JP2015219675A - 太陽電池の電力配分回路 - Google Patents

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和彦 加藤
祟 大関
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祟 大関
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Abstract

【課題】 太陽光発電システムの一部の太陽電池の出力が日陰等によって低下した場合に、システムの電流電圧特性に現れる段差を平滑化して発電効率を高めることのできる、太陽電池の電力配分回路を提供する。【解決手段】 充放電路2に組み込まれたスイッチング素子S1、S2の組と、充放電路3に組み込まれたスイッチング素子S3、S4の組のそれぞれのスイッチング素子のON/OFF動作を、各組内では同位相で且つ組間では逆位相になるように同期させて周期的に反復させることにより、発電出力の大きい太陽電池M1側の充放電路から発電出力の小さい太陽電池M2側の充放電路へフライバックトランスTを介して連続的な電力配分を行い、両者の発電出力を均等化する。この際、コンデンサC1とコンデンサC2によって、各スイッチング素子が発生するノイズが低減されるとともに、外部負荷に流れる電流の変動が平滑化される。【選択図】 図1

Description

本発明は、太陽光発電システムに用いられる太陽電池の設置環境が悪く、一部が日陰等になった場合や、太陽電池間の出力特性にバラツキを生じた場合でも、システム全体の発電効率を高めることのできる、太陽電池の電力配分回路に関する。
なお、ここで「太陽電池」という用語は、複数直列接続された太陽電池セル(光発電素子)のストリングの両端に、バイパスダイオードが並列接続されたクラスタと、このようなクラスタを、単一もしくは複数直列接続して構成される太陽電池モジュールの両方を意味するものとする。
現在、太陽光発電システムの発電効率を上げるために、変換効率が高い太陽電池セル(モジュール)やパワーコンディショナの開発が進められている。現用されている太陽光発電システムは、特許文献1に記載されているように、複数の太陽電池モジュールを直並列に接続して、電圧を高めた後に、インバータで交流に変換する集中型インバータ方式が主流となっている。
しかしながら、このような集中型インバータ方式の太陽光発電システムは、実際の使用時においては、一部の太陽電池モジュールが、日陰等の設置環境下に置かれるために、それぞれの部位の太陽電池モジュールの発電能力を十分に発揮させることができない場合がある。
図22は、2枚の直列接続された太陽電池モジュールM1、M2からなる太陽光発電システムを模式的に示した図であって、これらの太陽電池モジュールM1、M2は、同一仕様のものが用いられている。
また、前記太陽電池モジュールM1、M2のそれぞれの正極端子P1と負極端子P2間にはバイパスダイオードBD1、BD2が接続されているとともに、太陽電池モジュールM1の正極端子P1と太陽電池ジュールM2の負極端子P2はそれぞれ、出力電路Aを介してパワーコンディショナ等の外部負荷に接続されている。
これらの太陽電池モジュールM1、M2が両方とも日向に設置されていて、十分な太陽光が当たっている場合には、これらを総合した外部出力は、図23に太い実線で表示しているような、最大出力動作点をPとする電流・電圧特性を示す。
ところが、例えば、一方の太陽電池モジュールM2が日陰に入った場合には、これらの太陽電池モジュールM1、M2は、出力電流に違いが生じて、図24に太い実線で表示しているような、階段状の電流電圧特性を示す。
同図において、領域(1)と領域(3)の面積を合わせたものは、太陽電池モジュールM1の発電出力(最大値)を表し、また、領域(2)の面積は、太陽電池モジュールM2の発電出力(最大値)を表している。
このような電流・電圧特性において、最大出力動作点Pが同図に示す位置にあった場合に得られる発電出力は、領域(1)と領域(2)の面積の和となり、ハッチングで示す領域(3)の部分は発電出力には寄与することができないため損失となる。
一方、特許文献2に記載されているように、個々の太陽電池モジュールに、マイクロコンバータを搭載したAC太陽電池モジュールを用いた太陽光発電システムがある。この方式は、各々の太陽電池モジュールに対して最大電力点追従(MPPT)制御を行い、その出力をDC/AC変換するようにした太陽電池モジュールで、日陰等による損失が少ないとされている。
特開2000−347753号公報 特開平11−318042号公報
しかしながら、前述したような、AC太陽電池モジュールを用いた太陽光発電システムでは、複雑な変換回路を有するため、個々の太陽電池モジュールの製造コストが高くなるとともに、常時変換動作を行っているため、日陰が無い状態においても変換ロスが発生する問題があった。
また、変換回路が故障した場合には、これを搭載している太陽電池モジュール自体が使用できなくなるため、信頼性にも問題があった。このようなことから、今後如何なる設置環境に対しても、高いシステム効率を維持できるシステムの開発が望まれる。
そこで、本発明は、前述したような従来技術における問題点を解決し、太陽光発電システムの一部の太陽電池の出力が、日陰等によって低下した場合に、システムの電流電圧特性に現れる段差を平滑化して発電効率を高めることのできる、太陽電池の電力配分回路を提供することを目的とする。
前記目的のために提供される本発明の電力配分回路は、外部負荷に対して複数直列接続された太陽電池の、前後に隣合う相互間に設けられるものであって、一方の端が、前段の太陽電池の正極端子に導通するとともに、他方の端が当該太陽電池の負極端子に導通する第1の充放電路と、一方の端が、後段の太陽電池の正極端子に導通するとともに、他方の端が当該太陽電池の負極端子に導通する第2の充放電路と、第1の充放電路の一部を構成する第1の巻線と、当該巻線と磁気的に結合され、第2の充放電路の一部を構成する第2の巻線とを有するフライバックトランスと、第1の巻線よりも、前段の太陽電池の正極端子寄りの位置で、第1の充放電路に組み込まれた第1のスイッチング素子と、第1の巻線よりも、前段の太陽電池の負極端子寄りの位置で、第1の充放電路に組み込まれた第2のスイッチング素子と、第1の充放電路に、第1のスイッチング素子と第1の巻線に対して並列に、且つ第2のスイッチング素子の導通時に前段の太陽電池の正極端子側から負極端子側に流れる電流を阻止する向きに組み込まれた第1のダイオードと、第1の充放電路に、第2のスイッチング素子と第1の巻線に対して並列に、且つ第1のスイッチング素子の導通時に前段の太陽電池の正極端子側から負極端子側に流れる電流を阻止する向きに組み込まれた第2のダイオードと、第1の充放電路に、第1のスイッチング素子、第1の巻線、及び第2のスイッチング素子に対して並列に組み込まれた第1のコンデンサと、
第2の巻線よりも、後段の太陽電池の正極端子寄りの位置で、第2の充放電路に組み込まれた第3のスイッチング素子と、第2の巻線よりも、後段の太陽電池の負極端子寄りの位置で、第2の充放電路に組み込まれた第4のスイッチング素子と、第2の充放電路に、第3のスイッチング素子と第2の巻線に対して並列に、且つ第4のスイッチング素子の導通時に後段の太陽電池の正極端子側から負極端子側に流れる電流を阻止する向きに組み込まれた第3のダイオードと、第2の充放電路に、第4のスイッチング素子と第2の巻線に対して並列に、且つ第3のスイッチング素子の導通時に後段の太陽電池の正極端子側から負極端子側に流れる電流を阻止する向きに組み込まれた第4のダイオードと、第2の充放電路に、第3のスイッチング素子、第2の巻線、及び第4のスイッチング素子に対して並列に組み込まれた第2のコンデンサと、第1のスイッチング素子と第2のスイッチング素子の組と、第3のスイッチング素子と第4のスイッチング素子の組のそれぞれのスイッチング素子のON/OFF動作を、各組内では同位相で、且つ組間では逆位相になるように同期させて、周期的に反復させるスイッチング制御回路を備えたものである。
本発明の太陽電池の電力配分回路において、スイッチング制御回路は、全てのスイッチング素子が同時にOFFになる短絡防止期間が存在するように、第1のスイッチング素子と第2のスイッチング素子の組と、第3のスイッチング素子と第4のスイッチング素子の組の間で、ON/OFFの切り換えタイミングを制御することが望ましい。
請求項1に記載された発明によれば、太陽光発電システムに使用される各太陽電池間に、日陰や受光面の汚れ、経年劣化等によって、発電出力にバラツキが生じた場合に、各太陽電池間でバランス良く電力を配分することができる。
その結果、太陽光発電システム全体の電流電圧特性の段差が平滑化されて、本来、発電出力として利用することができず、損失となっていた電力が利用可能となるため、発電効率を高めることができる。
また、電流電圧特性の段差が平滑化されるため、パワーコンディショナの最大出力動作点の検出が容易となり、MPPTミスマッチ損失を回避することができる。
また、本発明の電力配分回路の主要部分は、リレーやFET(電界効果トランジスタ)等のスイッチング素子やダイオード、フライバックトランス、コンデンサ等からなる極めて簡単な回路構成とすることができる。
しかも、発電出力の大きい太陽電池から発電出力の小さい太陽電池側にフライバックトランスを介して電力が配分される際に、フライバックトランスの漏れインダクタンスに起因する電力損失を少なくすることができる。
また、従来のAC太陽電池モジュールを用いたシステムでは、日陰が無い時も、常時AC/DC変換による回路損失が生じているのに対して、本発明の電力配分回路は、日陰が無い場合にはその動作を停止して回路損失を無くすことができるため、発電効率の低下を防ぐことができる。
さらに、従来のAC太陽電池モジュールを用いた太陽光発電システムでは、太陽電池モジュールに搭載されているマイクロコンバータが故障すると、太陽電池モジュール自体も使用不能となるが、本発明の電力配分回路では、万一故障が発生してその機能が停止した場合でも、太陽光発電システム自体の機能に支障を生じる恐れがない。
本発明の電力配分回路の1実施形態を示す、直列接続された2つの太陽電池モジュールM1、M2からなる太陽光発電システムの模式図である。 本発明の電力配分回路の1実施形態における、スイッチング制御回路のブロック図である。 図2に示すスイッチング制御回路のパルス発振器から出力されるパルス信号の波形を示す図である。 太陽電池モジュールM1の発電出力が、太陽電池モジュールM2の発電出力より大きい場合における、本発明の電力配分回路の一動作過程を説明する図である。 太陽電池モジュールM1の発電出力が、太陽電池モジュールM2の発電出力より大きい場合における、本発明の電力配分回路の一動作過程を説明する図である。 太陽電池モジュールM1の発電出力が、太陽電池モジュールM2の発電出力より大きい場合における、本発明の電力配分回路の一動作過程を説明する図である。 電力配分回路によって改善されたシステムの電流電圧特性を示す図である。 太陽電池モジュールM2の発電出力が、太陽電池モジュールM1の発電出力より大きい場合における、本発明の電力配分回路の一動作過程を説明する図である。 太陽電池モジュールM2の発電出力が、太陽電池モジュールM1の発電出力より大きい場合における、本発明の電力配分回路の一動作過程を説明する図である。 太陽電池モジュールM2の発電出力が、太陽電池モジュールM1の発電出力より大きい場合における、本発明の電力配分回路の一動作過程を説明する図である。 本発明の電力配分回路の別の実施形態を示す、直列接続された3つの太陽電池モジュールM1、M2、M3からなる太陽光発電システムの模式図である。 太陽電池モジュールM1の発電出力が、2つの太陽電池モジュールM2、M3の発電出力より大きい場合のシステムの電流電圧特性を示す図である。 太陽電池モジュールM1の発電出力が、2つの太陽電池モジュールM2、M3の発電出力より大きい場合における、本発明の電力配分回路の一動作過程を説明する図である。 太陽電池モジュールM1の発電出力が、2つの太陽電池モジュールM2、M3の発電出力より大きい場合における、本発明の電力配分回路の一動作過程を説明する図である。 太陽電池モジュールM1の発電出力が、2つの太陽電池モジュールM2、M3の発電出力より大きい場合における、本発明の電力配分回路の一動作過程を説明する図である。 太陽電池モジュールM1の発電出力が、2つの太陽電池モジュールM2、M3の発電出力より大きい場合における、本発明の電力配分回路の一動作過程を説明する図である。 太陽電池モジュールM1の発電出力が、2つの太陽電池モジュールM2、M3の発電出力より大きい場合における、本発明の電力配分回路の一動作過程を説明する図である。 太陽電池モジュールM1及び太陽電池モジュールM2の発電出力が、太陽電池モジュールM3の発電出力より大きい場合のシステムの電流電圧特性を示す図である。 太陽電池モジュールM1及び太陽電池モジュールM2の発電出力が、太陽電池モジュールM3の発電出力より大きい場合における、本発明の電力配分回路の一動作過程を説明する図である。 太陽電池モジュールM1及び太陽電池モジュールM2の発電出力が、太陽電池モジュールM3の発電出力より大きい場合における、本発明の電力配分回路の一動作過程を説明する図である。 太陽電池モジュールM1及び太陽電池モジュールM2の発電出力が、太陽電池モジュールM3の発電出力より大きい場合における、本発明の電力配分回路の一動作過程を説明する図である。 2つの太陽電池モジュールM1、M2からなる太陽光発電システムを模式的に示す図である。 両方の太陽電池モジュールが日向にある場合の電流電圧特性を示す図である。 一方の太陽電池モジュールが日陰に入った場合の電流電圧特性を示す図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。図1に示す実施形態は、外部負荷に対して直列接続された2つの太陽電池モジュールM1、M2から構成されている太陽光発電システムに、本発明の電力配分回路1を組み込んだ例を示している。
同図に示すように、太陽電池モジュールM1の正極端子P1と太陽電池モジュールM2の負極端子P2は、出力電路Aを介して外部負荷と接続されており、また、太陽電池モジュールM1の負極端子P2と太陽電池モジュールM2の正極端子P1との間は、連結電路Bで接続されている。また、これらの太陽電池モジュールM1、M2の正極端子P1と負極端子P2間にはそれぞれ、バイパスダイオードBD1、BD2が接続されている。
なお、以下の説明においては、これらの太陽電池モジュールM1、M2の前後の向きはそれぞれ正極端子P1側を前側、負極端子P2側を後側とし、M1を前段の太陽電池モジュール、M2を後段の太陽電池モジュールとする。
本発明の電力配分回路1は、一方の端が、前段の太陽電池モジュールM1の正極端子P1に出力電路Aを介して導通し、他方の端が、連結電路Bを介して前記太陽電池モジュールM1の負極端子P2と導通している充放電路2(第1の充放電路)と、一方の端が、後段の太陽電池モジュールM2の正極端子P1に連結電路B介して導通し、他方の端が、出力電路Aを介して前記太陽電池モジュールM2の負極端子P2と導通している充放電路3(第2の充放電路)を有している。
ここで、充放電路2は、図1中に示す出力電路Aとの接続点J1から途中の各接続点J2、J3、J4、J5、J6、J7を経由して、連結電路Bとの接続点J8に至る電路である。
また、充放電路3は、同図中に示す連結電路Bとの接続点J9から途中の各接続点J10、J11、J12、J13、J14、J15を経由して、出力電路Aとの接続点J16に至る電路である。
充放電路2と充放電路3の間は、1つのフライバックトランスTを介して間接的に連結されている。前記フライバックトランスTは、磁気的に結合されている2つの巻線L1、L2を有している。
前記一方の巻線L1(第1の巻線)は、充放電路2の途中の接続点J4、J5間に組み込まれて充放電路2の一部を構成している。また、他方の巻線L2(第2の巻線)は、充放電路3の途中の接続点J12、J13間に組み込まれて充放電路3の一部を構成している。
なお、図1においては、説明の便宜上、それぞれの充放電路2、3の両方にフライバックトランスTが図示してあるが、これらは同じ1つのものを表している。なお、このフライバックトランスTは、巻線L1と巻線L2の巻線比が1:1のものを用いている。
充放電路2の途中の巻線L1の両側にはそれぞれ、スイッチング素子S1(第1のスイッチング素子)とスイッチング素子S2(第2のスイッチング素子)が、当該巻線L1と直列に組み込まれている。
また同様に、充放電路3の途中の巻線L2の両側にはそれぞれ、スイッチング素子S3(第3のスイッチング素子)とスイッチング素子S4(第4のスイッチング素子)が、当該巻線L2と直列に組み込まれている。
また、図1では図示を省略しているが、電力配分回路1には、図2に示すスイッチング制御回路4が含まれていて、前述の各スイッチング素子S1〜S4は、前記スイッチング制御回路4によってON/OFFの切換動作が行われる。
本実施形態においては、これらのスイッチング素子S1〜S4には、ON/OFFの切換動作を迅速に行うため、FET(電界効果トランジスタ)を用いているが、図中では、説明の便宜上、ON/OFFの切換状態がわかるように、機械的なスイッチの形態で模式的に図示してある。なお、これらのスイッチング素子にはリレーを使用することも可能である。
図2に示すように、スイッチング制御回路4は、パルス発振器、相補回路、及び、ドライバ回路A1〜A4から構成されており、このスイッチング制御回路4が動作を開始すると、パルス発振器は図3の(1)に示す矩形波状の周期的なパルス信号を生成する。
前記パルス発振器により生成されたパルス信号は相補回路に入力される。相補回路は前記パルス信号に基づいて、図3の(2)と(3)に示す2種類のON/OFF信号を生成し、図2に示すように、前者をドライバ回路A1とドライバ回路A2に、後者をドライバ回路A3とドライバ回路A4に、それぞれ出力する。
そうすると、ドライバ回路A1とドライバ回路A2はそれぞれ、図3の(2)のON/OFF信号に基づいて、図1に示すスイッチング素子S1とスイッチング素子S2を同位相で同期させて、周期的にON/OFF動作を反復させる。
また、ドライバ回路A3とドライバ回路A4はそれぞれ、図3の(3)のON/OFF信号に基づいて、図1に示すスイッチング素子S3とスイッチング素子S4を同位相で同期させて、周期的にON/OFF動作を反復させる。
そのため、充放電路2側の2つのスイッチング素子S1、S2の組と、充放電路3側の2つのスイッチング素子S3、S4の組のON/OFF動作は、組間では逆位相となり、相補的な動作となる。
なお、本実施形態においては、スイッチング制御回路4内で相補回路からドライバ回路A1、A2に入力されるON/OFF信号(2)と、ドライバ回路A3、A4に入力されるON/OFF信号(3)との間に、図3に示すように、全てのスイッチング素子S1〜S4を同時にOFFにする短絡防止期間aを存在させて、電力配分回路1の動作の安定性を高めている。
図1に示すように、充放電路2の途中の接続点J3、J5間には、接続点J3側から接続点J5側へ流れる電流を阻止する向きに、ダイオードD1(第1のダイオード)がスイッチング素子S1及び巻線L1と並列に組み込まれている。
また、充放電路2の途中の接続点J4、J6間には、接続点J4側から接続点J6側へ流れる電流を阻止する向きに、ダイオードD2(第2のダイオード)がスイッチング素子S2及び巻線L1と並列に組み込まれている。
また、充放電路3側においても同様に、充放電路3の途中の接続点J11、J13間には、接続点J11側から接続点J13側へ流れる電流を阻止する向きに、ダイオードD3(第3のダイオード)がスイッチング素子S3及び巻線L2と並列に組み込まれている。
また、充放電路3の途中の接続点J12、J14間には、接続点J12側から接続点J14側へ流れる電流を阻止する向きに、ダイオードD4(第4のダイオード)がスイッチング素子S4及び巻線L2と並列に組み込まれている。
さらに、充放電路2の途中の接続点J2、J7間には、スイッチング素子S1、巻線L1及びスイッチング素子S2と並列に、コンデンサC1が組み込まれている。また同様に、充放電路3の途中の接続点J10、J15間には、スイッチング素子S3、巻線L2及びスイッチング素子S4と並列に、コンデンサC2が組み込まれている。
次に、前述したように構成されている電力配分回路1の動作について説明する。
図1に示すシステムにおいて、前段の太陽電池モジュールM1が発電する電力が、後段の太陽電池モジュールM2が発電する電力より大きい場合、同図のように全てのスイッチング素子S1〜S4がOFF(電力配分回路1が停止して機能していない状態)のときは、このシステムは、図24に示すような、最大出力動作点をPとする階段状の電流電圧特性を示す。
この状態から電力配分回路1を起動して、図4に示すように、充放電路2のスイッチング素子S1とスイッチング素子S2がONに切り換わると(充放電路3側のスイッチング素子S3とスイッチング素子S4はOFFの状態のまま)、太陽電池モジュールM1が出力する一部の電流I1が当該太陽電池モジュールM1の正極端子P1から、出力電路Aの一部を経由して接続点J1から充放電路2に流入する。なお、図面中、回路を流れる電流の向きと経路は、矢印付きの点線によって表示している。
同図に示すように、前記電流I1はフライバックトランスTの巻線L1に流れ、さらに、前記充放電路2から接続点J8で連結電路Bを経由して当該太陽電池モジュールM1の負極端子P2へ還流する。この際、太陽電池モジュールM1の発電する電力の一部がフライバックトランスTに磁気エネルギとして蓄積される。
次に、図5に示すように、スイッチング素子S1、S2がOFF、スイッチング素子S3、S4がONに切り換わると、フライバックトランスTに蓄えられていた電力は、巻線L2を介して充放電路3に電流I2として放電される。
前記電流I2は、その一部がコンデンサC2に流入して当該コンデンサC2を充電するとともに、残りは接続点J9を経由して、太陽電池モジュールM2から太陽電池モジュールM1側に連結電路Bを流れる電流に加算される。
一方、フライバックトランスTには、充放電路3に放電されていない漏れインダクタンスよって蓄積された磁気エネルギが残っている。そのため、2つのスイッチング素子S1、S2がOFFに切り換わった時点で巻線L1の両端間の電位差が逆転し、接続点J5側が接続点J4側より高電位となると、2つのダイオードD1、D2を経由して巻線L1から前記磁気エネルギが電流I3として充放電路2に放電され、この電流I3によってコンデンサC1が充電される。
次いで、図6に示すように、充放電路2側で、2つのスイッチング素子S1、S2がONに切り換わると、前記コンデンサC1は放電し、その放電電流は巻線L1に流れる。また同時に、前述した図4の場合と同様に、太陽電池モジュールM1が出力する一部の電流も接続点J1を経由して前記巻線L1に流れるため、結果として当該巻線L1には、これらが加算された電流I4が流れ、フライバックトランスTに磁気エネルギとして電力が再び蓄積される。
また、このとき充放電路3側では、2つのスイッチング素子S3、S4がOFFに切り換わると、コンデンサC2は放電し、その放電電流I5が接続点J9で、太陽電池モジュールM2から太陽電池モジュールM1側に連結電路Bを流れる電流に加算される。
以下、前述した図5と図6の動作を周期的に反復することによって、発電出力の大きい太陽電池モジュールM1側の充放電路2から発電出力の小さい太陽電池モジュールM2側の充放電路3へ、フライバックトランスTを介して連続的な電力配分が行われ、両者の発電出力が均等化される。
この際、コンデンサC1とコンデンサC2は、各スイッチング素子S1〜S4が発生するノイズを低減するとともに、出力電路Aを通して外部負荷に流れる電流の変動を平滑化する平滑回路としての機能を果たす。
電力配分回路1を使用していない場合には、図7に破線で示すように、このシステム全体の電流電圧特性を示す曲線は、最大出力動作点をPとする階段状となっているが、電力配分回路1を動作させることで、太陽電池モジュールM1の発電出力の一部(3)’が太陽電池モジュールM2側に配分されて、その発電出力(2)に加算される。
ここで、領域(3’)の面積は、図24において、太陽電池モジュールM1の発電出力の利用できない領域(3)の略半分の面積であり、この面積分の電力が、電力配分回路1を介して太陽電池モジュールM1側から太陽電池M2側へ配分されることで、システム全体の電流電圧特性は、図7に太い実線で示す最大電力動作点をP’とする平滑化された特性に改善され、発電効率が向上する。
次に、図1のシステムにおいて、後段の太陽電池モジュールM2が発電する電力が、前段の太陽電池モジュールM1が発電する電力より大きい場合の電力配分回路1の動作について説明する。なお、電力配分回路1が停止しているときは、このシステムは、前述した場合と同様に、図24に示すような階段状の電流電圧特性を示す。
この状態から電力配分回路1を起動して、図8に示すように、充放電路3のスイッチング素子S3とスイッチング素子S4がONに切り換わると(なお、スイッチング素子S1とスイッチング素子S1はOFFの状態のまま)、太陽電池モジュールM2が出力する一部の電流i1が当該太陽電池モジュールM2の正極端子P1から、連結電路Bを経由して接続点J9から充放電路3に流入し、フライバックトランスTの巻線L2に流れ、さらに、前記充放電路3から接続点J16で出力電路Aの一部を経由して当該太陽電池モジュールM2の負極端子P2へ還流する。この際、太陽電池モジュールM2の発電する電力の一部がフライバックトランスTに磁気エネルギとして蓄積される。
次に、図9に示すように、スイッチング素子S1、S2がON、スイッチング素子S3、S4がOFFに切り換わると、フライバックトランスTに磁気エネルギとして蓄えられていた電力は、巻線L1を介して充放電路2に電流i2として放電される。この電流i2の一部はコンデンサC1に蓄電され、残りは接続点J1を経由して、太陽電池モジュールM1から外部負荷側に出力電路Aを流れる電流に加算される。
一方、フライバックトランスTが有している漏れインダクタンスによって、2つのスイッチング素子S3、S4がOFFに切り換わった時点で、巻線L2の両端間の電位差が逆転し、接続点J13側が接続点J12側より高電位となる。その結果、2つのダイオードD3、D4を経由して巻線L2からコンデンサC2へ電流i3が流れ、当該コンデンサC2が充電される。
次いで、図10に示すように、充放電路3側で、2つのスイッチング素子S3、S4がONに切り換わると、前記コンデンサC2は放電して、その放電電流が巻線L2に流れ、また同時に、太陽電池モジュールM2が出力する一部の電流も接続点J9を経由して前記巻線L2に流れるため、結果として当該巻線L2には、これらが加算された電流i4が流れ、フライバックトランスTに電力が磁気エネルギとして再び蓄積される。
また、このとき充放電路2側では、2つのスイッチング素子S1、S2がOFFに切り換わると、コンデンサC1は放電し、その放電電流i5が接続点J1で、太陽電池モジュールM1から外部負荷側に出力電路Aを流れる電流に加算される。
以下、前述した図9と図10の動作を周期的に反復することによって、発電出力の大きい太陽電池モジュールM2側の充放電路3から発電出力の小さい太陽電池モジュールM1側の充放電路2へ、フライバックトランスTを介して連続的な電力配分が行われ、両者の発電出力が均等化される。
次に、図11は、本発明の電力配分回路の別の実施形態を示す、直列接続された3つの太陽電池モジュールM1、M2、M3からなる太陽光発電システムの模式図であって、同図に示すように、太陽電池モジュールM1の正極端子P1と太陽電池モジュールM3の負極端子P2は、出力電路Aを介して外部負荷と接続されている。
また、太陽電池モジュールM1の負極端子P2と太陽電池モジュールM2の正極端子P1との間と、太陽電池モジュールM2の負極端子P2と太陽電池モジュールM3の正極端子P1との間はそれぞれ、連結電路Bと連結電路B’で接続されている。また、太陽電池モジュールM1、M2、M3の正極端子P1と負極端子P2間にはそれぞれ、バイパスダイオードBD1、BD2、BD3が接続されている。
このシステムにおいては、前後に隣合う、太陽電池モジュールM1、M2間と、太陽電池モジュールM2、M3間にそれぞれ、先に説明した図1の電力配分回路1と同じ回路が組み込まれている。
なお、図11においては、説明の便宜上、これら2つの回路を区別するために、太陽電池モジュールM1、M2間に組み込まれているものを電力配分回路1、太陽電池モジュールM2、M3間に組み込まれているものを電力配分回路1’で表記している。
また、前者の回路の各部分に対応する後者の回路の各部分の符号には、「’」を付して両者を区別してある。また、図示していないが、これらの電力配分回路1、1’はそれぞれ、先に説明した図2に示すスイッチング制御回路4と同じものをそれぞれ備えている。
また、図11においては、連結電路Bに対する電力配分回路1の充放電路3の接続点J9と電力配分回路1’の充放電路2’の接続点J1’、ならびに、連結電路B’に対する電力配分回路1の充放電路3の接続点J16と電力配分回路1’の充放電路2’の接続点J8’はそれぞれ同一位置にある。なお、接続点J9、J1’と、接続点J16、J8’はそれぞれ同一位置でなくてもよい。
前述したように構成されている図11に示すシステムにおいて、太陽電池モジュールM1の発電出力が、太陽電池モジュールM2及び太陽電池モジュールM3の発電出力より大きい場合において、これらの電力配分回路1、1’を動作させていないときには、このシステムは、図12に示すような電流電圧特性を示す。
ここで、電力配分回路1、1’を起動し、図13に示すように、電力配分回路1の充放電路2にあるスイッチング素子S1とスイッチング素子S2がONに切り換わると、先に説明した図4の場合と同様に、太陽電池モジュールM1が出力する一部の電流I1が、接続点J1から充放電路2に流入し、フライバックトランスTの巻線L1に流れ、さらに、前記充放電路2から接続点J8で連結電路Bを経由して当該太陽電池モジュールM1の負極端子P2へ還流する。この際、太陽電池モジュールM1の発電する電力の一部がフライバックトランスTに磁気エネルギとして蓄積される。
なお、本実施形態においては、電力配分回路1中の各スイッチング素子S1〜S4と、電力配分回路1’中の各スイッチング素子S1’〜S4’は同じタイミングでON/OFF切換が行われるように、2つの電力配分回路1、1’のスイッチング制御回路どうしを連繋させてある。
この場合、電力配分回路1、1’にそれぞれ組み込まれているスイッチング制御回路は、1つのパルス発振器を共有して、ここから各々の相補回路にパルス信号を供給するようにしてもよい。
次に、図14に示すように、スイッチング素子S1とスイッチング素子S2がOFF、スイッチング素子S3とスイッチング素子S4がONになると、フライバックトランスTに蓄えられていた前記太陽電池モジュールM1で発電された一部の電力は、巻線L2を介して充放電路3に電流I2として放電される。
前記電流I2は、コンデンサC2とコンデンサC1’に流入してこれらのコンデンサC2、C1’を充電する。なお、コンデンサC2とコンデンサC1’は、接続点J9(J1’)と、接続点J16(J8’)に対して並列に接続されているため、1つのコンデンサを、電力配分回路1の充放電路3側と電力配分回路1’の充放電路2’側で共用するようにしてもよい。
一方、前述した図5の場合と同様に、フライバックトランスTが有している漏れインダクタンスによって、2つのスイッチング素子S1、S2がOFFに切り換わった時点で、2つのダイオードD1、D2を経由して巻線L1からコンデンサC1へ電流I3が流れてこのコンデンサC1が充電される。
次に、図15に示すように、スイッチング素子S3、S4がOFF、スイッチング素子S1’、S2’がONに切り換わると、コンデンサC2とコンデンサC1’は放電して電流I4がフライバックトランスT’の巻線L1’に流れ、これらのコンデンサC2、C1’に蓄えられていた電力が、フライバックトランスT’に移動し、ここに磁気エネルギとして蓄積される。
一方、電力配分回路1の充放電路2側では、2つのスイッチング素子S1、S2がONに切り換わると、コンデンサC1は放電し、その放電電流は巻線L1に流れる。また同時に、太陽電池モジュールM1が出力する一部の電流も前記巻線L1に流れるため、結果として当該巻線L1には、これらが加算された電流I5が流れ、フライバックトランスTに磁気エネルギとして電力が再び蓄積される。
さらに、図16に示すように、電力配分回路1’で充放電路2’の2つのスイッチング素子S1’、S2’がOFFに切り換わり、充放電路3’の2つのスイッチング素子S3’、S4’がONに切り換わると、フライバックトランスT’に蓄積されていた磁気エネルギは巻線L2’から電流I6として放電され、その一部はコンデンサC2’に充電され、残りは接続点J9’を経由して、太陽電池モジュールM3から太陽電池モジュールM2側に連結電路B’を流れる電流に加算される。
一方、電力配分回路1側で充放電路3の2つのスイッチング素子S3、S4がONに切り換わることにより、フライバックトランスTに蓄積されていた磁気エネルギは、巻線L2から電流I7として放電され、接続点J9を経由して、太陽電池モジュールM2から太陽電池モジュールM1側に連結電路Bを流れる電流に加算される。
また同時に、電力配分回路1’側のフライバックトランスT’が有している漏れインダクタンスによって蓄積されていた磁気エネルギは、充放電路2’の2つのスイッチング素子S1’、S2’がOFFに切り換わった時点で2つのダイオードD1’D2’を通じて電流I8として巻線L1’から放電され、接続点J9を経由して、太陽電池モジュールM2から太陽電池モジュールM1側に連結電路Bを流れる電流に加算される。さらに、このとき、2つのコンデンサC2、C’1からも放電されて、太陽電池モジュールM1側へ流れる電流に加算される。
また、電力配分回路1の充放電路2では、前述した図14の場合と同様に、フライバックトランスTが有している漏れインダクタンスによって、2つのスイッチング素子S1、S2がOFFに切り換わった時点で、2つのダイオードD1、D2を経由して巻線L1からコンデンサC1へ電流I9が流れ、当該コンデンサC1が充電される。
次いで、図17に示すように、電力配分回路1の充放電路2で2つのスイッチング素子S1、S2がONになると、コンデンサC1は放電し、その放電電流は巻線L1に流れる。また同時に、太陽電池モジュールM1が出力する一部の電流も接続点J1を経由して巻線L1に流れるため、結果として当該巻線L1には、これらが加算された電流I10が流れ、フライバックトランスTに磁気エネルギとして電力が再び蓄積される。
また同時に、充放電路3の2つのスイッチング素子S3、S2がOFFに、電力配分回路1’側の充放電路2’の2つのスイッチング素子S1’、S2’がONに切り換わることにより、コンデンサC2とコンデンサC1’は蓄積していた電力を放電する。
これらのコンデンサC2、C1’の放電電流の一部は、電流I11として接続点J9(J1’)を経由して、太陽電池モジュールM2から太陽電池モジュールM1側に連結電路Bを流れる電流に加算される。また、前記放電電流の残りの電流I12は、フライバックトランスT’の巻線L1’を流れて、当該フライバックトランスT’に磁気エネルギとして電力を蓄積する。
また、充放電路3’の2つのスイッチング素子S3’、S4’がOFFに切り換わることにより、コンデンサC2’から放電された電流I13が接続点J9’を経由して、太陽電池モジュールM3から太陽電池モジュールM2側に連結電路B’を流れる電流に加算される。
以下、前述した図16と図17に示す各スイッチング素子S1〜S4、S1’〜S4’の切換動作を交互に繰り返すことによって、発電出力の大きい太陽電池モジュールM1からこれより出力の小さい2つの太陽電池モジュールM2、M3へ、連続的な電力配分が行われて全体の発電出力が均等化される。
次に、図11に示すシステムにおいて、太陽電池モジュールM1及び太陽電池モジュールM2の発電出力が、太陽電池モジュールM3の発電出力よりも大きい場合において、これらの電力配分回路1、1’を動作させていない場合には、このシステムは、図18に示すような電流電圧特性を示す。
ここで電力配分回路1、1’を起動し、図19に示すように、電力配分回路1側のスイッチング素子S1とスイッチング素子S2がONに切り換わると、太陽電池モジュールM1が出力する一部の電流i1が接続点J1から充放電路2に流入し、フライバックトランスTの巻線L1に流れ、さらに、前記充放電路2から接続点J8で連結電路Bを経由して当該太陽電池モジュールM1の負極端子P2へ還流する。この際、太陽電池モジュールM1の発電する電力の一部がフライバックトランスTに磁気エネルギとして蓄積される。
このとき、電力配分回路1’側のスイッチング素子S1’とスイッチング素子S2’も同時にONに切り換わるため、太陽電池モジュールM2の出力する一部の電流i2が、接続点J1’から充放電路2’に流入し、フライバックトランスT’の巻線L1’に流れ、さらに、充放電路2’から接続点J8’で連結電路B’を経由して当該太陽電池モジュールM2の負極端子P2へ還流する。この際、太陽電池モジュールM2の発電する電力の一部がフライバックトランスT’に磁気エネルギとして蓄積される。
次に、図20に示すように、電力配分回路1側でスイッチング素子S1とスイッチング素子S2がOFF、スイッチング素子S3とスイッチング素子S4がONになると、フライバックトランスTに磁気エネルギとして蓄えられていた、前記太陽電池モジュールM1で発電された一部の電力は、巻線L2を介して充放電路3に電流i3として放電される。
また、電力配分回路1’側のフライバックトランスT’が有している漏れインダクタンスによって蓄積されていた磁気エネルギは、2つのスイッチング素子S1’、S2’がOFFに切り換わった時点で2つのダイオードD1’D2’を通じて電流i4として巻線L1’から充放電路2’に放電される。
電流i3と電流i4は、接続点J9(J1’)と接続点J16(J8’)に対して並列に接続されている2つのコンデンサC2、C1’に流れて、これらのコンデンサC2、C1’を充電する。
さらに、電力配分回路1の充放電路2では、フライバックトランスTが有している漏れインダクタンスによって、2つのスイッチング素子S1、S2がOFFに切り換わった時点で、2つのダイオードD1、D2を経由して巻線L1からコンデンサC1へ電流i5が流れてこのコンデンサC1が充電される。
一方、電力配分回路1’側で充放電路2’の2つのスイッチング素子S1’、S2’がOFFに切り換わり、充放電路3’の2つのスイッチング素子S3’、S4’がONに切り換わると、フライバックトランスT’に蓄積されていた磁気エネルギは巻線L2’から電流i6として放電され、その一部はコンデンサC2’に充電され、残りは接続点J9’を経由して、太陽電池モジュールM3から太陽電池モジュールM2側に連結電路B’を流れる電流に加算される。
次に、図21に示すように、電力配分回路1側の2つのスイッチング素子S1、S2がONに切り換わると、コンデンサC1は放電し、その放電電流と太陽電池モジュールM1が出力する一部の電流とが加算された電流i7が巻線L1に流れ、フライバックトランスTに磁気エネルギとして電力が再び蓄積される。
また、スイッチング素子S3、S4がOFF、スイッチング素子S1’、S2’がONに切り換わると、コンデンサC2とコンデンサC1’は放電し、これらの放電電流と太陽電池モジュールM2が出力する一部の電流とが加算された電流i8が巻線L1’に流れ、フライバックトランスT’に磁気エネルギとして電力が再び蓄積される。
また、電力配分回路1’の充放電路3’側で2つのスイッチング素子S3’、S4’がOFFに切り換わることにより、コンデンサC2’から放電された電流i9’が接続点J9’を経由して、太陽電池モジュールM3から太陽電池モジュールM2側に連結電路B’を流れる電流に加算される。
以下、前述した図20と図21に示す各スイッチング素子S1〜S4、S1’〜S4’の切換動作を交互に繰り返すことによって、発電出力の大きい2つの太陽電池モジュールM1、M2からこれらよりも出力の小さい太陽電池モジュールM3へ、連続的な電力配分が行われて全体の発電出力が均等化される。
なお、ここでは、2つの電力配分回路1、1’の動作を同期させているが、これらを非同期で個別のタイミングで動作させた場合でも、それぞれの回路を流れる電流の変動は、コンデンサC1、C2、C1’、C2’の充放電によって吸収されるので、太陽電池モジュールM1、M2、M3間の電力配分動作に支障をきたすことはない。
また、前述した各実施形態においては、2つの太陽電池モジュールM1、M2を直列接続したシステムと、3つの太陽電池モジュールM1、M2、M3を直列接続したシステムについて説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定するものではなく、太陽電池モジュールが4つ以上直列接続された太陽光発電システムにおいても適用可能である。さらに、本発明の太陽電池の電力配分回路には、太陽電池モジュール内で直列接続されている複数のクラスタ間の電力配分回路も含まれる。
本発明の太陽電池の電力配分回路は、太陽光発電システムの日陰等による太陽電池モジュールやクラスタの発電効率低下を改善するために有効に利用することができる。
また、特性の異なる種類の太陽電池モジュールを組み合わせた太陽光発電システムや、フレキシブルな太陽電池を含む複数の太陽電池モジュールが、異なる向きに設置された太陽光発電システム、さらに、追尾集光型の高効率太陽光発電システムのような、集光レンズの集光特性によって個々の太陽電池セルの出力特性が異なるシステム、裏面からの太陽光も受光する両面受光型太陽電池モジュールを備えたシステム等、様々なケースにおいて発電効率を高める手段としても利用可能である。
また、本発明の太陽電池の電力配分回路は、既設の太陽光発電システムにおいて、経年劣化や受光面の汚れ等によって太陽電池モジュール間の出力特性にバラツキが生じた場合における発電効率改善にも利用可能である。
また、太陽光発電の分野だけでなく、太陽電池モジュールと同様な電流電圧特性を示す、バッテリーや燃料電池等を直並列に接続した電力供給システムにおいても、利用可能である。
1、1’ 電力配分回路
2、2’ 充放電路(第1の充放電路)
3、3’ 充放電路(第2の充放電路)
4 スイッチング制御回路
A 出力電路
B、B’ 連結電路
BD1、BD2、BD3 バイパスダイオード
C1、C1’ コンデンサ(第1のコンデンサ)
C2、C2’ コンデンサ(第2のコンデンサ)
D1、D1’ ダイオード(第1のダイオード)
D2、D2’ ダイオード(第2のダイオード)
D3、D3’ ダイオード(第3のダイオード)
D4、D4’ ダイオード(第4のダイオード)
J1〜J16、J1’〜J16’ 接続点
M1、M2、M3 太陽電池モジュール
T、T’ フライバックトランス
L1、L2’ 巻線(第1の巻線)
L2、L2’ 巻線(第2の巻線)
S1、S1’ スイッチング素子(第1のスイッチング素子)
S2、S2’ スイッチング素子(第2のスイッチング素子)
S3、S3’ スイッチング素子(第3のスイッチング素子)
S4、S4’ スイッチング素子(第4のスイッチング素子)

Claims (2)

  1. 外部負荷に対して複数直列接続された太陽電池の、前後に隣合う相互間に設けられる電力配分回路であって、
    一方の端が、前段の太陽電池の正極端子に導通するとともに、他方の端が当該太陽電池の負極端子に導通する第1の充放電路と、
    一方の端が、後段の太陽電池の正極端子に導通するとともに、他方の端が当該太陽電池の負極端子に導通する第2の充放電路と、
    第1の充放電路の一部を構成する第1の巻線と、当該巻線と磁気的に結合され、第2の充放電路の一部を構成する第2の巻線とを有するフライバックトランスと、
    第1の巻線よりも、前段の太陽電池の正極端子寄りの位置で、第1の充放電路に組み込まれた第1のスイッチング素子と、
    第1の巻線よりも、前段の太陽電池の負極端子寄りの位置で、第1の充放電路に組み込まれた第2のスイッチング素子と、
    第1の充放電路に、第1のスイッチング素子と第1の巻線に対して並列に、且つ第2のスイッチング素子の導通時に前段の太陽電池の正極端子側から負極端子側に流れる電流を阻止する向きに組み込まれた第1のダイオードと、
    第1の充放電路に、第2のスイッチング素子と第1の巻線に対して並列に、且つ第1のスイッチング素子の導通時に前段の太陽電池の正極端子側から負極端子側に流れる電流を阻止する向きに組み込まれた第2のダイオードと、
    第1の充放電路に、第1のスイッチング素子、第1の巻線、及び第2のスイッチング素子に対して並列に組み込まれた第1のコンデンサと、
    第2の巻線よりも、後段の太陽電池の正極端子寄りの位置で、第2の充放電路に組み込まれた第3のスイッチング素子と、
    第2の巻線よりも、後段の太陽電池の負極端子寄りの位置で、第2の充放電路に組み込まれた第4のスイッチング素子と、
    第2の充放電路に、第3のスイッチング素子と第2の巻線に対して並列に、且つ第4のスイッチング素子の導通時に後段の太陽電池の正極端子側から負極端子側に流れる電流を阻止する向きに組み込まれた第3のダイオードと、
    第2の充放電路に、第4のスイッチング素子と第2の巻線に対して並列に、且つ第3のスイッチング素子の導通時に後段の太陽電池の正極端子側から負極端子側に流れる電流を阻止する向きに組み込まれた第4のダイオードと、
    第2の充放電路に、第3のスイッチング素子、第2の巻線、及び第4のスイッチング素子に対して並列に組み込まれた第2のコンデンサと、
    第1のスイッチング素子と第2のスイッチング素子の組と、第3のスイッチング素子と第4のスイッチング素子の組のそれぞれのスイッチング素子のON/OFF動作を、各組内では同位相で、且つ組間では逆位相になるように同期させて、周期的に反復させるスイッチング制御回路を備えたことを特徴とする太陽電池の電力配分回路。
  2. スイッチング制御回路は、全てのスイッチング素子が同時にOFFになる短絡防止期間が存在するように、第1のスイッチング素子と第2のスイッチング素子の組と、第3のスイッチング素子と第4のスイッチング素子の組の間で、ON/OFFの切り換えタイミングを制御することを特徴とする請求項1に記載の太陽電池の電力配分回路。
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