JP2016203087A - 硫化物固体電解質材料の製造方法 - Google Patents

硫化物固体電解質材料の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、扁平形状を有し、かつ、平均粒径が小さい硫化物固体電解質材料を得ることができる硫化物固体電解質材料の製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明においては、硫化物固体電解質の粗粒材料を準備する準備工程と、上記粗粒材料を、破砕メディアを用いた粉砕装置により微粒化することで、扁平形状を有する硫化物固体電解質材料を形成する微粒化工程とを有し、上記破砕メディアを撹拌する回転体の周速が12m/s以上であり、上記扁平形状を有する硫化物固体電解質材料の平均粒径が1.9μm以下であることを特徴とする硫化物固体電解質材料の製造方法を提供することにより、上記課題を解決する。
【選択図】図4

Description

本発明は、扁平形状を有し、かつ、平均粒径が小さい硫化物固体電解質材料を得ることができる硫化物固体電解質材料の製造方法に関する。
近年におけるパソコン、ビデオカメラおよび携帯電話等の情報関連機器や通信機器等の急速な普及に伴い、その電源として利用される電池の開発が重要視されている。また、自動車産業界等においても、電気自動車用あるいはハイブリッド自動車用の高出力かつ高容量の電池の開発が進められている。現在、種々の電池の中でも、エネルギー密度が高いという観点から、リチウム電池が注目を浴びている。
現在市販されているリチウム電池は、可燃性の有機溶媒を含む電解液が使用されているため、短絡時の温度上昇を抑える安全装置の取り付けや短絡防止のための構造が必要となる。これに対し、電解液を固体電解質層に変えて、電池を全固体化したリチウム電池は、電池内に可燃性の有機溶媒を用いないので、安全装置の簡素化が図れ、製造コストや生産性に優れると考えられている。さらに、このような固体電解質層に用いられる固体電解質材料として、硫化物固体電解質材料が知られている。
例えば、特許文献1には、リン片形状を有する硫化物固体電解質材料が開示されている。さらに、特許文献1には、硫化物固体電解質前駆体およびアルコール分散剤を含有する前駆体含有組成物に対してメカニカルミリングを行うことにより、リン片形状を有する硫化物固体電解質材料を形成する製造方法が開示されている。
特開2012−129150号公報
扁平形状(リン片形状)を有する硫化物固体電解質材料は、球形の硫化物固体電解質材料に比べて、電極活物質層または固体電解質層の充填率の向上に寄与しやすい。また、扁平形状を有する硫化物固体電解質材料は電極活物質と面接触できるため、両者の接触面積が大きくなるという利点もある。一方、充填率および接触面積の向上という点では、硫化物固体電解質材料の平均粒径は、小さいことが好ましい。
そのため、扁平形状を有し、かつ、平均粒径が小さい硫化物固体電解質材料が求められている。しかしながら、硫化物固体電解質材料は、硫黄を含有するため柔らかく、単純に粉砕強度を高めても、逆に凝集してしまい、平均粒径が大きくなる場合がある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、扁平形状を有し、かつ、平均粒径が小さい硫化物固体電解質材料を得ることができる硫化物固体電解質材料の製造方法を提供することを主目的とする。
上記課題を解決するために、本発明においては、硫化物固体電解質の粗粒材料を準備する準備工程と、上記粗粒材料を、破砕メディアを用いた粉砕装置により微粒化することで、扁平形状を有する硫化物固体電解質材料を形成する微粒化工程とを有し、上記破砕メディアを撹拌する回転体の周速が12m/s以上であり、上記扁平形状を有する硫化物固体電解質材料の平均粒径が1.9μm以下であることを特徴とする硫化物固体電解質材料の製造方法を提供する。
本発明によれば、破砕メディアを撹拌する回転体の周速を、従来よりも大幅に高くすることで、扁平形状を有し、かつ、平均粒径が小さい硫化物固体電解質材料を得ることができる。
上記発明においては、上記扁平形状を有する硫化物固体電解質材料の平均粒径が1μm以下であることが好ましい。
また、本発明においては、硫化物固体電解質の粗粒材料を準備する準備工程と、上記粗粒材料を、破砕メディアを用いた粉砕装置により微粒化することで、扁平形状を有する硫化物固体電解質材料を形成する微粒化工程とを有し、上記破砕メディアを撹拌する回転体の周速が12m/s以上であり、上記粉砕装置により付与される総粉砕エネルギーが、4.5kJ・sec/g以上であることを特徴とする硫化物固体電解質材料の製造方法を提供する。
総粉砕エネルギー=(mv/2)nt/s
(式中、mは破砕メディア1個当たりの重量(kg)であり、vは回転体の周速(m/s)であり、nは破砕メディアの数(個)であり、tは処理時間(秒)であり、sは粗粒材料の重量(g)である)
本発明によれば、破砕メディアを撹拌する回転体の周速を、従来よりも大幅に高くし、所定の総粉砕エネルギーを付与することで、扁平形状を有し、かつ、平均粒径が小さい硫化物固体電解質材料を得ることができる。
上記発明においては、上記総粉砕エネルギーが、9kJ・sec/g以上であることが好ましい。
本発明においては、扁平形状を有し、かつ、平均粒径が小さい硫化物固体電解質材料を得ることができるという効果を奏する。
本発明の硫化物固体電解質材料の製造方法の一例を示す工程図である。 本発明により得られる硫化物固体電解質材料の一例を示す斜視図である。 実施例2−4で得られた硫化物固体電解質材料、および、粗粒材料のSEM観察の結果である。 比較例1−4、実施例1−2および実施例2−4で得られた硫化物固体電解質材料の平均粒径である。 比較例1−1〜1−4、参考例1−1、実施例1−1〜1−3および実施例2−1〜2−4で得られた硫化物固体電解質材料の平均粒径である。
以下、本発明の硫化物固体電解質材料の製造方法について、詳細に説明する。
本発明の硫化物固体電解質材料の製造方法は、二つの実施態様に大別できる。以下、本発明の硫化物固体電解質材料の製造方法について、第一実施態様および第二実施態様に分けて説明する。
1.第一実施態様
図1は、第一実施態様の硫化物固体電解質材料の製造方法の一例を示す工程図である。図1においては、まず、硫化物固体電解質の粗粒材料(例えばLiBr−LiI−LiS−P)を準備する。次に、粗粒材料を、破砕メディアを用いた粉砕装置(例えばビーズミル装置)により微粒化することで、扁平形状を有する硫化物固体電解質材料を形成する。第一実施態様では、破砕メディアを撹拌する回転体の周速を大幅に大きくする。
第一実施態様によれば、破砕メディアを撹拌する回転体の周速を、従来よりも大幅に高くすることで、扁平形状を有し、かつ、平均粒径が小さい硫化物固体電解質材料を得ることができる。上記のように、硫化物固体電解質材料は、硫黄を含有するため柔らかく、単純に粉砕強度を高めても、逆に凝集してしまい、平均粒径が大きくなる場合がある。具体的には、粗粒材料を粉砕すると、ある粉砕強度(例えば周速3m/s程度)までは、粗粒材料の微粒化が一気に進むが、それ以上の粉砕強度になると、逆に、凝集してしまい、平均粒径が大きくなる。第一実施態様においては、粉砕強度を従来よりも大幅に高くする(例えば、周速で4倍程度、総粉砕エネルギーで16倍程度)ことで、新たな粉砕可能領域が発現することを見出した。その結果、例えば、特許文献1における平均粒径の最小値(実施例1−2の1.9μm)よりもさらに微粒化することができることを見出した。新たな粉砕可能領域では、粉砕強度が極めて高いため、凝集した硫化物固体電解質材料を引きちぎるような新たな現象が生じたと推測される。
以下、第一実施態様の硫化物固体電解質材料の製造方法について、工程ごとに説明する。
(1)準備工程
第一実施態様における準備工程は、硫化物固体電解質の粗粒材料を準備する工程である。なお、上記粗粒材料は、自ら合成しても良く、市販品を購入しても良い。また、上記粗粒材料は、Liイオン伝導性を有することが好ましい。
上記粗粒材料としては、例えば、LiS−P、LiS−P−LiI、LiS−P−LiO、LiS−P−LiO−LiI、LiS−SiS、LiS−SiS−LiI、LiS−SiS−LiBr、LiS−SiS−LiCl、LiS−SiS−B−LiI、LiS−SiS−P−LiI、LiS−B、LiS−P−Z(ただし、m、nは正の数。Zは、Ge、Zn、Gaのいずれか。)、LiS−GeS、LiS−SiS−LiPO、LiS−SiS−LiMO(ただし、x、yは正の数。Mは、P、Si、Ge、B、Al、Ga、Inのいずれか。)等を挙げることができる。なお、上記「LiS−P」の記載は、LiSおよびPを含む原料組成物を用いてなる材料を意味し、他の記載についても同様である。
また、上記粗粒材料は、Li、P、およびSを有するイオン伝導体を含有することが好ましい。さらに、上記イオン伝導体は、オルト組成のアニオン構造(PS 3−)を有することが好ましい。なお、LiS−P系の場合、オルト組成を得るLiSおよびPの割合は、モル基準で、LiS:P=75:25である。
イオン伝導体におけるPS 3−の割合は、イオン伝導体における全アニオン構造に対して、例えば、50mol%以上であり、70mol%以上であることが好ましく、90mol%以上であることがより好ましい。なお、PS 3−の割合は、ラマン分光法、NMR、XPS等により決定することができる。また、LiSおよびPの合計に対するLiSの割合は、例えば、70mol%〜80mol%の範囲内であり、72mol%〜78mol%の範囲内であることが好ましい。
上記粗粒材料は、上記イオン伝導体に加えて、LiI、LiBrおよびLiClの少なくとも一つを含有することが好ましい。LiI、LiBrおよびLiClの少なくとも一部は、通常、それぞれ、LiI成分、LiBr成分およびLiCl成分としてイオン伝導体の構造中に取り込まれた状態で存在する。また、上記粗粒材料は、X線回折測定において、LiIのピークを有していても良く、有していなくても良いが、後者が好ましい。Liイオン伝導性が高いからである。この点については、LiBrおよびLiClについても同様である。
上記粗粒材料におけるLiX(X=I、Cl、Br)の割合は、例えば10mol%〜30mol%の範囲内であり、15mol%〜25mol%の範囲内であることがより好ましい。LiXの割合とは、粗粒材料に含まれるLiXの合計の割合をいう。そのため、例えば、粗粒材料がLiIのみを有する場合、LiXの割合とはLiIの割合をいう。また、例えば、粗粒材料がLiIおよびLiBr等の複数のLiXを有する場合、LiXの割合とは複数のLiXの合計の割合をいう。なお、粗粒材料が、aLiX・(1−a)(bLiS・(1−b)P)の組成を有する場合、aが上記LiXの割合に該当し、bが上記LiSの割合に該当する。
上記粗粒材料は、LiSを含有しないことが好ましい。硫化水素発生量を少なくできるからである。具体的には、CuKα線を用いたXRD測定において、LiSのピーク(2θ=27.0°、31.2°、44.8°、53.1°)が観測されないことが好ましい。また、上記粗粒材料は、架橋硫黄を含有しないことが好ましい。硫化水素発生量を少なくできるからである。架橋硫黄としては、例えば、LiSおよびPが反応してなるSP−S−PS構造の架橋硫黄が挙げられる。具体的には、ラマン分光スペクトルの測定において、SP−S−PS構造のピーク(402cm−1付近のピーク)が確認されないことが好ましい。
上記粗粒材料の形状は、例えば、球状を挙げることができる。また、上記粗粒材料の平均粒径(D50)は、例えば、5μm〜20μmの範囲内である。また、上記粗粒材料の25℃におけるLiイオン伝導体は、例えば1×10−5S/cm以上であり、1×10−4S/cm以上であることが好ましい。
上記粗粒材料は、硫化物ガラスであることが好ましい。硫化物ガラスは、通常、原料組成物(例えばLiSおよびPの混合物)を非晶質処理することにより得ることができる。非晶質処理としては、例えば、メカニカルミリングを挙げることができる。また、メカニカルミリングは、乾式メカニカルミリングであっても良く、湿式メカニカルミリングであっても良いが、後者が好ましい。容器等の壁面に原料組成物が固着することを防止できるからである。
2.微粒化工程
第一実施態様における微粒化工程は、上記粗粒材料を、破砕メディアを用いた粉砕装置により微粒化することで、扁平形状を有する硫化物固体電解質材料を形成する工程である。微粒化工程では、粗粒材料の微粒化を行いつつ、微粒化した微粒子の扁平化を行う。
第一実施態様においては、粗粒材料のみに対して微粒化を行っても良く、粗粒材料および分散媒を含有するスラリーに対して微粒化を行っても良い。分散媒は、粗粒材料と反応しない程度の非プロトン性を有していることが好ましく、例えば、極性の非プロトン性液体および無極性の非プロトン性液体を挙げることができる。
極性の非プロトン性液体としては、例えばアセトン等のケトン類;アセトニトリル等のニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)等のアミド類;ジメチルスルホキシド(DMSO)等のスルホキシド類等を挙げることができる。
無極性の非プロトン性液体としては、例えば、常温(25℃)で液体のアルカンを挙げることができる。具体的には、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、パラフィン等の鎖状アルカン、および、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロパラフィン等の環状アルカン等を挙げることができる。
無極性の非プロトン性液体の別の例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジメチルエーテル等の鎖状エーテル類;テトラヒドロフラン等の環状エーテル類;クロロホルム、塩化メチル、塩化メチレン等のハロゲン化アルキル類;酢酸エチル等のエステル類;フッ化ベンゼン、フッ化ヘプタン、2,3−ジハイドロパーフルオロペンタン、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン等のフッ素系化合物を挙げることができる。
第一実施態様においては、破砕メディアを用いた粉砕装置により、粗粒材料を微粒化する。粉砕メディアとしては、ビーズ、ボール、ブレード等を挙げることができる。粉砕メディアの材料としては、例えば、セラミックス、ガラス、金属等を挙げることができる。粉砕装置としては、例えば、ビーズミル装置、ボールミル装置等を挙げることができる。微粒化の条件は、目的とする硫化物固体電解質材料が得られるように適宜調整する。
また、粉砕装置の容器内部には、通常、破砕メディアを撹拌する(破砕メディアに運動エネルギーを付与する)回転体が設置されている。回転体の周速は、通常、12m/s以上であり、14m/s以上であることが好ましい。一方、回転体の周速は、例えば18m/s以下である。なお、回転体の周速とは、通常、回転体の最外周の周速をいう。
また、粉砕装置により粗粒材料に付与される総粉砕エネルギーを以下のように定義する。
総粉砕エネルギー=(mv/2)nt/s
(式中、mは破砕メディア1個当たりの重量(kg)であり、vは回転体の周速(m/s)であり、nは破砕メディアの数(個)であり、tは処理時間(秒)であり、sは粗粒材料の重量(g)である)
総粉砕エネルギーは、例えば、4.5kJ・sec/g以上であり、6kJ・sec/g以上であることが好ましく、9kJ・sec/g以上であることがより好ましく、13kJ・sec/g以上であることがさらに好ましい。一方、総粉砕エネルギーは、例えば、30kJ・sec/g以下である。
第一実施態様においては、微粒化工程により、扁平形状を有する硫化物固体電解質材料が得られる。扁平形状は、以下のように定義される。すなわち、図2に示すように、硫化物固体電解質材料1の主面における最も長い線分を線分Aとし、線分Aに直交する線分の中で最も長い線分を線分Bとし、硫化物固体電解質材料1の厚さを厚さCとする。A〜Cが、B=0.2A〜A、C=0.001A〜0.1Aの関係を満たす形状を扁平形状と定義する。線分A、線分B、厚さCは、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて測定することができる。厚さCは、例えば0.01μm〜1μmの範囲内であり、0.01μm〜0.1μmの範囲内であることが好ましい。
(3)結晶化工程
第一実施態様においては、微粒化工程で得られた硫化物固体電解質材料に熱処理を行い、上記硫化物固体電解質材料を結晶化する工程を行っても良い。
熱処理温度は、特に限定されるものではないが、例えば、180℃〜230℃の範囲内であることが好ましい。また、熱処理時間は、通常、1分間〜100時間の範囲内である。また、熱処理は、不活性ガス雰囲気(例えばArガス雰囲気)または減圧雰囲気(特に真空中)で行うことが好ましい。硫化物固体電解質の劣化(例えば酸化)を防止できるからである。熱処理の方法は特に限定されるものではないが、例えば、焼成炉を用いる方法を挙げることができる。
(4)硫化物固体電解質材料
第一実施態様により得られる硫化物固体電解質材料の平均粒径(D50)は、通常、1.9μm以下であり、1.5μm以下であることが好ましく、1μm以下であることがより好ましい。一方、硫化物固体電解質材料の平均粒径(D50)は、例えば、0.01μm以上である。
第一実施態様により得られる硫化物固体電解質材料は、通常、扁平形状を有する。また、第一実施態様により得られる硫化物固体電解質材料は、硫化物ガラスであっても良く、ガラスセラミックスであっても良い。
第一実施態様により得られる硫化物固体電解質材料の用途としては、例えば、固体電池用途を挙げることができる。また、第一実施態様においては、正極活物質層と、負極活物質層と、上記正極活物質層および上記負極活物質層の間に形成された固体電解質層とを有する固体電池の製造方法であって、上記正極活物質層、上記負極活物質層および上記固体電解質層の少なくとも一つに、上述した硫化物固体電解質材料を用いることを特徴とする固体電池の製造方法を提供することもできる。固体電池は、一次電池であっても良く、二次電池であっても良いが、二次電池であることが好ましい。繰り返し充放電でき、例えば車載用電池として有用だからである。
2.第二実施態様
第二実施態様の硫化物固体電解質材料の製造方法における各工程は、基本的に、第一実施態様と同様である。図1においては、まず、硫化物固体電解質の粗粒材料(例えばLiBr−LiI−LiS−P)を準備する。次に、粗粒材料を、破砕メディアを用いた粉砕装置(例えばビーズミル装置)により微粒化することで、扁平形状を有する硫化物固体電解質材料を形成する。第二実施態様では、破砕メディアを撹拌する回転体の周速を大幅に大きくし、粗粒材料に対して所定の総粉砕エネルギーを付与する。
第二実施態様によれば、破砕メディアを撹拌する回転体の周速を、従来よりも大幅に高くし、所定の総粉砕エネルギーを付与することで、扁平形状を有し、かつ、平均粒径が小さい硫化物固体電解質材料を得ることができる。総粉砕エネルギーおよび各工程の詳細については、上述した第一実施態様と同様であるので、ここでの記載は省略する。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示して本発明をさらに具体的に説明する。
[比較例1−1]
LiS(日本化学工業社製)、P(アルドリッチ社製)、LiI(日宝化学社製)およびLiBr(高純度化学社製)を、10LiI・15LiBr・75(0.75LiS・0.25P)の組成を満たすように秤量し、メノウ乳鉢で5分混合した。その混合物2gを遊星型ボールミルの容器(45cc、ZrO製)に投入し、脱水ヘプタン(水分量30ppm以下、4g)を投入し、さらにZrOボール(φ=5mm、53g)を投入し、容器を完全に密閉した。この容器を遊星型ボールミル機(フリッチュ製P7)に取り付け、台盤回転数500rpmで、20時間メカニカルミリングを行った。その後、110℃で1時間乾燥することによりヘプタンを除去し、硫化物固体電解質の粗粒材料を得た。この操作を複数回繰り返した。
得られた粗粒材料38gと、分散媒であるヘプタン100gおよびジ−n−ブチルエーテル50gとを混合し、スラリーを得た。得られたスラリーに対してビーズミリングを行い、粗粒材料を微粒化した。ビーズミリングの条件は以下の通りである。
・ビーズミル装置:アシザワファインテック社製スターミルLMZ015
・粉砕ビーズ:φ0.3mm、1個当たりの重量8.2×10−6g、3892893個
・周速:8m/s
・処理時間:1時間
ビーズミリング後のスラリーを、ホットプレートを用いて、120℃で1時間乾燥し、分散媒を除去し、硫化物固体電解質材料を得た。
[比較例1−2〜1−4]
処理時間を、2時間、3時間、4時間に変更したこと以外は、比較例1−1と同様にして、硫化物固体電解質材料を得た。
[参考例1−1]
周速を12m/sに変更したこと以外は、比較例1−1と同様にして、硫化物固体電解質材料を得た。
[実施例1−1〜1−3]
処理時間を、2時間、3時間、4時間に変更したこと以外は、参考例1−1と同様にして、硫化物固体電解質材料を得た。
[実施例2−1]
周速を14m/sに変更したこと以外は、比較例1−1と同様にして、硫化物固体電解質材料を得た。
[実施例2−2〜2−4]
処理時間を、2時間、3時間、4時間に変更したこと以外は、実施例1−1と同様にして、硫化物固体電解質材料を得た。
[評価]
(SEM観察)
比較例1−1〜1−4、参考例1−1、実施例1−1〜1−3および実施例2−1〜2−4で得られた硫化物固体電解質材料の表面形態を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察した。その結果、いずれの場合も、扁平形状を有する硫化物固体電解質材料が得られていた。代表的な結果を図4(a)に示す。図4(a)は、実施例2−4の結果である。一方、図4(b)は、粗粒材料の結果であり、その形状は球形であった。また、得られた表面SEM画像から、画像解析式粒度分布測定ソフト(Mac-View)を用いて平均粒径(D50)を求めた。その結果を表1、図4および図5に示す。
表1および図4に示すように、実施例1−2および実施例2−4は、比較例1−4よりも平均粒径が小さくなった。また、図4における平均粒径1.9μmの結果は、特開2012−129150号公報の実施例1−2の結果に相当する(周速3.35m/s、総粉砕エネルギー8kJ・sec/gに相当する)。なお、図4における平均粒径8.3μmの結果は、周速0.84m/s、総粉砕エネルギー0.32kJ・sec/gに相当するが、粉砕不足であり、平均粒径が大きい。
図4では、周速を3.35m/sまで上げると、平均粒径は一気に小さくなるものの、3.35m/s〜8m/sの範囲では、逆に、平均粒径が大きくなった。これに対して、8m/sを越えると、意外にも、再び平均粒径が小さくなり、1.9μm以下の平均粒径を有する硫化物固体電解質材料が得られることが確認できた。
また、表1および図5に示すように、周速が8m/sである場合、約2.9μmまでしか微粒化ができなかった(比較例1−1〜1−4)。これに対して、周速が12m/sである場合、約1.4μmまで微粒化でき(実施例1−2)、周速が14m/sである場合、1μm以下まで微粒化できた(実施例2−3、2−4)。
また、周速8m/sである比較例1−4(5.88kJ・sec/g)では、平均粒径が2.88μmであり、周速12m/sである参考例1−1(3.31kJ・sec/g)では、平均粒径が1.97μmであった。このように、微粒化のためには、総粉砕エネルギーのみならず、周速を十分に高くする必要があることが確認された。
また、周速14m/sにおいて、実施例2−2(9.01kJ・sec/g)では、平均粒径が1.18μmであり、実施例2−3(13.51kJ・sec/g)では、平均粒径が0.9μmであった。このことから、1μm以下まで微粒化するためには、9kJ・sec/gを越える総粉砕エネルギーと、12m/sを超える周速とが必要であることが示唆された。
1 … 硫化物固体電解質材料

Claims (4)

  1. 硫化物固体電解質の粗粒材料を準備する準備工程と、
    前記粗粒材料を、破砕メディアを用いた粉砕装置により微粒化することで、扁平形状を有する硫化物固体電解質材料を形成する微粒化工程とを有し、
    前記破砕メディアを撹拌する回転体の周速が12m/s以上であり、
    前記扁平形状を有する硫化物固体電解質材料の平均粒径が1.9μm以下であることを特徴とする硫化物固体電解質材料の製造方法。
  2. 前記扁平形状を有する硫化物固体電解質材料の平均粒径が1μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の硫化物固体電解質材料の製造方法。
  3. 硫化物固体電解質の粗粒材料を準備する準備工程と、
    前記粗粒材料を、破砕メディアを用いた粉砕装置により微粒化することで、扁平形状を有する硫化物固体電解質材料を形成する微粒化工程とを有し、
    前記破砕メディアを撹拌する回転体の周速が12m/s以上であり、
    前記粉砕装置により付与される総粉砕エネルギーが、4.5kJ・sec/g以上であることを特徴とする硫化物固体電解質材料の製造方法。
    総粉砕エネルギー=(mv/2)nt/s
    (式中、mは破砕メディア1個当たりの重量(kg)であり、vは回転体の周速(m/s)であり、nは破砕メディアの数(個)であり、tは処理時間(秒)であり、sは粗粒材料の重量(g)である)
  4. 前記総粉砕エネルギーが、9kJ・sec/g以上であることを特徴とする請求項3に記載の硫化物固体電解質材料の製造方法。
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