JP2016196746A - 免震構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】上部構造物を支持する積層ゴムと当接せずに、中小地震から大地震まで連続して弾性変形できる、免震構造を提供する。【解決手段】免震構造は、下部構造物12と上部構造物14との間に設けられ、上部構造物14を支持する積層ゴム10と、積層ゴム10とは別個に、積層ゴム10と並列に、下部構造物12と上部構造物14との間に配置され、下部構造物12と上部構造物14との相対変位量が、設定値に達するまでは互いに当接せず、設定値以上になると互いに当接して、上部構造物14に剛性を付与する弾性変形手段16、17と、下部構造物12と上部構造物14との間に、積層ゴム10及び弾性変形手段16、17と並列に設けられ、振動エネルギーを吸収する粘性ダンパー18と、を有している。【選択図】図1

Description

本発明は、免震構造に関する。
免震建物は、上部構造物と下部構造物の間に免震装置を設置して、上部構造物を長周期化することで、上部構造物へ伝達される地震時の衝撃や振動を低減している。
しかし、免震装置として一般に使用されている積層ゴムは、積層ゴムに作用するせん断力に比例して、変形量が増大する弾性変形特性を有している。このため、大地震時には、上部構造物と下部構造物の相対変位量が大きくなる。都市部等では、隣接する構造物との間隔の確保に限界があり、上部構造物と下部構造物との相対変位量を小さくする構成が求められている。
相対変位量を小さくするには、例えば、積層ゴムに替えて、鉛プラグ入り積層ゴムを採用する方法がある。しかし、鉛プラグ入り積層ゴムは、地震後に残留変形が生じるため、中間免震構造に採用した場合には、免震層を貫通するエレベータシャフトの復旧に手間を要する。
また、積層ゴムと並列にストッパーを設け、相対変位量が設定値を超えたとき、ストッパーで強制的に、それ以上の相対変位を制限する方法もある。しかし、ストッパーで強制的に相対変位を制限すると、上部構造物の応答加速度が大きくなってしまう。
免震装置の変形を弾性的に拘束する免震構造には、例えば特許文献1がある。
特許文献1には、上部構造物と下部構造物の間に、上部構造物を支持する第1積層ゴムを設置し、第1積層ゴムの周りに、所定の間隔をあけて第2積層ゴム(変形制限装置)を配置する構成が記載されている。第2積層ゴムは、第1積層ゴムより高さが低く形成されており、上部構造物は支持しない。
これにより、上部構造物と下部構造物との相対変位量が小さい中小地震時は、第1積層ゴムのみが弾性変形し、上部構造物へ伝達される地震時の衝撃や振動を低減させる。
一方、大地震時には、第1積層ゴムが、所定の間隔を超えて変形し、第2積層ゴムと当接して第2積層ゴムを押圧する。これにより、第1積層ゴムと第2積層ゴムが同時に弾性変形して、免震装置のばね定数を増加させ、上部構造物と下部構造物との相対変位量を小さくする。
特開2010−270569号公報
しかし、特許文献1は、積層ゴム同士を直接当接させて弾性変形させる構成のため、局所応力の発生等の不具合を生じる。
本発明は、上記事実に鑑み、積層ゴムと当接せずに、中小地震から大地震まで連続して弾性変形できる、免震構造を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明に係る免震構造は、下部構造物と上部構造物との間に設けられ、前記上部構造物を支持する積層ゴムと、前記積層ゴムとは別個に、前記積層ゴムと並列に、前記下部構造物と前記上部構造物との間に配置され、前記下部構造物と前記上部構造物との相対変位量が、設定値に達するまでは互いに当接せず、設定値以上になると互いに当接して、前記上部構造物に剛性を付与する弾性変形手段と、前記下部構造物と前記上部構造物との間に、前記積層ゴム及び前記弾性変形手段と並列に設けられ、振動エネルギーを吸収する粘性ダンパーと、を有している。
請求項1に記載の発明によれば、下部構造物と上部構造物との間に設けられた積層ゴムにより、上部構造物が支持される。また、下部構造物と上部構造物との間には、弾性変形手段が配置される。ここに、弾性変形手段は、下部構造物と上部構造物との相対変位量が、設定値に達するまでは互いに当接せず、設定値以上になると互いに当接して、上部構造物に剛性を付与する。また、粘性ダンパーにより、地震や強風等で発生する振動エネルギーが吸収される。
これにより、下部構造物と上部構造物との相対変位量が、設定値より小さい中小地震では、積層ゴムのみが弾性変形し、上部構造物へ伝達される地震時の衝撃や振動が低減される。一方、下部構造物と上部構造物との相対変位量が設定値以上の大地震時には、弾性変形手段が互いに当接して上部構造物に剛性が付与され、上部構造物と下部構造物との相対変位が抑制される。
即ち、積層ゴムと当接せずに、中小地震から大地震まで、連続して弾性変形できる免震構造を提供することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の免震構造において、前記弾性変形手段は、前記下部構造物又は前記上部構造物の一方に取付けられた弾性部材と、前記下部構造物又は前記上部構造物の他方に設けられ、前記弾性部材と間隔をあけて設置された剛性部材と、を有している。
請求項2に記載の発明によれば、下部構造物又は上部構造物の一方に取付けられた弾性部材と間隔をあけて、下部構造物又は上部構造物の他方に、剛性部材が設けられている。
この結果、下部構造物と上部構造物との相対変位量が、設定値(弾性部材と剛性部材との間に予め設けられた間隔)以下の範囲では、弾性変形手段同士は当接せず、積層ゴムのみが弾性変形して、上部構造物へ伝達される、地震時や強風時等の衝撃や振動を低減させる。
一方、下部構造物と上部構造物との相対変位量が、設定値以上になると、弾性変形手段の弾性部材と剛性部材が当接して弾性変形する。これにより、弾性変形手段と積層ゴムの両者が弾性変形して上部構造物に剛性を付与し、上部構造物と下部構造物との相対変位が抑制される。
本発明は、上記構成としてあるので、積層ゴムと当接せずに、中小地震から大地震まで連続して弾性変形できる、免震構造を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る免震構造の基本構成を示す正面図である。 (A)は、本発明の第1実施形態に係る免震構造の一部を拡大した正面図であり、(B)は、相対変位が生じた場合の変形例を示す正面図である。 本発明の第1実施形態に係る免震構造における、弾性変形手段の基本構成を示す図1のZ1−Z1線断面図である。 本発明の第1実施形態に係る免震構造における相対変位が生じた場合の弾性変形手段の変形例を示す図1のZ1−Z1線断面図である。 (A)〜(D)は、いずれも本発明の第1実施形態に係る免震構造の効果を説明するためのせん断力−変形量特性図である。 (A)〜(D)は、いずれも本発明の第1実施形態に係る免震構造の変形例を説明するための図1のZ1−Z1線断面図である。 (A)は、本発明の第2実施形態に係る免震構造の基本構成を示す正面図であり、(B)は、弾性変形手段の構成例を示す断面図である。 (A)は、本発明の第3実施形態に係る免震構造を構成する弾性変形手段の構成例を示す正面図であり、(B)は、図8(A)のZ1−Z1線断面図であり、(C)は変形例を示す断面図である。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係る免震構造について、図1〜図6(D)を用いて説明する。
ここで、図1は、免震構造の正面図を示し、図2(A)は、免震構造の部分拡大図を示し、(B)は、相対変位を受けて変形した状態を示す正面図である。図3は、図1のZ1−Z1線断面図を示し、図4は、免震構造が相対変位を受けて変形した状態を示し、図5の(A)〜(D)は、免震構造のせん断力−変形量性を示している。また、図6は、弾性変形手段の変形例を示している。
図1〜図3に示すように、免震構造は、距離H1をあけて対向させた、下部構造物12と上部構造物14との間の免震層42に配置されている。免震構造は、積層ゴム10を有している。
積層ゴム10は、下フランジ10Lが下部構造物12の上面12Fに固定され、上フランジ10Uが上部構造物14の下面14Fに固定され、上部構造物14を支持している。
積層ゴム10は、下フランジ10Lと上フランジ10Uの間に、ゴム部10Gが設けられた構成であり、所定の間隔をあけて、複数個が設置されている。
ゴム部10Gは、下部構造物12と上部構造物14が、水平方向に相対変位したとき(例えばX軸方向の相対変位量がDXのとき)、下フランジ10Lと上フランジ10Uの間がDXだけ変形する(図2(B)参照)。
なお、積層ゴム10は、例えば、国土交通省免震材料認定番号:MVBR−0295(N3.G3.G5)(株式会社ブリヂストン、NRB天然ゴム系積層ゴムシリーズ)等を使用することができる。これらは、市場に広く流通している商品であり詳細な説明は省略する。
また、下部構造物12と上部構造物14との間には、弾性変形装置(弾性変形手段)16、17が設けられている。弾性変形装置16、17は、いずれも、基本的な構成は同じであり、弾性変形装置16を中心に構成を説明する。
弾性変形装置16、17は、互いに、設置方向を90度、異ならせている。
弾性変形装置16、17は、2個で一セットとして設置され、機能する。弾性変形装置16、17は、免震層42に、必要に応じて複数個(セット)が設置される。
弾性変形装置16は、剛性部材で形成された中間部材22、及び、中間部材22を間に置いて、中間部材22と所定の間隔D1をあけて、X軸方向へ対向配置された、一対の弾性部材26R、26Lで構成されている。
弾性変形装置16、17は、積層ゴム10とは別個に、独立して、積層ゴム10と並列に配置されている。
弾性変形装置16は、上部構造物14の下面14Fから、高さH2で突出された中間部材(剛性部材)22を有している。中間部材22の高さH2は、免震層42の高さH1より小さく、下部構造物12との間には、隙間が形成され、免震層42における、下部構造物12と上部構造物14との相対変位を妨げることはない。
中間部材22は、剛性部材で直方体形状に形成され、長手方向の長さがL1とされている。中間部材22は、長手方向をY軸方向に配置し、X軸と交差(直交)する側面22R、22Lを有している。
下部構造物12には、一対の弾性部材26R、26Lが、中間部材22を間において、対向配置されている。弾性部材26R、26Lは、剛性部材で直方体形状に形成された対向部材24R、24Lを有し、対向部材24R、24Lの、下部構造物12側の側面は、下部構造物12に接合されている。
対向部材24R、24Lは、長手方向の長さがL2(中間部材22の長さL1>対向部材24R、24Lの長さL2)とされている。
対向部材24R、24Lは、長手方向をY軸方向に配置し、側面を中間部材22と対向させている。対向部材24R、24Lは、高さH3に形成され、高さH3は免震層42の高さH1より小さく、下部構造物12の上面12Fとの間には、隙間が形成され、免震層42における、下部構造物12と上部構造物14との相対変位を妨げることはない。
対向部材24R、24Lの、中間部材22と対向する側面には、それぞれ複数(2個)のコイルばね(弾性部材)20が取り付けられている。
コイルばね20は、伸縮方向をX軸方向に向けて、中間部材22と対向部材24R、24Lの間に取付けられている。コイルばね20は、中間部材22側の端部が開放端とされ、中間部材22の側面22R、22Lと、それぞれ所定の間隔D1をあけて対向配置されている。
なお、コイルばね20の長さCL、外径CD、弾性特性等は、下部構造物12と上部構造物14との間の許容すべき相対変位量等で決定される。
対向部材24R、24Lと中間部材22は、それぞれの開放端側が、X軸方向へ高さH4で重なっており、コイルばね20の他端は、対向部材24R、24Lの、この重なり部分に取付けられている。
また、図3に示すように、弾性変形装置16、17の平面配置は、弾性変形装置16の中間部材22の長手方向をY軸方向に配置した場合には、弾性変形装置17の中間部材22の長手方向を、X軸方向に配置する。
これにより、X軸方向、及びY軸方向の振動等に対応するのみでなく、斜め方向の振動にも対応することができる。
即ち、図4に示すように、例えば、X軸方向へX1だけ移動し、Y軸方向へY1だけ移動する、矢印YRで示す斜め方向の振動の場合には、中間部材22の長さL1が、対向部材24R、24Lより長く形成されているので、弾性変形装置16の中間部材22が、斜め方向へ移動しても、コイルばね20と当接し、弾性変形装置17の中間部材22が、コイルばね20と当接することができる。
このように、下部構造物12と上部構造物14が、矢印YRで示される斜め方向に相対変位しても、コイルばね20と中間部材22が当接され、弾性変形機能が維持される。
また、下部構造物12と上部構造物14との間には、オイルダンパー(粘性ダンパー)18が設けられている。オイルダンパー18は、伸縮方向をX軸方向へ向けて、積層ゴム10及び弾性変形装置16と並列に設けられている。
オイルダンパー18は、例えば、ロッド29側の端部に設けられた固定部材19Rが、下部構造物12に接合され、シリンダー28側の端部に設けられた固定部材19Lが、上部構造物14に接合されている。
これにより、オイルダンパー18に、下部構造物12と上部構造物14を相対変位させる、地震時や強風等の振動エネルギーを、吸収させることができる。
なお、図示は省略するが、オイルダンパー18は、複数個が配置され、一部のオイルダンパー18は、伸縮方向をY軸方向へ向けて配置されている。
これにより、水平2方向の振動エネルギーを吸収することができる。
本構成によれば、下部構造物12と上部構造物14との相対変位量が、設定値(予め定めた間隔D1)以下の範囲(例えば、中小地震時)では、弾性変形装置16、17の中間部材22と弾性部材26R、26Lは、互いに当接しない。このため、積層ゴム10のみが弾性変形して、上部構造物14へ伝達される地震時の衝撃や振動を低減させる。
一方、例えば大地震時において、下部構造物12と上部構造物14との相対変位量が間隔D1以上になると、弾性変形装置16、17の中間部材22と、弾性部材26が当接する。相対変位量が更に増大した場合、積層ゴム10とコイルばね20が同時に弾性変形し、上部構造物14に剛性を付与する。
この結果、下部構造物12と上部構造物14との相対変位が抑制される。
本構成の効果を、図5(A)〜(D)を用いて従来の方法と対比しながら説明する。
図5(A)〜(D)において、いずれも、横軸は免震構造の変形量(免震層42の相対変位量)であり、縦軸は、免震構造に作用するせん断力である。
図5(A)は、免震構造を、全て積層ゴムで構成した場合の、一般的なせん断力−変形量特性QAを示す。本免震構造では、地震時に作用するせん断力に比例して変形量が増大し(矢印JG)、地震終了後に元の位置へ戻る弾性変形特性を有しているため(矢印JB)、せん断力−変形量特性QAは、せん断力に比例して変形量が増大する直線となる。
このため、本免震構造では、大地震時に、上部構造物と下部構造物の相対変位量が過大となるのを防止するため、別途対策が必要となる。
図5(B)は、免震構造を、積層ゴムに替えて、鉛プラグ入り積層ゴムとした場合の、一般的なせん断力−変形量特性QBを示す。鉛プラグ入り積層ゴムの場合は、地震時に鉛プラグが塑性変形するため、上部構造物と下部構造物の相対変位量は低減できる(矢印JG1、JG2)。しかし、地震後に残留変形Bが生じる(矢印JB1、JB2)。
このため、鉛プラグ入り積層ゴムを、中間免震構造の建物に採用した場合には、免震層を貫通するエレベータシャフトの復旧に手間を要する。
図5(C)は、免震構造を、積層ゴムと、積層ゴムと並列にストッパーを用いた場合の、一般的なせん断力−変形量特性QCを示す。上部構造物の変位が変形量Cを超える場合には、変形量Cの位置でストッパーにより、強制的に止める構成である(矢印JG1、JG2、JB1、JB2)。
本免震構造では、上部構造物の変位は抑制され、地震終了後には、残留変形は残らない。しかし、ストッパーが作用する変形量Cの時点において、上部構造物の応答加速度が大きくなる。
図5(D)は、本実施形態のせん断力−変形量特性QDを示している。
せん断力−変形量特性QDは、変形量Dの地点で折れ曲がった直線となっている。即ち、下部構造物と上部構造物との相対変位が少ない中小地震では、積層ゴムのみにより、上部構造物へ伝達される地震時の衝撃や振動が低減される(矢印JG1、JB1)。
一方、大地震時には、下部構造物と上部構造物との相対変位量が変形量D以上になり、積層ゴムと弾性変形手段が共に弾性変形する(矢印JG1、JG2、JB1、JB2)。
これにより、上部構造物と下部構造物の相対変形量が抑制され、地震終了後に残留変形は残らない。また、上部構造物の応答加速度が大きくなることもない。
以上説明したように、本実施形態によれば、下部構造物12と上部構造物14との相対変位量が間隔D1以下の範囲では、弾性部材26R、26Lと中間部材22は当接せず、積層ゴム10のみが弾性変形して、上部構造物14へ伝達される、地震時の衝撃や振動等を低減させる。
一方、下部構造物12と上部構造物14との相対変位量が間隔D1以上になると、弾性部材26R、26Lと中間部材22が当接し、弾性部材26が弾性変形する。
この結果、弾性変形装置16、17と積層ゴム10の両者が弾性変形し、上部構造物14に剛性を付与し、上部構造物14と下部構造物12との相対変位量を小さくする。
即ち、上部構造物14を支持する積層ゴム10と当接せずに、中小地震から大地震まで、連続して弾性変形できる免震構造を提供することができる。
なお、本実施形態では、上部構造物14に中間部材22を固定し、下部構造物12に弾性部材26R、26Lを固定する構成について説明した。しかし、これに限定されることはなく、下部構造物12に中間部材22を固定し、上部構造物14に弾性部材26R、26Lを固定する構成でもよい。
また、本実施形態の弾性変形装置16は、コイルばね20を、対向部材24R、24Lの側面に取付ける構成で説明した。しかし、これに限定されることはなく、図6(A)に示す弾性変形装置66のように、コイルばね20を中間部材22の両側面に取付け、コイルばね20の開放端と対向部材24R、24Lの側面との間に、所定の間隔D1を設ける構成としてもよい。
また、図6(B)に示す弾性変形装置68のように、コイルばね20の一部は、コイルばね20の一端を対向部材24R、24Lの側面に取付け、他端を中間部材22に向けて開放端とし、コイルばね20の残りは、コイルばね20の一端を中間部材22の両側面に取付け、他端を対向部材24R、24Lに向けて開放端とする構成でもよい。
また、本実施形態では、弾性変形装置16の中間部材22をY軸方向へ固定し、弾性変形装置17の中間部材22をX軸方向へ固定する構成とした。しかし、これに限定されることはなく、図6(C)に示す弾性変形装置70のように、中間部材62を、平面視で矩形状とし、4個の弾性部材26R、26L、26U、26Dを、中間部材62の外周面と所定の間隔D1をあけて、中間部材62の四周に配置する構成でもよい。
このとき、中間部材62は、必要に応じて中央部に開口部74を設けてもよい。
他の変形例として、図6(D)に示す弾性変形装置72のように、中間部材64を平面視で十字状に形成し、周囲の4か所の凹部に、4個の弾性部材27R、27L、27M、27Hを、それぞれ設置し、中間部材64の外周面と、弾性部材27R、27L、27M、27Hとの間に、所定の間隔D1をあける構成でもよい。
また、本実施形態では、粘性ダンパーの例として、オイルダンパー18を用いて振動エネルギーを減衰させる構成について説明した。しかし、これに限定されることはなく、粘弾性ダンパー等、他の粘性ダンパーを用いてもよい。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態に係る免震構造について、図7(A)、(B)を用いて説明する。第2実施形態に係る免震構造は、弾性変形装置30の弾性部材32を、鉛直方向(Z軸方向)へ配置した点において、第1実施形態と相違する。相違点を中心に説明する。
ここで、図7(A)は、免震構造の正面図を示し、(B)は、その変形例の断面図を示している。
図7(A)に示すように、弾性変形装置30は、下部構造物12と上部構造物14の間の免震層42に、所定の間隔で複数個が設けられている。弾性変形装置30は、第1実施形態の弾性変形装置16、17と異なり、それぞれが別個に独立して、免震機能を発揮する。
弾性変形装置30は、下部構造物12に取付けられて弾性変形する弾性部材32を有している。弾性部材32は、例えば、高強度鋼材等の弾性部材で柱状に形成され、上端部は開放端とされ、上部構造物14との間に所定の隙間をあけて配置されている。弾性部材32の下端部は、フランジ44で下部構造物12と接合されている。
弾性部材32の上部の周囲には、筒体(剛性部材)34が設けられている。
筒体34は、鉄筋コンクリート等の剛性部材で形成され、弾性部材32の外周部と所定の間隔D2をあけて、弾性部材32を囲んでいる。即ち、弾性部材32と筒体34が、間隔をあけて対向配置されている。筒体34の上端部は、上部構造物14の下面と接合され、下端部は開放端とされ、下部構造物12との間に所定の隙間が設けられている。
本構成によれば、下部構造物12と上部構造物14との相対変位量が、設定値(予め定めた間隔D2)以下の範囲では、弾性変形装置30の筒体34と弾性部材32は当接せず、積層ゴム10のみが弾性変形して、上部構造物14へ伝達される地震時の衝撃や振動を低減させる。
一方、下部構造物12と上部構造物14との相対変位量が間隔D2以上の場合には、弾性部材32と筒体34が当接する。これにより、弾性部材32が筒体34に押圧されてX軸方向へ弾性変形し、上部構造物14に剛性を付与する。この結果、上部構造物14と下部構造物12との相対変位量を小さくすることができる。
この結果、上部構造物14を支持する積層ゴム10とは当接せず、中小地震から大地震まで、連続して弾性変形できる免震構造を提供することができる。
なお、本実施形態においては、弾性部材32が、下部構造物12に取付けられ、筒体34が上部構造物14に設けられた構成について説明した。しかし、これに限定されることはなく、弾性部材32が上部構造物14に取付けられ、筒体34が下部構造物12に設けられた構成でもよい。
他の構成は、第1実施形態と同じであり説明は省略する。
図7(B)に、本実施形態の変形例を示す。
変形例の弾性変形装置46は、弾性部材40を、芯材38と、芯材38を包むゴム部材39で構成した点において、弾性変形装置30と相違する。
芯材38は剛性部材で形成され、下端部が下部構造物12に接合され、上端部が開放端とされている。芯材38の上端部は開放端とされ、上部構造物14と所定の隙間を開けて設置されている。芯材38の外周面には、ゴム部材39が、厚さTで全周囲を囲む構成で接合されている。
筒体34は、ゴム部材39の外周面を、所定の間隔D2をあけて囲んでいる。
本構成とすることにより、下部構造物12と上部構造物14との相対変位量が、間隔D2以下の範囲では、弾性変形装置46の筒体34と、弾性部材40は当接せず、積層ゴム10のみが弾性変形して、上部構造物へ伝達される地震時の衝撃や振動を低減させる。
一方、下部構造物12と上部構造物14との相対変位量が、間隔D2以上になると、弾性部材40と筒体34が当接する。これにより、弾性部材40のゴム部材39が筒体34に押圧されて弾性変形し、上部構造物14に剛性を付与する。この結果、上部構造物14と下部構造物12との相対変位量を小さくすることができる。
他の構成は、第2実施形態と同じであり説明は省略する。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態に係る免震構造について、図8(A)〜(C)を用いて説明する。第3実施形態に係る免震構造は、弾性変形装置50の弾性部材54の一部に、積層ゴム48を採用した点において、第2実施形態と相違する。相違点を中心に説明する。
ここで、図8(A)は、弾性変形装置50の正面図を示し、(B)は、そのZ1−Z1線断面図を示し、(C)は、変形例を示す正面図である。
図8(A)、(B)に示すように、弾性部材54は、下部構造物12の上面12Fに積層ゴム48を設置し、積層ゴム48の上に当接部材52を取付けた構成である。
当接部材52は剛性部材で形成され、下端部は積層ゴム48の上フランジ48Fに接合されている。また、当接部材52の上端部は開放端とされ、上部構造物14の下面と所定の隙間をあけている。また、上部構造物14に取付けられた筒体34は、当接部材52と間隔D3をあけて当接部材52を囲んでいる。即ち、当接部材52と筒体34が、間隔をあけて対向配置されている。
本構成とすることにより、下部構造物12と上部構造物14との相対変位量が、設定値(予め定めた間隔D3)以下の範囲では、弾性変形装置50の筒体34と弾性部材54は当接せず、積層ゴム10のみが弾性変形し、上部構造物14へ伝達される地震時の衝撃や振動を低減させる。
一方、下部構造物12と上部構造物14との相対変位量が間隔D3以上になると、弾性部材54と筒体34が当接する。これにより、筒体34に押圧されて、弾性部材54の積層ゴム48が弾性変形し、上部構造物14に剛性を付与する。この結果、上部構造物14と、下部構造物12との相対変位量を小さくすることができる。
即ち、上部構造物14を支持する積層ゴム10とは当接せず、中小地震から大地震まで、連続して弾性変形できる免震構造を提供することができる。
他の構成は、第2実施形態と同じであり説明は省略する。
図8(C)に、本実施形態の変形例を示す。
変形例の弾性変形装置58は、弾性部材が積層ゴム56だけである点において、本実施形態と相違する。
即ち、積層ゴム56の上に当接部材52は取付けられず、積層ゴム56の上フランジ56Fの周囲を、筒体34が、所定の間隔D4をあけて囲む構成である。即ち、上フランジ56Fと筒体34が、間隔をあけて対向配置されている。
これにより、下部構造物12と上部構造物14との相対変位量が、間隔D4以下の範囲では、積層ゴム56と筒体34は当接せず、図示しない積層ゴム10のみが弾性変形して、上部構造物14へ伝達される地震時の衝撃や振動を低減させる。
一方、下部構造物12と上部構造物14との相対変位量が設定値(予め定めた間隔D4)以上になると、積層ゴム56の上フランジ56Fと筒体34が当接する。これにより、上フランジ56Fが筒体34に押圧され、積層ゴム56のゴム部56Gが弾性変形し、上部構造物14に剛性を付与する。
これにより、上部構造物14と下部構造物12との相対変位量を小さくすることができる。
この結果、上部構造物14を支持する積層ゴム10とは当接せず、中小地震から大地震まで、連続して弾性変形できる免震構造を提供することができる。
他の構成は、第3実施形態と同じであり説明は省略する。
10 積層ゴム
12 下部構造物
14 上部構造物
16、17、30、46、50、58、66、68、70、72 弾性変形装置(弾性変形手段)
18 オイルダンパー(粘性ダンパー)
20 コイルばね(弾性部材、弾性変形装置、弾性変形手段)
22、62、64 中間部材(剛性部材、弾性変形装置、弾性変形手段)
24 対向部材(弾性部材、弾性変形装置、弾性変形手段)
26R、26L、32、40、54、56 弾性部材(弾性変形装置、弾性変形手段)
34 筒体(剛性部材、弾性変形装置、弾性変形手段)
38 芯材(弾性部材、弾性変形装置、弾性変形手段)
39 ゴム部材(弾性部材、弾性変形装置、弾性変形手段)
48、56 積層ゴム(弾性部材、弾性変形装置、弾性変形手段)
D1、D2、D3、D4 所定の間隔(設定値)

Claims (2)

  1. 下部構造物と上部構造物との間に設けられ、前記上部構造物を支持する積層ゴムと、
    前記積層ゴムとは別個に、前記積層ゴムと並列に、前記下部構造物と前記上部構造物との間に配置され、前記下部構造物と前記上部構造物との相対変位量が、設定値に達するまでは互いに当接せず、設定値以上になると互いに当接して、前記上部構造物に剛性を付与する弾性変形手段と、
    前記下部構造物と前記上部構造物との間に、前記積層ゴム及び前記弾性変形手段と並列に設けられ、振動エネルギーを吸収する粘性ダンパーと、
    を有する免震構造。
  2. 前記弾性変形手段は、
    前記下部構造物又は前記上部構造物の一方に取付けられた弾性部材と、
    前記下部構造物又は前記上部構造物の他方に設けられ、前記弾性部材と間隔をあけて設置された剛性部材と、
    を有する請求項1に記載の免震構造。
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