JP2016204336A - 整髪剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】使用性の改善された整髪剤組成物の提供。
【解決手段】成分(A)及び(B)を含有し、成分(A)の含有量が0.02〜4質量%である整髪剤組成物。(A)式(1)で表されるオルガノポリシロキサングラフトポリマー
Figure 2016204336

(B)アニオン性増粘ポリマー
【選択図】なし

Description

本発明は、整髪剤組成物に関する。
整髪料においては、整髪料中に含まれる粘着性ポリマーや強靭な皮膜を形成する被膜形成性ポリマーのセット力によって、髪型をセットするのが一般的である。また、ポリマーの含有量を増加させることによって、セット保持力を向上させることが可能であるが、べたつきが生じることや滑らかな手触りを損なってしまう。
更に、ここ数年のナチュラル志向の高まりに伴い、より自然な仕上がり感や生まれ持った髪に近い手触り感で整髪することができ、その髪型を維持できることが要求されるようになっている。
このような要求に対し、例えば、特許文献1では、毛髪に柔軟な感触と自然な仕上がり感を与え、毛髪のセット時及びセット後のべたつきが少なく、髪型を強固に固定し、長時間持続できる毛髪化粧料として、主鎖であるオルガノポリシロキサンセグメントの側鎖に、N,N-ジメチルアクリルアミド由来が50質量%以上である不飽和単量体由来の重合体セグメントを、特定の比率で有するオルガノポリシロキサングラフトポリマーを含有する毛髪化粧料が提案されている。また、特許文献2では、濡れ髪、乾き髪のどちらに適用しても高いまとまり性、なめらかでやわらかな感触を付与し、かつべたつき感のない毛髪化粧料として、特定のポリN-アシルアルキレンイミンオルガノポリシロキサンと、アクリロイルジメチルタウリン塩とアクリル酸ヒドロキシエチルとの共重合体とを併用する毛髪化粧料が提案されている。
一方、近年、自然なまとまり性のある仕上がりを追及する整髪剤組成物においては、濡れ髪、乾き髪のどちらに適用しても塗布時にべたつかず、塗布後に高いまとまり性、自然な仕上がり感、経時でも高いスタイル持続性を付与することができるだけでなく、日常生活における振動や風等や髪を触る動作等の物理的な外力によって毛先が広がってしまった場合でも、ドライヤーやアイロン等の加熱器具を使わずに手で整えるだけで簡単に元のまとまり性のあるスタイルに戻すことができることが求められている。
国際公開第2014/002707号パンフレット 特開2013-40162号公報
しかし、特許文献1に記載のオルガノポリシロキサングラフトポリマーを含有する毛髪化粧料は、物理的な外力で髪形が崩れた場合には手で整えるだけでは元のスタイルに戻すことができず、加熱が必要となる。また、この毛髪化粧料を乾いた髪に塗布する場合には、毛髪上に均一に塗り広げにくく、ムラづきしてしまう結果、直後のまとまり性が不十分となるという問題があった。
また、特許文献2に記載の毛髪処理剤は、風や外力などの物理的な力で髪形が崩れた場合に、手で整えて元のスタイルに戻すという点においては不十分であった。
従って本発明は、乾いた髪に塗布する場合であっても、べたつかず、毛髪全体に塗り広げやすく、整髪後の毛髪同士のまとまり性及び柔軟な感触を維持したまま、外力によって乱れても再び手ぐしで元に戻すことのできる整髪剤組成物に関する。
本発明者らは、前記要求を全て満たすためには、整髪剤組成物が毛髪の長さ方向(毛先、根元)だけでなく、毛束の外側、内側まで薄く均一に塗布することができる液性を有し、かつ乾燥後には適度な粘着性を有することが必要と考え、検討を行った。その結果、特定のオルガノポリシロキサングラフトポリマーとアニオン性増粘ポリマーとを組み合わせることによって、前記要求を全て満たす整髪剤組成物が得られることを見出した。
本発明は、成分(A)及び(B)を含有し、成分(A)の含有量が0.02質量%以上4質量%以下である整髪剤組成物を提供するものである。
(A) 下記一般式(1)で表されるオルガノポリシロキサングラフトポリマー
Figure 2016204336
〔式中、
1は同一でも異なってもよく炭素数1〜8のアルキル基を示し、
2は同一でも異なってもよく、水酸基、又は炭素数1〜22の炭化水素基を示し、
3はヘテロ原子を含んでいてもよいアルキレン基を示し、
4は水素原子又はメチル基を示し、
5は同一でも異なってもよく、水素原子、又は水酸基、アミノ基若しくはモノ若しくはジC1-4アルキルアミノ基が置換していてもよい炭素数1〜8の炭化水素基を示し、
pは50以上2000以下の数を示し、qは3以上50以下の数を示し、mは10以上100以下の数を示す。
ただし、m個の繰り返し単位中、2つのR5が共にメチル基である繰り返し単位の比率が50質量%以上100質量%以下である。〕
(B) アニオン性増粘ポリマー
本発明の整髪剤組成物は,毛髪の長さ方向(根元、毛先)だけでなく、毛束の外側、内側方向にも薄く均一に塗り広げることができる液性を有し、かつ、乾燥後は適度な粘着性を有することから、塗布時にはべたつかず、塗布後にはまとまりがよく、手触りも自然であり、更には外力により髪形が乱れたとしても、手ぐしを通して簡単に元に戻すことができる。
〔成分(A):一般式(1)で表されるオルガノポリシロキサングラフトポリマー〕
成分(A)は、主鎖としてオルガノポリシロキサンセグメントを有し、側鎖として不飽和単量体由来重合体セグメントを有するオルガノポリシロキサングラフトポリマーであり、主鎖と側鎖とが特定質量比率となっている。なお、成分(A)において、上記不飽和単量体由来の重合体セグメント(以下、単に「重合体セグメント(b)」と称する)とは、一般式(1)中のm個のカッコで囲まれた繰り返し単位からなる部分をいい、オルガノポリシロキサンセグメント(a)とは、一般式(1)中の重合体セグメントを除く全体をいう。
一般式(1)において、R1は炭素数1〜8のアルキル基であり、アルキル基としては、直鎖、分岐鎖、又は環状のアルキル基が挙げられる。成分(A)のグラフトポリマーの水分散性の観点から炭素数1以上6以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が好ましく、炭素数1以上4以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基がより好ましく、炭素数1以上3以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基がより好ましく、メチル基が更に好ましい。
2は、水酸基、炭素数1〜22の炭化水素基であり、炭素数1〜22の炭化水素基としては、飽和でも不飽和でもよく、また直鎖でも分岐鎖でもよいが、直鎖又は分岐鎖のアルキル基が好ましい。R2としてより好ましくは、水酸基又は炭素数1〜8の炭化水素基であり、炭素数1〜8の炭化水素基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が挙げられる。それらの中でも水酸基、又はメチル基が更に好ましく、メチル基が更に好ましい。
3は、ヘテロ原子を含んでいてもよいアルキレン基であり、その炭素数は、成分(A)のグラフトポリマー製造時の原料の入手性の観点から、好ましくは2以上、より好ましくは3以上であり、また、成分(A)のグラフトポリマーの水分散性の観点から、好ましくは20以下、より好ましくは10以下、更に好ましくは8以下である。
本発明において、ヘテロ原子を含んでいてもよいアルキレン基は、酸素原子、硫黄原子、−NH−、−COO−、−NHCO−、及び−NR31CO−から選ばれる1つ以上の原子又は官能基によって分断されていてもよい。すなわち、ヘテロ原子を含んでいてもよいアルキレン基は、「−(アルキレン基部分1)−(上記の原子又は官能基)−(アルキレン基部分2)−」という構造であってもよく、この場合、アルキレン基の炭素数とは、アルキレン基部分1の炭素数及びアルキレン基部分2の炭素数の和、すなわちアルキレン基を分断している上記の原子又は官能基以外の部分の炭素数の和をいう。ここでR31は、炭素数1以上3以下のアルキル基である。ヘテロ原子を含んでいてもよいアルキレン基が上記原子又は官能基によって分断されている場合は、成分(A)のグラフトポリマーの製造の容易さの観点から、−NHCO−によって分断されていることが好ましい。
本発明において、ヘテロ原子を含んでいてもよいアルキレン基は、水酸基、アミノ基、アルキル(炭素数1以上3以下)アミノ基、ジアルキル(炭素数1以上3以下)アミノ基、アミノ基と炭素数2以上4以下の脂肪酸が脱水縮合して得られるアミド基、カルボキシ基、及びアルキル(炭素数1以上3以下)エステル基から選ばれる1つ以上の1価の基が置換していてもよい。この場合、ヘテロ原子を含んでいてもよいアルキレン基の炭素数には、これら置換基の炭素数を含まない。成分(A)のグラフトポリマー製造時の原料入手性の容易さの観点から、ヘテロ原子を含んでいてもよいアルキレン基は、アセトアミド基、アルキル(炭素数1以上3以下)アミノ基、及びアミノ基から選ばれる1つ以上の1価の基が置換していることが好ましい。
本発明において、ヘテロ原子を含んでいてもよいアルキレン基は、−O−、−S−、−NH−、−NR32−、及び−COO−から選ばれる、2価のヘテロ原子、又はヘテロ原子を含む2価の基が置換していてもよい。ここでR32はジメチルアミノ基が置換していてもよいアルキル基(炭素数1以上3以下)である。該ヘテロ原子、又はヘテロ原子を含む2価の基は、ヘテロ原子を含んでいてもよいアルキレン基が不飽和単量体由来の重合体セグメントとの連結基として働く場合には、不飽和単量体由来の重合体セグメントと結合している。その他の場合は水素原子と結合している。成分(A)のグラフトポリマーの製造の容易性の観点から、ヘテロ原子を含んでいてもよいアルキレン基は、−S−が置換していることが好ましい。
ヘテロ原子を含んでいてもよいアルキレン基(R3)は、該ヘテロ原子、好ましくは窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子、より好ましくは硫黄原子を介して不飽和単量体由来の重合体セグメントと結合していることが好ましい。
したがって、R3で表される「ヘテロ原子を含んでいてもよいアルキレン基」には、
(ア)無置換のアルキレン基、
(イ)酸素原子、硫黄原子、−NH−、−COO−、−NHCO−、及び−NR31CO−から選ばれる1つ以上の原子又は官能基によって分断されたアルキレン基、
(ウ)水酸基、アミノ基、アルキル(炭素数1以上3以下)アミノ基、ジアルキル(炭素数1以上3以下)アミノ基、アミノ基と炭素数2以上4以下の脂肪酸が脱水縮合して得られるアミド基、カルボキシ基及びアルキル(炭素数1以上3以下)エステル基から選ばれる1つ以上の1価の基が置換しているアルキレン基、
(エ)−O−、−S−、−NH−、−NR32−及び−COO−から選ばれる2価のヘテロ原子、又はヘテロ原子を含む2価の基が置換したアルキレン基
のほか、上記(イ)、(ウ)、(エ)の2以上の組合せからなるアルキレン基が該当する。
3のヘテロ原子を含んでいてもよいアルキレン基の具体例としては、下記式(i)〜(xii)が例示される。中でも成分(A)のグラフトポリマーの製造上の容易さの観点から、下記式(xi)及び(xii)が好ましい。
Figure 2016204336
式(i)〜(xii)中、*は、前記一般式(1)におけるケイ素原子に結合する部位を表し、**は、不飽和単量体由来の重合体セグメントに結合する部位を表す。
式(xii)中、X31は−O−、−OCO−、−COO−、−CONH−、−NHCO−から選ばれる一種以上であり、成分(A)のグラフトポリマーの製造上の容易さの観点から−CONH−又は−NHCO−が好ましく、−NHCO−がより好ましい。
また、式(xii)中、R33は、水酸基、アミノ基、アルキル(炭素数1以上3以下)アミノ基、ジアルキル(炭素数1以上3以下)アミノ基、アミノ基と炭素数2以上4以下の脂肪酸が脱水縮合して得られるアミド基、カルボキシ基及びアルキル(炭素数1以上3以下)エステル基から選ばれる1つ以上の1価の基が置換していてもよいアルキレン基である。置換基としては、製造時の原料入手性の観点から、アセトアミド基、アルキル(炭素数1以上3以下)アミノ基、及びアミノ基であることが好ましい。R33で表されるアルキレン基の炭素数は、成分(A)のグラフトポリマーの製造上の容易さの観点から、好ましくは2以上、より好ましくは3以上であり、また、成分(A)のグラフトポリマーの水分散性の観点から、好ましくは10以下、より好ましくは6以下である。
33の具体例としては、下記式(xiii)〜(xv)が挙げられる。
Figure 2016204336
式(xiv)中、X-は塩化物イオン、臭化物イオン等のハロゲン化物イオン、酢酸イオン、アルキル(炭素数1以上3以下)硫酸イオン等のアニオンを表す。
4は、水素原子又はメチル基を示すが、その中でも水素原子が好ましい。
5は同一でも異なってもよく、水素原子、又は水酸基、アミノ基若しくはモノ若しくはジC1-4アルキルアミノ基が置換していてもよい炭素数1〜8の炭化水素基を示す。R5における炭素数1〜8の炭化水素基としては、飽和でも不飽和でもよく、また直鎖でも分岐鎖でもよいが、直鎖又は分岐鎖のアルキル基が好ましい。R5としては、水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert-ブチル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ジメチルアミノプロピル基が好ましい。このうち水素原子、メチル基、tert-ブチル基が好ましい。
1〜R5は、R1、R2がメチル基であり、R3が式(xii)であり、R4が水素原子であり、R5が同一でも異なっていてもよい水素原子、メチル基及びtert-ブチル基から選ばれるものであるポリマーがより好ましい。更にはポリシリコーン-28のINCI名を有するポリマーが好ましい。
ただし、成分(A)の良好な水分散性の観点より、一般式(1)中のm個の繰り返し単位中、2つのR5が共にメチル基である繰り返し単位の比率は、50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは75質量%以上であり、また、毛髪をセットした後の毛髪のべたつき軽減の観点から、100質量%以下、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下である。
pは、毛髪をセットした後の毛髪のべたつき低減の観点より、50以上、好ましくは80以上、より好ましくは100以上であり、また、2000以下、好ましくは1300以下、より好ましくは700以下である。qは、成分(A)のグラフトポリマーの水分散性の観点より、3以上、好ましくは5以上であり、また、50以下、好ましくは30以下である。mは、良好なセット性と、成分(A)のグラフトポリマーの良好な水分散性の観点より、10以上、好ましくは15以上、より好ましくは20以上であり、また、100以下、好ましくは70以下、より好ましくは50以下である。
また、成分(A)の水分散性の観点、及び毛髪をセットした後の毛髪のベタツキ軽減の観点から、オルガノポリシロキサンセグメント(a)と重合体セグメント(b)の質量比(a/b)は、好ましくは10/90以上、より好ましくは20/80以上、更に好ましくは30/70以上、更に好ましくは35/65以上であり、また好ましくは70/30以下、より好ましくは60/40以下、更に好ましくは50/50以下である。
なお、本明細書において、前記質量比(a/b)は、成分(A)のグラフトポリマーが後述のラジカル反応性オルガノポリシロキサンから製造される場合には、「製造時に投入されるラジカル反応性オルガノポリシロキサンの総質量(c)」と、「製造時に投入される不飽和単量体の総質量(d)」から「製造時に生成するオルガノポリシロキサンに結合していない不飽和単量体由来の重合体の総質量(e)」を差し引いた値」との比(c/(d−e))と同一であるとみなす(下式(I))。
a/b = c/(d−e) (I)
また、成分(A)のグラフトポリマー分子において、隣接する不飽和単量体由来の重合体セグメント間におけるオルガノポリシロキサンセグメントの数平均分子量(MNg)(以下、「グラフト点間分子量」ということがある)は、成分(A)のオルガノポリシロキサングラフトポリマーを含有する整髪剤組成物で毛髪をセットした場合のセット力とセット後の毛髪形状の保持力の向上の観点から、好ましくは500以上、より好ましくは700以上、更に好ましくは1,000以上、更に好ましくは1,500以上であり、成分(A)のグラフトポリマーの水分散性の観点から、好ましくは1万以下、より好ましくは5,000以下、更に好ましくは3,000以下、更に好ましくは2,500以下である。
ここで、「隣接する不飽和単量体由来の重合体セグメント間におけるオルガノポリシロキサンセグメント」とは、下記式に示すように、不飽和単量体由来の重合体セグメントのオルガノポリシロキサンセグメントに対する結合点(結合点A)から、これに隣接する不飽和単量体由来の重合体セグメントの結合点(結合点B)までの2点間において破線で囲まれた部分であって、1つのR1SiO単位と、1つのR3と、y+1個のR1 2SiO単位とから構成されるセグメントをいう。
Figure 2016204336
式中、R1及びR3は前記一般式(1)と同じ意味を示し、−W−R6は不飽和単量体由来の重合体セグメントを示し、R6は重合開始剤の残基又は水素原子を示し、yは正の数を示す。
グラフト点間分子量は、上記式において破線で囲まれた部分の分子量の平均値であって、不飽和単量体由来の重合体セグメント1モル当たりのオルガノポリシロキサンセグメントの質量(g/mol)と解することができる。グラフト点間分子量は、成分(A)のグラフトポリマーが後述のラジカル反応性オルガノポリシロキサンから製造される場合であって、かつすべてのラジカル反応性官能基と不飽和単量体由来の重合体とが結合している場合には、ラジカル反応性オルガノポリシロキサンの単位質量当たりに存在するラジカル反応性官能基モル数(mol/g)の逆数の値と同一とみなされる。
また、主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントの重量平均分子量(MWsi)は、本発明の整髪剤組成物で毛髪をセットした場合のセット力及びセット後の毛髪形状の保持力の観点から、好ましくは3,000以上、より好ましくは5,000以上、更に好ましくは1万以上、更に好ましくは15,000以上である。MWsiは、成分(A)のグラフトポリマーの水分散性の観点から、好ましくは20万以下、より好ましくは10万以下、更に好ましくは6万以下、更に好ましくは5万以下である。
成分(A)のオルガノポリシロキサングラフトポリマーが後述のラジカル反応性オルガノポリシロキサンから製造される場合には、オルガノポリシロキサンセグメントは、ラジカル反応性オルガノポリシロキサンと共通の骨格を有するため、MWsiはラジカル反応性オルガノポリシロキサンの重量平均分子量(MWra)と略同一であり、本発明においては同一と見なす。なお、MWraは、実施例に記載の測定条件によるゲル浸透クロマトグラフ法(GPC)で測定し、ポリスチレン換算したものである。
成分(A)のグラフトポリマーの重量平均分子量(MWt)は、本発明の整髪剤組成物で毛髪をセットした場合のセット力及びセット後の毛髪形状の保持力の観点から、好ましくは10,000以上、より好ましくは14,000以上、更に好ましくは17,000以上、更に好ましくは30,000以上であり、成分(A)のグラフトポリマーの水分散性の観点から、好ましくは200,000以下、より好ましくは160,000以下、更に好ましくは130,000以下、更に好ましくは95,000以下である。当該範囲内であれば、十分な皮膜強度を確保でき、加えて水分散性が優れるようになり、また、べたつかず、かつセット力及びセット後の毛髪形状の保持力がより一層向上したものとすることができる。
本明細書において、MWtは、実施例に記載の測定条件によるGPCで測定し、ポリスチレン換算したものである。
また、成分(A)のグラフトポリマーをラジカル反応性オルガノポリシロキサンから製造する場合に、MWraと前述の質量比(a/b)の逆数から下式(II)を用いて得られる成分(A)のグラフトポリマーの計算上の重量平均分子量(MWtcalc)は、本発明の整髪剤組成物で毛髪をセットした場合のセット力及びセット後の毛髪形状の保持力の観点から、好ましくは10,000以上、より好ましくは14,000以上、更に好ましくは17,000以上、更に好ましくは30,000以上であり、成分(A)のグラフトポリマーの水分散性の観点から、好ましくは200,000以下、より好ましくは160,000以下、更に好ましくは130,000以下、更に好ましくは95,000以下である。
MWtcalc = MWra × {1+質量比(b/a)} (II)
(オルガノポリシロキサングラフトポリマーの製造)
成分(A)のオルガノシロキサングラフトポリマーを製造する方法としては、特許文献1に記載の方法が挙げられる。具体的には、下記一般式(1a)で表されるラジカル反応性オルガノポリシロキサンに、(メタ)アクリルアミド系単量体をラジカル重合させるグラフト−フロム法が挙げられる。
Figure 2016204336
〔式中、R1、R2、p及びqは前記一般式(1)と同じ意味を示し、R7はラジカル反応性官能基を有するアルキル基(以下「ラジカル反応性基含有アルキル基」ともいう)を表す。〕
ここで、ラジカル反応性官能基とは、ラジカルを発生し得る官能基のことをいい、例えば、エチレン性不飽和基、クロロ基やブロモ基等のハロゲノ基、スルファニル基(メルカプト基)等が挙げられる。これらの中では不飽和単量体との反応性、分子量制御の観点から、スルファニル基が好ましい。
一般式(1a)において、R7で示されるラジカル反応性基含有アルキル基の炭素数は、ラジカル反応性オルガノポリシロキサンの入手の容易性の観点から、好ましくは2以上、より好ましくは3以上であり、また、成分(A)のグラフトポリマーの水分散性の観点から、好ましくは20以下、より好ましくは10以下、更に好ましくは8以下である。
なお、本発明において、ラジカル反応性基含有アルキル基の炭素数には、ラジカル反応性官能基が炭素を有する場合であってもラジカル反応性官能基の炭素数は含まれず、またラジカル反応性基含有アルキル基が前述の1価の基が置換したものであった場合も、該1価の基の炭素数は含まれない。
一般式(1a)において、R7で示されるラジカル反応性基含有アルキル基には、水酸基、アミノ基、アルキル(炭素数1以上3以下)アミノ基、ジアルキル(炭素数1以上3以下)アミノ基、アミノ基と炭素数2以上4以下の脂肪酸が脱水縮合して得られるアミド基、カルボキシ基及びアルキル(炭素数1以上3以下)エステル基から選ばれる1つ以上の1価の基が置換していてもよい。これら置換基のうち、ラジカル反応性オルガノポリシロキサンの製造時の原料入手の容易さの観点から、アセトアミド基、アルキル(炭素数1以上3以下)アミノ基、アミノ基が好ましい。
一般式(1a)において、R7で示されるラジカル反応性基含有アルキル基は、酸素原子、硫黄原子、−NH−、−COO−、−NHCO−、及び−NR71CO−から選ばれる1つ以上の原子又は官能基によって分断されていてもよい。ここでR71は、炭素数1以上3以下のアルキル基である。ラジカル反応性基含有アルキル基が上記原子又は官能基によって分断されている場合は、ラジカル反応性オルガノポリシロキサンの入手性又は製造の容易さの観点から、−NHCO−によって分断されていることが好ましい。
本発明におけるラジカル反応性基含有アルキル基の具体例としては、下記式(xvi)〜(xix)で表される基が挙げられ、中でもラジカル反応性オルガノポリシロキサンの製造上、又は入手の容易さの観点から、下記式(xviii)、(xix)が好ましい。式(xix)中のX71及びR72、並びにそれらの好ましい様態は、それぞれ前記式(xii)中のX31及びR33、並びにそれらの好ましい様態と同様である。
Figure 2016204336
一般式(1a)で表されるオルガノポリシロキサンの重量平均分子量は、セット力及びセット後の毛髪形状の保持力の観点から、好ましくは3,000以上、より好ましくは5,000以上、更に好ましくは10,000以上、更に好ましくは15,000以上であり、また、成分(A)の良好な水分散性の観点から、好ましくは200,000以下、より好ましくは100,000以下、更に好ましくは60,000以下、更に好ましくは50,000以下である。
一般式(1a)で表されるオルガノポリシロキサンの単位質量当たりに存在するラジカル反応性基のモル数は、セット力及びセット後の毛髪形状の保持力の向上の観点から、好ましくは1/500mol/g以下、より好ましくは1/700mol/g以下、更に好ましくは1/1,000mol/g以下であり、また、成分(A)の良好な水分散性の観点から、好ましくは1/10,000mol/g以上、より好ましくは1/5,000mol/g以上、更に好ましくは1/3000mol/g以上である。
一般式(1a)で表されるオルガノポリシロキサンとラジカル反応させる(メタ)アクリルアミド系単量体としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジエチルアクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド、N-t-ブチルアクリルアミド、N,N-ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N-メチロールアクリルアミド、N-ヒドロキシエチルアクリルアミド等が挙げられる。本発明においては、この(メタ)アクリルアミド系単量体のうち、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミドが、50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは75質量%以上であり、また、100質量%以下、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下である。
ラジカル反応性オルガノポリシロキサンの存在下、不飽和単量体を重合させる方法は特に限定されず、バルク重合法、溶液重合法、懸濁重合法等を採用しうるが、特に溶液重合法が好ましい。
重合開始剤としては、2,2'-アゾビスイソブチロニトリル、2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系開始剤、過酸化ラウロイル、過酸化ベンゾイル等の過酸化物系開始剤、過硫酸アンモニウム等の過硫酸系開始剤等が挙げられる。また光照射等によりラジカルを発生させることにより重合を開始してもよい。重合開始剤としては、反応性の観点から、2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)が好ましい。
本発明の整髪剤組成物中における成分(A)の含有量は、良好なまとまり性と髪が乱れた際の再整髪性の観点から、0.02質量%以上であって、好ましくは0.03質量%以上、より好ましくは0.04質量%以上、更に好ましくは0.045質量%以上であり、また、整髪剤の毛髪上での伸ばしやすさ、及び毛束の内側への広がりやすさの観点から、4質量%以下であって、好ましくは3質量%以下、より好ましくは2質量%以下、更に好ましくは1質量%以下である。
〔成分(B):アニオン性増粘ポリマー〕
アニオン性増粘ポリマーとしては、ポリアクリル酸(Noveon社:カーボポール941、981)、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体(Noveon社:カーボポールETD2020)、低級アルキルビニルエ―テル/無水マレイン酸共重合体の末端不飽和ジエン化合物による部分架橋ポリマーの加水分解物又はそのモノアルキルエステル(ASHLAND社:スタビリーゼ06、スタビリーゼQM)、カラギーナン(例えば、三菱レーヨン社:ソアギーナLX22、ML210)、キサンタンガム(例えば、大日本住友製薬社:エコーガムT)、ウェランガム(例えば、三晶株式会社:K1C376、K1A96)、ヒドロキシプロピルキサンタンガム(例えば、大日本住友製薬社:ラボールガムEX)、テアロキシPGヒドロキシエチルセルローススルホン酸ナトリウム、アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー(例えば、セピック社:シマルゲル,セピノブ)などが挙げられる。
これらのアニオン性増粘ポリマーの中では、カルボキシ基又はスルホン酸基を有するアニオン性増粘ポリマーが好ましく、スルホン酸基を有するアニオン性増粘ポリマーがより好ましく、特にステアロキシPGヒドロキシエチルセルローススルホン酸ナトリウム、アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーがより好ましい。
本発明の整髪剤組成物中における成分(B)の含有量は、整髪剤組成物が乾き髪に対し毛髪の長さ方向(毛先、根元)だけでなく、毛束の外側、内側まで薄く均一に塗布することができる観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、更に好ましくは0.3質量%以上であり、また、整髪剤組成物が、乾き髪に対し毛髪の長さ方向(毛先、根元)だけでなく、毛束の外側、内側まで薄く均一に塗布することができ、かつ塗布時のべたつきのないものとする観点から、好ましく5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、更に好ましくは2質量%以下、更に好ましくは1質量%以下である。
また、成分(A)と成分(B)を併用することで、整髪剤組成物は特異的なレオロジー挙動を示すようになり、乾き髪に対して毛束の根元から毛先及び毛束の表面から内側まで均一に塗り広げることができるようになる。このため、成分(A)と成分(B)との質量比(A)/(B)は、整髪剤組成物が、乾き髪に対し毛髪の長さ方向(毛先、根元)だけでなく、毛束の外側、内側まで薄く均一に塗布することができ、かつまとまり性、外力で毛束を崩した後の再整髪性に優れるものとする観点から、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.02以上、更に好ましくは0.05以上であり、また整髪剤組成物が、乾き髪に対し毛髪の長さ方向(毛先、根元)だけでなく、毛束の外側、内側まで薄く均一に塗布することができ、かつ塗布時のべたつきのなさ、塗布直後の束感のなさに優れるものとする観点から、好ましくは7.0以下、より好ましくは5.0以下、更に好ましくは3.0以下、更に好ましくは1.0以下である。
〔成分(C):成分(A)以外のセットポリマー〕
本発明の整髪剤組成物には、毛先部分や毛束の内側への塗布性を向上させ、まとまり性や、広がってきた毛先を手ぐしで再度まとめて元に戻す性能をより高めるため、更に成分(C)として、成分(A)以外のセットポリマーを含有させることができる。
成分(C)のセットポリマーとしては、特に限定されず、整髪剤に一般的に使用されるセット力の高いものから、セット力の比較的低いものまでいずれのものも使用することができる。いずれのものを用いた場合でも乾燥過程で大きくなったウェーブ径を小さくし、ウェーブを再現する効果、及び目詰まりのし難さを全て満たすことができる。皮膜形成ポリマーの具体例としては、ポリ(N-ホルミルエチレンイミン)オルガノポリシロキサン、ポリ(N-アセチルエチレンイミン)オルガノポリシロキサン、ポリ(N-プロピオニルエチレンイミン)オルガノポリシロキサン等のポリシリコーン-9;特開平2-180911号公報に記載のアルキルアクリルアミド/アクリレート/アルキルアミノアルキルアクリルアミド/ポリエチレングリコールメタクリレート共重合体;特開平8-291206号公報に記載のアルキルアクリルアミド/アルキルアミノアルキルアクリルアミド/ポリエチレングリコールメタクリレート共重合体;ユカフォーマーR205、同M-75(三菱化学社)、RAMレジン(大阪有機化学社)等の(メタクリロイルオキシエチルカルボキシベタイン/メタクリル酸アルキル)コポリマー;ダイヤフォーマーZ-712(三菱化学社)等の(アクリレーツ/アクリル酸ラウリル/アクリル酸ステアリル/メタクリル酸エチルアミンオキシド)コポリマー;ダイヤフォーマーZ-632(三菱化学社)等の(アクリレーツ/アクリル酸ステアリル/メタクリル酸エチルアミンオキシド)コポリマー;ダイヤフィックスC-601(三菱化学社)等の(ビニルアミン/ビニルアルコール)コポリマー;プラスサイズL-9540B(互応化学社)等のアクリル樹脂アルカノールアミン液;ウルトラホールド8、同Strong(以上、BASF社)等のアクリル酸/アクリル酸アミド/アルキル酸エチル共重合体;ルビフレックスSilk(BASF社)等のアクリル酸アルキル・メタクリル酸・シリコン共重合体液;ルビセットShape(BASF社)等のポリアクリレート-22;ルビセットP.U.R.(BASF社)等のポリウレタン-1;バイキュサンC1000、C1001(バイエルマテリアルサイエンス社)等のポリウレタン-34;バイキュサン1003(バイエルマテリアルサイエンス社)等のポリウレタン-32;バイキュサン1004(バイエルマテリアルサイエンス社)等のポリウレタン-35;ルビスコールプラス(BASF社)等のポリビニルカプロラクタム;ルビマー100P、同30E(以上、BASF社)等のアクリル酸アルキル共重合体;アンフォーマーSH-701、同28-4910、同LV-71、同LV-47(以上、ナショナル・スターチ&ケミカル社)等の(オクチルアクリルアミド/アクリル酸ヒドロキシプロピル/メタクリル酸ブチルアミノエチル)コポリマー;アンフォーマーV-42(ナショナル・スターチ&ケミカル社)等の(アクリル酸アルキル/オクチルアクリルアミド)コポリマー;レジン28-2930(ナショナル・スターチ&ケミカル社)等の(VA/クロトン酸/ネオデカン酸ビニル)コポリマー;ダイナムX(ナショナル・スターチ&ケミカル社)等のポリウレタン-14・AMP-アクリレーツコポリマー;ガフカット440、同734(ASHLAND社)等のポリクオタニウム-11;ガフカット HS-100(ASHLAND社)等のポリクオタニウム-28;ガントレッツES-225(ASHLAND社)等の(ビニルメチルエーテル/マレイン酸エチル)コポリマー;アクアフレックスSF-40(ASHLAND社)等の(PVP/ビニルカプロラクタム/アクリル酸DMAPA)コポリマー;アクアフレックスFX-64(ASHLAND社)等の(イソブチレン/エチルマレイミド/ヒドロキシエチルマレイミド)コポリマー;スタイリーゼW-20(ASHLAND社)等のポリクオタニウム-55;スタイリーゼCC-10(ASHLAND社)等の(ビニルピロリドン/アクリル酸DMAPA)コポリマー;PVP/VA735(ASHLAND社)等の(ビニルピロリドン/VA)コポリマー;ルビスコールK-12、17、30、60、80、90(以上、BASF社)、PVP K-15、30、60、90(以上、ASHLAND社)等のポリビニルピロリドンなどが挙げられる。上記セットポリマーの中でも、ポリシリコーン-9、更にはポリ(N-プロピオニルエチレンイミン)オルガノポリシロキサンが好ましい。
(ポリシリコーン-9)
ポリシリコーン-9としては、オルガノポリシロキサンセグメントのケイ素原子の少なくとも1つに、―(CH2)3−N+2−で表される2価の基を介して、下記一般式(2)
Figure 2016204336
〔式中、R8は水素原子、炭素数1〜22のアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基又はアリール基を示し、nは2又は3の数を示す。〕
で表される繰り返し単位からなるポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメントが結合してなり、該オルガノポリシロキサンセグメントと該ポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメントとの質量比が40/60以上98/2以下であり、重量平均分子量が10,000以上500,000以下であるオルガノポリシロキサンが挙げられる。
ポリシリコーン-9は、公知の方法により製造することができ、例えば特開平7-133352号公報に記載の方法に従って、下記一般式(3)
Figure 2016204336
〔式中、R9は同一又は異なって、炭素数1〜22の飽和アルキル基又はフェニル基を示し、R10及びR11はそれぞれR9と同一の基を示すか又は3-アミノプロピル基を示し、R12は3-アミノプロピル基を示し、aは100〜4000の整数を示し、bは1〜300の整数を示す。〕
で表されるオルガノポリシロキサンと、下記一般式(4)
Figure 2016204336
〔式中、R8及びnは前記一般式(2)のR8及びnとそれぞれ同義である。〕
で表される環状イミノエーテルを開環重合して得られる末端反応性ポリ(N-アシルアルキレンイミン)とを反応させることにより製造される。
ポリシリコーン-9において、オルガノポリシロキサンセグメントとポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメントとの質量比は40/60以上98/2以下であるが、高いまとまり性と高い滑らかな感触を得る観点から、好ましくは46/54以上、より好ましくは65/35以上、更に好ましくは70/30以上であり、更に好ましくは82/18以上であり、また、好ましくは98/2以下、より好ましくは97/3以下、更に好ましくは95/5以下、更に好ましくは90/10以下である。なお、この質量比は、ポリシリコーン-9を重クロロホルム中に5質量%溶解させ、核磁気共鳴(1H−NMR)分析により、オルガノポリシロキサンセグメント中のアルキル基又はフェニル基と、ポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメント中のメチレン基の積分比より求めた値をいう。
また、ポリシリコーン-9の隣接するポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメント間におけるオルガノポリシロキサンセグメントの重量平均分子量(MWg)は、まとまり性と滑らかさの向上の観点から、好ましくは1,000以上、より好ましくは1,300以上、更に好ましくは1,700以上であり、また、好ましくは40,000以下、より好ましくは35,000以下、更に好ましくは32,000以下である。
ここで、「隣接するポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメント間におけるオルガノポリシロキサンセグメント」とは、下記式に示すように、ポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメントのオルガノポリシロキサンセグメントに対する結合点(結合点A)から、これに隣接するポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメントの結合点(結合点B)までの2点間において破線で囲まれた部分であって、1つのR9SiO単位と、1つのR13と、y'+1個のR9 2SiO単位とから構成されるセグメントをいう。
Figure 2016204336
〔式中、R9は前記一般式(3)のR9と同じ意味を示し、R13は―(CH2)3−N+2−で表される2価の基を示し、W'はポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメントを示し、R14は重合開始剤の残基を示し、y'は正の数を示す。〕
MWgは、ポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメント1モル当たりのオルガノポリシロキサンセグメントの質量(g/mol)と解することができ、原料化合物である変性オルガノポリシロキサンの官能基がポリ(N-アシルアルキレンイミン)で100%置換されると、変性オルガノポリシロキサンの官能基当量(g/mol)と一致する。
MWgは、主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントの含有率(Csi)とポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメントの分子量(MWox)を用いて下記式により求めることができる。
Figure 2016204336
ポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメントの分子量(MWox)は、後述するゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定法により測定される数平均分子量をいい、好ましくは500以上、より好ましくは800以上、更に好ましくは900以上であり、また、好ましくは10,000以下、より好ましくは6,000以下、更に好ましくは4,000以下である。これにより、毛髪のまとまり効果と滑らかさをより一層向上させることができる。
主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントの重量平均分子量(MWsi)は、なめらかな感触とべたつきのなさを同時に満たす観点から、好ましくは10,000以上、より好ましくは15,000以上、更に好ましくは20,000以上であり、また、好ましくは200,000以下、より好ましくは160,000以下、更に好ましくは120,000以下である。MWsiは、原料化合物である変性オルガノポリシロキサンと共通の骨格を有するため、MWsiは原料化合物である変性オルガノポリシロキサンの重量平均分子量と略同一である。なお、原料化合物である変性オルガノポリシロキサンの平均分子量は、下記測定条件によるGPCで測定し、ポリスチレン換算したものである。
カラム :Super HZ4000+Super HZ2000(東ソー株式会社製)
溶離液 :1mMトリエチルアミン/THF
流量 :0.35mL/min
カラム温度:40℃
検出器 :UV
サンプル :50μL
ポリシリコーン-9の重量平均分子量(MWt)は、10,000以上500,000以下であるが、まとまり性、および滑らかさ、べたつきのなさをより一層向上させる観点から、好ましくは20,000以上、より好ましくは30,000以上、更に好ましくは40,000以上であり、また、好ましくは400,000以下、より好ましくは300,000以下、更に好ましくは200,000以下である。なお、ポリシリコーン-9の重量平均分子量は、原料化合物であるオルガノポリシロキサン(3)の重量平均分子量と、前述のオルガノポリシロキサンセグメントとポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメント)との質量比から求めることができる。
これら成分(A)以外のセットポリマーは、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。本発明の整髪剤組成物中における成分(C)の含有量は、まとまり性と毛束が外力で崩れた際の再整髪性をより高める観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上であり、また、まとまり性や毛束が外力で崩れた際の再整髪性と、自然な手触りとの両立の観点から、好ましくは3質量%以下、より好ましくは2質量%以下、更に好ましくは1.5質量%以下である。
また、成分(C)と成分(A)との質量比(C)/(A)は、本発明の効果を更に高める観点より、好ましくは1/1以上、より好ましくは5/1以上、更に好ましくは10/1以上であり、更に好ましくは15/1以上であり、また、好ましくは30/1以下、より好ましくは27/1以下、更に好ましくは25/1以下である。
〔成分(D):炭素数12〜20の脂肪族アルコール〕
本発明の整髪剤組成物には、更に成分(D)として炭素数12〜20の脂肪族アルコールを含有させることができる。成分(D)の脂肪族アルコールとしては、直鎖又は分岐鎖、飽和又は不飽和のいずれのものでもよい。中でも、炭素数14〜18の脂肪族アルコールが好ましく、また直鎖の飽和脂肪族アルコールが好ましい。具体例としては、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、アラキルアルコール、オクチルドデシルアルコール等が挙げられる。
成分(D)の脂肪族アルコールは、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。本発明の整髪剤組成物中における成分(D)の含有量は、再整髪性の観点、及び不自然な見た目の油性感を与えることなく、整髪後の毛髪に柔らかな感触を付与し、整髪後のまとまりや指通りを改善する観点より、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.2質量%以上であり、更に好ましくは0.5質量%以上であり、また、好ましくは3質量%以下、より好ましくは2質量%以下、更に好ましくは1.5質量%以下である。
本発明の整髪剤組成物には、更に成分(E)としてエステル油を含有させることができる。成分(E)のエステル油としては、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ミルスチン酸オクチルドデシル、ラウリン酸ヘキシル、乳酸セチル、モノステアリン酸プロピレングリコール、オレイン酸オレイル、2-エチルヘキサン酸ヘキサデシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸トリデシル等が挙げられる。
成分(E)のエステル油は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。本発明の整髪剤組成物中における成分(E)の含有量は、再整髪性、整髪剤の毛束の表面における伸ばしやすさ、及び不自然な見た目の油性感を与えることなく、整髪後のしっとり感と良好な指通り性を付与する観点より、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは1質量%以上であり、更に好ましくは2質量%以上であり、また、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは5質量%以下である。
本発明の整髪剤組成物には、更に成分(F)として非イオン界面活性剤を含有させることができる。成分(F)の非イオン界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、高級脂肪酸ショ糖エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、高級脂肪酸モノ又はジエタノールアミド、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、アルキルサッカライド、アルキルアミンオキサイド、アルキルアミドアミンオキサイド等が挙げられる。これらのうち、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、アルキルサッカライドが好ましく、ポリオキシエチレンアルキル(12〜14)エーテル、アルキルポリグルコシドがより好ましい。
成分(F)の非イオン界面活性剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。本発明の整髪剤組成物中における成分(F)の含有量は、再整髪性、整髪剤の毛束の表面における伸ばしやすさ、及び整髪後に不自然な見た目の油性感を与えることなく、塗布時における毛髪への組成物のなじませやすさと良好な感触を両立する観点より、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上であり、更に好ましくは1質量%以上であり、また、好ましくは4質量%以下、より好ましくは3質量%以下、更に好ましくは2質量%以下である。
〔溶媒〕
本発明の整髪剤組成物には、更に溶媒としてエタノール及び/又は水が含有されることが好ましい。本発明の整髪剤組成物中の溶媒の含有量は、組成物に含まれるポリマーや可塑剤の溶解性を良好にする観点から、好ましくは10質量%以上、より好ましくは30質量%以上、更に好ましくは50質量%以上であり、また、好ましくは99.5質量%以下、より好ましくは98質量%以下、更に好ましくは95質量%以下である。
〔他の任意成分〕
本発明の整髪剤組成物には、上記成分のほか、通常の毛髪化粧料に用いられる成分を目的に応じて配合できる。このような成分としては、例えば、エタノール以外の有機溶剤(芳香族アルコール等)、抗フケ剤、ビタミン剤、殺菌剤、抗炎症剤、キレート剤、保湿剤(パンテノール等)、pH調整剤、染料、顔料等の着色剤、植物エキス、パール化剤、香料、紫外線吸収剤、酸化防止剤などが挙げられる。
〔粘度、剤型〕
本発明の整髪剤組成物の形態は、液状、ゲル状、ペースト状、クリーム状等、適宜選択できるが、液状、クリーム状が好ましい。また、本発明の整髪剤組成物は、ジャー、ポンプディスペンサー、エアゾール缶、ポンプミスト等に入れて使用することができる。この中でもポンプディスペンサーに入れて使用することが好ましい。
本発明の整髪剤組成物は、様々な容器に充填することができるので、10〜50,000mPa・sの幅広い粘度領域で好適に使用することができる。ポンプ式容器(ポンプディスペンサー)に入れて使用する場合には、比較的低粘度であることが好ましく、かかる粘度の値は、好ましくは10mPa・s以上、より好ましくは100mPa・s以上、更に好ましくは200mPa・s以上、更に好ましくは1,000mPa・s以上であり、また、好ましくは30,000mPa・s以下、より好ましくは20,000mPa・s以下、更に好ましくは15,000mPa・s以下、更に好ましくは10,000mPa・s以下である。
ここでの粘度は、組成物の粘度が20,000mPa・sまではB型粘度計TVB-10M(東機産業社)で、組成物の粘度が20,000mPa・sを超える場合は、B型粘度計TVB-10R(東機産業社)とT-BAR STAGE TS-10(東機産業社)を併用し、30℃で60秒間回転後の条件で、以下のローター、回転数を用いて測定するものとする。回転数は、組成物の粘度が10mPa・sまでは30rpm、10mPa・sを超え20mPa・sまでは60rpm、20mPa・sを超え20,000mPa・sまでは30rpm、20,000mPa・sを超える場合は5rpmを使用し、また、ローターは、組成物の粘度が10mPa・sまではL/Adp、10mPa・sを超え200mPa・sまではM1、200mPa・sを超え1,000mPa・sまではM2、1,000mPa・sを超え4,000mPa・sまではM3、4,000mPa・sを超え20,000mPa・sまではM4、20,000mPa・sを超え160,000mPa・sまではT-B、160,000mPa・sを超える場合は、T-Cを使用する。
以下の実施例において使用したポリマーの合成方法を示す。
合成例1 オルガノポリシロキサングラフトポリマー(ポリシリコーン-28;成分(A)のポリマー)の合成
(1) ラジカル反応性オルガノポリシロキサンの合成
還流冷却管、温度計、窒素導入管、撹拌装置を取り付けたセパラブルフラスコに反応性官能基を有するオルガノポリシロキサンとして、側鎖一級アミノプロピル変性オルガノポリシロキサン(重量平均分子量30,000、単位質量当たりのアミノ基のモル数;1/2,030mol/g、東レ・ダウコーニング社製)を100g、N-アセチル-DL-ホモシステインチオラクトンを8g仕込んだ。窒素雰囲気下で、100℃に昇温し、3時間撹拌し、スルファニル基を有するラジカル反応性オルガノポリシロキサンを合成した。電位差滴定測定によりアミノ基の残存量を測定したところ、原料とした側鎖一級アミノイソプロピル変性オルガノポリシロキサンのアミノ基の99%がN-アセチル-DL-ホモシステインチオラクトンと反応していた(アミノ基転化率99%)。したがってラジカル反応性オルガノポリシロキサンの単位質量当たりのスルファニル基のモル数は1/2,210mol/gである。GPC測定により求めたラジカル反応性オルガノポリシロキサンの重量平均分子量は、30,000であった。
(2) オルガノポリシロキサングラフトポリマーの合成
還流冷却器、温度計、窒素導入管、撹拌装置を取り付けたセパラブルフラスコにエタノール101.0gを仕込んだ。エタノールを窒素雰囲気下80℃の還流下で撹拌しながら、下記溶液(a)及び溶液(b)をそれぞれ別の滴下ロートに入れ、同時に1時間かけて滴下した。
溶液(a):N,N-ジメチルアクリルアミド(DMAAm)76.8g、N-tert-ブチルアクリルアミド(tBuAAm)19.2g、エタノール96.0gを混合した溶液。
溶液(b):前記(1)にて合成したラジカル反応性オルガノポリシロキサン 64.0g、2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)「V-65B」(和光純薬工業(株)製、アゾ系重合開始剤)0.03g、エタノール43.0gを混合した溶液。
滴下終了後、反応混合物を80℃で3時間撹拌したのち冷却した。反応時間は計4時間である。反応混合物から室温(25℃)、減圧下(20kPa)で4時間かけてエタノールを除去し、オルガノポリシロキサングラフトポリマーを含む混合物を白色固体として得た。上記方法でスルファニル基の残存率を測定したところ、3%であった。
得られた混合物について上記方法に従って、反応終了後のオルガノポリシロキサングラフトポリマーを含む混合物中における、オルガノポリシロキサングラフトポリマーに結合していない不飽和単量体由来の重合体の含有量を測定したところ、29質量%であった。オルガノポリシロキサンセグメント(a)と不飽和単量体由来の重合体セグメント(b)との質量比(a/b)を前記数式(I)により算出したところ、56/44であった。
また、オルガノポリシロキサングラフトポリマーの重量平均分子量は63,000であった。
なお、このポリマーは、一般式(1)中のpは380、qは15、mは27であった。
なお、合成例1によって得られたポリマーの重量平均分子量は、以下の条件を用いてGPC測定を行うことにより求めた。
<GPC測定条件>
カラム:「K-804L」(東ソー(株)製)2つを直列につないで使用。
溶離液:1mMジメチルドデシルアミン/クロロホルム溶液
流量:1.0mL/min
カラム温度:40℃
検出器:RI
サンプル濃度及びサンプル量:5mg/mL,500μL
また、スルファニル基の残存率は以下の方法で求めた。
10mLのスクリュー管に、オルガノポリシロキサングラフトポリマーの50質量%エタノール溶液を0.6g、N-エチルマレイミド(シグマアルドリッチ製)の10質量%エタノール溶液を0.15g、エタノールを0.55g入れ、室温で2時間撹拌した。撹拌終了後、エタノール1gを加え、その溶液をガスクロマトグラフィーにて分析し、N-メチルマレイミド量を定量した。N-メチルマレイミドの消費率からスルファニル基の残存量を算出し、この値とスルファニル基変性オルガノポリシロキサンの単位質量当たりのスルファニル基のモル数から、スルファニル基の残存率を算出した。
また、反応終了後のオルガノポリシロキサングラフトポリマーに結合していない不飽和単量体由来の重合体の含有量の測定は以下のように行った。
重合反応終了後、溶媒を除去した後のオルガノポリシロキサングラフトポリマーを含む混合液中における該不飽和単量体由来の重合体の含有量(質量%)を液体クロマトグラフィにより測定した。測定条件を以下に示す。
[液体クロマトグラフィの測定条件]
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:230nm)
カラム:ODSカラム「L-column ODS」(一般財団法人 化学物質評価研究機構製、サイズ:4.6×150mm、5μm)
カラム温度:30℃付近の一定温度
移動相A:2%リン酸水溶液、移動相B:2%リン酸エタノール溶液
流速:0.5mL/min
サンプル濃度とサンプル量:1〜2mg/mL、10.0μL
合成例2 ヒドロキシエチルセルロースヒドロキシプロピルステアリルエーテルヒドロキシプロピルスルホン酸ナトリウム(成分(B)のポリマー)の合成
1Lニーダー中に、ヒドロキシエチルセルロース(ユニオンカーバイド社製,QP15000H,LOT.W8077P,以下「HEC」)100g及びステアリルグリシジルエーテル0.61g(0.45mol%対HEC)を仕込んだ。装置を密閉し、装置内の脱気(13.3kPa)と窒素置換を3回行い、反応系内の酸素を除去した。窒素置換後、粉体を攪拌しながら室温でイソプロピルアルコール50g(0.5質量倍対HEC)を添加した。5分後48質量%水酸化ナトリウム水溶液6.67g(20mol%)とイオン交換水36.5g(総水量0.4質量倍対HEC)の混合液を、粉体の攪拌を行いながら徐々に加えた。室温で30分攪拌後、80℃まで昇温し、80℃で3時間疎水化反応を行った。疎水化反応終了後、50℃まで冷却し、攪拌しながら、別途調製した2,3-エポキシプロパンスルホン酸ナトリウム水溶液(41.1質量%)31.2g(20mol%対HEC)をゆっくりと添加し、50℃で5時間スルホン化反応を行った。スルホン化反応終了後、酢酸4.8gをゆっくりと添加して中和を行った。30分攪拌後、ニーダー内で減圧乾燥(90℃/100mmHg)を6時間行い、黄白色粉体のステアロキシPGヒドロキシエチルセルローススルホン酸ナトリウムを110g得た。
得られたステアロキシPGヒドロキシエチルセルローススルホン酸ナトリウムの3-ステアリルオキシ-2-ヒドロキシプロピル基の置換度は0.0033、3-スルホ-2-ヒドロキシプロピル基の置換度は0.139、電荷密度は0.54meq/gであった。
合成例3 N-プロピオニルポリエチレンイミン・メチルポリシロキサン共重合体(成分(A')=(C)のポリマー)の合成
硫酸ジエチル6.17g(0.04モル)と2-エチル-2-オキサゾリン93.8g(0.947モル)を脱水した酢酸エチル203gに溶解し、窒素雰囲気下8時間加熱還流し、末端反応性ポリ(N-プロピオニルエチレンイミン)を合成した。MNoxをGPCにより測定したところ、2,500であった。ここに、側鎖一級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン(重量平均分子量26,000、アミン当量(官能基当量)2,000)100gの33%酢酸エチル溶液を一括して加え、10時間加熱還流した。反応混合物から減圧下溶媒を除去し、オルガノポリシロキサンAを淡黄色固体として得た。質量比(a/b)は50/50、MWtは56,000であった。溶媒としてメタノールを使用した塩酸による中和滴定の結果、約20モル%のアミノ基が残存していることがわかった。
実施例1〜12,比較例1〜7
表1〜3に示す整髪剤組成物を調製し、下記方法及び基準に従って、性能評価を行った。
<評価用毛束>
化学的処理履歴の無い中国人直毛で長さ30cm、重さ20gの毛束を作製した。この毛束を、以下に処方を示すモデルシャンプーで洗浄した後、タオルで余分な水分を拭き取り、次いでこの毛束を室温で3時間自然乾燥した後の毛束を評価に用いた。
モデルシャンプーの組成
(質量%)
ポリオキシエチレン(2.5)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム 15.50
ラウリン酸ジエタノールアミド 2.28
エデト酸二ナトリウム 0.10
安息香酸ナトリウム 0.50
オキシベンゾン 0.03
リン酸 0.075
ジブチルヒドロキシトルエン 0.01
塩化ナトリウム 0.80
赤色106号 0.00012
香料 0.26
精製水 バランス
<塗布時の毛束の表面における根元から毛先への組成物の伸ばしやすさ>
乾燥した評価用毛束に対し各組成物0.6gを毛束の根元付近に適用し、両手で毛束を挟み、根元から毛先にかけて組成物を塗り伸ばした。その際に組成物が根元から毛先まで塗り伸ばしやすいか否かについて評価を行った。評価は7名のパネラーに上記操作によって各組成物を用いて処理した際に「組成物を毛先まで伸ばしやすい」/「どちらともいえない」/「組成物を毛先まで伸ばしにくい」のいずれであるのかを択一的に選択させた。「組成物を毛先まで伸ばしやすい」/「どちらともいえない」/「組成物を毛先まで伸ばしにくい」と答えたパネラーの人数を順に示す。
<塗布時の毛束の表面から内側への組成物の広がりやすさ>
<塗布時の毛束の表面における根元から毛先への組成物の伸ばしやすさ>の評価と同様の評価を行い、その際に毛束表面から内側へ組成物が広がりやすいかについて評価を行った。評価は7名のパネラーに上記操作によって各組成物を用いて処理した際に「毛束の内側まで組成物が広がりやすい」/「どちらともいえない」/「毛束の内側まで組成物が広がりにくい」のいずれであるのかを択一的に選択させた。「毛束の内側まで組成物が広がりやすい」/「どちらともいえない」/「毛束内側まで組成物が広がりにくい」と答えたパネラーの人数を順に示す。
<塗布時の毛髪のべたつきのなさ>
<塗布時の毛束の表面における根元から毛先への組成物の伸ばしやすさ>の評価と同様の評価を行った際における毛髪のべたつき感について、7名のパネラーに「べたつきがない」/「どちらともいえない」/「べたつきがある」のいずれであるのかを択一的に選択させた。「べたつきがない」/「どちらともいえない」/「べたつきがある」と答えたパネラーの人数を順に示す。
<塗布直後の束感のなさ>
<塗布時の毛束の表面における根元から毛先への組成物の伸ばしやすさ>の評価と同様の評価を行った後の毛束の外観について、7名のパネラーに「束感がない」/「どちらともいえない」/「束感がある」のいずれであるのかを択一的に選択させた。「束感がない」/「どちらともいえない」/「束感がある」と答えたパネラーの人数を順に示す。
<整髪後の毛束のまとまり性>
<塗布時の毛束の表面における根元から毛先への組成物の伸ばしやすさ>の評価と同様の評価を行った後、手や指を使って髪のばらつきや広がりをまとめた後の毛束のまとまり性について、7名のパネラーに「まとまりがある」/「どちらともいえない」/「まとまりがない」のいずれであるのかを択一的に選択させた。「まとまりがある」/「どちらともいえない」/「まとまりがない」と答えたパネラーの人数を順に示す。
<整髪後の毛束の指通りのよさ>
<整髪後の毛束のまとまり性>の評価を行った後の毛束のごわつき感のなさについて、7名のパネラーに「ごわつきがない」/「どちらともいえない」/「ごわつきがある」のいずれであるのかを択一的に選択させた。「ごわつきがない」/「どちらともいえない」/「ごわつきがある」と答えたパネラーの人数を順に示す。
<外力で毛束の形を崩した後の再整髪性>
<整髪後の毛束のまとまり性>の評価を行った後の毛束を、歯間隔5mmの市販のくし(パーマコーム L-300、滝川社製)を用いて速度約10cm/sで根元から毛先へ10回くし通しを行い、毛束の形をくずした。この毛束を再度手でクシ通し前の形に戻す操作を行ったときの再整髪性について、髪の乱れ・広がりが少なく、毛の細かい飛び出しがなく、手ぐしで元の毛束の形に戻るという観点から評価を行った。評価は7名のパネラーに上記操作を行った際に「手ぐしで再整髪しやすい」/「どちらともいえない」/「手ぐしで再整髪しにくい」のいずれであるのかを択一的に選択させた。「手ぐしで再整髪しやすい」/「どちらともいえない」/「手ぐしで再整髪しにくい」と答えたパネラーの人数を順に示す。
Figure 2016204336
Figure 2016204336
Figure 2016204336

Claims (8)

  1. 成分(A)及び(B)を含有し、成分(A)の含有量が0.02質量%以上4質量%以下である整髪剤組成物。
    (A) 下記一般式(1)で表されるオルガノポリシロキサングラフトポリマー
    Figure 2016204336
    〔式中、
    1は同一でも異なってもよく炭素数1〜8のアルキル基を示し、
    2は同一でも異なってもよく、水酸基、又は炭素数1〜22の炭化水素基を示し、
    3はヘテロ原子を含んでいてもよいアルキレン基を示し、
    4は水素原子又はメチル基を示し、
    5は同一でも異なってもよく、水素原子、又は水酸基、アミノ基若しくはモノ若しくはジC1-4アルキルアミノ基が置換していてもよい炭素数1〜8の炭化水素基を示し、
    pは50以上2000以下の数を示し、qは3以上50以下の数を示し、mは10以上100以下の数を示す。
    ただし、m個の繰り返し単位中、2つのR5が共にメチル基である繰り返し単位の比率が50質量%以上100質量%以下である。〕
    (B) アニオン性増粘ポリマー
  2. 成分(A)と成分(B)との質量比(A)/(B)が0.01以上7.0以下である、請求項1に記載の整髪剤組成物。
  3. 成分(B)を0.1質量%以上5.0質量%以下含有する、請求項1又は2に記載の整髪剤組成物。
  4. 更に、以下の成分(D)を含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の整髪剤組成物。
    (D) 炭素数12〜20の脂肪族アルコール
  5. 更に、以下の成分(E)を含有する、請求項1〜4のいずれかに記載の整髪剤組成物。
    (E) エステル油
  6. 更に、以下の成分(C)を含有する請求項1〜5のいずれかに記載の整髪剤組成物。
    (C) 成分(A)以外のセットポリマー
  7. 成分(C)が、オルガノポリシロキサンセグメントのケイ素原子の少なくとも1つに、―(CH2)3−N+2−で表される2価の基を介して、下記一般式(2)
    Figure 2016204336
    〔式中、R8は水素原子、炭素数1〜22のアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基又はアリール基を示し、nは2又は3の数を示す。〕
    で表される繰り返し単位からなるポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメントが結合してなり、該オルガノポリシロキサンセグメントと該ポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメントとの質量比が40/60以上98/2以下であり、重量平均分子量が10,000以上500,000以下であるオルガノポリシロキサンである、請求項6に記載の整髪剤組成物。
  8. 成分(C)と成分(A)との質量比(C)/(A)が1/1以上30/1以下である、請求項6又は7に記載の整髪剤組成物。
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