JP2015108932A - 太陽電池の電力配分回路 - Google Patents

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隆夫 山田
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Abstract

【課題】 太陽光発電システムの一部の太陽電池の出力が、日陰等によって低下した場合に、システムの電流電圧特性に現れる段差を平滑化して発電効率を高めることのできる、太陽電池の電力配分回路を提供する。【解決手段】 第1のスイッチング素子S1と第2のスイッチング素子S2を、相補的且つ周期的にON/OFFの切り換えを行うことで、フライバックトランスTを介して発電出力の大きい太陽電池M1(又は太陽電池M2)から小さい太陽電池M2(又は太陽電池M1)へ電力配分を連続的に行い、両者の発電出力を均等化する。この際、コンデンサC1、C2によって、これらのスイッチング素子S1、S2の発生するノイズが軽減されるとともに、外部負荷へ流れる電流の変動が平滑化される。【選択図】 図1

Description

本発明は、太陽光発電システムに用いられる太陽電池の設置環境が悪く、一部が日陰等になった場合や、太陽電池間の出力特性にバラツキを生じた場合でも、システム全体の発電効率を高めることのできる、太陽電池の電力配分回路に関する。
なお、ここで「太陽電池」という用語は、複数直列接続された太陽電池セル(光発電素子)のストリングの両端に、バイパスダイオードが並列接続されたクラスタと、このようなクラスタを、単一もしくは複数直列接続して構成される太陽電池モジュールの両方を意味するものとする。
現在、太陽光発電システムの発電効率を上げるために、変換効率が高い太陽電池セル(モジュール)やパワーコンディショナの開発が進められている。現用されている太陽光発電システムは、特許文献1に記載されているように、複数の太陽電池モジュールを直並列に接続して、電圧を高めた後に、インバータで交流に変換する集中型インバータ方式が主流となっている。
しかしながら、このような集中型インバータ方式の太陽光発電システムは、実際の使用時においては、一部の太陽電池モジュールが、日陰等の設置環境下に置かれるために、それぞれの部位の太陽電池モジュールの発電能力を十分に発揮させることができない場合がある。
図22は、2枚の直列接続された太陽電池モジュールM1、M2からなる太陽光発電システムを模式的に示した図であって、これらの太陽電池モジュールM1、M2は、同一仕様のものが用いられている。
また、前記太陽電池モジュールM1、M2のそれぞれの正極端子P1と負極端子P2間にはバイパスダイオードDが接続されているとともに、太陽電池モジュールM1の正極端子P1と太陽電池ジュールM2の負極端子P2はそれぞれ、出力線路Aを介して外部負荷に接続されている。
これらの太陽電池モジュールM1、M2が両方とも日向に設置されていて、十分な太陽光が当たっている場合には、これらを総合した外部出力は、図23に太い実線で表示したような、最大出力動作点をPとする電流・電圧特性を示す。
ところが、例えば、一方の太陽電池モジュールM2が日陰に入った場合には、これらの太陽電池モジュールM1、M2は、出力電流に違いが生じて、図24に太い実線で表示したような、階段状の電流電圧特性を示す。
図24において、領域(1)と領域(3)の面積を合わせたものは、太陽電池モジュールM1の出力電力を表し、また、領域(2)の面積は、太陽電池モジュールM2の出力電力を表している。
このような電流・電圧特性において、最大出力動作点Pが同図に示す位置にあった場合に得られる出力電力は、領域(1)と領域(2)の面積の和となり、領域(3)の部分は発電出力には寄与することができないため損失となる。
一方、特許文献2に記載されているように、個々の太陽電池モジュールに、マイクロコンバータを搭載したAC太陽電池モジュールを用いた太陽光発電システムがある。この方式は、各々の太陽電池モジュールに対して最大電力追従(MPPT)制御を行い、その出力をDC/AC変換するようにした太陽電池モジュールで、日陰等による損失が少ないとされている。
特開2000−347753号公報 特開平11−318042号公報
しかしながら、前述したような、AC太陽電池モジュールを用いた太陽光発電システムでは、複雑な変換回路を有するため、個々の太陽電池モジュールの製造コストが高くなるとともに、常時変換動作を行っているため、日陰が無い状態においても変換ロスが発生する問題があった。
また、変換回路が故障した場合には、これを搭載している太陽電池モジュール自体が使用できなくなるため、信頼性にも問題があった。このようなことから、今後如何なる設置環境に対しても、高いシステム効率を維持できるシステムの開発が望まれる。
そこで、本発明は、前述したような従来技術における問題点を解決し、太陽光発電システムの一部の太陽電池の出力が、日陰等によって低下した場合に、システムの電流電圧特性に現れる段差を平滑化して発電効率を高めることのできる、太陽電池の電力配分回路を提供することを目的とする。
前記目的のために提供される本発明の電力配分回路は、複数直列に接続された太陽電池の相互間に設けられる電力配分回路であって、一方の端が前段の太陽電池の正極端子に導通し、他方の端が前記前段の太陽電池の負極端子に導通する第1の充放電路と、一方の端が後段の太陽電池の正極端子に導通し、他方の端が前記後段の太陽電池の負極端子に導通する第2の充放電路と、1次側と2次側の巻き線の何れか一方が、前記第1の充放電路の一部を構成するとともに、他方が前記第2の充放電路の一部を構成するフライバックトランスと、前記第1の充放電路中に、前記フライバックトランスの一方の巻き線と直列に組み込まれた第1のスイッチング素子と、前記第2の充放電路中に、前記フライバックトランスの他方の巻き線と直列に組み込まれた第2のスイッチング素子と、前記第1の充放電路中に組み込まれ、少なくとも前記第1のスイッチング素子ならびに前記フライバックトランスの一方の巻き線と並列に接続されたコンデンサを有する第1の平滑回路と、前記第2の充放電路中に組み込まれ、少なくとも前記第2のスイッチング素子ならびに前記フライバックトランスの他方の巻き線と並列に接続されたコンデンサを有する第2の平滑回路と、前記第1のスイッチング素子と第2のスイッチング素子を、相補的且つ周期的にON/OFFの切換を行うスイッチング制御回路とを備えたものである。
本発明の太陽電池の電力配分回路においては、スイッチング制御回路は、第1のスイッチング素子と第2のスイッチング素子が同時にOFFになる短絡防止期間が存在するように、各スイッチング素子の切り換えタイミングを制御することが望ましい。
また、本発明の太陽電池の電力配分回路においては、充放電路と太陽電池との間を流れる電流を計測する電流センサと、前記電流センサと接続されたマイクロコンピュータを備え、前記マイクロコンピュータは、スイッチング制御回路を起動した後、所定の時間間隔で前記電流センサによる電流計測を行い、前記電流が流れていないと判断した場合には、次回の電流計測を行うまでスイッチング制御回路への電源供給を遮断してその動作を停止させることも望ましい。
さらに、本発明の太陽電池の電力配分回路においては、各スイッチング素子はMOSFET(電界効果トランジスタ)で構成されているとともに、これらのMOSFETの寄生ダイオードが各太陽電池のバイパスダイオードとして利用されていることも望ましい。
請求項1に記載された発明によれば、太陽光発電システムに使用される各太陽電池間に、日陰や受光面の汚れ、経年劣化等によって、発電出力にバラツキが生じた場合に、各太陽電池間でバランス良く電力を配分することができる。
その結果、太陽光発電システム全体の電流電圧特性の段差が平滑化されて、本来、出力電力として利用することができなかった電力が利用可能となるため、発電効率を高めることができる。また、電流電圧特性の段差が平滑化されるため、パワーコンディショナの最大出力動作点の計測が容易となり、MPPTミスマッチ損失を回避することができる。
また、従来のAC太陽電池モジュールを用いたシステムでは、日陰が無い時も、常時AC/DC変換による回路損失が生じているのに対して、本発明の電力配分回路は、日陰が無い場合にはその動作を停止して回路損失を無くすことができるため、発電効率の低下を防ぐことができる。
また、本発明の電力配分回路の主要部分は、フライバックトランス、コンデンサ、及び、FETやリレー等のスイッチング素子からなる簡単な回路構成であるため、故障が発生し難く、高い信頼性が得られる。また、前後に隣合う太陽電池間で電力配分を行うために必要なスイッチング素子が2つだけで済むため、スイッチング動作に伴うノイズの発生を少なくすることができる。
さらに、従来のAC太陽電池モジュールを用いた太陽光発電システムでは、太陽電池モジュールに搭載されているマイクロコンバータが故障すると、太陽電池モジュール自体も使用不能となるが、本発明の電力配分回路では、万一回路に故障が発生してその機能が損なわれた場合でも、太陽光発電システム自体の機能に支障を生じる恐れがない。
請求項2に記載された発明によれば、2つのスイッチング素子が同時にOFFになる短絡防止期間を設けることで、安定したON/OFFの切換動作を行うことができるため、太陽電池相互間での電力の配分動作を確実に行うことができる。
請求項3に記載された発明によれば、太陽電池相互間で発電出力に差が無く、電力配分回路を動作させる必要が無い場合には、電力配分回路への電源供給を自動的に遮断してその動作を停止させることができる。
その結果、スイッチング素子をON/OFF動作させるために、電力配分回路自体が消費する無駄な電力を抑えることができるとともに、スイッチング素子等の劣化を最小限にとどめることができるため、電力配分回路の寿命を延ばすことができる。
請求項4に記載された発明によれば、各スイッチング素子をMOSFETで構成し、これらのMOSFETの寄生ダイオードを各太陽電池のバイパスダイオードとして利用することで、バイパスダイオードを省略することができる。
本発明の電力配分回路の1実施形態を示す、直列接続された2つの太陽電池モジュールM1、M2からなる太陽光発電システムの模式図である。 本発明の電力配分回路の1実施形態における、スイッチング制御回路のブロック図である。 本発明の電力配分回路の1実施形態における、2つのスイッチング素子の動作タイミングを示す図である。 太陽電池モジュールM1の発電する電力が太陽電池モジュールM2の発電する電力より大きい場合における電力配分回路のフライバックトランスTへの電力蓄積過程を示す図である。 太陽電池モジュールM1の発電する電力が太陽電池モジュールM2の発電する電力より大きい場合における電力配分回路のフライバックトランスTからの電力放出過程を示す図である。 電力配分回路によって改善されたシステムの電流電圧特性を示す図である。 太陽電池モジュールM2の発電する電力が太陽電池モジュールM1の発電する電力より大きい場合における電力配分回路のフライバックトランスへの電力蓄積過程を示す図である。 太陽電池モジュールM2の発電する電力が前段の太陽電池モジュールM1の発電する電力より大きい場合における電力配分回路のフライバックトランスからの電力放出過程を示す図である。 本発明の電力配分回路の別の実施形態を示す、電力配分回路に電流センサを組み込んだ太陽光発電システムの模式図である。 図9に示す電力配分回路における、マイクロコンピュータで制御されるスイッチング制御回路のブロック図である。 図10に示すマイクロコンピュータの内部で処理される演算のフローを示す図である。 本発明の電力配分回路のさらに別の実施形態を示す、各スイッチング素子にMOSFETを用いた太陽光発電システムの模式図である。 本発明の電力配分回路のさらに別の実施形態を示す、直列接続された3つの太陽電池モジュールM1、M2、M3からなる太陽光発電システムの模式図である。 図13に示すシステムにおいて、太陽電池モジュールM1の発電する電力が、他の2つの太陽電池モジュールM2、M3の発電する電力より大きい場合における、電力配分回路を動作させていないときの電流電圧特性特性を示す図である。 太陽電池モジュールM1の発電する電力が、他の2つの太陽電池モジュールM2、M3の発電する電力より大きい場合における、フライバックトランスTへの電力蓄積過程を示す図である。 太陽電池モジュールM1の発電する電力が、他の2つの太陽電池モジュールM2、M3の発電する電力より大きい場合における、フライバックトランスTからの電力放出過程を示す図である。 太陽電池モジュールM1の発電する電力が、他の2つの太陽電池モジュールM2、M3の発電する電力より大きい場合における、フライバックトランスTとフライバックトランスT’への電力蓄積過程を示す図である。 太陽電池モジュールM1の発電する電力が、他の2つの太陽電池モジュールM2、M3の発電する電力より大きい場合における、フライバックトランスTとフライバックトランスT’からの電力放出過程を示す図である。 図13に示すシステムにおいて、1つの太陽電池モジュールM3の発電する電力が、他の2つの太陽電池モジュールM1、M2の発電する電力より小さい場合における、電力配分回路を動作させていないときの電流電圧特性を示す図である。 1つの太陽電池モジュールM3の発電する電力が、他の2つの太陽電池モジュールM1、M2の発電する電力より小さい場合における、フライバックトランスTとフライバックトランスT’への電力蓄積過程を示す図である。 1つの太陽電池モジュールM3の発電する電力が、他の2つの太陽電池モジュールM1、M2の発電する電力より小さい場合における、フライバックトランスTとフライバックトランスT’からの電力放出過程を示す図である。 2つの太陽電池モジュールM1、M2からなる太陽光発電システムを模式的に示す図である。 両方の太陽電池モジュールが日向にある場合の電流電圧特性を示す図である。 一方の太陽電池モジュールが日陰に入った場合の電流電圧特性を示す図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。図1に示す実施形態は、直列に接続された2つの太陽電池モジュールM1、M2に、本発明の電力配分回路1を組み込んだものであって、前段の太陽電池モジュールM1の正極端子P1と、後段の太陽電池モジュールM2の負極端子P2は、出力線路Aを介して外部負荷と接続されている。
また、前段の太陽電池モジュールM1の負極端子P2と後段の太陽電池モジュールM2の正極端子P1間は連結線路Bによって繋がれており、これらの太陽電池モジュールM1、M2の正極端子P1と負極端子P2の間にはそれぞれ、バイパスダイオードDが接続されている。
本発明の電力配分回路1は、一方の端が前段の太陽電池モジュールM1の正極端子P1と出力線路Aを介して導通し、また、他方の端が連結線路Bを介してこの太陽電池モジュールM1の負極端子P2と導通している充放電路2(第1の充放電路)を有している。
また、前記電力配分回路1は、一方の端が後段の太陽電池モジュールM2の正極端子P1と連結線路Bを介して導通し、他方の端が出力線路Aを介してこの太陽電池モジュールM2の負極端子P2と導通している充放電路3(第2の充放電路)を有している。
これらの充放電路2と充放電路3の間にはフライバックトランスTが設けられている。前記フライバックトランスTの1次側巻き線L1は充放電路2の一部を構成しており、また、2次側巻き線L2は充放電路3の一部を構成している。
なお、図1においては、それぞれの充放電路2、3にフライバックトランスTが図示してあるが、これらは同一のものを示している。また、このフライバックトランスTは、1次側巻き線L1と2次側巻き線L2の巻き線比が1:1で、充放電路2側に2次側巻き線L2を、充放電路3側に1次側巻き線を接続しても、同じ特性が得られるものを用いている。
充放電路2の途中位置には、前記フライバックトランスTの1次側巻き線L1と直列に、スイッチング素子S1(第1のスイッチング素子)が組み込まれている。同様に、充放電路3の途中位置には、2次側巻き線L2と直列にスイッチング素子S2(第2のスイッチング素子)が組み込まれている。
さらに、充放電路2には、前記1次側巻き線L1及びスイッチング素子S1と並列に、第1の平滑回路としての、コンデンサC1が組み込まれている。また、充放電路3には、前記2次側巻き線L2及びスイッチング素子S2と並列に、第2の平滑回路としての、コンデンサC2が組み込まれている。
また、図1では図示を省略しているが、電力配分回路1は、図2に示すスイッチング制御回路4を備えており、それぞれのスイッチング素子S1、S2は、このスイッチング制御回路4によってON/OFFの切り換え動作が行われる。なお、本実施形態のものにおいては、スイッチング素子S1、S2にFET(電界効果トランジスタ)を用いているがこれらのスイッチング素子にはリレーを用いてもよい。
図2に示すように、前記スイッチング制御回路4は、パルス発振器、相補回路、及び、ドライバ回路A、ドライバ回路Bから構成されており、パルス発振器は、図3の(1)に示す波形の周期的なパルス信号を生成する。
前記パルス発振器により生成されたパルス信号は相補回路に入力される。相補回路は前記パルス信号に基づいて、図3の(2)と(3)に示す2種類のON/OFF信号を生成し、その一方をドライバ回路Aに、他方をドライバ回路Bに出力する。
ドライバ回路Aは、図3の(2)のON/OFF信号に基づいて、図1に示すスイッチング素子S1をON/OFF動作させる。また、ドライバ回路Bは、図3の(3)のON/OFF信号に基づいて、スイッチング素子S2をON/OFF動作させる。
なお、本実施形態のものにおいては、図3に示すように、ドライバ回路Aに入力されるON/OFF信号(2)と、ドライバ回路Bに入力されるON/OFF信号(3)との間に、両方のスイッチング素子S1、S2が同時にOFFになる短絡防止期間aを存在させて、スイッチング素子S1と、スイッチング素子S2間で、ON/OFFの切換動作が確実に行われるようにしてある。
次に、前述したように構成されている電力配分回路1の動作について説明する。
図1に示すシステムにおいて、前段の太陽電池モジュールM1が発電する電力が、後段の太陽電池モジュールM2が発電する電力より大きい場合、同図のようにスイッチング素子S1とスイッチング素子S2の両方がOFF(電力配分回路1が停止して機能していない状態)のときは、このシステムは、図24に示すような、最大出力動作点をPとする階段状の電流電圧特性を示す。
この状態から電力配分回路1を起動して、図4に示すように、スイッチング素子S1がON、スイッチング素子S2がOFFの状態に切り換わると、太陽電池モジュールM1が出力する一部の電流I1(矢印付きの点線で表示)が当該太陽電池モジュールM1の正極端子P1から、出力線路A、充放電路2を経由してフライバックトランスTの1次側巻き線L1に流れ、さらに、前記充放電路2から連結線路Bを経由して当該太陽電池モジュールM1の負極端子P2へ還流する。この際、太陽電池モジュールM1の発電する電力の一部がフライバックトランスTに磁気エネルギとして蓄積される。
次に、図5に示すように、スイッチング素子S1がOFF、スイッチング素子S2がONに切り換わると、フライバックトランスTに蓄えられていた、前記太陽電池モジュールM1で発電された一部の電力は、2次側巻き線L2を介して充放電路3に放電され、同図に矢印付きの点線で表示している電流I2を生じる。
このとき、フライバックトランスTの2次側巻き線L2は、太陽電池モジュールM2と並列に接続されているため、前記電流I2は連結線路Bで、太陽電池モジュールM2から太陽電池モジュールM1に流れる電流に加算される。
このようにして、スイッチング素子S1とスイッチング素子S2のON/OFFの切り換え動作を図4と図5の間で相補的且つ周期的に繰り返すことによって、太陽電池モジュールM1が発電した電力の一部が太陽電池モジュールM2に連続的に配分される。
その結果、先に述べた図24に示した領域(3)は分割されてその一部が図6に示すように、領域(2)の電流に加算されることで、システムは平滑化された電流電圧特性に改善され、本来出力として得られずに損失となっていた電力を有効に利用することが可能となる。
なお、前述した電力配分回路1の動作の過程において、コンデンサC1とコンデンサC2はそれぞれ、第1の平滑回路及び第2の平滑回路として、充放電路2と充放電路3を流れる電流の変動を平滑化するとともに、各スイッチング素子S1、S2が発生するスイッチングノイズを低減する役割を果たしている。
次に、図1のシステムにおいて、後段の太陽電池モジュールM2が発電する電力が、前段の太陽電池モジュールM1が発電する電力より大きい場合の電力配分回路1の動作について説明する。
この場合においても、図1のようにスイッチング素子S1、S2が両方ともOFFになっている停止状態においては、このシステムは、図24のような最大出力動作点をPとする階段状の電流電圧特性を示す。
この状態から電力配分回路1を起動して、図7に示すように、スイッチング素子S1がOFF、スイッチング素子S2がONの状態に切り換わったときに、太陽電池モジュールM2が出力する一部の電流i1(矢印付きの点線で表示)がその正極端子P1から連結線路Bを介して充放電路3を経由し、フライバックトランスTの2次側巻き線L2に流れ、さらに、前記充放電路3から出力線路Aを経由して、当該太陽電池モジュールM2の負極端子P2へ還流する。この際、太陽電池モジュールM2の発電する電力の一部がフライバックトランスTに磁気エネルギとして蓄積される。
次いで、図8に示すように、スイッチング素子S1がON、スイッチング素子S2がOFFに切り換わると、フライバックトランスTに蓄えられていた、前記太陽電池モジュールM2で発電された一部の電力は、1次側巻き線L1を介して充放電路2に放電され、同図に矢印付きの点線で表示している電流i2を生じる。
このとき、フライバックトランスTの1次側巻き線L1は、太陽電池モジュールM1と並列に接続されているため、前記電流i2は出力電路Aで太陽電池モジュールM1から外部負荷側へ出力される電流に加算される。
このようにして、スイッチング素子S1とスイッチング素子S2のON/OFFの切り換え動作を図7と図8の間で相補的且つ周期的に繰り返すことによって、太陽電池モジュールM2が発電した電力の一部が太陽電池モジュールM1に連続的に配分され、システムは平滑化された電流電圧特性に改善される。
なお、前述した実施形態のものにおいては、前述したように、フライバックトランスTの1次側巻き線L1と2次側巻き線L2の巻き線比を1:1としたものを用いているが、太陽電池モジュールM、M2間で発電する電力の大小関係が逆転することがない場合には、前記巻き線比は必ずしも1:1でなくてもよい。
ところで、前述した電力配分回路1は、太陽電池モジュールM1と太陽電池モジュールM2の発電する電力が等しい場合には不要であり、この場合電力配分回路1を動作させておくと図2で説明したスイッチング制御回路4が消費する電力分がロスになる。
そこで、このような場合には、スイッチング制御回路4への電力供給を遮断してこれを停止させ、図1のように電力配分回路1の両方のスイッチング素子S1、S2をOFFにしておくことで、前記電力ロスを回避し、図22に示すような従来のシステムとして運用することができる。
次に、図9は、本発明の電力配分回路の別の実施形態を示す、直列接続された2つの太陽電池モジュールM1、M2からなる太陽光発電システムの模式図であって、同図に示す電力配分回路1Aは、前述した図1中の電力配分回路1の一方の充放電路2(第1の充放電路)の途中位置に電流センサ5を組み込んである。
また、この電力配分回路1Aは、図10に示すように、スイッチング制御回路4の電源のON/OFFを制御するマイクロコンピュータ6を備えている。このマイクロコンピュータ6は、スイッチング制御回路4を起動した後、前記電流センサ5によって充放電路2を流れる電流を所定の時間間隔で計測し、その測定値から充放電路2に実質的に電流が流れていないと判断した場合には、次回の電流測定を行うまでスイッチング制御回路4への電源供給を遮断してその動作を停止させる機能を有している。
図11は、前記マイクロコンピュータ6の内部で処理される演算のフローを示す図であって、マイクロコンピュータ6が起動されると、スイッチング制御回路4を起動させ(ステップ1)、次いで、電流センサ5により充放電路2を流れる電流を計測する(ステップ2)。
次に、電流センサ5の計測結果から、マイクロコンピュータ6が充放電路2に電流が流れていると判断した場合(ステップ3のYes)にはステップ4で所定の時間待ちをした後、ステップ2に戻り電流センサ5による電流計測をしてステップ3の判断を再度実行する。
一方、マイクロコンピュータ6が充放電路2に電流が流れていないと判断した場合(ステップ3のNo)にはステップ5を実行し、スイッチング制御回路4への電源供給を遮断して当該回路を停止させる。
その後、マイクロコンピュータ6は、ステップ6で所定の時間待ちをした後、ステップ1に処理を戻し、スイッチング制御回路4を再び起動して、前述した各ステップの処理を反復する。
本実施形態における電力配分回路1Aは、充放電路2に電流が流れていない場合に、スイッチング制御回路4を自動的に停止させる機能が付加されているため、無駄な消費電力を低減させることができるとともに、スイッチング素子S1、S2等の劣化を最小限に抑えることができ、電力配分回路1Aの寿命を延ばすことができる。
なお、スイッチング制御回路4の電源制御は、マイクロコンピュータ6に代えて、これと同等の機能を備えた専用の回路で行うようにしてもよい。また、この実施形態では、電流センサ5を充放電路2に組み込んでいるが充放電路3に組み込んでもよい。
次に、図12は本発明の電力配分回路のさらに別の実施形態を示す、直列接続された2つの太陽電池モジュールM1、M2からなる太陽光発電システムの模式図であって、同図に示す電力配分回路1Bは、前述した図1に示す電力配分回路1におけるスイッチング素子S1及びスイッチング素子S2がそれぞれ、2つのMOSFETQ1、Q2によって構成されている。
図12中で図1と同符号を付してある部分は、前述した電力配分回路1と同一構成であるが、同図に示すシステムにおいては、電力配分回路1B中のMOSFETQ1、Q2がそれぞれ内蔵する寄生ダイオードBDを、太陽電池モジュールM1、M2のバイパスダイオードとして利用しているため、図1中の各太陽電池モジュールM1、M2に接続されているバイパスダイオードDは省かれている。
次に、図13は、本発明の電力配分回路のさらに別の実施形態を示す、直列接続された3つの太陽電池モジュールM1、M2、M3からなる太陽光発電システムの模式図であって、このシステムにおいては、それぞれ前後に隣合う太陽電池モジュールM1、M2間と、太陽電池モジュールM2、M3間には、先に説明した図1の電力配分回路1と同じ回路構成のものがそれぞれ組み込まれている。
なお、図13では説明の便宜上、太陽電池モジュールM1、M2間のものを電力配分回路1、太陽電池モジュールM2、M3間のものを電力配分回路1’で表し、前者の各回路部分と対応する後者の各回路部分の符号には、「’」を付して両者を区別してある。また図示を省略しているが、これらの電力配分回路1、1’は、これも先に説明した図2のスイッチング制御回路4と同じものをそれぞれ備えている。
図13に示すように、それぞれの電力配分回路1、1’の各スイッチング素子S1、S2、S’1、S’2が全てOFFの状態(電力配分回路が停止している状態)において、太陽電池モジュールM1の発電する電力が、太陽電池モジュールM2及び太陽電池モジュールM3の発電する電力より大きい場合、このシステムは、図14に示すような階段状の電流電圧特性を示す。
ここで、電力配分回路1、1’を起動され、図15に示すように、電力配分回路1のスイッチング素子S1がON、スイッチング素子S2がOFFの状態に切り換わると、太陽電池モジュールM1が出力する一部の電流I1(矢印付きの点線で表示)が当該太陽電池モジュールM1の正極端子P1から、出力線路A、充放電路2を経由してフライバックトランスTの1次側巻き線L1に流れ、さらに、前記充放電路2から連結線路Bを経由して当該太陽電池モジュールM1の負極端子P2へ還流する。この際、太陽電池モジュールM1の発電する電力の一部がフライバックトランスTに磁気エネルギとして蓄積される。
次に、図16に示すように、電力配分回路1のスイッチング素子S1がOFF、スイッチング素子S2がONに切り換わると、フライバックトランスTに蓄えられていた、前記太陽電池モジュールM1で発電された一部の電力は、2次側巻き線L2を介して充放電路3に電流I2として放電される。
ここで、本実施形態のものにおいては、もう1つの電力配分回路1’のスイッチング素子S’1、S’2は、それぞれ、電力配分回路1のスイッチング素子S1、S2と同期してON/OFF制御されており、同図に示すように、充放電路2’のスイッチング素子S’1はこのときOFFに切り換わり、前記電流I2は、充放電路3に並列接続されているコンデンサC2と、充放電路2’に並列接続されているコンデンサC’1に流れてそれぞれを充電する。
次いで、図17に示すように、スイッチング素子S2がOFF、スイッチング素子S’1がONに切り換わると、前記2つのコンデンサC2、C’1が放電して、充放電路2’に設けられているフライバックトランスT’の1次側巻き線L’1に電流I3が流れ、その電力が前記フライバックトランスT’に磁気エネルギとして蓄積される。
このとき、電力配分回路1側では、充放電路2のスイッチング素子S1は再びONに、また、充放電路3のスイッチング素子S2がOFFに切り換わるため、フライバックトランスTの1次側巻き線L1には、前述した図15と同様に電流I1が流れ、太陽電池モジュールM1の発電する電力の一部が再びフライバックトランスTに磁気エネルギとして蓄えられる。
その後、図18に示すように、電力配分回路1’側で、スイッチング素子S’1がOFF、スイッチング素子S’2がONに切り換わると、フライバックトランスT’に磁気エネルギとして蓄えられていた電力は、2次側巻き線L’2を介して太陽電池モジュールM3と並列に設けられた充放電路3’に放電される。
その結果、充放電路3’には電流I4が流れ、これが太陽電池モジュールM3を流れる電流に加算される。前記電流I4はさらに、連結線路B’から太陽電池M2と並列に設けられた充放電路3を経由して連絡線路Bへ流れ、当該太陽電池モジュールM2を流れる電流に加算される。
同時に電力配分回路1側では、スイッチング素子S1がOFF、スイッチング素子S2がONに切り換わるので、フライバックトランスTに磁気エネルギとして蓄えられていた電力は、2次側巻き線L2を介して充放電路3に放電される。
このとき、2次側巻き線L2には電流I’2が流れる。この電流I’2の一部には前記電流I4が含まれており、残りの部分が前述した図16の場合と同様に、充放電路3に並列接続されているコンデンサC2と、充放電路2’に並列接続されているコンデンサC’1に流れてそれぞれを充電する。
その後は、図17と図18の間で、各スイッチング素子S1、S2、S’1、S’2の切換動作が周期的に反復されることにより、太陽電池モジュールM1で発電された電力の一部が、太陽電池モジュールM2と太陽電池モジュールM3に均等に配分される。
一方、太陽電池モジュールM1及び太陽電池モジュールM2の発電する電力に対して太陽電池モジュールM3の発電する電力が小さい場合、図13に示すように、それぞれの電力配分回路1、1’の全てのスイッチング素子S1、S2、S’1、S’2がOFFの状態(電力配分回路1、1’が停止している状態)では、このシステムは、図19に示すような電流電圧特性を示す。
ここで、電力配分回路1、1’を起動され、図20に示すように、電力配分回路1のスイッチング素子S1と電力配分回路1’のスイッチング素子S’1がON、スイッチング素子S2とスイッチング素子S’2がOFFの状態に切り換わると、太陽電池モジュールM1が出力する一部の電流i1(矢印付きの点線で表示)が当該太陽電池モジュールM1の正極端子P1から、出力線路A、充放電路2を経由してフライバックトランスTの1次側巻き線L1に流れ、さらに、前記充放電路2から連結線路Bを経由して当該太陽電池モジュールM1の負極端子P2へ還流し、この際、太陽電池モジュールM1の発電する電力の一部がフライバックトランスTに磁気エネルギとして蓄積される。
また同時に、太陽電池モジュールM2が出力する一部の電流i2(矢印付きの点線で表示)が当該太陽電池モジュールM2の正極端子P1から、連結線路B、充放電路2’を経由して電力配分回路1’側のフライバックトランスT’の1次側巻き線L’1に流れ、さらに、前記充放電路2’から連結線路B’を経由して当該太陽電池モジュールM2の負極端子P2へ還流し、この際、太陽電池モジュールM2の発電する電力の一部がフライバックトランスT’に磁気エネルギとして蓄積される。
次に、図21に示すように、電力配分回路1側のスイッチング素子S1がOFF、スイッチング素子S2がONに、電力配分回路1’側のスイッチング素子S’1がOFF、スイッチング素子S’2がONにそれぞれ切り換わると、フライバックトランスTに磁気エネルギとして蓄えられていた電力は、2次側巻き線L2を介して充放電路3に電流i3として放電されるが、このとき充放電路2’のスイッチング素子S’1がOFFになっているため、前記電流i3はコンデンサC2とコンデンサC’1に流入してそれぞれを充電する。
一方、フライバックトランスT’に磁気エネルギとして蓄積されていた電力は、2次側巻き線L’2を介して太陽電池モジュールM3と並列に設けられた充放電路3’に電流i4として放電され、この電流i4が太陽電池モジュールM3を流れる電流に加算される。
また、図示は省略するが、電流i3によって各コンデンサC2、C’1に蓄えられた電力は、次にスイッチング素子S’1がONになると放電され、図20における太陽電池モジュールM2から充放電路2’に流れる電流i2と加算されてフライバックトランスT’の1次側巻き線L’1を流れ、フライバックトランスT’に磁気エネルギとして蓄積される。
その後さらに、スイッチング素子S’1がOFF、スイッチング素子S’2がONに切り換わると、前記フライバックトランスT’に磁気エネルギとして蓄積されていた電力は、再び図21のように、その2次側巻き線L’2を介して充放電路3’に放電される。
このような各スイッチング素子S1、S2、S’1、S’2の切換動作が周期的に反復されることによって、太陽電池モジュールM1及びM2で発電された電力の一部が太陽電池モジュールM3に均等に配分されて、システム全体の電流電圧特性が改善される。
なお、前述した実施形態においては、太陽電池モジュールM1、M2間に組み込んだ電力配分回路1の各スイッチング素子S1、S2と、太陽電池モジュールM2、M3間に組み込んだ電力配分回路1’の各スイッチング素子S’1、S’2とは、切換動作のタイミングを同期させているが、電力配分回路1、1’にそれぞれ平滑回路として組み込まれているコンデンサC1、C2、C’1、C’2によって、2つの電力配分回路1、1’間の充放電のタイミングのずれが吸収されるため、これらの電力配分回路1、1’間におけるスイッチング素子の切換動作は同期させなくてもよい。
また、これらの電力配分回路1、1’に代えて、先に説明した電力配分回路1Aや電力配分回路1Bをそれぞれ用いることも可能である。さらに、本発明の電力配分回路は、太陽電池モジュールの直列数が4つ以上の場合にも、太陽電池モジュールの数に応じて、それぞれ隣合う太陽電池モジュール間に組み込んで使用することが可能である。
さらに、前述した各実施形態のものにおいては、第1の平滑回路としてコンデンサC1及びコンデンサC’1を、第2の平滑回路としてコンデンサC2及びコンデンサC’2を用いたものを説明しているが、これらに限定するものではない。
すなわち、第1の平滑回路としては、第1の充放電路中に組み込まれ、少なくとも第1のスイッチング素子ならびにフライバックトランスの一次側巻き線と並列に接続されたコンデンサを有していればよく、例えば、当該コンデンサを含むローパスフィルタ回路によって構成してもよい。同様に、第2の平滑回路も、少なくとも第2のスイッチング素子ならびにフライバックトランスの2次側巻き線と並列に接続されたコンデンサを有するものであればよい。
本発明の太陽電池の電力配分回路は、太陽光発電システムの日陰等による太陽電池モジュールやクラスタの発電効率低下を改善するために有効に利用することができる。
また、特性の異なる種類の太陽電池モジュールを組み合わせた太陽光発電システムや、フレキシブルな太陽電池を含む複数の太陽電池モジュールが、異なる向きに設置された太陽光発電システム、さらに、追尾集光型の高効率太陽光発電システムのような、集光レンズの集光特性によって個々の太陽電池セルの出力特性が異なるシステム等、様々なケースにおいて発電効率を高める手段としても利用可能である。
また、本発明の太陽電池の電力配分回路は、既設の太陽光発電システムにおいて、経年劣化や受光面の汚れ等によって太陽電池モジュール間の出力特性にバラツキが生じた場合における発電効率改善にも利用可能である。
さらに、太陽光発電の分野だけでなく、太陽電池モジュールと同様な電流電圧特性を示す、バッテリーや燃料電池等を直並列に接続した電力供給システムにおいても、利用可能である。
1、1’、1A、1B 電力配分回路
2、2’ 充放電路(第1の充放電路)
3、3’ 充放電路(第2の充放電路)
4 スイッチング制御回路
5 電流センサ
6 マイクロコンピュータ
A 出力線路
B 連結線路
BD 寄生ダイオード
C1、C1’ コンデンサ(第1の平滑回路)
C2、C2’ コンデンサ(第2の平滑回路)
D バイパスダイオード
L1、L1’ 1次側巻き線
L2、L2’ 2次側巻き線
M1、M2、M3 太陽電池モジュール(太陽電池)
P1 正極端子
P2 負極端子
Q1 MOSFET(第1のスイッチング素子)
Q2 MOSFET(第2のスイッチング素子)
S1、S1’ スイッチング素子(第1のスイッチング素子)
S2、S2’ スイッチング素子(第2のスイッチング素子)
T、T’ フライバックトランス

Claims (4)

  1. 複数直列に接続された太陽電池の相互間に設けられる電力配分回路であって、
    一方の端が前段の太陽電池の正極端子に導通し、他方の端が前記前段の太陽電池の負極端子に導通する第1の充放電路と、
    一方の端が後段の太陽電池の正極端子に導通し、他方の端が前記後段の太陽電池の負極端子に導通する第2の充放電路と、
    1次側と2次側の巻き線の何れか一方が、前記第1の充放電路の一部を構成するとともに、他方が前記第2の充放電路の一部を構成するフライバックトランスと、
    前記第1の充放電路中に、前記フライバックトランスの一方の巻き線と直列に組み込まれた第1のスイッチング素子と、
    前記第2の充放電路中に、前記フライバックトランスの他方の巻き線と直列に組み込まれた第2のスイッチング素子と、
    前記第1の充放電路中に組み込まれ、少なくとも前記第1のスイッチング素子ならびに前記フライバックトランスの一方の巻き線と並列に接続されたコンデンサを有する第1の平滑回路と、
    前記第2の充放電路中に組み込まれ、少なくとも前記第2のスイッチング素子ならびに前記フライバックトランスの他方の巻き線と並列に接続されたコンデンサを有する第2の平滑回路と、
    前記第1のスイッチング素子と第2のスイッチング素子を、相補的且つ周期的にON/OFFの切換を行うスイッチング制御回路とを備えたことを特徴とする太陽電池の電力配分回路。
  2. スイッチング制御回路は、第1のスイッチング素子と第2のスイッチング素子が同時にOFFになる短絡防止期間が存在するように、各スイッチング素子の切り換えタイミングを制御することを特徴とする請求項1に記載の太陽電池の電力配分回路。
  3. 充放電路を流れる電流を計測する電流センサと、前記電流センサと接続されたマイクロコンピュータを備え、前記マイクロコンピュータは、スイッチング制御回路を起動した後、所定の時間間隔で前記電流センサによる電流計測を行い、前記電流が流れていないと判断した場合には、次回の電流計測を行うまでスイッチング制御回路への電源供給を遮断してその動作を停止させることを特徴とする請求項1又は2に記載の太陽電池の電力配分回路。
  4. 各スイッチング素子はMOSFETで構成されているとともに、これらのMOSFETの寄生ダイオードが各太陽電池のバイパスダイオードとして利用されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の太陽電池の電力配分回路。
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