JP2016205430A - 流路切換弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧力損失や摺動部分の摩耗を可及的に抑えることができ、シール性を向上させ得て、弁洩れし難くできるとともに、高圧に耐えられる十分な強度を確保できて耐久性を向上させることができる流路切換弁を提供する。
【解決手段】板状の上側弁シート10A及び下側弁シートによりその上下開口が気密的に封止された円筒状の主弁ハウジング、上側弁シート及び/又は下側弁シートに合計で少なくとも3個設けられたポート11〜14、及び主弁ハウジング内に回動可能に配在されるとともに前記ポート間を選択的に連通するための複数本の連通路31〜34が設けられた円柱状の主弁体20を有する主弁と、主弁体を回動させて連通するポート間を切り換えるためのアクチュエータとを備え、主弁体と上側弁シートとの間及び/又は主弁体と下側弁シートとの間に、シール面離隔機構45と、板ばねからなる異物除去手段40とが設けられている。
【選択図】図7

Description

本発明は、弁体を回転させることにより流路の切り換えを行うロータリー式の流路切換弁に係り、特に、ヒートポンプ式冷暖房システム等において流路切換を行うのに好適な流路切換弁に関する。
一般に、ルームエアコン、カーエアコン等のヒートポンプ式冷暖房システムは、圧縮機、室外熱交換器、室内熱交換器、及び膨張弁等に加えて、流路(流れ方向)切換手段としての流路切換弁を備えている。
この流路切換弁を備えたヒートポンプ式冷暖房システムの一例を図19を参照しながら簡単に説明する。図示例のヒートポンプ式冷暖房システム100は、運転モード(冷房運転と暖房運転)の切り換えを流路切換弁(四方切換弁)140で行うようになっており、基本的には、圧縮機110、室外熱交換器120、室内熱交換器130、及び膨張弁160を備え、前記の圧縮機110、室外熱交換器120、室内熱交換器130、及び膨張弁160の四者の間に4つのポート、すなわち、吐出側高圧ポートD、室外側入出ポートC、室内側入出ポートE、及び吸入側低圧ポートSを有する流路切換弁140が配在されている。
前記各機器間は導管(パイプ)等で形成される流路で接続されており、冷房運転モードが選択されたときには、図19において実線矢印で示される如くに、流路切換弁140の吐出側高圧ポートDが室外側入出ポートCに、また、室内側入出ポートEが吸入側低圧ポートSにそれぞれ連通せしめられる。これにより、冷媒が圧縮機110に吸入されるとともに、圧縮機110から高温高圧の冷媒が流路切換弁140を介して室外熱交換器120に導かれ、ここで室外空気と熱交換して凝縮し、高圧の二相冷媒となって膨張弁160に導入される。この膨張弁160により高圧の冷媒が減圧され、減圧された低圧の冷媒は、室内熱交換機130に導入され、ここで室内空気と熱交換(冷房)して蒸発し、室内熱交換機130からは低温低圧の冷媒が流路切換弁140を介して圧縮機110の吸入側に戻される。
それに対し、暖房運転モードが選択されたときには、図19において破線矢印で示される如くに、流路切換弁140の吐出側高圧ポートDが室内側入出ポートEに、また、室外側入出ポートCが吸入側低圧ポートSにそれぞれ連通せしめられ、圧縮機110から高温高圧の冷媒が室内熱交換機130に導かれ、ここで室内空気と熱交換(暖房)して凝縮し、高圧の二相冷媒となって膨張弁160に導入される。この膨張弁160により高圧の冷媒が減圧され、減圧された低圧の冷媒は、室外熱交換器120に導入され、ここで室外空気と熱交換して蒸発し、室外熱交換器120からは低温低圧の冷媒が流路切換弁140を介して圧縮機110の吸入側に戻される。
前記した如くのヒートポンプ式冷暖房システムに組み込まれる四方切換弁として、従来、スライド式主弁体を内蔵する弁本体(弁ハウジング)と、電磁式のパイロット弁とを備えたものが知られている(例えば特許文献1参照)。この特許文献1に所載の流路切換弁は、弁ハウジングに、吐出側高圧ポートD、室外側入出ポートC、吸入側低圧ポートS、及び室内側入出ポートEが形成されるとともに、前記したポートD→C及びE→S、又は、ポートD→E及びC→Sの連通状態を作り出す(流路切換を行う)べくスライド式主弁体が左右方向に摺動可能に配在されている。弁ハウジングにおけるスライド式主弁体の左右には、パイロット弁を介して圧縮機吐出側の高圧冷媒及び圧縮機吸入側の低圧冷媒が導入される、それぞれスライド式主弁体に結合された左右一対のピストン型パッキンにより画成される高圧室及び低圧室が設けられ、この高圧室と低圧室の圧力差を利用して前記スライド式主弁体を左右方向に摺動させることで前記流路切換を行うようにされている。
一方、特許文献2には、パイロット弁を備えたロータリー式の四方切換弁が提案されている。この四方切換弁は、円筒状胴体(主弁ハウジング)内を区劃片(回転軸部に片持ち支持された板状主弁体)により2つに区画するとともに、主弁ハウジングの外周部に前記吐出側高圧ポートDと吸入側低圧ポートSとを、また、室外側入出ポートCと室内側入出ポートEとを、それぞれ180°前後離して対向配置させ、板状主弁体を回転させることにより、流路の切り換え、すなわち、吐出側高圧ポートDが室外側入出ポートCに、また、室内側入出ポートEが吸入側低圧ポートSにそれぞれ連通する第1連通状態と、吐出側高圧ポートDが室内側入出ポートEに、また、室外側入出ポートCが吸入側低圧ポートSにそれぞれ連通する第2連通状態とを作り出すようにされ、また、主弁体の回転(流路切換)は、主弁ハウジングの上側に設けられた、システム内の高圧冷媒と低圧冷媒の差圧を利用する流体圧式のアクチュエータ(板状主弁体の回転軸部の延長軸部に片持ち支持された板状主弁体で仕切られた二つ作動室)への高圧冷媒の導入・排出をパイロット弁で選択的に行うことによりなされる。
特開2009−41636号公報 特開2001−82834号公報
前記した如くの従来の流路切換弁においては、次のような解決すべき課題がある。
すなわち、特許文献1に所載のスライド式の流路切換弁では、内容積が比較的小さな弁ハウジング内において高圧流体(冷媒)が内壁面等に衝突するとともに、その流れ方向が大きく変わるので、圧力損失が大きくなる嫌いがあり、また、左右一対のピストン型パッキンを伴うスライド式主弁体を摺動させて流路切換を行う構成であるので、スティックスリップ等により摺動部分が摩耗しやすく、それに伴い、摺動部分のシール性が悪くなって、弁洩れしやすいという問題もある。
また、特許文献2に所載のロータリー式の流路切換弁においては、高圧を受ける主弁体が片持ち支持された、板厚に対して受圧面積の大きな板状体であるので、変形(撓み)等が生じやすく、強度や耐久性に問題があるとともに、シールすべき面に円筒面を含んでいるので、上記変形(撓み)等が生じやすいこととあいまって、シール性が損なわれやすく、弁洩れしやすいという問題もある。
加えて、主弁ハウジング内において高圧流体が板状主弁体や内壁面に衝突するとともに、その流れ方向が大きく変わるので、圧力損失が大きくなり、また、主弁ハウジングの外周4箇所に概ね90°間隔でポートが設けられるので、配管の取り回しが厄介であり、パイロット弁や配管を含めた実質的な占有スペースが極めて大きくなるという問題もある。
上記に加え、従来の流路切換弁、特に、前記したヒートポンプ式冷暖房システムに使用される四方切換弁では、主弁ハウジング内において高温高圧の冷媒と低温低圧の冷媒とが近接した状態(薄壁一枚を隔てた状態)で流されるので、それらの主弁ハウジング内での熱交換量が大きくなって、システムの効率が悪くなるという問題もある。
また、上記特許文献2に所載の流路切換弁では、主弁体を回転(流路切換)させるための流体圧式のアクチュエータにおいても、主弁体側と同様に、高圧を受ける部分が板状主弁体の回転軸部の延長軸部に片持ち支持された、板厚に対して受圧面積の大きな板状体であるので、変形(撓み)等が生じやすく、強度や耐久性に問題がある。
さらに加えて、従来の流路切換弁、特に、前記したヒートポンプ式冷暖房システムに使用される四方切換弁では、圧縮機から出た異物が主弁ハウジング内に混入する可能性があるとともに、流路切換時に、その異物を噛み込んだ状態でスライド式主弁体あるいは板状主弁体が各ポートに摺動して、シールすべき面が損傷する恐れがあり、その点からも、シール性が損なわれやすく、弁洩れしやすいという問題が発生する。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、圧力損失や摺動部分の摩耗を可及的に抑えることができ、シール性を向上させ得て、弁洩れし難くできるとともに、高圧に耐えられる十分な強度を確保できて耐久性を向上させることができ、さらに、配管の取り回し、占有スペースの削減等の便宜も図ることのできる流路切換弁を提供することにある。
また、本発明の他の目的とするところは、ヒートポンプ式冷暖房システム等の高温高圧の流体と低温低圧の流体が流される環境で使用される場合において、内部熱交換量を可及的に低減し得るようにされた流路切換弁を提供することにある。
前記の目的を達成すべく、本発明に係る流路切換弁は、基本的には、上側弁シート及び下側弁シートによりその上面開口及び下面開口が気密的に封止された筒状の主弁ハウジング、前記上側弁シート及び/又は前記下側弁シートに合計で少なくとも3個設けられたポート、及び前記主弁ハウジング内に回動可能に配在されるとともに前記ポート間を選択的に連通するための複数本の連通路が設けられた主弁体を有する主弁と、前記主弁体を回動させて連通するポート間を切り換えるためのアクチュエータとを備え、前記主弁体と前記上側弁シートとの間及び/又は前記主弁体と前記下側弁シートとの間に、前記主弁体の回転時において、該主弁体側のシール面を前記上側弁シート及び/又は前記下側弁シートから離れさせるシール面離隔機構と、その一部が前記主弁体の前記上側弁シート側の上端面及び/又は前記下側弁シート側の下端面に固定され、その他部が前記上側弁シート側及び/又は前記下側弁シート側に付勢された板ばねからなり、前記主弁体の回転時において、該板ばねの他部が該板ばねの弾性変形により前記上側弁シート及び/又は前記下側弁シートに押し付けられた状態で前記上側弁シート及び/又は前記下側弁シートの弁シート面における前記ポートの開口周りに摺動して、該弁シート面もしくはその近傍に存在する異物を除去する異物除去手段とが設けられていることを特徴としている。
好ましい態様では、前記異物除去手段の前記板ばねは、前記主弁体の上端面及び/又は下端面に形成された収納溝に固定される。
更に好ましい態様では、前記連通路の両端部に、前記上側弁シート及び/又は前記下側弁シートにおける前記各ポートの開口周りに密接する環状シール面を持つ凸部が突設されるとともに、前記収納溝は、少なくとも一部が前記凸部に重なるように形成される。
他の好ましい態様では、前記板ばねは、前記主弁体の半径方向に沿って設けられるとともに、前記上側弁シート及び/又は前記下側弁シートの弁シート面における前記ポートの開口周りのうち少なくとも前記凸部の前記環状シール面が密接する部分に摺動するように寸法形状が設定される。
更に好ましい態様では、前記板ばねは、前記主弁体の半径方向に垂直な断面で視てV字状を有し、その頂部が前記主弁体の上端面及び/又は下端面に固定され、その両脚部が前記上側弁シート側及び/又は前記下側弁シート側に付勢される。
他の好ましい態様では、前記板ばねは、前記主弁体の回転開始前及び回転終了時においてポートに連通する連通路同士の間に配設される。
更に好ましい態様では、前記板ばねは、前記連通路に対して、前記主弁体の回転開始前及び回転終了時においてポートに連通する連通路同士の間とは反対側の部分にも配設される。
この場合、好ましい態様では、前記主弁体は、一体回動可能かつ上下動可能な上半部と下半部との二分割構成とされ、前記上半部と前記下半部との間に、それらを相互に逆方向に付勢する付勢手段が介装され、前記上半部と前記上側弁シートとの間及び/又は前記下半部と前記下側弁シートとの間に、前記主弁体の回転時において、該主弁体側のシール面を前記上側弁シート及び/又は前記下側弁シートから離れさせるボール式シール面離隔機構が設けられる。
前記ボール式シール面離隔機構は、好ましくは、ボールと、該ボールを、その一部を上下方向に突出させた状態で、回転自在にかつ移動は実質的に阻止した状態で収容する収容部と、前記主弁体の回転開始前及び回転終了時においては、前記主弁体側のシール面が前記上側弁シート及び前記下側弁シートから離れないようにすべく、前記収容部から突出する前記ボールの一部が嵌め込まれ、前記主弁体の回転時においては、前記ボールが前記上半部を押し下げるとともに、前記下半部を押し上げながら転がり出るような寸法形状を持つ凹穴と、を備え、前記ボール及び前記収容部は、前記上半部と前記下半部の同一円周上に2箇所以上設けられるとともに、前記凹穴は前記上側弁シートと前記下側弁シートの同一円周上の、平面視で前記収容部と同一位置及び該位置から前記主弁体が流路切換時に回転する角度分離れた位置に設けられる。
本発明に係る流路切換弁の好ましい態様においては、例えば、ポート間を連通する4本の連通路のうちの2本は、始端から終端までの太さ(通路径)が各ポートの口径と略同じ直線状の通路とされ、冷媒はポートから真下もしくは真上にストレートに流れるので、主弁(主弁体)内での圧力損失はほとんど生じない。また、残りの連通路も内容積を比較的大きくできるので、圧力損失が軽減され、トータルでは従来の流路切換弁に比べて圧力損失を相当軽減できる。
加えて、上側弁シート及び下側弁シートは平板状とされるので、弁シート面を平坦な平滑面とする(容易に面精度を上げる)ことができ、これによっても、従来例のようにシールすべき面に円筒面を含んでいるものに比べて、シール性を格段に向上できる。
さらに、主弁ハウジングの上側弁シート及び下側弁シートに全てのポートが設けられることから、配管の取り回しが容易となるとともに、配管を含めた実質的な占有スペースを小さくできる。
また、例えばボール式のシール面離隔機構が設けられることにより、主弁体の回転時(流路切換中)には、主弁体側のシール面が上側弁シートや下側弁シートの弁シート面から離されるようにされているので、摺動摩擦がほとんど生じず、そのため、スティックスリップ等を生じ難くでき、摺動部分の摩耗を大幅に抑制することができ、さらに、摩耗が抑制されることから、シール性が向上して弁洩れを効果的に抑えることができる。
さらに加えて、板ばねからなる異物除去手段が設けられることにより、主弁体の回転時(流路切換中)に、主弁体側のシール面が上側弁シートや下側弁シートの弁シート面から離された後も、主弁体の上側弁シート側の上端面や下側弁シート側の下端面に設けられた板ばねの一部がその弾性変形(付勢力)により上側弁シート及び下側弁シートに押し付けられ、その状態で上側弁シートや下側弁シートの弁シート面における各ポートの開口周りに摺動するので、その弁シート面もしくはその近傍に存在する異物を除去することができる。そのため、主弁体の回転終了時(流路切換後)に、主弁体側のシール面が上側弁シートや下側弁シートの弁シート面に再び押し付けられたときも、そのシールすべき面同士の間の異物の噛み込みを大幅に抑制することができ、その点からも、シール性が向上して弁洩れを効果的に抑えることができる。
さらに、本発明の流路切換弁は、高圧を受ける主弁体を円柱状とでき、その内部に連通路を設けることができるので、従来例のような変形(撓み)等は生じ難く、十分な強度や耐久性を確保できる。
上記に加え、本発明に係る流路切換弁をヒートポンプ式冷暖房システム等の、高温高圧の冷媒と低温低圧の冷媒が流される環境で使用する場合、各連通路は主弁体内で比較的大きく離されて設けられているので、高温高圧の冷媒と低温低圧の冷媒とが近接した状態(薄壁一枚を隔てた状態)で流される従来のものに比べて、主弁ハウジング内での熱交換量を大幅に低減でき、そのため、システムの効率を向上できるという効果も得られる。
上記した以外の、課題、構成、及び作用効果は、以下の実施形態により明らかにされる。
(A)は、本発明に係る流路切換弁の一実施例における一側面図、(B)は、(A)に示される流路切換弁の上面側配置図、(C)は、(A)に示される流路切換弁の下面側配置図。 図1(B)のA−A矢視線に従って部分的に破断した他側面図。 図1(B)のB−B矢視線に従って部分的に破断した他側面図。 図1(B)のC−C矢視線に従う主弁部分の拡大断面図。 本実施例の流路切換弁に設けられたシール面離隔機構及び異物除去手段の構成及び動作説明に供される拡大断面図。 (A)は、図5に示される異物除去手段の組立方法の説明に供される図であり、(1)は組立前の状態を、(2)は組立後の状態をそれぞれ示す拡大斜視図、(B)は、図5に示される異物除去手段の他例の組立方法の説明に供される図であり、(1)は組立前の状態を、(2)は組立後の状態をそれぞれ示す拡大斜視図。 (A)は、本実施例の流路切換弁において主弁体が第1の回転位置にある状態を示し、(1)は上面側配置図、(2)は(1)のX−X矢視線に従う断面図、(B)は、本実施例の流路切換弁において主弁体が第2の回転位置にある状態を示し、(1)は上面側配置図、(2)は(1)のX−X矢視線に従う断面図。 (A)は、本実施例における主弁体の第1層部材が第1の回転位置にある状態を示し、(1)は平面図、(2)は(1)のX−X矢視線に従う断面図、(B)は、本実施例における主弁体の第1層部材が第2の回転位置にある状態を示し、(1)は平面図、(2)は(1)のX−X矢視線に従う断面図。 (A)は、本実施例における主弁体の第2層部材が第1の回転位置にある状態を示し、(1)は平面図、(2)は(1)のX−X矢視線に従う断面図、(B)は、本実施例における主弁体の第2層部材が第2の回転位置にある状態を示し、(1)は平面図、(2)は(1)のX−X矢視線に従う断面図。 (A)は、本実施例における主弁体の第3層部材が第1の回転位置にある状態を示し、(1)は平面図、(2)は(1)のX−X矢視線に従う断面図、(B)は、本実施例における主弁体の第3層部材が第2の回転位置にある状態を示し、(1)は平面図、(2)は(1)のX−X矢視線に従う断面図。 (A)は、本実施例における主弁体の第4層部材が第1の回転位置にある状態を示し、(1)は平面図、(2)は(1)のX−X矢視線に従う断面図、(B)は、本実施例の主弁体の第4層部材が第2の回転位置にある状態を示し、(1)は平面図、(2)は(1)のX−X矢視線に従う断面図。 本実施例における主弁体の異物除去手段の配置構成を変更した例を示す、主弁体の第1層部材の平面図。 本発明に係る流路切換弁の一実施例におけるアクチュエータ部分を示す、図2の下部の部分切欠拡大図。 (A)は、図13に示されるアクチュエータの主要部を示す部分拡大断面図、(B)は、(A)に示される運動変換機構の主要部の分解斜視図。 図13に示されるアクチュエータに用いられる回転伝達機構の一例を示す概略構成図。 図13に示されるアクチュエータに用いられる回転伝達機構の他例を示す概略構成図。 図13に示されるアクチュエータの動作説明に供される図。 図13に示されるアクチュエータに備えられる四方パイロット弁を示し、(A)は通電OFF時を、(B)は通電ON時をそれぞれ示す拡大断面図。 ヒートポンプ式冷暖房システムの一例を示す概略構成図。
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る流路切換弁の一実施例を示し、(A)は一側面図、(B)は上面側配置図、(C)は下面側配置図である。また、図2、図3、図4は、それぞれ図1(B)のA−A矢視線に従って部分的に破断した他側面図、B−B矢視線に従って部分的に破断した他側面図、C−C矢視線に従う主弁部分の拡大断面図である。
なお、本明細書において、上下、左右、前後等の位置、方向を表わす記述は、説明が煩瑣になるのを避けるために図面に従って便宜上付けたものであり、実際にヒートポンプ式冷暖房システム等に組み込まれた状態での位置、方向を指すとは限らない。
また、各図において、部材間に形成される隙間や部材間の離隔距離等は、発明の理解を容易にするため、また、作図上の便宜を図るため、各構成部材の寸法に比べて大きくあるいは小さく描かれている場合がある。
図示実施例の流路切換弁1は、四方切換弁であり、例えば前述した図19に示されるヒートポンプ式冷暖房システム100における四方切換弁140として用いられるもので、ロータリー式の主弁5と、流体圧式のアクチュエータ7とを備える。
以下においては、まず、主として主弁5について説明し、その後にアクチュエータ7について説明する。
[主弁5の構成、動作]
主弁5は、主弁ハウジング10と、この主弁ハウジング10内に回動可能かつ上下動可能に配在された主弁体20とを備える。
主弁ハウジング10は、アルミあるいはステンレス等の金属製とされ、円筒状の胴部10Cと、この胴部10Cの上面開口を気密的に封止するようにかしめ固定され、さらにはんだ付け、ろう付け、溶接等により固定された厚肉円板状の上側弁シート10Aと、胴部10Cの下面開口を閉塞するように前記上側弁シート10Aと同様に前記胴部10Cに固定された厚肉円板状の下側弁シート10Bとを有し、上側弁シート10Aの左右には、管継手からなる第1ポート11、第2ポート12が垂設され、下側弁シート10Bの左右には、管継手からなる第3ポート13、第4ポート14が垂設されている。各ポート11〜14は同一円周上に設けられており、第1ポート11と第3ポート13及び第2ポート12と第4ポート14は平面視同一位置に配在されている。上側弁シート10Aの下面及び下側弁シート10Bの上面は、平坦で滑らかな弁シート面17、17となっている。
本実施例では、図19に示される如くのヒートポンプ式冷暖房システム100に組み込まれた場合において、例えば、第1ポート11は圧縮機吐出側に接続される吐出側高圧ポートDとされ、第2ポート12は室内熱交換機に接続される室内側入出ポートEとされ、第3ポート13は室外熱交換器に接続される室外側入出ポートCとされ、第4ポート14は圧縮機吸入側に接続される吸入側低圧ポートSとされる(図1参照)。
前記主弁ハウジング10における上側弁シート10Aの下面(内面)側中央(主弁ハウジング10の中心線O上)には、主弁体20の上側回転軸部30A(後述)を回転自在に支持する軸受穴15Aが設けられている。また、下側弁シート10Bの下面側中央付近には、下向きに凹部19(後述する回転伝達機構70の収容部)が設けられ、この凹部19における前記中心線O上に、主弁体20の下側回転軸部30B(後述)を回転自在に支持する軸受穴15Bが設けられている。
また、下側弁シート10Bの下面側の前後にはアクチュエータ7の本体部50及びパイロット弁80が設けられている。前記本体部50及びパイロット弁80は、平面視で主弁ハウジング10から側方には突出しないようになっている(下側弁シート10Bの径内に収まっている)。
主弁体20は、短円柱状の上半部20Aと下半部20Bとの二分割構成となっている。詳しくは、比較的厚みのある第1層部材21と該第1層部材21の下面側に溶接等により一体的に接合された第2層部材22とで上半部20Aが構成され、厚肉円板状の第3層部材23と該第3層部材23の下面側に溶接等により一体的に接合された比較的厚みのある第4層部材24とで下半部20Bが構成されている。
前記上半部20A(の第2層部材22)と下半部20B(の第3層部材23)との間に、それらを相互に逆方向に付勢する付勢手段としての4本の圧縮コイルばね29が縮装されている(図2参照)。4本の圧縮コイルばね29は、第3層部材23の上面側の同一円周上に等角度間隔で設けられた4個のばね収納穴23h(図10参照)に、その一部を上方に突出させた状態で装填されている。
主弁体20の第1層部材21の上面側及び第4層部材24の下面側の平面視同一位置には、主弁体20の中心線O(主弁ハウジング10と共通)を通る断面矩形の横断溝27、27が形成されており、この横断溝27、27の両端近くには、主弁体20の上半部20Aと下半部20Bとを一体回動可能かつ上下動可能とすべく、図3に示される如くに、2本の貫通穴26が形成されるとともに、この2本の貫通穴26に上下端部に小径部25aを備えた段付きの一体回動棒25が挿入されている。
主弁体20の回転軸部は、図2〜4に示される如くに、主弁体20の本体部分(上半部20A、下半部20B)と一体的に挙動可能な上側回転軸部30Aと下側回転軸部30Bとに分けられ、それらが前記一体回転棒25により接続されている。上側回転軸部30Aは、前記軸受穴15Aに挿入される枢軸部30aと、前記横断溝27に嵌合する断面矩形の角棒部30bとからなっている。下側回転軸部30Bは、前記軸受穴15Bに挿入される枢軸部30cと、前記横断溝27に嵌合する断面矩形の角棒部30dと、中間大径部30eとからなっている。角棒部30b、30dの両端近くには挿通穴が設けられ、該挿通穴に、前記一体回動棒25の上下端部に設けられた小径部25aが圧入やかしめ固定等されて嵌挿されることで、前記一体回動棒25は、上側回転軸部30Aと下側回転軸部30Bとに固定される。
したがって、上下の回転軸部30A、30Bと左右の一体回動棒25、25は、一体回動可能に井形状ないし矩形状に組まれた枠状体28を構成しており、この枠状体28により、二分割構成とされた主弁体20(上半部20A、下半部20B)が一体回転棒25に沿って若干摺動可能とされていることにより、その上下動、傾き、位置ずれ等に柔軟に対応できる。
流路切換にあたり、主弁体20は、後で詳述するアクチュエータ7により、正逆両方向に回転せしめられ、図7(A)に示される如くの第1の回転位置と、この第1の回転位置から時計回りに60°回転させた、図7(B)に示される如くの第2の回転位置とを選択的にとり得るようにされている。
主弁体20には、第1の回転位置をとるとき、第1ポート11と第3ポート13とを連通させる第1連通路31及び第2ポート12と第4ポート14とを連通させる第2連通路32とが設けられるとともに、第2の回転位置をとるとき、第1ポート11と第2ポート12とを連通させる第3連通路33及び第3ポート13と第4ポート14とを連通させる第4連通路34とが設けられている。
詳細には、前記第1〜第4連通路31〜34を構成する、第1〜第4層部材21〜24に設けられた各通路部の上面開口又は下面開口は、第1〜第4ポート11〜14と同一円周上に配在されており、また、その口径は各ポート11〜14の口径と略同じとされ、さらに、第1連通路31と第2連通路32は、各ポート11〜14の口径と略同じ通路径となっている。
主弁体上半部20Aの上部を構成する第1層部材21には、図8に示される如くに、180°間隔をあけて2つの直線貫通路部21A、21Bが設けられるとともに、第2層部材22によりその下面開口が閉塞される、平面視波状の横穴21Eにより結ばれた2つの横穴付き通路部21C、21Dが設けられている。横穴付き通路部21Cと21Dは、180°間隔をあけて配在されており、2つ合わせてU字状の比較的容積の大きな連通路(第3連通路33)を形成する。直線貫通路部21A、21Bと横穴付き通路部21C、21Dとの角度間隔は60°とされている。
したがって、主弁体20が第1の回転位置にあるときには、直線貫通路部21A、21Bが第1ポート11、第2ポート12の真下に位置し、主弁体20を第1の回転位置から時計回りに60°回転させると、直線貫通路部21A、21Bの上面開口が上側弁シート10Aにより閉塞されるとともに、横穴付き通路部21C、21Dの上面開口が第1ポート11、第2ポート12の真下に位置する。
主弁体上半部20Aの下部を構成する第2層部材22には、図9に示される如くに、180°間隔をあけて2つの直線貫通路部22A、22Bが設けられている。直線貫通路部22A、22Bは第1層部材21の直線貫通路部21A、21Bの真下に位置している。
主弁体下半部20Bの上部を構成する第3層部材23には、図10に示される如くに、180°間隔をあけて2つの直線貫通路部23A、23Bが設けられている。直線貫通路部23A、23Bは第2層部材22の直線貫通路部22A、22Bの真下に位置している。
主弁体下半部20Bの下部を構成する第4層部材24には、図11に示される如くに、第1層部材21と同様に、180°間隔をあけて2つの直線貫通路部24A、24Bが設けられるとともに、第3層部材23によりその上面開口が閉塞される、平面視波状の横穴24Eにより結ばれた2つの横穴付き通路部24C、24Dが設けられている。直線貫通路部24A、24Bは第3層部材23の直線貫通路部23A、23Bの真下に位置している。横穴付き通路部24Cと24Dは、180°間隔をあけて配在されており、2つ合わせてU字状の比較的容積の大きな連通路(第4連通路34)を形成する。直線貫通路部24A、24Bと横孔付き通路部24C、24Dとの角度間隔は60°とされている。
したがって、主弁体20が第1の回転位置にあるときには、直線貫通路部24A、24Bが第3ポート13、第4ポート14の真上に位置し、主弁体20を第1の回転位置から時計回りに60°回転させると、直線貫通路部24A、24Bの下面開口が下側弁シート10Bにより閉塞されるとともに、横穴付き通路部24C、24Dの下面開口が第3ポート13、第4ポート14の真上に位置する。
第1層部材21と第2層部材22の2つの部材を合わせて連通路(第3連通路33)を形成したため、断面視で視て、横穴付き通路部21C、21Dの間には、横穴21E側に膨出した案内部が、中心線Oに垂直な方向に比較的長く設けられている。この案内部により、流体(冷媒)がU字状に曲がる部分に発生する渦流を防止することができ、また、横穴21Eの口径と各ポート11〜14の口径とがほぼ同じ通路径となるので、流路の体積を一様にすることができるため、主弁5内で流体の膨張や縮小が発生せず、圧力損失を低減できる。仮に、後述する3Dプリンターを用いずに成形品にて主弁体上半部20Aを作成した場合には、前記連通路は、案内部の無い椀型とせざるを得ず、渦流が発生したり、流路の体積を一様にできないため、圧力損失が大きくなる。
前記した各連通路31、32、33、34の両端部には、図4、図5、図8を参照すればよくわかるように、上側弁シート10A、下側弁シート10Bの弁シート面17、17における各ポート11〜14の開口周りに密接する円環状シール面37、37を持つ凸部36が突設されている。隣り合う凸部36、36(のシール面37、37)は連設されて平面視メガネ状を呈するものとなっており、第4層部材24に設けられた凸部36(のシール面37)も同様である。
また、第1連通路31と第2連通路32は、図4に示される如くに、主弁体20の上半部20Aと下半部20Bとに跨がる分割連通路となっているので、シール性を確保するため、次のような方策が講じられている。すなわち、第1連通路31を代表して説明するに、第1連通路31を構成する第2層部材22の直線貫通路部22Aの下部に大径部22cが形成されるとともに、第3層部材23の直線貫通路部23Aの上端に、前記大径部22cに摺動自在に挿入される円筒状部23cが延設され、大径部22cと円筒状部23cとの間にOリング49が介装され、当該Oリング49の脱落を防止するワッシャ49aが大径部22cの端部に溶接にて接合されている。第2連通路32も同様な構成となっている。
上記に加え、本実施例では、主弁体20の第1層部材21と上側弁シート10Aとの間、及び、第4層部材24と下側弁シート10Bとの間に、主弁体20の回転時において、主弁体20側のシール面37、37を上側弁シート10A及び下側弁シート10Bの弁シート面17、17から離れさせるボール式シール面離隔機構45が設けられている。
ボール式シール面離隔機構45は、第1層部材21と上側弁シート10Aとの間に設けられたものが図4、図5に代表例で示されているように、ボール46と、該ボール46を、その一部を上下方向に突出させた状態で、回転自在にかつ移動は実質的に阻止した状態で収容する収容部47と、主弁体20の回転開始前及び回転終了時においては、主弁体20側のシール面37が上側弁シート10Aの弁シート面17から離れないように、前記収容部47から突出する前記ボール46の一部が嵌め込まれ、主弁体20の回転時(流路切換中)においては、ボール46が主弁体20を押し下げながら転がり出るような寸法形状とされた逆円錐状の凹穴48とを備えている。なお、収容部47は、丸穴47aと該丸穴47に圧入等により固定された、上部が窄まった筒状抜け止め金具47bとで構成されている。
前記ボール46が収容された収容部47は、図8及び図11の(A)の(1)に示される如くに、主弁体20の第1層部材21と第4層部材24の同一円周上にそれぞれ90°間隔をあけて4箇所に設けられており、また、凹穴48は上側弁シート10Aと下側弁シート10Bの同一円周上の、平面視で前記収容部47と同一位置及び該位置から時計回りに60°離れた位置の計8箇所に設けられている。
かかるシール面離隔機構45では、主弁体20の回転開始前及び回転終了時においては、図5(A)に示される如くに、上側弁シート10Aの凹穴48内にボール46の一部が嵌り込んでいる。この嵌り込み量(上側弁シート10Aの弁シート面17からボール46の頂上までの高さ)をhとする。この状態から主弁体20を60°回転させ始めると、収容部47が周方向に移動(回転)し、これに伴ってボール46は、図5(B)に示される如くに、主弁体20(上半部20A)を、上半部20Aと下半部20Bとの間に縮装された圧縮コイルばね29の付勢力に抗して、押し下げながら凹穴48から転がり出る。これによって、主弁体20のシール面37が上側弁シート10Aの弁シート面17から離れる。この際の主弁体20の押し下げ量は前記嵌り込み量hとなる。
なお、主弁体20が60°回転すると、ボール46が次の凹穴48に嵌り込むので、主弁体20(上半部20A)は圧縮コイルばね29の付勢力によって押し上げられ、主弁体20のシール面37が上側弁シート10Aの弁シート面17に押し付けられる。
さらに上記に加え、本実施例では、主弁体20の第1層部材21と上側弁シート10Aとの間、及び、第4層部材24と下側弁シート10Bとの間に、主弁体20の回転時において、上側弁シート10A及び下側弁シート10Bの弁シート面17、17における各ポート11〜14の開口周りもしくはその近傍、特に、各ポート11〜14の開口周りのうち主弁体20の各連通路31、32、33、34の両端部(すなわち、第1層部材21の上端面及び第4層部材24の下端面)に設けられた凸部36の円環状シール面37、37に密接する部分に存在(付着)する異物を除去する異物除去手段40が設けられている。
この異物除去手段40は、第1層部材21と上側弁シート10Aとの間に設けられたものが図5に代表例で示されているように、基本的に、長手方向の長さが各ポート11〜14の口径(言い換えれば、前記第1〜第4連通路31〜34を構成する、第1〜第4層部材21〜24に設けられた各通路部の上面開口又は下面開口の口径)より若干長い、より詳細には、各通路部の上面開口又は下面開口周りに設けられた円環状シール面37、37の外径(シール径)以上であり(図7、図8、図11も参照)、かつ断面(長手方向に垂直な断面)V字状の板ばね41と、この板ばね41の一部もしくは全部を収納可能な大きさを持つ収納溝42と、板ばね41を収納溝42に固定するための固定部材43とを備えている。なお、板ばね41の素材としては、金属や樹脂等の、導入される流体の圧力に耐えられるものであれば、いかなるものであってもよいが、主弁体20の回転を阻害することなく、かつ、上側弁シート10A及び下側弁シート10Bの弁シート面17、17の傷付きを防止するために、摺動抵抗の少ないテフロン(登録商標)等から作製することが好ましい。
各収納溝42は、主弁体20の第1層部材21の上面及び第4層部材24の下面において、主弁体20の半径方向に延びるように形成される(図7、図8、図11も参照)とともに、断面(主弁体20の半径方向に垂直な断面)略凹状を有する。また、各収納溝42の底面の周方向における中心には、当該収納溝42に対して前記板ばね41を位置決めすべく、断面三角形状の切込み42aが設けられている。
また、前記した各収納溝42は、主弁体20の第1層部材21の上面及び第4層部材24の下面において、主弁体20の回転開始前及び回転終了時において同じポートに連通する連通路同士の間に形成されている。具体的には、図8、図11を参照すればよく理解されるように、第1層部材21の上面において、第1連通路31の上端部と第3連通路33の(横穴付き通路部21C側の)上端部との中間(すなわち、直線貫通路部21Aと横穴付き通路部21Cの上面開口との中間)、及び、第2連通路32の上端部と第3連通路33の(横穴付き通路部21D側の)上端部との中間(すなわち、直線貫通路部21Bと横穴付き通路部21Dの上面開口との中間)に設けられ、主弁体20の第4層部材24の下面において、第1連通路31の下端部と第4連通路34の(横穴付き通路部24C側の)下端部との中間(すなわち、直線貫通路部24Aと横穴付き通路部24Cの下面開口との中間)、及び、第2連通路32の下端部と第4連通路34の(横穴付き通路部24D側の)下端部との中間(すなわち、直線貫通路部24Bと横穴付き通路部24Dの下面開口との中間)に設けられている。すなわち、前記収納溝42は、第1層部材21の上面及び第4層部材24の下面において、主弁体20の中心線Oに対して反対側に(180°間隔をあけて)設けられるとともに、その中心線Oの方向で視て上下面で同じ位置に設けられている。
ここで、上述したように、各連通路31、32、33、34の両端部に突設された凸部36のうち、隣り合う凸部36、36(のシール面37、37)は連設されて平面視メガネ状を呈するものとなっているので、前記した各収納溝42は、一部が前記凸部36に重なるように形成されている。
上記した板ばね41を主弁体20の第1層部材21及び第4層部材24に設けられた収納溝42に組み付ける際には、図6(A)に示されるように、収納溝42の長さ(主弁体20の半径方向における長さ)と同等もしくはそれよりも若干長い固定部材43(図示例では、断面五角形状)を予め用意し、その固定部材43をV字状の板ばね41の頂部41aと末広がり状の両脚部41b、41bとで画成される部分に配置した状態で、板ばね41の頂部41aを収納溝42の切込み42aに位置合わせして嵌め合わせながら、前記固定部材43を収納溝42に圧入する。これにより、前記板ばね41が、前記収納溝42(の切込み42a)と固定部材43とで挟持された状態で前記収納溝42に載置固定される。この場合、前記板ばね41は、各ポート11〜14の内端より内側からその外端より外側まで位置するように、前記収納溝42において半径方向の位置を調整して固定する。なお、この状態では、板ばね41の両脚部41b、41bの一部が、収納溝42、より詳細には、凸部36(のシール面37)より外側に突出している。
そして、板ばね41が組み付けられた主弁体20を主弁ハウジング10内に配置すると、収納溝42から突出した板ばね41の両脚部41b、41bの一部が上側弁シート10A及び下側弁シート10Bにより押圧変形され、図5に示されるように、前記板ばね41の一部もしくは全部が収納溝42内に弾性変形可能な状態で収納される。すなわち、異物除去手段40を構成する板ばね41は、主弁体20と上側弁シート10Aとの間で、その頂部41aが第1層部材21の上端面に固定され、その両脚部41b、41bが上側弁シート10A側(上方向)に付勢された状態となり、主弁体20と下側弁シート10Bとの間では、その頂部41aが第4層部材24の下端面に固定され、その両脚部41b、41bが下側弁シート10B側(下方向)に付勢された状態となる。
かかる異物除去手段40では、主弁体20の回転開始前及び回転終了時においては、図5(A)に示される如くに、各連通路31、32、33、34の両端部に突設された凸部36の円環状シール面37が上側弁シート10A及び下側弁シート10Bの弁シート面17、17における各ポート11〜14の開口周りに密接しているので、板ばね41が、押圧変形(弾性変形)された状態で収納溝42内に収納されている。この状態から主弁体20を(時計回り又は反時計回りに)60°回転させ始めると、上記したシール面離隔機構45により、図5(B)に示される如くに、主弁体20のシール面37が上側弁シート10A及び下側弁シート10Bの弁シート面17、17から離れるが、収納溝42内に収納された板ばね41の両脚部41b、41bは上側弁シート10A側(上方向)及び下側弁シート10B側(下方向)に付勢されているので、その弾性変形(付勢力)により、前記脚部41b、41bが上側弁シート10A及び下側弁シート10Bに押し付けられる。このときの前記脚部41b、41bの上下方向における変形量は、前記嵌り込み量hとなる。そして、主弁体20をさらに回転させると、上側弁シート10A及び下側弁シート10Bに押し付けられた前記脚部41b、41bが、前記主弁体20の回転に伴って、上側弁シート10A及び下側弁シート10Bの弁シート面17、17における前記ポート11〜14の開口周り、特に、ポート11〜14の開口周りのうち前記凸部36の円環状シール面37、37に密接する部分に摺動する(特に、図8参照)。
なお、主弁体20が60°回転すると、上記のように、主弁体20のシール面37が上側弁シート10A及び下側弁シート10Bの弁シート面17、17に再び押し付けられるので、板ばね41は、上側弁シート10A及び下側弁シート10Bにより押圧変形(弾性変形)された状態で収納溝42内に収納される。
なお、図6(A)に示す例では、固定部材43を、間に板ばね41を挟持した状態で収納溝42に圧入により固定しているが、例えば、当該固定部材43を主弁体20(の第1層部材21及び第4層部材24)と同種の材料から作製し、かつ、当該固定部材43の長さを収納溝42の長さ(主弁体20の半径方向における長さ)よりも若干長くし、図6(B)に示すように、その固定部材43(図示例では、断面矩形状)の端部(主弁体20の半径方向における端部)を収納溝42(の半径方向における端面に設けた段差部)に溶接により固定してもよい。
以上の説明から理解されるように、主弁体20が第1の回転位置をとるとき、第1ポート11と第3ポート13とを連通させる第1連通路31は、直線貫通路部21A、22A、23A、及び24Aで構成される直線状通路となり、また、第2ポート12と第4ポート14とを連通させる第2連通路32は、直線貫通路部21B、22B、23B、及び24Bで構成される直線状通路となる。
それに対し、主弁体20が第2の回転位置をとるとき、第1ポート11と第2ポート12とを連通させる第3連通路33は、主弁体20の上半部20Aに設けられた横穴付き通路部21C及び21Dで構成されるU字状通路となり、また、第3ポート13と第4ポート14とを連通させる第4連通路34は、主弁体20の下半部20Bに設けられた横穴付き通路部24C及び24Dで構成されるU字状通路となる。
上記のように、本実施例の流路切換弁1では、主弁体20を第1の回転位置から時計回りに60°回転させることにより、第1連通路31により連通するポート11−13間及び第2連通路32により連通するポート12−14間から、第3連通路33により連通するポート11−12間及び第4連通路34により連通するポート13−14間への流路切換が行われ、主弁体20を第2の回転位置から反時計回りに60°回転させることにより、第3連通路33により連通するポート11−12間及び第4連通路34により連通するポート13−14間から、第1連通路31により連通するポート11−13間及び第2連通路32により連通するポート12−14間への流路切換が行われる。
本実施例の流路切換弁1を、図19に示される如くのヒートポンプ式冷暖房システムに組み込む際には、前述したように、例えば、第1ポート11は圧縮機吐出側に接続される吐出側高圧ポートD、第2ポート12は室内熱交換機に接続される室内側入出ポートE、第3ポート13は室外熱交換器に接続される室外側入出ポートC、第4ポート14は圧縮機吸入側に接続される吸入側低圧ポートSとされる。
そして、冷房運転を行う場合には、主弁体20に図7(A)に示される如くの第1の回転位置をとらせる。これにより、図7(A)の(2)に白抜き矢印で示される如くに、圧縮機からの高圧冷媒が吐出側高圧ポート11(D)→直線状の第1連通路31→室外側入出ポート13(C)へと流れるとともに、室内熱交換器からの低圧冷媒が室内側入出ポート12(E)→直線状の第2連通路32→吸入側低圧ポート14(S)へと流れる。
一方、暖房運転を行う場合には、主弁体20を第1の回転位置から時計回りに60°回転させて図7(B)に示される如くの第2の回転位置をとらせる。これにより、流路切換が行われ、図7(B)の(2)に白抜き矢印で示される如くに、圧縮機からの高圧冷媒が吐出側高圧ポート11(D)→U字状の第3連通路33→室内側入出ポート12(E)へと流れるとともに、室外側熱交換器からの低圧冷媒が室外側入出ポート13(C)→逆U字状の第4連通路34→吸入側低圧ポート14(S)へと流れる。
[主弁5の作用効果]
このような構成とされた本実施例の流路切換弁1においては、第1連通路31及び第2連通路32は始端から終端までの太さ(通路径)が第1ポート11及び第2ポート12の口径と略同じ直線状の通路とされ、冷媒は第1ポート11、第2ポート12から真下にストレートに流れるので、主弁5(主弁体20)内での圧力損失はほとんど生じない。また、二つの横穴付き通路部21C及び21D、24C及び24Dで構成される第3連通路33及び第4連通路34は、内容積が比較的大きくされているので、圧力損失が軽減され、トータルでは従来の流路切換弁に比べて圧力損失を相当軽減できる。
また、主弁体20が上半部20Aと下半部20Bとの二分割構成とされ、上半部20Aと下半部20Bはそれぞれ独立して上下動できるようにされるとともに、上半部20Aと下半部20Bとの間に圧縮コイルばね29が縮装されているので、そのばね力により、上半部20Aは押し上げられてそのシール面37が上側弁シート10Aの弁シート面17における各ポート11、12周りに押し付けられるとともに、下半部20Bは押し下げられてそのシール面37が下側弁シート10Bの弁シート面17における各ポート13、14周りに押し付けられる。
この場合、主弁体20(上半部20Aと下半部20B)側に凸部36が突設されてその端面が環状シール面37とされていることから、弁シート面17に対接する部分の面積が必要最小限とされ、そのため、対接面圧が高められる。これにより、十分なシール性を確保できて、流体(冷媒)が主弁体20の摺動面から漏れる弁洩れを効果的に抑制できる。
加えて、上側弁シート10A及び下側弁シート10Bは平板状とされるので、弁シート面17を平坦な平滑面とする(容易に面精度を上げる)ことができ、これによっても、従来例のようにシールすべき面に円筒面を含んでいるものに比べて、シール性を格段に向上できる。
さらに、主弁ハウジング10の上側弁シート10A及び下側弁シート10Bに全てのポート11〜14が設けられることから、配管の取り回しが容易となるとともに、配管を含めた実質的な占有スペースを小さくできる。
さらに加えて、本実施例においては、ボール式シール面離隔機構45により、主弁体20の回転時(流路切換中)には、主弁体20の上半部20Aが押し下げられるとともに、下半部20Bが押し上げられ、主弁体20側のシール面37、37が上側弁シート10A及び下側弁シート10Bの弁シート面17、17から離されるようにされているので、摺動摩擦がほとんど生じず、そのため、スティックスリップ等を生じ難くでき、摺動部分の摩耗を大幅に抑制することができ、さらに、摩耗が抑制されることから、シール性が向上して弁洩れを効果的に抑えることができる。
また、特許文献1に示されるような従来のスライド式主弁体を有する四方切換弁においては、流路の切換時に高圧配管Dと低圧配管Sとの流路開口面積が急激に変化するため、高圧の冷媒が低圧配管に一気に入り込むことより異音(切換音)が発生する。この異音を防止するために、冷暖房システム側で圧縮機の周波数を徐々に低下させて、高圧配管Dと低圧配管Sとの圧力差による異音が許容できる程度の差圧になるようにしてから流路の切り換えを行う必要があった。本実施例の流路切換弁1においては、ボール式シール面離隔機構45により主弁体を弁シート面から嵌り込み量hの分だけ浮かせてから切り換えるので、切換直後から一定の流路開口面積を確保でき、高圧配管Dと低圧配管Sとの間の流路開口面積が急激に変化することがなく、それゆえ上記の異音の発生を抑制できる。また、嵌り込み量hを適宜変更することにより、流路切換時の圧縮機の周波数の低下度合を特許文献1の四方切換弁を用いた冷暖房システムより小さくすることもできるし、圧縮機の周波数の低下を行うことなく流路を切り換えることもできる。
また、本実施例においては、板ばね41からなる異物除去手段40により、主弁体20の回転時(流路切換中)に、主弁体20側のシール面37、37が上側弁シート10A及び下側弁シート10Bの弁シート面17、17から離された後も、主弁体20の上側弁シート10A側の上端面及び下側弁シート10B側の下端面に設けられた板ばね41の両脚部41b、41bがその弾性変形により上側弁シート10A及び下側弁シート10Bに押し付けられ、その状態で上側弁シート10A及び下側弁シート10Bの弁シート面17、17における各ポート11〜14の開口周りに摺動するので、その弁シート面17、17もしくはその近傍に存在する異物を除去することができる。そのため、主弁体20の回転終了時(流路切換後)に、主弁体20側のシール面37、37が上側弁シート10A及び下側弁シート10Bの弁シート面17、17に再び押し付けられたときも、そのシールすべき面同士の間の異物の噛み込みを大幅に抑制することができ、その点からも、シール性が向上して弁洩れを効果的に抑えることができる。
さらに、本実施例の流路切換弁1は、高圧を受ける主弁体20(上半部20Aと下半部20B)が円柱状とされ、その内部に連通路31〜34が設けられるので、従来例のような変形(撓み)等は生じ難く、十分な強度や耐久性を確保できる。
上記に加え、本実施例の流路切換弁1をヒートポンプ式冷暖房システム等の、高温高圧の冷媒と低温低圧の冷媒が流される環境で使用する場合、各連通路31〜34は主弁体20内で比較的大きく離されて設けられているので、高温高圧の冷媒と低温低圧の冷媒とが近接した状態(薄壁一枚を隔てた状態)で流される従来のものに比べて、主弁ハウジング内での熱交換量を大幅に低減でき、そのため、システムの効率を向上できるという効果も得られる。
なお、上記実施例では、異物除去手段40が、主弁体20の第1層部材21の上面及び第4層部材24の下面において、主弁体20の回転開始前及び回転終了時において同じポートに連通する連通路同士の間に形成され、主弁体20の回転時(流路切換時)において、上側弁シート10A及び下側弁シート10Bの弁シート面17、17における各ポート11〜14の開口周りもしくはその近傍に存在(付着)する異物を除去しているが、例えば、図12に示すように、連通路に対して、主弁体20の回転開始前及び回転終了時において同じポートに連通する連通路同士の間とは反対側の部分にも異物除去手段40を(主弁体20の半径方向に沿って)形成してもよい。なお、図12では、第1層部材21のみを示しているが、第4層部材24においても同様の位置に形成することができる。すなわち、第1層部材21側に6個、第4層部材24に6個、合計12個の異物除去手段40を形成してもよい。本実施例の流路切換弁1では、主弁体20の回転開始前及び回転終了時において、各ポート11〜14に連通しない連通路の両端部に突設された凸部36、36のシール面37、37も上側弁シート10A及び下側弁シート10Bの弁シート面17、17(の前記開口周り以外の部分)に押し付けられるが、図12に示す例では、主弁体20の回転時において、その部分に存在(付着)する異物も除去することができるので、主弁体20と上側弁シート10A及び下側弁シート10Bとの間における異物の噛み込みを確実に抑制することができ、その点からも、シール性が向上して弁洩れをさらに効果的に抑えることができる。
また、上記実施例では、主弁体20が第1の回転位置をとるとき、第1ポート11と第3ポート13とを連通させる直線状の第1連通路31と、第2ポート12と第4ポート14とを連通させる直線状の第2連通路32とが設けられるとともに、主弁体20が第2の回転位置をとるとき、第1ポート11と第2ポート12とを連通させるU字状の第3連通路33と、第3ポート13と第4ポート14とを連通させるU字状の第4連通路34とが設けられているが、4本の連通路構成は、それに限られることはなく、例えば、主弁体20が第1の回転位置をとるとき、第1ポート11と第3ポート13とを連通させる直線状の第1連通路と、第4ポート14と第2ポート12とを連通させる直線状の第2連通路とを設けるとともに、主弁体20が第2の回転位置をとるとき、第1ポート11と第4ポート14とを連通させるクランク状の第3連通路と、第3ポート13と第2ポート12とを連通させるクランク状の第4連通路とを設ける構成等にすることもできる。すなわち、主弁体20に設けられた複数本の連通路のうちの少なくとも1本を、全体が直線状の通路で構成し、残りの少なくとも1本を、U字状又はクランク状の通路で構成することもできる。
また、上記実施例では、第1層部材21とこれに接合された第2層部材22とで上半部20Aが、また、第3層部材23とこれに接合された第4層部材24とで下半部20Bが構成されていたが、それに代えて、3Dプリンター等で上半部20A及び下半部20Bをそれぞれ始めから一体物として作製してもよい。
また、上記実施例では、四方切換弁1を例示したが、本発明に係る流路切換弁は四方切換弁に限られることはなく、三方切換弁等にも適用できる。三方切換弁の場合は、上記実施例の流路切換弁(四方切換弁)1において、例えば、主弁ハウジング10に設けられている第2ポート12を無くすとともに、第1層部材21と第2層部材22とを一体化し(U字状の連通路(第3連通路33)を形成する必要がないため)、第2連通路32及び第3連通路33を構成する直線貫通路部21B、22B、23B、24Bと横穴付き通路部21C、21D及びそれに付随する部分を削除するとよい。
なお、上記三方切換弁を前述したヒートポンプ式冷暖房システムに使用する場合には、当該三方切換弁を2個使用して四方切換弁として働かせる、あるいは、冷媒又は冷気・暖気供給先の切り換え(例えば、2室のうちの一方に送るか、他方に送るかの切り換え)等に使用する。
[アクチュエータ7の構成]
次に、図4に加えて図13〜図18を参照しながら、前記実施例の流路切換弁1における主弁体20を回動させるためのアクチュエータ7の一例について説明する。
本実施例のアクチュエータ7は、前記主弁5内を流通する高圧流体と低圧流体との差圧を利用した流体圧式のもので、前記主弁ハウジング10における下側弁シート10Bの一端側に設けられた本体部50を有する。本体部50は、下側弁シート10Bから下方に向けて延設された円筒状の胴部51と、この胴部51の下面開口を気密的に封止するように固着されてかしめ固定された、中央に凸部52aを持つ下面閉塞部材52と、胴部51の上面開口を封止するようかしめ固定され、さらにはんだ付け、ろう付け、溶接等により固定された厚肉円板状の、シール部材とストッパを兼ねる上面閉塞部材53とを備え、その内部には、作動室55が設けられ、この作動室55には、運動変換機構58を構成する厚肉有底円筒状の受圧移動体60と、この受圧移動体60に該受圧移動体60の上下方向の移動に伴い相対的に回動可能に内挿される短円柱状の回転駆動体65とが収容されている。回転駆動体65は、本体部50に対して回動可能に軸支されているため、作動室55内で上下方向に移動せずに、受圧移動体60の上下方向の移動に伴って相対的に該受圧移動体60内で回動するようになっている(後で詳説する)。
前記受圧移動体60の外周下端近くには、作動室55の内周面との間を気密的に封止して該作動室55を容積可変の上部55Aと下部55Bとに気密的に仕切るパッキン62が装着され、また、受圧移動体60の外周の上部には、胴部51の内周上半部に左右2カ所設けられた高さ方向に伸びるキー溝54にそれぞれ嵌め込まれる作動ピン63が圧入等により固定されている。
前記作動ピン63とキー溝54により、受圧移動体60は、直線的に上下動するがその回転は阻止される。
なお、図13には、受圧移動体60が最下降位置にある状態(下動行程完了状態)が示され、図14(A)には、受圧移動体60が最上昇位置にある状態(上動行程完了状態)が示されている(後で詳述)。
また、本体部50の上部には、作動室上部55Aに高圧流体を導入・排出するための上部ポート56が設けられるとともに、その底部(下面閉塞部材52)には、作動室下部55Bに高圧流体を導入・排出するための下部ポート57が設けられている。
そして、本実施例のアクチュエータ7には、前記運動変換機構58を構成する受圧移動体60と回転駆動体65との間に、受圧移動体60の上下動(往復直線運動)を回転駆動体65の正逆両方向の回転運動に変換するため、ボール72、このボール72の収容部74、及び螺旋溝75が設けられている。
詳細には、受圧移動体60には、複数個(本実施例では2個)のボール72及びその収容部74が設けられ、回転駆動体65には、その外周に、周方向に曲がりながら上下方向に伸びる複数本(本実施例では2本)の螺旋溝75が設けられている。前記収容部74は、受圧移動体60の上端部と、該上端部に溶接等により接合された環状押さえ部材66とにより、ボール72を、その一部を半径方向内方に突出させた状態で、回転自在にかつ移動は実質的に阻止した状態で収容するようになっており、前記螺旋溝75は、該収容部74から半径方向内方に突出するボール72の一部が嵌め込まれて回転自在に密接するような、断面円弧状の浅溝からなっている。
前記回転駆動体65の中央には、該回転駆動体65と一体回動するように回転駆動軸部76がかしめ固定されている。回転駆動軸部76は、回転駆動体65にその下部が固定された下部大径部76aと、これに続く中間部76bと、下側弁シート10Bの下面側に設けられた軸受穴16に回転自在に支持されている小径の枢軸部76cとからなっている。また、回転駆動軸部76の下部大径部76aは、下側から、回転駆動体65の中央穴に通される挿通部76aaと、該挿通部76aaよりも拡径され且つ上面閉塞部材53の中央穴に通される第1拡径部76abと、該第1拡径部76abよりもさらに拡径された第2拡径部76ac(上面閉塞部材53と回転伝達機構77の駆動アーム78との間に配在される部分)とからなっており、上面閉塞部材53の中央穴と第1拡径部76abとの間にはOリング59が介装されている。
第1拡径部76abと第2拡径部76acにより形成される段差の下向きの段差面と上面閉塞部材53の上面とが当接することで、前記回転駆動軸部76とそれに固定された回転駆動体65とが抜け落ちることが防止され、また、挿通部76aaと第1拡径部76abにより形成される段差の下向きの段差面は、回転駆動体65を回転駆動軸部76にかしめ固定する際の受け面とされている。
ここで、回転駆動体65の回転軸線Q(回転駆動軸部76)は、主弁体20の回転軸線Oに対して偏心するとともに、主弁体20の回転軸線Oに平行に配在されており、回転駆動軸部76と主弁体20の下側回転軸部30Bとの間には、回転駆動体65の回転を主弁体20に伝達する回転伝達機構77が設けられている。
回転伝達機構77は、図13、図14(A)に加えて図15を参照すればよくわかるように、回転駆動軸部76の中間部76bにその基端部が連結固定され、その先端中央にU形係合溝78aが形成された駆動アーム78と、前記主弁体20における下側回転軸部30Bの枢軸部30cにその基端部が連結固定され、その先端付近に、前記U形係合溝78aに摺動自在に係合する係合ピン79が下向きに垂設された従動アーム39とから構成されている。
かかる構成の回転伝達機構77は、回転駆動軸部76が回転すると、それと一体に駆動アーム78が回転(揺動)し、これに伴って従動アーム39の先端付近(係合ピン79)が駆動アーム78の先端付近(U形係合溝78a)に連れ回され、これによって、下側回転軸部30B及び主弁体20が回転する。この場合、本実施例では、従動アーム39の回転角度θは60°とされ、前述したように主弁体20が流路切換に必要とする回転角度である。前記回転角度θは、受圧移動体60の上下動のストローク長や駆動アーム78と従動アーム39のレバー比(てこ比)等により設定される。なお、図13、図14(A)、及び後述する図17(A)〜(D)においては、駆動アーム78及び従動アーム39の回転途中状態が示されている。
また、回転伝達機構としては、図16に示される如くの、回転駆動軸部76に連結固定された駆動ギア97と、下側回転軸部30Bに連結固定され、前記駆動ギア97に噛合する従動ギア98とで構成する等してもよい。
次に、アクチュエータ7の本体部50内の動作について説明する(四方パイロット弁80の構成及びそれを用いた動作については後述する)。
図13及び図17(A)は、作動室上部55Aに上部ポート56を介して高圧流体(高圧冷媒)を導入するとともに、作動室下部55Bから下部ポート57を介して高圧流体を排出した状態を示している。作動室上部55Aに高圧流体を導入すると、高圧流体は、受圧移動体60に装着されているパッキン62より上方で上面閉塞部材53より下方の空間(作動室上部55A)の隅々まで、つまり、受圧移動体60の内周面と回転駆動体65の外周面との間に形成される隙間を介して受圧移動体60の底面と回転駆動体65の下面との間の部分や、本体部50の胴部51の内周面と受圧移動体60の外周面との間に形成される隙間部分等に行き渡るので、受圧移動体60の上面側の受圧面積と下面側の受圧面積は等しくなる。
このような構成のもとで、図13及び図17(A)に示される状態において、作動室下部55Bに下部ポート57を介して高圧流体を導入するとともに、作動室上部55Aから上部ポート56を介して高圧流体を排出すると、作動室上部55Aより作動室下部55Bの方が高圧となるので、受圧移動体60が上向きに押されて、受圧移動体60の作動ピン63がキー溝54に案内されながら、受圧移動体60が真っ直ぐに上動し、これに伴って運動変換機構58のボール72も回転しながら真っ直ぐに上動する。この際、ボール72の、螺旋溝75内に嵌り込んでいる部分により螺旋溝75が周方向に押されて回転駆動体65が一方向(ここでは時計回り)に回転する。そして、受圧移動体60の上端(環状押さえ部材66)が上面閉塞部材53に当接すると、受圧移動体60の上動が停止し、回転駆動体65の回転も停止する。以下、この行程を上動行程と称し、図17(B)に示される状態(受圧移動体60が最上昇位置にある状態)を上動行程完了状態と称する。
それに対し、図17(C)、(D)に示される如くに、前記上動行程完了状態において、作動室上部55Aに上部ポート56を介して高圧流体を導入するとともに、作動室下部55Bから下部ポート57を介して高圧流体を排出すると、作動室下部55Bより作動室上部55Aの方が高圧となるので、受圧移動体60が下向きに押されて、受圧移動体60の作動ピン63がキー溝54に案内されながら、受圧移動体60が真っ直ぐに下動し、これに伴って運動変換機構58のボール72も回転しながら真っ直ぐに下動する。この際、ボール72の、螺旋溝75内に嵌り込んでいる部分により螺旋溝75が周方向に押されて回転駆動体65が他方向(ここでは反時計回り)に回転する。そして、受圧移動体60の下端が下面閉塞部材52の凸部52aに当接すると、受圧移動体60の下動が停止し、回転駆動体65の回転も停止する。以下、この行程を下動行程と称し、図17(D)に示される状態(受圧移動体60が最下降位置にある状態)を下動行程完了状態と称する。
前記上動行程完了状態において受圧移動体60に下動行程をとらせることにより、主弁体20が第1の回転位置から第2の回転位置へと回転して前述した如くの流路切換が行われ、それとは逆に、前記下動行程完了状態において受圧移動体60に上動行程をとらせることにより、主弁体20が第2の回転位置から第1の回転位置へと回転して前述した如くの流路切換が行われる。
本実施例では、前記流路切換、すなわち、上動行程と下動行程との切り換えを、前記上部ポート56と下部ポート57、及び、高圧部分である主弁ハウジング10内と低圧部分である第4ポート14(吸入側低圧ポートS)とに接続された電磁式の四方パイロット弁80により行うようにされている。
[電磁式四方パイロット弁80の構成、動作]
四方パイロット弁80は、その構造自体はよく知られているもので、図18に示される如くに、前記主弁ハウジング10の下側弁シート10Bの下面側におけるアクチュエータ7の本体部50とは反対側(すなわち、下側弁シート10Bの下面側の中央後ろ寄り)に下方に向けて延設された下面が開口した円筒状の弁ケース部81と、この弁ケース部81の下面開口を気密的に封止するようにろう付け・かしめ等により固定されたソレノイド部82と、弁ケース部81の側面部に圧入・かしめ等により気密的に取着された、その内端面が弁座(シート面)92とされ、その下端面(プランジャ85側の面)がプランジャ85の吸引子84から離れる方向の移動を規制するストッパとされる有底筒形の弁座ブロック83とを有する。
弁ケース部81内は、弁室88となっており、この弁室88は、下側弁シート10Bに貫設された細孔89を介して高圧部分である主弁ハウジング10内に連通するようになっている。ソレノイド部82は、通電励磁用のコイル82a、このコイル82aの外周を覆うカバーケース82b、コイル82aの内周側に配在されてボルト82cによりカバーケース82bに固定された吸引子84、この吸引子84に対向配置されたプランジャ85等を備えている。プランジャ85は、コイル82aと吸引子84との間にその下部が配在された円筒状のガイドパイプ86に摺動自在に嵌挿されている。ガイドパイプ86の下端は吸引子84の外周段丘部に溶接等により固定され、その上端鍔状部が弁ケース部81に溶接・ろう付け・かしめ等により気密的に取着されている。
また、吸引子84とプランジャ85との間には、プランジャ85を吸引子84から離れる方向(図では上方)に付勢する圧縮コイルばね87が縮装されている。
プランジャ85の吸引子84側とは反対側の端部には、弁体91をその自由端側で厚み方向に摺動可能に保持する弁体ホルダ90がその幅広の基端部96をかしめにより取付固定されている。弁体ホルダ90には、弁体91を弁座92に押し付ける方向(厚み方向)に付勢する板ばね94が取り付けられている。弁体91は弁座92のシート面をプランジャ85の上下動に伴って摺動するようになっている。
前記弁座92には、上から順にポートa、ポートb、ポートcが設けられており、また、弁体91には、前記ポートaとポートb及びポートbとポートcを選択的に連通させ得る、厚み方向に凹む凹部93が設けられている。弁座ブロック83には、ポートaのみに連通するように細管95aの一端部が、ポートbのみに連通するように細管95bの一端部が、ポートcのみに連通するように細管95cの一端部がそれぞれ気密的に挿着されている。
細管95aの他端部は、本体部50の上部ポート56を介して作動室上部55Aに接続され、細管95bの他端部は、低圧部分である第4ポート14(吸入側低圧ポートS)に接続され、細管95cの他端部は、本体部50の下部ポート57を介して作動室下部55Bに接続されている。
このような構成とされた四方パイロット弁80においては、ソレノイド部82への通電OFF時には、図18(A)に示される如くに、プランジャ85は圧縮コイルばね87の付勢力により、その上端が弁座ブロック83に当接する位置まで押し上げられている。この状態では、弁体91がポートaとポートb上に位置し、その凹部93によりポートaとポートbが連通するとともに、ポートcと弁室88とが連通するので、主弁ハウジング10内の高圧流体が細孔89→弁室88→ポートc→細管95c→下部ポート57を介して作動室下部55Bに導入されるとともに、作動室上部55Aの高圧流体が上部ポート56→細管95a→ポートa→凹部93→ポートb→細管95b→第4ポート14(吸入側低圧ポートS)へと流れて排出される。
それに対し、ソレノイド部82への通電をONにすると、図18(B)に示される如くに、プランジャ85は吸引子84の吸引力により、その下端が吸引子84に当接する位置まで引き寄せられる。このときには、弁体91がポートbとポートc上に位置し、その凹部93によりポートbとポートcが連通するとともに、ポートaと弁室88とが連通するので、主弁ハウジング10内の高圧流体が細孔89→弁室88→ポートa→細管95a→上部ポート56を介して作動室上部55Aに導入されるとともに、作動室下部55Bの高圧流体が下部ポート57→細管95c→ポートc→凹部93→ポートb→細管95b→第4ポート14(吸入側低圧ポートS)へと流れて排出される。
したがって、ソレノイド部82への通電をOFFにすると、前記上動行程がとられ、主弁体20が第2の回転位置から第1の回転位置へと回転し、前記した如くの流路切換が行われる一方、ソレノイド部82への通電をONにすると、前記下動行程がとられ、主弁体20が第1の回転位置から第2の回転位置へと回転し、前記した如くの流路切換が行われる。
[アクチュエータ7の作用効果]
このように、本実施例の流路切換弁1においては、電磁式四方パイロット弁80への通電をON/OFFで切り換えることで、主弁10内を流通する高圧流体と低圧流体との差圧を利用して主弁体20を回動させるようにされているので、電動モータ等で主弁体20を回動させる場合に比べて、コスト削減、消費電力の低減、省エネ化等を図ることができる。なお、本実施例のアクチュエータ7による流路切換は、電動モータと減速機とで行う流路切換より素早く行うことができる。
なお、上記実施例において、構成を簡素化すべく、アクチュエータ7の回転伝達機構77を省略し、回転駆動体65の駆動軸部と主弁体20の回転軸部とを共通の軸線上に配置して、主弁体20と回転駆動体65とを一体的に回動するようにしてもよい。すなわち、回転駆動体65を主弁体20の下側回転軸部30Bに圧入・かしめ等により外嵌固定し、回転駆動体65の回転が主弁体20に直接伝達されるようにしてもよい。
また、上記実施例では、四方パイロット弁80を使用して、作動室上部55A及び作動室下部55Bへの高圧流体の導入・排出を選択的に行うことにより流路切換を行うようにされているが、これに限られず、例えば、作動室に均圧通路を設け、この均圧通路を介して作動室全体に高圧流体を導入するようになすとともに、作動室から主弁の低圧部分への高圧流体の排出を、三方パイロット弁により上部ポート及び下部ポートのいずれかを介して選択的に行うことにより、前記下動行程及び上動行程、すなわち、流路切換を行うようにしてもよい。
なお、本発明に係る流路切換弁は、ヒートポンプ式冷暖房システムのみならず、他のシステム、装置、機器類にも組み込めることは勿論である。
また、弁ハウジング10、主弁体20、受圧移動体60、回転駆動体65等の素材としては、アルミやステンレス等が用いられるが、それに限られることはなく、その他の金属、樹脂等の、導入される流体の圧力に耐えられるものであれば、いかなるものであってもよい。
1 流路切換弁
5 主弁
7 アクチュエータ
10 主弁ハウジング
10A 上側弁シート
10B 下側弁シート
11 第1ポート
12 第2ポート
13 第3ポート
14 第4ポート
17 弁シート面
20 主弁体
20A 上半部
20B 下半部
21 第1層部材
22 第2層部材
23 第3層部材
24 第4層部材
27 横断溝
29 圧縮コイルばね
30A 上側回転軸部
30B 下側回転軸部
31 第1連通路
32 第2連通路
33 第3連通路
34 第4連通路
36 凸部
37 シール面
40 異物除去手段
41 板ばね
42 収納溝
43 固定部材
45 ボール式シール面離隔機構
50 アクチュエータの本体部
52 下面閉塞部材
53 上面閉塞部材
54 キー溝
55 作動室
55A 作動室上部
55B 作動室下部
56 上部ポート
57 下部ポート
58 運動変換機構
60 受圧移動体
62 パッキン
63 作動ピン
65 回転駆動体
72 ボール
75 螺旋溝
76 回転駆動軸部
77 回転伝達機構
80 四方パイロット弁
82 ソレノイド部
83 弁座ブロック
85 プランジャ
88 弁室
89 細孔
90 弁体ホルダ
91 弁体
92 弁座
93 凹部
a、b、c ポート(四方パイロット弁)
95a、95b、95c 細管
D 吐出側高圧ポート
S 吸入側低圧ポート
C 室外側入出ポート
E 室内側入出ポート

Claims (9)

  1. 上側弁シート及び下側弁シートによりその上面開口及び下面開口が気密的に封止された筒状の主弁ハウジング、前記上側弁シート及び/又は前記下側弁シートに合計で少なくとも3個設けられたポート、及び前記主弁ハウジング内に回動可能に配在されるとともに前記ポート間を選択的に連通するための複数本の連通路が設けられた主弁体を有する主弁と、前記主弁体を回動させて連通するポート間を切り換えるためのアクチュエータとを備え、
    前記主弁体と前記上側弁シートとの間及び/又は前記主弁体と前記下側弁シートとの間に、前記主弁体の回転時において、該主弁体側のシール面を前記上側弁シート及び/又は前記下側弁シートから離れさせるシール面離隔機構と、その一部が前記主弁体の前記上側弁シート側の上端面及び/又は前記下側弁シート側の下端面に固定され、その他部が前記上側弁シート側及び/又は前記下側弁シート側に付勢された板ばねからなり、前記主弁体の回転時において、該板ばねの他部が該板ばねの弾性変形により前記上側弁シート及び/又は前記下側弁シートに押し付けられた状態で前記上側弁シート及び/又は前記下側弁シートの弁シート面における前記ポートの開口周りに摺動して、該弁シート面もしくはその近傍に存在する異物を除去する異物除去手段とが設けられていることを特徴とする流路切換弁。
  2. 前記異物除去手段の前記板ばねは、前記主弁体の上端面及び/又は下端面に形成された収納溝に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の流路切換弁。
  3. 前記連通路の両端部に、前記上側弁シート及び/又は前記下側弁シートにおける前記各ポートの開口周りに密接する環状シール面を持つ凸部が突設されるとともに、前記収納溝は、少なくとも一部が前記凸部に重なるように形成されていることを特徴とする請求項2に記載の流路切換弁。
  4. 前記板ばねは、前記主弁体の半径方向に沿って設けられるとともに、前記上側弁シート及び/又は前記下側弁シートの弁シート面における前記ポートの開口周りのうち少なくとも前記凸部の前記環状シール面が密接する部分に摺動するように寸法形状が設定されていることを特徴とする請求項3に記載の流路切換弁。
  5. 前記板ばねは、前記主弁体の半径方向に垂直な断面で視てV字状を有し、その頂部が前記主弁体の上端面及び/又は下端面に固定され、その両脚部が前記上側弁シート側及び/又は前記下側弁シート側に付勢されていることを特徴とする請求項4に記載の流路切換弁。
  6. 前記板ばねは、前記主弁体の回転開始前及び回転終了時においてポートに連通する連通路同士の間に配設されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の流路切換弁。
  7. 前記板ばねは、前記連通路に対して、前記主弁体の回転開始前及び回転終了時においてポートに連通する連通路同士の間とは反対側の部分にも配設されていることを特徴とする請求項6に記載の流路切換弁。
  8. 前記主弁体は、一体回動可能かつ上下動可能な上半部と下半部との二分割構成とされ、前記上半部と前記下半部との間に、それらを相互に逆方向に付勢する付勢手段が介装され、
    前記上半部と前記上側弁シートとの間及び/又は前記下半部と前記下側弁シートとの間に、前記主弁体の回転時において、該主弁体側のシール面を前記上側弁シート及び/又は前記下側弁シートから離れさせるボール式シール面離隔機構が設けられていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の流路切換弁。
  9. 前記ボール式シール面離隔機構は、ボールと、該ボールを、その一部を上下方向に突出させた状態で、回転自在にかつ移動は実質的に阻止した状態で収容する収容部と、前記主弁体の回転開始前及び回転終了時においては、前記主弁体側のシール面が前記上側弁シート及び前記下側弁シートから離れないようにすべく、前記収容部から突出する前記ボールの一部が嵌め込まれ、前記主弁体の回転時においては、前記ボールが前記上半部を押し下げるとともに、前記下半部を押し上げながら転がり出るような寸法形状を持つ凹穴と、を備え、前記ボール及び前記収容部は、前記上半部と前記下半部の同一円周上に2箇所以上設けられるとともに、前記凹穴は前記上側弁シートと前記下側弁シートの同一円周上の、平面視で前記収容部と同一位置及び該位置から前記主弁体が流路切換時に回転する角度分離れた位置に設けられていることを特徴とする請求項8に記載の流路切換弁。

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