以下、図面を参照して本発明の加熱調理器の一実施形態を説明する。なお、以下では、システムキッチンに嵌め込むビルトイン型を例に挙げて説明するが、キッチンに載置する据置型の加熱調理器に適用してもよい。また、以下では説明の便宜上、各図面で共通する部材には同一の符号を付して重複する説明を省略する場合がある。前後上下左右の方向軸については、各図の記載によるものとする。
図1は本発明の実施形態にかかわる加熱調理器をシステムキッチンに収納した状態を示す斜視図である。
図1に示すように、グリルユニット4(加熱調理器)は、電磁調理器3、操作部5などを備えた本体2と一体に構成され、本体2がシステムキッチン1の上面の天板1aの孔(不図示)から落とし込むことで設置されている。グリルユニット4および操作部5は、システムキッチン1の天板1aの下方の前面部から操作できるようになっている。操作部5は、主にグリルユニット4の電源の入・切やメニューの選択・設定の操作を行うものである。
電磁調理器3は、鍋等の不図示の調理器具を載せる耐熱ガラスなどで構成されたプレート6と、調理器具を電磁誘導加熱する加熱コイルユニット25と、を備えている。なお、図1に示す符号3a〜3cは、加熱範囲であり、調理器具が載置される載置部を示している。これら載置部3a〜3cに調理器具を置くことにより、調理が可能となる。また、プレート6の周囲の縁部は、プレート枠14によって保護されている。
プレート6の前面側(手前側)には、上面操作部9が設けられ、その奥側に上面表示部10が設けられている。上面操作部9は、主に加熱コイルユニット25の操作を行うものである。上面表示部10は、上面操作部9で設定された火力などの設定状態を表示するものである。
本体2の内部には、発熱部品である加熱コイルユニット25や電子部品、および、これら発熱部品や電子部品を冷却するための送風ファン(不図示)が設けられている。
また、本体2の後部上面には、発熱部品である加熱コイルユニット25の廃熱や、電子部品を冷却した後の廃熱を本体2の外部に排出する排気口8a,8bが設けられている。
本体2の前面に開口26e(図2)を有する調理庫26(図3)を備えるグリルユニット4は、魚や肉、ピザなどの被加熱物を焼く機能を有するものであり、本体2の載置部3bに対応する加熱コイルユニット25の下方に配置されている。なお、グリルユニット4は、本体2の左側に配置された状態を示しているが、本体2の右側に配置されていてもよい。また、グリルユニット4は、ロースター、オーブンと称することもある。
また、グリルユニット4は、例えば、前後方向(奥行き方向)に引き出し可能な調理庫26の開口26eを塞ぐドア32を備えている。ドア32の前面には、開閉する際に手を掛けて使用されるハンドル11が設けられている。
図2は、ドアを引き出したときのグリルユニットの斜視図である。
図2に示すように、グリルユニット4は、加熱ベース12、ドア32、スライドレール39、グリルパン41(調理容器)、グリルパン41を支持するホルダ33などを備えて構成されている。
スライドレール39は、固定側49を調理庫26(図3)の加熱ベース12に固定し、固定側49の後部の曲線経路49a1と可動側39aの後部に設けた前記曲線経路49a1に回転ローラ49a2(図15参照)を付勢させる付勢手段49a3(図15参照)によって、回転ローラ49a2が曲線経路49a1に沿って転がることで、引込機構49aはドア32を一定以上押し込むと自動的に引き込むものである。
また、ドア32は、前後方向(奥行き方向)に引き出し可能に構成され、ドアベース17と、ハンドル11と、ガラス板18とを組み合わせて構成されている。
ホルダ33は、スライドレール39の可動側39aの引き出し方向の端部に設けるドア継手80(後記図3参照)と係り合い、上下方向に着脱自在に載置されてグリルパン41を載置するようになっている。ドア32はドア継手80に保持される。換言すると、ホルダ33はグリルパン41を保持することが可能な保持部材である。なお、ホルダ33の他端側は調理庫26の側板26bの下端部26b1(後記図3も併せて参照)の矩形状の屈曲部の上面に載置される。そしてグリルパン41には、内部に魚や肉などの被加熱物が入れられて、加熱調理が行われる。
なお、図2中の符号36k,36k2は排気ダクトであり、調理庫内の排気手段36を構成する。
図3は、加熱調理器を示す分解斜視図である。図3に示すように、加熱ベース12は、ベース13、上板26a、フロントグリル82(枠体)、排気ダクト36k2、下ヒータ27b、上ヒータ27aなどを備えて構成されている。
なお、本実施形態では、ベース13と上板26aとフロントグリル82とで筺体が構成されている。また、スライドレール39である可動側39aを備える固定側49は、左右に設置される。
ベース13は、板金をプレス加工することで、底側に位置する底板26d、左右両側に位置する側板26b,26b及び後側に位置する後板26c(背板)を備えている。
上板26aは、ベース13の上部を塞ぐ矩形状の板金で構成され、側板26b,26b及び後板26cの上端縁部にねじ固定される。また、上板26aの後部には、矩形状のダクト接続口26a1が形成され、このダクト接続口26a1に排気ダクト36k2の一端が接続される。そして、排気ダクト36k2の他端は、排気手段36の排気ファン36aに連通している。排気ファン36aによって吸い込まれた空気は、排気ダクト36kを介して図示しない排気口へと排気される。
ここで、排気手段36は例えばベース13の後方に配置され、煙や臭いを強制的に本体2の外部に排出する排気ファン36a、この排気ファン36aを駆動する排気モータ36bなどのユニットを備えている。
なお、グリルユニット4は、上板26aと、側板26b,26bと、後板26cと、底板26dとによって、箱型の調理庫26を備えるようにされている。つまり調理庫26は、例えば金属製の板をプレス加工によりそれぞれ所定の形状に成形した複数の部材を、溶接やビスねじ等により組み立てることで構成されている。
また、ダクト接続口26a1の直下には、触媒34および触媒ヒータ37が設置され、ヒータカバー37aが装着される。ここで、触媒34は調理庫26内で発生する煙や臭いを浄化するものである。また、触媒ヒータ37は触媒34を加熱するために設置される。
なお、触媒ヒータ37と排気モータ36bは不図示の制御部と電気的に接続されている。
フロントグリル82は、ベース13の前部開口に固定され、板金を曲げ加工することで構成されている。また、フロントグリル82は、略矩形状の開口84を有し、この開口84を通して、スライドレール39、ホルダ33及びグリルパン41が前後方向に出し入れされるように構成されている。また、ドア32を全閉したときに、ドア32の背面が、開口84の周囲に形成された略四角枠状の周縁部83に当接するようになっている。
下ヒータ27bは、底板26dの近傍に沿って配置され、接続端子27d,27dが後板26cを通してベース13の外部に引き出されている。
下ヒータ27bは、調理庫26内の下部において、主に前後方向に延在して折り返しながら配置される。また、下ヒータ27bは、調理庫26の後板26cに固定金具16cを介して固定されている。
上ヒータ27aは、上板26aの近傍に沿って配置され、接続端子27c,27cが後板26cを通してベース13の外部に引き出されている。
上ヒータ27aは、調理庫26内の上部において、主に前後方向に延在して折り返しながら配置される。また、上ヒータ27aは、調理庫26の内部で固定金具16a,16bを介して固定されている。
なお、下ヒータ27b及び上ヒータ27aは、シーズヒータなどで構成されている。下ヒータ27bと上ヒータ27aとで、グリルパン41を上下で挟み込んで被加熱物(不図示)を加熱する。
そして、上ヒータ27aおよび下ヒータ27bは、調理庫26の上方に設けられた不図示の制御部によって制御される。ここで、食材から水分や油分が飛び散るのは、食材が一定温度を超えることにより発生することが知られている。そこで、制御部が下ヒータ27bによる加熱を弱くして、食材の温度が所定温度を超えないように調理することで、水分や油分の飛び散りを抑えるようにしてもよい。なお、制御部はグリルユニット4からの熱の影響を受けない場所に配置されている。また、制御部は操作部5(図1参照)や上面操作部9(図1参照)と電気的に接続されている。
スライドレール39の可動側39aは、金属製のドア継手80に固定されている。このドア継手80は、ドア32が着脱自在となるように構成されている。
固定側49は、例えば、スライドレール39の可動側39aをスライド自在に支持するものである(図2も併せて参照)。また、固定側49は、ねじを用いて、側板26bの下端部26b1に形成された矩形状に屈曲した窪みに固定されている。
そして、左右の固定側49は、固定金具48に固定される。さらにこの固定金具48はベース13に固定される。そして、ドア32を開閉する事で、固定側49にスライド自在に支持された可動側39aがスライドするスライドレール39によりドア32が開閉できる。
ホルダ33は、グリルパン41(なお、図3ではグリルパン41の一例としてグリルパン(平皿)40aを図示している)を支持する支持部材であり、例えば鉄製の線材の表面にクロームメッキを施すことで構成されている。なお、ホルダ33の形状の詳細は後記するが、前記したドア継手80に設けられたスリット状の溝部81に係り合う線状部51fを備えている。
グリルパン(平皿)40aは、例えば、鋼板などの材料の薄板をプレス加工して形成され、表面にセラミック塗装やホーローなど耐熱性のあるコート剤などがコーティングされたものである。これらの表面コートは、波皿40bよりも耐熱性の高い表面コートを意図的に選択した。グリルパン(平皿)40aの形状については詳細を後記する。
また、ベース13内には、前後方向の奥側に、グリルパン41の温度を検出する温度センサ70が設けられている。この温度センサ70は、センサカバー71と、センサ部(素子部)72と、センサ保持部材74とを含んで構成されている。
また、例えばセンサカバー71の内部には、例えばグリルパンの皿種(グリルパン(平皿)40a、またはグリルパン(波皿)40b)を判別する検知手段を構成する検知棒86が備えられる。検知棒86には付勢部材であるばね87が挿通される。なお、皿種判別センサSs1については詳細を後記する。
また、例えば後板26cの略中央上端部には、グリルパン41が逆向きに挿入された場合に、ドア32が閉まらないようにするための突起85が設けられている。
図4(a)はホルダ、(b)はホルダが装着されたグリルパン(平皿)、(c)はホルダが装着されたグリルパン(波皿)をそれぞれ説明する斜視図である。また(d)は(b)に、(e)は(c)にそれぞれ蓋体が装着された様子を説明する斜視図である。
なお、図4(a)の斜視図の補足説明として、本実施形態のホルダ33は、例えば左右対称形状を呈してなる。
図4(a)に示すように、ホルダ33は線状部51a,51gを有している。線状部51a,51gは、前端から後端にかけて直線状に延在し、後端付近で左右方向外側に屈曲する屈曲部を有している。
また、線状部51a,51gの前端には、線状部51a,51g同士をつなぐ線状部51fが接続されている。なおこの線状部51fは詳細を後記するが、ドア継手80に形成された溝部81(図7(a)参照)に嵌り込み、係り合うようにされている。これにより、ホルダ33がドア32(図2参照)の開閉動作に連動し、位置ずれが防止されている。
線状部51b1,51eは、線状部51c及び線状部51fよりも高い位置に形成され、グリルパン41の前後方向の動きを規制する部材である。なお、線状部51b1,51eは詳細を後記するがグリルパン41の保持部材となる。線状部51b1,51eにはグリルパン41のフランジ41eが介装される。
さらには、線状部51b1,51eは、線状部51a,51gよりもそれぞれ上方において規制棒51iおよび51hが接続されている。この規制棒51i,51hは、グリルパン41の四隅においてグリルパン41の外形に略沿うように屈曲する形状を呈し、グリルパン41の左右方向の位置ずれを規制している。
図4(b)は、グリルパン41のうち、グリルパン(平皿)40aを示す斜視図である。このグリルパン(平皿)40aは、オーブン調理用に使用する皿であり波皿40b(図4(c))よりも深いもので、ホルダ33に対して着脱可能となっている。また、グリルパン(平皿)40aは、例えば、市販のピザを1枚分入れることができる容量を有している。
図4(b)に示すように、グリルパン(平皿)40aは、略四角形状を有する底板41aと、底板41aの外周縁部から上方に向けて起立する側板41bと、を有し凹状に構成されている。
グリルパン(平皿)40aは、鋼板などの材料の薄板をプレス加工して形成され、表面にセラミック塗装やホーローなど耐熱性のあるコート剤などがコーティングされたものである。
なお、グリルパン(平皿)40aの底板41aは、底面60s1と、底面60s2を含むようにして、階段状の段付構造で構成される(詳細後記)。
また、底面60s1と底面60s2の間の階段状の段付構造の一部に、略垂直状に平面加工に追加押しして設ける検知棒86を押す棒押し部40a1を備える。
図4(c)は、グリルパン41のうち、グリルパン(波皿)40bを示す斜視図である。このグリルパン(波皿)40bは、被加熱物を載せるグリル調理用に使用する皿で、ホルダ33に対して着脱可能となっている。また、グリルパン(波皿)40bは、例えば、魚(例えば、秋刀魚)を頭と尾を前後の向きにして5尾横並びで入れることができる空間(容量)を有している。
図4(c)に示すように、グリルパン(波皿)40bは、略四角形状を有する底板41aと、底板41aの外周縁部から上方に向けて起立する側板41bと、を有し凹状に構成されている。
またグリルパン(波皿)40bは、鋼板などの材料の薄板をプレス加工して形成され、表面に食材がこびりつきにくいフッ素コート剤などがコーティングされたものである。平皿40aよりも食材のこびりつき難さを重視して使用用途別にあえて異なる表面コートにしたものである。
底板41aの上面には、幅方向(左右方向)に延在する凸条部41cが前後方向に間隔を空けて複数本形成されている。また、凸条部41cの並び方向の一端(後端)に位置する凸条部41c1(41c)は、他の凸条部41cより左右方向の長さが短く形成されている。
なお、以下ではグリルパン(平皿)40aおよびグリルパン(波皿)40bを特に区別する必要のない場合、断り書きなくグリルパン41と記載する場合がある。
図4(d),(e)に示すように、グリルパン(平皿)40a、グリルパン(波皿)40bには、共通の蓋体42を装着して、グリルユニット4(図1参照)で加熱調理を行うことができる。グリルパン41として、蓋体42を備えることにより、調理の幅(例えば、茶碗蒸しなどの蒸し料理や、ぎょうざなど)を広げることができる。
図5(a)は図4(b)の平面図、(b)は(a)のX1−X1矢視断面図、(c)は図4(c)の平面図、(d)は(c)のX2−X2矢視断面図である。
まず、図5(a)のグリルパン(平皿)40aを示す平面図、(b)の、(a)のX1−X1矢視断面図を参照しながら説明する。
図5(a)および図5(b)に示すように、グリルパン(平皿)40aは、側板41bの上端41dに、外側方に曲げ形成されたフランジ41eが形成されている。
なお、グリルパン(平皿)40aは、底板41aが底面60s1と、さらに1段下がった底面60s2とを含んでなる、略階段状の段付構造を呈している。底面60s1と底面60s2の間の階段状の段付構造の一部に検知棒86を押す棒押し部40a1を備える。つまり、グリルパン(平皿)40aは左右方向の側面視で、ホルダ33の線状部51e、線状部51b1、および線状部51cの3点において支持されている(3点支持)。
なお、グリルパン(平皿)40aの底面60s2のフランジ41eからの高さは、フランジ41eから線状部51cまでの高さをH1、線状部51cから底面60s2までの高さをH2とすると、H1とH2を合わせた高さ(H1+H2)で略均一な平面となるようにされている。
図5(c)はグリルパン(波皿)40bを示す平面図、(d)は(c)のX2−X2矢視断面図である。
図5(c)に示すように、グリルパン(波皿)40bは、凸条部41cと凸条部41cとの間に溝部41gが形成されている。また、底板41aの上面には、前端側の凸条部41c2(41c)の前方に凹形状の水溜め部41hが形成されている。この水溜め部41hは、水を溜めた状態で加熱されることにより、後記するヘルシーメニューにおいて過熱水蒸気を発生させることができ、また脱煙を図ることができるようになっている。
グリルパン(波皿)40bは左右方向の側面視で、ホルダ33の線状部51e、線状部51b1、および線状部51cの3点において支持されている(3点支持)。
また、グリルパン(波皿)40bの後端部分のフランジ41eの高さから、ホルダ33の線状部51cまでの高さH1は、グリルパン(波皿)40bの前端部分のフランジ41eの高さから底板41aまでの高さH3よりも、わずかに短くなっている(H1<H3)。つまり、底板41aは、後端から前端に向けてわずかに下降するように傾斜して設けられている(詳細後記)。
さらには、図5(b)のグリルパン(平皿)40aの底面60s2のフランジ41eからの高さ(H1+H2)と比較すると、H1<H3<H1+H2の大小関係を満たすようにされている。具体的には、例えば高さH1が約50mmの場合には、50mm<高さH3<60mm(H2≒10mm)を満たすようにして製作されている。但し、グリルパン40bの高さH3はグリルパン(波皿)40bを前後逆にグリルユニット4に装着しても皿種判別センサSs1の検知棒86(図3参照)と接触しない高さにされているものとする。
また、グリルパン(波皿)40bの後端部分のフランジ41eの高さから、ホルダ33の線状部51cまでの長さH1は、グリルパン(平皿)40aの後端部分のフランジ41eの高さから、ホルダ33の線状部51cまでの長さH1と同一となるようにして成形される。このようにすることによって、異なる形状のグリルパン41を同一のホルダ33で支持するとともに、同一の温度センサ70(詳細後記)を用いて計測することが可能になる。
図6(a)は図4(b)の底面斜視図、(b)は図4(c)の底面斜視図である。
図6(a),図6(b)に示すように、グリルパン(平皿)40a、グリルパン(波皿)40bにホルダ33を装着した底面視において、グリルパン(平皿)40aの後部には、検知棒86に当接する棒押し部40a1を備えている。棒押し部40a1は底面60s2と同じ面で側板41b方向に立ち上がる面を形成したものである。それにより安定した接触面を形成することができる。そして、平皿40aの後退移動により安定して検知棒86押し込むようにするものである。
また、図6(b)の波皿40bには、棒押し部40a1は無い。
よって、平皿40aと波皿40bは使用用途に応じて、深さ、底形状、表面コートを異なるものを選択している。
図7はグリルユニット4のドア32を開いた状態の図であって、(a)はホルダがドア継手と係り合う様子を説明する斜視図、(b)は(a)のX5−X5矢視断面図である。
なお、図7(a)ではドア32の記載を省略している。また、グリルパン41としてグリルパン(平皿)40aを例に図示している。しかし、グリルパン41はグリルパン(波皿)40bであってもよい。
図7(a)に示すように、ホルダ33は、ドア継手80に形成されたスリット状の溝部81に線状部51fが嵌り込み、係り合うようにされている(図7(b)も併せて参照)。
図7(b)は、グリルユニット4のドア32を開いた状態を示す縦断面図であって、(a)のX5−X5矢視断面図である。なお、本実施形態のグリルユニット4には、ドア32を開く際の引き出し量が所定のストローク量に達すると、それ以上開かないようにする不図示の規制機構が設けられている。
図7(b)に示すように、ドア32を全開まで開いた場合には、グリルパン41全体を加熱ベース12の前方に引き出すことができる。これにより、グリルパン41を真上に持ち上げることが容易になり(図7(b)の白抜矢印参照)、グリルパン41を取り出す際に必ずしも傾斜させなくても済む。これによって、グリルパン41の底に溜まった被加熱物から出た水分や油分が再び被加熱物に付着するのを防止するとともに、グリルパン41からこぼれ落ちるのを防止することができる。
また、ドア32を全開まで開いた場合でも、ホルダ33の一部が調理庫26の内部に残るように、側面視逆コの字状の屈曲部51a1,51g1を線状部51a,51gに設ける(図4(a)も併せて参照)。これによって、ドア32の開閉に伴って線状部51a,51gがスライドレール39の固定側49,49直上の側板26b内(図3、図2も併せて参照)を摺り動く際、線状部51a,51gが段差Δを越えて引き出されてスライドレール39の可動側39a,39a上に脱落することを防ぐことができる。つまり、ドア32のスムーズな開閉動作を確保することができる。
さらには、屈曲部51a1,51g1は調理庫26の側板26bの下端部26b1の矩形状の屈曲部の上面に載置され、下端部26b1の側板26b内と接触して摺り動く部分に、チューブ状のシリコーンゴム51jを当てがうようにしてもよい。このシリコーンゴム51jは、例えばチューブに切り込みを入れて屈曲部51a1,51g1にそれぞれ嵌め込むことで装着することができる。このシリコーンゴム51jは、屈曲部51a1,51g1がレールケース49,49直上の側板26b内と接触して摺り動く際の金属音の発生を防止することができる。また、シリコーンゴム51jは摺動性のよい耐熱樹脂ピースなどでもよい。
図8はグリルパンの皿種判別センサを説明する図であって、(a)は上面斜視図、(b)は正面図、(c)は(b)のX7−X7矢視断面図である。
図8(a)に示すように、加熱ベース12の後端部にはグリルパン41の皿種判別センサSs1が装着される。なお、皿種判別センサSs1とは、グリルパン(平皿)40a、またはグリルパン(波皿)40bのいずれの皿種が挿入されているかを判別するセンサである。ここで、皿種判別センサSs1は、検知棒86と、ばね87と(図3も併せて参照)、とを含んでなる。
図8(b)、および図8(c)に示すように、皿種判別センサSs1の検知棒86およびばね87は、温度センサ70のセンサカバー71の内部に、センサ部72とは左右方向に位置をずらして設置される。検知棒86にはばね87が挿通され、検知棒86を前方へ付勢するようにされている。そして、検知棒86の前端は、グリルパン(平皿)40aが挿入されたときに側板41bの下端の位置と当接し、ばね86の付勢力に抗してわずかに後方に押圧されるようになっている(図8(c)の実線矢印参照)。検知棒86がわずかに後方に押圧されると、調理庫26の外に設置された皿種判別センサSs1(図8(a)参照。)のマイクロスイッチK9(図12参照)の通電が入りになる。
図12から図14で皿種判別センサSs1について詳細に説明する。
K1は外郭(センサカバー71)で、調理庫26の奥下方に内側に凸状の台形状したもので、上方にはセンサ部72を設け平皿40sの底面60s1に当接し、側面には後述する検知棒86を軸方向に摺動するようにA穴K6aで支え、平皿40sの棒押し部40a1に当接し、平皿40sを入れる事で検知棒86が後方に摺動する構成としている。
86は検知棒で、平皿40sの棒押し部40a1に当接して後方に摺動し後述するマイクロスイッチK9を操作する。調理庫26に平皿40sが無い場合は、検知棒はばね87で前(ドア32)側に付勢されている(図1に示す検知棒86の位置は後方に押された状態を示す)。
K5bはバネ止めで、検知棒86に設けらればね87の伸びる力を受け止めて検知棒86を前側(調理庫26のドア32側)に付勢している。
K5はカット部で、検知棒86の外形を略縮径したもので、例えば径を小さくしても良いし、外形をDカットした形状としてもよい。検知棒86を支持する支持部K12に設けたB穴K12aは前記カット部K5の外形に合わせた穴とすることで、検知棒86の縮径していない部分を通れなくすることで検知棒86の後方に摺動する距離を規制している。そうすることで、掃除の時に誤って検知棒86を押し込んでA穴K6aから脱落しないようにしている。検知棒86の突出量K16よりK15を小さく設定している。検知棒86は調理庫内側K4から押し込まれたときには、検知棒86の後端部は調理庫26の庫外に突き出すものである。
K8はレバーで、てこの原理を利用して検知棒86の前後に摺動した動きをマイクロスイッチK9に伝えるものである。レバーk8には力点にあたる棒受け部K8aと支点にあたる軸受部K8cと作用点にあたるバネ押し部K8bからなり、棒受け部K8aはレバーK8の一端側に設けられ、軸受部K8cは他端側に設けられ、軸受部K8cは軸K3に回転自在に支持されている。バネ押し部K8bは、棒受け部K8aと軸受部K8cの間の軸受部K8c寄りの後側(ドア32との反対側)に設けられている。またバネ押し部K8bと軸受部K8cは調理庫26の下側の位置となるようにレバーK8を形成している。またバネ押し部K8bの後側には後述するレバーバネK13を保持するように凸部が設けられ、該凸部にレバーバネK13の内径を保持している。さらにレバーK8には後述する抑え込み板K14と係止する係止部K8dを備えている。この係止部K8dは、バネ押し部K8bを挟んで軸受部K8cの反対側に設けられている。レバーK8は、樹脂で形成することにより、調理庫26に臨ませて調理庫26や接する平皿40aから受熱する検知棒86の熱が伝わりにくくしている。
K14は押し込み板で、一端側には軸受部K14cを設けレバーK8の軸受部K8cを保持している軸K3に独立して回転自在に支持され、他端側には係止部K14dを設け、軸受部K8cと係止部K14dとの間に、レバーバネK13で押される押され面K14aと該押され面K14aの反対側の面にマイクロスイッチK9のアクチュエータK9aを押す作用面K14bとを設けている。前記係止部K14dは前記係止部K8dと係止し、軸K3を支点として押し込み板K14とレバーK8との角度を特定の角度以上に開かないようにと止めるもので、特にレバーバネK13の伸びる力でも負けない係止力を持っている。但し該係止力は前記角度を狭める方向には作用しない構造としている。また押され面K14bにはレバーバネK13の内径を保持するように凸部が設けられ該凸部にレバーバネK13が保持されている。
K13は弾性体から成るレバーバネで、レバーバネK13を押し縮めるための力は、マイクロスイッチK9のアクチュエータK9aを押す力より強くしている。
K10はスイッチベースで、スイッチベースK10には軸K3とストッパーK15aとを設けている。前記軸K3には押し込み板K14の軸受部K8cとレバーK8の軸受部K8cを独立して回転自在に保持し、押し込み板K14の押され面K14bとレバーK8のバネ押し部K8bとの間にレバーバネK13を保持し、押し込み板K14の係止部K14dとレバーK8の係止部K8dとで互いに特定の角度以上に開かないように係止している。また、ストッパーK15aによって押し込み板K14がマイクロスイッチK9のアクチュエータK9aを必要以上に押え込むのを防止している。
次に図12〜図16を用いてスライドレール39の引込機構49aと皿種判別センサSs1との関連を説明する。図15と図16は、図2に示すように調理庫26にホルダ33に載置したグリルパン41(平皿40a)を収納する際、ドア32を押し込んでいく過程のスライドレール39の引込機構49aの位置と平皿40aの位置と検知棒86の位置の状態を示した図である。
図15の(a)に第一状態は、ドアを押し込み、スライドレール39の引込機構49aが引き込み動作を開始する直前の状態である。この状態では、平皿40aは検知棒86にまだ当接していない状態である。そのため検知棒86は、ばね87によって調理庫内側K4へ突出した状態で、レバーK8は回動することはなく、マイクロスイッチK9は切り状態となっている。
図15(b)は第二状態で、スライドレール39の引込機構49aが引き込み動作中の状態である。この状態では、平皿40aの棒押し部40a1に検知棒86が当接して、検知棒86をばね87の伸びる力に対抗して押込みを開始する状態である。この段階では、まだマイクロスイッチK9は切り状態となっている。
前述の引込動作とは、調理庫26に設けられたスライドレール39の後方に設けられた引込機構49aがドア32を自動的に引き込んで閉め切るものである。構造は、可動側39aの回転ローラ49a2が固定側49(図7参照)の後部に設けられた曲線経路49a1に達すると、回転ローラ49a2を曲線経路49a1側に付勢する付勢手段49a3が設けられているため、回転ローラ49a2が前記曲線経路49a1に沿って自力で転がるために、自動的に前記ドア32を引き込んで閉め切るものである。
図16(a)は第三状態で、スライドレール39の引込機構49aが引き込み動作中でマイクロスイッチが切から入になる状態である。この状態では、平皿40aの棒押し部40a1は検知棒86を押して、レバーK8が回動してレバーバネK13を介して押し込み板K14を押してマイクロスイッチK9のアクチュエータK9aを押し込み、マイクロスイッチK9のスイッチは切から入の状態が成立しているものである。この状態では、押し込み板K14は既にストッパーK15aで移動を規制されている状態である。
図16(b)は第四状態で、スライドレール39の引込機構49aが引き込み動作を完了した状態である。この状態では、平皿40aの棒押し部40a1は検知棒86を完全に押し込み、押し込み板K14は既にストッパーK15aで規制され止まっている状態に対して、さらにレバーK8が回動してレバーバネK13を押し込んでバネを圧縮している状態である。
こうすることによって、ドア32を手で押して閉める際に、ドア32の閉まる直前には引込機構49aが引き込み動作を開始してドア32を引き込むことで、検知棒86を確実に押し込むことができる。これは、使用者によってドア32を押し込む動作だけに依らず引込機構49aで検知棒86を押込んで、マイクロスイッチK9を入にすることで、二重の作用で確実に皿種判別センサSs1の動作を成立している。
この引込機構49aの引き込み力は、検知棒86に設けたばね87とレバーK8で圧縮するレバーバネK13の合算される検知棒86の押込み力と比べて大きくすることで、引込機構49aで引き込んでいる途中に検知棒86に当接しても、引込動作の抵抗とならず最後までドア32を引き込むことが可能となる。
ドア32を開くときは、この第四状態から第一状態へと反対に移行する。
但し、ドア32は引込機構49aによって引き込み閉じられているため、ドア32の閉成状態から引込機構49aが働いている区間(回転ローラ49a2が曲線経路49a1内を通過している間)は、使用者は少し強い力でドア32を引き出す必要が有る。そのため、ドア32を開く時の瞬間は、ドア32の引き出される速度が速くなる。
ドア32を引き出すと、ドア32の移動に伴い平皿40aが引き出され、合わせて検知棒86はばね87の復元力によって前側(調理庫26のドア32側)に突出する。検知棒86が前側に移動すると、レバーバネK13の復元力によって、押し込み板K14をストッパーK15aに押し付けた状態でレバーK8をストッパーK15b側に押し付ける力が働く。該力によってレバーK8は軸K3を支点にして押し込み板K14との角度を広げ始め、特定の角度まで開くとレバーK8に設けられた係止部K8dが押し込み板K14に設けられた係止部K14dと係止する。該係止後も、レバーバネK13の復元力によってストッパーK15b方向に移動する運動エネルギーを与えられたレバーK8は、前記係止した押し込み板K14を引っ張る状態でストッパーK15bに当接するまで移動する。そのため、押し込み板K14はマイクロスイッチK9のアクチュエータK9aの押し込みを解除してマイクロスイッチK9から離れマイクロスイッチK9の接点を切りにする。
前記レバーバネK13の復元力は、第三状態のマイクロスイッチK9のアクチュエータK9aを押しこんだ状態から第四状態のレバーバネK13を押し込んでバネを圧縮している状態から解放される時に強い反発力が得られる時と、また前述したドア32を開く時の瞬間は、ドア32の引き出される速度が速くなり検知棒86の戻りの動作が早くなる時の動きが同時間で重なり、押し込み板K14をマイクロスイッチK9から確実に引き離すことが可能となる(検知棒86の戻りが早くなることで、レバーバネK13の強い反発力の力をレバーK8の移動力へと有効に変換される)。以上の動作は使用される環境化においても安定した動作が得られる利点がある。
図9(a)〜図9(c)、および図10(a)、図10(b)はドアセンサの検知の仕組みを説明する図である。まず、図9(a)は断面方向を説明する図、(b)は(a)のX8−X8矢視断面図、(c)は(b)のJ部の部分拡大図である。
図9(a)に示すように、実施形態にかかわるグリルユニット4は、例えばドアセンサSs2を備えている。このドアセンサSs2は、例えばドア32が閉まった状態となったときに通電する仕組みを備えたセンサであればよい。
ここで、本実施形態では、グリルパン41の皿種にかかわらず、正しい挿入方向が規定されている。
詳しく説明すると、例えばグリルパン(平皿)40aを用いた場合には、底面60s1が後方(すなわち引き出し方向奥側)となるように挿入しないと、グリルパン(平皿)40aの側板41bがセンサカバー71および検知棒86と当接してしまう。その場合、それ以上調理庫26の奥側には挿入できなくなり、温度センサ70によるグリルパン(平皿)40aの温度計測ができなくなってしまう。
また、グリルパン(波皿)40bを用いる場合においても、水溜め部41h(図5(c)参照)が前方(すなわち引き出し方向手前側)となるように挿入しないと、図5(d)で前記した通り底板41aのフランジ41eからの高さ関係がH1<H3となっているので、フランジ41eがホルダ33から浮き上がり、不安定な状態となってしまう。さらには、調理庫26の内部に導入される空気の下流位置となってしまうので、調理庫26の内部にむらなく蒸気を行き渡らせる前に、直上に設けられた排気ダクト36k2から蒸気が排気されてしまうことになる。
ゆえに、本実施形態では、グリルパン41が正しい方向に挿入されていない場合、ドア32が完全には閉まらず、ドアセンサSs2が通電されない仕組みを備えた。これによって、ユーザに挿入方向を確認させる契機を与えることができる。
図9(b)、および図9(c)に、例えばグリルパン(波皿)40bが逆向きに挿入された場合の断面図の一例を示す。
本実施形態のグリルユニット4は、後板26cの上部に、突起85が備えられる(図3も併せて参照)。この突起85は、グリルパン(波皿)40bが逆向きに挿入された際に、フランジ41eと当接する位置に設置されている。そして、これ以上引き出し方向奥側にドア32を引き込ませることができないように規制する。
なお、図9(c)における符号H6は、グリルパン(波皿)40bが逆向きに挿入された場合のフランジ41eのホルダ33の線状部51b1からの浮き上がり量を示している(この場合はH6≒H3−H1を満たす)。
また、グリルパン(平皿)40aの前後方向が逆向きに挿入された場合においても、センサカバー71および図8(c)で示した検知棒86との構造的な関係で、グリルパン(平皿)40aの側板41bがセンサカバー71および検知棒86と当接する。これによって、グリルパン(平皿)40aのそれ以上調理庫26の奥側への挿入が規制される。このようにして、ドア32が完全には閉まらず、半開きの状態となるようにされている。
次に、図10(a)は図9(a)のX9−X9矢視断面図、(b)は(a)のK部の部分拡大図である。
図10(a)、図10(b)に示すように、図9(c)に示す突起85によってドア32が幅H7の分だけ半開きの状態となり、それ以上の調理庫26内への引き込みが規制される。この場合、ドアセンサSs2の支柱部90は、ばね92の付勢力によって回動軸91まわりに付勢される。そして、支柱部90の先端からドア32を押圧する方向に飛び出した突起部93が、ドア32に設けられた被接触板96と接触するようにされている。この状態では、端子部94は端子部95と非接触の状態であり、ドアセンサSs2が通電されない状態となる。
なお、ドア32が完全に閉じた状態では、支柱部90の突起部93がばね92の付勢力に抗してドア32の非接触板96に押圧される。そして、端子部94が回動軸91を中心に時計回りに回動され、端子部95と接触することによって、ドアセンサSs2が通電される。
図11は、皿種判別センサSs1およびドアセンサSs2の検知信号の組み合わせからグリルパンの皿種および挿入方向を判別する仕組みを説明する図である。なお、図11中、○は通電状態、×は非通電状態を示す。
図11に示すように、皿種判別センサSs1は、グリルパン(平皿)40aが挿入されたときは、正方向および逆方向に挿入された場合いずれも、検知棒86(図8(c)参照)がグリルパン(平皿)40aに押圧されるので、通電状態となる。
また、皿種判別センサSs1は、グリルパン(波皿)40bが挿入されたときは、正方向および逆方向に挿入された場合いずれも、検知棒86(図8(c)参照)がグリルパン(波皿)40bの底板41aよりも下方に位置するため押圧されず、非通電状態となる。
また、ドアセンサSs2は、グリルパン(平皿)40aおよびグリルパン(波皿)40bが正方向に挿入されたときはいずれも、突起85(図9(c)参照)によってドア32の調理庫26内への引き込みが規制されない。ゆえに、ドア32は完全に閉まり、ドアセンサSs2は通電状態となる。
また、グリルパン(平皿)40aが逆方向に挿入された時は、センサカバー71または検知棒86によってドア32の調理庫26内への引き込みが規制される。また、グリルパン(波皿)40bが逆方向に挿入されたときは、突起85(図9(c)参照)によってドア32の調理庫26内への引き込みが規制される。以上によって、いずれもドア32は半開きの状態となり、ドアセンサSs2は非通電状態となる。
つまり、図11に示すように、皿種判別センサSs1、ドアセンサSs2の通電パタンを検知することによって、いかなる皿種のグリルパン41が、正方向または逆方向に挿入されているかを電子的に識別することができる。
以上によって、例えば調理に不適切な皿種が挿入されている場合には図示しない表示部に警告を表示することができる。さらには、正しい皿種が挿入されていても逆方向に挿入されている場合には、図示しない表示部に警告を表示することができる。このようにして、ユーザにグリルパン41の状態を確認させる契機を与えることができる。
以上説明したように、本実施形態のグリルユニット4では、平皿40aの側板41bに設けた棒押し部40a1は底面60s2を凹まさずに側板41bの方向に立ち上げて形成した。
本実施形態のグリルユニット4は、検知棒86(図8(c)参照)を有する皿種判別センサSs1を備えている。この皿種判別センサSs1の検知棒86は、例えばグリルパン(平皿)40aを調理庫内26に挿入した場合には、平皿40aの棒押し部40a1に検知棒86の前端が接触して奥側に押圧されるように設置される。また、グリルパン(波皿)40bを調理庫内26に挿入した場合には、波皿40bは平皿40aより浅く、そのため検知棒86に接触しない構造としている。そのため、平皿40aが挿入されたときのみ、検知棒86を押し込んでマイクロスイッチK9を入りにするものである。
検知棒86はグリルパン41の底板41aの下方に位置するため、被調理物の調理中に発する跳ねた油や跳ねた異物が付着しにくい。そのため、常に検知棒86はスムーズに前後に摺動する状態を保つことができる。
スライドレール39の引込機構49aの引き込み動作によって検知棒86を確実に移動してマイクロスイッチK9を入にすることが可能とすることで、使用者のドア32の押し込み具合に左右される事無く確実に皿種判別センサSs1の動作を成立することができる。
ドア32の閉成状態から開成するときは、レバーバネK14は、マイクロスイッチK9のアクチュエータK9aを押し込み、バネを圧縮している状態から解放される時に強い反発力が得られることで、押し込み板K14はマイクロスイッチK9のアクチュエータK9aの押し込みを確実に解除することができる。
レバーK8を使用して作用点を支点寄りに設け、またレバーバネK13によってマイクロスイッチK9のアクチュエータK9aを押し込んだ後のレバーK8の移動量を吸収することで、検知棒86の移動量を大きくすることが可能となる。そして検知棒86の移動量を大きくすることで調理庫26、ホルダ33、平皿40aの各部品の公差バラツキ、組み立てバラツキ、さらに平皿40aをホルダ33に載せるバラツキに影響を受ける事無く、確実にマイクロスイッチK9のアクチュエータK9aを確実に押し込むことができる。また検知棒86が移動する遊びとしてレバーバネK13を圧縮して力を逃がすことによって、レバーK8と押し込み板K14とマイクロスイッチK9に過剰な力が加わらないようにしている。
調理庫26内の内部機構K6と調理庫26外の外部機構K11を後板26cで分けて、スイッチベースK10を後板26cの下方に設けマイクロスイッチK9への温度保護を行っている。
よって、平皿40aと波皿40bを正しく判別して、信頼性の高い皿種判別センサを設けた加熱調理器を提供できる。