JP2016207747A - 絶縁体および配線基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】 機械的強度の確保、および欠けや割れ等の抑制に有効な絶縁体等を提供すること。
【解決手段】 互いに融着したシリカ粒子を主成分して含有する第1相2と、架橋樹脂材料を主成分して含有する第2相3とを備えており、第1相2を海とし、第2相3を島とする海島構造を有している絶縁体1等である。第1相2によって絶縁体1の機械的な強度が確保され、第2相3によって絶縁体1におけるミクロクラックの進行およびその進行による欠けや割れ等の機械的な破壊が抑制され得る。
【選択図】 図1

Description

本発明は、配線基板用の基板等に用いられる絶縁体、および絶縁体を含む配線基板に関するものである。
酸化アルミニウム等のセラミック成分とガラス成分とを含み、ガラス成分を介してセラミック成分が焼結してなる絶縁体が知られている。このような絶縁体は、例えば半導体素子や弾性表面波素子等の電子部品が搭載される配線基板用の部材として用いられる。
配線基板は、平板状等の所定の形状に成形された絶縁体と、絶縁体の表面に設けられた配線導体とを有している。平板状の絶縁基体の主面に電子部品が搭載され、電子部品の電極が配線導体と電気的に接続される。電子部品が搭載された配線基板は、コンピュータ、携帯電話または各種のセンサ等の電子機器において部品として実装され、使用される。
特開1998−338579号公報 特開2001−52526号公報
しかしながら、上記従来技術の絶縁体および配線基板においては、絶縁体にセラミック成分が含まれているため、落下による衝撃等によって生じたミクロクラックの進行による欠けや割れ等の機械的な破壊が絶縁体に生じやすいという問題点があった。
特に、絶縁体が電子部品搭載用の配線基板において用いられる場合には、近年の電子機器の小型化に対応して配線基板も小型化が著しいため、わずかな欠けや割れ等でも電子機器の機能に障害を生じる可能性が高い。また、電子機器用の配線基板としての、より一層の信頼性向上が難しい。
本発明の一つの態様の絶縁体は、互いに融着した複数のシリカ粒子を主成分として含有する第1相と、架橋樹脂材料を主成分として含有する第2相とを含んでおり、前記第1相を海とし、前記第2相を島とする海島構造を有している。前記第1相を海とし、前記第2相を島とする海島構造を有している。
本発明の一つの態様の配線基板は、上記構成の絶縁体を含む基板と、該基板の表面に設けられた配線導体とを備える。
本発明の一つの態様の絶縁体によれば、互いに融着した複数のシリカ粒子を主成分とする第1相を含有していることから、例えば配線基板用の基板等に用いられたときに十分な機械的強度を有している。また、第1相に比べて低弾性率の架橋樹脂材料を含む第2相を含有しているため、仮に第1相においてミクロクラック等の破壊が生じ始めたとしても、そのミクロクラックの進行を第2相において抑制することができる。
すなわち、上記態様の絶縁体は、第1相を海とし、第2相を島とする海島構造を有して
いることから、第1相におけるミクロクラックの進行が第2相で妨げられる。そのため、絶縁体の一部が欠けたり、割れてしまうような機械的な破壊が効果的に抑制される。したがって、欠けや割れ等の機械的な破壊の抑制に有効な絶縁体を提供することができる。
本発明の一つの態様の配線基板によれば、上記構成の絶縁体を有していることから、絶縁体における欠けや割れ等の機械的な破壊が効果的に抑制された、信頼性の高い配線基板を提供することができる。
本発明の実施形態の絶縁体における断面の一部を模式的に示す断面図である。 (a)は本発明の実施形態の配線基板を示す上面図であり、(b)は(a)のA−A線における断面図であり、(c)は下面図である。 図1の第1相の一部を拡大して模式的に示す断面図である。 図1の要部の一例を拡大して模式的に示す断面図である。
本発明の実施形態の絶縁体および配線基板について、添付の図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態の絶縁体の断面の一部を模式的に示す拡大断面図である。図2(a)は本発明の実施形態の配線基板を示す上面図であり、図2(b)は図2(a)のA−A線における断面図であり、図2(c)は下面図である。図3は、図1の要部の一例を拡大して模式的に示す断面図である。
絶縁体1は、第1相2を海とし、第2相3を島とする海島構造を有している。また、絶縁体1を含む基板11の表面に配線導体12が設けられて配線基板10が基本的に形成されている。配線基板10は、例えば電子部品21を搭載するために用いられる。配線基板10に電子部品21が搭載され、電子部品21と配線導体12とがボンディングワイヤ等の導電性接続材22によって接続されて、各種の電子機器に部品として実装される電子装置20が形成される。これらの内容について、以下に詳しく説明する。
例えば図1に示すように、絶縁体1は、互いに融着した複数のシリカ粒子を主成分として含有する第1相2と、架橋樹脂材料を主成分として含有する第2相3とを有している。シリカ粒子は互いの界面で互いに化学結合して融着している。互いに融着した複数のシリカ粒子(融着体)は、一つの塊状の部材となっている。また、この絶縁体1は、第1相2を海とし、第2相3を島とする海島構造を有している。第1相2は、互いに融着した複数のシリカ粒子を主成分として含有しているため曲げ強度等の機械的な強度が比較的大きい。また、第2相3は、架橋樹脂材料を主成分としているため、弾性率が比較的小さい。すなわち、絶縁体1は、機械的な強度が比較的大きいマトリクス部材に、弾性率が比較的小さい粒状のものが分散した構造を有しているものとみなすことができる。
このような絶縁体1によれば、上記構成の第1相2を含有していることから、例えば配線基板10用の基板11等に用いられたときに十分な機械的強度を有している。また、上記構成の第2相3を含有しているため、仮に第1相2においてミクロクラック等の破壊が生じ始めたとしても、そのミクロクラックの進行を第2相3において抑制することができる。第1相2が絶縁体1としての形状の維持および機械的な強度の確保等の機能を有し、第2相3が絶縁体1の欠けの抑制といった信頼性の向上の機能を有している。
すなわち、実施形態の絶縁体1は、第1相2を海とし、第2相3を島とする海島構造を有していることから、第1相2におけるミクロクラックの進行が第2相3で妨げられる。
そのため、絶縁体1の一部が欠けたり割れたりしてしまうような機械的な破壊が効果的に抑制される。したがって、欠けや割れ等の機械的な破壊の抑制に有効な絶縁体1を提供することができる。
図3に示すように、第1相2は、互いに融着したシリカ粒子を主成分として含有している。図3は、図1の第1相2の一部を拡大して示す断面図である。図3において図1と同様の部位には同様の符号を付している。なお、図3では複数のシリカ同士が互いに接し合う界面部分で結合し、連続した界面を形成して融着した状態を示している。また、個々のシリカ粒子の一例を、図の左上に仮想線(二点鎖線)で、シリカ粒子同士の界面位置として示している。
第1相2は、互いに融着したシリカ粒子以外にアルミナやガラス等のセラミック成分を含有していても構わない。また、第1相2は、カルシア、マグネシアまたはチタニア等のフィラーを含有していても構わない。第1相2における互いに融着したシリカの含有率は、例えば第1相2全体に対して約50〜100質量%程度である。
第1相2における主成分(互いに融着したシリカ粒子)の含有率は、約50〜100質量%
程度に設定されていればよい、これによって、第1相2(絶縁体1)としての機械的強度を十分に確保することができる。
この場合、シリカ粒子を強アルカリ性の水溶液で処理することにより、ケイ酸(塩)がシリカ粒子表面に形成される。また、表面にケイ酸(塩)を含有するシリカ粒子を80〜150℃程度で加熱して乾燥させることにより、脱水されて、シリカ粒子同士がシラノール結
合で融着する。なお、この場合の強アルカリ性の水溶液は、例えば、pHが12以上、かつ14以下のものである。また、強アルカリ性の溶液となる物質としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム等の金属水酸化物、テトラメチルアンモニウムハイドロキサイド、テトラエチルアンモニウムハイドロキサイドおよびグアニジン等のアンモニウム化合物、ならびに水酸化トリメチルスルホニウムおよび水酸化ジフェニルヨードニウム等の有機水酸化物が挙げられる。
第1相2について、例えば上記のように、主成分である互いに融着したシリカ粒子が非晶質の個体として一定の形状を有して存在し、マトリクス部材(母材)を形成している。
なお、第1相2がシリカ粒子以外にアルミナを含有している場合には、アルミナが比較的高い熱伝導性および電気絶縁性を有し、硬度が高いため、次のような点で有利である。すなわち、この場合には、第1相2および第1相2を海とする絶縁体1の熱伝導性および電気絶縁性の向上がより容易である。また、第1相2および第1相2を海とする絶縁体1の機械的な強度の向上の点でも有利である。機械的な強度は例えば絶縁体1としての抗折強度であり、抗折強度を向上させるには、針状や板状のアルミナが添加されていることが好ましい。
第1相2の主成分である互いに融着したシリカ粒子は、結晶性シリカおよび非晶性シリカを含んでいるものであってもよい。結晶性シリカとしては、石英、水晶、珪砂、合成結晶性シリカ等が挙げられる。非晶性シリカとしては、乾式シリカ、湿式シリカ、シリカゲル、コロイダルシリカ等が挙げられる。
この場合には、結晶性シリカは硬いために、絶縁体1の曲げ弾性率を高くすることができ、非晶性シリカは、界面の反応性が高いために、融着し易く強固な絶縁体1が得られる。
第1相2のシリカ粒子が結晶性シリカおよび非晶性シリカの両方を含有しているものであるときに、互いの比率は、例えば体積比で、結晶性シリカ:非晶性シリカ=10:90〜90:10程度に設定されているのが好ましい。
なお、第1相2のシリカ粒子は、結晶性シリカのみからなるものでもよく、非晶性シリカのみからなるものでもよい。第1相2のシリカ粒子が結晶性シリカのみからなるものである場合には、シリカ粒子が強固に融着しボイドなどの空隙が少ない絶縁体1が得られる。また、第1相2のシリカ粒子が非晶性シリカのみからなるものである場合には、曲げ弾性率の高い絶縁体1が得られる。
第2相3は、上記のように第1相2におけるミクロクラックの進行を抑制するためのものである。そのため、第2相3は、ミクロクラックの進行の抑制のみを考慮すれば、その弾性率が低い方が好ましい。この点に関して、例えば第2相3は、−25℃〜125℃におけ
る曲げ弾性率が300GPa以下のものが好ましく、10GPa以下のものがより一層好まし
い。ただし、第2相3は、絶縁体1としての機械的強度にも影響を与える。したがって、その点も含めて考慮すれば、第2相3は、例えば−25℃〜125℃における曲げ弾性率が50
〜300GPaのものがより好ましい。
第2相3を形成している架橋樹脂材料としては、エポキシ樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂、ポリイミド樹脂、熱硬化ポリフェニレンエーテル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、キシレン樹脂、グアナミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フラン樹脂、ポリウレタン樹脂、マレイン酸樹脂およびユリア樹脂等の熱硬化性樹脂の少なくとも1種が熱反応で架橋されたものが挙げられる。また、架橋樹脂材料は、光硬化性樹脂であってもよい。光硬化性樹脂としては、例えば、イミドアクリレート樹脂、シリコーンアクリレート樹脂およびエポキシアクリレート樹脂等が挙げられる。光硬化性樹脂の場合には、光硬化触媒を用いて光架橋される。
なお、架橋樹脂材料がエポキシ樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂、ポリイミド樹脂および熱硬化ポリフェニレンエーテル樹脂から選択される少なくとも1種の熱硬化性樹脂を含むものである場合には、次のような点でより有利である。すなわち架橋密度をより高くすることが容易である。そのため、第2相3としての熱分解温度をより高くすることができる。なお、窒素中で熱重量減少5%程度の温度を樹脂の熱分解温度として規定する。これらの架橋樹脂材料の熱分解温度は、例えば第2相3の耐熱性、ならびに絶縁体1としての生産性および経済性等を考慮して、約300〜450℃程度に設定される。熱分解温度は、熱重量測定/熱天秤(TG−DTA)等の測定方法で測定できる。
また、第2相3は、熱硬化性樹脂等の架橋樹脂材料以外に、熱硬化性ゴム等の樹脂材料を含有していてもよい。また、ポリエチレングリコール等の可塑剤、アゾ系顔料剤等の添加材をさらに含有していてもよい。この場合、第2相3は、主成分である架橋樹脂材料の含有率が、例えば80〜98質量%程度に設定される。この場合には、第2相3において上記クラックの進行をより効果的に抑制することができる。また、第2相3の第1相2に対する接合の強度をより高くすることができる。
また、島としての第2相3の形状については、例えば図1に示す例のように、不定形状のものが挙げられる。この場合には、島としての第2相3の表面積(つまり第2相3との接合界面の面積)をより大きくすることに関して有利である。そのため、第1相2と第2相3との接合強度の向上に対してより有効である。
なお、第2相3の形状は、球状、楕円球状等の、不定形以外の形状であってもよい。例えば、未硬化の熱硬化性樹脂の熱硬化によって第2相3が形成されたものであるときに、
硬化前の熱硬化性樹脂が表面張力で丸くなるようなものであれば、第2相3の形成がより容易であり、絶縁体1としての生産性および経済性等の点でより有利である。また、第2相3は、表面積(第1相2との接合面積)をより大きくするように、表面が波打っている波状であってもよい。
絶縁体1における第2相3の存在の割合は、例えば合計の体積比で、第1相2:第2相3=95:5〜55:45程度の範囲に設定されていればよい。この場合には、絶縁体1としての機械的な強度を確保しながら、欠けの抑制に対してより高い効果を得ることができる。
第2相3の第1相2への分散の形態に関しては、第2相3が第1相2内にほぼ均一に分散していてもよい。この場合には、絶縁体1でランダムに発生するミクロクラックの進行を、絶縁体1内において偏りなく抑制することができる。また、第2相3が絶縁体1の表面近くで内部よりも多く分散していてもよい。この場合には、絶縁体1の外表面を起点として発生するミクロクラックの進行を、より効果的に抑制することができる。
また、実施形態の絶縁体1において、例えば図4に示すように、第1相2と第2相3との界面にシラン化合物が介在していてもよい。この場合には、シラン化合物を介して、第1相2と第2相3とが互いに、より強固に結合し合う。そのため、この場合には、絶縁体1としての機械的な強度をさらに高くすることができる。図4は、図1の要部の一例を拡大して模式的に示す断面図である。図4において図1と同様の部位には同様の符号を付している。
図4の例において、シラン化合物は、第2相3との化学結合が可能な基Aを有するシラノールであり、いわゆるシランカップリング剤である。シラン化合物の第2相3との化学結合は、例えば第2相3の熱硬化性樹脂との架橋である。また、この場合には、シラノールが第1相2のシリカ表面のシラノール基と共有結合する。シラノールは、水素(H)の一部または全部がアルキル基(R)等で置換されているものでもよい。
第1相2と第2相3との界面に存在するシラノール等のシラン化合物は、例えば、前述したシリカ粒子の表面(シリカ粒子同士の界面)のケイ酸(塩)と同様にシリカ粒子の表面に含有されたものであってもよい。シリカ粒子の表面にケイ酸(塩)とシラン化合物とが含有され、このシラン化合物について第2相3との結合が可能な基Aを有するものとされる。このシラン化合物が、シリカ粒子(第1相2)と樹脂材料(第2相3)との結合に使われる。
第2相3との化学結合が可能な基Aとしては、例えば、エポキシ基、アミノ基およびビニル基等が挙げられる。これらの基Aが、第2相3の熱硬化性樹脂と付加反応、ラジカル反応または脱水縮合反応等で互いに結合し合う。
なお、シラン化合物としては、上記以外に、例えばオルガノシランおよびポリアルキルシラノール等が挙げられる。
シラン化合物と第1相2のシリカとの反応は、シリカ粒子(シリカの粉末)とシラン化合物とを互いに混合して室温(約10〜30℃程度等)でも進行させることができるが、約50〜80℃に加熱することによって、より迅速に進行させることができる。また、シリカ粒子とシラン化合物との間でより強固なシラノール結合が得られる。
実施形態の絶縁体1は、例えば次のようにして作製することができる。
すなわち、まず、石英(結晶質)または乾式シリカ(非晶質)等のシリカ原料(塊状)
を機械的な加工で摩砕して第1相2の原料であるシリカ粒子(シリカの粉末)を作製する。次に、例えば未硬化のアクリル樹脂等の未硬化樹脂材料を準備するとともに加熱等の手段で架橋させて第2相3の原料である架橋樹脂材料を作製した後、この架橋樹脂材料に乳化剤を加え高速撹拌することにより、架橋アクリルエマルジョンが得られる。次に、これらのシリカ粒子および架橋アクリルエマルジョンを強アルカリ性の水溶液中で混合し、シリカ粒子を含む水溶液中に架橋アクリルエマルジョンを粒状に分散させる。その後、水分を除去(乾燥)させて、シリカ粒子を互いに化学結合(融着)させる。以上の工程によって、互いに融着したシリカ粒子を主成分とする第1相2を海とし、架橋樹脂材料を主成分とする第2相3を島とする海島構造の絶縁体1を作製することができる。
この場合、シリカ粒子、架橋アクリルエマルジョンおよび強アルカリ性の水溶液を含む混合液を乾燥させる工程で、適宜に水を加え混合液を適切な粘度に保持し、この混合液を金型等で所定の形状に成形しておけば、所定の形状の絶縁体1を作製することができる。
以上の説明では第2相3が架橋アクリル樹脂である場合を例にして説明したが、架橋アクリル樹脂以外の架橋樹脂でも同様の方法で絶縁体1を作製することができる。
なお、上記の絶縁体1を作製する工程において、シリカ粒子以外にガラスおよびアルミナ等の添加材を第1相2の原料として添加してもよい。また、熱硬化性ゴム、可塑剤および顔料等の添加材を第2相3の原料として添加してもよい。
前述したように、上記構成の絶縁体1を含む基板11と、この基板11の表面に設けられた配線導体12とによって配線基板10が基本的に形成されている。配線基板10は、例えば電子部品搭載用基板として用いられ、基板11の上面に電子部品21が搭載されて電子装置20が作製される。電子部品21と配線導体12とは、例えばボンディングワイヤ等の導電性接続材22によって互いに電気的に接続される。
基板11は、絶縁体1以外に、例えば配線導体12の一部を被覆する被覆層(図示せず)等を含んでいてもよい。被覆層を形成する材料は、例えば、第2相3を形成している架橋樹脂材料でもよく、他の樹脂材料でもよい。
電子部品21としては、例えば半導体集積回路素子、撮像素子および発光素子等を含む半導体素子、水晶振動素子および弾性表面波素子等の圧電素子、容量素子(セラミックチップコンデンサ等)、抵抗器、圧力センサ素子等の種々のセンサ素子、ならびに微細な電子機械システムを有する電子機械システム素子(いわゆるMEMS素子)等の種々のものが挙げられる。
基板11は、例えば上面等の露出表面に電子部品21を搭載して固定するための基体として機能する。基板11は、図3の例では四角形の板状であって上面に凹部(符号なし)を有している。凹部を有する基板11は、例えば、基板11となる絶縁体1を作製する工程において、凹部を含む型を用いて凹部を有する絶縁体1を作製するようにすればよい。
また、平板状の絶縁体(図示せず)と枠状の絶縁体(図示せず)とを別々に作製して、平板状の絶縁体の上面に枠状の絶縁体を積層し、互いに接合させることによって、凹部を有する基板11を作製することもできる。この場合、例えば、平板状の絶縁体と枠状の絶縁体の界面にオルガノシロキサンが存在していれば、互いの界面はシラノール結合で接合される。すなわち、例えばオルガノシロキサンを含む接合材によって、平板状の絶縁体と枠状の絶縁体とを接合することができる。
なお、基板11は、この形状に限らず、凹部を有していない平板状であってもよく、円形
状、楕円形状またはこれらの形状を組み合わせた形状でもよい。また、基板11は、上記の形状であって、平面視において(上面側から見て)外周の一部に凹凸を有するような形状でもよく、不定形状であってもよい。
配線導体12は、電子部品21を外部電気回路(図示せず)に電気的に接続するための導電路として機能する。配線導体12は、電子部品21等との電気的な接続のために、少なくも基板11の上面等の露出する表面に設けられている。なお、配線導体12は、基板11の内部に設けられたものを含んでいてもよい。
配線導体12は、例えば銅、銀、鉛、亜鉛、インジウム、ビスマス等の金属材料によって形成されている。これらの金属材料は、例えば、基板11の塗布および加熱された金属ペースト、金属箔、めっき層または薄膜層等の形態で形成されている。
配線導体12は、例えば銅からなる場合であれば、銅、熱硬化性樹脂およびはんだ等を有機溶剤等とともに混練して作製した金属ペーストを基板11の表面等に所定パターンに印刷し、加熱して熱硬化させる等の方法で、基板11に形成することができる。
また、配線導体12は、銅または銀等の金属材料を用いて作製した金属箔を基板11(絶縁体1)の表面に張り付け、この金属箔をフォトリソグラフ等のパターン形成方法で所定パターンに成形することによって、形成するようにしてもよい。金属箔は、基板11に張り付ける前に所定パターンに成形してもよい。また、このような銅または銀等の金属箔の表面に、銅または銀等のめっき層(図示せず)を被着させて、配線導体12としての厚み(電気伝導性)を高めるようにしてもよい。
また、配線導体12は、スパッタリング法および蒸着法等の薄膜形成方法によって基板11に形成することもできる。この場合にも、上記のようなめっき法が併用されたものであってもよい。
この場合、配線導体12が銅および銀の少なくとも一方を主成分とする金属材料からなるものである場合には、次のような点で有利である。すなわち、銅および銀の電気抵抗率が小さいため、これらを主成分として形成された配線導体12の導通抵抗を低く抑えることが容易である。配線導体12の導通抵抗が低いために、伝送ロスが少なく、高周波特性基板(高周波信号の伝送に適した配線基板10の形成)に有利である。
配線導体12は、前述したように基板11の内部に設けられた部分を含んでいてもよい。また、配線導体12に加えて、基板11の厚み方向の少なくとも一部を貫通する貫通導体が設けられていてもよい。図2では、貫通導体について破線を用いて模式的に示している。この貫通導体は、絶縁体1の内部に配置されているとともに、配線導体12に接続された端部を有している。
基板11の内部に配線導体12を設けるには、基板11を複数の層状の絶縁体(絶縁層)(絶縁層としては図示せず)が互いに積層されたものとして作製する際に、その絶縁層の表面にあらかじめ配線導体12を設けておき、この配線導体12が内部に位置するように複数の絶縁層を積層して基板11を製作するようにすればよい。また、この絶縁層のうち所定の部位に貫通孔(図示せず)を設けておいて、この貫通孔内に配線導体12と同様の金属材料(金属ペースト)を充填しておけば、貫通導体を含む配線基板10を製作することができる。
また、この例では、上下2つの貫通導体が、基板11の内部に設けられた配線導体12(貫通導体に破線で示したもの)を介して互いに電気的に接続されている。この貫通導体等を介して、例えば基板11の上面の配線導体12と基板11の下面の配線導体12とが互いに電気的
に接続されている。
貫通導体については、銅および銀の少なくとも一方を主成分としているものであることが好ましい。これは、次のような理由による。特に、銀は酸化されにくいため、高温高湿の環境試験においても、酸化されることはなく、導通抵抗の低下などが起きにくい。
配線基板10の配線導体12および貫通導体を含む場合に、配線導体12と貫通導体とを互いに同じ金属材料からなるものとした場合には、両者の界面における接合の強度の向上、および生産性等の点でより好ましい。また、配線導体12と貫通導体とを、互いに異なる金属材料からなるものとしてもよい。例えば、基板11内部の配線導体12同士の間のイオンマイグレーションの抑制および経済性(コスト)等を考慮して、基板11の内部の配線導体12および貫通導体における銀の含有率を、基板11の表面に露出した配線導体12における銀の含有率よりも小さく抑えるようにしてもよい。
また、実施形態の配線基板10は、絶縁体1が、互いに融着した複数のシリカ粒子を主成分とする第1相2と、架橋樹脂材料を主成分とする第2相3とを備えており、第1相2を海とし、第2相3を島とする海島構造を有していることから、高温高湿の加速試験においても、第1相2がバリアとなり、例えば外部から第2相3への水分の浸透が抑制される。そのため、第2相3に含まれている架橋樹脂材料の水分による劣化が抑制される。したがって、配線基板10は耐湿性にも優れている。
なお、本発明は以上の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内であれば種々の変更は可能である。
例えば、配線基板10の配線導体12は、露出表面にニッケルおよび金等のめっき層(図示せず)が被着されているものであってもよい。また、配線基板10となる複数の領域(図示せず)が互いに縦横の並びに配列された多数個取り配線基板(図示せず)の形態であってもよい。
1・・・絶縁体
2・・・第1相
3・・・第2相
10・・・配線基板
11・・・基板
12・・・配線導体
20・・・電子装置
21・・・電子部品
22・・・導電性接続材

Claims (6)

  1. 互いに融着した複数のシリカ粒子を主成分として含有する第1相と、
    架橋樹脂材料を主成分として含有する第2相とを備えており、
    前記第1相を海とし、前記第2相を島とする海島構造を有していることを特徴とする絶縁体。
  2. 前記シリカ粒子が、結晶性シリカおよび非晶性シリカを含んでいることを特徴とする請求項1に記載の絶縁体。
  3. 前記第1相と前記第2相との界面にシラン化合物が介在することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の絶縁体。
  4. 請求項1に記載の絶縁体を含む基板と、
    該基板の表面に設けられた配線導体とを備えることを特徴とする配線基板。
  5. 前記配線導体が銅および銀の少なくとも一方を主成分とする金属材料からなることを特徴とする請求項4に記載の配線基板。
  6. 銅および銀の少なくとも一方を主成分としており、前記絶縁体の内部に配置されているとともに、前記配線導体に接続された端部を有する貫通導体をさらに備えることを特徴とする請求項5に記載の配線基板。
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