JP2016207700A - リアクトル - Google Patents

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Abstract

【課題】コイルと磁性コアとの組合体をケース内で固定する封止樹脂部の構成樹脂の量を低減しつつ、組合体のケースからの脱落を効果的に抑制できるリアクトルを提供する。
【解決手段】コイルと、前記コイルの内部に位置する内側コア部及び前記コイルから露出する外側コア部を有する磁性コアと、前記コイルと前記磁性コアとの組合体を内部に収納するケースとを備えるリアクトルであって、前記ケースの前記組合体が載置される側を下側とするとき、前記外側コア部は、前記内側コア部の上面よりも下方に位置する低上面部を有し、更に、前記外側コア部の前記低上面部の上方に配置されると共に、前記低上面部との重複領域が前記内側コア部の上面よりも下方に位置する支持部と、前記ケース内に充填されて前記支持部の少なくとも一部を埋設する封止樹脂部とを備え、前記封止樹脂部の上面が、前記内側コア部の上面よりも下方に位置するリアクトル。
【選択図】図1

Description

本発明は、ハイブリッド自動車の車載用DC−DCコンバータといった電力変換装置などに利用されるリアクトルに関する。特に、コイルと磁性コアとの組合体をケース内で固定する封止樹脂部の構成樹脂の量を低減しつつ、組合体のケースからの脱落を効果的に抑制できるリアクトルに関する。
電圧の昇圧動作や降圧動作を行う回路の部品の一つに、リアクトルがある。リアクトルは、ハイブリッド自動車などの車両に搭載されるコンバータに利用される。
例えば、特許文献1は、コイルとコア(磁性コア)とを備えるリアクトル(組合体)がケースに収納され、ケースに固定されるステー部材(支持部)とケースに充填される樹脂(封止樹脂部)とでリアクトルをケースに固定したリアクトル構造体(リアクトル)を開示している。ステー部材は、コアのうちコイルから露出する露出部を上から押さえつけている。樹脂は、リアクトル全体を埋設するようにケース内に充填している。
特開2013−055364号公報
上述のリアクトルでは、組合体全体を埋設するように封止樹脂部の構成樹脂を充填するため、構成樹脂の充填量が多くなる。そのため、生産性の向上などから封止樹脂部の構成樹脂の充填量を低減することが望まれている。封止樹脂部をなくせば構成樹脂の充填量を低減できるが、組合体のケースへの固定が基本的に支持部だけになり、その固定が不十分になる虞がある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的の一つは、コイルと磁性コアとの組合体をケース内で固定する封止樹脂部の構成樹脂の量を低減しつつ、組合体のケースからの脱落を効果的に抑制できるリアクトルを提供することにある。
本発明の一態様に係るリアクトルは、コイルと、コイルの内部に位置する内側コア部及びコイルから露出する外側コア部を有する磁性コアと、コイルと磁性コアとの組合体を内部に収納するケースとを備える。ケースの組合体が載置される側を下側とする。外側コア部は、内側コア部の上面よりも下方に位置する低上面部を有する。このリアクトルは、更に、支持部と封止樹脂部とを備える。支持部は、外側コア部の低上面部の上方に配置されると共に、低上面部との重複領域が内側コア部の上面よりも下方に位置する。封止樹脂部は、ケース内に充填されて支持部の少なくとも一部を埋設する。封止樹脂部の上面が、内側コア部の上面よりも下方に位置する。
上記リアクトルは、封止樹脂部の構成樹脂の量を低減しつつ、組合体のケースからの脱落を効果的に抑制できる。
実施形態1のリアクトルを示す概略斜視図である。 図1に示すリアクトルの(II)−(II)切断線で切断した状態を示す部分断面図である。 図1に示すリアクトルの(III)−(III)切断線で切断した状態を示す部分断面図である。 実施形態1のリアクトルの概略を示す分解斜視図である。 実施形態1のリアクトルに備わる組合体の分解斜視図である。 実施形態2のリアクトルに備わるケースの一部を切断した状態を示す部分断面図である。 実施形態3のリアクトルに備わるケースの一部を切断した状態を示す部分断面図である。 実施形態4のリアクトルに備わるケースの一部を切断した状態を示す部分断面図である。
《本発明の実施形態の説明》
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
(1)本発明の一態様に係るリアクトルは、コイルと、コイルの内部に位置する内側コア部及びコイルから露出する外側コア部を有する磁性コアと、コイルと磁性コアとの組合体を内部に収納するケースとを備える。ケースの組合体が載置される側を下側とする。外側コア部は、内側コア部の上面よりも下方に位置する低上面部を有する。このリアクトルは、更に、支持部と封止樹脂部とを備える。支持部は、外側コア部の低上面部の上方に配置されると共に、低上面部との重複領域が内側コア部の上面よりも下方に位置する。封止樹脂部は、ケース内に充填されて支持部の少なくとも一部を埋設する。封止樹脂部の上面が、内側コア部の上面よりも下方に位置する。
上記の構成によれば、封止樹脂部の上面が内側コア部の上面よりも下方に位置するため、封止樹脂部が組合体全体を埋設する場合に比較して、封止樹脂部の構成樹脂の量を低減できる。そして、封止樹脂部で組合体の一部を封止している上に支持部の少なくとも一部を封止することで、組合体のケースへの固定を封止樹脂部と支持部との両方で行えるため、封止樹脂部の量が少なくても、組合体のケースからの脱落を効果的に抑制できる。
(2)上記リアクトルの一形態として、低上面部は、外側コア部のうち内側コア部と反対側に張り出して設けられていることが挙げられる。
上記の構成によれば、低上面部を外側コア部のうち内側コア部と反対側の面を切り欠いた切欠により形成する場合に比較して磁路面積が減少しないため、磁気特性に優れる。また、組み立ての際、低上面部の上方に支持部を配置し易いので、組合体のケースへの固定を行い易い。
(3)上記リアクトルの一形態として、低上面部は、外側コア部のうち内側コア部と反対側の面を切り欠いた切欠により形成されていることが挙げられる。
上記の構成によれば、低上面部を外側コア部のうち内側コア部と反対側に張り出して設ける場合に比較して、リアクトルのコイル軸方向に沿ったサイズを小さくし易く軽量化を図り易い。
(4)上記リアクトルの一形態として、外側コア部の低上面部、支持部の重複領域、及び封止樹脂部の上面は、内側コア部の高さの半分よりも下方に位置していることが挙げられる。
上記の構成によれば、封止樹脂部の高さをリアクトル全体を埋設する高さとする従来のリアクトルに比較して封止樹脂部の高さを半分以下にできるため、封止樹脂部の構成樹脂の量をより一層低減できる。
(5)上記リアクトルの一形態として、支持部は、ケースとは別部材で、ケースに取り付けられることが挙げられる。
上記の構成によれば、支持部がケースと一連に形成されている場合に比較して、支持部のケースとの接触箇所を少なくし易く、磁性コアの磁歪などの振動がケースに伝達し難くできるため、騒音を低減し易い。また、支持部の材質をケースの材質と異ならせることもできるため、材質の選択肢を広げられる。更に、支持部の形状の選択肢も広げられる。
(6)上記リアクトルの一形態として、ケースは、組合体が載置される底板部と、組合体の周囲を囲む側壁部とを備え、側壁部の高さが、内側コア部の上面よりも低いことが挙げられる。
上記の構成によれば、側壁部が組合体の高さと同等以上である従来のリアクトルに比較して、側壁部の構成材料を低減でき、リアクトルの軽量化を図れる。従来のリアクトルは、封止樹脂部で組合体全体を埋設しているため、ケースの側壁部の高さは、少なくとも組合体の高さ以上必要であった。これに対して、上記リアクトルでは、封止樹脂部の上面が内側コア部の上面よりも下側に位置するため、ケースの側壁部の高さを低くできる。
(7)上記リアクトルの一形態として、封止樹脂部は、外側コア部における低上面部の上面と支持部の下面との間に介在されていることが挙げられる。
上記の構成によれば、コアの損傷を抑制できる。外側コア部の低上面部の上面と支持部の下面との間に封止樹脂部を介在させることで、支持部を外側コア部の低上面部の上面に接触させる場合に比較して、リアクトルの動作時の振動による外側コア部への応力の付加を緩和できるからである。
また、上記の構成によれば、ケースの振動を抑制できるため、騒音を抑制できる。外側コア部の低上面部の上面と支持部の下面との間に封止樹脂部を介在させることで、支持部を外側コア部の低上面部の上面に接触させる場合に比較して、支持部が磁性コアの振動のケースへの伝達経路になり難いからである。
《本発明の実施形態の詳細》
本発明の実施形態の詳細を、以下に図面を参照しつつ説明する。
《実施形態1》
〔リアクトルの全体構成〕
図1〜5を参照して、実施形態1のリアクトル1Aを説明する。リアクトル1Aは、コイル2と、コイル2の内部に位置する内側コア部及びコイル2から露出する外側コア部を有する磁性コア3と、コイル2と磁性コア3との組合体10Aを内部に収納するケース4とを備える。このリアクトル1Aは、更に、組合体10Aをケース4に固定する支持部5及び封止樹脂部6を備える。リアクトル1Aの主たる特徴とするところは、外側コア部が内側コア部の上面よりも下方に位置する低上面部323を有し、支持部5をその低上面部323に重複させると共に、封止樹脂部6の形成領域を、その低上面部323を封止する程度の範囲とする点にある。ここでは、ケース4の組合体10Aが載置される側(設置側)を下側、その反対側(対向側)を上側とし、コイル2の軸方向において外側コア部のコイル2に近い側をコイル近接側、その反対側をコイル離隔側とする。また、リアクトル1Aにおける上下方向に沿った長さを高さ、上下方向及びコイル2の軸方向の両方向に直交する方向に沿った長さを幅とする。以下、リアクトル1Aの主たる特徴部分及び関連する部分の構成、並びに主要な効果を順に説明し、その後、各構成を詳細に説明し、最後にリアクトル1Aの製造方法を説明する。図中の同一符号は同一名称物を示す。
〔主たる特徴部分及び関連する部分の構成〕
[コイル]
コイル2は、接合部の無い1本の連続する巻線2wを螺旋状に巻回してなる一対の巻回部2a,2bと、巻線2wの一部から形成されて両巻回部2a,2bを連結する連結部2rとを備える(図1,4,5)。巻線2wは、平角線の導体(銅など)と、この導体の外周を覆う絶縁被覆(ポリアミドイミドなど)とを備える被覆平角線(所謂エナメル線)である。巻回部2a,2bは、この被覆平角線をエッジワイズ巻きしたエッジワイズコイルである。各巻回部2a,2bは、互いに同一の巻数の中空の筒状体であり、各巻回部2a,2bの端面形状は、矩形枠の角部を丸めた形状としている。各巻回部2a,2bの配置は、各軸方向が平行するように横並び(並列)した状態としている。
連結部2rは、コイル2の軸方向一端側(図1,4,5紙面右側)の上側で、巻線2wの一部をU字状に屈曲して構成している。各巻回部2a,2bを形成する巻線2wの両端部2eは、連結部2r側と反対側の上側でターン形成部分からコイル2の上方へ引き延ばされている。両端部2eは、その先端の絶縁被覆が剥されて露出した導体に端子部材(図示略)が接続される。コイル2は、この端子部材を介してコイル2に電力供給を行なう電源などの外部装置(図示略)が接続される。
[磁性コア]
磁性コア3は、巻回部2a,2bから露出する外側コア部と、巻回部2a,2bの内側に配置される内側コア部とを備える。磁性コア3は、複数のコア片を組み合わせて構成される。複数のコア片の組み合わせは、適宜選択できる。ここでは、磁性コア3は、図5に示すように、複数の角柱状コア片31mと、一対のU字状コア片32mと、各コア片間に介在される複数のギャップ部分31gとで構成される。角柱状コア片31mは、その全体が巻回部2a,2b内に配置される。一対のU字状コア片32mは、同一の形状であり、巻回部2a,2bの内側に配置される部分と、巻回部2a,2bの外に配置(露出)される部分との両方を有する。U字状コア片32mは、U字の開口部が向かい合うように配置され、角柱状コア片31mとギャップ部分31gとの積層物が、U字状コア片32m,32m間に横並び(並列)に配置される。この配置によって、磁性コア3は環状に組み付けられ、コイル2を励磁したときに閉磁路を形成する。
この磁性コア3では、このU字状コア片32mのうち巻回部2a,2bの外に配置される部分を外側コア部といい、複数の角柱状コア片31mと複数のギャップ部分31gとU字状コア片32mのうち巻回部2a,2b内に配置される部分とを内側コア部という。ここでは、U字状コア片32mは、基部321と、一対の突出部322と、低上面部323とを備える。これら基部321,突出部322、及び低上面部323は、一体に成形された一体物である。基部321は、巻回部2a,2bの外側のコイル近接側で巻回部2a,2b間に跨るように配置される。一対の突出部322は、基部321のコイル近接側から突出して巻回部2a,2b内にそれぞれ配置される。低上面部323は、基部321のコイル隔離側から突出部322とは反対側に張り出される。即ち、外側コア部は、実質的に基部321と低上面部323とで構成され、内側コア部は、実質的に角柱状コア片31mとギャップ部分31gとU字状コア片32mの突出部322とで構成される(内側コア部は後述)。
(外側コア部)
〈基部〉
基部321の形状は、略直方体状である。基部321の上面は、突出部322及び角柱状コア片31mの上面と略面一であり、低上面部323の上面よりも上側にある。基部321の下面は、角柱状コア片31mの下面よりも下側に突出しているが、コイル2の下面よりも高い位置にある。即ち、組合体10Aの設置面は、実質的にコイル2の下面で構成されていて、基部321の下面と底板部41との間には、封止樹脂部6が介在されている(図2、3)。このようにコイル2が底板部41に接触していることで放熱性を確保しつつ、基部321の下面と底板部41との間に封止樹脂部6が介在していることで、基部321を介したケース4への振動の伝達を抑制できて騒音を低減できる。
〈低上面部〉
低上面部323は、内側コア部(角柱状コア片31m)の上面よりも下方に位置する上面を有する。低上面部323は、例えば、外側コア部(基部321)のコイル離隔側に張り出して形成したり(図1など)、外側コア部(基部321)のコイル離隔側の面又はコイル近接側の面を切り欠いた切欠324により形成したり(図7、8)することが挙げられる。ここでは、低上面部323は、上述したように基部321のコイル離隔側に張り出して形成する。低上面部323を基部321の切欠324により形成する形態については、後述する実施形態3,4でそれぞれ図7,8を参照して説明する。
低上面部323の形状は、ブロック状である。低上面部323の上面の位置は、基部321の上面よりも下側にある。即ち、低上面部323の上面の高さは、基部321の上面よりも低い。それにより、低上面部323の上面に重複するように支持部5を配置しても、支持部5の上面と、封止樹脂部6の上面とを基部321の上面よりも低くし易い。そのため、封止樹脂部6の量を低減し易い。低上面部323の上面の位置は、内側コア部(角柱状コア片31m)の高さHiの半分(高さの中心Hc:図3)よりも下側であることが好ましい。そうすれば、支持部5及び封止樹脂部6の上面の位置を内側コア部の高さの中心Hcよりも下方にし易い。従って、封止樹脂部6の量をより一層低減し易い。この低上面部323の上面は、基部321の上面と略平行である。
低上面部323の下面の位置は、基部321の下面と面一であってもよいし、基部321の下面よりも上側であってもよい。基部321の下面がコイル2の下面よりも高い位置にあるため、いずれであっても、底板部41と基部321の下面との間と同様、底板部41と低上面部323の下面との間にも封止樹脂部6が介在される。ここでは、低上面部323の下面は基部321の下面と面一にしている(図2,図3)。
低上面部323の幅方向に沿った形成領域は、基部321の幅方向の一部の領域としてもよいし、基部321の幅方向の全長に亘る領域としてもよい。ここでの幅は、巻回部2a,2bの並列方向に沿っている。低上面部323の上記形成領域を基部321の幅方向の一部の領域とする場合、その形成箇所は、例えば、基部321の幅方向中央の1箇所としてもよいし、基部321の幅方向両端の2箇所に互いの間隔を設けてもよい。低上面部323の上記形成領域を基部321の幅方向の一部の領域とする場合、その形成領域の幅(複数の場合、その合計)は、基部321の幅の40%程度以上が好ましく、50%以上、更には60%以上が好ましい。この形成領域は、広いほど支持部5と封止樹脂部6により組合体10Aをケース4へ強固に固定できるため、基部321の幅方向の全長に亘る領域とすることが好ましい。ここでは、上記形成領域は、基部321の幅方向の全長に亘る領域としている(図2)。即ち、外側コア部(基部321と低上面部323とを合わせた)の断面形状(コイル軸方向に沿って切断)は、断面L字状である(図3)。
[ケース]
ケース4は、コイル2と磁性コア3との組合体10Aを内部に収納する(図1,〜4)。ケース4は、組合体10Aを収納することで、組合体10Aの外部環境(粉塵や腐食など)からの保護や機械的保護を図ることができる。ケース4は、組合体10Aが載置される底板部41と、組合体10Aの周囲を囲む側壁部42とを備える。底板部41は、平板状であり、その下面を冷却ベースなどの設置対象(図示略)に設置する。側壁部42は、底板部41の周縁に立設される略矩形枠状である。底板部40と側壁部41とは、後述するように分離可能な別部材で構成(図6)してもよいが、ここでは一体に成形されている。
側壁部42の高さは、内側コア部(角柱状コア片31m)や基部321の上面よりも低いことが好ましい。そうすれば、ケース4の構成材料を低減できる上に、封止樹脂部6の充填量を低減できてリアクトル1Aの軽量化を図れる。側壁部42の高さは、内側コア部の高さの中心Hcよりも下側とすることができる(図3)。
側壁部42の内周面の4つの角部には、支持部5を取り付けるための取付台43を備える(図4)。取付台43は、ケース4内の各角部を埋めるように形成された柱状に構成されている。取付台43の上面は、平面で構成され、支持部5を取り付ける取付面43uとなる。取付面43uには、支持部5を固定するためのボルト53が挿通される挿通孔43hが形成されている。
取付面43u(取付台43)の位置(高さ)は、支持部5の形状や、支持部5による低上面部323の上面の支持の仕方(直接か間接か)などに合わせて、低上面部323の上面と略面一としたりその上面よりも高くしたり低くしたり適宜選択できる。取付面43uの位置は、支持部5の下面と低上面部323の上面との間に隙間が形成されるように適宜選択することが好ましい(図2)。その隙間に封止樹脂部6を介在させれば、低上面部323の損傷を抑制し易い。その上、支持部5を介した外側コア部の振動のケース4への伝達の抑制に効果的である。支持部5を低上面部323に接触させる場合に比較して、リアクトル1Aの動作時の振動による低上面部323への応力の付加を緩和させられる上に、支持部5が磁性コア3の振動のケース4への伝達経路になり難いからである。
ここでは、取付面43u(取付台43)の位置(高さ)は、低上面部323の上面よりも高くしている。後述するように、支持部5の形状が平板状であり、この支持部5による低上面部323の上面の支持を封止樹脂部6を介して間接的に行うからである。即ち、取付面43uの位置を低上面部323の上面よりも高くすることで、組合体10Aをケース4に収納して平板状の支持部5を取付台43に取り付けると、低上面部323の上面と支持部5の下面との間に封止樹脂部6を介在させられる隙間を形成できる(図2、3)。
取付面43u(取付台43)の位置(高さ)は、支持部5の下面と低上面部323の上面との間の間隔d(図2)が、1mm以上10mm以下となるように適宜選択することが好ましい。上記間隔dを1mm以上とすることで、支持部5と低上面部323との間に封止樹脂部6の構成樹脂を隙間なく速やかに充填させ易い。その上、外側コア部の振動のケース4への伝達の抑制に効果的である。上記間隔dを10mm以下とすることで、リアクトル1Aの小型化に寄与する。上記間隔が広すぎると、リアクトル1Aの高さが高くなり、封止樹脂部6の充填量が多くなり、リアクトル1Aの大型化、重量化を招く。上記間隔dは、取付台43の高さや支持部5の形状により適宜調整できる。上記間隔dは、支持部5の重複部52の下面と低上面部323の上面との間の最も狭い箇所を言う。上記間隔dは、1mm以上3mm以下がより好ましい。
取付台43の内周面は、組合体10Aの輪郭形状(外側コア部の外周面と各巻回部2a,2bの端面)に沿っている(図4)。
底板部41と側壁部42とで囲まれる内部空間は、組合体10Aの収納空間に利用される。上記内部空間の大きさは、組合体10Aを収納した際、組合体10Aの側面との間に封止樹脂部6の構成樹脂が充填される隙間が形成される程度である(図2)。即ち、封止樹脂部6の構成樹脂を充填・硬化すれば、ケース4の側壁部42の内周面と封止樹脂部6との間には実質的に隙間が形成されない(図1〜3)。
ケース4の材質は、アルミニウムやその合金、マグネシウムやその合金、銅やその合金、銀やその合金、鉄やオーステナイト系ステンレス鋼などの金属が好適である。これらの金属は熱伝導率が比較的高いので、その全体を放熱経路に利用でき、組合体10Aに発生した熱を設置対象(例えば、冷却ベース)に効率良く放熱でき、リアクトル1Aの放熱性を高められる。底板部41への組合体10Aの固定は、例えば、後述する樹脂層9(図3、4)により行える。
[支持部]
支持部5は、封止樹脂部6と共に組合体10Aのケース4からの脱落を防止する。支持部5は、内側コア部(角柱状コア片31m)や基部321の上面よりも下側に位置すると共に低上面部323の上面に重複するように配置される。この支持部5は、例えば、ケース4とは別部材で構成したり、ケース4に一連に形成(図6)して構成したりすることが挙げられる。ここでは、支持部5は、ケース4とは別部材で構成する。支持部5をケース4に一連に形成する形態については、後述する実施形態2で図6を参照して説明する。
支持部5は、低上面部323の上面を支持する。支持部5による低上面部323の上面の支持は、支持部5を低上面部323の上面に直接接触させて行ってもよいし、後述するように低上面部323と支持部5との間の固化された封止樹脂部6を介して間接的に行ってもよい。支持部5を低上面部323の上面に直接接触させる場合、支持部5により低上面部323の上面を下面側へ向かって押圧させてもよい。ここでの支持部5による上記支持は、封止樹脂部6を介して間接的に行う。
支持部5は、ケース4(取付台43)に取り付けられる固定部51と、外側コア部の低上面部322の上面に重複する重複部52とを備える。固定部51は、長手方向の両端側に設けられ、重複部52は、長手方向の略中央に設けられている。固定部51には、支持部5を取付台43に固定するためのボルト53などの締結部材が挿通される挿通孔51hが形成されている(図4)。なお、図2、3では、説明の便宜上、挿通孔43h、挿通孔51h、及びボルト53は省略して示している。
支持部5の上面は、基部321の上面よりも低い。ここでいう支持部5の上面とは、主に重複部52の上面を言う。特に、支持部5の上面は、図3に示すように、内側コア部の高さの中心Hcよりも下側に位置していることが好ましい。
支持部5の形状は、固定部51と重複部52とが取付面43uと略平行で屈曲部のない平板で構成している。支持部5を平板で構成することで、組合体10Aをケース4に収納して支持部5の固定部51を取付台43に取り付けた際、外側コア部の上面と支持部5の重複部52の下面との間に封止樹脂部6を介在させられる所定の間隔dの隙間を形成できる。上述したように、取付面43u(取付台43)の位置(高さ)を低上面部323の上面よりも高くしているためである。支持部5を低上面部323に接触させる場合には、支持部5の形状は、平板の他、平板ばねで構成してもよい。このとき、支持部5で低上面部323の上面を積極的に押圧する場合には、下側に反った平板ばねを用いるとよい。
例えば、取付面43uの位置が外側コア部の上面よりも十分に高い場合、支持部5の形状は、重複部52が固定部51に比べて低くなるように段差状に折り曲げた凹型の平板や板ばねで構成することもできる。また、外側コア部の上面と略面一の場合やその上面よりも低い場合には、支持部5の形状を、例えば、重複部52が固定部51に比べて高くなるように段差状に折り曲げた凸型の平板や板ばねで構成するとよい。
支持部5の材質は、ケース4の材質と異ならせることができるが、ケース4と同様の金属とすることができる。支持部5と外側コア部との間に介在される封止樹脂部6により両者を絶縁できるためである。そのため、支持部5の重複部52に絶縁性の樹脂被覆を設ける必要がない。支持部5を金属で構成すれば、支持部5の固定部51を金属製のケース4へ強固に固定できるため、組合体10Aのケース4からの脱落を抑制し易い。
[封止樹脂]
封止樹脂部6は、ケース4内に充填され、ケース4内に収納された組合体10Aの一部を封止する(図1〜3)。この封止樹脂部6により、支持部5と共に組合体10Aのケース4からの脱落を防止できる。また、組合体10Aのケース4を介した放熱性の向上や、コイル2に通電したときに発生する磁性コア3の振動及びこの振動に起因する騒音の低減などを図り易い。
封止樹脂部6の上面は、内側コア部(角柱状コア片31m)や基部321の上面よりも低い。それにより、封止樹脂部6の量を低減できる。封止樹脂部6の上面の位置は、支持部5の下面の位置にもよるが、角柱状コア片31mの高さの中心Hcよりも下側に位置していることが好ましい。そうすれば、封止樹脂部6の量をより一層低減できる。
封止樹脂部6の上面の位置は、支持部5の下面に略面一となる高さ以上とすることが挙げられる。即ち、封止樹脂部6の形成領域は、底板部41の上面から少なくとも支持部5の下面に至るまでの領域とすることが挙げられる。このとき、本形態のように低上面部323の上面と支持部5とが接触せず、両者の間の全域に亘って隙間が形成されている場合、その隙間の全域に亘って封止樹脂部6が介在する(図2)。封止樹脂部6が外側コア部と支持部5との間に介在することで、支持部5が外側コア部に直接接触しないため、磁性コア3の振動に伴う外側コア部への応力の付加を低減し易い上に、支持部5を介した磁性コア3の振動のケース4への伝達を抑制し易い。
封止樹脂部6の上面は、支持部5の下面と上面との間に位置していてもよいし、支持部5の上面よりも上方に位置していてもよい。即ち、封止樹脂部6の形成領域は、底板部41の上面から支持部5の一部が埋設される(一部が露出する)高さに至るまでの領域としてもよいし、支持部5の全体が埋設される高さに至るまでの領域としてもよい。支持部5の一部が埋設される高さとする場合は、支持部5の全体が埋設される高さとする場合に比べて封止樹脂部6の量を減らせられて軽量化できる。支持部5の全体が埋設される高さとする場合は、支持部5の一部が埋設される高さとする場合に比較して、組合体10Aの固定を強固にし易い上に、支持部5を外部環境から保護し易い。この封止樹脂部6の上面は、封止樹脂部6の硬化後の表面であって、ケース4内に未硬化の封止樹脂部6の構成樹脂を充填した際に液面であった面に相当する。
ここでは、封止樹脂部6の高さは内側コア部(角柱状コア片31m)の高さの中心Hcよりも低く、封止樹脂部6の形成領域は底板部41の上面から支持部5の全体を埋設する高さに至る領域である。即ち、組合体10Aの上半分は、封止樹脂部6から露出している。封止樹脂部6は、外側コア部(基部321及び低上面部323)の下面と底板部41との間にも介在している(図2、3)。
封止樹脂部6の構成樹脂は、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などの絶縁性樹脂が挙げられる。封止樹脂部6をこれらの樹脂の中でも硬い樹脂で構成すれば、共振の防止を期待でき、柔らかい樹脂で構成すれば、磁性コア3の振動を吸収してケース4への伝達を抑制し易い。柔らかい樹脂で構成する場合、例えば封止樹脂部6のショアA硬さは20以上90以下とすることが挙げられる。このショアA硬さは、「プラスチックのデュロメータ硬さ試験方法 JIS K 7215(1986)」に準拠した値である。ショアA硬さを20以上とすることで、組合体10Aをケース4にしっかり固定し易く、組合体10Aのケース4からの脱落を抑制し易い。ショアA硬さを90以下とすることで、磁性コア3の振動のケース4への伝達を抑制し易い。封止樹脂部6の構成樹脂は、更に、絶縁性や放熱性に優れるフィラーを含有すると、絶縁性や放熱性(熱伝導性)を高められる。なお、柔らかい樹脂で構成される領域は外側コア部の上面と支持部5との間の領域のみとし、それ以外の領域はこの領域よりも硬い樹脂で構成してもよい。
〔リアクトルの主たる特徴部分における作用効果〕
リアクトル1Aによれば、以下の効果を奏することができる。
(1)封止樹脂部6の上面が基部321よりも低いため、封止樹脂部が組合体全体を埋設する従来のリアクトルに比較して封止樹脂部6の構成樹脂の量を低減できる。
(2)封止樹脂部6が組合体10Aの一部を封止している上に低上面部323の上面を支持する支持部5を埋設していることで、封止樹脂部6の量が少なくても、組合体10Aのケース4からの脱落を効果的に抑制できる。
(3)封止樹脂部6が低上面部323の上面と支持部5の下面との間に介在していることで、支持部5を低上面部323に接触させる場合に比較して、低上面部323への応力の付加を緩和でき、低上面部323の損傷を抑制できる。
(4)封止樹脂部6が低上面部323の上面と支持部5の下面との間に介在していることで、支持部5を低上面部323に接触させる場合に比較して、支持部5が磁性コア3の振動のケース4への伝達経路になり難い。そのため、ケース4の振動、及び騒音を抑制できる。
〔その他の特徴部分を含む各構成の説明〕
[磁性コア]
磁性コア3の内側コア部は、上述したように、複数の角柱状コア片31mと、一対のU字状コア片32mの突出部322と、各コア片間に介在される複数のギャップ部分31gとで構成される(図5)。
(内側コア部)
角柱状コア片31mの形状は、巻回部2a,2bの内周形状に合わせた形状であることが好ましい。ここでは、角柱状コア片31mの形状は直方体状であり、その角部は巻回部2a,2bの内周面の角部に沿って丸められている。角柱状コア片31mの個数は、適宜選択できる。
U字状コア片32mにおける一対の突出部322,322の端面は、角柱状コア片31mの端面とほぼ同じ形状及び大きさであり、その大きさ及び突出長さは、コイル2に応じた所定の磁路断面積を有するように適宜選択できる。一対の突出部322,322の形状は、巻回部2a,2bの形状に合わせた形状であることが好ましく、ここでは、角部が実質的に巻回部2a,2bの内周面の角部に沿って丸められている。
ギャップ部分31gの形状は、隣り合うコア片(31mと31m、31mと32m)間に形成される隙間に沿った形状であり、例えば、平面視した(コイル軸方向から見た)際、長方形状の平板とすることが挙げられる。ギャップ部分31gの形状や個数は適宜選択できる。ギャップ部分31gと隣り合うコア片との一体化は接着剤などを利用できる。
(コア片及びギャップ部分の材質)
両コア片31m,32mの材質は、軟磁性材料を30体積%以上、更に50体積%超含むことが挙げられる。具体的には、鉄や鉄合金(Fe−Si合金、Fe−Ni合金など)といった軟磁性金属粉末や更に絶縁被覆を備える被覆粉末などを圧縮成形した圧粉成形体、軟磁性粉末と樹脂とを含み樹脂が固化(硬化)している複合材料(成形硬化体)などが利用できる。この例では、両コア片31m,32mは圧粉成形体で構成している。ギャップ部分31gの具体的な材料は、アルミナや不飽和ポリエステルなどの非磁性材料、PPS樹脂などの非磁性材料と磁性材料(磁性材料の例は、鉄粉などの軟磁性粉末)とを含む混合物などが挙げられる。
[介在部材]
リアクトル1Aは、コイル2と磁性コア3との間に介在される介在部材8(図1〜5)を備える形態とすることができる。介在部材8は、コイル2と磁性コア3との間の電気的絶縁性を高める。
介在部材8は、例えば、コイル2の巻回部2a,2bの軸方向に分割される一対の分割片80を組み合わせて形成される。各分割片80は、巻回部2a,2bの端面とU字状コア片32m(基部321)の内端面との間に介在される端面介在部81と、巻回部2a,2bと複数の角柱状コア片31mを含む内側コア部との間の少なくとも一部に介在される内側介在部82とを備えるものが挙げられる(図4)。端面介在部81と内側介在部82とは、一連に形成されている。
(端面介在部)
端面介在部81は、巻回部2a,2b(コイル2)の端面と外側コア部(基部321)との間を絶縁する。端面介在部81は、各内側コア部がそれぞれ挿通可能な一対の開口部(貫通孔)を有するB字状の平板部材で構成される。端面介在部81のコイル側面は、各巻回部2a、2bの上端面を除く端面(両側端面と下端面)と接触している(図3)。即ち、端面介在部81はコイル2の上端面と接触せず、コイル2の上端面は端面介在部81から露出されている。
(内側介在部)
内側介在部82は、巻回部2a,2b(コイル2)の内周面と内側コア部との間を絶縁する。内側介在部82は、巻回部2a,2bにおける丸められた角部に沿って配置される複数の湾曲した板片から構成される。内側介在部82を板片などとすることで、製造時、封止樹脂部6の構成材料である未固化の樹脂材料を充填し易い。内側介在部82の端部はそれぞれ、係合するように形成されている。
(仕切部)
各分割片80は、巻回部2a,2b同士の絶縁を確保する仕切部83を備える。仕切部83は、端面介在部81における内側介在部82間で巻回部2a,2b間に介在するように設けられる。仕切部83は、端面介在部81に一連に形成されている。
(材質)
介在部材8の構成樹脂は、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂、液晶ポリマー(LCP)、ポリアミド(PA)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂などの熱可塑性樹脂が挙げられる。ここでは、PPS樹脂を用いている。
[樹脂層]
樹脂層9は、コイル2の下面、及び磁性コア3の下面の少なくとも一方に接するように設けることができる(図3、4)。樹脂層9を備えることで、ケース4の底板部41に組合体10Aを固定し易く、コイル2の動きの規制、放熱性の向上、底板部41への固定の安定性などを図ることができる。ここでは、樹脂層9の大きさは、コイル2の下面全面に介在される程度としている。樹脂層9の構成材料は、絶縁性樹脂、特にセラミックスフィラーなどを含有して放熱性に優れるもの(例えば、熱伝導率は、0.1W/m・K以上、更に1W/m・K以上、特に2W/m・K以上)が好ましい。具体的な樹脂は、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、不飽和ポリエステルなどの熱硬化性樹脂や、PPS樹脂、LCPなどの熱可塑性樹脂が挙げられる。
〔リアクトルの製造方法〕
リアクトル1Aは、例えば、以下の準備工程と、配置工程と、充填工程とを備えるリアクトルの製造方法によって製造できる。準備工程では、コイル2と磁性コア3とを組み合わせた組合体10Aと、ケース4と、支持部5及びボルト53と、封止樹脂部6の構成樹脂と、樹脂層9とを準備する。配置工程では、ケース4の底板部41の上面に樹脂層9を形成し、その樹脂層9の上に組合体10Aを載置する。続いて、支持部5をケース4の取付台43の取付面43uに載置し、ボルト53で固定することで、低上面部323に重複させる。充填工程では、封止樹脂部6の構成樹脂をケース4内に所定の高さまで充填し、硬化(固化)させる。
この製造方法によれば、低上面部323を有する外側コア部と、低上面部323の上面に支持部5が重複するように取付台43の高さ及び支持部5の形状を調整したケース4及び支持部5を準備することで、封止樹脂部6の構成樹脂の量を低減しつつ、組合体10Aのケース4からの脱落を効果的に抑制できるリアクトル1Aを容易に製造できる。
《実施形態2》
主に図6を参照して、実施形態2のリアクトル1Bを説明する。リアクトル1Bの実施形態1のリアクトル1Aとの主たる相違点は、支持部5をケース4と一連に形成する点にある。以下、相違点を中心に説明し、その他の実施形態1と同様の構成については説明を省略する。この点は、後述する実施形態3,4も同様である。
[ケース]
ケース4は、底板部41と側壁部42とを備える点は上述の実施形態1と同じであるが、この底板部41と側壁部とを互いに分離可能な独立する別部材で構成している点が実施形態1と相違する。底板部41と側壁部42とを別部材で構成しているため、例えば、底板部41を金属で構成し、側壁部42を樹脂で構成するなどのように両者の材質を異ならせることができる。底板部41と側壁部42との一体化には、接着剤の他、互いに係合する係合機構や嵌合する嵌合機構などを設けておくことで容易に行える。支持部5をケース4(側壁部42)と一連に形成して構成するため、上述の取付台43(図4参照)は、設けなくてよい。
[支持部]
支持部5は、ケース4の側壁部42の内周面に一連に形成される(図6)。支持部5は、側壁部42の内周面からケース4の内側に向かって突出して、外側コア部の低上面部323の上面に重複する。支持部5による低上面部323の重複領域は、低上面部323の幅方向全長に亘っている。支持部5の形状は、特に限定されず、ここでは平板状としている。この支持部5と低上面部323との間には、封止樹脂部6が介在されている。支持部5は、樹脂製の側壁部42と一体成形すると形成し易い。
このリアクトル1Bの製造は、次のようにして行える。底板部41の上面に樹脂層9を形成し、その樹脂層9の上面に組合体10Aを載置した後に、側壁部42を組合体10Aの上から被せて底板部41と一体化する。その後、封止樹脂部6の構成樹脂の充填・硬化は実施形態1と同様にして行う。
リアクトル1Bによれば、支持部5がケース4に一連に形成されているため、ケース4と独立する支持部5を備える実施形態1のリアクトル1Aに比較して、部品点数を低減できる。
《実施形態3》
主に図7を参照して、実施形態3のリアクトル1Cを説明する。リアクトル1Cの実施形態1のリアクトル1Aとの相違点は、低上面部323を外側コア部のコイル離隔側に張り出して形成するのではなく(図1など)、低上面部323を外側コア部のコイル離隔側の面を切り欠いた切欠324により形成する(図7拡大図)ことにある。即ち、低上面部323は切欠324により形成された溝の下側に形成され、低上面部323の上面は切欠324の下方側の面と共通している。支持部5は、切欠324に配置されて、低上面部323の上面と重複する。
切欠324のサイズは、支持部5により組合体10Aのケース4からの脱落を防止しつつ、磁路面積が極力減少しない範囲とする。切欠324の幅方向に沿った形成領域は、外側コア部(基部321)のコイル離隔側で幅方向全長に亘っていてもよいし、基部321の幅方向の両端を除く中央に形成されていてもよい。切欠324を基部321の幅方向の略全長に亘って形成する場合、即ち、基部321の両側面に開口端が形成されている場合、支持部5の重複部52を切欠324内に嵌め込み、支持部5の固定部51をその開口端から露出させてケース4に固定してもよいし、切欠324の途中から切欠324の外側に露出させてケース4に固定してもよい。一方、切欠324を基部321の幅方向の中央部分に形成する場合、即ち、基部321の両側面に開口端が形成されていない場合、支持部5の固定部51は、コイル離隔側に露出させてケース4に固定する。
ここでは、断面矩形状の切欠324を基部321の幅方向の略全長に亘って形成していて、その切欠324に支持部5の重複部52(図4参照)が配置され、支持部5の固定部51が基部321の両側面の開口端から露出して取付台43(ケース4)に固定されている。支持部5と外側コア部とは非接触であり、両者の間の全域に亘って封止樹脂部6が介在されている。即ち、支持部5の下面と低上面部323の上面との間には、封止樹脂部6が介在されている。図7では、説明の便宜上、挿通孔43h、挿通孔51h、及びボルト53(いずれも図4参照)は省略して示している。この点は、後述する実施形態4の図8でも同様である。
このリアクトル1Cの製造は、次のようにして行える。支持部5を組合体10Aにおける外側コア部の切欠324に配置して低上面部323の上面と重複させた状態でケース4内に収納する。取付台43の取付面43uの挿通孔43h(図4参照)に支持部5の固定部51の挿通孔51h(図4参照)を位置合わせする。そして、ボルト53(図4参照)を挿通孔43に固定する。その後、封止樹脂部6の構成樹脂の充填・硬化は実施形態1と同様にして行う。
このリアクトル1Cによれば、低上面部323が基部321のコイル離隔側に張り出されないため、実施形態1のリアクトル1Aに比較して、リアクトル1Cのコイル軸方向に沿ったサイズを小さくできる。そのため、リアクトル1Cの軽量化を図れる。
《実施形態4》
図8に示す実施形態4のリアクトル1Dのように、低上面部323は、外側コア部(基部321)のコイル近接側の面を切り欠いた切欠324により形成することもできる。この場合、上述の実施形態3と同様、リアクトル1Dの小型化・軽量化を図れる。
本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。例えば、磁性コアの複数のコア片の組み合わせをU−U型コア、L−L(J−J)型コアなどと呼ばれる形態としたり、4つの直方体状のコア片を環状に組み合わせる形態などとしたりすることができる。また、巻回部が一つのみであるコイルと、E−E型コアやE−I型コアなどと呼ばれる磁性コアとを備えるリアクトルとすることができる。
本発明のリアクトルは、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車などの車両に搭載される車載用コンバータ(代表的にはDC−DCコンバータ)や空調機のコンバータなどの種々のコンバータ、電力変換装置の構成部品に好適に利用できる。
1A、1B、1C、1D リアクトル
10A 組合体
2 コイル
2a、2b 巻回部 2r 連結部 2w 巻線 2e 端部
3 磁性コア
31m 角柱状コア片
32m U字状コア片
321 基部 322 突出部 323 低上面部 324 切欠
31g ギャップ部分
4 ケース
41 底板部 42 側壁部 43 取付台 43u 取付面 43h 挿通孔
5 支持部
51 固定部 51h 挿通孔 52 重複部 53 ボルト
6 封止樹脂部
8 介在部材
80 分割片 81 端面介在部 82 内側介在部 83 仕切部
9 樹脂層

Claims (7)

  1. コイルと、前記コイルの内部に位置する内側コア部及び前記コイルから露出する外側コア部を有する磁性コアと、前記コイルと前記磁性コアとの組合体を内部に収納するケースとを備えるリアクトルであって、
    前記ケースの前記組合体が載置される側を下側とするとき、
    前記外側コア部は、前記内側コア部の上面よりも下方に位置する低上面部を有し、
    更に、
    前記外側コア部の前記低上面部の上方に配置されると共に、前記低上面部との重複領域が前記内側コア部の上面よりも下方に位置する支持部と、
    前記ケース内に充填されて前記支持部の少なくとも一部を埋設する封止樹脂部とを備え、
    前記封止樹脂部の上面が、前記内側コア部の上面よりも下方に位置するリアクトル。
  2. 前記低上面部は、前記外側コア部のうち前記内側コア部と反対側に張り出して設けられている請求項1に記載のリアクトル。
  3. 前記低上面部は、前記外側コア部のうち前記内側コア部と反対側の面を切り欠いた切欠により形成されている請求項1に記載のリアクトル。
  4. 前記外側コア部の前記低上面部、前記支持部の前記重複領域、及び前記封止樹脂部の上面は、前記内側コア部の高さの半分よりも下方に位置している請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のリアクトル。
  5. 前記支持部は、前記ケースとは別部材で、前記ケースに取り付けられる請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のリアクトル。
  6. 前記ケースは、前記組合体が載置される底板部と、前記組合体の周囲を囲む側壁部とを備え、
    前記側壁部の高さが、前記内側コア部の上面よりも低い請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のリアクトル。
  7. 前記封止樹脂部は、前記外側コア部における前記低上面部の上面と前記支持部の下面との間に介在されている請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のリアクトル。
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