JP2016205535A - 変速機 - Google Patents

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市川 雅也
Masaya Ichikawa
雅也 市川
裕俊 田中
Hirotoshi Tanaka
裕俊 田中
英也 大澤
Hideya Osawa
英也 大澤
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Abstract

【課題】例えば、シャフトとシフトフォークとの間で力を伝達することが可能な新規な構成によって、よりコンパクトな変速機を得る。【解決手段】実施形態の変速機は、例えば、軸方向に互いに離間してそれぞれ第二のシャフトと結合された二つの第一の突出部と、シフトフォークに設けられ、第二のシャフトが複数のセレクト位置のうちの一つにある状態で、二つの第一の突出部の間に位置されるとともに当該第一の突出部と前記軸方向に重なる、第二の突出部と、を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、変速機に関する。
従来、二つの第一の突出部がシフトフォークに設けられ、二つの第一の突出部に挟まれた第二の突出部がセレクトシャフトに設けられ、セレクトシャフトの動きを第一の突出部および第二の突出部を介してシフトフォークに伝達して、当該シフトフォークによってギヤを切り替える変速機が、知られている。
特開2013−113387号公報
このように、シフトフォークから二つの第一の突出部が分岐する構成では、分岐する根元の部分が必要となる分、第一の突出部の長さが長くなり、その分、変速機の大きさが大きくなってしまう。
そこで、本発明の課題の一つは、例えば、シャフトとシフトフォークとの間で力を伝達することが可能な新規な構成によって、よりコンパクトな変速機を得ることである。
本発明の変速機は、例えば、ケースと、上記ケース内に収容され、上記ケースに回転可能に支持された第一のシャフトと、上記ケース内に収容され、上記第一のシャフトと一体に回転可能に設けられた複数のギヤと、上記ケース内で上記第一のシャフトの軸方向に移動可能に設けられ、上記複数のギヤのうちいずれか一つを選択的に上記第一のシャフトと結合する可動要素と、上記ケースに上記軸方向に沿って移動可能に支持されるとともに軸心回りに回転可能に支持され、上記軸心回りの複数のセレクト位置のそれぞれで上記軸方向の二つのシフト位置に動かされる第二のシャフトと、上記ケース内に上記軸方向に移動可能に設けられ、上記第二のシャフトの上記二つのシフト位置への移動に応じて上記可動要素を上記軸方向に移動させるシフトフォークと、上記軸方向に互いに離間して上記第二のシャフトとそれぞれ結合された二つの第一の突出部と、上記シフトフォークに設けられ、上記第二のシャフトが複数のセレクト位置のうちの一つにある状態で、上記二つの第一の突出部の間に位置されるとともに当該第一の突出部と上記軸方向に重なる、第二の突出部と、を備える。
よって、本発明によれば、二つの第一の突出部が一つの根元の部分から分岐する構成に比べて、当該根元の部分を省略できる分、第一の突出部をより小さく構成することができる。したがって、よりコンパクトな変速機を得ることができる。
また、上記変速機では、例えば、上記第二のシャフトに、上記第二の突出部から離れる方向に凹んだ凹部が設けられる。よって、例えば、第二のシャフトに凹部が設けられない場合と比べて、第二のシャフトと第二の突出部とが、より近づいて配置されやすい。したがって、よりコンパクトな構成の変速機を得ることができる。
図1は、実施形態の変速機の例示的な側面図(一部透視図)である。 図2は、実施形態の変速機の例示的なシフトパターンが示された図である。 図3は、実施形態の変速機の第二のシャフトおよびシフトフォークの例示的な斜視図である。 図4は、図1の一部の拡大図(一部断面図)である。 図5は、実施形態の変速機のシフトフォークの例示的な斜視図である。 図6は、実施形態の変速機のシフトフォークの例示的な正面図である。 図7は、図6のVII-VII断面図である。 図8は、図1の一部の拡大図であり、第二のシャフトおよびシフトフォークがニュートラル位置にある状態の図である。 図9は、図8の状態での第一の突出部と第二の突出部との位置関係が示された図である。 図10は、実施形態の変速機の一部の拡大図であり、シフトフォークが第一のシフト位置にある状態の図である。 図11は、図10の状態での第一の突出部と第二の突出部との位置関係が示された図である。 図12は、実施形態の変速機の一部の拡大図であり、シフトフォークが第二のシフト位置にある状態の図である。 図13は、図12の状態での第一の突出部と第二の突出部との位置関係が示された図である。
以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用、結果、および効果は、あくまで一例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成以外によっても実現可能である。また、本発明によれば、構成によって得られる種々の効果のうち少なくとも一つを得ることが可能である。
図1に示されるように、変速機100は、例えば、ケース1と、シフトレバー2と、複数のシャフトとしてのアウトプットシャフト3、シフトアンドセレクトシャフト4、カウンターシャフト5、およびインプットシャフト6と、シフトフォーク7と、可動要素8と、結合部材9と、複数のギヤ10〜17と、を備える。変速機100は、入力側となる不図示のエンジンと、出力側となる不図示の車輪との間に位置される。変速機100は、シフトレバー2の操作によって、エンジンの動力(トルク)を走行状況に応じて調節し、車輪に伝達することができる。なお、以下の詳細な説明では、便宜上、方向が規定されている。X方向は、シフトアンドセレクトシャフト4の軸心Ax(図3参照)の軸方向(車両前後方向)、Y方向は、シフトフォーク7の揺動軸心C(図3参照)の軸方向(車幅方向)、Z方向は、軸心Axおよび揺動軸心Cの径方向(車両上下方向)である。X方向、Y方向、およびZ方向は、互いに直交している。なお、図1に示されるように、本実施形態では、アウトプットシャフト3、シフトアンドセレクトシャフト4、カウンターシャフト5、およびインプットシャフト6は、それぞれがX方向に沿った姿勢(状態)で、互いに平行に設けられるとともに、それぞれケース1に回転可能に支持されている。アウトプットシャフト3は、第一のシャフトの一例であり、シフトアンドセレクトシャフト4は、第二のシャフトの一例であり、カウンターシャフト5は、第三のシャフトの一例であり、インプットシャフト6は、第四のシャフトの一例である。
シフトレバー2は、例えば、ケース1に、図2に示されるような略H型のシフトパターンに沿って移動可能に支持されている。本実施形態では、例えば、シフトレバー2をシフトパターンのY方向に沿って移動させることによりセレクト操作が行われ、シフトレバー2をシフトパターンのX方向に沿って移動させることによりシフト操作が行われる。また、本実施形態では、シフトレバー2が複数のシフト位置の間にある状態では、ギヤ10〜17が選択されず変速機100では入力側と出力側とが遮断されたニュートラルNの状態となる。
また、変速機100では、R(リバース)シフトを選択するセレクト位置、1―2速シフトを選択するセレクト位置、3―4速シフトを選択するセレクト位置、および5―6速シフトを選択するセレクト位置が、Y方向に間隔をあけて互いに平行に設けられている。また、Rシフトは、1―2速シフトの1速側(図2の上側)と同じ方向に設けられている。本実施形態では、4つのセレクト位置のそれぞれで、シフトレバー2をX方向の一方側(図2の上側)に移動させることにより、R(リバース)、1速、3速、あるいは5速にシフトすることができる。また、Rシフトに対応したセレクト位置以外の3つのセレクト位置のそれぞれで、シフトレバー2をX方向の他方側(図2の下側)に移動させることにより、2速、4速、あるいは6速にシフトすることができる。なお、シフト位置およびセレクト位置は、各部品について設定されるものとする。
また、シフトレバー2は、図1,3に示されるシフトアンドセレクトシャフト4に、不図示の変換機構を介して、接続されている。本実施形態では、シフトアンドセレクトシャフト4は、変換機構によって、シフトレバー2のX方向に沿ったシフト操作に応じてX方向に沿って移動するとともにシフトレバー2のY方向に沿ったセレクト操作に応じて軸心Ax回りに回転するよう、構成されている。本実施形態では、一例として、シフトアンドセレクトシャフト4は、シフトレバー2のX方向の一方側(図1の右側)への移動によってX方向の一方側に移動し、シフトレバー2のX方向の他方側(図1の左側)への移動によってX方向の他方側に移動する。さらに、シフトアンドセレクトシャフト4は、例えば、シフトレバー2のY方向の一方側(図2の右側)への移動によって軸心Ax回りの一方側に回転し(ひねられ)、シフトレバー2のY方向の他方側(図2の左側)への移動によって軸心Ax回りの他方側に回転する(ひねられる)。シフトアンドセレクトシャフト4は、ケース1に、X方向に沿って移動可能に支持されるとともに、軸心Ax回りに回転可能に支持されている。このように、本実施形態では、シフトアンドセレクトシャフト4は、シフトレバー2のシフト操作およびセレクト操作の二つの操作に追従(連動)する。シフトアンドセレクトシャフト4は、フォークシャフト等とも称されうる。
図1に示されるように、インプットシャフト6は、アウトプットシャフト3のX方向の他方側(図1の左側)に位置されている。インプットシャフト6とアウトプットシャフト3とは、例えば、互いに同心でX方向に並んだ状態に設けられている。ただし、インプットシャフト6とアウトプットシャフト3とは、互いに分離され、一体には回転しない。インプットシャフト6には、エンジンの動力(トルク)が入力される。また、インプットシャフト6には、例えば、圧入やスプライン結合等によって、ギヤ13が結合されている。よって、ギヤ13は、インプットシャフト6と一体に回転する。ギヤ13は、カウンターシャフト5に一体に設けられたギヤ14と噛み合うことによって、カウンターシャフト5を回転駆動する。
カウンターシャフト5は、アウトプットシャフト3およびインプットシャフト6のZ方向の他方側(図1の下側)に位置されている。また、カウンターシャフト5には、例えば、圧入やスプライン結合等によって、ギヤ14〜17が結合されている。すなわち、ギヤ14〜17は、カウンターシャフト5と一体に回転する。ギヤ15〜17は、それぞれ、アウトプットシャフト3に設けられたギヤ10〜12と噛み合っている。ギヤ13,15〜17は、ドライブギヤ等とも称され、ギヤ10〜12,14は、ドリブンギヤ等とも称されうる。
アウトプットシャフト3は、Z方向に互いに離間して位置されたシフトアンドセレクトシャフト4とカウンターシャフト5との間に位置されている。アウトプットシャフト3は、ケース1に回転可能に支持されている。また、アウトプットシャフト3には、例えば、ベアリング等を介して、ギヤ10〜12が相対回転可能に支持されている。アウトプットシャフト3は、メインシャフト等とも称されうる。なお、図1には、便宜上、互いに噛み合った4組のギヤ10〜17が示されているが、実際には、シフトパターンに対応した組数のギヤが設けられうる。
可動要素8は、例えば、スプライン結合等によって、アウトプットシャフト3に支持されている。具体的に、可動要素8は、アウトプットシャフト3と一体に回転する。また、可動要素8は、アウトプットシャフト3に、X方向(軸方向)に沿って移動可能に支持されている。可動要素8は、例えば、図1に示されるX方向に互いに隣接する二つのギヤ11,12の間に位置されている。また、本実施形態では、X方向に隣接する複数組のギヤ10〜17に対応して、複数の可動要素8がX方向に互いに間隔をあけて設けられている。可動要素8は、スリーブ等とも称されうる。
図3に示されるように、シフトフォーク7は、例えば、アーム部71と、支持部72,73と、突出部としての第二の突出部74と、を有する。アーム部71は、図6に示されるX方向の視線では、Z方向の他方側(図6の下側、可動要素8側)に向けて開放された略U字状に構成されている。また、図5に示されるように、アーム部71のZ方向の他方側(図5の下側)の二つの端部には、それぞれ開口部71a,71bが設けられている。開口部71a,71bは、Y方向に沿ってアーム部71を貫通している。図3に示されるように、二つの開口部71a,71bには、例えば、圧入等によって、支持部72,73が着脱可能に接続されている。すなわち、支持部72,73は、アーム部71とは別の部材(例えば、合成樹脂材料等の摺動部材)で構成されている。図1,8に示されるように、支持部72,73は、可動要素8の外周部に形成された溝部8aに挿入され、アウトプットシャフト3と一体に回転する可動要素8を支持している。
また、図5に示されるように、アーム部71の開口部71a,71bよりもZ方向の一方側(図5の上側)には、開口部71c,71dが設けられている。開口部71c,71dは、アーム部71をY方向に沿って貫通している。図3に示されるように、この二つの開口部71c,71dには、ケース1に結合された軸部材19が挿入される。これにより、軸部材19は、アーム部71、すなわちシフトフォーク7を、揺動軸心C回りに揺動可能に支持している。
図5,6に示されるように、第二の突出部74は、アーム部71のZ方向の一方側(図5,6の上側)の端部に設けられている。本実施形態では、第二の突出部74は、アーム部71の可動要素8側(内側)の面から、Z方向の他方側(図5,6の下側)に向かって突出している。図3,6に示されるように、第二の突出部74は、アーム部71の、Y方向の略中央部に位置されている。そして、本実施形態では、第二の突出部74およびシフトアンドセレクトシャフト4の軸心Axは、Z方向に並んで配置されている。また、図4に示されるように、第二の突出部74は、結合部材9の二つの第一の突出部92,92と面する二つの面74a,74bを有する。二つの面74a,74bは、例えば、図4,7に示されるように、Y方向の視線では、略円弧状に構成されている。第二の突出部74は、シフトヘッド等とも称されうる。
また、図4に示されるように、シフトアンドセレクトシャフト4の第二の突出部74と面した位置には、凹部4aが設けられている。凹部4aは、例えば、Z方向の一方側(図4の上側、第二の突出部74側)に向けて開放され、第二の突出部74と離れる方向に凹んでいる。凹部4aと第二の突出部74とは、Z方向に互いに重なって位置されている。よって、本実施形態によれば、例えば、凹部4aによって、シフトアンドセレクトシャフト4と第二の突出部74とを互いにより近づけて配置することができる。
図4,5に示されるように、結合部材9は、例えば、基部91と、突出部としての第一の突出部92と、を有する。基部91は、シフトアンドセレクトシャフト4の外面に沿った円筒状に構成されている。基部91には、Y方向に沿って当該基部91を貫通した開口部91aが設けられている。図4に示されるように、本実施形態では、例えば、開口部91aおよびシフトアンドセレクトシャフト4に設けられた不図示の開口部を通される連結ピンやねじ等の結合具S1によって、結合部材9とシフトアンドセレクトシャフト4とが互いに結合されている。なお、図4に示されるように、開口部91aは、例えば、結合具S1の直径よりも大きな長穴として構成されうる。これにより、製造ばらつき(寸法ばらつき)が吸収されやすく、ひいては二つの第一の突出部92,92の間の間隔が調整されうる。
第一の突出部92は、基部91のZ方向の一方側(図4の上側)の端部に設けられ、当該端部から第二の突出部74側に向かって突出している。結合部材9は、インナレバー等とも称されうる。
また、本実施形態では、結合部材9は、例えば、第一の部品9Aと、第二の部品9Bと、を有している。そして、本実施形態では、第一の部品9Aに、二つの第一の突出部92,92のうちの一方が設けられ、第二の部品9Bに、二つの第一の突出部92,92のうちの他方が設けられている。仮に、一つの部品に二つの第一の突出部92,92が設けられた場合、例えば、第二の突出部74の大きさや形状等の仕様が異なる複数のシフトフォーク7に対して、それぞれ二つの突出部92,92の間の間隔が異なる複数の部品が必要となる虞がある。その点、本実施形態によれば、一方の第一の突出部92が設けられた第一の部品9Aと、他方の第一の突出部92が設けられた第二の部品9Bと、を有するため、二つの第一の突出部92,92の間の寸法の自由度が高まりやすい。よって、例えば、第二の突出部74の大きさや形状等の仕様が異なる複数のシフトフォーク7に対して、部品を共用化しやすい場合がある。
また、図5に示されるように、第一の突出部92は、それぞれ、第二の突出部74と面する二つの角部92a,92bを有している。そして、図4にも示されるように、本実施形態では、例えば、二つの角部92a,92bは、面取りされている。よって、本実施形態によれば、例えば、シフト位置とセレクト位置との両方を変更するギヤチェンジ操作において、第一の突出部92と第二の突出部74とが相対移動する際の干渉を弱めることができる。
また、図1に示されるように、本実施形態では、X方向に並んで配置された複数のシフトフォーク7に対応して、複数の結合部材9がX方向に互いに間隔をあけて設けられている。そして、本実施形態では、例えば、シフトアンドセレクトシャフト4の軸心Ax回りの4つのセレクト位置(図2)のそれぞれで、第一の突出部92と第二の突出部74とがX方向に対向する角度が互いに異なるよう、構成されている。すなわち、本実施形態では、4つのセレクト位置のそれぞれに応じて、第一の突出部92と第二の突出部74とが対向するシフトフォーク7と結合部材9とのペアが変化する。また、第一の突出部92と第二の突出部74とが互いに対向した状態(図9)で、シフトアンドセレクトシャフト4が各セレクト位置からX方向に動かされることによって、二つの第一の突出部92,92のうち一方が第二の突出部74をX方向に押す(図11,13)。これにより、シフトフォーク7が揺動軸心C回りに揺動し、可動要素8を、第一の結合位置P1(図10)と、第二の結合位置P2(図12)と、中立位置P0(図8)と、の間で移動させる。
図10,11に示されるように、可動要素8が第一の結合位置P1にある状態では、可動要素8は、例えば、X方向に隣接する二つのギヤ11,12のうちの一方のギヤ11と結合されて当該ギヤ11と一体に回転する。よって、ギヤ11とアウトプットシャフト3とが一体に回転する。この場合、図1に示されるインプットシャフト6から、ギヤ13、ギヤ14、カウンターシャフト5、ギヤ16、ギヤ11、およびアウトプットシャフト3に至る第一の変速段の回転の伝達経路が構成される。
また、図12,13に示されるように、可動要素8が第二の結合位置P2にある状態では、可動要素8は、例えば、X方向に隣接する二つのギヤ11,12のうちの他方のギヤ12と結合されて当該ギヤ12と一体に回転する。よって、ギヤ12とアウトプットシャフト3とが一体に回転する。この場合、図1に示されるインプットシャフト6から、ギヤ13、ギヤ14、カウンターシャフト5、ギヤ17、ギヤ12、およびアウトプットシャフト3に至る第二の変速段の回転の伝達経路が構成される。
また、図8,9に示されるように、可動要素8が中立位置P0にある状態では、ギヤ11,12は、アウトプットシャフト3に対して空転する。よって、変速機100では入力側と出力側とが遮断されたニュートラルNの状態となる。なお、本実施形態では、上述したように各セレクト位置からシフトレバー2をX方向の一方側(図8の右側)へシフト操作することによって、シフトアンドセレクトシャフト4はX方向の一方側(図8の右側)に移動する。よって、第一の結合位置P1では、シフトフォーク7は図10の時計回り方向に揺動し、二つのギヤ11,12のうちのX方向の他方側(図10の左側)のギヤ11と結合する。すなわち、本実施形態では、1―2速シフトのセレクト位置、3―4速シフトのセレクト位置、および5―6速シフトのセレクト位置のそれぞれでは、低速側のギヤが、X方向の他方側(図1の左側)に配置され、高速側のギヤが、X方向の一方側(図1の右側)に配置されうる。
以上のように、本実施形態では、例えば、変速機100は、ケース1と、ケース1内に収容され、ケース1に回転可能に支持されたアウトプットシャフト3(第一のシャフト)と、ケース1内に収容され、アウトプットシャフト3と一体に回転可能に設けられた複数のギヤ10〜12と、ケース1内でアウトプットシャフト3の軸方向(X方向)に移動可能に設けられ、複数のギヤ10〜12のうちいずれか一つを選択的にアウトプットシャフト3と結合する可動要素8と、ケース1に軸方向(X方向)に沿って移動可能に支持されるとともに軸心Ax回りに回転可能に支持され、軸心Ax回りの複数のセレクト位置のそれぞれで軸方向(X方向)の二つのシフト位置に動かされるシフトアンドセレクトシャフト4(第二のシャフト)と、ケース1内に軸方向(X方向)に移動可能(揺動可能)に設けられ、シフトアンドセレクトシャフト4の二つのシフト位置への移動に応じて可動要素8を軸方向(X方向)に移動させるシフトフォーク7と、軸方向(X方向)に互いに離間してそれぞれシフトアンドセレクトシャフト4と結合された二つの第一の突出部92,92と、シフトフォーク7に設けられ、シフトアンドセレクトシャフト4が複数のセレクト位置のうちの一つにある状態で、二つの第一の突出部92,92の間に位置されるとともに当該第一の突出部92,92と軸方向(X方向)に重なる、第二の突出部74と、を備える。
よって、本実施形態によれば、二つの第一の突出部92,92が一つの根元の部分から分岐する構成に比べて、当該根元の部分を省略できる分、第一の突出部92,92(結合部材9)をより小さく構成することができる。したがって、よりコンパクトな変速機100を得ることができる。また、一つの部品に二つの第一の突出部92,92が設けられる場合と比べて、二つの第一の突出部92,92の間の寸法の自由度が高まりやすい。よって、例えば、第二の突出部74の大きさや形状等の仕様が異なる複数のシフトフォーク7について、部品を共用化しやすい。
また、本実施形態では、例えば、シフトアンドセレクトシャフト4(第二のシャフト)に、第二の突出部74から離れる方向に凹んだ凹部4aが設けられる。よって、実施形態によれば、例えば、シフトアンドセレクトシャフト4と第二の突出部74とをより近づけて配置することができる。よって、例えば、変速機100のサイズをよりコンパクトに構成することができる。
また、本実施形態では、例えば、第二の突出部74は、シフトフォーク7の、揺動軸心Cの軸方向(Y方向)の略中央部に位置されている。よって、本実施形態によれば、例えば、第二の突出部74がシフトフォーク7の揺動軸心Cの軸方向(Y方向)に偏心して設けられる場合と比べて、シフトフォーク7がよりバランスよく揺動されやすい。よって、例えば、シフトフォーク7の揺動によって可動要素8がアウトプットシャフト3の軸方向(X方向)により安定して移動されうる。
また、本実施形態では、例えば、第二の突出部74は、二つの第一の突出部92,92と面する二つの面74a,74bを有し、二つの面74a,74bが、曲面状に構成されている。よって、本実施形態によれば、例えば、曲面状の二つの面74a,74bによって、第二の突出部74と第一の突出部92との摩耗が抑制されうる。
また、本実施形態では、例えば、第二の突出部74は、シフトフォーク7に設けられ、シフトアンドセレクトシャフト4は、第二の突出部74とシフトフォーク7の揺動軸心Cとの間に位置されている。よって、本実施形態によれば、例えば、シフトアンドセレクトシャフト4がシフトフォーク7の揺動軸心Cとは反対側に設けられる場合と比べて、ケース1内にシフトフォーク7およびシフトアンドセレクトシャフト4がよりコンパクトに配置されうる。
また、本実施形態では、例えば、第一の突出部92は、第二の突出部74と面する二つの角部92a,92bを有し、二つの角部92a,92bが、面取りされている。よって、本実施形態によれば、例えば、シフト位置とセレクト位置との両方を変更するギヤチェンジ操作において、第一の突出部92と第二の突出部74とが相対移動する際の干渉を弱めることができる。
以上、本発明の実施形態を例示したが、上記実施形態は一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。上記実施形態は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。本発明は、上記実施形態に開示される構成以外によっても実現可能であるとともに、基本的な構成(技術的特徴)によって得られる種々の効果(派生的な効果も含む)を得ることが可能である。また、各構成要素のスペック(構造や、種類、方向、形状、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。
1…ケース、3…アウトプットシャフト(第一のシャフト)、4…シフトアンドセレクトシャフト(第二のシャフト)、4a…凹部、7…シフトフォーク、8…可動要素、10〜12…ギヤ、74…第二の突出部、92…第一の突出部、Ax…軸心、C…揺動軸心、X…軸心Axの軸方向、Y…揺動軸心Cの軸方向、Z…揺動軸心Cの径方向。

Claims (2)

  1. ケースと、
    前記ケース内に収容され、前記ケースに回転可能に支持された第一のシャフトと、
    前記ケース内に収容され、前記第一のシャフトと一体に回転可能に設けられた複数のギヤと、
    前記ケース内で前記第一のシャフトの軸方向に移動可能に設けられ、前記複数のギヤのうちいずれか一つを選択的に前記第一のシャフトと結合する可動要素と、
    前記ケースに前記軸方向に沿って移動可能に支持されるとともに軸心回りに回転可能に支持され、前記軸心回りの複数のセレクト位置のそれぞれで前記軸方向の二つのシフト位置に動かされる第二のシャフトと、
    前記ケース内に前記軸方向に移動可能に設けられ、前記第二のシャフトの前記二つのシフト位置への移動に応じて前記可動要素を前記軸方向に移動させるシフトフォークと、
    前記軸方向に互いに離間してそれぞれ前記第二のシャフトと結合された二つの第一の突出部と、
    前記シフトフォークに設けられ、前記第二のシャフトが複数のセレクト位置のうちの一つにある状態で、前記二つの第一の突出部の間に位置されるとともに当該第一の突出部と前記軸方向に重なる、第二の突出部と、
    を備えた、変速機。
  2. 前記第二のシャフトに、前記第二の突出部から離れる方向に凹んだ凹部が設けられた、請求項1に記載の変速機。
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