JP2016197873A - 受信機 - Google Patents
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Abstract
Description
かかる高度道路交通システムは、主として、インフラ側の無線通信装置である複数の路側通信機と、各車両に搭載される無線通信装置である複数の車載通信機とによって構成される。
そこで、限られた周波数帯域内で路路間、路車間及び車車間の各通信を行うべく、マルチアクセス(Multiple Access)が用いられることが検討されている。
しかし、路側通信機が存在するエリアでは、路車間通信、路路間通信及び車車間通信が共存する。
このように、路側通信機の情報送信を優先的に行うためには、通信に用いる周波数帯域を一定時間ごとに時分割して路側通信機の送信専用のタイムスロットを設ける、時分割多重(TDMA:Time Division Multiple Access)によるマルチアクセスが有効となる。
このような高度道路交通システムでは、例えば、各路側通信機が使用するタイムスロットに関するスロット情報をダウンリンク信号で車載通信機に通知し、車載通信機はそのタイムスロット以外の時間帯でCSMA方式にて無線送信を行うことが考えられる。
このうち、精度としては、GPS時刻による同期方法が優れているが、例えばGPS受信機が故障したり、GPS受信機のアンテナに氷雪が付着したりする等の不具合が発生すると、GPS受信機から正確な基準時刻を取得できなくなる。
そこで、上記故障や不具合を検出可能であるとともに、通信機がGPS受信機を備えていなくても、エア同期による時刻同期を正確に行える無線通信システムが望まれる。
(b) 電波受信時からSDU再生部へのプリアンブルの到達時までの受信遅延時間
(c) SDU再生部へのプリアンブルの到達時からタイムスタンプの取得時までの再生遅延時間
一方、受信機の第2の時刻補正部は、上記受信遅延時間と再生遅延時間との合計値をタイムスタンプに加算して補正時刻値を求めるが、この補正時刻値は送信機のローカル時刻とほぼ正確に一致する。
(2) 例えば、送信機がGPS同期を行っているが、受信機がGPSを搭載していない場合のように、送信機の方がローカル時刻の精度が高い場合には、前記第2の時刻補正部は、自身のローカル時刻を前記補正時刻値に合わせるようにすればよい。
従って、所定の通信条件を満足しない程度のずれが生じた場合にだけ、第2の時刻補正部が補正時刻値にローカル時刻を合わせる同期処理を行い、受信機のローカル時刻が不連続にシフトして不安定化する頻度を、出来るだけ少なくすることが好ましい。
(4) また、前記第2の時刻補正部は、上記判定結果が肯定的である場合において、前記送信機又は前記受信機若しくはこれらの双方についての異常発生時の対応処理を実行することにしてもよい。
(5) この場合、前記第2の時刻補正部は、自身のローカル時刻を前記補正時刻値に合わせた後に、更に前記判定結果が肯定的である場合に、前記送信機又は前記受信機若しくはこれらの双方についての異常発生時の対応処理を実行することにしてもよい。
この場合、送信機と受信機の間の時刻誤差をガードインターバル以下に抑えられるので、例えば、路側通信機同士の送信タイミングの時刻誤差を路路間通信によるエア同期によってガードインターバル以下に抑えることができ、シンボル間干渉による劣化を有効に回避できる。
従って、例えば、ガードインターバル値が3.2μ秒であれば、前記所定の閾値を3.1μ秒や3.0μ秒といった値に設定しておいても良い。
例えば、PDUがMACフレームの場合には、当該フレームのシグナルに変調方法が格納されており、この変調方法に基づいて伝送速度を特定することができる。従って、タイムスタンプの格納場所を受信機側が察知できるようにすれば、プリアンブルの到達時からタイムスタンプの到達時までの再生遅延時間を求めることができる。
(d) 位置特定情報から定まる送信機の位置と自装置である受信機の位置までの距離に応じた伝送遅延時間
このため、受信機のローカル時刻を送信機側に合わせるエア同期による時刻同期をより正確に行えるとともに、その両者間の時刻同期が正確に行われているか否かの判定についてもより正確に行うことができる。
この場合、例えば、路側通信機同士の送信タイミングの時刻誤差を路路間通信によるエア同期によってガードインターバル以下に抑えることができ、シンボル間干渉による劣化を有効に回避できる。
図1は、本発明の実施形態に係る高度道路交通システム(ITS)の全体構成を示す概略斜視図である。なお、本実施形態では、道路構造の一例として、南北方向と東西方向の複数の道路が互いに交差した碁盤目構造を想定している。
図1に示すように、本実施形態の高度道路交通システムは、交通信号機1、路側通信機2、車載通信機3(図2及び図3参照)、中央装置4、車載通信機3を搭載した車両5、及び、車両感知器や監視カメラ等よりなる路側センサ6を含む。
中央装置4は、自身が管轄するエリアに含まれる各交差点Jiの交通信号機1及び路側通信機2とLAN(Local Area Network)を構成している。従って、中央装置4は、各交通信号機1及び各路側通信機2との間で双方向通信が可能である。なお、中央装置4は、交通管制センターではなく道路上に設置してもよい。
なお、図1及び図2では、図示を簡略化するために、各交差点Jiに信号灯器が1つだけ描写されているが、実際の各交差点Jiには、互いに交差する道路の上り下り用として少なくとも4つの信号灯器が設置されている。
中央装置4は、ワークステーション(WS)やパーソナルコンピュータ(PC)等よりなる制御部を有しており、この制御部は、路側通信機2、路側センサ6からの各種の交通情報の収集・処理(演算)・記録、信号制御及び情報提供を統括的に行う。
具体的には、中央装置4の制御部は、自身のネットワークに属する交差点Jiの交通信号機1に対して、同一道路上の交通信号機1群を調整する系統制御や、この系統制御を道路網に拡張した広域制御(面制御)を行うことができる。
信号制御指令S1は、前記系統制御や広域制御を行う場合の信号制御パラメータの演算周期(例えば、1.0〜2.5分)ごとに送信され、交通情報S2は、例えば5分ごとに送信される。
図2は、上記高度道路交通システムの管轄エリアの一部を示す道路平面図である。
図2では、互いに交差する2つの道路の各々が上りと下りで片側1車線のものとして例示されているが、道路構造はこれに限られるものではない。
図2にも示すように、本実施形態の高度道路交通システムは、車載通信機3との間で無線通信が可能な複数の路側通信機2と、キャリアセンス方式で他の通信機2,3と無線通信を行う移動無線送受信機の一種である車載通信機3と備えた無線通信システムとしても機能している。
車両5に搭載された各車載通信機3は、路側通信機2からのダウンリンク信号の到達範囲であるダウンリンクエリアAにおいてダウンリンク信号を受信可能である。
このように、本実施形態ITSでは、車載通信機3同士(車車間通信)の通信と、路側通信機2と車載通信機3との間(「路」から「車」への路車間通信と「車」から「路」への車路間通信との双方を含む。)の通信については、無線通信が用いられている。
なお、前記した通り、交通管制センターに設けられた中央装置4は、各路側通信機2と有線での双方向通信が可能であるが、これらの間も無線通信であってもよい。
すなわち、路側通信機2用のタイムスロット以外の時間帯は、車載通信機3のためのCSMA方式による送信時間として開放されている。
この路側通信機2の時刻同期は、例えば、自身の時計をGPS衛星から取得した時刻に合わせるGPS同期や、自身の時計を他の路側通信機2からの送信信号に合わせるエア同期等によって行うことができる。
図3は、路側通信機2と車載通信機3の内部構成を示すブロック図である。
路側通信機2は、無線通信のためのアンテナ20が接続された無線通信部(送受信部)21と、中央装置4と双方向通信する有線通信部22と、それらの通信制御を行うプロセッサ(CPU:Central Processing Unit)等よりなる制御部23と、制御部23に接続されたROMやRAM等の記憶装置よりなる記憶部24とを備えている。
路側通信機2の制御部23は、上記コンピュータプログラムを実行することで達成される機能部として、無線通信部21の送信タイミングを制御する送信制御部23Aと、各通信部21,22の受信データの中継処理を行うデータ中継部23Bと、自身のローカル時刻を補正したタイムスタンプTsを生成する時刻補正部23Cとを有する。
また、データ中継部23Bは、無線通信部21が受信した車両情報S3を、いったん記憶部24に一時的に記憶させ、有線通信部22を介して中央装置4に転送する。
すなわち、路側通信機2の記憶部24は、例えば次のa)及びb)の情報を含むスロット情報S6を記憶している。このスロット情報S6は路側通信機2ごとに個別に設定されている。
a) 自装置が使用中のスロット番号i(図4参照)
b) スロット番号iの第1スロットT1(図4参照)の開始時刻及び継続時間
送信制御部23Aは、設定された送信時間長のダウンリンク信号を生成して、このダウンリンク信号を設定された送信開始時刻に無線通信部21に送信させる。
また、路側通信機2の送信時間は、自装置に割り当てられたスロット長の範囲内で任意の時間長さに設定可能であり、そのスロット長よりも大幅に短い時間(例えば、1/3や1/2)に設定することもできる。
路側通信機2の送信制御部23Aは、上記スロット情報S6を含むダウンリンク信号に、時刻補正部23Cが現在時刻に対して補正を加えたタイムスタンプTsを付して、無線通信部21にブロードキャスト送信させる。
なお、後述するメイン周期Cmをスロット情報S6に含めるようにすれば、スロットiの開始時刻やスタンプ値をメイン周期Cm内の相対時刻で表現することができる。この場合、スタンプ値を絶対時刻で表現する場合に比べて、スロット情報S6のビット数を低減することができる。
なお、路側通信機3における、制御部23の補正時刻部23CによるタイムスタンプTsの生成処理については、後述する。
図4は、路車間通信のタイムスロットの一例を示す概念図である。
図4に示すように、路車間通信のタイムスロットは、第1スロットT1と第2スロットT2とを含み、これらの合計期間が一定のスロット周期Csで繰り返ようになっている。各スロット周期Csの第1スロットT1は、路側通信機2用のタイムスロットであり、この時間帯では路側通信機2による無線送信が許容される。
また、第2スロットT2は、車載通信機3用のタイムスロットであり、この時間帯は車載通信機3による無線送信用として開放するため、路側通信機2の送信制御部23Aは第2スロットT2では無線送信を行わない。
なお、各周期Cs,Cmの時間長やスロット周期Csの総数nについては、システム事業者が適宜設定することができるが、本実施形態では、一例として、Cs=10ms、Cm=100ms及びn=10とする。
すなわち、図4の例では、スロット1を、交差点J1と交差点J11に設置された2つの路側通信機2が共用しており、スロット2を、交差点J2、交差点J9、交差点J10に設置された3つの路側通信機2が共用している。
もっとも、直接干渉が発生し得る路側通信機2同士でも、第1スロットT1内において時分割で送信時間をスケジューリングすれば、同じスロット番号iを共用することもできる。
図3に戻り、車載通信機3は、無線通信のためのアンテナ30に接続された通信部(送受信部)31と、この通信部31に対する通信制御を行うプロセッサ等よりなる制御部32と、この制御部32に接続されたROMやRAM等の記憶装置よりなる記憶部33とを備えている。
記憶部33は、制御部32が実行する通信制御のためのコンピュータプログラムや、各通信装置2,3の通信機ID等を記憶している。
従って、車載通信機3の通信部31は、所定の搬送波周波数の受信レベルを常時感知しており、その値がある閾値以上である場合は無線送信を行わず、当該閾値未満になった場合にのみ無線送信を行うようになっている。
車載通信機3の送信制御部32Aは、路側通信機2から取得したスロット情報S6の開始時刻とスロット情報S6に従って、自身に許容された無線送信の時間帯を設定し、この時間帯だけ通信部31に無線送信を行わせる。
車載通信機3のデータ中継部32Bは、通信部31が受信した受信フレームから所定のデータを抽出し、抽出したデータを送信フレームに含めて同通信部31に送信させる中継処理を行うことができる。
また、データ中継部32Bは、路側通信機2のダウンリンク信号や他の車両5から受信した受信フレームにスロット情報S6が含まれている場合には、そのスロット情報S6を抽出して記憶部33に一時的に記憶させるとともに、そのスロット情報S6を送信フレームに格納して通信部31に送信させる。
なお、車載通信機3における、制御部32の時刻補正部32CによるタイムスタンプTsの補正処理については、後述する。
上記の通り、本実施形態の無線通信システムでは、路側通信機2の時刻補正部23Cが、自身のローカル時刻を補正したタイムスタンプTsを生成してこれを含むダウンリンク信号を車載通信機3に送信し、車載通信機3の時刻補正部32Cが、取得したタイムスタンプTsを更に補正して補正時刻値Taを求めることにより、路側通信機2のダウンリンク信号の送受信において生じる遅延時間を送信側と受信側でそれぞれ分担して補正する時刻補正方法を採用している。
なお、ここでは路車間の時刻同期を問題にしているので、図5では、送信機41が路側通信機2であり、受信機51が車載通信機3である場合を例示している。
また、受信機51は、上位側から順に、上位レイヤ52,MAC(Media Access Control)部53、PHY(Physical)部54及びRF(Radio Frequency )部55を有しており、RF部55には送信アンテナ56が繋がっている。レイヤ52〜54のプロトコル制御は、車載通信機3の制御部32が行う。
PHY部44は、生成されたPDUにより搬送波(マルチキャリア)を変調してデジタル変調を行い、この変調信号を下位のRF部45に渡す。RF部45は、変調信号をアナログ信号に変換しかつ増幅して、送信アンテナ46から外部に電波送信する。
なお、本実施形態では、送信機41のPHY部44の変調には、OFDM(Orthogonal Frequency-Division Multiplexing)方式の変調処理が含まれているものとする。従って、受信機51のPHY部54の復調には、OFDM方式による復調処理が含まれる。
従って、PHY部54とRF部55は、受信アンテナに到達した電波信号からPDUを取り出す復調受信部を構成している。
ここで、送信機41の時刻補正部(第1の時刻補正部)23Cは、送信側で補正すべき所定の遅延時間を自身のローカル時刻に加算してタイムスタンプTsを求め、このタイムスタンプTsをMAC部(PDU生成部)43に通知する。
この場合、送信側と受信側で加算すべき遅延時間を、送信機41と受信機51とにそれぞれ適切に設定しておれば、上記補正時刻値Taを送信機41のローカル時刻にほぼ厳密に一致させることができる。
そこで、図6を参照して、通信フレームの送受信の際に発生する遅延時間の内容を説明する。
ここで、図6(a)は、タイムスタンプTsの送受信において生じるイベントを示すタイムチャートであり、図6(b)はそのイベント間の遅延時間の内容を示す表である。
図6(a)に示すように、タイムスタンプTsが送受信される間のイベントには、次のものが含まれる。
2) 送信アンテナ46が電波送信する時点B
3) 受信アンテナ56が電波受信する時点C
4) 受信機MACにプリアンブルが到達する時点D
5) 受信機MACがタイムスタンプTsを取得する時刻E
従って、送信機41の座標(緯度・経度)等よりなる位置情報を、SDUやPDUに含めておけば、受信機51において、送信機41の位置と自装置(受信機51)の位置までの距離に基づいて、伝送遅延時間を算出することができる。
また、送信機41の位置を特定する情報としては、上記座標のような位置を直接特定するものだけでなく、例えば路側通信機2の通信機IDのような識別情報であってもよい。この場合、受信機51において、その通信機IDと対応する位置情報を記憶しておけば、当該通信機IDから送信機41の位置を求めることができる。
図7は、再生遅延時間の説明図であり、図7(a)は通信フレームのフォーマットの一例を示す図であり、図7(b)は変調方法と伝送速度に応じたフレーム再生の所要時間を示す表である。
また、MACフレームでは、ヘッダの前の部分(従って、タイムスタンプTsの格納部分よりも前の部分)にあるシグナルに、当該フレームの変調方法(BPSK、QPSK又は16QAM)が記載されているので、これをもとに伝送速度を算出することができる。
そこで、タイムスタンプTsの格納場所(データの先頭からのバイト数等)を予め取り決めしておき、図7(b)のような参照テーブルを受信機51のメモリに記憶させることにより、シグナルの変調速度から前記再生遅延時間を求めることができる。
本実施形態では、上記各遅延時間を送信側と受信側で分担して補正するため、受信機51の時刻補正部32Cは、次の(a)の送信遅延時間を自身のローカル時刻に加算してタイムスタンプTsを求める。
(a) タイムスタンプTsのセット時から電波送信時までの送信遅延時間(図6の時点A〜時点Bの時間)
(b) 電波受信時からMAC部(SDU再生部)53へのプリアンブルの到達時までの受信遅延時間(時点C〜時点Dの時間)
(d) 位置特定情報から定まる送信機41の位置と自装置である受信機51の位置までの距離に応じた伝送遅延時間(図6の時点B〜時点Cの時間)
一方、受信機51の時刻補正部32Cは、上記受信遅延時間、再生遅延時間及び伝送遅延時間をタイムスタンプTsに加算して補正時刻値Taを求めるので、この補正時刻値Taは送信機41のローカル時刻とほぼ厳密に一致する。
なお、路側通信機2と車載通信機3の路車間通信において、送信機41と受信機51の間の距離が600m程度であるとすると、図6(b)に示すように、伝送遅延時間の値(2μ秒)は他の遅延時間に比べて小さいので、伝送遅延時間については補正処理の対象から外すことにしてもよい。
図5の例では、送信機41が路側通信機2にあり受信機51が車載通信機41にある路車間通信の場合を想定して、車載通信機3が路側通信機2のローカル時刻に合わせる時刻同期(エア同期)を例示したが、送信機41と受信機51は、電波到達範囲にある異なる路側通信機2にそれぞれ搭載されていてもよい。
この場合、特定の路側通信機2が他の路側通信機2のローカル時刻に合わせる時刻同期(エア同期)を行うことができる。
この場合、ローカル時刻の精度が高いGPS同期を行う路側通信機2の送信機41が、補正したタイムスタンプTsを送信し、これを受けたGPS同期を行わない別の路側通信機2の受信機51において、そのタイムスタンプTsを補正した補正時刻値Taに自身のローカル時刻を合わせるようにすればよい。
ところで、本実施形態の送受信機41,51が採用するOFDM方式では、OFDM変調波のガードインターバルが約3.2μ秒になっている。これに対して、図6(b)に示すように、送信遅延時間(5μ秒)、受信遅延時間(5μ秒)及び再生遅延時間(80〜200μ秒)は、いずれもガードインターバルよりも大きい。
このため、例えば、直接干渉の位置関係にある複数の路側通信機2の送信時間を1つのタイムスロットT1に連続的に割り当てるような場合に、連続して送信される路側通信機2の前後のダウンリンク信号について、シンボル間干渉による劣化を回避できない場合がある。
また、受信機51が、少なくとも受信遅延時間と再生遅延時間をタイムスタンプTsに加えて時刻補正値Taを求めるので、この時刻補正値Taの精度もガードインターバル以下に抑えることができる。
一方、受信機51の時刻補正部32Cが、自身のローカル時刻を補正時刻値Taに合わせる時刻同期を行うと、ローカル時刻を基準とする受信機51の内部処理のタイミングが一斉に不連続にシフトする。
このため、受信機51が時刻合わせを行う頻度が多すぎると、受信機51側の信号処理が不安定になる可能性がある。
このようにすれば、上記閾値を適切に設定することで、所定の通信条件を満足しない程度のずれが生じた場合にだけ、受信機51が時刻同期を行うことができるので、受信機51の時刻が不連続にシフトして不安定化する頻度が必要最小限に抑えられる。
この場合、送信機41と受信機51の間の時刻誤差がOFDM変調波のガードインターバル以下に抑えられる。従って、路路間通信の場合を想定すると、各路側通信機2の送信タイミングの時刻誤差がガードインターバル以下に抑えられるので、シンボル間干渉による劣化を回避できる無線通信システムが得られる。
また、本実施形態の無線通信システムにおいて、路路間通信の場合は、受信機51の時刻補正部32Cは、自身のローカル時刻を単純に補正時刻値Taに合わせるだけでなく、その補正時刻値Taを用いて送受信機41,51間の時刻が正確か否かを判定し、その判定結果に基づいて異常発生時の対応処理を行うこともできる。
また、自装置のローカル時刻を、いったん1つの路側通信機2についての補正時刻値Taに合わせたが、その後、所定時間(例えば1時間)以内に、再度、自装置のローカル時刻が補正時刻値Taと閾値以上ずれている場合には、送信側と受信側の路側通信機2のうちの少なくとも一方の内部クロックに、異常が発生している可能性がある。
また、この場合、異常発生情報の通知と併せて、或いはこの通知とは別に、内部クロックの異常が推定される路側通信機2の無線送信を停止することにしてもよい。
今回開示した各実施形態は本発明の例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は、上記実施形態ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲とその構成と均等な意味及び範囲内での全ての変更が含まれる。
3 車載通信機(移動通信機)
21 無線通信部
23 制御部
23A 送信制御部
23B データ中継部
23C (第1の)時刻補正部
31 通信部
32 制御部
32A 送信制御部
32B データ中継部
32C (第2の)時刻補正部
41 送信機
42 上位レイヤ
43 MAC部(PDU生成部)
44 PHY部(変調送信部)
45 RF部(変調送信部)
46 送信アンテナ
51 受信機
52 上位レイヤ
53 MAC部(SDU再生部)
54 PHY部(復調受信部)
55 RF部(復調受信部)
56 受信アンテナ
Ts タイムスタンプ
Ta 補正時刻値
例えば、送信機がGPS同期を行っているが、受信機がGPSを搭載していない場合のように、送信機の方がローカル時刻の精度が高い場合には、前記時刻補正部は、自身のローカル時刻を前記補正時刻値に合わせるようにすればよい。
従って、所定の通信条件を満足しない程度のずれが生じた場合にだけ、時刻補正部が補正時刻値にローカル時刻を合わせる同期処理を行い、受信機のローカル時刻が不連続にシフトして不安定化する頻度を、出来るだけ少なくすることが好ましい。
(3)(4) また、前記時刻補正部は、自身のローカル時刻と前記補正時刻値とに所定の差が生じた場合において、前記送信機又は前記受信機若しくはこれらの双方についての異常発生時の対応処理を実行することにしてもよい。
この場合、前記時刻補正部は、自身のローカル時刻と前記補正時刻値とに所定の差が生じた場合に、前記送信機又は前記受信機若しくはこれらの双方の内部クロックの異常発生を中央装置に通知することにしてもよい。
Claims (11)
- 送信機と受信機とを備えた無線通信システムであって、
前記送信機は、
タイムスタンプを付したPDUを生成するPDU生成部と、
前記PDUにより搬送波を変調して送信アンテナから電波送信する変調送信部と、
次の(a)の送信遅延時間を自身のローカル時刻に加算して前記タイムスタンプを求める第1の時刻補正部と、を有しており、
前記受信機は、
受信アンテナに到達した電波信号から前記PDUを取り出す復調受信部と、
前記PDUからSDUと前記タイムスタンプとを再生するSDU再生部と、
次の(b)の受信遅延時間と(c)の再生遅延時間との合計値を前記タイムスタンプに加算して補正時刻値を求める第2の時刻補正部と、を有することを特徴とする無線通信システム。
(a) タイムスタンプのセット時から電波送信時までの送信遅延時間
(b) 電波受信時からSDU再生部へのプリアンブルの到達時までの受信遅延時間
(c) SDU再生部へのプリアンブルの到達時からタイムスタンプの取得時までの再生遅延時間 - 前記第2の時刻補正部は、自身のローカル時刻を前記補正時刻値に合わせる請求項1に記載の無線通信システム。
- 前記第2の時刻補正部は、自身のローカル時刻と前記補正時刻値とのずれが所定の閾値以上であるか否かを判定し、この判定結果が肯定的であることを条件として、自身のローカル時刻を前記補正時刻値に合わせる請求項2に記載の無線通信システム。
- 前記第2の時刻補正部は、自身のローカル時刻と前記補正時刻値とのずれが所定の閾値以上であるか否かを判定し、この判定結果が肯定的である場合に、前記送信機又は前記受信機若しくはこれらの双方についての異常発生時の対応処理を実行する請求項1〜3のいずれか1項に記載の無線通信システム。
- 前記第2の時刻補正部は、自身のローカル時刻を前記補正時刻値に合わせた後に、更に前記判定結果が肯定的である場合に、前記送信機又は前記受信機若しくはこれらの双方についての異常発生時の対応処理を実行する請求項4に記載の無線通信システム。
- 前記送信機と前記受信機にOFDMによる変復調方式が採用されており、
前記所定の閾値はOFDM変調波のガードインターバルに設定されている請求項3〜5のいずれか1項に記載の無線通信システム。 - 前記第2の時刻補正部は、前記PDUにおける前記タイムスタンプよりも前の部分の記載情報から特定可能な通信フレームの伝送速度に基づいて、前記再生遅延時間を求める請求項1〜6のいずれか1項に記載の無線通信システム。
- 前記PDUに前記送信機の位置特定情報が含まれており、
前記第2の時刻補正部は、更に次の(d)の伝送遅延時間を前記タイムスタンプに加算して前記補正時刻値を求める請求項1〜7のいずれか1項に記載の無線通信システム。
(d) 位置特定情報から定まる送信機の位置と自装置である受信機の位置までの距離に応じた伝送遅延時間 - 前記送信機と前記受信機にOFDMによる変復調方式が採用されており、
前記第1の時刻補正部が求める前記タイムスタンプの精度がOFDM変調波のガードインターバル以下である請求項1〜8のいずれか1項に記載の無線通信システム。 - 専用のタイムスロットが時分割で割り当てられた複数の路側通信機と、前記タイムスロット以外の時間帯だけ無線送信するのが許容された複数の移動通信機と、を備えており、
前記送信機が前記路側通信機に搭載され、前記受信機が前記路側通信機又は前記移動通信機若しくはこれらの双方に搭載されている請求項1〜9のいずれか1項に記載の無線通信システム。 - 送信機と受信機とを備えた無線通信システムの時刻補正方法であって、
前記送信機が、次の(a)の送信遅延時間を自身のローカル時刻に加算したタイムスタンプを前記受信機に送信するステップと、
前記受信機が、次の(b)の受信遅延時間と(c)の再生遅延時間との合計値を前記タイムスタンプに加算して補正時刻値を求めるステップと、
を含むことを特徴とする無線通信システムの時刻補正方法。
(a) タイムスタンプのセット時から電波送信時までの送信遅延時間
(b) 電波受信時からSDU再生部へのプリアンブルの到達時までの受信遅延時間
(c) SDU再生部へのプリアンブルの到達時からタイムスタンプの取得時までの再生遅延時間
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CN111142366A (zh) * | 2019-12-19 | 2020-05-12 | 中国电波传播研究所(中国电子科技集团公司第二十二研究所) | 一种新的短波授时方法 |
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2016
- 2016-06-16 JP JP2016119701A patent/JP6563863B2/ja active Active
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