JP2016199075A - カウルカバー - Google Patents

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敬亮 杉山
Takaaki Sugiyama
敬亮 杉山
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Abstract

【課題】衝突対象が車両のフードパネルに対して上方から衝突した場合に、この衝突対象に与える反力を低く抑えることができるカウルカバーを提供する。【解決手段】カウルカバー1は、車両のフロントガラス2の下縁部に係止されるカバー本体部11と、カバー本体部11の前端部から車両上方へ向けて延在する縦壁部12と、縦壁部12の上端部に連続して形成され、車両のフードパネル4の下面に対向する対向部13と、を備える。カバー本体部11と縦壁部12との角部20に、車幅方向に沿って延在する易変形部21が設けられる。易変形部21は、フードパネル4を介して対向部13に所定以上の荷重が入力されたときに、カバー本体部11に対する縦壁部12の変形を容易にするように構成された。【選択図】図2

Description

本発明は、カウルカバーに関する。
従来から、車両のフロントガラスの下縁部と車体に設けられた車体部材との前後方向の間隙を覆うカウルカバーが公知である(例えば、特許文献1)。この特許文献1に記載のカウルカバーは、車両のフロントガラスの下縁部に係止されるカバー本体部(ワイパー取付部)と、カバー本体部の前端部から車両上方へ向けて延在する縦壁部と、縦壁部の上端部に連続して形成され、車両のフードパネルの下面と対向する対向部(相手部材対向部)と、を備える。対向部とこの対向部の車両下方に位置する車体部材との間には、フードパネルに加わった衝撃のエネルギーを吸収可能なエネルギー吸収部が配設されている。
特開2008−30632号公報
前記特許文献1に記載のカウルカバーでは、衝突対象が車両のフードパネルに対して上方から衝突した場合には、縦壁部が対向部とカバー本体部との間で突っ張るため、衝突対象に与える反力が高くなり得るという問題がある。
そこで、本発明は、衝突対象が車両のフードパネルに対して上方から衝突した場合に、この衝突対象に与える反力を低く抑えることができるカウルカバーの提供を目的とする。
本発明に係るカウルカバーは、車両のフロントガラスの下縁部に係止されるカバー本体部と、カバー本体部の前端部から車両上方へ向けて延在する縦壁部と、縦壁部の上端部に連続して形成され、車両のフードパネルの下面に対向する対向部と、を備える。カバー本体部と縦壁部との角部に、車幅方向に沿って延在する易変形部が設けられ、易変形部は、フードパネルを介して対向部に所定以上の荷重が入力されたときに、カバー本体部に対する縦壁部の変形を容易にするように構成される。
本発明に係るカウルカバーでは、エンジンルームを覆うフードパネルに所定以上の荷重が加わった際には、縦壁部が易変形部を起点として車両前方側(または車両後方側)へと倒れるように変形する。このため、縦壁部の倒れ変形により、フードパネルに加わった衝撃のエネルギーを吸収することが可能になる。従って、本発明に係るカウルカバーによれば、衝突対象が車両のフードパネルに対して上方から衝突した場合に、この衝突対象に与える反力を低く抑えることができる。
本発明の第一実施形態に係るカウルカバーの要部拡大斜視図である。 図1のA−A断面に相当するカウルカバーの断面図である。 図2のB部分を示す要部拡大図である。 図2のフードパネルに荷重を負荷した状態を示す説明図である。 カウルカバーのF−S線図である。 本発明の第二実施形態に係るカウルカバーの断面図である。 図6のフードパネルに荷重を負荷した状態を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態を図面とともに詳述する。なお、以下、前後方向、左右方向および上下方向については、車両に取り付けた状態を基準として説明する。図中、矢印FRは車両前方を示す。
[第一実施形態]
先ず、本発明の第一実施形態に係るカウルカバーを図1から図5に基づいて説明する。
図1および図2に示すように、カウルカバー(カウルトップカバー)1は、車両のフロントガラス2と、エンジンルーム3を覆うフードパネル4との間で車幅方向に延設され、カウル部5の上部開口を覆う部材である。このカウルカバー1は、例えば合成樹脂材料(ABS樹脂、PP樹脂等)により一体成形されている。
カウル部5は、エアボックス等とも称されるものであり、車体を構成する車体パネル6,7等により、車両上方に開口した樋状に形成されている。このカウル部5には、図示しないワイパーのワイパーアームを駆動するワイパーモータ等が配置されている。なお、図2中、符号8はワイパーのワイパーシャフトに装着されたシャフトカバーを示す。
カウルカバー1は、フロントガラス2の下縁部に係止されるカバー本体部11と、カバー本体部11の前端部から車両上方へ向けて延在する縦壁部12と、縦壁部12の上端部に連続して形成され、フードパネル4の下面に対向する対向部13と、を備える。さらに、カウルカバー1は、対向部13の前端部から車両下方へ向けて延在する前方縦壁部14と、前方縦壁部14の下端部に連続して形成され、車体に設けられた車体部材に取り付けられる車体取付部15と、を備える。これらのカバー本体部11、縦壁部12、対向部13、前方縦壁部14および車体取付部15は、車幅方向に延設されており、連続する部分同士は、約90度の角度をつけてL字状に配置されている。
カバー本体部11には、ワイパーのワイパーシャフトが挿通される穴部であるワイパーピボット穴部16が形成されている。このワイパーピボット穴部16近傍の縦壁部12には、ワイパーシャフトとの干渉を避けるために車両前方に向けて凸となるように湾曲した逃げ部17が形成されている。対向部13の上面には、シール取付部18が形成されており、このシール取付部18に、フードパネル4の下面との間をシールするシール部材19が装着されている。そして、フードパネル4の下面と車体パネル6の上面との間を車両上下方向に前方縦壁部14が延在しており、この前方縦壁部14の下端部に連続して形成された車体取付部15が、図示しないクリップ等の取付部材を用いて車体パネル6に取り付けられる。
カバー本体部11と縦壁部12との角部20には、車幅方向に沿って延在する易変形部21が設けられている。この易変形部21は、フードパネル4を介して対向部13に所定以上の荷重が入力されたときに、カバー本体部11に対する縦壁部12の変形を容易にするように構成されている。具体的には、易変形部21は、カバー本体部11と縦壁部12との角部20を車両上方に向けて凸となるように湾曲形成した凸部(凸型のビード)22である。図示はしないが、易変形部21(凸部22)は、カウルカバー1における車幅方向の全長に亘って形成されている。
カウルカバー1における凸部22が設けられている部分の板厚は、カバー本体部11および縦壁部12の板厚(カウルカバー1の基本板厚)よりも薄く形成されている。凸部22の板厚は、カバー本体部11および縦壁部12の板厚の2分の1程度であることが好ましい。また、凸部22の深さ(曲率半径R:図3参照)は、比較的浅いものであることが好ましい。凸部22の深さRは、設計上最低限の深さであればよく、例えば3〜6mm程度とされる。
本実施形態に係るカウルカバー1による衝撃緩和を図4および図5に基づいて説明する。
フードパネル4に対して、歩行者保護試験で使用されるインパクターを衝突させ、カウルカバー1への入力荷重(反力)Fおよびカウルカバー1のストローク(変位量)Sを測定した。図5に、凸部(凸型のビード)を設けたカウルカバー(ビード深さ3mm,ビード深さ6mm,ビード深さ9mm)、および凸部を設けていないカウルカバー(ビード無し)の反力特性を示す。
図4に示されるように、フードパネル4に所定以上の荷重Pが作用すると、フードパネル4が変形して車両下方に移動する。フードパネル4が変形して車両下方に移動した際には、カウルカバー1がフードパネル4の移動に伴って車両下方側へと押し下げられる。すると、カウルカバー1のカバー本体部11に形成したワイパーピボット穴部16がシャフトカバー8に底付きし、そののち、縦壁部12が凸部22を起点として車両前方側へと倒れるように変形する。このときの縦壁部12の倒れ変形の際に、縦壁部12の移動量は凸部22が無い場合と比較して増加するため、カウルカバー1からの反力を低く抑えることができる。
図5から分かるように、凸部(凸型のビード)を設けたカウルカバー(ビード深さ3mm、ビード深さ6mm、ビード深さ9mm)は、凸部を設けていないカウルカバー(ビード無し)と比較して、カウルカバーからの反力が低くなっている。また、ビード深さ3mmのカウルカバーが最も反力が低く、ビード深さが大きくなるに従いカウルカバー自体の剛性が高まり、カウルカバーからの反力も高くなっている。凸部(凸型のビード)は縦壁部の倒れ変形の起点となるものであり、ビード深さが大きいほどカウルカバー自体の剛性を高めてしまうため、設計上最低限の深さがあればよいといえる。
以下に、本実施形態による作用効果を説明する。
(1)本実施形態に係るカウルカバー1は、車両のフロントガラス2の下縁部に係止されるカバー本体部11と、カバー本体部11の前端部から車両上方へ向けて延在する縦壁部12と、縦壁部12の上端部に連続して形成され、車両のフードパネル4の下面に対向する対向部13と、を備える。カバー本体部11と縦壁部12との角部20に、車幅方向に沿って延在する易変形部21が設けられる。易変形部21は、フードパネル4を介して対向部13に所定以上の荷重が入力されたときに、カバー本体部11に対する縦壁部12の変形を容易にするように構成される。
本実施形態に係るカウルカバー1では、エンジンルーム3を覆うフードパネル4に所定以上の荷重が加わった際には、縦壁部12が易変形部21を起点として車両前方側(または車両後方側)へと倒れるように変形する。このため、縦壁部12の倒れ変形により、フードパネル4に加わった衝撃のエネルギーを吸収することが可能になる。
従って、本実施形態に係るカウルカバー1によれば、衝突対象が車両のフードパネル4に対して上方から衝突した場合に、この衝突対象に与える反力を低く抑えることができる。
(2)易変形部21は、前記角部20を車両上方に向けて凸となるように湾曲形成した凸部22であってもよい。
易変形部21が凸部22であることにより、縦壁部12が凸部22を起点として倒れるように変形し易くなり、縦壁部12の変形量を増加させることができる。
(3)凸部22の板厚は、カバー本体部11および縦壁部12の板厚よりも薄く形成されていてもよい。
凸部22が設けられている部分の板厚が、カバー本体部11および縦壁部12の板厚と比較して薄くなっていることにより、縦壁部12が凸部22を起点としてより変形し易くなり、縦壁部12の変形量をさらに増加させることができる。
[第二実施形態]
本発明の第二実施形態に係るカウルカバーを図6および図7に基づいて説明する。なお、前述の第一実施形態と同一の部分は同一符号を付することによってその説明を省略する。
図6に示すように、カバー本体部11と縦壁部12との角部20に、車幅方向に沿って延在する易変形部31が設けられている。この易変形部31は、フードパネル4を介して対向部13に所定以上の荷重が入力されたときに、カバー本体部11に対する縦壁部12の変形を容易にするように構成されている。具体的には、易変形部31は、カバー本体部11と縦壁部12との角部20を車両下方に向けて凸となるように湾曲形成した凹部(凹型のビード)32である。図示はしないが、易変形部31(凹部32)は、カウルカバー1における車幅方向の全長に亘って形成されている。
図7に示されるように、フードパネル4に所定以上の荷重Pが作用すると、フードパネル4が変形して車両下方に移動する。フードパネル4が変形して車両下方に移動した際には、カウルカバー1がフードパネル4の移動に伴って車両下方側へと押し下げられる。すると、カウルカバー1のカバー本体部11に形成したワイパーピボット穴部16がシャフトカバー8に底付きし、そののち、縦壁部12が凹部32を起点として車両前方側へと倒れるように変形する。このときの縦壁部12の倒れ変形の際に、縦壁部12の移動量は凹部32が無い場合と比較して増加するため、カウルカバー1からの反力を低く抑えることができる。
以下に、第二実施形態による作用効果を説明する。
(1)第二実施形態に係るカウルカバー1は、車両のフロントガラス2の下縁部に係止されるカバー本体部11と、カバー本体部11の前端部から車両上方へ向けて延在する縦壁部12と、縦壁部12の上端部に連続して形成され、車両のフードパネル4の下面に対向する対向部13と、を備える。カバー本体部11と縦壁部12との角部20に、車幅方向に沿って延在する易変形部31が設けられる。易変形部31は、フードパネル4を介して対向部13に所定以上の荷重が入力されたときに、カバー本体部11に対する縦壁部12の変形を容易にするように構成される。
第二実施形態に係るカウルカバー1では、エンジンルーム3を覆うフードパネル4に所定以上の荷重が加わった際には、縦壁部12が易変形部31を起点として車両前方側(または車両後方側)へと倒れるように変形する。このため、縦壁部12の倒れ変形により、フードパネル4に加わった衝撃のエネルギーを吸収することが可能になる。
従って、第二実施形態に係るカウルカバー1によれば、衝突対象が車両のフードパネル4に対して上方から衝突した場合に、この衝突対象に与える反力を低く抑えることができる。
(2)易変形部31は、前記角部20を車両下方に向けて凹ませて形成した凹部32である。
易変形部31が凹部32であることにより、縦壁部12が凹部32を起点として倒れるように変形し易くなり、縦壁部12の変形量を増加させることができる。
(2)凹部32の板厚は、カバー本体部11および縦壁部12の板厚よりも薄く形成されていてもよい。
凹部32が設けられている部分の板厚が、カバー本体部11および縦壁部12の板厚と比較して薄くなっていることにより、縦壁部12が凹部32を起点としてより変形し易くなり、縦壁部12の変形量をさらに増加させることができる。
ところで、本発明のカウルカバーは前述の実施形態に例をとって説明したが、この実施形態に限ることなく本発明の要旨を逸脱しない範囲で他の実施形態を各種採用することができる。
例えば、前述の実施形態では、易変形部21,31(凸部22、凹部32)は、カウルカバー1における車幅方向の全長に亘って形成されているとしたが、これに限定されない。易変形部21,31(凸部22、凹部32)は、カウルカバー1の車幅方向に対して部分的に形成されていてもよく、カバー本体部11と縦壁部12との角部20における変形し難い部位(例えば、逃げ部17の根元部分)のみに形成されていてもよい。
1 カウルカバー
2 フロントガラス
4 フードパネル
11 カバー本体部
12 縦壁部
13 対向部
20 角部
21 易変形部
22 凸部
31 易変形部
32 凹部

Claims (5)

  1. 車両のフロントガラスの下縁部に係止されるカバー本体部と、
    前記カバー本体部の前端部から車両上方へ向けて延在する縦壁部と、
    前記縦壁部の上端部に連続して形成され、車両のフードパネルの下面に対向する対向部と、を備え、
    前記カバー本体部と前記縦壁部との角部に、車幅方向に沿って延在する易変形部が設けられ、
    前記易変形部は、前記フードパネルを介して前記対向部に所定以上の荷重が入力されたときに、前記カバー本体部に対する前記縦壁部の変形を容易にするように構成された
    ことを特徴とするカウルカバー。
  2. 前記易変形部は、前記角部を車両上方に向けて凸となるように湾曲形成した凸部であることを特徴とする請求項1に記載のカウルカバー。
  3. 前記凸部の板厚は、前記カバー本体部および前記縦壁部の板厚よりも薄く形成されていることを特徴とする請求項2に記載のカウルカバー。
  4. 前記易変形部は、前記角部を車両下方に向けて凹ませて形成した凹部であることを特徴とする請求項1に記載のカウルカバー。
  5. 前記凹部の板厚は、前記カバー本体部および前記縦壁部の板厚よりも薄く形成されていることを特徴とする請求項4に記載のカウルカバー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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