JP2012227761A - 無線送信機と、これに用いる送信制御方法及び送信制御プログラム - Google Patents

無線送信機と、これに用いる送信制御方法及び送信制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】必要性の高い情報を適切に送信することができる無線送信機と、これに用いる送信制御方法及び送信制御プログラムを提供する。
【解決手段】本発明の路側通信機2は、アプリケーション層40から与えられる送信データを、当該送信データを保持するための送信バッファ41aに順次保持するMAC処理部41と、時間軸方向に複数配置される第1スロットSL1を用いて、MAC処理部41が出力する送信データを送信するPHY処理部42とを備えている。MAC処理部41に与えられた送信データの内、与えられた時期がより新しい未送信の送信データを、第1スロットSL1により送信可能なデータ量の範囲内で選択し、選択した送信データをPHY処理部42に送信させる。
【選択図】図6

Description

本発明は、例えば、高度道路交通システム(ITS:Intelligent Transport System)に好適に用いられる無線送信機と、これに用いる送信制御方法及び送信制御プログラムに関する。
近年、交通安全の促進や交通事故の防止を目的として、道路に設置されたインフラ装置からの情報を受信し、或いは車両同士で情報交換を行い、これらの情報を活用することで車両の安全性を向上させる高度道路交通システムが検討されている(例えば、特許文献1参照)。
かかる高度道路交通システムは、主として、インフラ側の無線通信装置である複数の路側通信機と、各車両に搭載される無線通信装置である複数の車載通信機とによって構成される。
この場合、各通信主体間で行う通信の組み合わせには、路側通信機同士が行う路路間通信と、路側通信機と車載通信機とが行う路車(又は車路)間通信と、車載通信機同士が行う車車間通信とが含まれる。
特許第2806801号公報
上記高度道路交通システムにおいては、車車間通信をはじめ、路車間通信や路路間通信及び路歩間通信も含め、これらの各通信の共存を図るに当たって、限られた周波数帯域内で路路間、路車間及び車車間の各通信を行うために、通信を行う時間を分割して路側通信機の送信専用の時間スロットを設ける、時分割多重(TDMA:Time Division Multiple Access)によるマルチアクセス方式を採用している。
上記TDMAによるマルチアクセス方式において、時間スロットは、通常、各通信機に対して、周期的に設定される。このため、各通信機は、周期的に設定された自装置の時間スロットを用いて通信を行う。
ここで、上位レイヤから与えられる送信すべきデータ量は、経時的に一定とは限らないので、ある時間帯にデータが集中することがある。
路側通信機は、周期的にしか割り当てられない自装置の時間スロットを用いて送信を行うため、ある時間帯に送信データが集中すると、一つの時間スロットで全ての送信データを送信できなくなることがある。
この場合、路側通信機は、時間スロットから溢れたデータを後の時間スロットに振り分けて遅延を生じさせつつも送信するといった、送信データに関する処理を行う必要が生じる。
例えば、無線LAN等の通信では、通信機は、送信すべきデータがある時間帯に集中したとしても、当該データをバッファ等に蓄積し、多少の遅延があっても先入れ先出し方式で全てのデータを送信する方が好ましい場合が多い。
一方、高度道路交通システムに用いられる通信機では、例えば、各車両の位置や速度などの情報が刻々と変化する交通状況に応じて、送信すべきデータを最新の情報に更新しつつ提供される。このような、状況の変化に応じて更新される送信データは、時間の経過とともにその必要性が低下してしまう。よって、高度道路交通システムに用いられる通信機において、無線LANと同様に、遅延を生じさせつつも全ての送信データを送信したとすると、必要性の低いデータを送信してしまうことになり、無駄が生じる。
このため、高度道路交通システムにおいては、送信データの必要性が経時的に変化する点を考慮しつつ、必要性の高い情報を適切に送信することができる無線通信機が望まれる。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、必要性の高い情報を適切に送信することができる無線送信機と、これに用いる送信制御方法及び送信制御プログラムを提供することを目的とする。
(1)本発明は、所定の頻度で更新される更新データを含んだ送信データを、道路上の他の通信機に対して送信する無線送信機であって、前記送信データを保持するバッファを備えた保持部と、周期的に設けられた時間スロットを用いて、前記保持部が保持する前記送信データを送信する送信処理部と、を備え、前記保持部に与えられた前記送信データの内、前記保持部に与えられた時期がより新しい未送信の送信データが、1つの前記時間スロットで送信可能なデータ量の範囲内で選択され、選択された前記送信データが前記送信処理部によって送信されることを特徴としている。
上記のように構成された無線送信機によれば、保持部に与えられた前記送信データの内、保持部に与えられた時期がより新しい未送信の送信データが、1つの前記時間スロットにより送信可能なデータ量の範囲内で選択され、選択された送信データが前記送信処理部によって送信されるので、ある時間帯に与えられる送信データが集中し、一つの時間スロットにより送信可能なデータ量以上の送信データが与えられた場合にも、時間スロットにより送信可能なデータ量の範囲内で、最新の更新データを適切に選択することができる。この結果、必要性の高い情報を適切に送信することができる。
(2)選択されなかった送信データは、少なくとも、選択された送信データよりも過去のデータであるので、その必要性は比較的低いと判断できる。従って、上記無線送信機において、保持部に与えられた前記送信データの内、選択されなかった送信データを破棄してもよい。
(3)また、前記送信データに、送信する上での優先順位を示す優先度が関連付けられている場合には、前記保持部に与えられた前記送信データの内、前記優先度に基づいた未送信の送信データの選択をさらに行うとともに、前記優先度に基づいた未送信の送信データの選択を、前記保持部に与えられた時期がより新しい未送信の送信データの選択よりも優先的に行うことが好ましい。この場合、保持部に与えられた時期に制限されることなく、優先度のより高い送信データを送信することができる。
(4)さらに、前記送信データに、所定頻度で更新される第一の更新データと、前記第一の更新データよりも低い頻度で更新される第二の更新データとが含まれている場合には、前記第二の更新データには、前記第一の更新データよりも低い優先順位の優先度が関連付けられることが好ましい。
第一の更新データよりも低い頻度で更新される第二の更新データは、更新頻度が低いことから経時的に変化し難いので、送信時期が遅延したとしてもその必要性が大きく低下することはない。一方、第一の更新データは、比較的高い頻度で更新されることから素早く送信しなければ、必要性がすぐに低下してしまう。
従って、第二の更新データに、前記第一の更新データよりも低い優先順位の優先度が関連付けることで、素早く送信する必要のある第一の更新データをより優先して送信することができる。
(5)また、第二の更新データは、上記のように、経時的に必要性が大きく低下することがないので、第二の更新データについては破棄しないように構成されていてもよい。必要性が大きく低下しない第二の更新データは、送信時期に多少の遅延が生じたとしても送信すれば、受信側では有効に活用できるからである。
(6)この場合、前記保持部が、前記第二の更新データを保持するための予備バッファをさらに備えていれば、選択されなかった前記第二の更新データを前記予備バッファに保持することができ、第二の更新データを破棄することなく退避させることができる。
(7)上記の場合、前記選択部は、前記予備バッファに保持された前記第二の更新データが送信可能であると判断すると、当該第二の更新データを前記送信処理部に送信させてもよく、これにより、予備バッファに保持された第二の更新データを破棄することなく送信することができる。
(8)また、前記第二の更新データを送信するための他の時間スロットが配置されていれば、前記送信処理部に、この他の時間スロットを用いて、前記予備バッファに保持された前記第二の更新データを送信させてもよい。この場合においても、予備バッファに保持された第二の更新データを破棄することなく送信することができる。
(9)上記無線送信機において、選択すべき送信データが無い場合、直前に送信した送信データが前記送信処理部によって送信されることが好ましく、この場合、少なくとも過去の送信データを送信することで、無線資源を無駄に消費するのを防ぐことができる。
(10)また、本発明は、所定の頻度で更新される更新データを含んだ送信データを、道路上の他の通信機に対して無線送信するための送信制御方法であって、前記送信データを、当該送信データを保持するためのバッファに保持する保持ステップと、前記保持ステップにて与えられた前記送信データの内、与えられた時期がより新しい未送信の送信データを、1つの前記時間スロットにより送信可能なデータ量の範囲内で選択する選択ステップと、周期的に設けられた時間スロットを用いて、前記選択ステップにて選択した前記送信データを送信する送信処理ステップと、を備えていることを特徴としている。
(11)また、本発明は、所定の頻度で更新される更新データを含んだ送信データを、道路上の他の通信機に対して無線送信するための送信制御をコンピュータに実行させるための送信制御プログラムであって、前記送信データを、当該送信データを保持するためのバッファに保持する保持ステップと、前記保持ステップにて与えられた前記送信データの内、与えられた時期がより新しい未送信の送信データを、1つの前記時間スロットにより送信可能なデータ量の範囲内で選択する選択ステップと、周期的に設けられた時間スロットを用いて、前記選択ステップにて選択した前記送信データを送信する送信処理ステップと、を備えていることを特徴としている。
上記のように構成された送信制御方法、及び送信制御プログラムによれば、上記無線送信機と同様、必要性の高い情報を適切に送信することができる。
本発明の無線送信機と、これに用いる送信制御方法及び送信制御プログラムによれば、必要性の高い情報を適切に送信することができる。
本発明の実施形態に係る高度道路交通システム(ITS)の全体構成を示す概略斜視図である。 高度道路交通システムの管轄エリアの一部を示す道路平面図である。 路側通信機と車載通信機の内部構成を示すブロック図である。 路車間通信のタイムスロットの一例を示す概念図である。 図4の部分拡大図である。 路側通信機の送信制御に関する機能を示したブロック図である。 第一の実施形態に係る路側通信機が信号送信をブロードキャスト送信する際に行う、MAC処理部による送信データに関する処理の一例を示す図である。 第一の実施形態に係る路側通信機が信号送信をブロードキャスト送信する際において、送信データが集中したときのMAC処理部による送信データに関する処理の一例を示す図である。 第二の実施形態に係る路側通信機が信号送信する際に行う、MAC処理部による送信データに関する処理の一例を示す図である。 第三の実施形態に係るMAC処理部を示すブロック図である。 第三の実施形態に係る路側通信機が信号送信する際に行う、MAC処理部による送信データに関する処理の一例を示す図である。 第三の実施形態に係る路側通信機の変形例を示す図である。 路側通信機用のタイムスロットである第1スロットの他の態様を示す図である。 過去に送信した送信データを送信する場合の態様を示す図である。
〔システムの全体構成〕
図1は、本発明の実施形態に係る高度道路交通システム(ITS)の全体構成を示す概略斜視図である。なお、本実施形態では、道路構造の一例として、南北方向と東西方向の複数の道路が互いに交差した碁盤目構造を想定している。
図1に示すように、本実施形態の高度道路交通システムは、交通信号機1、路側通信機2、車載通信機3(図2及び図3参照)、中央装置4、車載通信機3を搭載した車両5、及び、車両感知器や監視カメラ等よりなる路側センサ6を含む。
交通信号機1と路側通信機2は、複数の交差点Ji(図例では、i=1〜12)のそれぞれに設置されており、電話回線等の通信回線7を介してルータ8に接続されている。このルータ8は交通管制センター内の中央装置4に接続されている。
中央装置4は、自身が管轄するエリアに含まれる各交差点Jiの交通信号機1及び路側通信機2とLAN(Local Area Network)を構成している。従って、中央装置4は、各交通信号機1及び各路側通信機2との間で双方向通信が可能である。なお、中央装置4は、交通管制センターではなく道路上に設置してもよい。
路側センサ6は、各交差点Jiに流入する車両台数をカウントする等の目的で、管轄エリア内の道路の各所に設置されている。この路側センサ6は、直下を通行する車両5を超音波感知する車両感知器、或いは、道路の交通状況を時系列に撮影する監視カメラ等よりなり、感知情報S4や画像データS5は通信回線7を介して中央装置4に送信される。
なお、図1及び図2では、図示を簡略化するために、各交差点Jiに信号灯器が1つだけ描写されているが、実際の各交差点Jiには、互いに交差する道路の上り下り用として少なくとも4つの信号灯器が設置されている。
〔中央装置〕
中央装置4は、ワークステーション(WS)やパーソナルコンピュータ(PC)等よりなる制御部を有しており、この制御部は、路側通信機2、路側センサ6からの各種の交通情報の収集・処理(演算)・記録、信号制御及び情報提供を統括的に行う。
具体的には、中央装置4の制御部は、自身のネットワークに属する交差点Jiの交通信号機1に対して、同一道路上の交通信号機1群を調整する系統制御や、この系統制御を道路網に拡張した広域制御(面制御)を行うことができる。
また、中央装置4は、通信回線7を介してLAN側と接続された通信インタフェースである通信部を有しており、この通信部は、信号灯器の灯色切り替えタイミングに関する信号制御指令S1や、渋滞情報等を含む交通情報S2を所定時間ごとに交通信号機1及び路側通信機2に送信している(図1参照)。
さらに、中央装置4は、道路の形状や勾配等を示す道路線形情報S7を各路側通信機2に送信している。
信号制御指令S1は、前記系統制御や広域制御を行う場合の信号制御パラメータの演算周期(例えば、1.0〜2.5分)ごとに送信され、交通情報S2は、例えば5分ごとに送信される。また、道路形状等を示す道路線形情報S7は、大規模な工事等がない限りほとんど変化することがなく、ほとんど更新されないため、例えば、数日おきに送信される。
また、中央装置4の通信部は、各交差点Jiに対応する路側通信機2から、その通信機2が車載通信機3から受信した車両5の現在位置等を含む車両情報S3、車両通過時に生じるパルス信号よりなる車両感知器(図示せず)の感知情報S4、及び、監視カメラが撮影した道路のデジタル情報よりなる画像データS5等を受信しており、中央装置4の制御部は、これらの各種情報に基づいて前記系統制御や広域制御を実行する。
〔無線通信の方式等〕
図2は、上記高度道路交通システムの管轄エリアの一部を示す道路平面図である。
図2では、互いに交差する2つの道路の各々が上りと下りで片側1車線のものとして例示されているが、道路構造はこれに限られるものではない。
図2にも示すように、本実施形態の高度道路交通システムは、車載通信機3との間で無線通信が可能な複数の路側通信機2と、キャリアセンス方式で他の通信機2,3と無線通信を行う移動無線送受信機の一種である車載通信機3と備えた無線通信システムとしても機能している。
図1及び図2の例では、複数の路側通信機2は、それぞれ路側の交差点Jiごとに設置されていて、交通信号機1の支柱に取り付けられている。一方、車載通信機3は、道路を走行する車両5の一部又は全部に搭載されている。
車両5に搭載された各車載通信機3は、路側通信機2からのダウンリンク信号の到達範囲であるダウンリンクエリアAにおいてダウンリンク信号を受信可能である。
また、本実施形態では、車載通信機3の送信信号の到達距離は、路側通信機2のダウンリンク信号の到達距離以下であるとする。従って、各路側通信機2は、自装置のダウンリンクエリアAの範囲内を走行する車載通信機3との無線通信が可能である。
このように、本実施形態ITSでは、車載通信機3同士(車車間通信)の通信と、路側通信機2と車載通信機3との間(「路」から「車」への路車間通信と「車」から「路」への車路間通信との双方を含む。)の通信については、無線通信が用いられている。
また、隣接する路側通信機2同士の設置位置が比較的近く、互いのダウンリンクエリアAが重複(一部重複でも全部重複でもよい。)する場合には、その路側通信機2同士での無線通信(路路間通信)が可能である。
なお、前記した通り、交通管制センターに設けられた中央装置4は、各路側通信機2と有線での双方向通信が可能であるが、これらの間も無線通信であってもよい。
路側通信機2は、自身が無線送信するための専用のタイムスロット(図4の第1スロットSL1)がTDMA方式で割り当てられており、このタイムスロット以外の時間帯(図4の第2スロットSL2)には無線送信を行わない。すなわち、路側通信機2用のタイムスロット以外の時間帯は、車載通信機3のためのCSMA方式による送信時間として開放されている。
路側通信機2及び車載通信機3は、同一周波数帯を通信に用いるが、上記のように路側通信機2と車載通信機3の送信時間帯が区別されていることで、路側通信機2による送信信号と、車載通信機3による送信信号との衝突を回避できる。
路側通信機2及び車載通信機3は、送信信号の受信に関しては特に制限されない。従って、路側通信機2は、車載通信機3の送信信号を受信できる他、他の路側通信機2の送信信号も受信できる。また、車載通信機3は、路側通信機2及び他の車載通信機3の送信信号を受信できる。
なお、路側通信機2は、自身の送信タイミングを制御するために、他の路側通信機2との時刻同期機能を有している。この路側通信機2の時刻同期は、例えば、自身の時計をGPS時刻に合わせるGPS同期や、自身の時計を他の路側通信機2からの送信信号に合わせるエア同期等によって行われる。
〔路側通信機〕
図3は、路側通信機2と車載通信機3の内部構成を示すブロック図である。
路側通信機2は、無線通信のためのアンテナ20が接続された無線通信部(送受信部)21と、中央装置4と双方向通信する有線通信部22と、これらの通信制御を行うプロセッサ(CPU:Central Processing Unit)等よりなる制御部23と、制御部23に接続されたROMやRAM等の記憶装置よりなる記憶部24とを備えている。
路側通信機2の記憶部24は、制御部23が実行する後述の送信制御方法を実現するためのコンピュータプログラムや、各通信機2,3の通信機ID、後述するスロット情報S6、道路線形情報S7等を記憶している。
路側通信機2の制御部23は、有線通信部22が受信した中央装置4からの交通情報S2や道路線形情報S7等を、いったん記憶部24に一時的に記憶させ、無線通信部21を介してブロードキャスト送信する機能を有している。なお、道路線形情報S7は、上述したようにほとんど更新されることがない情報であることから、記憶部24に常時記憶させておくこともできる。
また、制御部23は、無線通信部21が受信した車両情報S3を、いったん記憶部24に一時的に記憶させ、有線通信部22を介して中央装置4に転送するとともに、無線通信部21を介してブロードキャスト送信する機能も有している。
さらに、制御部23は、自装置及び他装置が使用するタイムスロットの割当情報であるスロット情報S6や、自装置が配置されている交差点の信号灯器の灯色に関する信号情報S8を生成し、ブロードキャスト送信する機能も有している。
車載通信機3は、路側通信機2から上記スロット情報S6を受信すると、スロット情報S6に記された路側通信機2専用のタイムスロット(図2の第1スロットSL1)以外の時間帯(図2の第2スロットSL2)を利用して、キャリアセンス方式による無線送信を行う。
〔タイムスロットの内容〕
図4は、路車間通信のタイムスロットの一例を示す概念図であり、図5は、図4の部分拡大図である。
図4及び図5に示すように、路車間通信のタイムスロットは、第1スロットSL1と第2スロットSL2とを含んでいる。第1スロットSL1と、第2スロットSL2とは、時間軸方向に交互に配置されるとともに、一定の周期C(例えば、100ミリ秒)内において、所定数i(図4では、i=8)で配置されている。
上述のように、第1スロットSL1は、路側通信機2に割り当てられたタイムスロットであり、この時間帯においては、路側通信機2による無線送信が許容される。第1スロットSL1には、スロット番号iが付されており、このスロット番号iは、周期C内でインクリメント又はデクリメントされる。
また、第2スロットSL2は、車載通信機3用のタイムスロットであり、この時間帯は車載通信機3による無線送信用として開放するため、路側通信機2は第2スロットSL2では無線送信を行わない。
図5において、スロット番号1〜3の第1スロットSL1に記したドット●は、当該スロット番号iの第1スロットSL1が無線送信時間として割り当てられている路側通信機2の数を示している。
図5の例では、スロット番号1の第1スロットSL1には、2つの路側通信機2の送信時間が割り当てられ、スロット番号2の第1スロットSL1には、3つの路側通信機2の送信時間が割り当てられ、スロット番号3の第1スロットSL1には、1つの路側通信機2の送信時間が割り当てられている。
例えば、図1の交差点J1と交差点J11のように、距離が離れた路側通信機2同士ではダウンリンクエリアAが重複しておらず、互いに干渉を生じさせる可能性が極めて低いと言える。このように、互いに干渉を生じさせる可能性がきわめて低いと判断できる路側通信機2同士の場合には、同じスロットiが設定されることがある。
一方、比較的近い位置関係にある等、互いに干渉を生じさせる可能性が高い路側通信機2同士の場合には、互いに異なるスロット番号iに設定される。
上記のような干渉が生じないように、各路側通信機2には、所定の第1スロットSL1が割り当てられている。
〔車載通信機〕
図3に戻り、車載通信機3は、無線通信のためのアンテナ30に接続された通信部(送受信部)31と、この通信部31に対する通信制御を行うプロセッサ等よりなる制御部32と、この制御部32に接続されたROMやRAM等の記憶装置よりなる記憶部33とを備えている。
記憶部33は、制御部32が実行する通信制御のためのコンピュータプログラムや、各通信装置2,3の通信機ID等を記憶している。
車載通信機3の制御部32は、車車間通信のためのキャリアセンス方式による無線通信を通信部31に行わせるものであり、路側通信機2のような時分割多重方式での通信制御機能は有していない。
従って、車載通信機3の通信部31は、所定の搬送波周波数の受信レベルを常時感知しており、その値がある閾値以上である場合は無線送信を行わず、当該閾値未満になった場合にのみ無線送信を行うようになっている。
また、車載通信機3の制御部32は、車両5(車載通信機3)の現時の位置、方向及び速度等を含む車両情報S3を、通信部31を介して外部にブロードキャストで無線送信する。
さらに、制御部32は、路側通信機2から送信される、交通情報S2、車両情報S3、道路線形情報S7、及び信号情報S8を受信するとともに、他の車両5(車載通信機3)から送信される車両情報S3を受信し、これら各情報に基づいて、右直衝突や出合い頭衝突等を回避する安全運転支援制御を行う機能も有している。
〔路側通信機による送信制御処理について〕
路側通信機2は、上述したように、スロット情報S6や、交通情報S2、車両情報S3、道路線形情報S7、信号情報S8をブロードキャスト送信する。
ここで、路側通信機2が送信すべき上記各情報は、中央装置4や車載通信機3から受信した情報に基づいて、路側通信機2のアプリケーション層が生成し、その後、MAC層やPHY層による処理を経て、周期的に設定された第1スロットSL1を用いて送信される。なお、ここで「周期的」とは、第1スロットSL1が時間軸方向に所定の時間間隔をおいて配置されていることを示しており、前記時間間隔が、ほぼ一定である場合の他、前記時間間隔が変動する場合も含む。
前記アプリケーション層は、中央装置4や車載通信機3から受信した情報が多ければ、前記送信すべき情報も多く生成するといったように、前記送信すべき各情報を経時的に一定に生成するとは限らない。
一方、送信については、周期的に設定された第1スロットSL1を用いて行うので、路側通信機2は、次の第1スロットSL1で送信可能となるまで、生成された前記送信すべき情報を一時的に保持するバッファ機能を備えている。
さらに、前記アプリケーション層が生成する各情報は、上述のように、経時的に一定に生成されるとは限られないので、ある時間帯に送信すべき情報が、一の第1スロットSL1では送信できない程度に集中することも考えられる。
このため、路側通信機2は、送信すべき情報が集中したときにそれら情報の中から必要性の高い情報を選択し送信するための送信制御処理を行う機能を有している。
図6は、路側通信機2の送信制御に関する機能を示したブロック図である。図6に示すように、路側通信機2の制御部23は、MAC層(Media Access Control layer)に関する処理を行うMAC処理部41(保持部)と、PHY層(physical layer)に関する処理を行うPHY処理部42(送信処理部)とを備えている。
MAC処理部41は、上位層であるアプリケーション層40から順次与えられる送信データを受け取り、受け取った送信データについて送信時期等に関するスケジューリングを行い、そのスケジューリングに従って前記送信データを所定の無線フレームに配置する機能を有している。
アプリケーション層40は、自装置が受信した各種情報に基づいて、いずれの情報をどのような態様でブロードキャスト送信するかを決定し、その態様に応じて送信すべき情報を送信データ(パケットデータ)として、MAC処理部41に与える。
従って、MAC処理部41に与えられる送信データは、単独又は複数で、路側通信機2がブロードキャスト送信する情報である、交通情報S2、車両情報S3、スロット情報S6、道路線形情報S7、及び、信号情報S8といった情報を構成する。
これら、交通情報S2、車両情報S3、スロット情報S6、道路線形情報S7、及び、信号情報S8は、後述するように、経時的に変化する交通の状況に応じて、所定の頻度で更新される更新情報を構成している。
MAC処理部41は、アプリケーション層40から与えられる送信データを順次保持する送信バッファ41aと、PHY処理部42に送信させるための送信データを選択する選択部41bとを備えている。
選択部41bは、与えられた送信データに付随して関連付けられている属性を参照し、各送信データの与えられた時期や、前記属性、変調レートに基づいて、送信すべき送信データを選択する機能や、送信データの必要性に応じて破棄する機能を有している。
MAC処理部41は、選択部41bが選択した送信すべき送信データについて、スケジューリングを行い、所定の無線フレームに配置した上で、PHY処理部42に出力する。
PHY処理部42は、MAC処理部41が出力する無線フレームに配置された送信データについて、変調や、D/A変換等を行うことで、無線送信可能な送信信号に変換する機能を有している。
PHY処理部42は、変換した送信信号を無線通信部21に出力する。送信信号が与えられた無線通信部21は、当該送信信号をブロードキャスト送信する。
〔第一の実施形態に係る路側通信機による送信制御処理〕
図7は、第一の実施形態に係る路側通信機2が信号送信をブロードキャスト送信する際に行う、MAC処理部による送信データに関する処理の一例を示す図である。この図7では、第1スロットSL1の1周期の期間である100msの間に、アプリケーション層40から与えられる送信データの合計データ量が、一つの第1スロットSL1で送信可能なデータ量の範囲内である場合を示しており、与えられる各送信データの優先度は全て同一である場合を示している。また、送信バッファ41aの容量は、一つの第1スロットSL1で送信可能なデータ量よりも大きいデータ量に設定されている。
本実施形態において、MAC処理部41は、アプリケーション層40から与えられる送信データを順次送信バッファ41aに保持する。
そして、アプリケーション層40から送信データが与えられることで、送信バッファ41aに保持すべき送信データの合計データ量が一の第1スロットSL1で送信可能なデータ量を超えると判断した場合に、選択部41bは、最も与えられた時期が最も前の(古い)送信データから順に送信バッファ41aから取り出して破棄し、保持した送信データの合計データ量が一の第1スロットSL1で送信可能なデータ量となるように調整する。
選択部41bは、第1スロットSL1で送信可能なデータ量の判断に当たって、各送信データに対応してアプリケーション層40が指定する変調レートを考慮する。
具体的に、例えば、第1スロットSL1が3ミリ秒である場合において、アプリケーション層40から与えられる送信データ(パケットデータ)のデータ量が一律900バイト、変調レートが16QAM(=12Mbps)であるとすると、第1スロットSL1で送信可能なデータ量は、以下のように求められる。
まず、900バイトの送信データ及びこれに付随するMACヘッダ30バイトの送信に必要な時間は、下記式のように、620マイクロ秒となる。
930 × 8 / 12 = 620 マイクロ秒
また、データ送信に必要なプリアンブルやPHYヘッダの送信に必要な時間は、固定値で40マイクロ秒である。さらに、複数のパケットデータ送信時には各データ間にSIFS(Short Interframe Space)=16マイクロ秒を設ける必要があるので、1つの送信データの送信に要する時間は676マイクロ秒となる。
よって、上記のように900バイトのパケットデータで送信データが与えられた場合には、下記式のように、第1スロットSL1で送信可能なデータ量は、送信データ(データパケット)4つ分となり、それ以上のデータパケットが与えられると、選択部41bは、送信バッファ41aに保持すべき送信データの合計データ量が一の第1スロットSL1で送信可能なデータ量を超えると判断する。
3ミリ秒 > 676 × 4 = 2704 マイクロ秒
また、アプリケーション層40から与えられる送信データ(パケットデータ)のデータ量が一律600バイト、変調レートが16QAMのデータと、QPSKのデータとが交互であるとすると、第1スロットSL1で送信可能なデータ量は、以下のように求められる。
600バイトの送信データ及びこれに付随するMACヘッダ30バイトの送信に必要な時間は、下記式のように、16QAMの場合、420マイクロ秒、QPSKの場合、820マイクロ秒となる。
16QAMの場合・・・ 630 × 8 / 12 = 420 マイクロ秒
QPSKの場合 ・・・ 630 × 8 / 6 = 840 マイクロ秒
プリアンブル、PHYヘッダ、SIFSを加えると、1つの送信データの送信に要する時間は、16QAMの場合、476マイクロ秒、QPSKの場合、876マイクロ秒となる。
よって、16QAM − QPSK − 16QAM− QPSKの順で、データが与えられた場合、これら4つのデータの送信に必要な時間は、下記式のように、3ミリ秒以下なので、選択部41bは、一の第1スロットSL1で送信可能と判断する。一方、次に与えられるデータについては、合計データ量が一の第1スロットSL1で送信可能なデータ量を超えると判断する。
3ミリ秒 > 876 × 2 + 420 × 2 = 2592 マイクロ秒
上記のようにして、選択部41bは、送信バッファ41aに保持した送信データの合計データ量が一の第1スロットSL1で送信可能なデータ量となるように調整する。
その後、所定のタイミングKに至ると、選択部41bは、送信バッファ41a内の送信データを取り出し、取り出した送信データを無線フレームにおける第1スロットSL1に対応する領域に配置する。なお、このタイミングKは、周期的に並ぶ各第1スロットSL1それぞれに対応して設定されており、各第1スロットSL1によって送信すべき送信データを取得する取得タイミングを示している。タイミングKの時点で送信バッファ41a内にある送信データは、当該タイミングに対応する第1スロットSL1にスケジューリングされる。
以上のようにして、選択部41bは、アプリケーション層40から与えられる送信データの内、与えられた時期がより新しい未送信の送信データを、1つの第1スロットSL1で送信可能なデータ量の範囲内で選択する。そして、MAC処理部41は、選択した送信データを無線フレームに配置し、PHY処理部42に送信させる。
図7の場合、アプリケーション層40から与えられる送信データ1〜3の合計データ量が第1スロットSL1で送信可能なデータ量の範囲内であるので、選択部41bは、タイミングKに至ると、送信バッファ41aに保持されたこれら送信データ1〜3全てを選択し、取り出す。また、MAC処理部41は、これら送信データ1〜3の送信時期を、直近の周期に配置されている第1スロットSL1−1にスケジューリングする。
その後、MAC処理部41は、選択した送信データ1〜3を配置した無線フレームをPHY処理部42に出力する。
PHY処理部42、及び無線通信部21は、上記無線フレームによる送信信号を送信することで、第1スロットSL1−1を用いて、送信データ1〜3を送信することができる。
MAC処理部41は、送信データ1〜3の後に与えられる送信データ4〜6についても、上記同様に選択し、選択した送信データ4〜6を、第1スロットSL1−1の次の周期に位置する第1スロットSL1−2に配置した無線フレームをPHY処理部42に出力する。
PHY処理部42、及び無線通信部21は、上記無線フレームによる送信信号を送信することで、第1スロットSL1−2を用いて、送信データ4〜6を送信することができる。
以上のようにして、路側通信機2は、周期的に設定された第1スロットSL1を用いて、送信データにより構成される交通情報S2、車両情報S3、スロット情報S6、道路線形情報S7、及び、信号情報S8といった情報をブロードキャスト送信する。
図8は、第一の実施形態に係る路側通信機2が信号送信をブロードキャスト送信する際において、送信データが集中したときのMAC処理部による送信データに関する処理の一例を示す図である。図8では、隣接するタイミングK同士の間に、アプリケーション層40から与えられる送信データのデータ量が、一つの第1スロットSL1で送信可能なデータ量よりも多い場合を示している。
本実施形態の選択部41bは、上述したように、アプリケーション層40から送信データが与えられることで、送信バッファ41aに保持すべき送信データの合計データ量が一の第1スロットSL1で送信可能なデータ量を超えると判断した場合に、選択部41bは、最も与えられた時期が最も前の(古い)送信データから順に送信バッファ41aから取り出して破棄し、保持した送信データの合計データ量が一の第1スロットSL1で送信可能なデータ量となるように調整する。
よって、図8の場合、送信バッファ41aは、送信データ1,2,3と順次に保持する。この時点での合計データ量が、一の第1スロットSL1によって送信可能なデータ量である場合には、選択部41bは、そのまま、送信データ1〜3を保持する。
その後、アプリケーション層40から送信データ4が与えられることで、保持すべき送信データの合計データ量が一の第1スロットSL1で送信可能なデータ量を超える場合、選択部41bは、最も与えられた時期が最も前である送信データ1を送信バッファ41aから取り出して破棄し、保持した送信データの合計データ量が一の第1スロットSL1で送信可能なデータ量となるように調整する。
所定のタイミングKに至ると、選択部41bは、送信バッファ41a内の送信データ2〜4を選択して取り出す。MAC処理部41は、取り出した送信データ2〜4を第1スロットSL1−1で送信されるように無線フレームに配置し、当該無線フレームをPHY処理部42に出力する。
PHY処理部42及び無線通信部21は、MAC処理部41から出力された上記無線フレームにより、送信データ2〜4を第1スロットSL1−1を用いて送信する。
次いで、MAC処理部41は、次に与えられる送信データ5,6,7についても、順次送信バッファ41aに保持する。
その後、アプリケーション層40から送信データ8が与えられることで、保持すべき送信データの合計データ量が一の第1スロットSL1で送信可能なデータ量を超えた場合、選択部41bは、保持した送信データの合計データ量が一の第1スロットSL1で送信可能なデータ量となるように調整する。
ここでは、送信データ7,8以外にさらに送信データを選択すると、一の第1スロットSL1で送信可能なデータ量を超えてしまう場合を示しており、選択部41bは、送信データ8が与えられると、与えられた時期が前である送信データ5,6を破棄する。
選択部41bは、次のタイミングKに至ると、送信バッファ41aに保持された送信データ7,8を選択して取り出し、これらデータ7,8を所定位置に配置した無線フレームをPHY処理部42に出力する。
PHY処理部42及び無線通信部21は、前記無線フレームにより、第1スロットSL1−2を用いて、送信データ7,8を送信する。
〔効果について〕
本実施形態の無線送信機としての路側通信機2は、所定の頻度で更新される更新情報を含んだ送信データを、道路上の他の通信機に対して送信することで、交通に関する情報を提供するものであって、アプリケーション層40から与えられる送信データを保持する送信バッファ41aを備えたMAC処理部41と、周期的に設けられた第1スロットSL1を用いて、MAC処理部41が保持する送信データを送信するPHY処理部42と、を備えている。路側通信機2は、MAC処理部41に与えられた送信データの内、MAC処理部41に与えられた時期がより新しい未送信の送信データが、1つの第1スロットSL1で送信可能なデータ量の範囲内で選択され、選択された送信データがPHY処理部42によって送信されるように構成されている。
上記構成の路側通信機2によれば、MAC処理部41に与えられた送信データの内、与えられた時期がより新しい未送信の送信データが、1つの第1スロットSL1で送信可能なデータ量の範囲内で選択され、選択された送信データがPHY処理部42によって送信されるので、ある時間帯にアプリケーション層40から与えられる送信データが集中し、一つの第1スロットSL1により送信可能なデータ量以上の送信データが与えられた場合にも、第1スロットSL1により送信可能なデータ量の範囲内で、最新の更新データを適切に選択することができる。この結果、必要性の高い情報を適切に送信することができる。
また、図8中、選択部41bが選択しなかった送信データ1は、少なくとも、選択した送信データよりも過去のデータであるので、その必要性は比較的低いと判断できる。従って、選択部41bは、アプリケーション層40から与えられる送信データの内、選択しなかった送信データ1を破棄することができる。
〔第二の実施形態〕
図9は、第二の実施形態に係る路側通信機2が信号送信する際に行う、MAC処理部による送信データに関する処理の一例を示す図である。
上記第一の実施形態では、選択部41bは、アプリケーション層40から与えられた時期がより新しい送信データを選択したが、本実施形態における、選択部41bは、与えられた時期と、路側通信機2が送信する上での優先順位を示す優先度とに基づいて、送信データを選択する。
より詳細には、選択部41bは、アプリケーション層40から送信データが与えられると、与えられた送信データの優先度を参照し、より優先度の高い送信データを送信バッファ41aに保持するように選択した上で、さらにその中から、より与えられた時期が新しい送信データを選択するように構成されている。
ここで上記優先度は、送信データにより構成される各情報における更新頻度や、緊急度に応じて送信する上での優先順位が設定される。
ここで、交通情報S2、車両情報S3、スロット情報S6、道路線形情報S7、及び、信号情報S8は、経時的に変化する交通の状況に応じて、所定の頻度で更新される更新情報である。
この内、例えば、車両情報S3や、信号情報S8、交通情報S2は、刻々と変化する交通状況に応じて頻繁に更新されるため、更新頻度が高い情報(動的情報)である。一方、道路線形情報S7は、ほとんど更新されない情報であるため、更新頻度が低い情報(静的情報)である。
動的情報は、素早く送信しなければ、必要性がすぐに低下してしまう一方、静的情報は、多少遅延して送信したとしても、情報としての必要性がすぐに低下することはない。従って、この場合、動的情報は、静的情報に比べて、優先度が高く設定される。
また、緊急度については、例えば、交通情報S2の内、事故等を報知する情報が挙げられる。自装置の周囲で事故が発生していれば、事故を報知する情報は、それ以外の通常の情報よりも優先して送信する必要性が高い。従って、事故を報知する情報は、それ以外の通常の情報よりも、優先度が高く設定される。
アプリケーション層40から与えられる送信データには、その送信データが構成する情報に対して設定された優先度と関連付けるための情報が付加されており、選択部41bは、この付加情報を参照することで、各送信データの優先度を認識することができる。
図9の場合、送信データ1〜3が与えられ送信バッファ41aに保持された後に、送信データ4が与えられると、選択部41bは、まず、送信データ4の優先度を参照する。この場合、送信データ4の優先度は、送信データ1〜3よりも低いので、選択部41bは、与えられた時期は前であるが優先度の高い送信データ1〜3を保持し続ける。一方、与えられた時期は最新であるが優先度の低い送信データ4は、破棄される。
送信データ4の後に与えられる送信データ5〜8では、送信データ7の優先度が他のものよりも、低く設定されている。
従って、選択部41bは、送信データ5,6,7と与えられた順に順次送信バッファ41aに保持した後、送信データ8が与えられると、優先度の低い送信データ7を破棄し、送信データ5,6,8を選択し、送信バッファ41aに保持する。
以上のようにして、本実施形態の選択部41bは、アプリケーション層40から与えられる送信データの中から、優先度に基づいた未送信の送信データの選択を行うとともに、優先度に基づいた未送信の送信データの選択を、より与えられた時期が新しい未送信の送信データの選択よりも優先的に行う。
このため、与えられた時期に制限されることなく、優先度のより高い送信データを送信することができる。
〔第三の実施形態〕
図10は、第三の実施形態に係るMAC処理部41を示すブロック図である。本実施形態のMAC処理部41は、送信バッファ41aの他に、上述の静的情報を保持するための予備バッファ41cを備えている。
本実施形態の選択部41bは、送信バッファ41aに保持しなかった送信データの内、静的情報については破棄せず、予備バッファ41cに保持するように構成されている。
図11は、第三の実施形態に係る路側通信機2が信号送信する際に行う、MAC処理部による送信データに関する処理の一例を示す図である。
本実施形態では、更新周期が100msである動的情報(第一の更新データ)を構成する送信データと、動的情報よりも低い頻度(更新周期1s)で更新される静的情報(第二の更新データ)を構成する送信データとが、アプリケーション層40から与えられる場合を示している。
なお、上述したように、動的情報には、静的情報に比べて高い優先度が設定されている。
図11の場合、優先度の高い動的情報を構成する送信データ1〜3が与えられた後に、送信データ1〜3よりも優先度の低い静的情報を構成する送信データ4が与えられると、選択部41bは、優先度に基づく選択を優先的に行うので、与えられた時期は前であるが優先度の高い送信データ1〜3を選択し、送信バッファ41aに保持する。一方、与えられた時期は最新であるが優先度の低い送信データ4は、静的情報であるので、選択部41bは、この送信データ4を予備バッファ41cに保持する。
送信データ4の後に与えられる送信データ5,6を送信バッファ41aに保持した後、与えられる送信データが無ければ、選択部41bは、予備バッファ41cに保持した送信データ4が送信可能であると判断する。選択部41bは、前記判断に基づいて、送信データ4を送信バッファ41aに保持させる。
本実施形態では、送信データに、動的情報を構成する送信データと、動的情報よりも低い頻度で更新される静的情報を構成する送信データとが含まれており、静的情報を構成する送信データには、動的情報を構成する送信データよりも低い優先順位の優先度が関連付けられている。
上述のように動的情報よりも低い頻度で更新される静的情報は、更新頻度が低いことから経時的に変化し難いので、送信時期が遅延したとしてもその必要性が大きく低下することはない。一方、動的情報は、比較的高い頻度で更新されることから素早く送信しなければ、必要性がすぐに低下してしまう。
従って、静的情報を構成する送信データに、動的情報を構成する送信データよりも低い優先順位の優先度が関連付けることで、素早く送信する必要のある動的情報をより優先して送信することができる。
また、本実施形態では、MAC処理部41が静的情報を保持するための予備バッファ41cを備えているので、選択部41bは、送信バッファ41aに保持すべきデータとして選択しなかった静的情報を構成する送信データを予備バッファ41cに保持させることができ、静的情報を構成する送信データを破棄することなく退避させることができる。
また、本実施形態の選択部41bは、予備バッファ41cに保持した送信データ4が送信可能であると判断すると、送信データ4を送信バッファ41aに保持させてPHY処理部42に送信させることができる。これにより、予備バッファ41cに保持された送信データ4を破棄することなく送信することができる。
なお、静的情報である送信データ4は、送信時期に多少の遅延が生じたとしても、情報としての必要性が低下することがないので、本実施形態のように、予備バッファ41cに保持することで待機させて遅延送信しても、受信側では当該情報を有効に活用することができる。
さらに、図12に示すように、路側通信機2が静的情報に関する送信データを送信するための静的情報用スロットSL3が設けられている場合には、この静的情報用スロットSL3を用いて送信データ4を送信することができる。
図12では、MAC処理部41は、予備バッファ41cに保持された送信データ4に送信時期をこの静的情報用スロットSL3に合わせてスケジューリングし、PHY処理部42に出力する。これにより、PHY処理部42及び無線通信部21は、この静的情報用スロットSL3を用いて送信データ4を送信することができる。
静的情報用スロットは、静的情報を送信するために設定されており、第1スロットSL1よりも長い周期で設定されている。静的情報は、送信時期に遅延が生じても情報としての必要性が低下しないので、比較的長い周期で送信され遅延が生じたとしても、受信側では当該情報を有効に活用することができるからである。
〔その他の変形例〕
なお、本発明は、上記各実施形態に限定されることはない。例えば、上記各実施形態では、周期Cの間に路側通信機2用のタイムスロットである第1スロットSL1を一つ配置した場合を示したが、図13に示すように、第1スロットSL1を2個に分割し、1周期Cの中で、所定の期間を置いて配置された複数の分割スロットSL4を配置してもよい。
この場合、1周期Cの中で、路側通信機2による送信時間の偏りを低減することができる。
なお、図13では、選択部41bは、1周期Cの中に属する分割スロットSL4全てを1つのスロットとみなし、分割スロットSL4全てで送信可能なデータ量の範囲内で、送信データを選択することができるし、各分割スロットSL4ごとに、タイミングKを設定し、1つの分割スロットSL4で送信可能なデータ量の範囲内で、送信データを選択するように構成することもできる。
また、図13では、第1スロットSL1を2個に分割することで得られる2個の分割スロットSL4を1周期Cの中に配置したが、より多数に分割してもよい。
また、各分割スロットSL4ごとに専用の送信バッファを設けることもできる。
また、図14に示すように、アプリケーション層40から与えられた送信データ1〜4の内、送信データ2〜4が選択された後、アプリケーション層40から送信データが与えられない場合、送信バッファ41aに保持すべき送信データがなく、送信データ2〜4が配置されて送信された第1スロットSL1−1の次の周期の第1スロットSL1−2で送信すべき送信データが無い。
このような場合、第1スロットSL1−2を空状態で消費するとすると、無線資源の使用効率を低下させてしまう。
これに対して、前回の送信スロットである第1スロットSL1−1で送信した送信データ2〜4を第1スロットSL1−2で再送信するといったように、少なくとも過去の情報を送信することで、無線資源を無駄に消費するのを防ぐことができる。
すなわち、路側通信機2のMAC処理部41を、選択部41bによって選択すべき送信データが無い場合において、直前に出力した送信データをPHY処理部42に出力するように構成すれば、図14において、第1スロットSL1−1で送信した送信データ2〜4を第1スロットSL1−2で再送信することができ、無線資源を無駄に消費するのを防ぐことができる。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
2 路側通信機(無線送信機)
3 車載通信機
21 無線通信部
41 MAC処理部(保持部)
41a 送信バッファ
41c 予備バッファ
42 PHY処理部(送信処理部)

Claims (11)

  1. 所定の頻度で更新される更新データを含んだ送信データを、道路上の他の通信機に対して送信する無線送信機であって、
    前記送信データを保持するバッファを備えた保持部と、
    周期的に設けられた時間スロットを用いて、前記保持部が保持する前記送信データを送信する送信処理部と、を備え、
    前記保持部に与えられた前記送信データの内、前記保持部に与えられた時期がより新しい未送信の送信データが、1つの前記時間スロットで送信可能なデータ量の範囲内で選択され、選択された前記送信データが前記送信処理部によって送信されることを特徴とする無線送信機。
  2. 前記保持部に与えられた前記送信データの内、選択されなかった送信データを破棄する請求項1に記載の無線送信機。
  3. 前記送信データには、送信する上での優先順位を示す優先度が関連付けられており、
    前記保持部に与えられた前記送信データの内、前記優先度に基づいた未送信の送信データの選択をさらに行うとともに、前記優先度に基づいた未送信の送信データの選択を、前記保持部に与えられた時期がより新しい未送信の送信データの選択よりも優先的に行う請求項2に記載の無線送信機。
  4. 前記更新データには、第一の更新データと、前記第一の更新データよりも低い頻度で更新される第二の更新データとが含まれており、
    前記第二の更新データには、前記第一の更新データよりも低い優先順位の優先度が関連付けられている請求項3に記載の無線送信機。
  5. 前記第二の更新データについては破棄しない請求項4に記載の無線送信機。
  6. 前記保持部は、選択されなかった前記第二の更新データを保持するための予備バッファをさらに備えている請求項4又は5に記載の無線送信機。
  7. 前記予備バッファに保持された前記第二の更新データが送信可能であると判断すると、当該第二の更新データを前記送信処理部に送信させる請求項6に記載の無線送信機。
  8. 前記送信処理部に、前記第二の更新データを送信するために配置された他の時間スロットを用いて、前記予備バッファに保持された前記第二の更新データを送信させる請求項6に記載の無線送信機。
  9. 選択すべき送信データが無い場合、直前に送信した送信データが前記送信処理部によって送信される請求項1〜8のいずれか一項に記載の無線送信機。
  10. 所定の頻度で更新される更新データを含んだ送信データを、道路上の他の通信機に対して無線送信するための送信制御方法であって、
    前記送信データを、当該送信データを保持するためのバッファに保持する保持ステップと、
    前記保持ステップにて与えられた前記送信データの内、与えられた時期がより新しい未送信の送信データを、1つの前記時間スロットにより送信可能なデータ量の範囲内で選択する選択ステップと、
    周期的に設けられた時間スロットを用いて、前記選択ステップにて選択した前記送信データを送信する送信処理ステップと、を備えていることを特徴とする送信制御方法。
  11. 所定の頻度で更新される更新データを含んだ送信データを、道路上の他の通信機に対して無線送信するための送信制御をコンピュータに実行させるための送信制御プログラムであって、
    前記送信データを、当該送信データを保持するためのバッファに保持する保持ステップと、
    前記保持ステップにて与えられた前記送信データの内、与えられた時期がより新しい未送信の送信データを、1つの前記時間スロットにより送信可能なデータ量の範囲内で選択する選択ステップと、
    周期的に設けられた時間スロットを用いて、前記選択ステップにて選択した前記送信データを送信する送信処理ステップと、を備えていることを特徴とする送信制御プログラム。
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