JP2016200675A - エレクトロクロミック素子、レンズユニット、撮像装置、窓材 - Google Patents
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Abstract
【課題】 着色時および消色時において、電極面内の電位むらを改善したエレクトロクロミック素子を提供する。
【解決手段】 本発明は、一対の透明電極と、前記一対の透明電極の間に配置されているエレクトロクロミック層と、を有し、
前記一対の透明電極は、それぞれの端部に給電部を有し、前記給電部が対向しているエレクトロクロミック素子であって、
前記一対の透明電極の面抵抗は、前記給電部からの距離が大きいほど大きくなる電極であり、
前記エレクトロクロミック素子は、前記一対の電極の電位が、電極面内の電位差の最大値と最小値との差が20mV以下であることを特徴とするエレクトロクロミック素子
を提供する。
【選択図】 図1
【解決手段】 本発明は、一対の透明電極と、前記一対の透明電極の間に配置されているエレクトロクロミック層と、を有し、
前記一対の透明電極は、それぞれの端部に給電部を有し、前記給電部が対向しているエレクトロクロミック素子であって、
前記一対の透明電極の面抵抗は、前記給電部からの距離が大きいほど大きくなる電極であり、
前記エレクトロクロミック素子は、前記一対の電極の電位が、電極面内の電位差の最大値と最小値との差が20mV以下であることを特徴とするエレクトロクロミック素子
を提供する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、光の強度および色を制御するエレクトロクロミック素子、およびそれを用いたレンズユニット、撮像装置、窓材に関する。
エレクトロクロミック素子は、一対の電極と、この一対の電極の間に配置されているエレクトロクロミック層とを有する素子である。これら一対の電極から電圧を印加し、エレクトロクロミック層内の化合物の透過率を変化させることで、一対の電極を通過する光の光量を調整することができる。
近年、固体撮像素子を用いた動画撮影装置において、光学濃度を無段階に調整できる可変NDフィルタへの要求が高まっている。この用途の光学素子としては、これまでに液晶や無機エレクトロクロミック薄膜を用いたものが多く提案されているが、光量調整範囲や信頼性等の点で従来のNDフィルタより劣るため、広く普及するに至っていない。
一方、有機エレクトロクロミック分子を用いたものは光量調整範囲が広く、また分光透過率の設計が比較的容易であることから、撮像装置に搭載する可変NDフィルタ用途として特に有望である。
エレクトロクロミック素子は、一対の電極の間に電気化学的に活性なアノード性材料と電気化学的に活性なカソード性材料と、を含む。これら材料の少なくとも一つがエレクトロクロミック性、すなわち電気化学的な酸化還元により可視光領域に吸収帯を発現する材料である。このとき一対の電極上では、アノード性材料の酸化反応とカソード性材料の還元反応とが同時に起こり、これにより素子に閉回路が形成されて電流が流れる。
エレクトロクロミック素子は素子が大面積化した場合、電極面内における電圧降下の影響が特に大きい。電極に用いられる材料の比抵抗は、金属に比べて2桁以上大きいからである。
特許文献1には電極の導電率を電気的な端子から離れるにつれ単調に変化させることによって電圧降下勾配を補正し、電極面内の輝度を均一化した発光素子が記載されている。
また、特許文献2には、電極抵抗と溶液抵抗の比を規定して電圧降下の影響を低減し、着色時のむらを改善したエレクトロクロミック素子が記載されている。
特許文献1に記載の発光素子は、電極面内の電圧降下を抑制し、均一な発光を得ようとするものであり、その電極を透過する光の電極面内の透過率むらを抑制することについては記載がなく、透過率むらを抑制できるものではなかった。
特許文献2に記載のエレクトロミック素子は、一対の電極の抵抗、一対の電極の長さ、電解液の電気導電率、一対の電極の電極間距離の関係を規定することで、エレクトロクロミック素子の着色の一様性を向上させることが記載されている。しかし、これらの関係を規定することで、エレクトクロミック素子の構成の自由度を損なう構成であった。
本発明は、上記の課題に鑑み、一対の電極の抵抗値を給電部からの距離に応じて変化させることで、エレクトロクロミック素子の電極面内における透過率むらが抑制されたエレクトロクロミック素子を提供することを目的とする。
そこで、本発明は、一対の透明電極と、前記一対の透明電極の間に配置されているエレクトロミック層と、を有し、
前記一対の透明電極は、それぞれの端部に接続されている給電部を有するエレクトロクロミック素子であって、
前記一対の透明電極の面抵抗は、前記給電部からの距離が大きいほど大きくなる電極であり、
前記エレクトロクロミック素子は、前記一対の電極の電位が、電極面内の電位の最大値と最小値との差が20mV以下であることを特徴とするエレクトロクロミック素子。
前記一対の透明電極は、それぞれの端部に接続されている給電部を有するエレクトロクロミック素子であって、
前記一対の透明電極の面抵抗は、前記給電部からの距離が大きいほど大きくなる電極であり、
前記エレクトロクロミック素子は、前記一対の電極の電位が、電極面内の電位の最大値と最小値との差が20mV以下であることを特徴とするエレクトロクロミック素子。
本発明によれば、一対の電極の抵抗値を給電部からの距離に応じて変化させることで、電極面内の透過率むらが抑制されたエレクトロクロミック素子を提供することができる。
以下、図面を参照して本発明のエレクトロクロミック素子の構成について、実施の形態を例示的に詳しく説明する。
本発明に係るエレクトロクロミック素子は、一対の透明電極と、その間に配置されているエレクトロクロミック層と、一対の透明電極のそれぞれに設けられている給電部を有する。給電部は、透明電極の端部に設けられ、一対の透明電極の給電部を有する位置は互いに対向している。
透明電極は、給電部からの距離に応じて抵抗値が変化する構成であり、この構成により、エレクトロクロミック素子の電極主面に垂直な方向の透過率むらの一因である一対の電極間の電位むらを抑制することができる。
エレクトロクロミック素子の電極主面に垂直な方向の透過率は最大値と最小値との差が5%以下であることが好ましい。そのためには、前記一対の電極の電位が、電極面内の電位の最大値と最小値との差が20mV以下であることが好ましい。
また本発明を用いることで、給電端間の距離が30mm以下のエレクトロミック素子の透過率むらを抑制することができる。
本発明に係るエレクトロクロミック素子の給電端間の距離は、30mm以下が好ましい。
なお、本発明において、透明とは、透過率が90%以上であることを指す。
[第一実施形態]
本実施形態に係るエレクトロクロミック素子は、一対の透明電極と、これらの間に配置されているエレクトロクロミック層と、一対の透明電極のそれぞれに設けられている給電部を有する。一対の透明電極のそれぞれの厚さは、給電部からの距離が大きくなるにつれて、減少するエレクトロクロミック素子である。本実施形態では、給電部からの距離と、透明電極の厚さとが、比例している例を示す。
本実施形態に係るエレクトロクロミック素子は、一対の透明電極と、これらの間に配置されているエレクトロクロミック層と、一対の透明電極のそれぞれに設けられている給電部を有する。一対の透明電極のそれぞれの厚さは、給電部からの距離が大きくなるにつれて、減少するエレクトロクロミック素子である。本実施形態では、給電部からの距離と、透明電極の厚さとが、比例している例を示す。
図1(a)は、本発明のエレクトロクロミック素子の一例を表わす模式図である。1a、1bは透明基板、2は第一の透明電極、3は第二の透明電極、4はエレクトロクロミック層、5は給電部、7は接続部である。2および3をまとめて一対の透明電極と呼ぶこともある。一対の透明電極は同じ材料であっても、異なる材料であってもよい。本実施形態においては同じ材料で構成されている。
本実施形態において、電極の面積は、32mm×45mmの例を示す。
透明電極の厚さと、給電部からの距離とは比例していることが好ましい。加えて、一対の透明電極のそれぞれの厚さが、同じ傾きで比例していることがさらに好ましい。また、給電部からの距離に比例して、透明電極の厚さが減少することは、給電部からの距離に比例して、電極の面抵抗が増加するということもできる。
図2は、給電部からの距離と、透明電極の厚さとの関係を表わすグラフである。給電部からの距離とは、電極面内の位置と言い換えることもできる。
図2において、X=0が電極のX軸方向中央となるように横軸を設定し、電極の厚さを縦軸とした。X=−18mmは給電部である。電極の厚さの勾配が異なる3種類と、電極の厚さが一定のものと、を示した。電極の厚さの勾配はそれぞれ、−100nm/5mm、−120nm/5mm、−140nm/5mmであり、電極の厚さが一定のものは450nmで一定としている。−100nm/5mmとは、給電部から5mm離れた場合、電極の厚さが100nm減少することを示す。
図3は、給電部からの距離と、透明電極の面抵抗と、の関係を表わすグラフである。図2と同様に、電極の厚さの勾配が異なる3種類と、電極の厚さが一定のものと、を示している。
図2および図3から、給電部からの距離が大きくなるにつれて、電極の厚さを減少させた場合、給電部からの距離が大きくなるにつれて、電極の面抵抗は大きくなる。
図4は、給電部からの距離と、一対の透明電極のうちの一方の電極電位と、の関係を表わすグラフである。
図2と同様に、電極の厚さの勾配が異なる3種類と、電極の厚さが一定のものと、を示している。
図2および図4から、給電部からの距離が大きくなるにつれて、電極の厚さを減少させた場合、給電部からの距離が大きくなるにつれて、一対の透明電極のうちの一方の電極電位は下がっていくことがわかる。
図5は、給電部からの距離が大きくなるにつれて、一対の透明電極のいずれも厚さが減少する電極を用いた場合の、給電部からの距離と、電極間の電位差と、の関係を表わすグラフである。図2と同様に、電極の厚さの勾配が異なる3種類と、電極の厚さが一定のものと、を示している。
図5から、電極の厚さが一定のエレクトロクロミック素子では電極間の電位差のむらが最大で50.8mVであるのに対し、電極膜厚勾配−140nm/5mmの例では電極間の電位差むらが最大で2.3mVと非常に小さくなっている。電極の厚さに勾配があることで、電極間の電位差むらに起因する透過率むらを抑制することができる。
したがって、電極の厚さの勾配の絶対値が大きいほど、電極間の電位差の電極面内のむらが小さいことがわかる。電極間の電位差の電極面内のむらを抑制するためには、電極の厚さの勾配の絶対値は、|−100nm/5mm|以上、すなわち、20nm/mm以上であることが好ましい。
図6は、本発明を用いないエレクトロクロミック素子、具体的には電極の厚さが一定のエレクトロクロミック素子、を用いて、透過率を変化させたグラフである。横軸は、給電部からの距離を表わし、縦軸は、着色の段数を表わす。着色段数は、段数が高いほど透過率が低いことを示す。本発明を用いない場合、エレクトロクロミック素子は、その透過率に、電極の面内で差を生じることがわかる。具体的には、素子の中央の着色濃度が低く、給電部に近い部分は着色濃度が濃くなっている。図6では、最大で2段の着色濃度差が表れている。
本発明に係る、給電部からの距離が大きくなるにつれて、透明電極の厚さを減少させたエレクトロクロミック素子は、電極主面に対して垂直な方向の透過率むらを抑制することができる。
[第二実施形態]
本実施形態におけるエレクトロクロミック素子は、図1(b)で表わされるエレクトロクロミック素子である。第二実施形態は、透過率補正層6を有する点が第一実施形態と異なる。透過率補正層は、一対の透明電極を通過する光の光路上かつ一対の透明基板の外側に配置されている。
本実施形態におけるエレクトロクロミック素子は、図1(b)で表わされるエレクトロクロミック素子である。第二実施形態は、透過率補正層6を有する点が第一実施形態と異なる。透過率補正層は、一対の透明電極を通過する光の光路上かつ一対の透明基板の外側に配置されている。
透明基板のいずれか一方を装置側、他方を外部側とする場合、透過率補正層は、装置側に設けられることが好ましい。
透過率補正層は、エレクトロクロミック素子の透過率むらを抑制するために設けられている。透明電極の厚さの勾配による透過率むらの抑制に加えて、透過率補正層による透過率むらの抑制を用いることで、透過率むらをさらに抑制することができる。
透過率補正層は、一対の透明電極を構成する材料が異なる場合に、特に好ましく用いることができる。透明電極を構成する材料が異なる場合は、電極の厚さの勾配のみによっては透過率むらの抑制が十分でない場合があるからである。
[第三実施形態]
本実施形態に係るエレクトロクロミック素子は、図7で示されるエレクトロクロミック素子である。第三実施形態は、低抵抗部8を有する点が第一実施形態と異なる。給電部7は、図6のように線であっても、図6とは異なって点であってもよい。
本実施形態に係るエレクトロクロミック素子は、図7で示されるエレクトロクロミック素子である。第三実施形態は、低抵抗部8を有する点が第一実施形態と異なる。給電部7は、図6のように線であっても、図6とは異なって点であってもよい。
低抵抗部は、エレクトロクロミック層と重ならない部分に配置されており、光の透過に関与しない部分である。この低抵抗部を有することで、給電部から電極に至るまでの電圧降下を抑制することができる。
[エレクトロクロミック素子に用いられる他の部材について]
本発明に係るエレクトロクロミック素子に用いられる透明基板は、ガラス基板等が挙げられる。ガラス基板とは、石英ガラス、白板ガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラス、化学強化ガラス等を用いることができ、特に耐久性の点から無アルカリガラス基板を好適に使用することができる。
本発明に係るエレクトロクロミック素子に用いられる透明基板は、ガラス基板等が挙げられる。ガラス基板とは、石英ガラス、白板ガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラス、化学強化ガラス等を用いることができ、特に耐久性の点から無アルカリガラス基板を好適に使用することができる。
本発明に係るエレクトロクロミック素子が有する透明電極は、いわゆる透明導電性酸化物であるスズドープ酸化インジウム(ITO)、酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、酸化スズ、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、ニオビウムドープ酸化チタン(TNO)等を用いることができる。
本発明に係るエレクトロクロミック素子が有するエレクトロクロミック層は、有機化合物を有する層である。エレクトロクロミック層は、固体でもあっても、液体であってもよい。
エレクトロクロミック層が固体である場合には、エレクトロクロミック層と電極との間に電解質層を設けることが好ましい。
エレクトロクロミック層が液体である場合には、エレクトロクロミック層が電解質を有することが好ましい。
電解質としては、イオン解離性の塩であり、かつ溶媒に対して良好な溶解性、固体電解質においては高い相溶性を示すものであれば限定されない。中でも電子供与性を有する電解質が好ましい。これら電解質は、支持電解質と呼ぶこともできる。
電解質としては、例えば、各種のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩などの無機イオン塩や4級アンモニウム塩や環状4級アンモニウム塩などがあげられる。
具体的にはLiClO4、LiSCN、LiBF4、LiAsF6、LiCF3SO3、LiPF6、LiI、NaI、NaSCN、NaClO4、NaBF4、NaAsF6、KSCN、KCl等のLi、Na、Kのアルカリ金属塩等や、(CH3)4NBF4、(C2H5)4NBF4、(n−C4H9)4NBF4、(n−C4H9)4NPF6、(C2H5)4NBr、(C2H5)4NClO4、(n−C4H9)4NClO4等の4級アンモニウム塩および環状4級アンモニウム塩等が挙げられる。
EC性有機化合物および電解質を溶かす溶媒としては、EC性有機化合物や電解質を溶解できるものであれば特に限定されないが、特に極性を有するものが好ましい。
具体的には水や、メタノール、エタノール、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルスルホキシド、ジメトキシエタン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、スルホラン、ジメチルホルムアミド、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、プロピオンニトリル、ベンゾニトリル、ジメチルアセトアミド、メチルピロリジノン、ジオキソラン等の有機極性溶媒が挙げられる。
さらに、上記EC媒体に、さらにポリマーやゲル化剤を含有させて粘稠性が高いもの若しくはゲル状としたもの等を用いることもできる。
上記ポリマーとしては、特に限定されず、例えばポリアクリロニトリル、カルボキシメチルセルロース、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアミド、ポリアクリルアミド、ポリエステル、ナフィオン(登録商標)などが挙げられる。
エレクトロクロミック層に含まれるエレクトロクロミック化合物は、酸化還元により透過率が変化する化合物であれば、いかなる化合物であっても使用することができる。中でも、チオフェンを有する化合物、フェナジンを有する化合物、ビオロゲンを有する化合物であることが好ましい。
本発明に係る光学フィルタは、本発明に係るエレクトロクロミック素子と、このエレクトロクロミック素子に接続されている能動素子とを有する。能動素子は、エレクトロミック素子に電圧を印加し、エレクトロクロミック素子を通過する光の光量を調整するものである。
能動素子は、例えば、増幅素子、スイッチング素子が挙げられ、より具体的にはトランジスタ、MIM素子が挙げられる。トランジスタは活性領域に、InGaZnOなどの酸化物半導体を有していてもよい。
本発明に係るレンズユニットは、本発明に係る光学フィルタと、撮像光学系を有する。光学フィルタにより撮像光学系を通過する光、または通過した光の光量を調整することができる。撮像光学系は複数のレンズを有するレンズ群である。
レンズユニットが有する光学フィルタは、レンズとレンズとの間に有していてもよく、レンズユニットの外部に取り付けられてもよい。
本発明に係る撮像装置は、光学フィルタと、光学フィルタを透過した光を受光する撮像素子とを有する。
レンズユニットを着脱可能な、撮像装置が光学フィルタを有する場合、レンズユニットを取り付けた際に、レンズユニットと、撮像素子との間に配置されるよう設けられてよい。
撮像装置が撮像光学系を有する場合、光学フィルタはレンズとレンズとの間に配置されても、レンズと撮像素子との間に配置されてもよく、光学フィルタと撮像素子との間に撮像光学系が配置されるように光学フィルタを配置されてもよい。
本発明に係る撮像装置は、例えば、デジタルカメラやデジタルビデオカメラである。
本発明に係るエレクトロクロミック素子をカメラ等の撮像装置に用いた場合、撮像素子のゲインを下げることなく、光量を低減することができる。
本発明に係る窓材は、一対の透明基板と、一対の透明基板の間に配置されているEC素子と、EC素子に接続されている能動素子とを有する。一対の透明基板を透過する光の光量をEC素子により調整することができる。この窓材に、窓枠などの部材を加えれば窓になる。窓材は例えば、自動車の窓、飛行機の窓、建材の窓等に用いることができる。
図9は本実施形態の撮像装置を示す模式図である。
本実施形態の撮像装置は、レンズユニット10と、撮像ユニット11と、を有し、レンズユニット10はマウント部材(不図示)を介して撮像ユニット11に着脱可能に接続されている。撮像ユニット内に光学フィルタ9が配置されている。
レンズユニット10は、複数のレンズあるいはレンズ群を有するユニットであり、絞りより撮像素子側でフォーカシングを行うリアフォーカス式のズームレンズである。
レンズユニット10は、物体側より順に正の屈折力の第1のレンズ群12、負の屈折力の第2のレンズ群13、正の屈折力の第3のレンズ群14、正の屈折力の第4のレンズ群15、の4つのレンズ群を有する。第2のレンズ群13と第3のレンズ群14と、の間には開口絞り16を有する。第2のレンズ群13と第3群のレンズ群14との間隔を変化させて変倍を行い、第4のレンズ群15の一部のレンズ群を移動させてフォーカスを行う。第1乃至第4のレンズ群、開口絞り16、光学フィルタ9を通過した光が撮像素子に受光されるよう、各部材が配置されている。撮像素子が受光する光の光量は開口絞り16および光学フィルタ9を用いて調整を行うことができる。撮像ユニット11は、ガラスブロック17と撮像素子18を有する。ガラスブロック17と撮像素18との間に光学フィルタ9が配置されている。
ガラスブロック109はローパスフィルタやフェースプレートや色フィルタ等のガラスブロックである。
撮像素子110は、レンズユニット102を通過した光を受光するセンサ部であって、CCDやCMOS等の撮像素子を使用できる。また、フォトダイオードのような光センサであってもよく、光の強度あるいは波長の情報を取得し出力するものを適宜利用可能である。
本実施形態の撮像装置は、一例として、光学フィルタ9が撮像ユニット内のガラスブロック17と、撮像素子18と、の間に配置されている。本発明の撮像装置は、光学フィルタ9の位置はその配置に限定されるものではなく、例えば、レンズ群14とレンズ群15との間に配置されてもよく、レンズユニット10の外側に配置されていてもよい。
なお、光の収束する位置に配置することで、光学フィルタの面積を小さくできるなどの利点がある。また、本発明の撮像装置では、レンズユニットの形態も適宜選択可能であり、リアフォーカス式の他、絞りより前でフォーカシングを行うインナーフォーカス式であってもよく、その他方式であってもよい。また、ズームレンズ以外にも魚眼レンズやマクロレンズなどの特殊レンズも適宜選択可能である。
このような撮像装置は、光量調整と撮像素子の組合せを有する製品などがあげられ、例えば、カメラ、デジタルカメラ、ビデオカメラ、デジタルビデオカメラ、携帯電話やスマートフォン、PC、タブレットなどの撮像部位であってもよい。
本実施形態では、絞りより後でフォーカシングを行うリアフォーカス式のズームレンズを表している。
図9は、本発明の窓材の一例を示す模式図である。調光窓19は、窓枠20を有している。窓枠は、エレクトクロミック素子を図9(b)のようにして保持している。なお、図9(b)のエレクトロクロミック素子は、図1(a)と同様なので、符号は省略している。
1a,1b ガラス基板
2 第一の透明電極
3 第二の透明電極
4 エレクトロクロミック媒体
2 第一の透明電極
3 第二の透明電極
4 エレクトロクロミック媒体
Claims (12)
- 一対の透明電極と、前記一対の透明電極の間に配置されているエレクトロクロミック層と、を有し、
前記一対の透明電極は、それぞれの端部に給電部を有し、前記給電部が対向しているエレクトロクロミック素子であって、
前記一対の透明電極の面抵抗は、前記給電部からの距離が大きいほど大きくなる電極であり、
前記エレクトロクロミック素子は、前記一対の電極の電位が、電極面内の電位差の最大値と最小値との差が20mV以下であることを特徴とするエレクトロクロミック素子。 - 一対の透明基板と、透過率補正層をさらに有し、
前記一対の透明基板の間に前記エレクトロクロミック素子が配置され、
前記透過率補正層は、前記一対の透明電極を通過する光の光路上かつ前記一対の透明基板の外側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のエレクトロクロミック素子。 - 前記一対の透明電極の厚さは、いずれも前記給電部からの距離が大きくなるにつれて、減少することを特徴とする請求項1または2に記載のエレクトロクロミック素子。
- 前記一対の透明電極の厚さは、いずれも前記給電部からの距離に比例して減少することを特徴とする請求項3に記載のエレクトロクロミック素子。
- 前記一対の透明電極の厚さは、互いに同じであることを特徴とする請求項4に記載のエレクトロクロミック素子。
- 請求項1乃至5のいずれか一項に記載のエレクトロクロミック素子と、前記エレクトロクロミック素子に接続されている能動素子と、を有することを特徴とする光学フィルタ。
- 前記能動素子は、前記エレクトロクロミック素子に電圧を印加し、前記エレクトロクロミック素子を通過する光の光量を調整する能動素子であることを特徴とする請求項6に記載の光学フィルタ。
- 複数のレンズを有する撮像光学系と、請求項6または7に記載の光学フィルタと、を有することを特徴とするレンズユニット。
- 複数のレンズを有する撮像光学系と、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のエレクトロクロミック素子と、前記エレクトロクロミック素子を通過した光を受光する撮像素子と、を有することを特徴とする撮像装置。
- 複数のレンズを有する撮像光学系を有するレンズユニットを取りつけ可能な撮像装置であって、
請求項1乃至5のいずれか一項に記載のエレクトロクロミック素子と、前記エレクトロクロミック素子を通過した光を受光する撮像素子と、を有することを特徴とする撮像装置。 - 一対の透明基板と、前記一対の透明基板の間に配置されている請求項1乃至5のいずれか一項に記載のエレクトロクロミック素子と、前記エレクトロクロミック素子に接続されている能動素子と、を有し、
前記エレクトロクロミック素子により前記一対の透明基板を透過する光の光量を調整することを特徴とする窓材。 - 前記能動素子は、前記エレクトロクロミック素子に電圧を印加し、前記エレクトロクロミック素子を通過する光の光量を調整する能動素子であることを特徴とする請求項11に記載の窓材。
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