JP2016207765A - ウエーハの加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ウエーハの表面に形成されたデバイスにダメージを与えることなく、ウエーハの内部に分割予定ラインに沿って確実に改質層を形成することができるウエーハの加工方法を提供する。【解決手段】被加工物保持手段(チャックテーブル)36の保持面にウエーハ10の表面側を対面して保持するウエーハ保持工程と、集光器52を有するレーザー光線照射手段から照射されるパルスレーザー光線LBの集光スポットPをウエーハの裏面10b側から内部に位置付けて照射するとともに被加工物保持手段とレーザー光線照射手段とを相対的に加工送りしてウエーハの内部に分割予定ラインに沿って改質層100を形成する改質層形成工程とを含む。改質層形成工程においては、集光スポットにおける加工送り方向後方の一部を加工送り方向に直交する方向に遮光してウエーハの内部に位置付ける。【選択図】図5

Description

本発明は、表面に複数の分割予定ラインが格子状に形成されているとともに該複数の分割予定ラインによって区画された複数の領域にデバイスが形成されたウエーハの内部に、分割予定ラインに沿って改質層を形成するウエーハの加工方法に関する。
半導体デバイス製造工程においては、略円板形状である半導体ウエーハの表面に格子状に配列された分割予定ラインによって複数の領域が区画され、この区画された領域にIC、LSI等のデバイスを形成する。そして、ウエーハを分割予定ラインに沿って切断することによりデバイスが形成された領域を分割して個々のデバイスを製造している。
上述したウエーハの分割予定ラインに沿って分割する方法として、ウエーハに対して透過性を有する波長のパルスレーザー光線を用い、分割すべき領域の内部に集光点を合わせてパルスレーザー光線を照射するレーザー加工方法も試みられている。このレーザー加工方法を用いた分割方法は、ウエーハの一方の面側から内部に集光点を位置付けウエーハに対して透過性を有する波長のパルスレーザー光線を照射し、ウエーハの内部に分割予定ラインに沿って改質層を連続的に形成し、この改質層が形成されることによって強度が低下した分割予定ラインに沿って外力を加えることにより、改質層を破断起点としてウエーハを分割予定ラインに沿って分割する技術であり、分割予定ラインの幅を狭くすることが可能となる(例えば、特許文献1参照)。
上述したようにウエーハの内部に分割予定ラインに沿って改質層を形成するレーザー加工に用いるパルスレーザー光線としては、ウエーハを形成するシリコンの吸収端が光の波長に換算して略1050nmであることから、波長が1064nmのYAGレーザーが一般に使用されている(例えば、特許文献2参照)。
しかるに、波長が1064nmのパルスレーザー光線を使用した場合、パルスレーザー光線の波長がシリコンの吸収端に近いことから集光点を挟む領域においてパルスレーザー光線の一部が吸収されて、十分な改質層が形成されず、ウエーハを個々のデバイスに分割できない場合がある。
このような問題を解消するために、波長が1300〜1400nmの範囲に設定されたパルスレーザー光線、例えば波長が1340nmのYAGレーザーを用いて改質層を形成することにより、集光点を挟む領域においてパルスレーザー光線の吸収が軽減されて良好な改質層を形成することができる加工方法が下記特許文献3に開示されている。
特許第3408805号公報 特開2005−95952号公報 特開2006−108459号公報
しかるに、ウエーハの裏面側から波長が1340nmのパルスレーザー光線の集光点をウエーハの内部に位置付けて分割予定ラインに沿って照射すると、パルスレーザー光線を照射した反対側(デバイスが形成されている表面側)にパルスレーザー光線が散乱し、散乱したパルスレーザー光線が分割予定ラインから外れてデバイスにダメージを与えるという新たな問題が生じた。
この問題を検証したところ、直前に照射されたパルスレーザー光線によって形成された改質層から微細なクラックが伝播し、このクラックに照射されたパルスレーザー光線が屈折または反射してデバイスをアタックすることが判った。
このような問題は、波長が1340nmのパルスレーザー光線ほどではないが、波長が1064nmのパルスレーザー光線においても発生することが検証された。
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、ウエーハの表面に形成されたデバイスにダメージを与えることなく、ウエーハの内部に分割予定ラインに沿って確実に改質層を形成することができるウエーハの加工方法を提供することである。
上記主たる技術課題を解決するため、本発明によれば、被加工物を保持する保持面を備えた被加工物保持手段と、該被加工物保持手段の保持面に保持された被加工物に対して透過性を有する波長のパルスレーザー光線を照射して被加工物の内部に改質層を形成するレーザー光線照射手段と、該被加工物保持手段と該レーザー光線照射手段とを相対的に加工送り方向に加工送りする加工送り手段とを具備するレーザー加工装置を用いて、表面に複数の分割予定ラインが格子状に形成されているとともに該複数の分割予定ラインによって区画された複数の領域にデバイスが形成されたウエーハの内部に、分割予定ラインに沿って改質層を形成するウエーハの加工方法であって、
該被加工物保持手段の保持面にウエーハの表面側を対面して保持するウエーハ保持工程と、
該レーザー光線照射手段から照射されるパルスレーザー光線の集光スポットをウエーハの裏面側から内部に位置付けて照射するとともに該被加工物保持手段と該レーザー光線照射手段とを相対的に加工送りしてウエーハの内部に分割予定ラインに沿って改質層を形成する改質層形成工程と、を含み、
該改質層形成工程においては、集光スポットにおける加工送り方向後方の一部を加工送り方向に直交する方向に遮光してウエーハの内部に位置付ける、
ことを特徴とするウエーハの加工方法が提供される。
上記改質層形成工程においては、集光スポットの20%を遮光することが望ましい。
本発明によるウエーハの加工方法においては、レーザー光線照射手段から照射されるパルスレーザー光線の集光スポットをウエーハの裏面側から内部に位置付けて照射するとともに被加工物保持手段とレーザー光線照射手段とを相対的に加工送りしてウエーハの内部に分割予定ラインに沿って改質層を形成する改質層形成工程は、集光スポットにおける加工送り方向後方の一部を加工送り方向に直交する方向に遮光してウエーハの内部に位置付けるので、直前に照射されたパルスレーザー光線によって形成された改質層から伝播されたクラックに照射されることによるパルスレーザー光線の散乱が抑制される。従って、パルスレーザー光線が散乱することによりウエーハの表面に形成されたデバイスをアタックしてデバイスにダメージを与えるという問題が解消される。
ウエーハとしての半導体ウエーハの斜視図。 図1に示す半導体ウエーハを環状のフレームに装着された粘着テープに貼着された状態を示す斜視図。 本発明によるレーザー加工方法を実施するためのレーザー加工装置の斜視図。 図3に示すレーザー加工装置に装備されるレーザー光線照射手段のブロック構成図。 本発明によるレーザー加工方法における改質層形成工程の説明図。 本発明によるレーザー加工方法における分割工程を実施するための分割装置の斜視図。 本発明によるレーザー加工方法における分割工程の説明図。
以下、本発明によるウエーハの加工方法について添付図面を参照して、更に詳細に説明する。
図1には、上述したレーザー加工装置によって加工される被加工物としての半導体ウエーハ10の斜視図が示されている。図1に示す半導体ウエーハ10は、厚みが100μmのシリコンウエーハからなっており、表面10aに複数の分割予定ライン101が格子状に形成されているとともに、該複数の分割予定ライン101によって区画された複数の領域にIC、LSI等のデバイス102が形成されている。なお、分割予定ライン101の幅は、図示の実施形態においては50μmに設定されている。
上述した半導体ウエーハ10の内部に分割予定ライン101に沿って改質層を形成するために図示の実施形態においては、先ず、半導体ウエーハ10の表面10aに合成樹脂からなるダイシングテープの表面を貼着するとともにダイシングテープの外周部を環状のフレームによって支持するウエーハ支持工程を実施する。即ち、図2に示すように、環状のフレームFの内側開口部を覆うように外周部が装着されたダイシングテープTの表面に半導体ウエーハ10の表面10aを貼着する。なお、ダイシングテープは、図示の実施形態においては塩化ビニール(PVC)シートによって形成されている。
次に、上記ウエーハ支持工程が実施された半導体ウエーハ10の内部に分割予定ライン101に沿って改質層を形成するためのレーザー加工装置について、図3を参照して説明する。
図3に示すレーザー加工装置2は、静止基台20と、該静止基台20に矢印Xで示す加工送り方向(X軸方向)に移動可能に配設され被加工物を保持するチャックテーブル機構3と、基台2上に配設されたレーザー光線照射手段としてのレーザー光線照射ユニット4とを具備している。
上記チャックテーブル機構3は、静止基台20上に加工送り方向Xに沿って平行に配設された一対の案内レール31、31と、該案内レール31、31上にX軸方向に移動可能に配設された第1の滑動ブロック32と、該第1の滑動ブロック32上に加工送り方向Xと直交する矢印Yで示す割り出し送り方向(Y軸方向)に移動可能に配設された第2の滑動ブロック33と、該第2の滑動ブロック33上に円筒部材34によって支持された支持テーブル35と、被加工物保持手段としてのチャックテーブル36を具備している。このチャックテーブル36は多孔性材料から形成された吸着チャック361を具備しており、吸着チャック361の上面である保持面上に被加工物である例えば円形状の半導体ウエーハを図示しない吸引手段によって保持するようになっている。このように構成されたチャックテーブル36は、円筒部材34内に配設された図示しないパルスモータによって回転せしめられる。なお、チャックテーブル36には、半導体ウエーハ10をダイシングテープTを介して支持する環状のフレームFを固定するためのクランプ362が配設されている。
上記第1の滑動ブロック32は、その下面に上記一対の案内レール31、31と嵌合する一対の被案内溝321、321が設けられているとともに、その上面に割り出し送り方向Yに沿って平行に形成された一対の案内レール322、322が設けられている。このように構成された第1の滑動ブロック32は、被案内溝321、321が一対の案内レール31、31に嵌合することにより、一対の案内レール31、31に沿ってX軸方向に移動可能に構成される。図示の実施形態におけるチャックテーブル機構3は、第1の滑動ブロック32を一対の案内レール31、31に沿ってX軸方向に移動させるための加工送り手段37を具備している。加工送り手段37は、上記一対の案内レール31と31の間に平行に配設された雄ネジロッド371と、該雄ネジロッド371を回転駆動するためのパルスモータ372等の駆動源を含んでいる。雄ネジロッド371は、その一端が上記静止基台20に固定された軸受ブロック373に回転自在に支持されており、その他端が上記パルスモータ372の出力軸に伝動連結されている。なお、雄ネジロッド371は、第1の滑動ブロック32の中央部下面に突出して設けられた図示しない雌ネジブロックに形成された貫通雌ネジ穴に螺合されている。従って、パルスモータ372によって雄ネジロッド371を正転および逆転駆動することにより、第1の滑動ブロック32は案内レール31、31に沿って加工送り方向Xに移動せしめられる。
上記第2の滑動ブロック33は、その下面に上記第1の滑動ブロック32の上面に設けられた一対の案内レール322、322と嵌合する一対の被案内溝331、331が設けられており、この被案内溝331、331を一対の案内レール322、322に嵌合することにより、割り出し送り方向Yに移動可能に構成される。図示の実施形態におけるチャックテーブル機構3は、第2の滑動ブロック33を第1の滑動ブロック32に設けられた一対の案内レール322、322に沿って割り出し送り方向Yに移動させるための割り出し送り手段38を具備している。割り出し送り手段38は、上記一対の案内レール322と322の間に平行に配設された雄ネジロッド381と、該雄ネジロッド381を回転駆動するためのパルスモータ382等の駆動源を含んでいる。雄ネジロッド381は、その一端が上記第1の滑動ブロック32の上面に固定された軸受ブロック383に回転自在に支持されており、その他端が上記パルスモータ382の出力軸に伝動連結されている。なお、雄ネジロッド381は、第2の滑動ブロック33の中央部下面に突出して設けられた図示しない雌ネジブロックに形成された貫通雌ネジ穴に螺合されている。従って、パルスモータ382によって雄ネジロッド381を正転および逆転駆動することにより、第2の滑動ブロック33は案内レール322、322に沿って割り出し送り方向Yに移動せしめられる。
上記レーザー光線照射ユニット4は、上記基台20上に配設された支持部材41と、該支持部材41によって支持され実質上水平に延出するケーシング42と、該ケーシング42に配設されたレーザー光線照射手段5と、ケーシング42の前端部に配設されレーザー加工すべき加工領域を検出する撮像手段6を具備している。なお、撮像手段6は、被加工物を照明する照明手段と、該照明手段によって照明された領域を捕らえる光学系と、該光学系によって捕らえられた像を撮像する撮像素子(CCD)等を備えており、撮像した画像信号を図示しない制御手段に送る。
上記レーザー光線照射手段5について、図4を参照して説明する。
図4に示すレーザー光線照射手段5は、パルスレーザー光線発振器51と、該パルスレーザー光線発振器51から発振されたパルスレーザー光線を集光してチャックテーブル36に保持された被加工物Wに照射する集光器52と、パルスレーザー光線発振器51と集光器52との間に配設されパルスレーザー光線発振器51から発振されたパルスレーザー光線の一部を遮光するマスク部材53を具備している。パルスレーザー光線発振器51は、図示の実施形態においては波長が1340nmのパルスレーザー光線LBを発振する。上記集光器52は、上記パルスレーザー光線発振器51から発振されたパルスレーザー光線LBを下方に方向変換する方向変換ミラー521と、該方向変換ミラー521によって方向変換されたパルスレーザー光線LBを集光してチャックテーブル36に保持された被加工物Wに集光スポットPで照射する集光レンズ522とからなっている。上記マスク部材53は、パルスレーザー光線発振器51から発振されたパルスレーザー光線の一部を遮光する遮光部531aを有する孔531が設けられている。この孔531を形成する遮光部531aは、集光スポットPにおける加工送り方向Xa後方の一部を加工送り方向Xaに直交する方向に遮光する。なお、遮光部531aによって遮光する割合は、図示の実施形態においてはパルスレーザー光線発振器51から発振されたパルスレーザー光線LBの20%に設定されている。
図3および図4に示すレーザー加工装置2は以上のように構成されており、以下レーザー加工装置2を用いて上記ウエーハ支持工程が実施された半導体ウエーハ10の内部に分割予定ライン101に沿って改質層を形成する改質層形成工程について説明する。
先ず、図3に示すレーザー加工装置2のチャックテーブル36の保持面上に半導体ウエーハ10が貼着されたダイシングテープT側を対面させて載置する。そして、図示しない吸引手段を作動することにより、半導体ウエーハ10をダイシングテープTを介してチャックテーブル36上に吸引保持する(被加工物保持工程)。従って、チャックテーブル36にダイシングテープTを介して保持された半導体ウエーハ10は、裏面10bが上側となる。なお、半導体ウエーハ10をダイシングテープTを介して支持した環状のフレームFは、チャックテーブル36に配設されたクランプ362によって固定される。
上述した被加工物保持工程を実施したならば、加工送り手段37を作動して半導体ウエーハ10を吸引保持したチャックテーブル36を撮像手段6の直下に位置付ける。チャックテーブル36が撮像手段6の直下に位置付けられると、撮像手段6および図示しない制御手段によって半導体ウエーハ10のレーザー加工すべき加工領域を検出するアライメント作業を実行する。即ち、撮像手段6および図示しない制御手段は、半導体ウエーハ10の所定方向に形成されている分割予定ライン101に沿ってレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段5の集光器52との位置合わせを行うためのパターンマッチング等の画像処理を実行し、レーザー光線照射位置のアライメントを遂行する。また、半導体ウエーハ10に形成されている所定方向と直交する方向に形成されている分割予定ライン101に対しても、同様にレーザー光線照射位置のアライメントが遂行される。このとき、半導体ウエーハ10の分割予定ライン101が形成されている表面10aは下側に位置しているが、撮像手段6が上述したように赤外線照明手段と赤外線を捕らえる光学系および赤外線に対応した電気信号を出力する撮像素子(赤外線CCD)等で構成された撮像手段を備えているので、半導体ウエーハ10の裏面10bから透かして分割予定ライン101を撮像することができる。
以上のようにしてチャックテーブル36上に保持されている半導体ウエーハ10に形成された分割予定ライン101を検出し、レーザー光線照射位置のアライメントが行われたならば、図5の(a)で示すようにチャックテーブル36をレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段5の集光器52が位置するレーザー光線照射領域に移動し、所定の分割予定ライン101の一端(図5の(a)において左端)をレーザー光線照射手段5の集光器52の直下に位置付ける。次に、集光器52から照射されるパルスレーザー光線の集光スポットPを半導体ウエーハ10の厚み方向中間部に位置付ける。そして、レーザー光線照射手段5を作動して集光器52からシリコンウエーハからなる半導体ウエーハ10に対して透過性を有する波長のパルスレーザー光線を照射しつつチャックテーブル36を図5の(a)において矢印X1で示す方向に所定の送り速度で移動せしめる(改質層形成工程)。そして、図5の(b)で示すようにレーザー光線照射手段5の集光器52の照射位置が分割予定ライン101の他端の位置に達したら、パルスレーザー光線の照射を停止するとともにチャックテーブル36の移動を停止する。この結果、半導体ウエーハ10の内部には、分割予定ライン101に沿って改質層100が連続して形成される。
なお、上記改質層形成工程における加工条件は、例えば次のように設定されている。
波長 ;1340nm(YAGレーザー)
繰り返し周波数 :80kHz
平均出力 :1.0W
集光スポット径 ;φ2.5μm
遮光率 :20%
加工送り速度 :100mm/秒
上記改質層形成工程において照射されるパルスレーザー光線LBの照射状況について、図5の(c)を参照して説明する。
上記加工条件においては、パルスレーザー光線LBの各パルスは半導体ウエーハ10に対して3.75μm間隔で照射される。直前に照射されたパルスによって形成された改質層100からは微細なクラック110が伝播される。このクラック110に次に照射されるパルスレーザー光線LBが照射されると、パルスレーザー光線LBが屈折または反射して半導体ウエーハ10の表面に形成されたデバイス102をアタックし、デバイス102にダメージを与える。
このような問題を解消するために、本発明においては、パルスレーザー光線発振器51と集光器52との間にパルスレーザー光線発振器51から発振されたパルスレーザー光線LBの一部を遮光するマスク部材53を配設し、図5の(c)に示すように集光スポットPを加工送り方向Xa(チャックテーブル36の移動方向X1と反対の方向)後方の一部を加工送り方向Xaに直交する方向に遮光(斜線Aで示す領域)するので、直前に照射されたパルスレーザー光線によって形成された改質層100から伝播されたクラック110に照射されることによるパルスレーザー光線の散乱が抑制される。従って、パルスレーザー光線が散乱することにより半導体ウエーハ10の表面に形成されたデバイス102をアタックしてデバイス102にダメージを与えるという問題が解消される。
〈実験例〉
本願発明の上記加工条件で実施した加工と、従来の加工におけるダメージの度合いを検証した。なお、従来の加工における加工条件を次の通り設定した。
波長 ;1340nm(YAGレーザー)
繰り返し周波数 :80kHz
平均出力 :0.8W
集光スポット径 ;φ2.5μm
加工送り速度 :100mm/秒

この検証実験においては、分割予定ラインの中心から10μm以内、10〜20μm、20〜30μm、30〜40μm、40〜50μm、50〜60μm離れた領域で分割予定ライン1cm当たりに存在するダメージをカウントしたところ、以下の通りの結果が得られた。

検出領域 従来の加工によるダメージ数 本発明の加工によるダメージ数
10μm以内 84 420
10〜20μm 1704 1095
20〜30μm 684 123
30〜40μm 176 6
40〜50μm 28 1
50〜60μm 8 0

以上のように、従来の加工においては50〜60μm離れた領域においてもダメージが存在するのに対し、本発明の加工においては50μm程度離れた領域においてはダメージが殆ど存在しなくなることが検証された。
上述したように所定の分割予定ライン101に沿って上記改質層形成工程を実施したら、チャックテーブル36を矢印Yで示す方向に半導体ウエーハ10に形成された分割予定ライン101の間隔だけ割り出し送りし(割り出し送り工程)、上記改質層形成工程を遂行する。このようにして所定方向に形成された全ての分割予定ライン101に沿って上記改質層形成工程を実施したならば、チャックテーブル36を90度回動せしめて、上記所定方向に形成された分割予定ライン101に対して直交する方向に延びる分割予定ライン101に沿って上記改質層形成工程を実行する。
以上のようにして改質層形成工程を実施したならば、分割予定ライン101に沿って内部に改質層100が形成された半導体ウエーハ10に外力を付与し、半導体ウエーハ10を破断起点となる改質層100が形成された分割予定ライン101に沿って個々のデバイスに分割する分割工程を実施する。この分割工程は、図6に示す分割装置7を用いて実施する。図6に示す分割装置7は、上記環状のフレームFを保持するフレーム保持手段71と、該フレーム保持手段71に保持された環状のフレームFに装着されたダイシングテープTを拡張するテープ拡張手段72と、ピックアップコレット73を具備している。フレーム保持手段71は、環状のフレーム保持部材711と、該フレーム保持部材711の外周に配設された固定手段としての複数のクランプ712とからなっている。フレーム保持部材711の上面は環状のフレームFを載置する載置面711aを形成しており、この載置面711a上に環状のフレームFが載置される。そして、載置面711a上に載置された環状のフレームFは、クランプ712によってフレーム保持部材711に固定される。このように構成されたフレーム保持手段71は、テープ拡張手段72によって上下方向に進退可能に支持されている。
テープ拡張手段72は、上記環状のフレーム保持部材711の内側に配設される拡張ドラム721を具備している。この拡張ドラム721は、環状のフレームFの内径より小さく該環状のフレームFに装着されたダイシングテープTに貼着される半導体ウエーハ10の外径より大きい内径および外径を有している。また、拡張ドラム721は、下端に支持フランジ722を備えている。図示の実施形態におけるテープ拡張手段72は、上記環状のフレーム保持部材711を上下方向に進退可能な支持手段723を具備している。この支持手段723は、上記支持フランジ722上に配設された複数のエアシリンダ723aからなっており、そのピストンロッド723bが上記環状のフレーム保持部材711の下面に連結される。このように複数のエアシリンダ723aからなる支持手段723は、図7の(a)に示すように環状のフレーム保持部材711を載置面711aが拡張ドラム721の上端と略同一高さとなる基準位置と、図7の(b)に示すように拡張ドラム721の上端より所定量下方の拡張位置の間を上下方向に移動せしめる。
以上のように構成された分割装置7を用いて実施する分割工程について図7の(a)および(b)を参照して説明する。即ち、半導体ウエーハ10が貼着されているダイシングテープTが装着された環状のフレームFを、図7の(a)に示すようにフレーム保持手段71を構成するフレーム保持部材711の載置面711a上に載置し、クランプ712によってフレーム保持部材711に固定する(フレーム保持工程)。このとき、フレーム保持部材711は図7の(a)に示す基準位置に位置付けられている。次に、テープ拡張手段72を構成する支持手段723としての複数のエアシリンダ723aを作動して、環状のフレーム保持部材711を図7の(b)に示す拡張位置に下降せしめる。従って、フレーム保持部材711の載置面711a上に固定されている環状のフレームFも下降するため、図7の(b)に示すように環状のフレームFに装着されたダイシングテープTは拡張ドラム721の上端縁に接して拡張せしめられる(テープ拡張工程)。この結果、ダイシングテープTに貼着されている半導体ウエーハ10には放射状に引張力が作用するため、半導体ウエーハ10は改質層100が破断起点となって分割予定ライン101に沿って個々のデバイス102に分離されるとともに、デバイス間に間隔Sが形成される。
次に、図7の(c)に示すようにピックアップコレット73を作動してデバイス102を吸着し、ダイシングテープTから剥離してピックアップし、図示しないトレーまたはダイボンディング工程に搬送する。なお、ピックアップ工程においては、上述したようにダイシングテープTに貼着されている個々のデバイス102間の隙間Sが広げられているので、隣接するデバイス102と接触することなく容易にピックアップすることができる。
2:レーザー加工装置
3:チャックテーブル機構
36:チャックテーブル
37:加工送り手段
38:割り出し送り手段
5:レーザー光線照射手段
51:パルスレーザー光線発振器
52:集光器
53:マスク部材
6:撮像手段
7:分割装置
71:フレーム保持手段
72:テープ拡張手段
73:ピックアップコレット
F:環状のフレーム
T:ダイシングテープ

Claims (2)

  1. 被加工物を保持する保持面を備えた被加工物保持手段と、該被加工物保持手段の保持面に保持された被加工物に対して透過性を有する波長のパルスレーザー光線を照射して被加工物の内部に改質層を形成するレーザー光線照射手段と、該被加工物保持手段と該レーザー光線照射手段とを相対的に加工送り方向に加工送りする加工送り手段とを具備するレーザー加工装置を用いて、表面に複数の分割予定ラインが格子状に形成されているとともに該複数の分割予定ラインによって区画された複数の領域にデバイスが形成されたウエーハの内部に、分割予定ラインに沿って改質層を形成するウエーハの加工方法であって、
    該被加工物保持手段の保持面にウエーハの表面側を対面して保持するウエーハ保持工程と、
    該レーザー光線照射手段から照射されるパルスレーザー光線の集光スポットをウエーハの裏面側から内部に位置付けて照射するとともに該被加工物保持手段と該レーザー光線照射手段とを相対的に加工送りしてウエーハの内部に分割予定ラインに沿って改質層を形成する改質層形成工程と、を含み、
    該改質層形成工程においては、集光スポットにおける加工送り方向後方の一部を加工送り方向に直交する方向に遮光してウエーハの内部に位置付ける、
    ことを特徴とするウエーハの加工方法。
  2. 該改質層形成工程においては、集光スポットの20%を遮光する、請求項1記載のウエーハの加工方法。
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