JP2005235993A - 基板割断方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】レーザ加工によって内部亀裂を発生させる内部加工において、基板表面の遮蔽物や表面加工痕等によるエネルギーロスを低減する。
【解決手段】レーザ光Lを少なくとも4本のビームLeに分割して、それぞれ個別にシリコン基板10の内部に集光させ、内部亀裂12を発生させる。基板表面11にはケガキによる線状加工部である表面加工痕11aが設けられており、基板表面11に対する各ビームLeの入射位置を表面加工痕11aの両側に設けることで各ビームLeが表面加工痕11aによってケラレるのを防ぎ、エネルギーロスを回避する。外力によってシリコン基板10を素子チップに分割する割断工程では、表面加工痕11aに応力が集中して表面加工痕11aと内部亀裂12cが連結することで、基板表面11は確実に割断予定線Cに沿って分断されるため、精密な割断を行うことができる。
【選択図】図7

Description

本発明は、シリコンウエハに複数の半導体素子部が配列された半導体基板等をレーザ加工によって個別の素子チップに分離する基板割断方法に関するものである。
シリコンウエハ等の半導体基板をチップ状に精密切断する場合、従来、幅数十〜数百μmの円周形状のブレードを高速回転させ、ブレード表面の研磨材が半導体基板を研削する事によって切断するブレードダイシング法が知られている。この際、切断に伴う発熱や磨耗を低減させるために、切断面には冷却水を噴射するが、切断に伴って発生する半導体基板や研磨材の微粒子、半導体基板と加工テーブルを固定する粘着テープの粘着剤粒子等が冷却水に混ざって広範囲に飛散する。特に、インクジェットノズル等の吐出手段が形成された半導体基板では、ノズル内部等に上記微粒子がゴミとして混入すると、インク等液体の吐出に重大な影響を及ぼすおそれがある。
この問題を解決するためには、切断に冷却水を用いず、ドライな環境で実施できる事が望ましい。そこで、半導体基板に吸収性の高い波長のレーザ光を基板表面に集光させて、基板を切断する加工方法が用いられる。しかしこの方法では、基板表面で、切断部の周辺も熱溶融してしまうため、半導体基板上に設けられたロジック回路等を損傷させる問題があり、また、レーザ加工はレーザ入射側から出射側へ基板を溶融して進行するため、基板表面には溶融物の再凝固物が付着してゴミとなってしまう。従って、ブレードダイシングと同様、ゴミの問題が発生する。
また、基板内部に吸収性の高いレーザ光を集光する事によって基板を切断する加工方法として、例えば特許文献1および特許文献2に開示された方法は、被加工材料である基板に対して透過性の高い特定波長のレーザ光を、基板の内部に集光して形成した変質層を切断の起点とするもので、基板表面に溶融領域を形成しないため、ゴミの少ない切断を可能とするものである。
しかし、上記の方法では、切断の起点は基板内部の変質層のみに限定されるため、切断の起点から基板表面に到達する亀裂の方向や位置を精密に制御するのは困難である。
特に、シリコン基板の場合、亀裂の進展は結晶方位に影響されるため、シリコン基板および素子形成の際の工業的誤差等により、割断予定線と結晶方位との小さなずれが存在すると、上記のレーザ加工方法では亀裂が基板の表面に進行する過程で割断予定線を逸脱し、素子部のロジック回路等を破壊する可能性が高い。
詳しく説明すると、図24の(a)に示すように、表面の結晶方位(100)の単結晶シリコンからなるシリコン基板101の内部の所定の深度において、特定波長のレーザ光Lを集光させて変質層102を形成し、同図の(b)に示すように、割断予定線Cに外力Fを加えて前記変質層102から基板表面に向かって割れ目103を発生させてシリコン基板101を分断する場合に、前記レーザ加工による変質層102の先端部102aには高次の結晶方位面が形成されているため、外力Fによる実際の割れ目103aは、単結晶シリコンのへき開方向(110)に傾いてしまう。その結果、シリコン基板101の表面における割断予定線Cから大きくずれた位置で基板表面が分断されることになる。
特に、インクジェットノズル等の吐出口が形成された液体吐出ヘッドの素子基板では、吐出口の下にインク等液体を供給するための開口構造が存在するため、亀裂がそれらに進展し、基板を破壊するという問題がある。
上記の問題は、2方向の割断予定線が交差する個所を割断する際により顕著となる。
また、上記交差部においては、シリコン基板の同じ深度で互いに直交する2方向の割断予定線に沿った内部加工を重畳して行うため、新たな問題も生じる。
この対策として、特許文献3には、交差部において2方向の改質層をねじれの位置関係にすることが開示されている。
特開2002−192370号公報(特許第3408805号公報) 特開2002−25180号公報 特開2002−192371号公報 特開2000−15467号公報
しかし、特許文献3に開示された方法は、一方の割断予定線については、表面から比較的遠い改質層を形成してしまう。前述のように、特に結晶方位に影響されるシリコン基板等の場合は、改質層と基板表面との距離が離れるほど、基板表面の破損の危険が高まり、適正な割断が困難である。この遠い方の改質層を基板表面に近い位置に設けると、表面に近い方の改質層はさらに基板表面に近づけねばならず、レーザ光による内部加工時に、改質層が基板表面に至り、基板表面を汚染する問題がある。
また、基板表面の割断予定線上に基板製造の際に使用されるダミー検査パターンなど、レーザ光の光路を遮る遮蔽物が配置されていると、基板表面に略垂直方向からレーザ光を入射するような特許文献1等に開示された方法では、遮蔽物の直下の改質層が不完全になったり、あるいは全く形成されず、その部分では、外力による割断の際に好ましくない割れを生じてしまう。
また、基板表面に、外力による割断時に割断予定線に沿って正確な割れが生じるように応力を集中させるための線状の表面加工痕が形成されている場合は、その部分で光が散乱してしまう。さらに、2つの割断予定線の交差点で表面加工痕が交差する部分においては、同時に2つの表面加工痕によって光束がさえぎられることになる。このように割断予定線上の遮蔽物や異形部の影響により内部の集光点へ到達するエネルギーが大幅に減少すると、内部亀裂を安定して発生させることが難しくなる。
本発明は上記従来の技術の有する未解決の課題に鑑みてなされたものであり、基板表面に光を散乱させる遮蔽物や割断予定線に応力を集中させるための線状加工部等があっても、あるいは先に内部加工によって形成された亀裂群と交差する位置においても、基板内部の集光点に充分なレーザエネルギーを到達させることを可能とし、レーザ光による内部加工を安定して行うことのできる基板割断方法を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するため、本発明の基板割断方法は、基板を複数の素子チップに分離するための基板割断方法であって、基板の割断予定線に応力を集中させるための線状加工部を基板表面に形成する表面加工工程と、少なくとも4本のレーザビームをそれぞれ基板表面の異なる位置に入射させ、基板内部の同一集光点で各レーザビームを個別に集光させて内部亀裂を発生させる工程と、基板内部の同一集光点で内部亀裂を発生する少なくとも4本のレーザビームからなるビーム群を基板の割断予定線に沿って相対移動させることで亀裂群を形成する工程と、基板に外力を与えることによって、基板内部の亀裂群と基板表面の線状加工部とを連結させる工程と、を有することを特徴とする。
少なくとも4本のレーザビームを基板内部に個別に集光させて内部亀裂の亀裂群を効率よく形成し、外力によって亀裂群を基板の厚み方向である深度方向に進展させて基板の割断を行うものであるため、ブレードダイシングや従来の基板表面から切り込むレーザ加工のように基板表面を汚染するおそれがない。
また、基板表面に割断予定線に沿った線状加工部を形成しておくことで、外力による割れを線状加工部に誘導し、内部亀裂の進展方向を極めて精密に制御することができる。従って、外力による割断工程において割れが割断予定線からずれて基板の素子部を損傷したり、基板に形成された開口部等の影響で基板自体が破壊したりするのを防ぎ、安全性と信頼性の高い割断を行うことができる。
そして、基板表面の異なる位置に入射する少なくとも4本のレーザビームからなるビーム群によって内部亀裂を形成するものであるため、基板表面の線状加工部や遮蔽物を避けるように各レーザビームの入射位置を選定することで、エネルギーの損失を回避することが可能である。
また、先に内部加工によって形成された亀裂群と交差する場合、あるいは2つの線状加工部が交差する位置では、各レーザビームのエネルギーの配分を調整することで、エネルギーの損失を低減できる。
図1に示すように、複数の半導体素子部であるロジック素子部10aが形成されたシリコン基板10を基板表面11上の割断予定線Cに沿って割断し、個々の素子チップに分離する割断方法において、図2に示すようにシリコン基板10の内部に基板表面11に達しない亀裂である内部亀裂12(12a、12b、12c)を発生させる内部加工を行うに当り、所定の深度の同一集光点に、図7ないし図13に示すように、少なくとも4本、好ましくは4の整数倍の本数のレーザビームであるビームLeを個別に集光させて内部亀裂12を形成し、前記集光点を割断予定線Cに沿って走査(相対移動)させることで、割断予定線Cに沿ってバンド状の亀裂群を形成する。
このような亀裂群の形成後またはその前に、割断予定線Cに沿って基板表面11に線状加工部である表面加工痕11aを形成する表面加工が行われる。
内部亀裂12を形成する内部加工において、各ビームLeが基板表面11に対する入射位置を割断予定線Cの両側に選定することで、表面加工痕11aや先に形成された内部亀裂12によってレーザ光がケラレるのを防ぎ、加工効率の低下を回避できる。
表面加工痕11aの表面加工とビーム群による亀裂群の形成後に、割断のための外力を作用させると、まず、表面加工痕11aと内部亀裂12が連結するため、基板表面11に発生する実際の割断線が割断予定線Cからずれることがない。
図1の(a)、(b)に示すシリコン基板10は、同図の(c)に示すように、(100)方位に形成された、厚み625μmのシリコンウエハ1を基体とし、シリコンウエハ1の表面には、厚さ1μm程度の酸化膜2が形成され、その上には、インク等液体吐出用の機構、およびそれらを駆動するロジック素子、配線等を内蔵したエポキシ樹脂製の構造物であるノズル層3が配置され、各ロジック素子部10aを構成している。
このように液体吐出用の機構等を内蔵したノズル層3の直下に、開口部である液体供給口(インク供給口)4をシリコンウエハ1の異方性エッチングにより形成する。ノズル層3は、製造工程の最終段階でシリコンウエハ1を各素子チップに割断できるように、互いに割断予定線Cを挟んで配置される。割断予定線Cはシリコンウエハ1の結晶方位に沿って形成され、隣接するノズル層3の間隔Sは最小で400μm程度である。
図3はシリコン基板10を個々の素子チップとなるロジック素子部10aに分離する割断プロセスを説明するフローチャートであり、このプロセスは、ステップ1のテープマウント工程、ステップ2のウエハ補正工程、ステップ3の表面線状加工工程(表面加工工程)、ステップ4の内部亀裂形成工程、ステップ5の割断工程、ステップ6のリペア工程、ステップ7のピックアップ工程の7工程からなる。以下に各工程を順に説明する。
「テープマウント工程」
図4に示すように、シリコン基板10はまず、割断までの工程で素子が分離するのを防止するためのテープマウントを行う。テープマウントは、ダイシングフレームMが貼り付けられた、粘着性を有するダイシングテープTをシリコン基板10の裏面に貼り付けることによりなる。
ダイシングテープとしては、紫外線硬化型あるいは感圧型粘着剤が塗工された粘着テープや、自己粘着層を有する粘着テープを用いる。
「ウエハ補正(ソリ矯正)工程」
前述のようにシリコン基板10の表面に形成される樹脂層であるノズル層3は硬化時に熱収縮を起こすため、シリコン基板10の全体が図5の(a)に示すように変形している。このように変形した状態で、後述のレーザ照射を行うと基板表面11で局部的に入射角度が異なり、精度よく加工することが出来ない。したがって予めこの変形を矯正しておく必要がある。そこで、図5の(b)に示すように、ダイシングテープTの側からシリコン基板10を吸着ステージDにて吸引することで、シリコン基板10を平坦化し変形を矯正する。
「表面線状加工工程」
続いてシリコン基板10の各ロジック素子部10aの割断を精度よく行うために、基板表面11において割断予定線Cに亀裂の伝播を誘導する表面加工痕11aを形成する。すなわち、割断予定線Cに沿って表面加工痕11aを形成することで、外力による割断の際に応力集中が起こり、割れが表面加工痕11aへ誘導される。または表面加工痕11aが起点となり割れが内部に進行する。従って、ロジック回路等を破壊するような不必要な割れを生じることがない。
表面加工痕11aの形成は図6に示すように、割断予定線Cに沿って超硬、ダイヤモンド等の工具40を用いたスクライバーにてケガキを入れればよい。表面加工痕11aは、幅2μm以上、深さ1μm以上が好ましい。ただし、内部亀裂12をレーザ加工する各ビームLeの光路を妨げない大きさにする必要がある。加工深さは、割断時に表面加工痕11aと亀裂間において応力集中を起こす深さが適しており、これが、図6の(a)に示すようにシリコン基板10の表面層である酸化膜2の厚さより小さくてもよいし、同図の(b)に示すように酸化膜2の厚さと同じかそれ以上の深さとなっても問題はない。
また、表面加工痕11aは少なくともロジック素子部10aを有する基板表面11に対しては必須であるが、シリコン基板10の表面側と裏面側の双方に形成してもよい。
表面加工痕11aは、4本のビームLeからなるビーム群による内部亀裂形成工程の後に形成してもよい。
「内部亀裂形成工程」
図7の(a)に示す加工装置50を用いて図2に示した各内部亀裂12を形成する。この加工装置50は、光源51と、光源光学系51aと、顕微鏡対物レンズ52a、ミラー52b等を有する集光光学系52と、Xステージ53a、Yステージ53b、微動調整ステージ53c等を有する自動ステージ53と、AF光学系54と、ワークWであるシリコン基板10のオリエンテーションフラット10b(図1参照)によるアライメントを行う図示しないアライメント光学系とを備えており、光源51としてはパルスYAGレーザの基本波(1064nm)を用いる。パルス幅は40ns前後で、10〜100KHzの周波数である。
レーザ光の選定はシリコン基板の分光透過率より決定される。そのため、集光点にて強電界が形成可能でシリコン透過性がある波長域の光であれば、どれでもかまわない。例えば、超短パルスと波長変換手段を組み合わせて生成される1.3〜1.5μmのレーザ光である。
光源51から出射したレーザ光Lは、光源光学系51aにおいて、図7の(b)に示すように、4本のレーザビームであるビームLeに分割され、基板表面11の表面加工痕11aの両側に2本づつ分かれて入射し、各ビームLeが個別に所定の深度(a)における集光点Aに集光し、亀裂長さ(b)の内部亀裂12を発生させる。
図8に示すように、光源光学系51aは、ビーム拡大系55と、ビームシフト系56と、光束分割系57と、ビーム整形系58とを有し、ビームシフト系56は、光源51から出射したレーザ光Lを割断方向に平行移動する機能をもち、これは、平行平板ガラスを後述するように傾けることで実現される。
光束分割系57は一対の四角錐57a、57bを用いて、平行に入射するレーザ光Lを入射側の第一四角錐57aにより4分割して4本のビームLeとし、それぞれを第二四角錐57bにより光軸に平行にして出射する。なお、第一、第二四角錐57a、57bの稜線方向は一致しているものとする。
光束分割系57で分割するビームLeの個数(本数)は、表面加工痕11aが交差する部分において、基板表面11が4つの象限に分割されるため、4の整数倍が望ましい。分割された各ビームLeは第二四角錐57bに入射して、光軸と平行な分割光束として出射される。出射された各ビームLeの大きさおよびその間隔については、ビーム拡大系55の倍率にて各ビームLeのビーム径を決定し、1対の四角錐57a、57bの離間距離でビーム間隔を決定することになる。各ビームLeの大きさや間隔は、基板表面11の表面加工痕11aあるいは先に形成された内部亀裂12との干渉によるエネルギー損失が最小となるように所定の範囲で可変調整する。
このとき、注意すべき要件は以下のとおりである。
(1)各ビームLeの大きさ、間隔の可変範囲は内部亀裂が発生する条件以内であること。
(2)各ビームLeの大きさ、間隔の可変範囲は基板表面11にダメージを与えない範囲であること。
図9の(a)に示すようにビームシフト系56の平行平板ガラスが光軸に垂直な状態では、4本のビームLeの大きさは同じであり、(b)に示すように破線で示す四角錐57a、57bの稜線を挟んでレーザエネルギーが均等であるが、ビームシフト系56を傾けてレーザ光Lを平行移動させると、光束分割系57への入射状態が変わる。例えば、図9の(c)に矢印で示すようにレーザ光Lが移動すると、(d)に示すように図示上方のビームLeのビーム径が大きくなり、下方のビーム径が小さくなる。このようにして集光光学系52に入る各ビームLeのビーム径を自在に制御することが可能である。
ビームシフト系56は、図10に示すようにビーム群による内部加工位置が割断予定線C1 、C2 の交差点C12付近に達したときに稼動するもので、ビーム径の制御は以下のように行われる。図10の(a)に示すように、割断予定線C1 に沿って走査される4本のビームLeは表面加工痕11aの両側を移動するため表面加工痕11aによって影響されることはないが、交差点C12の付近では、割断予定線C2 に沿った表面加工痕11aによって前方の2つのビームLeはさえぎられてしまうため、そのままでは、図11の(b)に示すように後方の2つのビームLeのみによる内部亀裂形成となり、加工エネルギーは不充分となる。そこで、加工点が交差点C12に近づくにつれて、図9の(b)に示すように、前方側の2つのビームLeのビーム径が小さくなるようにビームシフト系56の平行平板ガラスを傾斜させてレーザ光Lを上方へシフトする。図10の(c)に示すように加工点が交差点C12の直下になれば平行平板ガラスを戻して前記シフト量を0に戻し、(d)に示すように加工点が交差点C12から遠ざかる過程では、ビームシフト系56を逆に傾けて、後方の2つのビームLeのビーム径を小さくする。
ビームシフト系56を作動させない場合は、図11の(b)および(d)に示すように、交差点C12を通過する前後で、2つのビームLeが表面加工痕11aによってケラレる現象が生じて充分な内部亀裂形成を行うことができず、未加工領域を生じる。
なお、図7の集光光学系52の顕微鏡対物レンズ52aは、例えば倍率20NA0.42あるいは倍率50NA0.55のものを用いる。また、シリコンの屈折率を考慮し、顕微鏡観察にも適用可能なシリコン内部加工に最適な集光レンズを用いることもできる。
図12は、光束分割系57として1対のフライアイレンズ57c、57dを用いたものである。ビーム整形系58は、図12の(b)に示す1対のフライアイレンズ57c、57dから出射される光軸に平行な4本のビームLeを、同図の(c)に示すように集光光学系52の瞳径に合わせるように整形する。レーザ光Lは4個のレンズで構成される第一フライアイレンズ57cに入射し、4つのビームLeに分割され、それぞれに対応した4個のレンズで構成される第二フライアイレンズ57dを通して、各ビームLeが光軸と平行になるように出射される。これは第一フライアイレンズ57cを構成する各レンズの焦点距離をf1、第二フライアイレンズ57dを構成する各レンズの焦点距離をf2としたとき、第一、第二フライアイレンズ57c、57dの主平面間隔をf1+f2とすることで実現できる。また、各ビームLeの大きさは光束分割系57のf2/f1等によって制御可能である。また、4個のビームLeの外接円の大きさは、光束分割系57の後側のビーム整形系58で制御するものである。
図13はさらに別の光束分割系57として、同図の(b)に示すようにフライアイレンズ57eと単レンズ57fを組み合わせたもので、図12の集光光学系52の代わりに分割集光光学系59を用いる。すなわち、4個のレンズ59eで構成された分割集光光学系59において、各レンズ59eによって各ビームLeを基板内部で集光し、表面加工痕11aや、先に形成された亀裂群をさけながら、図13の(c)に示すように所定の深度の集光点に各ビームLeを集光させて内部亀裂12を形成する。
複数のレンズ59eのそれぞれの集光位置は同一として、図13の(d)に示すように、交差点C12において割断予定線C2 に沿った表面加工痕11aにかかる前方の2つのビームLe以外のビームLeにすべてのレーザエネルギーを通すようなレンズ選択機能を持たせることも可能である。
実験によれば、図2に示す最上端の内部亀裂12cの亀裂先端は基板表面11より最小20μm以上離れるように、集光位置や酸化膜2の膜構成、使用するレーザ波長等に応じて加工条件を設定することが望ましい。加工中に不用意に内部亀裂12cと基板表面11との連結が生じたり、レーザ照射条件によっては基板表面11が損傷してしまうことがあり、これを防ぐためである。
また、図7の(b)に示す集光点Aの深度(a)はシリコン基板10であるワークWあるいは集光光学系52のいずれかを光軸方向に移動させ、集光位置をずらすことで制御できる。シリコン基板10の波長1064nmに対する屈折率をnとし、機械的な移動量(シリコン基板10あるいは集光光学系52のいずれかを光軸方向に移動させた時の移動量)をdとした時、集光点Aの光学的な移動量はndである。シリコン基板10の屈折率は波長1.1〜1.5μmで3.5近傍であり、実際に実験で予測した値とも比較するとこの3.5に近いものであった。
つまり、機械的な移動量が100μmであると、集光点は表面より350μmの位置に形成される。屈折率が3.5近傍であるということは反射率が大きいことを示している。一般に垂直入射での反射は((n−1)/(n+1))2 であるからシリコン基板では30%程度となる。残りのエネルギーが内部に到達するが、シリコン基板の光吸収も存在するので、集光点での最終的なエネルギーはさらに小さくなる。厚さ625μmのシリコン基板にて実測したところ20%程度の透過率であった。
集光点Aに各ビームLeが集光すると、部分的にシリコンの結晶状態が変化し、その結果、内部亀裂12が走ることになる。実験結果では集光点Aより下側、つまり、各ビームLeの入射側から遠い方に走ることを確認し、その亀裂長さ(b)は50〜100μm程度であった。
このようにシリコン基板10の内部の一点から内部亀裂12を形成し、集光点Aを割断予定線Cに沿って相対移動させることで割断予定線Cの直下の内部加工を行う。なお、図1に示すように、シリコン基板10の割断予定線Cには、オリエンテーションフラット10bを基準にして互いに直交する2方向の割断予定線C1 、C2 がある。
シリコン基板10であるワークWは、XY方向に移動可能な自動ステージ53に載置され、光軸方向(深さ方向)はワークWを乗せた自動ステージ側または集光光学系側にZステージ52cを設けて、集光光学系52とワークWの間隔を可変とする。
XY方向の移動速度は周波数と亀裂形状などを考えて決定され、通常周波数10〜100KHzでは移動速度は10〜100mm/secが目安となっている。移動速度が100mm/sec以上であると、内部加工は移動方向に対してとびとびになり、同じ割断予定線上の隣接する亀裂の間隔が著しく広くなる等、後の割断に影響を与える。
また、集光光学系52は、ワーク照射点と共役になるように観察用カメラ52dを有し、一方シリコン基板10の反射率は30%程度あるため、これを無視しては観察用カメラ52dの素子が損傷してしまう。そのため、レーザの出力に応じたフィルターを配置している。観察用の照明は、ケーラー照明が形成できるように集光に使用している顕微鏡対物レンズ52aの入射瞳の位置に光源を形成できるようにリレーレンズを用いる。また、照明もフィルターを通して行い、照明用光学素子の損傷を極力排除するものである。
上記の観察光学系以外にもAF光学系54を導入し、ワークWとの間隔を測定する。AF光学系54は、観察用カメラ52dで得られた画像のコントラストを求めその値から、ピントや傾きを計測するものである。実際にはこのコントラストを測定するためにワークWまでの距離を微小送りしながら計測し、最良位置を決定する。なお、AF動作はシリコン基板10であるワークWの平行度など見て動作するか否かを判定する。
このように内部加工を行うが、加工を開始するに当り以下の点に留意する。
(1)図14に示すように、ワークWであるシリコン基板10の端点よりレーザ加工をはじめるが、端点付近は中央部より加工し難い状態であるため、端点近傍を加工するときは各ビームLeからなるビーム群のトータルエネルギーをワークWの中央部より上げる等の加工条件の変更が必要である。
(2)図15に示すように、長方形の形状の異形チップを加工する場合は、まずその長辺側の割断予定線C1 を第一割断方向として内部亀裂12を加工し、その次に第二割断方向として短辺側の割断予定線C2 に沿った内部亀裂12を加工する。
前述のように、1つの集光点で形成される亀裂長さは50〜100μmであり、対象となるシリコン基板の厚みは625μmであるので、このシリコン基板を割断するためには複数回の内部加工を行うことが必要となる。また、1つのポイントでの内部加工の順番は基板表面から遠い側(奥側)よりはじめて、表面に近づけてゆく。
内部亀裂を形成する内部加工時には、基板表面の近傍で形成される内部亀裂が表面加工痕を有する基板表面へ到達するような加工は行わないものとする。また、集光点近くの既存の内部亀裂が、レーザ照射による熱などの影響で成長し、基板表面へ到達するような加工条件は選択しないものとする。
しかし、基板内部においてはその限りではなく、図2に示すように内部亀裂12a〜12cが深度方向に分断されていてもよいし、あるいは連結していてもよい。また、基板表面11に最も近い内部亀裂12cの亀裂群は、シリコン基板の基板表面11から20〜100μmの深度で、しかも表面加工痕11aと連通しない位置に設けられる。
次に、各亀裂群の加工順序を説明する。
第1の方法は図16の(a)、(b)、(c)に示すように、複数あるいは全ての割断予定線Cに対して、表面よりある高さの亀裂群、例えば実質的に同じ深度の内部亀裂12aの亀裂群の形成を終了した後、深度の異なる内部亀裂12bの亀裂群を加工する。各深度ごとの亀裂群の形成がシリコン基板10の内部で段階的に行われるため、隣接する割断予定線Cによる影響を低減できる。
第2の方法は、図16の(c)に示すように、1つの割断予定線Cの直下において、深度の異なる内部亀裂12a、12b、12cの亀裂群をそれぞれ形成した後、他の割断予定線Cの同様の亀裂群を加工する。この方法は、シリコン基板10の平面性に対する焦点位置の補正が必要な場合、加工開始点におけるAF動作回数を減らすことが出来る。
第1の方法は、図16の(a)、(b)に示すように、集光点を割断予定線に沿って片方向に移動させる場合と、同図の(c)に示すように集光点を割断予定線に沿って往復移動させる場合がある。後者は、総動作距離が短くなるため、加工時間を短縮することが出来る。
本実施例では後者の方を選択しているが、対象物の状態(シリコン基板の平行度、うねり)などから総合的に判断して決定するものである。
なお、図15に示したように、2つ割断方向を有する割断予定線C1 、C2 ではそれらが交差する点(交差点C12)が存在する。交差点C12付近では第一割断方向に沿って形成された内部加工帯に第二割断方向での同じ深度の内部加工のためのビームLeがさえぎられてしまう。これは、第二割断方向の内部加工帯全体に発生するものではなく、局部的な現象であるが、前述のようにエネルギー損失を考慮して、加工条件を交差点C12の近傍で変更するか、あるいは第二割断方向に移行するときに加工条件を変更し、第二割断方向全体にわたって第一割断方向とは異なる加工条件で加工するのが望ましい。
「割断工程」
各割断予定線Cごとに表面加工痕11aおよび複数の内部亀裂12a、12b、12cを形成したシリコン基板10は、少なくとも表面加工痕11aと表面直下の内部亀裂12cとは連結しておらず、従って、レーザ加工後のシリコン基板10の個々のロジック素子部10aは割断されていない。この状態のシリコン基板10を素子に割断する手順は以下のように行う。
図17に示すように、表面加工痕11aと内部亀裂12(12a、12b、12c)の形成後のシリコン基板10を、ダイシングテープTにマウントしたまま、シリコン基板10の裏面が上となるように、割断装置のシリコーンゴムあるいはフッ素ゴムなどの弾力性のあるゴムシート60上に置く。なお、シリコン基板10の基板表面11がゴムシート60に接することで表面側に汚れが付着することを避けるために、内部亀裂形成後のシリコン基板10の表面側にバックグラインドなどに用いられる市販の保護テープRを貼付してもよい。
割断は、ステンレスのローラー61でダイシングテープTを介してシリコン基板10を圧迫することでなされる。まず、シリコン基板10の割断予定線Cの1つ、好ましくは前述の第一割断方向がローラー軸と略平行になるようにシリコン基板10をゴムシート60上に置く。ローラー61を転がしながらシリコン基板10を圧迫すると、ローラー61の直下のゴムシート60は沈み込むように変形する。シリコン基板10は、ゴムシート60側すなわち表面側に伸び方向の応力が作用する。この応力は、基板表面11の最も弱い個所、すなわち割断予定線C1 上の表面加工痕11aを広げるように作用する。
この結果、表面加工痕11aを起点として亀裂が発生し、亀裂は基板内部のレーザ照射による内部亀裂12a、12b、12cを連結することで基板裏面へ進行して、基板裏面に至り、割断予定線C1 に沿ってシリコン基板10が割断される。この亀裂の進行はシリコン基板10の結晶方位に沿って起こるが、割断は表面加工痕11aとの連結により行われるため、基板表面11上の割断予定線C1 から大きくずれることはない。ローラー61の進行に伴い、第一割断方向の割断予定線C1 に沿ってシリコン基板10は順次割断が終了する。ローラー61の進行は、シリコン基板10の端部から他方の端部へ向けて行う方法や、シリコン基板10の中央付近をローラー61の圧迫の開始点としてシリコン基板10の端部へ向けて行う方法などいずれでもよい。
次に、シリコン基板10を90°回転し、第二割断方向の割断予定線C2 とローラー61の軸とが略平行となるようにする。第1割断方向と同様にローラー61でシリコン基板10を圧迫し、第二割断方向にて表面加工痕11aを起点とする亀裂を生じさせ、裏面へ到達させる。
以上の工程により、シリコン基板10は個々の素子チップに分離される。
図17に示した割断工程は、硬質のローラーによるゴムシートの変形に伴う応力をシリコン基板の表面に作用させるものであるが、素子やノズル材の破壊が伴わないように、ローラーによるシリコン基板の圧迫荷重やゴムシートの厚み、ゴム硬度を選ぶことが必要である。また、不要な干渉層とならないように、ダイシングテープや表面の保護テープの材質、厚さを選定する。
割断予定線に沿って作用する外力により、表面加工痕と内部亀裂を有するシリコン基板を割断する方法は以下の2つの方法のいずれかでもよい。
第1の方法は、図18に示すように、シリコン基板10のロジック素子部10a間の割断予定線Cに曲げ応力を与え、割断予定線Cに沿って素子を分離する。割断されるロジック素子部10aの表面側をコレットA62aで、裏面側をピン63で挟持した状態で、1〜10μm程度、上方に押し上げる。このとき、隣接するロジック素子部10aが上方に押し上げられないように、コレットB62bにより隣接するロジック素子部10aの一部が抑えられる。この結果、割断予定線C上の表面加工痕が広がるような応力が作用し、表面加工痕を起点とする亀裂が生じ、内部亀裂と連結して、シリコン基板10の裏面まで到達する。
第2の方法は、図19に示すように、割断予定線Cに沿って、シリコン基板10の表面側に直接機械的な衝撃を与える方法である。表面加工痕11aと内部亀裂12の形成後のシリコン基板10はシングルポイントボンダーに搬送され、基板表面11、好ましくは表面加工痕11aの近傍をセラミックあるいはセラミックと金属の焼成材料(サーメット材)からなる微小で硬い工具64で連続的な打撃を与えることで、表面加工痕11aを起点に割れを形成する。
また、特許文献4に開示された方法等によって、レーザ加工後の基板へ新たに熱衝撃を与えて割断することも考えられる。
「リペア工程」
割断工程にて表面加工痕11aと内部亀裂12による亀裂が連結するとともに亀裂は裏面側へも到達し、シリコン基板10は各素子チップに分離される。しかし、偶発的に完全分離が成されていない場合は再割断する必要がある。再割断の方法としては例えば図20に示した機構を用いて割断が成されていないロジック素子部10aのみ個別に応力を加え完全に割断する。
「ピックアップ工程」
割断工程およびリペア工程にて分離された素子チップであるロジック素子部10aは、図20に示すように吸着コレット65およびピックアップピン66によって搬出され、個別に収納される。この際エキスパンダーなどにより素子の間隙を広げてピックアップしてもよい。また、ピックアップの際に発生する微小な粉塵を吸引除去してもよい。
基板表面11に基板材料とは異なる膜であるシリコンの酸化膜2が存在する場合、内部亀裂を安定形成するにはエネルギー損失の原因であるレーザ光の表面反射を最小にすることが必要となる。そのために、実施例1の割断プロセスの一部を変更する。
図21は本実施例のプロセスフローを示すもので、ステップ1のテープマウント工程、ステップ2のウエハ補正工程、ステップ3の照射窓の形成工程、ステップ4の内部亀裂形成工程、ステップ5の表面線状加工工程、ステップ6の割断工程、ステップ7のリペア工程、ステップ8のピックアップ工程からなる。
本実施例においては、内部加工のためのレーザエネルギーをより効率よく集光させる目的で、図22に示すように、シリコン基板20の酸化膜2の厚みの最適化を行うための溝加工を行う。図23はシリコンの酸化膜の厚さと反射率の関係を示すグラフであり、このグラフに基づいて、最もレーザ光の反射率が低くなるときの酸化膜2の厚みを選ぶ。
すなわち、使用する光源がYAG基本波(波長1064nm)ではnd=270nm(λ/4程度)で反射率が略4%の最低値となる(図23参照)。そこで酸化膜2の厚さがこの値になるように、エッチング等の溝加工によって溝2aを形成する。なお、エッチングによる溝2aは、内部亀裂形成時のビーム群が照射される領域に形成されることは言うまでもない。
あるいは、シリコンウエハに酸化膜2を形成する際に最適な膜厚にて成膜してもよい。
このように最適化された酸化膜領域内へレーザ照射を行い、内部亀裂を発生させる。さらに前述のように、割断予定線に沿って超硬等のスクライバーにてケガキを入れ表面加工痕を形成する。
この表面加工痕の形成はレーザ照射の前に行ってもよい。これによると、レーザ照射による内部亀裂形成前に表面加工痕を形成することで、加工負荷による不必要な割れを回避することができる。また、表面加工痕を先に形成することにより、加工痕自体が後工程でのレーザ照射時の加工位置を示す基準(線)とすることで、レーザ照射の作業効率を向上することができる。
本実施例によれば、基板表面に酸化膜が形成されている場合の、表面反射によるレーザエネルギーの損失を最小にして、内部亀裂形成工程におけるエネルギー消費を抑制することができる。また、酸化膜の厚さムラや膜特性の不均一性等によって内部加工が不安定になるのを防ぐこともできる。
一実施の形態によるシリコン基板を説明するもので、(a)はその斜視図、(b)は(a)の一部分を拡大して示す部分拡大斜視図、(c)は(b)の断面を示す部分断面図である。 実施例1を説明する模式図である。 実施例1による割断プロセスを示すフローチャートである。 テープマウント工程を説明する図である。 ウエハ補正工程を説明する図である。 表面加工痕を形成する表面線状加工を説明するもので、(a)は表面加工痕が酸化膜の厚さ以内である場合、(b)は表面加工痕が酸化膜の厚さと同じである場合を示す図である。 内部亀裂形成工程を説明するもので、(a)はレーザ光を照射する加工装置を示す模式図、(b)は内部亀裂が発生するメカニズムを示す図である。 図7の装置の光源光学系を説明する図である。 図7の装置の光源光学系によって分割されたビームのビーム径を調整する機能を説明する図である。 ビーム群が交差点を通過するときのビーム径の制御を説明する図である。 ビーム群が交差点を通過するときにビーム径を変化させない場合を説明する図である。 別の光源光学系を説明する図である。 さらに別の光源光学系を説明する図である。 シリコン基板の端部における内部亀裂形成工程を説明する図である。 異形の素子チップを切り出す場合を説明する図である。 各深度の亀裂群を形成するときのレーザ走査方法を説明する図である。 ローラーによる割断工程を説明する図である。 コレットによる割断工程を説明する図である。 工具による打撃を与えることで割断する場合を説明する図である。 リペア工程を説明する図である。 実施例2による割断プロセスを示すフローチャートである。 酸化膜にエッチングによって形成された溝を示す図である。 酸化膜の厚さと反射率の関係を示すグラフである。 一従来例による基板割断方法を説明する図である。
符号の説明
1 シリコンウエハ
2 酸化膜
2a 溝
3 ノズル層
4 液体供給口
10 シリコン基板
10a ロジック素子部
11 基板表面
11a 表面加工痕
12、12a、12b、12c、 内部亀裂
40 工具
50 加工装置
51 光源
51a 光源光学系
52 集光光学系
53 自動ステージ
54 AF光学系
55 ビーム拡大系
56 ビームシフト系
57 光束分割系
57a、57b 四角錐
57c、57d、57e フライアイレンズ
57f 単レンズ
58 ビーム整形系
59 分割集光光学系

Claims (3)

  1. 基板を複数の素子チップに分離するための基板割断方法であって、
    基板の割断予定線に応力を集中させるための線状加工部を基板表面に形成する表面加工工程と、
    少なくとも4本のレーザビームをそれぞれ基板表面の異なる位置に入射させ、基板内部の同一集光点で各レーザビームを個別に集光させて内部亀裂を発生させる工程と、
    基板内部の同一集光点で内部亀裂を発生する少なくとも4本のレーザビームからなるビーム群を基板の割断予定線に沿って相対移動させることで亀裂群を形成する工程と、
    基板に外力を与えることによって、基板内部の亀裂群と基板表面の線状加工部とを連結させる工程と、を有することを特徴とする基板割断方法。
  2. 表面加工工程の後に亀裂群を形成する工程を行うことを特徴とする請求項1に記載の基板割断方法。
  3. 亀裂群を形成する工程の後に表面加工工程を行うことを特徴とする請求項1に記載の基板割断方法。
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