JP7248531B2 - 水素ガスの製造装置、水素ガスの製造方法、および水素吸蔵合金 - Google Patents

水素ガスの製造装置、水素ガスの製造方法、および水素吸蔵合金 Download PDF

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Description

本開示は、水素ガスの製造装置、水素ガスの製造方法、および水素吸蔵合金に関する。
特開2016-204745号公報(特許文献1)は、水素製造装置を開示している。
特開2016-204745号公報
二酸化炭素を排出しない次世代エネルギーとして、水素が注目されている。水素の製造方法の一つとして、水の電気分解(水電解)が知られている。水電解には電力が使用される。総合的なエネルギー効率の観点から、電解電圧の低減が求められる。
水電解は、アルカリ水電解と、固体高分子形水電解とに大別される。アルカリ水電解においては、アルカリ水溶液が電気分解される。従来、アルカリ水電解によって製造される水素ガスは、0.1MPa程度の低い圧力を有している。輸送等の便宜のため、水素ガスの製造後、圧縮機により水素ガスが圧縮されている。
本開示の目的は、アルカリ水電解において、電解電圧を低減し、かつ高い圧力を有する水素ガスを製造することである。
以下、本開示の技術的構成および作用効果が説明される。ただし、本開示の作用メカニズムは推定を含んでいる。作用メカニズムの正否により、特許請求の範囲が限定されるべきではない。
〔1〕水素ガスの製造装置は、水電解セルと電源とを含む。水電解セルは、第1電極と、第2電極と、アルカリ水溶液とを含む。第1電極と第2電極とは、それぞれアルカリ水溶液に接触している。第1電極と第2電極とは、互いに離れて配置されている。第1電極は、水素吸蔵合金を含む。水素吸蔵合金は、20℃において0.2MPa以上の平衡解離圧を有する。第1電極と、第2電極とは、それぞれ電源に接続されている。電源は、第1電極が陰極となり、かつ第2電極が陽極となるように、両極間に電圧を印加する。アルカリ水溶液の電気分解により、第1電極において水素ガスが発生する。
水電解における、理論上の電解電圧は、1.23Vである。しかし過電圧、オーム損等があるため、実際の電解電圧は、例えば1.7Vから2.2V程度になり得る。
図1は、従来のアルカリ水電解における陰極反応を示す概念図である。
従来、陰極となる電極には、例えばニッケル(Ni)、鉄(Fe)等の金属材料が使用されている。まず、水素イオン(H+)が電極の表面に吸着する。水素イオンが電極から電子(e-)を受け取ることにより、原子状水素(H)が生成される。電極の表面を構成する原子と、原子状水素との間に、化学結合(-H)が生成される。電極の表面において、近接する2個の水素原子同士の間に、新たな共有結合が生成される。すなわち水素分子(H-H)が生成される。水素分子が電極の表面から離脱する。
図2は、本開示のアルカリ水電解における陰極反応を示す概念図である。
本開示において、陰極となる電極には、水素吸蔵合金が使用されている。水素イオン(H+)は、電極から電子を受け取ると共に、原子状水素(H)となって水素吸蔵合金に吸蔵される。水素吸蔵合金の結晶構造中において、2つの原子状水素が結合することにより、水素分子(H-H)が生成される。水素分子が水素ガスとなって放出される。
本開示のアルカリ水電解においては、電解電圧が低減し得る。本開示のアルカリ水電解においては、例えば、1.6V程度の電解電圧により、電気分解が進行し得る。本開示のアルカリ水電解における反応経路が、従来のアルカリ水電解における反応経路に比して、小さい活性化エネルギーを有するためと考えられる。
本開示の新知見によれば、電極に水素吸蔵合金が使用されている場合、生成した水素ガスの圧力は、水素吸蔵合金の平衡解離圧と同程度の高さになり得る。すなわち、水素ガスが電気化学的に昇圧され得る。本開示においては、水素吸蔵合金が高い平衡解離圧を有している。すなわち、水素吸蔵合金は、0.2MPa以上の平衡解離圧を有している。したがって、水素吸蔵合金から放出される水素ガスは、0.2MPa以上の圧力を有することになる。すなわち、高い圧力を有する水素ガスが製造され得る。
以下、本明細書においては、0.2MPa以上の平衡解離圧を有する水素吸蔵合金が「高解離圧合金」とも記される。0.2MPa未満の平衡解離圧を有する水素吸蔵合金が「低解離圧合金」とも記される。
従来、低解離圧合金は、例えば、ニッケル水素電池に使用されている。一般に、ニッケル水素電池用の低解離圧合金は、0.01MPa程度の平衡解離圧を有する。例えば、低解離圧合金がアルカリ水電解の陰極材料として使用された場合、電解開始初期に、低解離圧合金から水素ガスが放出され難いと考えられる。低解離圧合金の平衡解離圧(すなわち水素ガスの放出圧力)が大気圧(約0.1MPa)よりも低いためである。
〔2〕上記〔1〕に記載される水素ガスの製造装置において、水素吸蔵合金は、例えばAB5型であってもよい。AB5型の水素吸蔵合金は、高い平衡解離圧を有し得る。
〔3〕上記〔1〕または〔2〕に記載される水素ガスの製造装置において、水素吸蔵合金は、組成式:
LasCetPruNdvNiwCoxMnyAlz
により表されてもよい。
組成式中、s、t、u、v、w、x、yおよびzは、各元素の比を示し、
0.2≦s≦0.3、
0.5≦t≦0.6、
0≦u≦0.1、
0.1≦v≦0.2、
3.9≦w≦4.2、
0.6≦x≦0.8、
0≦y≦0.4、かつ
0≦z≦0.1
の関係を満たす。
上記組成式により表される水素吸蔵合金は、高い平衡解離圧を有し得る。
〔4〕上記〔1〕から〔3〕のいずれか1つに記載される水素ガスの製造装置において、第2電極は、例えば水酸化ニッケルを含んでいてもよい。
第2電極には、種々の陽極材料が使用され得る。従来、アルカリ水電解における陽極材料は、例えば、Ni、Fe、NiFe合金等が使用されている。
アルカリ水電解においては、通常、水素ガスと酸素ガスとが同時に発生する。そのため、水素ガスと酸素ガスとが、発生と同時に分離される。
本開示における陽極材料は、例えば水酸化ニッケルであってもよい。陽極材料が水酸化ニッケルである場合、第2電極において、酸素ガスの発生反応に代わって、水酸化ニッケルの酸化反応が進行し得る。水酸化ニッケルの酸化反応が進行している間、水素ガスのみが発生し得る。
〔5〕上記〔4〕に記載される水素ガスの製造装置は、放電セルと外部回路とをさらに含んでいてもよい。放電セルは、第2電極の一部と、第3電極と、水とを含む。第2電極の一部と、第3電極とは、それぞれ水に接触している。第2電極の一部と、第3電極とは、互いに離れて配置されている。外部回路を通じて、第2電極と第3電極とが接続されることにより、第2電極が還元され、かつ第3電極において酸素ガスが発生する。
例えば、上記〔4〕に記載される水素ガスの製造装置においては、水電解により、陽極材料である水酸化ニッケルが酸化される。水酸化ニッケルの酸化により、オキシ水酸化ニッケルが生成される。すべての水酸化ニッケルが、オキシ水酸化ニッケルに変化した後、水電解が続行されると、第2電極において酸素ガスが発生し始める。また、オキシ水酸化ニッケルに不可逆的な構造変化等が生じる可能性もある。
例えば、上記〔5〕に記載される水素ガスの製造装置においては、第2電極が放電され得る。第2電極の放電により、オキシ水酸化ニッケルが還元される。すなわち、水酸化ニッケルが再生され得る。第2電極の放電に伴って、第3電極においては酸素ガスが発生し得る。第1電極は、第2電極の放電に関与しない。すなわち、第2電極の放電中、第1電極において水素ガスは発生しない。
上記〔5〕に記載される水素ガスの製造装置は、例えば、2つの運転モードの切り替えにより、運用され得る。1つの運転モードは、水電解モードである。水電解モードにおいては、実質的に水素ガスのみが発生し得る。もう1つの運転モードは、放電モードである。放電モードにおいては、実質的に酸素ガスのみが発生し得る。すなわち、水素ガスの発生タイミングと、酸素ガスの発生タイミングとが異なる。したがって、水素ガスと酸素ガスとの分離が容易であると考えられる。
〔6〕上記〔5〕に記載される水素ガスの製造装置において、第3電極は、例えばニッケルを含んでいてもよい。
ニッケルは、低い酸素過電圧を有し得る。第3電極がニッケルであることにより、例えば、放電に必要な電圧が低減され得る。
〔7〕水素ガスの製造方法は、下記(A)および(B)を含む。
(A)第1電極と第2電極とを、それぞれアルカリ水溶液に接触させる。
(B)第1電極と第2電極との間に電圧を印加することにより、アルカリ水溶液を電気分解する。
第1電極と第2電極とは、互いに離れて配置される。第1電極が陰極となり、かつ第2電極が陽極となるように、両極間に電圧が印加される。第1電極は、水素吸蔵合金を含む。水素吸蔵合金は、20℃において0.2MPa以上の平衡解離圧を有する。アルカリ水溶液の電気分解により、第1電極において水素ガスが発生する。
上記〔7〕に記載される水素ガスの製造方法によれば、電解電圧が低減され、かつ高い圧力を有する水素ガスが製造され得る。
〔8〕上記〔7〕に記載される水素ガスの製造方法において、水素吸蔵合金は、例えばAB5型であってもよい。
〔9〕上記〔7〕または〔8〕に記載される水素ガスの製造方法において、水素吸蔵合金は、上記組成式:LasCetPruNdvNiwCoxMnyAlzにより表されてもよい。
〔10〕上記〔7〕から〔9〕のいずれか1つに記載される水素ガスの製造方法において、第2電極は、例えば水酸化ニッケルを含んでいてもよい。
〔11〕上記〔10〕に記載される水素ガスの製造方法は、下記(C)をさらに含んでいてもよい。
(C)電気分解によって酸化された第2電極を放電させる。
第2電極の一部と、第3電極とが、それぞれ水に接触させられる。第2電極の一部と、第3電極とが、互いに離れて配置される。外部回路を通じて、第2電極と第3電極とが接続されることにより、第2電極が還元され、かつ第3電極において酸素ガスが発生する。
〔12〕上記〔11〕に記載される水素ガスの製造方法において、第3電極は、例えばニッケルを含んでいてもよい。
〔13〕水素吸蔵合金は、アルカリ水電解の陰極材料として使用される。水素吸蔵合金は、20℃において0.2MPa以上の平衡解離圧を有する。
本開示の新知見によれば、高解離圧合金は、アルカリ水電解の陰極材料として使用された時、高い圧力の水素ガスを放出するという属性を有している。該属性により、高解離圧合金の新たな用途「アルカリ水電解の陰極材料」が提供される。
〔14〕上記〔13〕に記載される水素吸蔵合金は、例えばAB5型であってもよい。
〔15〕上記〔13〕または〔14〕に記載される水素吸蔵合金は、例えば、上記組成式:LasCetPruNdvNiwCoxMnyAlzにより表されてもよい。
図1は、従来のアルカリ水電解における陰極反応を示す概念図である。 図2は、本開示のアルカリ水電解における陰極反応を示す概念図である。 図3は、本実施形態における水素ガスの製造装置の構成を示す概念図である。 図4は、本実施形態における水素ガスの製造方法の概略フローチャートである。 図5は、水素吸蔵合金の圧力-組成等温線図の一例である。
以下、本開示の実施形態(本明細書においては「本実施形態」とも記される)が説明される。ただし以下の説明は、特許請求の範囲を限定するものではない。
<水素ガスの製造装置>
図3は、本実施形態における水素ガスの製造装置の構成を示す概念図である。
以下「水素ガスの製造装置」が「製造装置」と略記され得る。本実施形態における製造装置100は、水電解セル10と、電源20とを含む。製造装置100は、放電セル30と、外部回路40とをさらに含んでいてもよい。
《水電解セル》
水電解セル10は、第1電極1と、第2電極2と、アルカリ水溶液4とを含む。第1電極1と、第2電極2と、アルカリ水溶液4とは、例えば、所定の容器に入れられていてもよい。第1電極1と第2電極2とは、それぞれアルカリ水溶液4に接触している。第1電極1の全部がアルカリ水溶液4に接触していてもよい。第1電極1の一部がアルカリ水溶液4に接触していてもよい。第2電極2の全部がアルカリ水溶液4に接触していてもよい。第2電極2の一部がアルカリ水溶液4に接触していてもよい。
第1電極1と第2電極2とは、互いに離れて配置されている。例えば、第1電極1と第2電極2との間に、セパレータ(不図示)が配置されていてもよい。セパレータは、電気絶縁性の多孔質層である。水電解セル10は、セパレータによって、陰極室と、陽極室とに区画されていてもよい。陰極室は、例えば、第1電極1と、アルカリ水溶液4の一部とを収納し得る。陰極室は、例えば、耐圧構造を有していてもよい。陽極室は、例えば、第2電極2と、アルカリ水溶液4の一部とを収納し得る。
第1電極1と、第2電極2とは、それぞれ電源20に接続されている。電源20は、例えば、直流電源であってもよい。電源20は、第1電極1が陰極となり、かつ第2電極2が陽極となるように、両極間に電圧を印加する。アルカリ水溶液4の電気分解により、第1電極1において水素ガスが発生する。
第1電極1は、水素吸蔵合金を含む。水素吸蔵合金は、高解離圧合金である。水素吸蔵合金は、20℃において0.2MPa以上の平衡解離圧を有する。第1電極1における反応(陰極反応)は、下記反応式(1)によって表される。
M+H2O+e- → MH+OH- → M+1/2H2+OH- (1)
反応式(1)中、「M」は、原子状水素を吸蔵していない水素吸蔵合金を示す。「MH」は、原子状水素を吸蔵した水素吸蔵合金(すなわち金属水素化物)を示す。
第1電極1(陰極)においては、水素イオン(H+)が原子状水素(H)となって水素吸蔵合金(M)に吸蔵される。吸蔵された原子状水素(H)が、水素ガス(H2)となって、水素吸蔵合金から放出される。水素吸蔵合金が陰極材料として使用されることにより、電解電圧の低減が期待される。
さらに、水素吸蔵合金から放出される水素ガスの圧力は、水素吸蔵合金の平衡解離圧と同程度の高さになり得る。すなわち、水素ガスは、0.2MPa以上の圧力を有し得る。
発生した水素ガスは、回収ラインにより、回収される。回収ラインに含まれる配管等は、水素ガスの圧力に耐え得るように、所定の耐圧構造を有し得る。水素ガスの回収ラインに、例えば、逆止弁(不図示)等が配置されていてもよい。
第2電極2は、種々の陽極材料を含み得る。陽極材料は、例えば、水酸化ニッケル等であってもよい。陽極材料が水酸化ニッケルである時、第2電極2における反応(陽極反応)は、下記反応式(2)によって表される。
OH-+Ni(OH)2 → NiOOH+H2O+e- (2)
第2電極2においては、水酸化ニッケル〔Ni(OH)2〕が酸化されることにより、オキシ水酸化ニッケル(NiOOH)が生成される。
陰極反応と陽極反応とを合わせた全体の反応は、下記反応式(3)によって表される。
Ni(OH)2+H2O → NiOOH+1/2H2 (3)
上記反応式(3)に示されるように、水電解により、水が消費される。例えば、水電解セル10は、水供給ラインおよび温度制御装置等をさらに含んでいてもよい。水供給ラインは、アルカリ水溶液4に水を供給し得る。温度制御装置は、アルカリ水溶液4の温度を制御し得る。温度の制御により、電解電圧が低減することもあり得る。
(第1電極)
第1電極1は、例えば、板状であってもよい。第1電極1は、陰極材料を含む。陰極材料は、水素吸蔵合金である。第1電極1は、例えば、水素吸蔵合金のみからなっていてもよい。例えば、第1電極1は、水素吸蔵合金の成形体等であってもよい。
第1電極1は、例えば、水素吸蔵合金に加えて、バインダ、集電体等をさらに含んでいてもよい。例えば、水素吸蔵合金およびバインダが、集電体に塗着されることにより、第1電極1が形成されていてもよい。集電体は、特に限定されるべきではない。集電体は、例えば、金属板、金属箔、パンチングメタル、多孔質金属等であってもよい。集電体は、例えば、多孔質ニッケル材料等を含んでいてもよい。バインダは、特に限定されるべきではない。バインダは、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等を含んでいてもよい。
(第2電極)
第2電極2は、例えば、板状であってもよい。第2電極2は、陽極材料を含む。第2電極2は、陽極材料のみからなっていてもよい。陽極材料は、特に限定されるべきではない。陽極材料は、例えば、Ni、Fe、NiFe合金、水酸化ニッケル、二酸化マンガン、水酸化マンガン、亜鉛(Zn)等を含んでいてもよい。
第2電極2は、陽極材料に加えて、例えば、導電材、バインダ、集電体等をさらに含んでいてもよい。例えば、陽極材料、導電材およびバインダが、集電体に塗着されることにより、第2電極2が形成されていてもよい。集電体は、特に限定されるべきではない。集電体は、例えば、多孔質ニッケル材料等であってもよい。バインダは、特に限定されるべきではない。バインダは、例えば、PTFE等を含んでいてもよい。導電材は、特に限定されるべきではない。導電材は、例えば、コバルト(Co)、水酸化コバルト、オキシ水酸化コバルト、カーボンブラック等を含んでいてもよい。
(アルカリ水溶液)
アルカリ水溶液4は、水酸化物の水溶液である。図3においては、水酸化物の一例として、水酸化カリウム(KOH)が記されている。ただし、水酸化物は、KOHに限定されるべきではない。アルカリ水溶液は、例えば、KOH、水酸化ナトリウム(NaOH)、および水酸化リチウム(LiOH)からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。アルカリ水溶液は、例えば、0.1N以上10N以下(0.1規定以上10規定以下)の濃度を有していてもよい。アルカリ水溶液は、例えば、1N以上10N以下の濃度を有していてもよい。
《放電セル》
製造装置100は、放電セル30と、外部回路40とをさらに含んでいてもよい。放電セル30および外部回路40により、酸化された第2電極2が放電され得る。
放電セル30は、第2電極2の一部と、第3電極3と、水(H2O)とを含む。第2電極2の一部と、第3電極3と、水とは、例えば、所定の容器に入れられていてもよい。第2電極2の一部と、第3電極3とは、それぞれ水に接触している。第2電極2と、第3電極3とは、互いに離れて配置されている。第2電極2と第3電極3との間に、セパレータ(不図示)が配置されていてもよい。
外部回路40は、少なくともリード線を含む。外部回路40は、電源、可変抵抗等をさらに含んでいてもよい。
製造装置100は、例えば、切替スイッチ50を含んでいてもよい。切替スイッチ50により、第2電極2は、電源20と接続され得る。切替スイッチ50により、第2電極2は、外部回路40とも接続され得る。
水電解により、第2電極2は酸化され得る。すなわち、第2電極2は充電され得る。外部回路40を通じて、第2電極2と第3電極3とが接続されることにより、酸化された第2電極2が放電され得る。放電反応は自発的に進行することもあり得る。放電反応を進行させるために、電圧が必要になることもあり得る。電圧は、第2電極2において陽極材料の還元反応が進行し、かつ第3電極3において水酸化物イオンの酸化反応が進行するように印加され得る。第3電極3における酸素過電圧に応じて、例えば、0.1V程度の電圧が印加され得る。
第2電極2の放電により、陽極材料が還元される。第3電極3においては、酸素ガスが発生する。一例として、陽極材料が水酸化ニッケルである場合が説明される。
上記反応式(2)に示されるように、水電解により、水酸化ニッケルが酸化され、オキシ水酸化ニッケルが生成される。すべての水酸化ニッケルが酸化された後、切替スイッチ50により、第2電極2が電源20から切り離され、第2電極2が外部回路40に接続される。外部回路40は、第3電極3に接続されている。したがって、外部回路40を通じて、第2電極2と第3電極3とが接続される。これにより第2電極2が放電される。
放電により、オキシ水酸化ニッケルが還元される。これにより水酸化ニッケルが再生される。オキシ水酸化ニッケルの還元反応は、下記反応式(4)によって表される。反応式(4)は、反応式(2)の逆反応である。
NiOOH+H2O+e- → OH-+Ni(OH)2 (4)
第3電極3においては、酸素ガスが発生する。酸素ガスの発生反応は、下記反応式(5)によって表される。
OH- → 1/4O2+1/2H2O+e- (5)
放電セル30における全体の反応は、下記反応式(6)によって表される。
NiOOH+1/2H2O → Ni(OH)2+1/4O2 (6)
製造装置100においては、水電解セル10における水電解により、水素ガスが発生する。放電セル30における放電により、酸素ガスが発生する。製造装置100が放電セル30および外部回路40をさらに含むことにより、水素ガスの発生タイミングと、酸素ガスの発生タイミングとが分けられる。したがって、水素ガスと酸素ガスとの分離が容易であると考えられる。
(第3電極)
第3電極3は、各種の電極材料を含み得る。第3電極3は、例えば、Ni等を含んでいてもよい。Niは、低い酸素過電圧を有し得る。第3電極3の表面積が大きい程、酸素過電圧が低くなる傾向がある。第3電極3は、例えば、多孔質ニッケル材料等を含んでいてもよい。多孔質ニッケル材料は、大きい表面積を有し得る。
<水素ガスの製造方法>
図4は、本実施形態における水素ガスの製造方法の概略フローチャートである。
以下「水素ガスの製造方法」が「製造方法」と略記され得る。本実施形態における製造方法は、「A.セルの形成」および「B.水電解」を含む。製造方法は、「C.放電」をさらに含んでいてもよい。
(A.セルの形成)
本実施形態における製造方法は、第1電極1と第2電極2とを、それぞれアルカリ水溶液4に接触させることを含む。第1電極1と第2電極2とは、互いに離れて配置される。これにより、水電解セル10が形成される。水電解セル10に含まれる各構成の詳細は、前述のとおりである。
(B.水電解)
本実施形態における製造方法は、第1電極1と第2電極2との間に電圧を印加することにより、アルカリ水溶液4を電気分解することを含む。例えば、電源20が電極間に電解電圧を印加する。電解電圧は、第1電極1が陰極となり、かつ第2電極2が陽極となるように印加される。これにより水電解が進行する。水電解中、例えばヒータ等により、アルカリ水溶液4が加熱されてもよい。水電解中のアルカリ水溶液4の温度(電解温度)は、例えば、20℃以上80℃以下であってもよい。
第1電極1は、水素吸蔵合金を含む。水素吸蔵合金は、20℃において0.2MPa以上の平衡解離圧を有する。水電解により、第1電極1において、水素ガスが発生する。すなわち、水素ガスが製造される。水素ガスの圧力は、水素吸蔵合金の平衡解離圧と、同程度の高さになり得る。すなわち、水素ガスは、20℃において0.2MPa以上の圧力を有し得る。
第2電極2からは、酸素ガスが発生し得る。酸素ガスは、例えば、空気と混合されてもよい。空気との混合により十分希釈された後、空気と酸素ガスとの混合ガスが、例えば系外に排出されてもよい。
(C.放電)
本実施形態における製造方法は、「B.水電解」の後に「C.放電」をさらに含んでいてもよい。すなわち、本実施形態における製造方法は、電気分解によって酸化された第2電極2を放電させることをさらに含んでいてもよい。
第2電極2の一部と、第3電極3とが、それぞれ水に接触させられる。第2電極2の一部と、第3電極3とが、互いに離れて配置される。外部回路40を通じて、第2電極2と第3電極3とが接続されることにより、第2電極2が還元され、かつ第3電極3において酸素ガスが発生する。外部回路40および第3電極3の詳細は、前述のとおりである。
<水素吸蔵合金>
本実施形態における水素吸蔵合金は、アルカリ水電解の陰極材料として使用される。すなわち、本実施形態における水素吸蔵合金は、アルカリ水電解の陰極材料用の水素吸蔵合金である。
水素吸蔵合金は、例えば、粉末であってもよい。粒子形状は特に限定されるべきではない。粒子形状は、例えば、球状、塊状等であってもよい。水素吸蔵合金は、例えば、1μm以上500μm以下の平均粒子径を有していてもよい。水素吸蔵合金は、例えば、10μm以上200μm以下の平均粒子径を有していてもよい。水素吸蔵合金は、例えば、20μm以上100μm以下の平均粒子径を有していてもよい。「平均粒子径」は、体積基準の粒度分布において、微粒側からの積算粒子体積が全粒子体積の50%になる粒子径を示す。体積基準の粒度分布は、例えば、レーザ回折式粒度分布測定装置によって測定され得る。
(平衡解離圧)
本実施形態における水素吸蔵合金は、高解離圧合金である。高解離圧合金は、0.2MPa以上の平衡解離圧を有する。「平衡解離圧」は、水素吸蔵合金が可逆的に水素を吸蔵し、かつ放出し得る圧力を示す。平衡解離圧は、圧力-組成等温線図から求められる。
図5は、水素吸蔵合金の圧力-組成等温線図の一例である。
圧力-組成等温線図は、PCT(pressure-composition-temperature)線図と略記され得る。本明細書のPCT線図に示される曲線は、放出線である。PCT線図の縦軸は水素圧である。縦軸は常用対数目盛を有する。横軸は水素吸蔵量である。10点以上の測定点が結ばれることにより、放出線が形成される。例えば、20点以上の測定点が結ばれることにより、放出線が形成されてもよい。
放出線は、「JIS H 7201」に準拠した方法により測定される。測定には、従来公知のジーベルツ装置が使用され得る。放出線は、20℃において測定される。測定室(恒温槽)内に配置された温度計が、「20℃±1℃」を示す場合、20℃において放出線が測定されたとみなされる。
PCT線図に、測定点がプロットされることにより、放出線が描かれる。放出線において、連続する3点を通る直線が描かれる。直線の傾きが求められる。3点が一つの直線に載らない場合は、最小二乗法により、直線の傾きが求められる。傾きが最も小さくなる3点の組み合わせが決定される。該3点の水素圧の算術平均が、「平衡解離圧」とみなされる。
平衡解離圧の上限は、特に限定されるべきではない。上限値は、例えば、10MPaであってもよい。すなわち、水素吸蔵合金は、例えば、0.2MPa以上10MPa以下の平衡解離圧を有していてもよい。水素吸蔵合金は、例えば、0.35MPa以上10MPa以下の平衡解離圧を有していてもよい。水素吸蔵合金は、例えば、0.2MPa以上2MPa以下の平衡解離圧を有していてもよい。水素吸蔵合金は、例えば、0.35MPa以上2MPa以下の平衡解離圧を有していてもよい。水素吸蔵合金は、例えば、0.2MPa以上0.35MPa以下の平衡解離圧を有していてもよい。
高解離圧合金は、低解離圧合金に比して、大きい水素吸蔵量を有し得る。本実施形態における水素吸蔵合金は、例えば、1.4質量%以上1.5質量%以下の水素吸蔵量を有していてもよい。
(組成)
本実施形態における水素吸蔵合金は、0.2MPa以上の平衡解離圧を有する限り、如何なる組成を有していてもよい。例えば、水素吸蔵合金は、AB5型であってもよい。AB5型は、六方晶系CaCu5型の結晶構造を有する。AB5型の水素吸蔵合金は、高い平衡解離圧を有し得る。
AB5型の水素吸蔵合金において、Aサイト元素およびBサイト元素の各々は、1種以上の金属元素を含む。例えば、Aサイト元素は、ミッシュメタル(Mm)を含んでいてもよい。Mmは、希土類元素の混合物を示す。希土類元素は、例えば、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)等であってもよい。すなわち、Aサイト元素は、La、Ce、Pr、およびNdからなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。Bサイト元素は、例えば、Ni、Co、マンガン(Mn)、アルミニウム(Al)、Fe、およびマグネシウム(Mg)からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。
本実施形態における水素吸蔵合金は、例えば、組成式:
LasCetPruNdvNiwCoxMnyAlz
により表されてもよい。
上記組成式中、s、t、u、v、w、x、yおよびzは、各元素の比を示し、
0.2≦s≦0.3、
0.5≦t≦0.6、
0≦u≦0.1、
0.1≦v≦0.2、
3.9≦w≦4.2、
0.6≦x≦0.8、
0≦y≦0.4、かつ
0≦z≦0.1
の関係を満たす。
上記組成式により表される水素吸蔵合金は、高い平衡解離圧を有し得る。
上記組成式において、s、t、uおよびvは、例えば、
0.90≦s+t+u+v≦1.1
の関係を満たしていてもよい。
上記組成式において、w、x、yおよびzは、例えば、
4.9≦w+x+y+z≦5.1
の関係を満たしていてもよい。
上記組成式において、s、t、u、v、w、x、yおよびzは、例えば、
0.241≦s≦0.26、
0.534≦t≦0.543、
0.0508≦u≦0.0575、
0.156≦v≦0.163、
3.986≦w≦4.19、
0.601≦x≦0.786、
0≦y≦0.36、かつ
0≦z≦0.055
の関係を満たしていてもよい。
水素吸蔵合金は、例えば、A27型、A519型等であってもよい。A27型は、AB5型の単位格子と、AB2型の単位格子とが積層された構造を有する。AB2型は、ラーベス相である。A27型において、AB5型の単位格子と、AB2型の単位格子との比は、2:1である。A27型の合金としては、例えば、La2Ni7等が考えられる。A519型も、AB5型の単位格子と、AB2型の単位格子とが積層された構造を有する。A519型において、AB5型の単位格子と、AB2型の単位格子との比は、3:1である。A519型の合金としては、例えば、Pr4MgNi19等が考えられる。
本実施形態においては、高解離圧合金の新規用途が提供される。したがって、本実施形態においては、「高解離圧合金の使用方法」および「高解離圧合金の使用」も提供される。
本実施形態における水素吸蔵合金の使用方法は、
水素吸蔵合金を準備すること、および、
水素吸蔵合金をアルカリ水電解の陰極材料として使用すること、
を含む。水素吸蔵合金は、20℃において0.2MPa以上の平衡解離圧を有する。
本実施形態における水素吸蔵合金の使用は、アルカリ水電解の陰極材料としての使用である。水素吸蔵合金は、20℃において0.2MPa以上の平衡解離圧を有する。
以下、本開示の実施例(以下「本実施例」とも記される)が説明される。ただし、以下の説明は、特許請求の範囲を限定するものではない。
<水素ガスの製造>
以下のように、各種の供試装置において、アルカリ水電解が実施された。電解電圧と、水素ガスの圧力とが測定された。
《No.1》
(A.セルの形成)
所定の金属粉末が準備された。アルゴン雰囲気中、アーク溶解炉により、金属粉末が溶解された。これにより合金溶湯が調製された。合金溶湯が冷却されることにより、水素吸蔵合金が得られた。水素吸蔵合金が粉砕された。これにより、20から100μmの粒子径を有する粉末が調製された。水素吸蔵合金の組成は、下記表1に示される。
20℃において、水素吸蔵合金の平衡解離圧が測定された。平衡解離圧は下記表1に示される。
供試装置が組み立てられた。No.1に係る供試装置は以下の構成を備える。
第1電極1:水素吸蔵合金(下記表1)
第2電極2:水酸化ニッケル
第3電極3:多孔質ニッケル材料
セパレータ:ポリオレフィン製の多孔質膜
アルカリ水溶液4:KOH水溶液(濃度 6規定)
電源20:直流電源
(B.水電解)
電源20により、2.5mA/cm2の電流が第1電極1と第2電極2に供給された。第1電極1において水素ガスの発生が確認された。水素ガス発生時の電圧が測定された。さらに、水素ガスの圧力が測定された。
(C.放電)
第2電極2において、水酸化ニッケルがすべてオキシ水酸化ニッケルに変化した。その後、外部回路40を通じて、第2電極2と第3電極3とが接続された。第2電極2と第3電極3との間に、0.1Vの電圧が印加された。これにより、第2電極2においてオキシ水酸化ニッケルが水酸化ニッケルに還元された。第3電極3において酸素ガスの発生が確認された。酸素ガス発生時の電圧が測定された。
本実施例においては、水素ガス発生時の電圧と、酸素ガス発生時の電圧との和が電解電圧とされた。電解電圧は下記表1に示される。
《No.2からNo.5》
下記表1に示される各種の水素吸蔵合金が調製された。各種の水素吸蔵合金が使用されることを除いては、No.1と同様に、供試装置が組み立てられた。各供試装置において、電解電圧と、水素ガスの圧力とが測定された。
Figure 0007248531000001
<結果>
No.1からNo.3においては、水素ガスの圧力が0.2MPa以上であった。陰極材料として使用された水素吸蔵合金が、0.2MPa以上の平衡解離圧を有していたためと考えられる。
No.4およびNo.5においては、水素ガスの圧力が0.01MPaであった。陰極材料として使用された水素吸蔵合金が、0.01MPa程度の平衡解離圧を有していたためと考えられる。
No.1からNo.5における電解電圧は、いずれも1.6V程度であった。
本実施形態および本実施例は、すべての点で例示である。本実施形態および本実施例は、制限的ではない。特許請求の範囲の記載によって確定される技術的範囲は、特許請求の範囲の記載と均等の意味におけるすべての変更を含む。特許請求の範囲の記載によって確定される技術的範囲は、特許請求の範囲の記載と均等の範囲内におけるすべての変更も含む。
1 第1電極、2 第2電極、3 第3電極、4 アルカリ水溶液、10 水電解セル、20 電源、30 放電セル、40 外部回路、50 切替スイッチ、100 製造装置。

Claims (9)

  1. 水電解セルと電源とを含み、
    前記水電解セルは、第1電極と、第2電極と、アルカリ水溶液とを含み、
    前記第1電極と前記第2電極とは、それぞれ前記アルカリ水溶液に接触しており、
    前記第1電極と前記第2電極とは、互いに離れて配置されており、
    前記第1電極は、水素吸蔵合金を含み、
    前記水素吸蔵合金は、20℃において0.2MPa以上の平衡解離圧を有し、
    前記第1電極と、前記第2電極とは、それぞれ前記電源に接続されており、
    前記電源は、前記第1電極が陰極となり、かつ前記第2電極が陽極となるように、両極間に電圧を印加し、
    前記アルカリ水溶液の電気分解により、前記第1電極において水素ガスが発生
    前記水素吸蔵合金は、組成式:
    La s Ce t Pr u Nd v Ni w Co x Mn y Al z
    により表され、
    前記組成式中、s、t、u、v、w、x、yおよびzは、各元素の比を示し、
    0.2≦s≦0.3、
    0.5≦t≦0.6、
    0≦u≦0.1、
    0.1≦v≦0.2、
    3.9≦w≦4.2、
    0.6≦x≦0.8、
    0≦y≦0.4、かつ
    0≦z≦0.1
    の関係を満たす、
    水素ガスの製造装置。
  2. 前記第2電極は、水酸化ニッケルを含む、
    請求項1に記載の水素ガスの製造装置。
  3. 放電セルと外部回路とをさらに含み、
    前記放電セルは、前記第2電極の一部と、第3電極と、水とを含み、
    前記第2電極の前記一部と、前記第3電極とは、それぞれ水に接触しており、
    前記第2電極の前記一部と、前記第3電極とは、互いに離れて配置されており、
    前記外部回路を通じて、前記第2電極と前記第3電極とが接続されることにより、前記第2電極が還元され、かつ前記第3電極において酸素ガスが発生する、
    請求項に記載の水素ガスの製造装置。
  4. 前記第3電極は、ニッケルを含む、
    請求項に記載の水素ガスの製造装置。
  5. 第1電極と第2電極とを、それぞれアルカリ水溶液に接触させること、
    および
    前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加することにより、前記アルカリ水溶液を電気分解すること、
    を含み、
    前記第1電極と前記第2電極とは、互いに離れて配置され、
    前記第1電極が陰極となり、かつ前記第2電極が陽極となるように、両極間に電圧が印加され、
    前記第1電極は、水素吸蔵合金を含み、
    前記水素吸蔵合金は、20℃において0.2MPa以上の平衡解離圧を有し、
    前記アルカリ水溶液の電気分解により、前記第1電極において水素ガスが発生
    前記水素吸蔵合金は、組成式:
    La s Ce t Pr u Nd v Ni w Co x Mn y Al z
    により表され、
    前記組成式中、s、t、u、v、w、x、yおよびzは、各元素の比を示し、
    0.2≦s≦0.3、
    0.5≦t≦0.6、
    0≦u≦0.1、
    0.1≦v≦0.2、
    3.9≦w≦4.2、
    0.6≦x≦0.8、
    0≦y≦0.4、かつ
    0≦z≦0.1
    の関係を満たす、
    水素ガスの製造方法。
  6. 前記第2電極は、水酸化ニッケルを含む、
    請求項に記載の水素ガスの製造方法。
  7. 電気分解によって酸化された前記第2電極を放電させること、
    をさらに含み、
    前記第2電極の一部と、第3電極とが、それぞれ水に接触させられ、
    前記第2電極の前記一部と、前記第3電極とが、互いに離れて配置され、
    外部回路を通じて、前記第2電極と前記第3電極とが接続されることにより、前記第2電極が還元され、かつ前記第3電極において酸素ガスが発生する、
    請求項に記載の水素ガスの製造方法。
  8. 前記第3電極は、ニッケルを含む、
    請求項に記載の水素ガスの製造方法。
  9. アルカリ水電解の陰極材料として使用される水素吸蔵合金であって、
    20℃において0.2MPa以上の平衡解離圧を有
    組成式:
    La s Ce t Pr u Nd v Ni w Co x Mn y Al z
    により表され、
    前記組成式中、s、t、u、v、w、x、yおよびzは、各元素の原子比を示し、
    0.2≦s≦0.3、
    0.5≦t≦0.6、
    0≦u≦0.1、
    0.1≦v≦0.2、
    3.9≦w≦4.2、
    0.6≦x≦0.8、
    0≦y≦0.4、かつ
    0≦z≦0.1
    の関係を満たす、
    水素吸蔵合金。
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