、ユーザーにとって不要な機能の一部または全部を制限することができる。
また、第1の発信部41から発信された赤外線信号の進行方向と、第2の発信部42から発信された赤外線信号の進行方向とが、操作面21の面方向に沿う方向であって逆向きとなっている。そして、制御部8は、操作ボタン3が操作されると、当該操作ボタン3に対応した赤外線信号を第1の発信部41と第2の発信部42から発信させる。つまり、第1の発信部41がテレビ200とは反対側を向くような姿勢をユーザーが取っていたとしても、第2の発信部42からも同じ赤外線信号が発信される。このため、ユーザーはリモコン装置1の向きを気にしなくとも、楽な姿勢でリモコン装置1を操作することができる。したがって、ユーザーに与える負担を抑制することができる。
また、操作ボタン3を識別するための識別情報7a〜7hは、第1の発信部41から発せられた赤外線信号の進行方向を上にし、第2の発信部から発せられた赤外線信号の進行方向を下として表記されている。図10の(c)に示すようなテレビ200とユーザーとの位置関係で、ユーザーが操作面21の各識別情報7a〜7hを確認しながらリモコン装置1を操作する場合に、第2の発信部42をテレビ側に向けることができる。
また、リモコン本体2の裏面22には、操作面21に対して直交する方向に赤外線信号を発信する第3の発信部43が設けられている。図10の(b)に示すようなテレビ200とユーザーとの位置関係で、ユーザーが操作面21の各識別情報7a〜7hを確認しながらリモコン装置1を操作する場合に、第3の発信部43をテレビ側に向けることができる。
また、指向性を有する赤外線信号を発信する複数の発信部4によって、3方向へ赤外線信号を発信しているだけなので、全方位にリモコン信号を発する発信部を用いた場合と比しても消費電力及び製造コストを抑制することができる。
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態に係る照明器具について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。なお、以下の説明において、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。
例えば、上記実施の形態では、識別情報7a〜7hが、第1の発信部41から発せられる赤外線信号の進行方向を上とする場合を例示して説明した。しかしながら、リモコン装置1を横置きで用いる場合を優先する場合には、第1の発信部41から発せられる赤外線信号の進行方向に直交する方向を上として識別情報7a〜7hを操作面21に表記してもよい。
図11は、横置きで用いられるリモコン装置1Aの構成を示す正面図である。
図11に示すように、識別情報7a〜7hは、リモコン装置1の右側を上として操作面21に表記されている。この場合、第1ボタン3a及び第2ボタン3bの突起34が、識別情報7a〜7hの上方を向くように、第1ボタン3a及び第2ボタン3bが位置合わせされている。また、図示はしてないが、リモコン本体2の右側面30には、第4の発信部が設けられている。第4の発信部は、操作面21の面方向に沿う方向であって、リモコン装置1の右方向(識別情報7a〜7hからすると上方向)に向けて、赤外線信号を発信する。この場合においても、制御部8は、操作ボタン3が押下されると、当該操作ボタン3に対応した赤外線信号を全ての発信部4から出力させる。
なお、このようなリモコン装置1Aは、主に卓上に横置きされた状態で用いられることが想定されている。手の不自由なユーザーにとっては、押下する操作ボタン3を選択する際に、肘を支点にしてユーザーから見た左右方向に手を動かす方が、前後方向に移動させるよりも容易である。もちろん、上記実施の形態の場合と同様に、図11に示すリモコン装置1Aを把握して用いてもよい。
また、リモコン本体2の裏面22に、外部の構造体に対して取り付け自在な取付部材を設けてもよい。
図12は、取付部材が取り付けられたリモコン装置を示す側面図である。図13は、取付部材が取り付けられたリモコン装置を示す裏面図である。
ここで、外部の構造体10とは、リモコン装置1を取付可能な、屋内に設置された構造体のことであり、例えばベッド、机などの家具の一部が挙げられる。
図12及び図13に示すように、取付部材70は、例えば樹脂等によって側面視フック状に一体成型されており、雌ネジ部26に螺合するネジ71を介してリモコン本体2の裏面22に取り付けられている。取付部材70は、固定部72と、保持部73とを備える。
固定部72は、リモコン本体2の裏面22に固定される部分であり、ネジ71が挿通される貫通孔74を有している。ネジ71は、貫通孔74を介して雌ネジ部26に螺合することで、取付部材70をリモコン本体2の裏面22に固定する。
保持部73は、湾曲部75と、ガイド部76とを備える。湾曲部75は、固定部72の下端部から後方に向けて凸となっており、内側に構造体が収容される。ガイド部76は、構造体10を湾曲部75の内側に案内する部分である。ガイド部76は、湾曲部75の下端部からリモコン本体2の裏面22と略平行に下方に向けて延在している。ガイド部76の先端部は、後方に向けて傾くように形成されている。ガイド部76とリモコン本体2の裏面22との間隔は、取付対象として想定される構造体10の太さよりも小さくされている。
取付部材70が装着されたリモコン装置1を構造体10に取り付ける際には、ガイド部76の先端部側から構造体10を押し込む。これにより、湾曲部75が撓んでガイド部76がリモコン本体2の裏面22から離れる。ガイド部76に沿わせながら構造体を押しこむことで、構造体10は湾曲部75の内側に案内される。構造体10が湾曲部75の内側に収まると、湾曲部75は元の形に戻り、構造体10の抜けを防止する。
また、ネジ71を雌ネジ部26から外せば、取付部材70をリモコン本体2から取り外せる。
このように、リモコン本体2の裏面22には、外部の構造体10に取り付け自在な取付部材70が設けられている。これにより、ユーザーが望んだ構造体10に取付部材70を介してリモコン装置1を取り付けることができる。
また、取付部材70がリモコン本体2の裏面22に対して着脱自在に設けられているので、用途に応じて取付部材70をリモコン装置1から着脱することができる。
なお、取付部材70をリモコン本体2に取り付ける構成は、上述したものに限らない。例えば、リモコン本体2の裏面22及び取付部材70の一方に凹部を設け、他方に当該凹部に嵌合する突部を設ける構成が挙げられる。この場合、凹部と凸部とを嵌合させることでリモコン本体2に取付部材70を固定することができる。また、リモコン本体2の裏面22及び取付部材70の一方に、一端が開放された直線状の溝を設け、他方に当該溝に嵌合する直線状の突部を設ける構成が挙げられる。この場合、開放された端部側から溝内に突部をスライドさせることでリモコン本体2に取付部材70を固定することができる。
また、取付部材としては、外部の構造体10に取付可能なものであればその形状は如何様でもよい。例えば、クリップ状、ストラップ状などが挙げられる。また、構造体の大きさ、形状に応じて、大きさ或いは形状の異なる複数種類の取付部材70を予め準備していてもよい。
また、上記実施の形態では、電子機器を遠隔操作するリモコン装置1を例示して説明したが、有線で接続された電子機器を操作するリモコン装置であってもよい。
また、リモコン装置1の操作対象は、テレビ200以外の電子機器であってもよい。テレビ200以外の電子機器としては、例えば、録画再生装置、オーディオ等の映像・音響機器、エアコン、扇風機等の空調機器、LED照明等の照明機器などが挙げられる。
ここで、映像・音響機器を操作対象とした場合、例えば、機能が類似する一対の操作ボタンとしては、早送り用の操作ボタンと巻き戻し用の操作ボタンとの組み合わせ、コンテンツ送り(曲単位、チャプタ単位などの送り)用の操作ボタンとコンテンツ戻し用(曲単位、チャプタ単位などの戻し)の操作ボタンとの組み合わせなどが挙げられる。また、送り方向が同じという類似点から、早送り用の操作ボタンとコンテンツ送り用の操作ボタンとの組み合わせ、巻き戻し用の操作ボタンとコンテンツ戻し用の操作ボタンとの組み合わせを用いてもよい。
空調機器を操作対象とした場合、例えば、設定温度上昇用の操作ボタンと設定温度下降用の操作ボタンとの組み合わせ、風量アップ用の操作ボタンと風量ダウン用の操作ボタンとの組み合わせなどが挙げられる。
照明機器を操作対象とした場合、例えば、明るさアップ用の操作ボタンと明るさダウン用の操作ボタンとの組み合わせなどが挙げられる。
また、上記の実施の形態では、機能を制限する操作ボタン3として、地上デジタル放送、BSデジタル放送、CSデジタル放送を切り替えるための第6ボタン3fを例示して説明した。しかし、その他の操作ボタン3の機能を制限することも可能である。例えば、ユーザーがチャンネルを変更するつもりであっても、ユーザー自身の誤操作によって音量を増加させてしまうことも考えられる。人によっては、予想外に音量が増加することでパニックになってしまう人もいる。このような人向けに、音量増加用の操作ボタン(第4ボタン3d)の機能を制限するようにしてもよい。
なお、上記の実施の形態では、操作ボタン3の機能を制御部8の制御によって制限する場合を例示して説明したが、例えば、機械的或いは電気的に機能を制限することも可能である。機械的に制限する場合には、操作ボタン3が操作面21から沈み込むことを規制する機構を設け、その機構による規制と、規制の解除とを機械的な構造で切り替えるようにすればよい。電気的に制限する場合には、操作ボタン3の電気導通を無効化する切り替えスイッチを設けるようにすればよい。
また、上記の実施の形態では、リモコン本体2の操作面21に、一方向に沿って配列された複数の操作ボタン3を例示して説明した。しかし、図14に示すように、機能が類似する一対の操作ボタン3b,3c,3d,3eをそれぞれ長手方向に対して斜めとなるように配列してもよい。そして、各一対の操作ボタン3b,3c,3d,3eに対応して、第1の収納凹部51a,52aも長手方向に対して傾斜させてもよい。この場合、リモコン装置1の長手方向の長さを短くすることができる。なお、第1の収納凹部51a,52aの傾きは、右傾斜であっても左傾斜であってもよく、ユーザーの利き腕(右利き、左利き)や、症状(右麻痺、左麻痺)に応じて扱いやすい傾斜方向を選択すればよい。