JP2016202428A - 加熱調理器 - Google Patents

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Abstract

【課題】調理庫内の汚れを抑制することが可能な加熱調理器を提供する。【解決手段】本体の前面に開口26eを有する調理庫26と、前記調理庫内の上部に設けられる上ヒータ27aと、下部に設けられる下ヒータ27bと、前記開口を塞ぐドア32と、前記上ヒータ27aおよび前記下ヒータ27bの間に配置され被加熱物を載せる皿である波皿40b、およびオーブン調理用に使用する皿である平皿40aと、前記皿を保持することが可能な保持部材33と、を備え、前記波皿40bと前記平皿40aは、上面フランジ部41eから前記被加熱物を載せる載置面までの深さが異なり、前記保持部材33は、前記波皿40bと前記平皿40aの上面フランジ部41eを保持し、前記保持部材33に保持された前記平皿40aまたは前記波皿40bの上面フランジ部41eは前記調理庫26の上面26a近傍の高さに位置する。【選択図】図11

Description

本発明は、被加熱物を加熱するための加熱調理器に関する。
従来の加熱調理器においては、調理庫内の上下に設けたヒータにより被加熱物を加熱して焼き上げるものが種々提案されている。この種の加熱調理器では、調理庫内に設けられた皿に焼き網を載せ、焼き網の上に被加熱物を載せるようになっている(特許文献1参照)。
特開2010−112593号公報
しかしながら、特許文献1に記載の加熱調理器では、魚や脂の多い肉を加熱すると水分や油分の跳ねが多くなり、調理庫内が汚れ易くなるという問題があった。
本発明は前記した従来の問題を解決するものであり、調理庫内の汚れを抑制することが可能な加熱調理器を提供することを目的とする。
本発明は、本体の前面に開口を有する調理庫と、前記調理庫内の上部に設けられる上ヒータと、前記調理庫内の下部に設けられる下ヒータと、前記調理庫の前記開口を塞ぐドアと、前記上ヒータおよび前記下ヒータの間に配置され被加熱物を載せるグリル調理用に使用する皿である波皿、およびオーブン調理用に使用する皿である平皿と、前記皿を保持することが可能な保持部材と、を備え、前記波皿と前記平皿は、上面フランジ部から前記被加熱物を載せる載置面までの深さが異なり、前記保持部材は、前記波皿と前記平皿の上面フランジ部を保持し、前記保持部材に保持された前記平皿または前記波皿の上面フランジ部は前記調理庫の上面近傍の高さに位置することを特徴とする。
本発明によれば、調理庫内の汚れを抑制することが可能な加熱調理器を提供できる。
本発明の実施形態にかかわる加熱調理器をシステムキッチンに組み込んだ状態を示す斜視図である。 ドアを引き出したときの加熱調理器の斜視図である。 加熱調理器を示す分解斜視図である。 (a)はホルダ、(b)はホルダが装着されたグリルパン(平皿)、(c)はホルダが装着されたグリルパン(波皿)をそれぞれ説明する斜視図である。また(d)は(b)に、(e)は(c)にそれぞれ蓋体が装着された様子を説明する斜視図である。 (a)は図4(b)の平面図、(b)は(a)のX1−X1矢視断面図、(c)は図4(c)の平面図、(d)は(c)のX2−X2矢視断面図である。 (a)は図4(b)の底面斜視図、(b)は図4(c)の底面斜視図である。 (a)は蓋体の平面図、(b)は(a)のX3−X3矢視断面図、(c)は(a)のX4−X4矢視断面図である。 加熱調理器のドアを開いた状態の図であって、(a)はホルダがドア継ぎ手と係り合う様子を説明する斜視図、(b)は(a)のX5−X5矢視断面図である。 グリルパンの温度を検知する温度センサを示す断面図である。 (a)はホルダが温度センサを乗り越える前、(b)はホルダが温度センサに乗り越えている途中、(c)はホルダが温度センサを乗り越えた後の様子をそれぞれ説明する図である。 調理庫にグリルパン(蓋有りの状態)を収納した状態を示す(a)は正面図、(b)は(a)のX6−X6矢視断面図である。 グリルパンの皿種判別センサを説明する図であって、(a)は上面斜視図、(b)は正面図、(c)は(b)のX7−X7矢視断面図である。 ドアセンサの検知の仕組みを説明する図であって、(a)は断面方向を説明する図、(b)は(a)のX8−X8矢視断面図、(c)は(b)のJ部の部分拡大図である。 ドアセンサの検知の仕組みを説明する図であって、(a)は図13(a)のX9−X9矢視断面図、(b)は(a)のK部の部分拡大図である。 皿種判別センサおよびドアセンサの検知信号の組み合わせからグリルパンの皿種および挿入方向を判別する仕組みを説明する図である。
以下、図面を参照して本発明の加熱調理器の一実施形態を説明する。なお、以下では、システムキッチンに嵌め込むビルトイン型を例に挙げて説明するが、キッチンに載置する据置型の加熱調理器に適用してもよい。また、以下では説明の便宜上、各図面で共通する部材には同一の符号を付して重複する説明を省略する場合がある。前後上下左右の方向軸については、各図の記載によるものとする。
図1は本発明の実施形態にかかわる加熱調理器をシステムキッチンに収納した状態を示す斜視図である。
図1に示すように、グリルユニット4(加熱調理器)は、電磁調理器3、操作部5などを備えた本体2と一体に構成され、本体2がシステムキッチン1の上面の天板1aの孔(不図示)から落とし込むことで設置されている。グリルユニット4および操作部5は、システムキッチン1の天板1aの下方の前面部から操作できるようになっている。操作部5は、主にグリルユニット4の電源の入・切やメニューの選択・設定の操作を行うものである。
電磁調理器3は、鍋等の不図示の調理器具を載せる耐熱ガラスなどで構成されたプレート6と、調理器具を電磁誘導加熱する加熱コイルユニット25と、を備えている。なお、図1に示す符号3a〜3cは、加熱範囲であり、調理器具が載置される載置部を示している。これら載置部3a〜3cに調理器具を置くことにより、調理が可能となる。また、プレート6の周囲の縁部は、プレート枠14によって保護されている。
プレート6の前面側(手前側)には、上面操作部9が設けられ、その奥側に上面表示部10が設けられている。上面操作部9は、主に加熱コイルユニット25の操作を行うものである。上面表示部10は、上面操作部9で設定された火力などの設定状態を表示するものである。
本体2の内部には、発熱部品である加熱コイルユニット25や電子部品、および、これら発熱部品や電子部品を冷却するための送風ファン(不図示)が設けられている。
また、本体2の後部上面には、発熱部品である加熱コイルユニット25の廃熱や、電子部品を冷却した後の廃熱を本体2の外部に排出する排気口8a,8bが設けられている。
グリルユニット4は、魚や肉、ピザなどの被加熱物を焼く機能を有するものであり、本体2の載置部3bに対応する加熱コイルユニット25の下方に配置されている。なお、グリルユニット4は、本体2の左側に配置された状態を示しているが、本体2の右側に配置されていてもよい。また、グリルユニット4は、ロースター、オーブンと称することもある。
また、グリルユニット4は、例えば、前後方向(奥行き方向)に引き出し可能なドア32を備えている。ドア32の前面には、開閉する際に手を掛けて使用されるハンドル11が設けられている。
図2は、ドアを引き出したときのグリルユニットの斜視図である。
図2に示すように、グリルユニット4は、加熱ベース12、ドア32、スライドバー39(スライド部材)、レールケース49(ガイド部材)、グリルパン41(調理容器)、グリルパン41を支持するホルダ33などを備えて構成されている。
また、ドア32は、前後方向(奥行き方向)に引き出し可能に構成され、ドアベース17と、ハンドル11と、ガラス板18とを組み合わせて構成されている。
ホルダ33は、スライドバー39の引き出し方向の一端側がドア継手80(後記図3参照)と係り合い、上下方向に着脱自在に載置されてグリルパン41を載置するようになっている。換言すると、ホルダ33はグリルパン41を保持することが可能な保持部材である。なお、ホルダ33の他端側は調理庫26の側板26bの下端部26b1(後記図3も併せて参照)の矩形状の屈曲部の上面に載置される。そしてグリルパン41には、内部に魚や肉などの被加熱物が入れられて、加熱調理が行われる。
なお、図2中の符号36k,36k2は排気ダクトであり、調理庫内の排気手段36を構成する。
図3は、加熱調理器を示す分解斜視図である。図3に示すように、加熱ベース12は、ベース13、上板26a、フロントグリル82(枠体)、排気ダクト36k2、下ヒータ27b、上ヒータ27aなどを備えて構成されている。
なお、本実施形態では、ベース13と上板26aとフロントグリル82とで筺体が構成されている。また、スライドバー39およびレールケース49は、左右に設置される。
ベース13は、板金をプレス加工することで、底側に位置する底板26d、左右両側に位置する側板26b,26b及び後側に位置する後板26c(背板)を備えている。
上板26aは、ベース13の上部を塞ぐ矩形状の板金で構成され、側板26b,26b及び後板26cの上端縁部にねじ固定される。また、上板26aの後部には、矩形状のダクト接続口26a1が形成され、このダクト接続口26a1に排気ダクト36k2の一端が接続される。そして、排気ダクト36k2の他端は、排気手段36の排気ファン36aに連通している。排気ファン36aによって吸い込まれた空気は、排気ダクト36kを介して図示しない排気口へと排気される。
ここで、排気手段36は例えばベース13の後方に配置され、煙や臭いを強制的に本体2の外部に排出する排気ファン36a、この排気ファン36aを駆動する排気モータ36bなどのユニットを備えている。
なお、グリルユニット4は、上板26aと、側板26b,26bと、後板26cと、底板26dとによって、箱型の調理庫26を備えるようにされている。つまり調理庫26は、例えば金属製の板をプレス加工によりそれぞれ所定の形状に成形した複数の部材を、溶接やビスねじ等により組み立てることで構成されている。
また、ダクト接続口26a1の直下には、触媒34および触媒ヒータ37が設置され、ヒータカバー37aが装着される。ここで、触媒34は調理庫26内で発生する煙や臭いを浄化するものである。また、触媒ヒータ37は触媒34を加熱するために設置される。
なお、触媒ヒータ37と排気モータ36bは不図示の制御部と電気的に接続されている。
フロントグリル82は、ベース13の前部開口に固定され、板金を曲げ加工することで構成されている。また、フロントグリル82は、略矩形状の開口84を有し、この開口84を通して、スライドバー39、ホルダ33及びグリルパン41が前後方向に出し入れされるように構成されている。また、ドア32を全閉したときに、ドア32の背面が、開口84の周囲に形成された略四角枠状の周縁部83に当接するようになっている。
下ヒータ27bは、底板26dの近傍に沿って配置され、接続端子27d,27dが後板26cを通してベース13の外部に引き出されている。
下ヒータ27bは、調理庫26内の下部において、主に前後方向に延在して折り返しながら配置される。また、下ヒータ27bは、調理庫26の後板26cに固定金具16cを介して固定されている。
上ヒータ27aは、上板26aの近傍に沿って配置され、接続端子27c,27cが後板26cを通してベース13の外部に引き出されている。
上ヒータ27aは、調理庫26内の上部において、主に前後方向に延在して折り返しながら配置される。また、上ヒータ27aは、調理庫26の内部で固定金具16a,16bを介して固定されている。
なお、下ヒータ27b及び上ヒータ27aは、シーズヒータなどで構成されている。下ヒータ27bと上ヒータ27aとで、グリルパン41を上下で挟み込んで被加熱物(不図示)を加熱する。
そして、上ヒータ27aおよび下ヒータ27bは、調理庫26の上方に設けられた不図示の制御部によって制御される。ここで、食材から水分や油分が飛び散るのは、食材が一定温度を超えることにより発生することが知られている。そこで、制御部が下ヒータ27bによる加熱を弱くして、食材の温度が所定温度を超えないように調理することで、水分や油分の飛び散りを抑えるようにしてもよい。なお、制御部はグリルユニット4からの熱の影響を受けない場所に配置されている。また、制御部は操作部5(図1参照)や上面操作部9(図1参照)と電気的に接続されている。
スライドバー39は、金属製のドア継手80に固定されている。このドア継手80は、ドア32が着脱自在となるように構成されている。
レールケース49は、例えば、スライドバー39をスライド自在に支持するものでありステンレス合金製のもので構成されている(図2も併せて参照)。また、レールケース49は、ねじを用いて、側板26bの下端部26b1に形成された矩形状に屈曲した窪みに固定されている。
そして、左右のレールケース49は、固定金具48に固定される。さらにこの固定金具48はベース13に固定される。そして、ドア32を開閉する事で、レールケース49にスライド自在に支持されたスライドバー39がスライドしてドア32が開閉できる。
ホルダ33は、グリルパン41(なお、図3ではグリルパン41の一例としてグリルパン(平皿)40aを図示している)を支持する支持部材であり、例えば鉄製の線材の表面にクロームメッキを施すことで構成されている。なお、ホルダ33の形状の詳細は後記するが、前記したドア継手80に設けられたスリット状の溝部81に係り合う線状部51fを備えている。
グリルパン(平皿)40aは、例えば、アルミニウムやセラミックなどの材料により形成され、表面にセラミック塗装などのコート剤などがコーティングされたものである。なお、グリルパン(平皿)40aの形状については詳細を後記する。
また、ベース13内には、前後方向の奥側に、グリルパン41の温度を検出する温度センサ70が設けられている。この温度センサ70は、センサカバー71と、センサ部(素子部)72と、センサ保持部材74とを含んで構成されている。
また、例えばセンサカバー71の内部には、例えばグリルパンの皿種(グリルパン(平皿)40a、またはグリルパン(波皿)40b)を判別する検知手段を構成する検知棒86が備えられる。検知棒86には付勢部材87が挿通される。なお、皿種判別センサSs1については詳細を後記する。
また、例えば後板26cの略中央上端部には、グリルパン41が逆向きに挿入された場合に、ドア32が閉まらないようにするための突起85が設けられている。
図4(a)はホルダ、(b)はホルダが装着されたグリルパン(平皿)、(c)はホルダが装着されたグリルパン(波皿)をそれぞれ説明する斜視図である。また(d)は(b)に、(e)は(c)にそれぞれ蓋体が装着された様子を説明する斜視図である。
なお、図4(a)の斜視図の補足説明として、本実施形態のホルダ33は、例えば左右対称形状を呈してなる。
図4(a)に示すように、ホルダ33は線状部51a,51gを有している。線状部51a,51gは、前端から後端にかけてスライドバー39(図2参照)に沿って直線状に延在し、後端付近で左右方向外側に屈曲する屈曲部を有している。また、ホルダ33は線状部51cを備えている。線状部51cは、線状部51a,51gの後端部付近同士を正面視コの字状に凸状に上方に屈曲しながらつないでいる。
また、線状部51a,51gの前端には、線状部51a,51g同士をつなぐ線状部51fが接続されている。この線状部51fは、線状部51a,51gの前端の接続部から徐々に前方向に屈曲後、斜め下方へとさらに屈曲する形状を有してなる。なおこの線状部51fは詳細を後記するが、ドア継手80に形成された溝部81(図8(a)参照)に嵌り込み、係り合うようにされている。これにより、ホルダ33がドア32(図2参照)の開閉動作に連動し、位置ずれが防止されている。
線状部51b1,51eは、線状部51c及び線状部51fよりも高い位置に形成され、グリルパン41の前後方向の動きを規制する部材である。なお、線状部51b1,51eは詳細を後記するがグリルパン41の保持部材となる。線状部51b1,51eにはグリルパン41のフランジ41eが介装される。
また、線状部51b1は中央に平らな部分を有し左右の端方向に向かうにつれてなだらかに傾斜して下降したあと、側面視コの字状の屈曲部51a1、51g1を介して線状部51a,51gの後端につながっている。
さらに、線状部51eは中央に平らな部分を有し左右の端方向に向かうにつれてなだらかに傾斜して下降したあと、線状部51a,51gの前端とつながる形状を呈している。
さらには、線状部51b1,51eは、線状部51a,51gよりもそれぞれ上方において規制棒51iおよび51hが接続されている。この規制棒51i,51hは、グリルパン41の四隅においてグリルパン41の外形に略沿うように屈曲する形状を呈し、グリルパン41の左右方向の位置ずれを規制している。
なお、規制棒51i,51hはいずれも、前端は線状部51eから続くなだらかな傾斜下降部分に接続されるとともに、後端は線状部51b1から続くなだらかな傾斜下降部分に接続される。さらには規制棒51i,51hはいずれも、グリルパン41の側面視で側板部の略中央付近が凹状に窪んで屈曲した形状を呈している。これによって、規制棒51i,51hが調理中に加熱されたのちグリルパン41を移動させる際、ユーザの手が規制棒51i,51hに触れにくくなる。これによってやけどを防止することができる。
図4(b)は、グリルパン41のうち、グリルパン(平皿)40aを示す斜視図である。このグリルパン(平皿)40aは、ホルダ33に対して着脱可能となっている。また、グリルパン(平皿)40aは、例えば、市販のピザを1枚分入れることができる容量を有している。
図4(b)に示すように、グリルパン(平皿)40aは、略四角形状を有する底板41aと、底板41aの外周縁部から上方に向けて起立する側板41bと、を有し凹状に構成されている。
そして、底板41aの中央部には、例えば略円形を呈する座押し加工がほどこされている。これはグリルパン(平皿)40aが加熱された場合でも、底板41aの素材が残留応力によって反転しないようにするためである。つまり底板41aが反転音を生じないようにするためである(詳細は図5(b)で後記)。
グリルパン(平皿)40aは、アルミニウムなどの材料により形成され、表面にセラミック塗装などのコート剤などがコーティングされたものである。
なお、グリルパン(平皿)40aの底板41aは、底面60s1と、底面60s2を含むようにして、階段状の段付構造で構成される(詳細後記)。
また、側板41bの上端41dには、外側方に曲げ形成されたフランジ41eが形成されている(後記図5(b)も併せて参照)。そして、このフランジ41eの部分に、ホルダ33の線状部51e、51b1が介装され、グリルパン(平皿)40aが支持される。また、このようにフランジ41eを設けることによって、グリルパン(平皿)40aにホルダ33を装着していないときでも(グリルユニット4から完全に取り外したときなど)、グリルパン(平皿)40aに手を掛け易くなり持ち運びが容易にされている。
図4(c)は、グリルパン41のうち、グリルパン(波皿)40bを示す斜視図である。このグリルパン(波皿)40bは、ホルダ33に対して着脱可能となっている。また、グリルパン(波皿)40bは、例えば、魚(例えば、秋刀魚)を頭と尾を前後の向きにして5尾横並びで入れることができる空間(容量)を有している。
図4(c)に示すように、グリルパン(波皿)40bは、略四角形状を有する底板41aと、底板41aの外周縁部から上方に向けて起立する側板41bと、を有し凹状に構成されている。
またグリルパン(波皿)40bは、鋼板などの材料により形成され、表面にフッ素コート剤などがコーティングされたものである。
底板41aの上面には、幅方向(左右方向)に延在する凸条部41cが前後方向に間隔を空けて複数本形成されている。また、凸条部41cの並び方向の一端(後端)に位置する凸条部41c1(41c)は、他の凸条部41cより左右方向の長さが短く形成されている。
側板41bの上端41dには、外側方に曲げ形成されたフランジ41eが形成されている(後記図5(d)も併せて参照)。そして、このフランジ41eの部分に、ホルダ33の線状部51e,51b1が介装され、グリルパン(波皿)40bが支持される。また、このようにフランジ41eを設けることによって、ホルダ33を装着していないときでも(グリルユニット4から完全に取り外したときなど)、グリルパン(波皿)40bに手を掛け易くなり、グリルパン(波皿)40bの持ち運びが容易になる。
なお、以下ではグリルパン(平皿)40aおよびグリルパン(波皿)40bを特に区別する必要のない場合、断り書きなくグリルパン41と記載する場合がある。
次に、図4(d)は(b)に示すグリルパン(平皿)40aに蓋体が装着された様子を説明する斜視図である。また、図4(e)は(c)に示すグリルパン(波皿)40bに蓋体が装着された様子を説明する斜視図である。
図4(d),(e)に示すように、グリルパン(平皿)40a、グリルパン(波皿)40bには、共通の蓋体42を装着して、グリルユニット4(図1参照)で加熱調理を行うことができる。なお、蓋体42の詳細は後記する。
図5(a)は図4(b)の平面図、(b)は(a)のX1−X1矢視断面図、(c)は図4(c)の平面図、(d)は(c)のX2−X2矢視断面図である。
まず、図5(a)のグリルパン(平皿)40aを示す平面図、(b)の、(a)のX1−X1矢視断面図を参照しながら説明する。
図5(a)および図5(b)に示すように、グリルパン(平皿)40aは、側板41bの上端41dに、外側方に曲げ形成されたフランジ41eが形成されている。なお、このフランジ41eは、図5(a)ではグリルパン(平皿)40aの全周に亘って形成されているがとくにこれには限定されない。つまり、フランジ41eは、少なくともホルダ33に担持される部分、すなわちグリルパン(平皿)40aの前後の側板41bの上端41d部分に形成されていればよい。このフランジ41eの部分に、ホルダ33の線状部51e,51b1が介装されて、グリルパン(平皿)40aをホルダ33上に支持できる。
なお、グリルパン(平皿)40aは、底板41aが底面60s1と、さらに1段下がった底面60s2とを含んでなる、略階段状の段付構造を呈している。そして、後端部付近の底面60s1(底板41a)がホルダ33の線状部51cと当接するようにされている。つまり、グリルパン(平皿)40aは左右方向の側面視で、ホルダ33の線状部51e、線状部51b1、および線状部51cの3点において支持されている(3点支持)。
また、グリルパン(平皿)40aの底面60s2、つまり段付の底板41aの中央部には、例えば略円形を呈する座押し加工41a1がほどこされている。
図5(b)に示すように、この座押し加工41a1が施された底面60s2は、例えばグリルパン(平皿)40aの内側にわずかに湾曲するような張力がかかるように加工されているが、これには特に限定されない。このようにすることによって、例えばグリルパン(平皿)40aの底板41aが加熱されたとき、底板41aが熱膨張しても所定方向(この場合はグリルパン(平皿)40aの内側方向)へと膨張方向が誘導され、残留応力が生ずることを防ぐことができる。つまりグリルパン40aは、底板41aが加熱されても残留応力で反転せず、反転音が生じないようにできる。
なお、グリルパン(平皿)40aの底面60s2のフランジ41eからの高さは、フランジ41eから線状部51cまでの高さをH1、線状部51cから底面60s2までの高さをH2とすると、H1とH2を合わせた高さ(H1+H2)で略均一な平面となるようにされている。
図5(c)はグリルパン(波皿)40bを示す平面図、(d)は(c)のX2−X2矢視断面図である。
図5(c)に示すように、グリルパン(波皿)40bは、凸条部41cと凸条部41cとの間に溝部41gが形成されている。また、底板41aの上面には、前端側の凸条部41c2(41c)の前方に凹形状の水溜め部41hが形成されている。この水溜め部41hは、水を溜めた状態で加熱されることにより、後記するヘルシーメニューにおいて過熱水蒸気を発生させることができ、また脱煙を図ることができるようになっている。
ここで、溝部41gの表面(上面)は、例えば左右方向の中央部分が最も高い位置にあり、中央部分から左右方向に向けて下降する傾斜面を有してなる。また、底板41aの上面には、溝部41gの左右両側に、前後方向に延在する合流部41iが形成されている。これにより、被加熱物から流れ出た水分や油分は、溝部41gの傾斜面を通って、合流部41iに流れ込み、被加熱物との接触を低減できる。
また、図5(d)に示すように、グリルパン(波皿)40bの側板41bの上端41dには、外側方に曲げ形成されたフランジ41eが形成されている。なお、このフランジ41eは、図5(c)ではグリルパン(波皿)40bの全周に亘って形成されているがとくにこれには限定されない。つまり、フランジ41eは、少なくともホルダ33に担持される部分、すなわちグリルパン(波皿)40bの前後の側板41bの上端41d部分に形成されていればよい。このフランジ41eの部分に、ホルダ33の線状部51e,51b1が介装されて、グリルパン(波皿)40bをホルダ33上に支持できる。
なお、グリルパン(波皿)40bは、後端部付近の底板41aがホルダ33の線状部51cと当接するようにされている。つまり、グリルパン(波皿)40bは左右方向の側面視で、ホルダ33の線状部51e、線状部51b1、および線状部51cの3点において支持されている(3点支持)。
また、グリルパン(波皿)40bの後端部分のフランジ41eの高さから、ホルダ33の線状部51cまでの高さH1は、グリルパン(波皿)40bの前端部分のフランジ41eの高さから底板41aまでの高さH3よりも、わずかに短くなっている(H1<H3)。つまり、底板41aは、後端から前端に向けてわずかに下降するように傾斜して設けられている(詳細後記)。
さらには、図5(b)のグリルパン(平皿)40aの底面60s2のフランジ41eからの高さ(H1+H2)と比較すると、H1<H3<H1+H2の大小関係を満たすようにされている。具体的には、例えば高さH1が約50mmの場合には、50mm<高さH3<60mm(H2≒10mm)を満たすようにして製作されている。但し、グリルパン40bの高さH3はグリルパン(波皿)40bを前後逆にグリルユニット4に装着しても皿種判別センサSs1の検知棒86(図3参照)と接触しない高さにされているものとする。
また、グリルパン(波皿)40bの後端部分のフランジ41eの高さから、ホルダ33の線状部51cまでの長さH1は、グリルパン(平皿)40aの後端部分のフランジ41eの高さから、ホルダ33の線状部51cまでの長さH1と同一となるようにして成形される。このようにすることによって、異なる形状のグリルパン41を同一のホルダ33で支持するとともに、同一の温度センサ70(詳細後記)を用いて計測することが可能になる。
以上を換言すると、グリルパン(波皿)40bとグリルパン(平皿)40aは、側板41bの上端41d(上面)のフランジ41eから底板41aの被加熱物を載せる載置面までの深さが異なっている。また、ホルダ33(保持部材)は、グリルパン(波皿)40bとグリルパン(平皿)40aのフランジ41eを保持している。
図6(a)は図4(b)の底面斜視図、(b)は図4(c)の底面斜視図である。
図6(a),図6(b)に示すように、グリルパン(平皿)40a、グリルパン(波皿)40bにホルダ33を装着した底面視において、ホルダ33の線状部51g,線状部51aは、グリルパン(平皿)40a、グリルパン(波皿)40bの底板41aの内側に入り込むような形状を呈してなる。このような形状とすることによって、グリルパン(平皿)40a、グリルパン(波皿)40bのフランジ41e(図5(b)、図5(d)参照)がホルダ33から脱落しても、ホルダ33の線状部51g,線状部51aに受け止められる。つまり、グリルパン(平皿)40a、グリルパン(波皿)40bがホルダ33から完全に床などに脱落しないようにすることができる。
また、ホルダ33の規制棒51h,51iは、グリルパン(平皿)40a、グリルパン(波皿)40bの取り出し時に手に触れることがないよう、グリルパン(平皿)40a、グリルパン(波皿)40bの側面中央部分が所定長さに亘って下方に屈曲して形成されている。このような形状を呈することによって、やけどを防止することができる。(図6(a)では右側面側のみ図示)
図7の(a)は蓋体の平面図、(b)は(a)のX3−X3矢視断面図、(c)は(a)のX4−X4矢視断面図である。
蓋体42は、例えば鉄板などで平面視略四角状に形成された薄板をホーロー加工して形成されているが、特にこれには限定されない。
図7(a)に示すように、蓋体42は、グリルパン(平皿)40aの上部開口に嵌まり込む凹部42aを有している。
凹部42aの外周には、グリルパン(平皿)40aの上端41d(フランジ41e)に当接するフランジ部42bが形成されている。また、凹部42aの中央部には、平面視略四角形状の凸面部42cが形成されている。
また、凸面部42cの側面(周面)42c1には段差部42dが形成されている(図7(a)参照)。また、凸面部42cの上面には、蒸気抜き用の孔42eが複数箇所に形成されている。
把手43は、図7(c)の側面視で例えば略コ字状を呈するように曲げて形成されている。把手43は、蓋体42の前後方向(奥行方向)に対して直交する方向に立設する基部43a,43aと、前後方向(奥行方向)に延在する把持部43bと、を有している。
図7(b)および図7(c)に示すように、把手43の把持部43bは、凹部42aの底面42a1から浮いた(離間した)状態になる。このように、把持部43bと底面42a1との間に隙間Sが形成されるので、隙間Sがつまみ代となり、把手43を掴み易くでき、蓋体42の取り外しが容易になる。
また、凸面部42cの上面は、フランジ部42bの上面と同じ高さに設定されている(図7(b)〜(c)参照)。
以上のように、グリルパン41として、蓋体42を備えることにより、調理の幅(例えば、茶碗蒸しなどの蒸し料理や、ぎょうざなど)を広げることができる。
図8はグリルユニット4のドア32を開いた状態の図であって、(a)はホルダがドア継手と係り合う様子を説明する斜視図、(b)は(a)のX5−X5矢視断面図である。
なお、図8(a)ではドア32の記載を省略している。また、グリルパン41としてグリルパン(平皿)40aを例に図示している。しかし、グリルパン41はグリルパン(波皿)40bであってもよい。
図8(a)に示すように、ホルダ33は、ドア継手80に形成されたスリット状の溝部81に線状部51fが嵌り込み、係り合うようにされている(図8(b)も併せて参照)。
図8(b)は、グリルユニット4のドア32を開いた状態を示す縦断面図であって、(a)のX5−X5矢視断面図である。なお、本実施形態のグリルユニット4には、ドア32を開く際の引き出し量が所定のストローク量に達すると、それ以上開かないようにする不図示の規制機構が設けられている。
図8(b)に示すように、ドア32を全開まで開いた場合には、グリルパン41全体を加熱ベース12の前方に引き出すことができる。これにより、グリルパン41を真上に持ち上げることが容易になり(図8(b)の白抜矢印参照)、グリルパン41を取り出す際に必ずしも傾斜させなくても済む。これによって、グリルパン41の底に溜まった被加熱物から出た水分や油分が再び被加熱物に付着するのを防止するとともに、グリルパン41からこぼれ落ちるのを防止することができる。
また、ドア32を全開まで開いた場合でも、ホルダ33の一部が調理庫26の内部に残るように、側面視逆コの字状の屈曲部51a1,51g1を線状部51a,51gに設ける(図4(a)も併せて参照)。これによって、ドア32の開閉に伴って線状部51a,51gがレールケース49,49直上の側板26b内(図3、図2も併せて参照)を摺り動く際、線状部51a,51gが段差Δを越えて引き出されてスライドバー39,39上に脱落することを防ぐことができる。つまり、ドア32のスムーズな開閉動作を確保することができる。
さらには、屈曲部51a1,51g1にはレールケース49,49直上の側板26b内と接触して摺り動く部分に、チューブ状のシリコーンゴム51jを当てがうようにしてもよい。このシリコーンゴム51jは、例えばチューブに切り込みを入れて屈曲部51a1,51g1にそれぞれ嵌め込むことで装着することができる。このシリコーンゴム51jは、屈曲部51a1,51g1がレールケース49,49直上の側板26b内と接触して摺り動く際の金属音の発生を防止することができる。
図9は、グリルパンの温度を検知する温度センサを示す断面図である。
図9に示すように、センサカバー71は、中央部の前後方向断面視で略矩形状を呈するようにして形成されている(図3も併せて参照)。また、センサカバー71の上面部は、前端部付近が断面視略山型の凸状に盛り上がるような形状を呈し、頂上部には円形の平面部71aを有している。
センサ部72は、断面視略T字状に形成され、先端(上端)が平面部71aの下面(裏面)に面接触する円形部72aを備えている。この円形部72aは、センサ部72の基部72bよりも大径となっている。
また、センサ部72の基部72bはセンサカバー71の上面後方に形成される平面部よりも若干上方に飛び出すように配置されている。このようにすることによって、グリルパン41との接触面積が平面部71aに限定され、より正確な温度計測が可能となっている。
センサ保持部材74は、保持金具74aとセンサ部72の円形部72aとの間に介装されてセンサ部72の円形部72aをセンサカバー71(平面部71a)に押し付ける付勢部材(適宜の板ばねや圧縮コイルばね74b、グラスウール等のクッション材など)を備えている。保持金具74aは、断面視板状を呈し、センサ部72と対応する位置に付勢部材(例えば圧縮コイルばね74bなど)の一部が収容されて保持可能にされた凹部74cが形成されている。
このように構成された温度センサ70は、センサカバー71が底板26d(図3も併せて参照)にねじ75,75を介して固定されている。但し、センサカバー71の固定方法は特にこれには限定されない。
図10は、(a)はホルダが温度センサを乗り越える前、(b)はホルダが温度センサに乗り越えている途中、(c)はホルダが温度センサを乗り越えた後の様子をそれぞれ説明する図である。
なお、図10ではグリルパン41としてグリルパン(平皿)40aを例に図示している。しかし、グリルパン41はグリルパン(波皿)40bであってもよい。
図10(a)に示すように、ドア32が全閉する手前において、まずグリルパン41を支持するホルダ33の線状部51c(一番後方の線状部51c)がセンサカバー71の斜面71bに接触する(突き当たる)。
このとき、線状部51cの後方に位置する線状部51b1は、センサカバー71よりも高い位置を通るので、センサカバー71に接触することがない。よって、線状部51cが一番最初にセンサカバー71に突き当たることになる。
このとき、グリルパン41の移動方向(前後方向)において、グリルパン41とセンサカバー71の斜面71bとの間に線状部51cが位置しているので、グリルパン41がセンサカバー71に突き当たることはない。
そして、図10(a)に示す状態からドア32がさらに押されると、ホルダ33の線状部51cが斜面71bを摺り動きながら上り、図10(b)に示すように、線状部51cが平面部71aに乗り上がる。このとき、グリルパン41が線状部51cに支持され、グリルパン41の底面60s1が平面部71aよりも高い位置にあるので、グリルパン41がセンサカバー71に接触することがない。
そして、図10(b)に示す状態からドア32がさらに押されると、ホルダ33の線状部51cが平面部71a上を摺動しながら後方に移動し、図10(c)に示すように、線状部51cが平面部71aから後方の斜面71cに摺り動きながら移動する。このとき、線状部51cが斜面71c側に下りることで、グリルパン41の底面60s1が平面部71aに面接触する。
このように、グリルパン41を収納する際に、グリルパン41より先にホルダ33(線状部51c)がセンサカバー71に突き当たるので、グリルパン41の表面が衝撃によって摩耗するのを防止することができる。
また、本実施形態で示すようにグリルパン41に直接温度センサ70を接触させるので、グリルパン41の温度を精度よく検出することが可能になる。
図11は、調理庫にグリルパン(蓋有りの状態)を収納した状態を示す(a)は正面図、(b)は(a)のX6−X6矢視断面図である。
なお、図11では、ドア継手80からドア32を取り外した状態である。また、グリルパン41には、蓋体42が取り付けられている。
なお、図11ではドア32の記載を省略している。また、グリルパン41としてグリルパン(平皿)40aを例に図示している。しかし、グリルパン41はグリルパン(波皿)40bであってもよい。
図11(a)に示すように、蓋体42付のグリルパン41を調理庫26に収納した場合、グリルパン41の側板41bは、可能な限り上ヒータ27aの近傍の高さ位置(調理庫26に対してグリルパン41を出し入れ自在に収納できる最大高さ)まで延びる形状を呈している。
そして例えば、上ヒータ27aと把手43の上端部との距離H4(最短距離)は、約3mmに設定されている。
図11(b)は、調理庫にグリルパン(蓋有りの状態)を収納した状態を示す断面図である。

図11(b)に示すように、調理庫26の天井を構成する上板26aには、凹部26a1が形成され、この凹部26a1内に上ヒータ27aが収容されている。これにより、例えばグリルパン41の側板41bの高さを最大限高くしても、グリルパン41または蓋体42の上端が上ヒータ27aに接触するのを防止できる。ゆえに、本実施形態では、ホルダ33(保持部材)に保持されたグリルパン(平皿)40aまたはグリルパン(波皿)40bのフランジ41e(上面フランジ部)は調理庫26の上面近傍の高さに位置するようにされている。
なお、図示していないが、グリルユニット4には、開口26eの入口付近上部(符号Pの位置)に、ハロゲンヒータが設けられていてもよい。符号Pの位置にハロゲンヒータを設けた場合には、ハロゲンのランプ機能によって調理庫26内を見易くすることができる。
また、グリルパン41は、調理庫26内に収容したときに、底板41aが後部から前部にかけてわずかに下降するように傾斜している。これにより、グリルパン41が例えばグリルパン(平皿)40aだった場合には、被加熱物から出た水分や油分が重力の作用で底板41aの前部に溜まるようになっている。また、グリルパン41が例えばグリルパン(波皿)40bだった場合においても、被加熱物から出た水分や油分が溝部41g(図5(c)参照)から左右の側板41b,41bに向かって流れ出ると、重力の作用で底板41aの前部に溜まるようになっている。
なお、図11(b)に示すように、把手43の底面42a1と把持部43bとの隙間H5は約20mmとなっているが把持しやすい隙間があればよく、これには特に限定されない。
図12はグリルパンの皿種判別センサを説明する図であって、(a)は上面斜視図、(b)は正面図、(c)は(b)のX7−X7矢視断面図である。
図12(a)に示すように、加熱ベース12の後端部にはグリルパン41の皿種判別センサSs1が装着される。なお、皿種判別センサSs1とは、グリルパン(平皿)40a、またはグリルパン(波皿)40bのいずれの皿種が挿入されているかを判別するセンサである。ここで、皿種判別センサSs1は、検知棒86と、ばね87と(図3も併せて参照)、センサユニットとを含んでなる。
図12(b)、および図12(c)に示すように、皿種判別センサSs1の検知棒86およびばね87は、温度センサ70のセンサカバー71の内部に、センサ部72とは左右方向に位置をずらして設置される。検知棒86にはばね87が挿通され、検知棒86を前方へ付勢するようにされている。そして、検知棒86の前端は、グリルパン(平皿)40aが挿入されたときに側板41bの下端の位置と当接し、ばね86の付勢力に抗してわずかに後方に押圧されるようになっている(図12(c)の実線矢印参照)。検知棒86がわずかに後方に押圧されると、調理庫26の外に設置されたセンサユニット(図12(a)参照。図12(c)では不図示)が通電される。
図13(a)〜図13(c)、および図14(a)、図14(b)はドアセンサの検知の仕組みを説明する図である。まず、図13(a)は断面方向を説明する図、(b)は(a)のX8−X8矢視断面図、(c)は(b)のJ部の部分拡大図である。
図13(a)に示すように、実施形態にかかわるグリルユニット4は、例えばドアセンサSs2を備えている。このドアセンサSs2は、例えばドア32が閉まった状態となったときに通電する仕組みを備えたセンサであればよい。
ここで、本実施形態では、グリルパン41の皿種にかかわらず、正しい挿入方向が規定されている。
詳しく説明すると、例えばグリルパン(平皿)40aを用いた場合には、底面60s1が後方(すなわち引き出し方向奥側)となるように挿入しないと、グリルパン(平皿)40aの側板41bがセンサカバー71および検知棒86と当接してしまう。その場合、それ以上調理庫26の奥側には挿入できなくなり、温度センサ70によるグリルパン(平皿)40aの温度計測ができなくなってしまう。
また、グリルパン(波皿)40bを用いる場合においても、水溜め部41h(図5(c)参照)が前方(すなわち引き出し方向手前側)となるように挿入しないと、図5(d)で前記した通り底板41aのフランジ41eからの高さ関係がH1<H3となっているので、フランジ41eがホルダ33から浮き上がり、不安定な状態となってしまう。また、例えば図11の符号Pの位置に備えられたハロゲンヒータから水溜め部41hの距離が離れてしまう。さらには、調理庫26の内部に導入される空気の下流位置となってしまうので、調理庫26の内部にむらなく蒸気を行き渡らせる前に、直上に設けられた排気ダクト36k2から蒸気が排気されてしまうことになる。
ゆえに、本実施形態では、グリルパン41が正しい方向に挿入されていない場合、ドア32が完全には閉まらず、ドアセンサSs2が通電されない仕組みを備えた。これによって、ユーザに挿入方向を確認させる契機を与えることができる。
図13(b)、および図13(c)に、例えばグリルパン(波皿)40bが逆向きに挿入された場合の断面図の一例を示す。
本実施形態のグリルユニット4は、後板26cの上部に、突起85が備えられる(図3も併せて参照)。この突起85は、グリルパン(波皿)40bが逆向きに挿入された際に、フランジ41eと当接する位置に設置されている。そして、これ以上引き出し方向奥側にドア32を引き込ませることができないように規制する。
なお、図13(c)における符号H6は、グリルパン(波皿)40bが逆向きに挿入された場合のフランジ41eのホルダ33の線状部51b1からの浮き上がり量を示している(この場合はH6≒H3−H1を満たす)。
また、グリルパン(平皿)40aの前後方向が逆向きに挿入された場合においても、図10(a)〜(c)で示したセンサカバー71および図12(c)で示した検知棒86との構造的な関係で、グリルパン(平皿)40aの側板41bがセンサカバー71および検知棒86と当接する。これによって、グリルパン(平皿)40aのそれ以上調理庫26の奥側への挿入が規制される。このようにして、ドア32が完全には閉まらず、半開きの状態となるようにされている。
次に、図14(a)は図13(a)のX9−X9矢視断面図、(b)は(a)のK部の部分拡大図である。
図14(a)、図14(b)に示すように、図13(c)に示す突起85によってドア32が幅H7の分だけ半開きの状態となり、それ以上の調理庫26内への引き込みが規制される。この場合、ドアセンサSs2の支柱部90は、ばね92の付勢力によって回動軸91まわりに付勢される。そして、支柱部90の先端からドア32を押圧する方向に飛び出した突起部93が、ドア32に設けられた被接触板96と接触するようにされている。この状態では、端子部94は端子部95と非接触の状態であり、ドアセンサSs2が通電されない状態となる。
なお、ドア32が完全に閉じた状態では、支柱部90の突起部93がばね92の付勢力に抗してドア32の非接触板96に押圧される。そして、端子部94が回動軸91を中心に時計回りに回動され、端子部95と接触することによって、ドアセンサSs2が通電される。
図15は、皿種判別センサSs1およびドアセンサSs2の検知信号の組み合わせからグリルパンの皿種および挿入方向を判別する仕組みを説明する図である。なお、図15中、○は通電状態、×は非通電状態を示す。
図15に示すように、皿種判別センサSs1は、グリルパン(平皿)40aが挿入されたときは、正方向および逆方向に挿入された場合いずれも、検知棒86(図12(c)参照)がグリルパン(平皿)40aに押圧されるので、通電状態となる。
また、皿種判別センサSs1は、グリルパン(波皿)40bが挿入されたときは、正方向および逆方向に挿入された場合いずれも、検知棒86(図12(c)参照)がグリルパン(波皿)40bの底板41aよりも下方に位置するため押圧されず、非通電状態となる。
また、ドアセンサSs2は、グリルパン(平皿)40aおよびグリルパン(波皿)40bが正方向に挿入されたときはいずれも、突起85(図13(c)参照)によってドア32の調理庫26内への引き込みが規制されない。ゆえに、ドア32は完全に閉まり、ドアセンサSs2は通電状態となる。
また、グリルパン(平皿)40aが逆方向に挿入された時は、センサカバー71または検知棒86によってドア32の調理庫26内への引き込みが規制される。また、グリルパン(波皿)40bが逆方向に挿入されたときは、突起85(図13(c)参照)によってドア32の調理庫26内への引き込みが規制される。以上によって、いずれもドア32は半開きの状態となり、ドアセンサSs2は非通電状態となる。
つまり、図15に示すように、皿種判別センサSs1、ドアセンサSs2の通電パタンを検知することによって、いかなる皿種のグリルパン41が、正方向または逆方向に挿入されているかを電子的に識別することができる。
以上によって、例えば調理に不適切な皿種が挿入されている場合には図示しない表示部に警告を表示することができる。さらには、正しい皿種が挿入されていても逆方向に挿入されている場合には、図示しない表示部に警告を表示することができる。このようにして、ユーザにグリルパン41の状態を確認させる契機を与えることができる。
(作用・効果)
以上説明したように、本実施形態のグリルユニット4では、グリルパン41の少なくとも引き出し方向前後の側板41bの上端41dにフランジ41eを設け、フランジ41eの下部にホルダ33の線状部51e,51b1が介装される構成とした。
これによって、グリルパン41の皿種が、グリルパン(平皿)40a、またはグリルパン(波皿)40bのいずれであるかを問わず同じホルダ33を使用することができるようにされている。
また、皿種を問わず同じホルダ33を使用して、グリルパン41の側板41bの上端41dから調理庫26内の上板26a、または上ヒータ27aまでの距離を同一となるようにすることができる。
また、蓋体42付のグリルパン41を調理庫26に収納した場合、グリルパン41の側板41bは、可能な限り調理庫26の上板26aまたは上ヒータ27aの近傍の高さ位置(調理庫26に対してグリルパン41を出し入れ自在に収納できる最大高さ)まで延びる形状を呈している。
つまり、側板41bの上端から調理庫26の上板26aまでの距離が極力小さくなるようにされている。これによって、グリルパン41内に魚や脂の多い肉などを加熱したときに流れ出た水分や油分が飛び跳ねたとしても、調理庫26内の側板26b(側面)および底板26d(底面)が汚れるのを抑制することができる。よって、調理庫26内の掃除が容易になる。
また、特にグリルパン(平皿)40aを用いて調理を行う場合には、下ヒータ27bの近傍に底板41aがくるように側板41bの上下方向の高さ(長さ)を高く(長く)することによって、より大きな被加熱物を調理することができる。また、底板41aを下ヒータ27bと近接するように下げて配置することによって、下ヒータ27bの発する熱を効率よくムラなくグリルパン(平皿)40a内に伝えられる。このようにして、下ヒータ27bの高火力を活かし、グリルパン(平皿)40aの熱伝達性能を一層向上させることができる。
また前記したホルダ33を使用することによって、グリルパン(平皿)40aおよびグリルパン(波皿)40bに用いる蓋体42も同様に上ヒータ27aに近接して設けることができる。これによって、上ヒータ27aの発する熱を効率よくムラ無くグリルパン41(グリルパン(平皿)40aおよびグリルパン(波皿)40b)内に伝えることが可能となる。
また、本実施形態では、グリルパン41の底板41aがセンサカバー71のセンサ部72の直上の円形の平面部71aに直接乗り越えて温度検知がされるので、グリルパン41の温度計測を早く正確に行うことができる。
また、本実施形態では、グリルパン41を装着したホルダ33の後部にあたる線状部51a,51g上の屈曲部51a1,51g1が、ドア32の開閉に伴ってレールケース49,49直上の側板26b内(図3も併せて参照)を摺り動く。この際、屈曲部51a1,51g1のうち、レールケース49,49直上の側板26b内と接触する部分にはチューブ状のシリコーンゴム51jが当てがわれている。これによって、屈曲部51a1,51g1がレールケース49,49直上の側板26b内を摺り動いても、金属音の発生を防止することができる。
また、本実施形態では、ドア32を全開にした状態でも、グリルパン41を装着したホルダ33の一部が、調理庫26の内部に残る。具体的には、ホルダ33の後部にあたる線状部51a,51g上の屈曲部51a1,51g1が、レールケース49,49直上の側板26b内に残る。これによって、屈曲部51a1,51g1がレールケース49,49直上の側板26b内を摺り動く際、屈曲部51a1,51g1が段差Δ(図8(b)参照)を越えて引き出されてスライドバー39,39上に脱落しないようにすることができる。つまり、ドア32のスムーズな開閉動作を確保することができる。
また、本実施形態のグリルユニット4は、検知棒86(図12(c)参照)を有する皿種判別センサSs1を備えている。この皿種判別センサSs1の検知棒86は、例えばグリルパン(平皿)40aを調理庫内26に挿入する場合には検知棒86の前端が接触して引き出し方向奥側に押圧されるように設置される。また、グリルパン(波皿)40bを調理庫内26に挿入する場合には検知棒86は接触しないように設置される。
また、本実施形態のグリルユニット4は、グリルパン41が逆向きに調理庫26内に挿入されるとドア32を半開き状態にさせる突起85(図13(c)参照)、センサカバー71および検知棒86と、ドアセンサSs2を備えている。
以上によって、皿種判別センサSs1、ドアセンサSs2の通電パタンを検知することによって、いかなる皿種のグリルパン41が、正方向または逆方向に挿入されているかを電子的に識別することができる。
上記した実施形態は、本発明を分かりやすくするために詳細に説明したものであり、必ずしも、説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に、他の実施形態の構成の一部もしくは全てを加えることも可能である。また、実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
つまり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々変更してもよい。
具体的には、例えば前記した実施形態では、グリルパン41のホルダ33とのフランジ41e懸架は前後の側板41b(図5(b),(d)参照)で行う場合を例に挙げて説明したが、左右の側板41bの上端にフランジを設けて懸架させる方式でもよい。
また、グリルパン41はホルダ33と左右方向の側面視において3点支持の場合で説明したが、特にこれには限定されない。
また、グリルパン41を載せたホルダ33は、前端部はドア継手80の溝部81に係り合うようにされている。また、ホルダ33の後端部は線状部51a,51g上の屈曲部51a1,51g1が、レールケース49,49直上の側板26b内(図3も併せて参照)を摺り動く例で説明した。しかし、ホルダ33は調理庫26の上板26aに引き出し方向に摺り動き可能に吊り下げられるようにして懸架される構成とすることもできる。
また、ドアセンサSs2は突起85(図13(c)参照)と各々別体として説明したが、一体化されていてもよい。その際は、皿種判別センサSs1と同種の構造を備えるようにすればよい。
また、グリルパン41はグリルパン(平皿)40a、およびグリルパン(波皿)40bの2種類を説明したが、これ以外のグリルパン41を用いてもよい。また、グリルパン41は平面視矩形状でなくてもよい。
1 システムキッチン
2 本体
4 グリルユニット(加熱調理器)
26 調理庫
26a 上板(上面)
26b 側板
26c 後板
26d 底板
26e 開口
26f フロントグリル(枠体)
27a 上ヒータ
27b 下ヒータ
32 ドア
33 ホルダ(保持部材)
40a グリルパン(平皿)
40b グリルパン(波皿)
41 グリルパン(調理容器)
41a 底板
41b 側板
41d 上端
41e フランジ(上面フランジ部)
42 蓋体
42a 凹部
43 把手
51a,51g 線状部(保持部材)
51a1,51g1 屈曲部(保持部材)
51e,51b1 線状部(保持部材)
51f,51c 線状部(保持部材)
51i,51h 規制棒(保持部材)
70 温度センサ
71 センサカバー
72 センサ部
74 センサ保持部材
80 ドア継手
81 溝部
85 突起
86 検知棒
Ss1 皿種判別センサ(センサ)
Ss2 ドアセンサ

Claims (5)

  1. 本体の前面に開口を有する調理庫と、
    前記調理庫内の上部に設けられる上ヒータと、
    前記調理庫内の下部に設けられる下ヒータと、
    前記調理庫の前記開口を塞ぐドアと、
    前記上ヒータおよび前記下ヒータの間に配置され被加熱物を載せるグリル調理用に使用する皿である波皿、およびオーブン調理用に使用する皿である平皿と、
    前記皿を保持することが可能な保持部材と、を備え、
    前記波皿と前記平皿は、上面フランジ部から前記被加熱物を載せる載置面までの深さが異なり、
    前記保持部材は、前記波皿と前記平皿の上面フランジ部を保持し、
    前記保持部材に保持された前記平皿または前記波皿の上面フランジ部は前記調理庫の上面近傍の高さに位置すること
    を特徴とする、加熱調理器。
  2. 前記平皿は底板が階段状に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の加熱調理器。
  3. 前記加熱調理器は、前記平皿または前記波皿の底板に接触する温度センサを備えていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の加熱調理器。
  4. 前記加熱調理器は、前記波皿または前記平皿のいずれの調理容器が挿入されているかを判別可能なセンサを備えていることを特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の加熱調理器。
  5. 前記加熱調理器は、前記波皿または前記平皿が逆方向に挿入されている場合には、ドアが閉まらないようにされていることを特徴とする、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の加熱調理器。
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