以下、図面に基づいて、本発明の実施形態を説明する。図1に示す実施形態は、外部負荷に対して直列接続された2つの太陽電池M1、M2から構成されている太陽光発電システムに、本発明の電力配分回路1を組み込んだ例を示している。
同図に示すように、太陽電池M1の正極端子P1と太陽電池M2の負極端子P2は、出力電路Aを介してパワーコンディショナ等の外部負荷と接続されており、また、太陽電池M1の負極端子P2と太陽電池M2の正極端子P1との間は、連結電路Bで接続されている。また、これらの太陽電池M1、M2の正極端子P1と負極端子P2間にはそれぞれ、バイパスダイオードBD1、BD2が接続されている。
なお、以下の説明においては、これらの太陽電池M1、M2の前後の向きはそれぞれ正極端子P1側を前側、負極端子P2側を後側とし、M1を前段の太陽電池、M2を後段の太陽電池とする。
本発明の電力配分回路1は、前段の太陽電池M1の正極端子P1に、出力電路A上の接続点j1を介して導通する充放電路2(第1の充放電路)と、当該太陽電池M1の負極端子P2に、連結電路B上の接続点j2を介して導通する充放電路3(第2の充放電路)を有している。
また、この電力配分回路1は、後段の太陽電池M2の正極端子P1に、連結電路B上の接続点j3を介して導通する充放電路4(第3の充放電路)と、当該太陽電池M2の負極端子P2に、出力電路A上の接続点j4を介して導通する充放電路5(第4の充放電路)を有している。
充放電路2と充放電路3の間は、連絡電路6(第1の連絡電路)と連絡電路7(第2の連絡電路)で連絡されている。また、充放電路4と充放電路5の間は、連絡電路8(第3の連絡電路)と連絡電路9(第4の連絡電路)で連絡されている。
前記連絡電路6には、充放電路2との接続点j5と隣り合って、スイッチング素子S11(第1のスイッチング素子)が組み込まれており、充放電路3との接続点j6と隣り合って、スイッチング素子S12(第2のスイッチング素子)が組み込まれている。
また、連絡電路7には、充放電路2との接続点j7と隣り合って、コンデンサC11(第1のコンデンサ)が組み込まれており、充放電路3との接続点j8と隣り合って、コンデンサC12(第2のコンデンサ)が組み込まれている。
さらに、連絡電路8には、充放電路4との接続点j9と隣り合って、スイッチング素子S21(第3のスイッチング素子)が組み込まれており、充放電路5との接続点j10と隣り合って、スイッチング素子S22(第4のスイッチング素子)が組み込まれている。
また、連絡電路9には、充放電路4との接続点j11と隣り合って、コンデンサC21(第3のコンデンサ)が組み込まれており、充放電路5との接続点j12と隣り合って、コンデンサC22(第4のコンデンサ)が組み込まれている。
本実施形態の電力配分回路1においては、スイッチング素子S11〜S22としてトランジスタ(FET)を用いている。なお、これらのスイッチング素子にはリレーを用いてもよい。
連絡電路6上のスイッチング素子S11とスイッチング素子S12間の接続点j13と、連絡電路7上のコンデンサC11とコンデンサC12間の接続点j14にはそれぞれ、トランスTの巻線L1(第1の巻線)の両端が接続されている。
また、連絡電路8上のスイッチング素子S21とスイッチング素子S22間の接続点j15と、連絡電路9上のコンデンサC21とコンデンサC22間の接続点j16にはそれぞれ、トランスTの巻線L2(第2の巻線)の両端が接続されている。
なお、前記2つの巻線L1、L2は、これらの一方がトランスTの1次側巻線を、他方が2次側巻線を構成するものであり、図1においては作図の都合上、巻線L1側と巻線L2側の両方にトランスTを表示しているが、これらは同じ1つのものを表している。なお、巻線L1とL2の巻線比は1:1としてある。
充放電路2上の、接続点j1と隣り合う接続点j17と、充放電路3上の、接続点j2と隣り合う接続点j18間には、前段の太陽電池M1の正極端子P1と負極端子P2間の電圧を検出する電圧センサVS1(第1の電圧センサ)が接続されている。
また、充放電路4上の、接続点j3と隣り合う接続点j19と、充放電路5上の、接続点j4と隣り合う接続点j20間には、後段の太陽電池M2の正極端子P1と負極端子P2間の電圧を検出する電圧センサVS2(第2の電圧センサ)が組み込まれている。
さらに、充放電路2と充放電路3間には、スイッチング素子S11、S12が発生するスイッチングノイズを低減するとともに、これらの充放電路2、3を流れる電流の変動を平滑化するためのローパスフィルタLPF1が組み込まれている。
また、充放電路4と充放電路5間には、スイッチング素子S21、S22が発生するスイッチングノイズを除去するとともに、これらの充放電路4、5を流れる電流の変動を平滑化するためのローパスフィルタLPF2が組み込まれている。なお、これらのローパスフィルタLPF1、LPF2は、省略しても電力配分回路1の動作は可能であるが、実用上は使用することが望ましい。
また、図1には図示していないが、電力配分回路1は、各スイッチング素子S11〜S22のON/OFFの切換動作を制御するためのスイッチング制御回路を有している。図2は、前記スイッチング制御回路のブロック図であって、同図に示すように、スイッチング制御回路10は、スイッチング素子S11〜S22のON/OFFのタイミングの基準となる共通のパルス信号を生成するパルス発振器を有している。
前記パルス発振器が出力するパルス信号は位相制御部に入力される。位相制御部は前記パルス信号から位相差のある2つのパルス信号を生成し、その一方を相補回路CP1に、他方を相補回路CP2に伝送する。
相補回路CP1は、位相制御部から送られたパルス信号に基づいて、ドライバ回路D11とドライバ回路D12に、互いに逆位相のパルス信号を出力する。ドライバ回路D11は、相補回路CP1から送られたパルス信号に基づいて、スイッチング素子S11を周期的にON/OFF動作させる。
また、ドライバ回路D12は、相補回路CP1から送られたパルス信号に基づいて、スイッチング素子S12を前記スイッチング素子S11と逆位相で周期的にON/OFF動作させる。
相補回路CP2は、位相制御部から送られたパルス信号に基づいて、ドライバ回路D21とドライバ回路D22に、互いに逆位相のパルス信号を出力する。ドライバ回路D21は、相補回路CP2から送られたパルス信号に基づいて、スイッチング素子S21を周期的にON/OFF動作させる。
また、ドライバ回路D22は、相補回路CP2から送られたパルス信号に基づいて、スイッチング素子S22を前記スイッチング素子S21と逆位相で周期的にON/OFF動作させる。
さらに、スイッチング素子S11とスイッチング素子S12の組と、スイッチング素子S21とスイッチング素子S22の組の間では、ON/OFF動作のタイミングに、位相制御部で制御される位相差だけ時間差が設けられる。
位相制御部で制御される位相差は、演算部が2つの電圧センサVS1、VS2が検出する電圧値に基づいて算定する。前記演算部はまた、各ドライバ回路D11〜D22への通電のON/OFF制御も行う。スイッチング制御回路10の動作の詳細については後述する。
本実施形態のものにおいては、演算部をマイクロコンピュータで構成しており、これに内蔵されているプログラムに従って、スイッチング素子S11〜S22の動作を制御している。なお、スイッチング制御回路は、全体を1つのマイクロコンピュータによって構成してもよい。
次に、前述したように構成されている電力配分回路1の動作を説明する。
図1に示すシステムにおいて、前段の太陽電池M1の発電出力が、後段の太陽電池M2の発電出力より大きい場合、同図のように4つのスイッチング素子S11〜S22が全てOFF(電力配分回路1が停止して機能していない状態)のときは、このシステムは、図3に実線で示すような、最大出力動作点をPmとする階段状の電流電圧特性を示す。
なお、同図において破線で示す曲線は、太陽電池M1のみの電流電圧特性を表しており、前記最大出力動作点Pmにおいては、太陽電池M1自体は、前記破線上の点aで動作しており、V1aは太陽電池M1の出力電圧を表している。また、前記点Pmと点aと差V2aは、太陽電池M2の出力電圧を表しており、V1a>V2aとなっている。
この状態から電力配分回路1を起動し、前記スイッチング制御回路10によって図4に示すタイミングで各スイッチング素子のON/OFFの切換動作を周期的に反復させる。なお、同図において、ハッチングを掛けて表示している部分は、スイッチング素子がONの状態を示しており、また横軸は、経過時間tに、図2に示すスイッチング制御回路10中のパルス発振器の角周波数ωを掛けたωtで表示してある。
図4に示すように、スイッチング素子S11とスイッチング素子S12どうし、ならびに、スイッチング素子S21とスイッチング素子S22どうしは、それぞれ、ON/OFF動作が逆位相となるように相補的に行われる。
この際、スイッチング素子S11とスイッチング素子S12の組のON/OFF動作のタイミングは、スイッチング素子S21とスイッチング素子S22の組のON/OFF動作のタイミングよりも位相角δ(ただし、0<δ<π)だけ進ませる。
2つのスイッチング素子S11、S12の周期的なON/OFF動作により、太陽電池M1の出力電流の一部は、図4に実線で表示している、周期的に変化する電流It1に変換されてトランスTの一方の巻線L1に流れる。
これに伴い、トランスTの他方の巻線L2には、前記巻線L1を流れる電流と逆向きに、図4に破線で表示している電流It2が誘起され、この電流It2は、太陽電池M2側の2つのスイッチング素子S21、S22の周期的なON/OFF動作によって直流電流に整流される。
この電流は、充放電路4から接続点j3で連結電路Bへ流れるときに、太陽電池M2の出力電流に加算されて、直列接続された前段の太陽電池M1へ流れる太陽電池M2の出力電流の不足分が補充される。一方、外部負荷から太陽電池M2へ流れる電流の余剰分は、接続点j4で充放電路5側へ迂回する。
なお、図4に示している電流It1と電流It2はそれぞれ、電力配分回路1を起動してから十分時間が経過して定常稼働状態に入った後の状態を示しており、電流It1と電流It2は、時間経過とともに、正逆方向(同図においては上下方向)に対称的に変化する。
以下、定常稼働状態における電力配分回路1の動作を、トランスTの巻線L1に流れる電流It1(巻線L2に流れる電流It2)の変化の1周期の中を、STEP1〜STEP6の6つの区間に分けて詳細に説明する。
図4に示すように、STEP1は、トランスTの巻線L1を流れる電流It1が0アンペアから増加してスイッチング素子S21がONに、スイッチング素子S22がOFFに切り替わるまでの期間とする。
STEP2は、前記STEP1の終了時点からスイッチング素子S11がOFFに、スイッチング素子S12がONに切り替わるまでの期間とする。STEP3は、前記STEP2の終了時点から電流It1が減少して0アンペアになるまでの期間とする。
STEP4は、前記STEP3の終了時点から、スイッチング素子S21がOFFに、スイッチング素子S22がONに切り替わるまでの期間とする。STEP5は、前記STEP4の終了時点から、スイッチング素子S11がONに、スイッチング素子S12がOFFに切り替わるまでの期間とする。
STEP6は、前記STEP5の終了時点から、逆向きに流れていた電流It1が減少して0アンペアになるまでの期間とする。なお、前記STEP6以降は、再びSTEP1から動作が繰り返される。
図5は、前記STEP1における電力配分回路1中における電流の流れを模式的に説明する図であって、図中の矢印付の破線は、電力配分回路1に流れる電流を表している。
なお、同図を含む以降の電力配分回路1中の電流の流れを説明する各図においては、電流経路を分かり易くするため、図1中のローパスフィルタLPF1、LPF2と電圧センサVS1、VS2の図示は省略してある。
また、図中、電力配分回路1に対して充放電路2と充放電路3から出入りする電流をIa、充放電路4と充放電路5から出入りする電流をIb、コンデンサC11を流れる電流をIc、コンデンサC12を流れる電流をId、コンデンサC21を流れる電流をIe、コンデンサC22を流れる電流をIfで表記している。さらに、電流It1、It2の流れる向きは、図中の巻線L1、L2をそれぞれ右向きに通過する向きを順方向とする。
STEP1においては、スイッチング素子S11とスイッチング素子S22がONであり、電流It1は、図4に示すように順方向に単調に増加し、電流It2は、逆方向に単調に増加している。また、STEP1においては、図5に示すように、太陽電池M1の出力電流の一部が、出力電路A上の接続点j1から充放電路2へ電流Iaとして流れる。
前記電流Iaは、接続点j7でコンデンサC11が放電する電流Icと加算されて電流It1となり、トランスTの巻線L1に流れる。前記電流It1は、連絡電路7上の接続点j14で再びコンデンサC11を流れる電流Icと、コンデンサC12を充電する電流Idに分流する。前記電流Idはさらに、接続点j8から充放電路3を電流Iaとなって流れ、接続点j2から連結電路Bを経由して太陽電池M1の負極端子P2に戻る。
一方、トランスTの巻線L2には、電流It2が誘起される。この電流It2は、スイッチング素子S22がONであるため、接続点j15から連絡電路8を経由して充放電路5へ流れ、外部負荷側から充放電路5へ流入する電流Ibと、接続点j12で合流して電流IfとなりコンデンサC22へ流れる。
このとき、コンデンサC22は放電しており、前記電流Ifは連絡電路9上の接続点j16で、巻線L2へ戻る電流It2とコンデンサC21へ流れる電流Ieに分流する。なお、このときコンデンサC21も放電している。
前記電流Ieは、コンデンサC21を通過して接続点j11で充放電路4に電流Ibとして流入する。前記電流Ibは、接続点j3で太陽電池M2の出力電流に加算され、連結電路Bを通って太陽電池M1側へ流れる。
STEP2においては、図6に示すように、スイッチング素子S11がONであり、太陽電池M1の出力電流の一部は、電流Iaとして接続点j1から充放電路2に流れ、これに接続点j7でコンデンサC11から放電された電流Icが加算されて、トランスTの巻線L1に電流It1として流れる。ここでは、電流It1は、図4に示すように、漸減しながら順方向に流れる。
図6に示すように、巻線L1を通過した電流It1は、連絡電路7上の接続点j14で前記コンデンサC11へ流れる電流Icと、コンデンサC12へ流れる電流Idに分流する。前記電流Idは、接続点j8から電流Iaとして充放電路3に流れ、さらに接続点j2から連結電路Bを通って太陽電池M1の負極端子P2に戻る。なお、このときコンデンサC11は放電し、コンデンサC12は充電している。
また、STEP2においては、スイッチング素子S21がONであり、巻線L2には、電流It2が逆方向に誘起され、漸減しながら流れる。前記電流It2の一部は、充放電路4上の接続点j11でコンデンサC21へ電流Ieとして分流してこれを充電し、残りの電流Ibは、接続点j3で太陽電池M2の出力電流に加算され、連結電路Bを通って太陽電池M1側へ流れる。
一方、接続点j4で外部負荷側から充放電路5に流入した電流Ibは、放電するコンデンサC22に電流Ifとして流れ、連絡電路9上の接続点j16でコンデンサC21を流れる電流Ieと加算されて、巻線L2へ電流It2として流れる。
STEP3では、図4及び図7に示すように、スイッチング素子S12とスイッチング素子S21がONであり、トランスTの巻線L1には単調に減少しながら順方向に電流It1が流れ、巻線L2には単調に減少しながら逆方向に流れる電流It2が誘起される。
太陽電池M1の出力電流の一部は、接続点j1から充放電路2に電流Iaとして流入し、さらにコンデンサC11に電流Icとして流れてこれを充電する。前記電流Icは、連絡電路7上の接続点j14で電流It1と加算されて、コンデンサC12へ電流Idとして流れてこれを充電する。
前記電流Idはさらに、充放電路3上の接続点j8で巻線L1へ流れる電流It1と、接続点j2へ向かう電流Iaに分流する。前記電流Iaは接続点j2から連結電路Bを経由して太陽電池M1の負極端子P2に戻る。
一方、巻線L2に誘起された電流It2は、充放電路4上の接続点j11で、電流Ibと電流Ieに分流する。前記電流Ibは、接続点j3で、接続点j3で太陽電池M2の出力電流に加算され、連結電路Bを通って太陽電池M1側へ流れる。
また、前記電流Ieは、コンデンサC21へ流れてこれを充電し、さらに、連絡電路9上の接続点j16で前記電流Ifと合流して再び電流It2として巻線L2へ戻る。一方、外部負荷側から太陽電池M2の負極端子P2へ向かう電流の一部は、接続点j4から電流Ibとして充放電路5に流れ、接続点j12から電流IfとなってコンデンサC22に流れる。このとき、コンデンサC22は放電する。
STEP4では、図4及び図8に示すように、スイッチング素子S12がONであり、巻線L1には、電流It1が逆方向に単調に増加して流れる。また、太陽電池M1の出力電流の一部は、接続点j1から充放電路2に電流Iaとして流入し、接続点j7からコンデンサC11に電流Icとして流れてこれを充電する。
前記電流Icはさらに、連絡電路7上の接続点j14で、コンデンサC12から放電される電流Idと加算され、電流It1として巻線L1を流れ、さらに充放電路3上の接続点j8でコンデンサC12へ流れる電流Idと電流Iaに分流し、前記電流Iaは、接続点j2から連結電路Bを通って太陽電池M1の負極端子P2に戻る。
一方、スイッチング素子S21がONであり、巻線L2に誘起される電流It2は、順方向に単調に増加して流れ、連絡電路9上の接続点j16で、コンデンサC22から放電される電流Ifと加算され、電流IeとしてコンデンサC21を流れる。なお、このとき、コンデンサ21も放電している。また、前記電流Ifは、接続点j4で外部負荷側から充放電路5に流入する電流Ibに等しい。
前記電流Ieは、充放電路4上の接続点j11で巻線L2へ流れる電流It2と、接続点j3に向かう電流Ibに分流する。前記電流Ibは、接続点j3で太陽電池M2の出力電流に加算され、連結電路Bを通って太陽電池M1側へ流れる。
STEP5では、図4及び図9に示すように、スイッチング素子S12がONであり、巻線L1の電流It1は漸減しながら逆方向に流れる。太陽電池M1の出力電流の一部は、接続点j1から充放電路2に電流Iaとして流入し、接続点j7からコンデンサC11に電流Icとして流れてこれを充電する。
前記電流Icはさらに、連絡電路7上の接続点j14で、コンデンサC12から放電される電流Idと加算されて電流It1となって巻線L1を流れ、さらに充放電路3上の接続点j8でコンデンサC12へ流れる電流Idと電流Iaに分流し、前記電流Iaは接続点j2から連結電路Bを通って太陽電池M1に戻る。
また、スイッチング素子S22がONであり、巻線L2に誘起される電流It2は、順方向に漸減しながら流れ、連絡電路9の接続点j16でコンデンサC21へ流れる電流IeとコンデンサC22へ流れる電流Ifに分流する。前記電流Ifにより、コンデンサC22は充電される。
また、このときコンデンサC21は放電しており、前記電流Ieは、接続点j11から電流Ibとして充放電路4に流入し、さらに、接続点j3で太陽電池M2の出力電流に加算されて、連結電路Bを介して太陽電池M1側へ流れる。一方、充放電路5に接続点j4で外部負荷側から流入する電流Ibと前記電流Ifは接続点j12で合流し、電流It2となって巻線L2に流れる。
STEP6では、図4及び図10に示すように、スイッチング素子S11がONであり、巻線L1の電流It1は単調に減少しつつ逆方向に流れる。太陽電池M1の出力電流の一部は、接続点j1から充放電路2に電流Iaとして流入し、接続点j7で前記電流It1と合流してコンデンサC11に電流Icとして流れ、これを充電する。
前記電流Icはさらに、連絡電路7上の接続点j14で、巻線L1へ流れる電流It1とコンデンサC12へ流れる電流Idに分流し、前記電流IdによりコンデンサC12は充電される。また、電流Idは接続点j8から電流Iaとして充放電路3に流れ、さらに接続点j2から連結電路Bを通って太陽電池M1の負極端子P2に戻る。
また、スイッチング素子S22がONであり、巻線L2に誘起される電流It2は、単調に減少しつつ順方向に流れ、連絡電路9の接続点j16で、コンデンサC21へ流れる電流IeとコンデンサC22へ流れる電流Ifに分流する。
このとき、コンデンサC21は放電しており、前記電流Ieは連絡電路9上の接続点j11から電流Ibとして充放電路4に流れ、さらに、接続点j3で太陽電池M2の出力電流に加算されて、連結電路Bを介して太陽電池M1側へ流れる。一方、充放電路5に接続点j4で外部負荷側から流入する電流Ibと前記電流Ifは、接続点j12で合流し、電流It2となって巻線L2に流れる。
以上に説明したように、前段の太陽電池M1の発電電力が、後段の太陽電池M2の発電出力より大きい場合においては、電力配分回路1の充放電路4を流れる電流Ibが、STEP1〜STEP6の各期間で太陽電池M2の出力電流に加算されるため、図3中に一点鎖線で示すように電流電圧特性が平滑化され、最大出力動作点がP’mに移動してシステムの発電効率が改善される。
次に、図1に示すシステムにおいて、後段の太陽電池M2の発電電力が、前段の太陽電池M1の発電出力より大きい場合には、図11のタイミングチャートに従って、各スイッチング素子S11〜S22のON/OFF動作を行う。
同図に示すように、この場合には前述した図4の場合とは逆に、スイッチング素子S21とスイッチング素子22の組の周期的なON/OFF動作のタイミングを、スイッチング素子S11とスイッチング素子S12の組に対して位相角δ(ただし、0<δ<π)だけ進ませる。
ここで、前述した図4の場合と同様に、定常稼働状態における電力配分回路1の動作をトランスTの巻線L1に流れる電流It1(巻線L2に流れる電流It2)の変化の1周期の中を、STEP1〜STEP6の6つの区間に分けて説明する。
図11に示すように、STEP1はトランスTの巻線L2を流れる電流It2が0アンペアから増加してスイッチング素子S11がONに、スイッチング素子S12がOFFに切り替わるまでの期間とする。
STEP2は、前記STEP1の終了時点からスイッチング素子S21がOFFに、スイッチング素子S22がONに切り替わるまでの期間とする。STEP3は、前記STEP2の終了時点から電流It2が減少して0アンペアになるまでの期間とする。
STEP4は、前記STEP3の終了時点から、スイッチング素子S11がOFFに、スイッチング素子S12がONに切り替わるまでの期間とする。STEP5は、前記STEP4の終了時点から、スイッチング素子S21がONに、スイッチング素子S22がOFFに切り替わるまでの期間とする。
STEP6は、前記STEP5の終了時点から、逆向きに流れていた電流It2が減少して0アンペアになるまでの期間とする。なお、前記STEP6以降は、再びSTEP1から動作が繰り返される。
図11のSTEP1においては、スイッチング素子S21がONであり、電流It2は順方向に単調に増加し、電流It1は逆方向に単調に増加する。同図のSTEP1では、図12に示すように、太陽電池M2の出力電流の一部は、接続点J3から電流Ibとして充放電路4へ流入する。
前記電流Ibは、接続点j11でコンデンサC21が放電する電流Ieと加算されて電流It2となり、トランスTの巻線L2に流れる。前記電流It2は、連絡電路9上の接続点j16で再びコンデンサC21を流れる電流Ieと、コンデンサC22を充電する電流Ifに分流する。前記電流Ifはさらに、接続点j12から充放電路5に電流Ibとして流れ、接続点j4から出力電路Aを経由して太陽電池M2の負極端子P2に戻る。
一方、トランスTの巻線L1には、電流It1が誘起される。この電流It1は、スイッチング素子S12がONであるため、接続点j13から連絡電路6を経由して充放電路3へ流れ、接続点j2から充放電路5へ流入する電流Iaと、接続点j8で合流して電流IdとなりコンデンサC12へ流れる。
このとき、コンデンサC12は放電しており、前記電流Idは連絡電路7上の接続点j14で、巻線L1へ戻る電流It1とコンデンサC11へ流れる電流Icに分流する。なお、このときコンデンサC11も放電している。
前記電流Icは、コンデンサC11を通過して接続点j7で充放電路2に電流Iaとして流入する。前記電流Iaは、接続点j1で太陽電池M1の出力電流に加算され、出力電路Aを通って外部負荷側へ流れる。
STEP2においては、図13に示すように、スイッチング素子S21がONであり、太陽電池M2の出力電流の一部は、電流Ibとして接続点j3から充放電路4に流れ、これに接続点j11でコンデンサC21から放電された電流Ieが加算されて、トランスTの巻線L2に電流It2として流れる。ここでは、電流It2は、図11に示すように、漸減しながら順方向に流れる。
図13に示すように、巻線L2を通過した電流It2は、連絡電路9上の接続点j16で前記コンデンサC21へ流れる電流Ieと、コンデンサC22へ流れる電流Ifに分流する。前記電流Ifは、接続点j12から電流Ibとして充放電路5に流れ、さらに接続点j4から連結電路Bを通って太陽電池M2の負極端子P2に戻る。なお、このときコンデンサC21は放電し、コンデンサC22は充電している。
また、図11及び図13に示すように、STEP2においては、スイッチング素子S11がONであり、巻線L1には、電流It1が逆方向に誘起され、漸減しながら流れる。前記電流It1の一部は、充放電路2上の接続点j7でコンデンサC11へ電流Icとして分流してこれを充電し、残りの電流Iaは、接続点j1で太陽電池M1の出力電流に加算され、出力電路Aを通って外部負荷側へ流れる。
一方、接続点j2で太陽電池M2側から充放電路3に流入した電流Iaは、放電するコンデンサC12に電流Idとして流れ、連絡電路7上の接続点j14でコンデンサC11を流れる電流Icと加算されて、巻線L1へ電流It1として流れる。
STEP3では、図11及び図14に示すように、スイッチング素子S22とスイッチング素子S11がONであり、トランスTの巻線L2には単調に減少しながら順方向に電流It2が流れ、巻線L1には単調に減少しながら逆方向に流れる電流It1が誘起される。
太陽電池M2の出力電流の一部は、接続点j3から充放電路4に電流Ibとして流入し、さらにコンデンサC21に電流Ieとして流れてこれを充電する。前記電流Ieは、連絡電路9上の接続点j16で電流It2と加算されて、コンデンサC22へ電流Ifとして流れてこれを充電する。
前記電流Ifはさらに、充放電路5上の接続点j12で巻線L2へ流れる電流It2と、接続点j4へ向かう電流Ibに分流する。前記電流Ibは接続点j4から出力電路Aを経由して太陽電池M2の負極端子P2に戻る。
一方、巻線L1に誘起された電流It1は、充放電路2上の接続点j7で、接続点j1に向かう電流IaとコンデンサC11へ流れる電流Icに分流する。この際、コンデンサC11は充電される。前記電流Iaは、接続点j1で太陽電池M1の出力電流に加算され、出力電路Aを通って外部負荷側へ流れる。
また、太陽電池M2側から太陽電池M1の負極端子P2へ向かう電流の一部は、接続点j2から電流Iaとして充放電路3に流れ、接続点j8から電流IdとなってコンデンサC12に流れる。このとき、コンデンサC12は放電する。前記電流idは、連絡電路7上の接続点j14で前記電流Icと合流して再び電流It1となり巻線L1へ流れる。
STEP4では、図11及び図15に示すように、スイッチング素子22がONであり、巻線L1には、電流It2が逆方向に単調に増加して流れる。また太陽電池M2の出力電流の一部は、接続点j3から充放電路4に電流Ibとして流入し、接続点j11からコンデンサC21に電流Ieとして流れてこれを充電する。
前記電流Ieはさらに、連絡電路9上の接続点j16で、コンデンサC22から放電される電流Ifと加算され、電流It2となって巻線L2を流れ、さらに、充放電路5上の接続点j12でコンデンサC22へ流れる電流Ifと電流Ibに分流し、前記電流Ibは接続点j4から出力電路Aを通って太陽電池M2の負極端子P2に戻る。
一方、スイッチング素子S11がONであり、巻線L1に誘起される電流It1は順方向に単調に増加して流れ、連絡電路7上の接続点j14でコンデンサC12から放電される電流Idと加算されて電流Icとなり、コンデンサC11を流れる。このときコンデンサC11も放電している。
前記電流Icは、充放電路2上の接続点j7で巻線L1へ流れる電流It1と接続点j1に向かう電流Iaに分流する。前記電流Iaは、接続点j1で太陽電池M1の出力電流に加算され、出力電路Aを通って外部負荷側へ流れる。なお、前記電流Idは、接続点j2から充放電路3に流入する電流Iaに等しい。
STEP5では、図11及び図16に示すように、スイッチング素子S22がONであり、巻線L2の電流It2は漸減しながら逆方向に流れる。太陽電池M2の出力電流の一部は、接続点j3から充放電路4に電流Ibとして流入し、接続点j11からコンデンサC21に電流Ieとして流れてこれを充電する。
前記電流Ieはさらに、連絡電路9上の接続点j16で、コンデンサC22から放電される電流Ifと加算されて電流It2となって巻線L2を流れ、さらに充放電路5上の接続点j12でコンデンサC22へ流れる電流Ifと電流Ibに分流し、前記電流Ibは接続点j4から出力電路Aを通って太陽電池M2の負極端子P2に戻る。
また、スイッチング素子S12がONであり、巻線L1に誘起される電流It1は、漸減しながら順方向に流れ、連絡電路7の接続点j14でコンデンサC11へ流れる電流IcとコンデンサC12へ流れる電流Idに分流する。前記電流IdによりコンデンサC12は充電される。
このとき、コンデンサC11は放電しており、前記電流Icは連絡電路7上の接続点j7から電流Iaとして充放電路2に流入し、さらに、接続点j1で太陽電池M1の出力電流に加算されて、出力電路Aを介して外部負荷側へ流れる。一方、充放電路3に接続点j2で太陽電池M2側から流入する電流Iaと前記電流Idは、接続点j8で合流し、電流It1となって巻線L1に流れる。
STEP6では、図11及び図17に示すように、スイッチング素子S21がONであり、巻線L2の電流It2は逆方向に単調に減少する。太陽電池M2の出力電流の一部は、接続点j3から充放電路4に電流Ibとして流入し、接続点j11で前記電流It2と合流してコンデンサC21に電流Ieとして流れてこれを充電する。
前記電流Ieはさらに、連絡電路9上の接続点j16で、巻線L2へ流れる電流It2とコンデンサC22へ流れる電流Ifに分流し、前記電流IfによりコンデンサC22は充電される。また、電流Ifは接続点j12から電流Ibとして充放電路5に流れ、さらに接続点j4から出力電路Aを通って太陽電池M2の負極端子P2に戻る。
また、スイッチング素子S12がONであり、巻線L1に誘起される電流It1は、順方向に単調に減少して流れ、連絡電路7の接続点j14でコンデンサC11へ流れる電流IcとコンデンサC12へ流れる電流Idに分流する。
このとき、コンデンサC11は放電しており、前記電流Icは連絡電路7上の接続点j7から電流Iaとして充放電路2を流れ、さらに、接続点j1で太陽電池M1の出力電流に加算されて、出力電路Aを介して外部負荷側へ流れる。一方、充放電路3に接続点j2で太陽電池M2側から流入する電流Iaと前記電流Idは、接続点j8で合流し、電流It1となって巻線L1に流れる。
前述したように、電力配分回路1の充放電路2を流れる電流Iaが、STEP1〜STEP6の各期間で太陽電池M1の出力電流に加算されるため、この場合においても、前述した前段の太陽電池M1の発電出力が後段の太陽電池M2の発電電力より大きい場合と同様に、電流電圧特性が平滑化されてシステムの発電効率が改善される。
本発明の電力配分回路1は、トランスの両側にハーフブリッジ型の双方向DC−DCコンバータの動作原理を応用して発電出力に差がある太陽電池M1と太陽電池M2間で電力配分を行っている。
前記DC−DCコンバータは、図1に示す電力配分回路1における、一対のスイッチング素子S11、S12と一対のコンデンサC11、C12に対応する、一対のスイッチング素子と一対のコンデンサがトランスの一次側(または二次側)に接続され、一対のスイッチング素子S21、S22と一対のコンデンサC21、C22に対応する、一対のスイッチング素子と一対のコンデンサが前記トランスの二次側(または一次側)に接続されており、入力された直流電力を、入力側の一対のスイッチング素子と一対のコンデンサにより交流電力に変換してトランスの一次側巻線に供給し、その二次側巻線に誘起される交流電力を、出力側の一対のスイッチング素子と一対のコンデンサにより再び直流電力に変換して出力する動作を行っている。
このようなDC−DCコンバータにおいては、トランスを介して入力側から出力側へ移動する電力Pは、入力電圧をV1、出力電圧をV2、スイッチングの角周波数をω、前記トランスの漏れインダクタンスとLsとしたとき、下記の式(1)によって与えられる。
P=(V1V2/ωLs)・δ(1−δ/π) (1)
ここで、δは入力側の一対のスイッチング素子の組と出力側の一対のスイッチング素子の組の間のスイッチング動作のタイミングのずれを表す位相角であって、入力側が出力側に対して位相角δだけ進相している。なお、0<δ<πである。
そこで、図1中に示す電力配分回路1においては、電圧センサVS1によって検出される太陽電池M1の出力電圧をV1、電圧センサVS2によって検出される太陽電池M2の出力電圧をV2、トランスTの漏れインダクタンスをLs、図2に示すスイッチング制御回路10のパルス発振器が出力するパルス信号の角周波数をωとして、電力配分回路1のトランスTを介して太陽電池M1と太陽電池M2の発電出力の大きい側から小さい側に配分される移動電力Pを前記式(1)によって算定する。
図18は、電力配分回路1における移動電力Pと位相角δとの関係を示すグラフであって、同図に示すように、δ=0、πにおいては移動電力Pは0である。V1とV2が一定値であれば、上記(1)式は、δ=π/2のとき移動電力Pが最大値になる。
しかしながら、これらの電圧V1、V2は、電力配分回路1が動作させることにより、移動電力Pが生じると図3に示すように、システムの最大出力動作点の変化に応じて変化するため、電圧V1、V2とも位相角δによって変化する。
そこで、スイッチング制御回路10の演算部は、電圧センサVS1、VS2によって定期的にこれらの電圧V1、V2を測定して移動電力Pが最大値になるように、位相角δを制御する。
図19は、スイッチング制御回路10の動作フローを示す図であって、同図に示すように、回路起動時には、図1に示す全てのスイッチング素子S11〜S22をOFFにリセットする(A1)。
次いで電圧V1、V2を測定して(A2)、両者が等しいか否かを判定し(A3)、等しい場合には2つの太陽電池M1、M2は発電出力に差が生じていないので、この場合にはタイマー(A4)を起動させて所定時間の時間待ちをした後、前記(A1)の手順から再実行する。
また、等しくない場合には、次に、電圧V1が電圧V2より大きいか否かを判定し(A5)、電圧V1が電圧V2より大きい場合には、太陽電池M1側にあるスイッチング素子S11とスイッチング素子S12の組の周期的なON/OFF動作のタイミングを、太陽電池M2側にあるスイッチング素子S21とスイッチング素子S22の組に対して位相角δ=π/2だけ進ませる(A6)。
また、電圧V1が電圧V2より小さい場合には、太陽電池M2側にあるスイッチング素子S21とスイッチング素子S22の組の周期的なON/OFF動作のタイミングを、太陽電池M1側にあるスイッチング素子S11とスイッチング素子S12の組に対して位相角δ=π/2だけ進ませる(A7)。
次に、前記δに微少な角度Δδを加算してこれをδ1とし(A8)、この位相角δ1で電力配分回路1を動作させながら各電圧V1、V2を測定する(A9)。次いで、前記位相角δ1と、ここで測定された電圧値V1、V2を前記式(1)に代入し、このときの移動電力をP1として算定する(A10)。
次に、前記δから微少な角度Δδを減算してこれをδ2とし(A11)、この位相角δ2で電力配分回路1を動作させながら各電圧V1、V2を測定する(A12)。次いで、前記位相角δ2と、ここで測定された電圧値V1、V2を前記式(1)に代入し、このときの移動電力をP2として算定する(A13)。
次に、前記2つの移動電力P1、P2が等しいか否かの判定を行い(A14)、両者が等しければ、位相角を前記δに設定し(A15)、タイマー(A4)によって設定された時間スイッチング動作を継続した後、(A1)以降を繰り返し実行する。
また、等しくない場合には次に、移動電力P1が移動電力P2より大きいか否かを判定し(A16)、移動電力P1が移動電力P2より大きい場合は、(A17)で先の手順(A8)で設定したδ1をδとして、再度(A8)以降の手順を実行する。また、P1がP2より小さい場合には、(A18)で、先の手順(A11)で設定したδ2をδとして、再度(A8)以降の手順を実行する。
以上に説明したように、本実施形態の電力配分回路1においては、2つの太陽電池M1、M2間で、電力配分回路1を介して発電出力の大きい側から小さい側へ配分される移動電力Pが常に最大になるように位相角δの値が制御される。
図3に示すように、前記移動電力Pが最大になる位相角δで電力配分回路1が稼働している場合の最大出力動作点P’mに対応する太陽電池M1、M2の各出力電圧V1b、V2bはそれぞれ、当該電力配分回路1を動作させていない場合の最大出力動作点Pmに対応する各出力電圧V1a、V2aに対して大きくは変化していない。
従って、位相角δの変化に伴う電圧V1、V2の変化は比較的小さく、前述した(1)式で算定される移動電力Pの変化は、同式中のδ(1−δ/π)に大きく影響されると考えられ、図18に示すように移動電力Pは、位相角δ=π/2の近傍で最大となる。
そこで、発電効率は少し低下するが、図19において、手順(A6)または(A7)を実行した後は、(A8)以降の処理を省略し、そのまま(A4)を経て(A1)から反復するようにしてもよい。
次に、図20は、本発明の電力配分回路の別の実施形態を示す、直列接続された3つの太陽電池M1、M2、M3からなる太陽光発電システムの模式図であって、同図に示すように、太陽電池M1の正極端子P1と太陽電池M3の負極端子P2は、出力電路Aを介して外部負荷と接続されている。
また、太陽電池M1の負極端子P2と太陽電池M2の正極端子P1との間と、太陽電池M2の負極端子P2と太陽電池M3の正極端子P1との間はそれぞれ、連結電路Bと連結電路B’で接続されている。
また、太陽電池M1、M2、M3の正極端子P1と負極端子P2間にはそれぞれ、バイパスダイオードBD1、BD2、BD3が接続されている。このシステムにおいては、前後に隣合う、太陽電池M1、M2間と、太陽電池M2、M3間にそれぞれ、先に説明した図1の電力配分回路1と同じ回路が組み込まれている。
前述した各実施形態においては、2つの太陽電池M1、M2を直列接続したシステムと、3つの太陽電池M1、M2、M3を直列接続したシステムについて説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定するものではなく、太陽電池が4つ以上直列接続された太陽光発電システムにおいても適用可能である。