JP2016204743A - 第3電極を備えた水素製造装置および水素製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】固体高分子電解質膜を利用した電解セルにおいて、高コストにならず、水素ガスと酸素ガスの圧力差が大きくても損傷するおそれがなく、水素ガスと酸素ガスの分離のための電極間距離を長くす必要がなく熱損失が小さい水素製造装置と水素製造方法を提供する。
【解決手段】水酸化ニッケルを含んだ第1電極11と、水素吸蔵合金を含んだ第2電極12と、二酸化マンガンを含んだ第3電極13と、第1電極11と第2電極12と第3電極13とのに間に介在するイオンは通すが電子は通さないセパレータ14とが、密閉容器の内部に収納されている水素製造装置であって、第1電極11と第3電極13間の酸化還元反応により第1電極11から発生する酸素ガスと、第2電極12と第3電極13間の酸化還元反応により第2電極12から発生する水素ガスとを、時間差を設けて交互に行い、個別に密閉容器から取り出す水素製造装置および水素製造方法。
【選択図】図6

Description

本発明は、水を電気分解して水素と酸素を発生させる装置に関し、詳しくは水素ガスと酸素ガスを分離して製造する水素製造装置に関する。
水素は、化学工業及び石油精製などに使用される重要な工業ガスであるばかりでなく、近年では、環境負荷物質を生成しないクリーンエネルギーとして、水素エネルギーが重要な役割を果たすと期待されている。そのため、水素製造技術の開発は幅広く進められている。水素の製造方法は、大別して、熱化学的方法と電気化学的方法とがある。
熱化学的方法には、水蒸気改質法、部分酸化法、自己熱改質法がある。水蒸気改質法は、天然ガスやナフサなどの化石燃料を高温・触媒の存在する環境下で水蒸気と反応させて合成ガスを得る方法である。例えば、石炭等の化石燃料を流動層によりガス化を行い、シフト反応で水素ガスを生成する技術が広く知られている。また、赤熱したコークスに水蒸気を吹き付けて一酸化炭素と水素ガスの混合気体を得る方法が知られている。しかし、これらの方法は、半導体の製造工程で必要とされる高純度の水素ガスを得るには適していない。
電気化学的な方法として、電気エネルギーを用いて水の電気分解により水素を生成する方法がある。中でも、太陽光、風力および水力等の自然エネルギーから得られた電力を利用して水素を製造する方法は、二酸化炭素を発生しないため、環境負荷が一番小さいといわれている。
電気化学的な方法の原理を、図1を用いて説明する。図1は水の電気分解の実験装置を模式的に示す図である。電槽4の下部に取り付けられた陽極1と陰極2には直流電源3が接続されている。電槽4の内部には水酸化ナトリウムを少量含んだ水(電解液5)が満たされている。電解液5が電気分解されて、陽極1からは酸素ガス6が、陰極2からは水素ガス7が発生する。これを反応式で表すと次のようになる。
陰極2で電子は水と反応して、Hが発生する。
2HO + 2e- → H + 2OH- (1)
発生したOH-は、電解液5の中を陽極1まで移動して、陽極1で電子e-を失い、Oが発生する。
2OH- → HO + 1/2O + 2e- (2)
陰極2と陽極1の2つの反応を合わせると、全体として下式となる。
O → H + 1/2O (3)
水の電気分解は吸熱反応であり、この熱を補うためにヒーター8で電解液5が加熱されている。電気化学的方法は、従来から、アルカリ水電気分解法と固体高分子電解質水電気分解法がある。固体高分子電解質水電気分解法は固体高分子電解質膜中のプロトンの導電性を利用した方法である。
一方、アルカリ水電気分解法は、電解質に水酸化カリウム、陽極にニッケル板、陰極に鉄板、隔膜にアスベストが用いられ、電気エネルギー(電力)を化学エネルギー(水素又は酸素)に変換しているが、総合熱効率は低い(例えば、特許文献1)。また、従来のアルカリ水電解法の場合は式(1)と(2)が同時に起こるため、水素と酸素が同時に発生する。このように水素と酸素が同時に発生すると、水素ガスと酸素ガスが混合される恐れがあり、高純度の水素を得るためには二つの電極の距離間を長くして水素ガスと酸素ガスを分離するする必要がある。しかし、電極間の距離を長くすると電気抵抗が増加するため、熱効率が下がることとなるのは前述のとおりである。
アルカリ水電気分解法は、高純度の水素ガスを得ることができる反面、製造コストが高いという問題がある。更に、アルカリ水電気分解法において、製造されるガスは、水素と酸素の比率が2:1となるブラウンガスであり、取り扱いに安全性の確保が必要となる(例えば、特許文献2)。この様な問題を解決するために、水の電気分解で発生した水素ガスと酸素ガスの混合ガスから、ガス分離膜を利用して、水素ガスを分離する方法が提案されている(例えば、特許文献3)。
高純度の水素ガス得る別の方法として、固体高分子電解質膜を利用した水素ガス製造装置が提案されている(例えば、特許文献4)。この方法は、固体高分子電解質膜の両面に白金系触媒を担持した多孔質炭素電極を接合し、これを挟持する電極板に通電することにより、陽極側で純水が分解され、酸素ガスが発生する。酸素ガスと同時に生成されたH+イオンは、電場の働きによって固体高分子電解質膜内を移動して、陰極側においては電子を得て、水素ガスが発生する。この方法は熱効率が高いが、触媒や電解質膜などの高価な材料を使用するため、高コストであり、装置の大型化は難しい。
更に、特許文献5において、固体高分子電解質膜を備えた電解セルに電流を通電し、純水を電気分解して水素ガスと酸素ガスとを製造する水素・酸素発生装置が開示されている。この装置によれば、純水製造ユニットで製造された純水を電解セルの固体高分子電解質膜ユニットの陽極室に供給する。このとき陽極室の圧力を陰極室と同程度の加圧状態とし酸素ガス溶解度を高水準に維持して、これにより酸素発生量の少ない低電流負荷率運転時でも陽極室から取り出される水の酸素ガス溶解度を高水準とし、酸素分離タンク内で水に溶解する酸素ガスの量を抑え、陽極室の内圧低下を抑える技術が開示されている。
特許3035478号公報 特開2002−348694号公報 特開2006−232649号公報 特開2006−13942号公報 特許3228887号公報
熱化学的方法は、高純度の水素ガス得るには適した方法とはいえない。
取り扱いに安全性の確保が必要性なブラウンガスが発生することなく、水素ガスと酸素ガスを分離して、水素ガスを製造する方法として、固体高分子電解質膜を利用した方法が提案されている(例えば、特許文献3)。しかし、固体高分子電解質膜を利用した電解セルは、高コストであるばかりでなく、水素ガスと酸素ガスの圧力差が大きいと電解セルが損傷するおそれがある。特に、低負荷運転において電解セルの差圧が増大する傾向にあり、電解セルが損傷するおそれがある(例えば、特許文献4、5)。
水の電気分解による方法は、水素ガスと酸素ガスを分離するためには電極間の距離が長くなる。そのため、電気抵抗が大きくなり、その結果、電解電位が高くなり熱が発生してエネルギー損失が大きくなる。また、大気圧下で電気分解すると、水素ガスと酸素ガスは大気を押す仕事を行い、エネルギーロス(熱損失)が発生する。発生する水素ガスが高圧力状態で保持されれば、水素ガスの利用に際して昇圧の必要がなく、エネルギーロスを防ぐことができる。
以上、解決しようとする課題をまとめると、次のようになる。
(1) 水素ガスと酸素ガスを分離して、ブラウンガスの発生を抑えて安全性の確保を図りつつ高純度の水素ガスを得ること。
(2) 水素ガスと酸素ガスの使用状況(運転状況)に差が生じても、装置が損傷することがないこと。
(3) エネルギーロスが小さいこと(効率が高いこと)。
前記した目的を達成するために、本発明に係る第3電極を備えた水素製造装置は、第1電極と、第2電極と、第3電極と、前記第1電極と、前記第2電極と、前記第3電極との間に介在するイオンは通すが電子は通さないセパレータとを有していて、前記第1電極をアノードとする酸化反応と、前記第3電極をカソードとする還元反応により、前記第1電極から発生する酸素ガスと、前記第2電極をカソードとする酸化反応と、前記第3電極をアノードとする還元反応により、前記第2電極から発生する水素ガスとを製造する。
この構成によれば、水素ガスと酸素ガスが分離されて、純度の高い水素ガスを得ることができる。また、水素ガスと酸素ガスが混合されてブラウンガスが発生するのを防ぐことができる。また、運転状況により装置が損傷するおそれがない。
本発明に係る第3電極を備えた水素製造装置は、前記第1電極が水酸化ニッケルを含んでおり、前記第2電極が水素吸蔵合金を含んでおり、前記第3電極の標準電極電位が前記第1電極の標準電極電位より小さく、かつ、前記第2電極の標準電極電位よりも大きい。この構成によれば、電池反応を効果的に活用することが可能となる。
本発明に係る第3電極を備えた水素製造装置は、前記第3電極が二酸化マンガンを含んでいる。また、本発明に係る第3電極を備えた水素製造装置は、前記第3電極の電極容量が、前記第1電極および前記第2電極の電極容量よりも大きい。
本発明に係る第3電極を備えた水素製造装置は、前記第1電極と前記第3電極と前記第2電極のそれぞれの間隔が5〜500μmである。この構成によれば、電極間の距離が短いので電気抵抗は小さく、熱損失は小さい。
本発明に係る第3電極を備えた水素製造装置は、前記第1電極と前記第2電極と前記第3電極と前記セパレータとを収納する密閉容器とを有していて、前記水素ガスと前記酸素ガスがそれぞれ前記密閉容器から取り出し可能になっている。
この構成によれば、密閉容器を用いているので、大気から遮断された状態であり、電極反応により水素ガスが発生するにつれて、密閉容器の内部圧力が大気圧よりも次第に高くなる。高い圧力は密閉容器の内部に保存されるので、反応により生じた圧力エネルギーが無駄に大気圧に解放されない。
本発明に係る第3電極を備えた水素製造装置は、前記第1電極および前記第2電極が貴金属であり、前記第3電極が二酸化マンガンを含んでおり、前記セパレータが高分子電解質膜である。また、本発明に係る第3電極を備えた水素製造装置は、前記第1電極と前記第3電極と前記第2電極のそれぞれの間隔が1〜20μmである。
本発明に係る第3電極を備えた水素製造装置は、前記密閉容器には、更に、電解液が収納されていて、前記第1電極をアノードとする酸化反応と前記第3電極をカソードとする還元反応により、前記第1電極から発生する酸素を前記電解液に溶存させた状態で前記密閉容器から取出し、前記第2電極をカソードとする酸化反応と前記第3電極をアノードとする還元反応により、前記第2電極から発生する水素をガス状態で前記密閉容器から取出す。
本発明に係る第3電極を備えた水素製造装置は、前記第1電極が水酸化ニッケルを含んでおり、前記第2電極が水素吸蔵合金を含んでおり、前記第3電極の標準電極電位が前記第1電極の標準電極電位より小さく、かつ、前記第2電極の標準電極電位よりも大きく、前記第1電極と前記第2電極と前記第3電極と前記セパレータと電解液を収納する密閉容器とを有していて、前記第1電極をアノードとする酸化反応と前記第3電極をカソードとする還元反応により、前記第1電極から発生する酸素を前記電解液に溶存させた状態で前記密閉容器から取出し、前記第2電極をカソードとする酸化反応と前記第3電極をアノードとする還元反応により、前記第2電極から発生する水素をガス状態で前記密閉容器から取出す。
本発明に係る第3電極を備えた水素製造装置は、前記密閉容器内の前記電解液がバッファータンクに流入可能になっていて、前記バッファータンクの圧力を減圧することにより、前記電解液から酸素ガスをバッファータンクから取り出し可能となっている。
本発明に係る第3電極を備えた水素製造装置は、前記バッファータンクには、前記電解液の濃度を調節する塩濃度調整装置が接続されていて、純水を注入することにより、前記電解液の塩濃度の調整が可能となっている。
本発明に係る第3電極を備えた水素製造装置は、前記密閉容器には前記電解液の流入口と流出口が設けられていて、前記流出口から流出した前記電解液が前記バッファータンクを経由して、前記流入口に流入可能になっている。
本発明に係る第3電極を備えた水素製造装置は、前記第1電極、前記第2電極及び前記第3電極に交流電源が接続された請求項1に記載の第3電極を備えている。この構成によれば、第1電極および第2電極の表面に濃度勾配が成長する時間的余裕が少なく、濃度勾配による過電圧を抑制することができる。高効率の水電解を実現することが可能となる。
本発明に係る第3電極を備えた水素製造装置は、前記交流電源の一方の端子に前記第3電極が接続され、前記交流電源の他方の端子と前記第1電極の間に電流の還流を許容する方向に第1ダイオードが接続され、前記交流電源の他方の端子と前記第2電極の間に電流の送出を許容する方向に第2ダイオードが接続されている。
この構成によれば、第1ダイオードのカソードと交流電源の他方の端子とが接続され第1ダイオードのアノードと第1電極が接続され、第2ダイオードのアノードと交流電源の他方の端子とが接続され第2ダイオードのカソードと第2電極が接続されることになる。
本発明に係る第3電極を備えた水素製造装置は、前記交流電源の周波数が0.01〜60Hzである。この構成において、交流電源の周波数が0.01〜2Hzであることがより好ましい。
本発明に係る第3電極を備えた水素製造方法は、水酸化ニッケルを含む第1電極と水素吸蔵合金を含む第2電極と標準電極電位が前記第1電極の標準電極電位より小さくかつ前記第2電極の標準電極電位よりも大きい第3電極との間にイオンは通すが電子は通さないセパレータを介在させて密閉容器に収納して、前記第1電極をアノードとする酸化反応と前記第3電極をカソードとする還元反応により、前記第1電極から発生する酸素ガスを前記密閉容器から取出し、その後に、前記第2電極をカソードとする酸化反応と前記第3電極をアノードとする還元反応により、前記第2電極から発生する水素ガスを前記密閉容器から取出す。
本発明に係る第3電極を備えた水素製造方法は、貴金属性の第1電極と貴金属性の第2電極と二酸化マンガンを含む第3電極との間に固体高分子膜を介在させて密閉容器に収納されていて、前記第1電極をアノードとする酸化反応と前記第3電極をカソードとする還元反応により、前記第1電極から発生する酸素ガスを前記密閉容器から取出し、その後に、前記第2電極をカソードとする酸化反応と前記第3電極をアノードとする還元反応により、前記第2電極から発生する水素ガスを前記密閉容器から取出す。
本発明に係る第3電極を備えた水素製造方法は、水酸化ニッケルを含む第1電極と水素吸蔵合金を含む第2電極と標準電極電位が前記第1電極の標準電極電位より小さくかつ前記第2電極の標準電極電位よりも大きい第3電極との間に、イオンは通すが電子は通さないセパレータと電解液を介在させて密閉容器に収納して、前記第1電極をアノードとする酸化反応と、前記第3電極をカソードとする還元反応により、前記第1電極から発生する酸素を前記電解液に溶存させ、前記電解液を前記密閉容器から取出してバッファータンクで減圧することにより酸素ガスを取出し、前記第2電極をカソードとする酸化反応と前記第3電極をアノードとする還元反応により、前記第2電極から発生する水素ガスを前記密閉容器から取出す。
本発明の水素製造装置によれば、安全性が高く、運転状況により損傷することがない、効率の高い水素ガスの製造装置を提供する。
水の電気分解の原理を模式的に示す図である。 電極の構成を説明するための図である。 電極の構成のバリエーションを説明するための図である。 本発明の第1の実施形態の水素製造装置の機器構成図である。 水素ガスと酸素ガス発生試験の結果を示すグラフである。 本発明の第3の実施形態における電極スタックと交流電流関係を説明するための模式図である。 交流電流を用いたときの試験結果を示すグラフ(その1)である。 交流電流を用いたときの試験結果を示すグラフ(その2)である。 交流電流を用いて連続運転したときの試験結果を示すグラフである。 交流電流を用いてバッチ運転したときの試験結果を示すグラフである。 本発明の第4の実施形態の水素製造装置の機器構成系統図である。 第4の実施形態におけるバッファータンクの模式図である。
以下、本発明に係る実施形態を図面に従って説明するが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、その他種々の変更が可能である。
第1の実施形態に係る水素製造装置の詳細な説明の前に、主要な構成要素である電極について説明し、その後に水素製造装置について説明を行う。なお、以降説明の都合上、第1電極を正極と称し、第2電極を負極と称し、第3電極を中間電極と称することにより、課題を解決するための手段の記載と整合を図るものとする。
<正極材料>
正極材料は、水酸化ニッケルが好ましい。また、正極活物質は、高容量化を達成しやすいことから、嵩密度が大きなもの、例えば球状のものが好ましい。
<水素吸蔵合金>
負極材料に含まれる水素吸蔵合金は、水素の吸蔵・放出が行えるものであれば特に限定されない。例えば、希土類系合金であるAB5型、ラーベス相合金であるAB2型、チタン−ジルコニウム系合金であるAB型、マグネシウム系合金であるA2B型などの合金系が挙げられる。
このうち、水素貯蔵容量、充放電特性、自己放電特性およびサイクル寿命特性の観点から、AB5型の希土類−ニッケル合金である、MmNiCoMnAlのミッシュメタルを含んだ5元系合金であることが好ましい。
<中間電極材料>
中間電極の標準電極電位は正極と負極の標準電極電位の間であるものが望ましい。正極(水酸化ニッケル)の標準電極電位は0.480であり、負極(水素吸蔵合金)の標準電極電位は−0.828なので、中間電極の標準電極電位は−0.828〜0.480の範囲にあればよい。このような範囲にある活物質としては、カドミウム、亜鉛、鉛、二酸化マンガンなどを挙げることができる。この中でも価格、環境への負荷などを考慮すると、二酸化マンガンが最も適切である。二酸化マンガンを活物質とする中間電極の標準電極電位は0.15であり、上記範囲内に適合する。二酸化マンガンは埋蔵量も豊富で水酸化ニッケルの価格の1/5〜1/10である。後述するように、中間電極を導入することにより、反応に必要な水酸化ニッケルの量も大幅減らすことが可能となる。
<結着剤>
結着剤としては、例えば、ポリアクリル酸ソーダ、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、エチレン−ビニルアルコール、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)を含む。
活物質、結着剤および導電助剤等の電極材料の合計を100重量%とした場合、各電極に配合される結着剤の重量比は、0.1〜10重量%で配合されていることが好ましい。
<導電助剤>
導電助剤は、導電性を有する粉末であればよい。この導電助剤は、例えば、黒鉛粉末、アセチレンブラックおよびケッチェンブラックなどの、カーボン粉末であってもよい。活物質、結着剤および導電助剤等の電極材料の合計を100重量%とした場合、各電極に配合される導電助剤の重量比は、0.1〜10重量%の範囲で配合されていることが好ましい。
[正極]
活物質として水酸化ニッケル、導電助剤としてカーボンブラック、および、結着剤としてエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)を用い、その配合割合は100:5:5とした。粉末状の正極材料を混合してペースト状に混練して、このペーストを集電体の両面に塗布または充填して、乾燥後にローラープレスで集電体を圧延して正極を製作した。電極容量は45mAhとした。なお。集電体として厚さ20μmのニッケル箔を用いたが、ニッケルメタルや白金メタルであってよく、形状も三次元形状もしくは板状であってもよく、電極は両面に形成してもよい。
[負極]
活物質として水素吸蔵合金、導電助剤としてカーボンブラック、および、結着剤としてエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)を用い、その配合割合は100:15:10とした。粉末状の負極材料を混合してペースト状に混練して、このペーストを集電体の両面に塗布または充填して、乾燥後にローラープレスで集電体を圧延して負極を製作した。電極容量は48mAhとした。なお。集電体としての発泡ニッケルを用いたが、ニッケルメタルや白金メタルであってよく、形状も三次元形状もしくは板状であってもよく、電極は両面に形成してもよい。
[中間電極]
活物質として二酸化マンガン、導電助剤としてカーボンブラック、および、結着剤としてエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)を用い、その配合割合は100:15:10とした。粉末状の中間電極材料を混合してペースト状に混練して、このペーストを発泡ニッケルの集電体に充填して、乾燥後にローラープレスで集電体を圧延して中間電極を製作した。電極容量は260mAhとした。なお。集電体として発泡ニッケルを用いたが、ニッケルメタルや白金メタルであってよく、形状も箔状もしくは板状であってもよく、電極は両面に形成してもよい。
[電解質]
本発明で用いられる電解液は、水電解で通常用いられているアルカリ水溶液であれば特に限定されないが、例えば、水酸化カリウム(KOH)、水酸化リチウム(LiOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)等のアルカリ物質を一種単独もしくは二種以上を水に溶かしたものが好適である。電池の出力特性の観点から、電解液は水酸化カリウム水溶液であることが好ましい。これらの電解液におけるアルカリ物質の濃度は、1〜10mol/Lであることが好ましく、3〜8mol/Lがより好ましい。
[セパレータ]
本発明で用いられるセパレータは、電子は通さずプロトンを透過させる一方、ガスを通過しにくいものが好ましい。セパレータの形状としては、微多孔膜、織布、不織布、圧粉体が挙げられ、このうち、出力特性と作製コストの観点から不織布が好ましい。セパレータの材質としては、特に限定されないが、耐アルカリ性を有し、耐酸化性、耐還元性を有するセパレータであることが好ましい。例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリイミド(PI)、ポリアミド、ポリアミドイミド、アラミド、ポリエチレン、ポリプロピレン等の材料が挙げられる。
厚さは5〜500μmの範囲のものが好ましく、20〜250μmの範囲のものがより好ましい。厚さが5μm未満であるとレアショートの可能性が大きくなり、500μm以上であると電気抵抗が大きくなり、熱損失が増加する。本実施形態においては厚さ120μmのポリプロピレン製の不織布を採用した。
本発明に係る水素製造装置における電極構成について、図2および図3を用いて説明する。
正極11、負極12および中間電極13はそれぞれ端部に外部機器との接続用の端子11t、12tおよび13tを有している(図2の左図を参照)。これらの電極11,12,13はその間にイオンは通すが電子は通さないセパレータ14を配して積層されている。セパレータ14は各電極11、12,13が電気的に短絡するのを防止すると共に、電解液を保持する役割を果たす。各電極構成の詳細は後述する。セパレータ14をその間に配した各電極は積層されて電極スタック10を構成する(図2の右図を参照)。電極の枚数を調節することにより、水素製造装置の規模を容易に調整することができる。なお、電極スタック10において、同じ電極はそれぞれ互いに接続されていて、正極スタック端子10a、負極スタック端子10bおよび中間電極スタック端子10cとして、外部機器に接続可能となっている。
電極の構成例について図3を用いて説明する。各電極の間にセパレータ14が配されていることは、左右2つの図において共通している。左側の図は、正極11−中間電極13−負極12が一つの組になって積層されている。この構成では、各電極11,12,13の枚数は同じである。右側の図は、正極11−中間電極13−負極12−中間電極13−正極11−中間電極13・・・となっており、中間電極13の枚数が多くなっている。左右いずれの図においても中間電極13は正極11と負極12に間に配置されている。もっとも、中間電極13の電極容量を調節する方法として、右側の図のように中間電極13の枚数を調節してもよく、左側の図において中間電極13の厚さを倍にしてもよい。このほか、電極スタック10の両端を正極11にするなどのバリエーションが考えられる。
正極11と中間電極13と負極12とがセパレータ14を介して積層して電極スタック10を構成してもよく、積層した状態で蛇腹状に折りたたんで電極スタック10を構成してもよく、また、積層した状態で渦巻き状に捲回して電極スタック10を構成してもよい。また、電解液23はセパレータ14に含浸させて水素製造装置を組み立ててもよく、図4に示すように電解液23が満たされた密閉容器21に電極スタック10を浸漬させてもよい。要するにセパレータ14が電解液23を保持している。
図4に示すように、密閉容器21には、その上部空間を除き電解液23が満たされている。電極スタック10は電解液23に浸漬された状態で密閉容器21に収納され、水素製造ユニット20を構成する。
密閉容器14の上部空間は、密閉容器14に設けたガス取り出し口30を介して、水素ガス系統(31b,32b,33b)と酸素ガス系統(31a,32a,33a)の2系統に分かれて貯蔵タンク33に連通している。それぞれの系統にはガス取り出し口30からみて、遮断弁31、吸引ポンプ32、貯蔵タンク33の順に接続されている。貯蔵タンク33の代わりにガスのユースポイント(図示せず)が設けられていてもよい。
電極スタック10は電線25を介して直流電源24に接続されている。すなわち、正極端子11tは互いに接続されて正極スタック端子10aに集電され電線25aを介して直流電源24に接続され、負極端子12tは互いに接続されて負極スタック端子10bに集電され電線25bを介して直流電源24に接続され、中間電極端子13tは互いに接続されて中間電極スタック端子10cに集電され電線25cを介して直流電源24に接続されている。そして、各電線25a,25b,25cは切換スイッチ(図示せず)を介して直流電源24のプラス極およびマイナス極(ともに図示せず)に選択的に接続可能となっている。
水素製造ユニット20には、反応により消費された水分を補給するための補給水系統26が設けられている。補給水系統26は、補給水を貯蔵するタンク26aと補給水を密閉容器21に給水する給水ライン26bを有する。給水ライン26bにポンプを設けてもよい。
次に第1の実施形態の動作について説明する。
STEP1;
このステップは酸素発生反応ステップである。正極11に直流電源24のプラス極(以下、単にプラス極という)を接続し、中間電極13に直流電源24のマイナス極(以下、単にマイナス極という)を接続して正極11の充電を行った場合、正極11の反応式は(4)式となる。
Ni(OH) + OH- → NiOOH + HO + e- (4)
そして、正極11が満充電になると、正極11から酸素が発生する。その反応式を(5)式に示す。
2OH- → 2e- + HO + 1/2O (5)
一方、中間電極の反応式は(6)式となる。
MnO + HO + e- → MnOOH + OH- (6)
そして、正極と中間電極の満充電前の全反応式は、
(4)と(6)から下式となる。
MnO + Ni(OH) → MnOOH + NiOOH (7)
満充電後の全反応式は(5)と(6)から下式となる。
2MnO + HO → 2MnOOH + 1/2O (8)
STEP2;
このステップは水素生成反応ステップである。中間電極13にプラス極を接続し、負極12にマイナス極を接続して負極12の充電を行った場合、負極12の反応式は下式となる。
2M + 2HO +2e- → 2MH + 2OH- (9)
そして、負極12が満充電になり水素吸蔵合金が水素を吸蔵しなくなると、負極から水素ガスが発生する。その反応式を(10)式に示す。
2MH → 2M + H (10)
このとき、負極12の全反応式は(11)式となる。
2HO + 2e- → 2OH- + H (11)
一方、中間電極13は、水酸化イオンを取り込んで充電され、その反応式は(12)式となる。
2MnOOH + 2OH- → 2MnO + 2HO + 2e- (12)
そして、中間電極13と負極12の全反応式は(13)式となる。
2MnOOH → 2MnO + H (13)
STEP1とSTEP2を含めた、正極11、中間電極13および負極12の全反応は(14)式となり、(3)式と同じになる。
O → H + 1/2O (14)
STEP3;
このステップは酸素発生反応ステップである。正極11に直流電源24のプラス極を接続し、中間電極13に直流電源24のマイナス極を接続して充電を行った場合、正極11が満充電であるので、(5)式の反応式により正極11から酸素が発生する。
2OH- → 2e- + HO + 1/2O (5)
一方、中間電極13の反応式は(6)式となる。
MnO + HO + e- → MnOOH + OH- (6)
そして、全反応式は(5)と(6)から(8)式となる。
2MnO + HO → 2MnOOH + 1/2O (8)
STEP4;
このステップは水素生成反応ステップである。中間電極13にプラス極を接続し、負極12にマイナス極を接続して充電した場合、負極12が満充電であり水素吸蔵合金が水素を吸蔵しないので、負極12から水素ガスが発生する。反応式を(10)式に示す。
2MH → 2M + H (10)
このとき、負極12の全反応は(11)式となる。
2HO + 2e- → 2OH- + H (11)
一方、中間電極13の反応式は(12)式となる。
2MnOOH + 2OH- → 2MnO + 2HO + 2e- (12)
そして、中間電極13と負極12の全反応式は(13)式となる。
2MnOOH → 2MnO + H (13)
STEP3とSTEP4を含めた、正極11、中間電極13および負極12の全反応式は(14)式となる。
O → H + 1/2O (14)
酸素発生ステップと水素発生ステップを繰り返し行うことにより、電解液の水から水素と酸素とが時間差をおいて発生する。時間差を設けることにより、高い純度を維持した状態で、水素と酸素を簡単かつ安全に分離・捕集することができる。ここで注目すべきことは、酸素および水素の発生量はそれぞれ式(8)および式(11)で示す通り、水酸化ニッケルの量により規制されるところ、上記の2つの反応ステップを繰り返すことにより、酸素および水素の発生量を増やすことができる。つまり、安価な中間電極を導入することにより、反応に必要な正極活物質と負極活物質の量を減らすことが可能となる。
STEP1とSTEP2を実施した後、STEP3を実施することにより正極11からは酸素が発生する。発生した酸素の一部は電解液23に溶解し、他の一部はガス状態となり、酸素ガスはガス取り出し口30(図4参照)から外部に取り出しが可能となる。
つぎに、STEP4を実施することにより負極12からは水素ガスが発生する。発生した水素ガスは電解液23に溶解しにくく、ガス取り出し口30から外部に取り出しが可能となる。
具体的にはSTEP3を実施している間、酸素ガス系統の遮断弁31aを開き、水素ガス系統の遮断弁31bを閉じておくことにより、STEP3の間に正極11から発生する酸素ガスを吸引ポンプ32aにより、酸素ガス貯蔵タンク33aに輸送する。中間電極13の放電が進み四三酸化マンガン(Mn)の発生する手前で反応を停止して、不可逆物質である四三酸化マンガンの発生を防ぐ。中間電極13の寿命を考慮した措置である。反応を停止後もしばらく吸引ポンプ32aの運転を継続する。所定の時間が経過後、遮断弁31aを閉じて、吸引ポンプ32aの運転を停止する。
次にSTEP4を実施するのに際して、水素ガス系統の遮断弁31bを開けておき、吸引ポンプ32bを運転して、負極12から発生する水素ガスを水素ガス貯蔵タンク33bに輸送する。中間電極13が満充電となると、反応を停止する。所定の時間が経過後、遮断弁31bを閉じて、吸引ポンプ32bの運転を停止する。
上述のように、STEP3とSTEP4とを所定の時間間隔を空けて繰り返すことにより、酸素ガスと水素ガスは混合することなく、密閉容器21から個別に取り出すことができる。
上記反応の特徴は、水を直接電気分解することなく、電極の酸化還元反応を利用して酸素と水素を得ているということである。
(試験結果)
水素ガスと酸素ガス発生試験の結果を図5に示す。上の図は、(5)式に示したSTEP3における酸素発生反応時のグラフであり、下の図は、(11)式に示したSTEP4における水素発生反応時のグラフである。いずれの図も横軸に時間(hr)を取り、縦軸に電位(V)と圧力(MPa)を取ってある。上の図のグラフ(1)は中間電極の電位であり、グラフ(2)は酸素ガスの圧力を示す。また、下の図のグラフ(3)は中間電極の電位であり、グラフ(4)は水素ガスの圧力を示す。グラフ(2)の圧力勾配とグラフ(4)の圧力勾配を比較すると、ほぼ、1:2となっており所定通りの割合で酸素と水素が発生していることがわかる。
第2の実施形態は正極(第1電極)、負極(第2電極)および電解質を除き第1の実施形態と共通するところが多い。第2の実施形態の説明に際して、特に明示した個所を除き、第1の実施形態と共通するところの説明は省略する。
正極および負極は、ニッケル、白金、銀、金等の貴金属性である。なかでもニッケルおよび白金が好ましい。形状は箔状もしくは板状であってもよく三次元形状であってもよい。発泡金属であってもよい。
正極11’および負極12’にはニッケル板を用いた。正極11’および負極12’には、活物質等が塗布されておらず、基板の状態である。電解液はpH5の弱酸性のものを採用した。セパレータ14’には厚さ5μmの固体高分子電解質膜、具体的にはデュポン社製のナフィオンを採用した。中間電極13’には、第1の実施形態と同じものを用いた。
第1の実施形態と同様に酸素発生反応ステップと水素発生反応ステップに分けてその動作について説明する。
STEP1’;(酸素発生反応ステップ)
正極11’に直流電源24のプラス極を接続し、中間電極13’に直流電源24のマイナス極を接続して通電を行った場合、(15)式の反応式により正極11’から酸素が発生する。
O + e- → 2H + 2e- + 1/2O (15)
一方、中間電極13’の反応式は(16)式となる。
2MnO + 2H + 2e- → MnOOH (16)
そして、全反応式は(15)と(16)から(17)式となる。
2MnO + HO → 2MnOOH + 1/2O (17)
STEP2’;(水素生成反応ステップ)
中間電極13’にプラス極を接続し、負極12’にマイナス極を接続して通電した場合、負極12’から水素ガスが発生する。反応式を(18)式に示す。
2H + 2e- → H (18)
一方、中間電極13’の反応式は(19)式となる。
2MnOOH → 2MnO + 2H + 2e- (19)
そして、中間電極13’と負極12’の全反応式は(20)式となる。
2MnOOH → 2MnO + H (20)
STEP1’とSTEP2’を含めた、正極11’、中間電極13’および負極12’の全反応式は(21)式となる。
O → H + 1/2O (21)
以降、STEP1’を実施することにより正極11’からは酸素が発生する。発生した酸素の一部は電解液23に溶解し、他の一部はガス状態となり、酸素ガスはガス取り出し口30(図4参照)から外部に取り出しが可能となる。
つぎに、STEP2’を実施することにより負極12’からは水素ガスが発生する。発生した水素ガスは電解液23に溶解しにくく、ガス取り出し口30から外部に取り出しが可能となる。時間差を設けてSTEP1とSTEP2を繰り返すことにより、酸素ガスと水素ガスは混合することなく、密閉容器21から別個に取り出すことができる。
第3の実施形態の説明に際して、特に明示した場合を除き、第1の実施形態と共通するところの説明は省略する。特に、酸素および水素の発生については第1の実施形態を念頭において説明するが、第2の実施形態も同様に適用することができる。図6は各電極の通電方法を説明するための図である。正極11、負極12および中間電極13の各電極は、交流電源15から交流電流の供給を受ける。交流電流の波形は図6の右側に示すように、正側と負側の振れ幅が等しい矩形となっている。
交流電源15の端子mと正極11との間には第1ダイオード16が接続されていて、交流電源15から正極11への電流が遮断されるようになっている。また、交流電源15の端子mと負極12との間には第2ダイオード17が接続されていて、負極12から交流電源15への電流が遮断されるようになっている。交流電源15のもう一方の端子pは直接中間電極13に接続されている。
正の半サイクルにおいて、交流電源15からの電流は中間電極13に流れ(p1)、正極12から第1ダイオード16を経由して交流電源15に戻る(p2)。負の半サイクルにおいて、交流電源15からの電流は第2ダイオード17を経由して負極12に流れ(m1)、中間電極13から交流電源15に戻る(m2)。プラスの電流が流れる正の半サイクルでは、酸素発生反応(前述のSTEP3)が起こり、マイナスの電流が流れる負の半サイクルでは、水素発生反応(前述のSTEP4)が起こる。
第1の実施形態では、STEP3とSTEP4とに時間的に分けて、交互に反応ステップを切り替えて運転する、いわゆるバッチ運転である。一方、本実施形態では交流電流を用いるので、交互に電流が各電極に流れるので連続運転が可能となる。
水電解システムにおいて、正極および負極での反応はOH-イオンの拡散により起こり、電極の周りに濃度勾配層が生成される。この濃度勾配層は電極反応において抵抗となり、電極間の電圧はこの抵抗により大きくなる。従来の水電解システムでは、電流の流れる向きは負極から正極と一定であるので、反応が継続して進むことにより濃度勾配層が分厚くなり、電極間の電圧は過大となる。
一方、本実施形態では、プラスの電流が流れるサイクルでは正極で反応が起こり、この間負極は休止状態になる。マイナスの電流が流れるサイクルではこの逆の状態になる。これにより、電極の表面では濃度勾配が成長する時間的余裕を与えないので、濃度勾配による過電圧を小さく抑えることができる。
図7および図8に矩形波の電流をパルス状に流した場合の電圧変化を示す。横軸は時間を秒単位で示し、縦軸に電位をV(ボルト)単位で示す。左側の目盛が中間電極−負極間の電位であり、右側の目盛が正極−中間電極間の電位である。実線は中間電極と負極の間の電圧を示すグラフで水素発生反応過程である。一方、破線は正極と中間電極の間の電圧を示すグラフで酸素発生反応過程である。
図7は600秒周期で5mAのパルス状の電流を流した場合の電圧変化を示すグラフである。実線、破線いずれの曲線も、電流を流すと、電気抵抗(IRドロップ)により急激に電圧が立ち上がる(A示す範囲)。その後、電解液での濃度勾配によるイオン拡散律速による抵抗が増えて電圧が徐々に上昇してゆく(Bで示す範囲)。通電時間が長くなれば、イオン拡散による抵抗が大きくなる。
図8は2秒周期で5mAのパルス状の電流を流した場合の電圧変化を示すグラフである。図7に比べて、周期を短くすることによりイオン拡散による抵抗を減らすことができることを確かめた。これにより電解効率は向上する。
図9は2秒周期で5mAのパルス状の電流を継続的に10時間流した場合の電圧変化を示すグラフである。図中2本の実線は中間電極と負極の間の電圧の包絡線であり、2本の破線は正極と中間電極の間の電圧の包絡線を結んだものである。いずれも上のピーク点を結んだ線が上側の線であり、下のピークを結んだ線が下側の線である。
比較のために、5mAで水素発生反応と酸素発生反応を10時間ずつ行った場合の電圧変化を図10に示す。横軸は時間を時間単位で示し、縦軸に電位をV(ボルト)単位で示す。左側の目盛が中間電極−負極間の電位であり、右側の目盛が正極−中間電極間の電位である。実線は中間電極と負極の間の電圧であり水素発生反応であり、破線は正極と中間電極の間の電圧であり酸素発生反応である。図10を見ると定電流で10時間酸素発生反応を行うと電圧が時間と共に上昇していくことが分かる。これは中間電極(二酸化マンガン)の放電反応が進むことにより、正極との電位差が広がるためである。また、水素発生反応の場合も同様に中間電極の充電反応が進むことにより、負極との電位差が広がるためである。
一方、2秒周期の交流電流を用いると、二酸化マンガンの充放電が1秒間で起こるため、二酸化マンガンの電位の変化を微小に留まる。その結果、酸素及び水素発生反応での電圧上昇は小さく抑えられる。図9において最初は電圧の上昇が起こったが、これは二酸化マンガンの放電と充電における抵抗の違いがあるため、放電量が充電量より少々大きかったが、反応が進むにつれ、充電と放電との量のバランスがとれる状態になり電圧は一定になったと考えられる。
本発明で用いる交流電源は0.5Hzの矩形状には限定されない。正弦波の交流電源であってもよく波形の形状は限定されない。交流電源の周波数は0.01〜Hz60Hzが好ましい。0.01Hzより低くなると濃度勾配層が成長する時間的余裕をあたえるし、60Hz以上になると電極間のコンダクタンス分が問題となる。50Hzおよび60Hzであれば系統の電力を使用することができるので電源の準備が簡便となる。
図11を用いて第4の実施形態について説明する。酸素および水素の発生については第1の実施形態を想定して説明するが、第2の実施形態も同様に適用することができる。水素製造ユニット50は、第1の実施形態と同様の構成となっている。密閉容器54には、その上部空間を除き電解液が満たされていて、上部空間に連通する水素ガス流出口56が設けられている。水素ガス流出口56には調節弁65が接続されており、調節弁65の他方の出口は水素ガスのユースポイント(図示せず)に接続されている。
密閉容器54には、電解液流出口57と電解液流入口58が設けられていて、それぞれフランジ24a,bを介して、他の装置と接続可能となっている。密閉容器54は、大気から隔離された密閉状態を保持する。
なお、密閉容器54の内部の圧力は1MPaに保持されている。したがって取り出し可能な水素ガスの圧力はほぼ1MPaとなる。もっとも、密閉容器54の内部の圧力は1MPaの限定されるものでなく、10MPaでもよい。圧力範囲については後述する。
直流電源24から電極11、12、13に電流が供給されると(図3参照)、(5)式および(10)式の電極反応により、正極11から酸素が発生し、負極12から水素ガスが発生する。発生した水素ガスは密閉容器54の上部空間に貯えられる。電極反応が進むにつれて、水素ガスの発生により、密閉状態にある密閉容器54の内部圧力は上昇する。これに伴い、電解液の圧力も上昇して、その圧力に応じて正極11で発生した酸素が電解液に溶解する。これは、ヘンリーの法則として知られている。
密閉容器54の内面および電解液が接触する部分はニッケルメッキもしくはクロムメッキが施されている。これは酸素を溶存した電解液は腐食性が高く、防食のためである。
調節弁65はユースポイントと水素ガスが発生する密閉容器54をつなぐ機器であり、ユースポイントに送る水素ガスの量を調節する役割を担う。したがって、調節弁65は水素ガス量の調節が可能であればよく、絞りを利用したもの、ノズルを利用したもの等、その手段は限定されない。
次に、図11の機器構成系統図を用いて水素製造装置のプロセスについて説明する。密閉容器54の電解液流出口57とバッファータンク71の電解液流入口72とは、配管66aで接続されており、密閉容器54の電解液はバッファータンク71に流入可能となっている。配管66aの途中には絞り67が設けられていて、定常プロセスにおいて、密閉容器54の圧力とバッファータンク71の圧力に差圧が生じるようになっている。
ここで図12を用いてバッファータンク71の役割について説明する。バッファータンク71は、密閉された状態にあり、大気から隔離された状態を保持する。バッファータンク71の下部には電解液流入口72と電解液流出口73とが設けられている。バッファータンク71は電解液流入口72と電解液流出口73とに取り付けられたフランジ78a、78bを介して、他の機器に接続されるようになっている。
バッファータンク71にはその上部空間を除き、電解液流入口72から流入した電解液76で満たされている。バッファータンク71の上部空間は酸素ガス流出口74に連通している。酸素ガス流出口74は調節弁75に接続されており、調節弁75の他方の出口は酸素ガスのユースポイント(図示せず)に接続されている。
調節弁75を開けると、バッファータンク71の上部空間は圧力の低いユースポイントに連通して、酸素ガスはユースポイントに流れ、バッファータンク71の上部空間の圧力は低下する。これにより電解液76の圧力も低下して、飽和状態にあった電解液中の溶存酸素は気泡77となり、バッファータンク71の上部空間に貯えられる。
調節弁75は、酸素ガス量の調節が可能であればよく、調節弁65と同様、絞りを利用したもの、ノズルを利用したもの等、酸素ガスの流量を調節するものであればよく、その手段は限定されない。
バッファータンク71は塩濃度調整装置81に接続されており、電解液流出口73を出た電解液76は、塩濃度調整装置81に流入可能となっている。塩濃度調整装置81は塩濃度が高くなった電解液に純水を注水することにより、電解液の塩濃度を調整する。電解液76の塩濃度の検出器と純水を注水する装置とを組み合わせて、電解液の塩濃度を自動調整してもよい。なお、塩濃度調整装置81は、バッファータンク71の内部に敷設してもよい。電解液76の塩濃度が高くなれば、電解液に溶解する酸素の量が減少する。電解液76に純水を補給すれば、これを防ぐことができる。
塩濃度調整装置81を出た電解液は、ヒーター82で温められ、昇圧ポンプ83で加圧されて、配管66bを介して電解液流入口58から密閉容器54に戻される。ヒーター82は、低下した電解液を加熱する役割を果たす。
電解液の圧力は、0.2MPa〜278MPaであることが好ましい。このような圧力範囲にあるとき、電解液に溶解している酸素の量は、0.02〜24g/Lとなる。また、電解液の圧力は0.95MPa〜40MPaであることがより好ましい。電解液の圧力が0.2MPa未満であると、発生する水素ガスの量が少なく、水素の製造量を高めることが困難となる。また、電解液中の溶存酸素濃度を高くすることが困難となる。電解液の圧力を、278MPaを超える超高圧とすることは、水素製造装置の構造上無理が生じる。
上記過程で発生する水素ガスは、高圧力状態にある電解液中に送り出され、大気圧下で解放されることはない。このため、エネルギーロスが発生しない。更に、発生する水素ガスが高圧力状態で保持されるので、水素ガスの利用に際して昇圧の必要がなく、利用価値の高い水素ガスを得ることができる。
本発明の水素製造装置は、例えば、燃料電池に使用される水素ガスおよび酸素ガスの製造に使用される。また、水素ガスは半導体製造装置における洗浄装置で使用することができる。
1 陽極
2 陰極
3 直流電源
4 電槽
5 電解液
6 酸素ガス
7 水素ガス
8 ヒーター
10 電極スタック
11 正極(第1電極)
12 負極(第2電極)
13 中間電極(第3電極)
14 セパレータ
15 交流電源
16 第1ダイオード
17 第2ダイオード
20 水素製造ユニット
21 密閉容器
22 電極スタック
23 電解液
24 直流電源
25 電線
26 補給水系統
30 ガス取り出し口
31 遮断弁
32 吸引ポンプ
33 貯蔵タンク
50 水素製造ユニット
54 密閉容器
56 水素ガス流出口
57 電解液流出口
58 電解液流入口
65 調節弁
66 配管
67 絞り
71 バッファータンク
72 電解液流入口
73 電解液流出口
74 酸素ガス流出口
75 調節弁
76 電解液
77 気泡(酸素ガス)
78 フランジ
81 塩濃度調整装置
82 ヒーター
83 昇圧ポンプ

図4に示すように、密閉容器21には、その上部空間を除き電解液23が満たされている。電極スタック10は電解液23に浸漬された状態で密閉容器21に収納され、水素製造ユニット20を構成する。
密閉容器21の上部空間は、密閉容器21に設けたガス取り出し口30を介して、水素ガス系統(31b,32b,33b)と酸素ガス系統(31a,32a,33a)の2系統に分かれて貯蔵タンク33に連通している。それぞれの系統にはガス取り出し口30からみて、遮断弁31、吸引ポンプ32、貯蔵タンク33の順に接続されている。貯蔵タンク33の代わりにガスのユースポイント(図示せず)が設けられていてもよい。

Claims (23)

  1. 第1電極と、
    第2電極と、
    第3電極と、
    前記第1電極と、前記第2電極と、前記第3電極との間に介在するイオンは通すが電子は通さないセパレータとを有していて、
    前記第1電極をアノードとする酸化反応と、前記第3電極をカソードとする還元反応により、前記第1電極から発生する酸素ガスと、
    前記第2電極をカソードとする酸化反応と、前記第3電極をアノードとする還元反応により、前記第2電極から発生する水素ガスとを製造する第3電極を備えた水素製造装置
  2. 前記第1電極が水酸化ニッケルを含んでおり、
    前記第2電極が水素吸蔵合金を含んでおり、
    前記第3電極の標準電極電位が前記第1電極の標準電極電位より小さく、かつ、前記第2電極の標準電極電位よりも大きい、請求項1に記載の第3電極を備えた水素製造装置
  3. 前記第3電極が二酸化マンガンを含んでいる請求項2に記載の第3電極を備えた水素製造装置
  4. 前記第3電極の電極容量が、前記第1電極および前記第2電極の電極容量よりも大きい請求項2または3のいずれか一項に記載の第3電極を備えた水素製造装置
  5. 前記第1電極と前記第3電極と前記第2電極のそれぞれの間隔が5〜500μmである請求項2〜4のいずれか一項に記載の第3電極を備えた水素製造装置
  6. 前記第1電極と前記第2電極と前記第3電極と前記セパレータとを収納する密閉容器とを有していて、前記水素ガスと前記酸素ガスがそれぞれ前記密閉容器から取り出し可能になっている請求項2〜5のいずれか一項に記載の第3電極を備えた水素製造装置
  7. 前記第1電極および前記第2電極が貴金属であり、前記第3電極が二酸化マンガンを含んでおり、前記セパレータが高分子電解質膜である請求項1に記載の第3電極を備えた水素製造装置
  8. 前記第1電極と前記第3電極と前記第2電極のそれぞれの間隔が1〜20μmである請求項7に記載の第3電極を備えた水素製造装置
  9. 前記密閉容器には、更に、電解液が収納されていて、
    前記第1電極をアノードとする酸化反応と前記第3電極をカソードとする還元反応により、前記第1電極から発生する酸素を前記電解液に溶存させた状態で前記密閉容器から取出し、
    前記第2電極をカソードとする酸化反応と前記第3電極をアノードとする還元反応により、前記第2電極から発生する水素をガス状態で前記密閉容器から取出す請求項7または8のいずれか一項に記載の第3電極を備えた水素製造装置
  10. 前記第1電極が水酸化ニッケルを含んでおり、
    前記第2電極が水素吸蔵合金を含んでおり、
    前記第3電極の標準電極電位が前記第1電極の標準電極電位より小さく、かつ、前記第2電極の標準電極電位よりも大きく、
    前記第1電極と前記第2電極と前記第3電極と前記セパレータと電解液を収納する密閉容器とを有していて、
    前記第1電極をアノードとする酸化反応と前記第3電極をカソードとする還元反応により、前記第1電極から発生する酸素を前記電解液に溶存させた状態で前記密閉容器から取出し、
    前記第2電極をカソードとする酸化反応と前記第3電極をアノードとする還元反応により、前記第2電極から発生する水素をガス状態で前記密閉容器から取出す請求項1に記載の第3電極を備えた水素製造装置
  11. 前記第3電極が二酸化マンガンを含んでいる請求項10に記載の第3電極を備えた水素製造装置
  12. 前記第3電極の電極容量が、前記第1電極および前記第2電極の電極容量よりも大きい請求項10または11のいずれか一項に記載の第3電極を備えた水素製造装置
  13. 前記第1電極と前記第3電極と前記第2電極のそれぞれの間隔が5〜500μmである請求項10〜12のいずれか一項に記載の第3電極を備えた水素製造装置
  14. 前記密閉容器内の前記電解液がバッファータンクに流入可能になっていて、前記バッファータンクの圧力を減圧することにより、前記電解液から酸素ガスをバッファータンクから取り出し可能となっている請求項9〜13のいずれか一項に記載の第3電極を備えた水素製造装置
  15. 前記バッファータンクには、前記電解液の濃度を調節する塩濃度調整装置が接続されていて、純水を注入することにより、前記電解液の塩濃度の調整が可能となっている請求項14に記載の第3電極を備えた水素製造装置
  16. 前記密閉容器には前記電解液の流入口と流出口が設けられていて、前記流出口から流出した前記電解液が前記バッファータンクを経由して、前記流入口に流入可能になっている請求項14または15のいずれか一項に記載の第3電極を備えた水素製造装置
  17. 前記第1電極、前記第2電極及び前記第3電極に交流電源が接続された請求項1に記載の第3電極を備えた水素製造装置
  18. 前記交流電源の一方の端子に前記第3電極が接続され、前記交流電源の他方の端子と前記第1電極の間に電流の還流を許容する方向に第1ダイオードが接続され、前記交流電源の他方の端子と前記第2電極の間に電流の送出を許容する方向に第2ダイオードが接続されている請求項17に記載の第3電極を備えた水素製造装置
  19. 前記交流電源の周波数が0.01〜60Hzである請求項18に記載の第3電極を備えた水素製造装置
  20. 水酸化ニッケルを含む第1電極と水素吸蔵合金を含む第2電極と標準電極電位が前記第1電極の標準電極電位より小さくかつ前記第2電極の標準電極電位よりも大きい第3電極との間にイオンは通すが電子は通さないセパレータを介在させて密閉容器に収納して、
    前記第1電極をアノードとする酸化反応と前記第3電極をカソードとする還元反応により、前記第1電極から発生する酸素ガスを前記密閉容器から取出し、その後に、
    前記第2電極をカソードとする酸化反応と前記第3電極をアノードとする還元反応により、前記第2電極から発生する水素ガスを前記密閉容器から取出す第3電極を備えた水素製造方法
  21. 前記第1電極、前記第2電極および前記第3電極に交流電流を供給する請求項20に記載の第3電極を備えた水素製造方法
  22. 貴金属性の第1電極と貴金属性の第2電極と二酸化マンガンを含む第3電極との間に固体高分子膜を介在させて密閉容器に収納して、
    前記第1電極をアノードとする酸化反応と前記第3電極をカソードとする還元反応により、前記第1電極から発生する酸素ガスを前記密閉容器から取出し、その後に、
    前記第2電極をカソードとする酸化反応と前記第3電極をアノードとする還元反応により、前記第2電極から発生する水素ガスを前記密閉容器から取出す第3電極を備えた水素製造方法
  23. 水酸化ニッケルを含む第1電極と水素吸蔵合金を含む第2電極と標準電極電位が前記第1電極の標準電極電位より小さくかつ前記第2電極の標準電極電位よりも大きい第3電極との間に、イオンは通すが電子は通さないセパレータと電解液を介在させて密閉容器に収納して、
    前記第1電極をアノードとする酸化反応と、前記第3電極をカソードとする還元反応により、前記第1電極から発生する酸素を前記電解液に溶存させ、前記電解液を前記密閉容器から取出してバッファータンクで減圧することにより酸素ガスを取出し、
    前記第2電極をカソードとする酸化反応と前記第3電極をアノードとする還元反応により、前記第2電極から発生する水素ガスを前記密閉容器から取出す第3電極を備えた水素製造方法
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