JP2016196447A - 発蛍光性化合物又はその塩、イオン性化合物の検出剤及びイオン性化合物の検出方法 - Google Patents

発蛍光性化合物又はその塩、イオン性化合物の検出剤及びイオン性化合物の検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】凝集誘起発光を示す新たな発蛍光性化合物又はその塩を提供する。また、イオン性化合物の検出剤を提供する。【解決手段】下記式(1)で表される発蛍光性化合物又はその塩、及びイオン性化合物の検出剤。[化1]【選択図】なし

Description

本発明は、発蛍光性化合物又はその塩、イオン性化合物の検出剤及びイオン性化合物の検出方法に関する。
例えば、臨床検査や新薬の開発等における各種生体分子の分析や、河川、水道水、工業用水等の環境水中におけるイオン性化合物の定量・半定量分析等、生体中や環境中において、特定化合物を高感度に微量分析する需要がある。
特定化合物を高感度に微量分析する手段として蛍光分析が用いられており、また、そのための発蛍光性化合物も案出されている。
例えば、シグナル伝達系における情報伝達の制御等生体内で重要な役割を果たすリン酸イオン(リン酸基)を分析するための発蛍光性化合物としては、ルテニウム−ビピリジルポリアザ化合物等が提案されている(例えば、特許文献1及び非特許文献1を参照。)。
また、糖尿病の診断マーカーとして知られているグルコースをはじめとする糖を検出・測定するための発蛍光性化合物として、フェニルボロン酸構造を含有する各種の化合物が案出されている(例えば、特許文献2〜4を参照。)。
また、生体内の多くの酸化還元反応において補酵素として機能するNAD/NADH及びNADP/NADPHは、酸化還元反応の生成物や酵素活性を調べる等の目的に利用され、例えば、NADHの蛍光が測定されることがある(例えば、特許文献5を参照。)。
上に例示したような特定化合物を検出・測定する従来の発蛍光性化合物の多くは、溶液中の被検出物質の濃度に応じて、その蛍光強度が漸次変化することに基づくものであり、低濃度域では蛍光が無く、一方、高濃度になると凝集体を形成して発光しなくなる(消光する)ことがあることが知られている。
これに対して、最近、凝集にともなって蛍光が増大する凝集誘起発光(Aggregation−induced emission:AIE)という現象が見出されている(例えば、非特許文献2及び3を参照。)。このAIEを利用すれば、これまでにない新しい方式の蛍光分析ができるものと期待されているが、AIEを示す発蛍光性化合物の例はきわめて少ない。
特許第4138331号公報 特許第2799837号公報 特許第2883824号公報 特許第2889476号公報 特開平2−265500号公報
Beer P. D. and Gale P. A., Anion Recognition and Sensing: The State of the Art and Future Perspectives., Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 40(3), 486-516, 2001. Hong Y., et al., Aggregation-induced emission., Chem. Soc. Rev. 40(11), 5361-5388, 2011. Wu J., et al., New sensing mechanisms for design of fluorescent chemosensors emerging in recent years., Chem. Soc. Rev., 40(7), 3483-3495, 2011.
そこで、本発明は、凝集誘起発光(AIE)を示す新たな発蛍光性化合物を提供することを目的とする。本発明はまた、イオン性化合物の検出剤を提供することを目的とする。
本発明は以下の通りである。
[1]下記式(1)で表される発蛍光性化合物又はその塩。
[式(1)中、Rはそれぞれ独立に、水素原子又はシアノ基、ハロゲン原子若しくはフェニル基を表し、Rはそれぞれ独立に、存在しないか又はハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基、アミノ基若しくは炭素数1〜3のアルコキシ基を表し、Rはそれぞれ独立に、存在しないか又は−O−、−S−、−NH−、−CO−若しくは−CONH−で中断されていてもよい炭素数1〜20のアルキレン基を表し、Xはそれぞれ独立に、存在しないか又はカチオン性基若しくはアニオン性基を表し、Rはそれぞれ独立に、存在しないか又は−O−、−S−、−NH−、−CO−、−CONH−で中断されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基若しくは炭素数1〜20のアルコール基若しくは−N(R(ここで、Rはそれぞれ独立に、水素原子又は−O−、−S−、−NH−、−CO−、−CONH−で中断されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基を表す。)を表す。pはそれぞれ独立に0〜4の整数を表し、qはそれぞれ独立に1〜5の整数を表し、少なくとも1つのXはカチオン性基又はアニオン性基である。]
[2]下記式(P1)で表される、[1]に記載の発蛍光性化合物又はその塩。
[式(1)中、Rはそれぞれ独立に、水素原子又はシアノ基、ハロゲン原子若しくはフェニル基を表し、Rはそれぞれ独立に、存在しないか又はハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基、アミノ基若しくはアルコキシ基を表し、Rはそれぞれ独立に−O−、−S−、−NH−、−CO−又は−CONH−で中断されていてもよい炭素数1〜10のアルキレン基を表し、Xはカチオン性基又はアニオン性基を表し、Rはそれぞれ独立に、存在しないか又は−O−、−S−、−NH−、−CO−、−CONH−で中断されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基、アルコール基若しくはエチレンオキシド基を表す。pはそれぞれ独立に0〜4の整数を表し、qはそれぞれ独立に1〜5の整数を表す。]
[3][1]又は[2]に記載の発蛍光性化合物又はその塩を有効成分とする、イオン性化合物の検出剤。
[4]前記式(1)又は前記式(P1)におけるXがカチオン性基であり、前記イオン性化合物がアニオン性化合物である、[3]に記載のイオン性化合物の検出剤。
[5]溶媒と、被検試料と、[1]又は[2]に記載の発蛍光性化合物又はその塩とを含む混合液を調製する工程と、前記混合液の蛍光を検出する工程と、を備える、被検試料中のイオン性化合物の検出方法。
本発明により、凝集誘起発光(AIE)を示す新たな発蛍光性化合物を提供することができる。また、イオン性化合物の検出剤を提供することができる。
(a)は実験例7の結果を示す写真である。(b)は実験例7の結果を示すグラフである。 (a)及び(c)は実験例8の結果を示すグラフである。(b)及び(d)は実験例8の結果を示す写真である。 (a)及び(b)は、実験例9の結果を示すグラフである。 (a)及び(b)は、実験例10の結果を示すグラフである。 実験例11の結果を示すグラフである。 実験例11の結果を示すグラフである。 (a)は実験例12の結果を示すグラフ及び写真である。(b)は実験例12の結果を示すグラフである。 (a)は実験例13の結果を示すグラフ及び写真である。(b)は実験例13の結果を示すグラフである。 (a)は実験例14の結果を示すグラフ及び写真である。(b)は実験例14の結果を示すグラフである。 (a)及び(b)は、実験例15の結果を示す写真である。 実験例16の結果を示すグラフである。 (a)は実験例17の結果を示す写真である。(b)は実験例17の結果を示すグラフである。 (a)は実験例18の結果を示す写真である。(b)は実験例18の結果を示すグラフである。 (a)は実験例19の結果を示す写真である。(b)は実験例19の結果を示すグラフである。 (a)及び(b)は、実験例20の結果を示すグラフである。 (a)はJ−会合体の模式図である。(b)はH−会合体の模式図である。 (a)は実験例21の結果を示す写真である。(b)は実験例21の結果を示すグラフである。 (a)は実験例22の結果を示す写真である。(b)及び(c)は実験例22の結果を示すグラフである。
[発蛍光性化合物]
1実施形態において、本発明は、下記式(1)で表される発蛍光性化合物又はその塩を提供する。
式(1)中、Rはそれぞれ独立に、水素原子又はシアノ基、ハロゲン原子若しくはフェニル基を表し、Rはそれぞれ独立に、存在しないか又はハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基、アミノ基若しくは炭素数1〜3のアルコキシ基を表し、Rはそれぞれ独立に、存在しないか又は−O−、−S−、−NH−、−CO−若しくは−CONH−で中断されていてもよい炭素数1〜20のアルキレン基を表し、Xはそれぞれ独立に、存在しないか又はカチオン性基若しくはアニオン性基を表し、Rはそれぞれ独立に、存在しないか又は−O−、−S−、−NH−、−CO−、−CONH−で中断されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基若しくは炭素数1〜20のアルコール基若しくは−N(R(ここで、Rはそれぞれ独立に、水素原子又は−O−、−S−、−NH−、−CO−、−CONH−で中断されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基を表す。)を表す。pはそれぞれ独立に0〜4の整数を表し、qはそれぞれ独立に1〜5の整数を表し、少なくとも1つのXはカチオン性基又はアニオン性基である。
式(1)中、Rで表されるアルキレン基は分岐鎖を有していてもよい。また、当該分岐鎖の炭素数は1〜10であってもよい。分岐鎖としては、アミノ酸の側鎖に由来する基が挙げられ、例えば、メチル基、ベンジル基等が挙げられる。
後述する実施例で示すように、本実施形態の発蛍光性化合物又はその塩は、イオン性化合物の存在下で凝集誘起発光(AIE)を示し、イオン性化合物の非存在下では蛍光を発しない。
本実施形態の発蛍光性化合物又はその塩において、上記式(1)におけるXがカチオン性基である場合、アニオン性化合物の存在下でAIEを示し、蛍光を発する。また、上記式(1)におけるXがアニオン性基である場合、カチオン性化合物の存在下でAIEを示し、蛍光を発する。
上記のカチオン性基としては、例えば下記式(2)〜(4)で表される基が挙げられる。
また、上記のアニオン性基としては、例えばリン酸基、カルボン酸基、硫酸基等が挙げられる。
本実施形態の発蛍光性化合物又はその塩において、上記式(1)で表されるRはシアノ基であることが好ましい。また、上記式(1)で表されるRは存在しないことが好ましい。また、上記式(1)で表されるXはカチオン性基であることが好ましい。また、上記式(1)で表されるqは1〜3であることが好ましく、1であることがより好ましい。
本実施形態の発蛍光性化合物の塩の種類は、本発明の効果が得られる限り特に限定されない。具体的には、上記式(1)におけるXがカチオン性基である場合には、例えば、硫酸、硝酸等の無機酸との塩、例えば塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子との塩、例えば酢酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、グルコン酸、プロピオン酸、パントテン酸等の有機酸との塩等が挙げられる。また、上記式(1)におけるXがアニオン性基である場合には、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属等の金属との塩、アンモニアとの塩、テトラブチルアンモニウム等の有機アミン若しくは有機アンモニウムとの塩等が挙げられる。
[イオン性化合物の検出剤]
1実施形態において、本発明は、上述した発蛍光性化合物又はその塩を有効成分とする、イオン性化合物の検出剤を提供する。
後述する実施例で示すように、上述した発蛍光性化合物又はその塩は、イオン性化合物の存在下で蛍光を発し、イオン性化合物の非存在下では蛍光を発しない。したがって、本実施形態の検出剤を用いることにより、生体由来試料や環境由来試料中におけるイオン性化合物を検出することができる。
本実施形態の検出剤が検出することができるイオン性化合物としては、アニオン性化合物又はカチオン性化合物が挙げられる。
アニオン性化合物としては、例えば、モノカルボン酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸、ポリカルボン酸(フミン酸等)等のカルボン酸系化合物;リン酸、オリゴリン酸、ポリリン酸等のリン酸系化合物;オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、デオキシリボ核酸、リボ核酸、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(酸化型(NADP)又は還元型(NADPH))、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(酸化型(NAD)又は還元型(NADH))等のヌクレオチド類;ヘパリン、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸等のアニオン性の多糖類;アニオン性ペプチド、プロテイン等が挙げられる。
一方、カチオン性化合物としては、例えば、ナトリウムイオン、カルシウムイオン等の金属イオン;ポリアミン等のアミン系化合物;カチオン性ペプチド、プロテイン等が挙げられる。
実施例において後述するように、例えば、上記式(1)で表されるXがカチオン性基である発蛍光性化合物又はその塩を用いることにより、ジカルボン酸、ヌクレオチド、アニオン性多糖類等のアニオン性化合物の検出を行うことができる。
例えば、ジカルボン酸は、クエン酸回路等の代謝経路において生成される中間体でもある。代謝の機能不全により増加した体内ジカルボン酸は、最終的に尿中に排泄される。したがって、尿中の高濃度ジカルボン酸群は、代謝疾患のマーカーとなり、この高濃度ジカルボン酸群をターンオン又はスイッチオン式に検出する発蛍光性化合物(蛍光プローブ、蛍光センサ)を代謝疾患のスクリーニング検査に利用することにより、検査を簡略化することができる。
本明細書において、ターンオン式とは、発蛍光性化合物が、検出対象化合物の濃度依存的に、無蛍光又は無視できるほど微弱な蛍光を発する状態から、発蛍光状態に直線的に切り替わることを意味する。また、スイッチオン式とは、発蛍光性化合物が、検出対象化合物の濃度が所定の閾値以上になった場合に、無蛍光又は無視できるほど微弱な蛍光を発する状態から、発蛍光状態に切り替わることを意味する。
[イオン性化合物の検出方法]
1実施形態において、本発明は、溶媒と、被検試料と、上述した発蛍光性化合物又はその塩とを含む混合液を調製する工程と、前記混合液の蛍光を検出する工程と、を備える、被検試料中のイオン性化合物の検出方法を提供する。
本実施形態の検出方法において、溶媒は、被検試料に由来する液体であってもよく、発蛍光性化合物又はその塩を溶解した液体であってもよく、被検試料、発蛍光性化合物又は蛍光性化合物の塩とは別に用意された液体であってもよい。
また、上記の混合液は、pH緩衝作用を有していることが好ましい。溶媒のpHは目的に応じて適宜調整すればよく、例えば中性であってもよく、例えば酸性であってもよく、例えば塩基性であってもよい。
被検試料としては、特に制限されず、血液、血漿、血清、尿、生体由来組織、培養細胞、培養微生物、培養細胞又は培養微生物の培地等の生体試料;河川から採取された水、水道水、工業用水等の試料等が挙げられる。また、検出対象とするイオン性化合物としては上述したものが挙げられる。
蛍光の検出は、具体的には、上記の混合液に励起光を照射し、発生する蛍光を検出することにより行うことができる。混合液の蛍光の検出は、例えば肉眼で行ってもよいし、例えば分光光度計を用いた測定により行ってもよい。蛍光を肉眼で検出する場合には、例えば、UVハンディーランプ等を光源として励起光の照射を行ってもよい。
実施例において後述するように、例えば、被検試料の非存在下における、発蛍光性化合物又はその塩の蛍光強度と比較して、被検試料の存在下における、発蛍光性化合物又はその塩の蛍光強度が上昇した場合には、被検試料中にイオン性化合物が存在すると判断することができる。また、蛍光強度の上昇の程度により、イオン性化合物の濃度を定量することもできる。
あるいは、実施例において後述するように、被検試料の存在下における、発蛍光性化合物又はその塩の分光学的特徴が、被検試料の非存在下における、発蛍光性化合物又はその塩の分光学的特徴から変化した場合に、被検試料中にイオン性化合物が存在すると判断することができる。分光学的特徴の変化としては、例えば、蛍光波長の変化、吸光特性の変化等が挙げられる。分光学的特徴の変化の検出は、例えば肉眼で行ってもよいし、例えば分光光度計を用いた測定により行ってもよい。
また、実施例において後述するように、分光学的特徴の変化に基づいて、被検試料中のイオン性化合物の種類を特定することもできる。
次に実験例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実験例に限定されるものではない。
[実験例1]
下記合成スキーム1にしたがって、実施例1の発蛍光性化合物(以下、「OPV−G」という場合がある。)を合成した。
(化合物2の合成)
2−(2−aminoethoxy)ethanol1(16.0g,152mmol)を乾燥ジクロロメタン(120mL)に溶解し、それにBocO(33.2g,150mmol)を加えた。反応混合物を室温で3時間撹拌した後、溶媒を減圧留去した。粗製物はシリカゲルカラムクロマトグラフで精製し、無色オイル状物として化合物2を25.6g得た。収率82%。
H NMR(300MHz,CDCl):δ4.92(br−s,1H),3.74(m,2H),3.56(m,2H),3.34(m,2H),2.14(s,1H),1.45(s,9H).
(化合物3の合成)
化合物2(25.6g,125mmol)及び四臭化炭素(41.4g,125mmol)を乾燥ジクロロメタン(200mL)に溶解し、それにトリフェニルホスフィン(32.8g,125mmol)を加えた。反応混合物を室温で22時間撹拌した後、溶媒を減圧留去した。粗製物はシリカゲルカラムクロマトグラフで精製し、無色固体として化合物3を28.6g得た。収率85%。
H NMR(300MHz,CDCl):δ4.91(br−s,1H),3.76(m,2H),3.55(m,2H),3.47(m,2H),3.33(m,2H),1.45(s,9H).
(化合物4の合成)
p−ヒドロキシベンズアルデヒド(1.82g,14.9mmol)、炭酸カリウム(4.12g,29.8mmol)及び化合物3(4.00g,14.9mmol)を乾燥DMF(20mL)に懸濁させ、65℃で6時間加熱した。室温まで放冷したのち、酢酸エチル(200mL)を加え、水、飽和食塩水の順に洗浄した。有機相は無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ液を減圧濃縮した。粗製物はシリカゲルカラムクロマトグラフで精製し、無色オイル状物として化合物4を3.97g得た。収率86%。
H NMR(300MHz,CDCl):δ9.89(s,1H),7.84(d,J=8.9Hz,2H),7.04(d,J=8.9Hz,2H),4.96(br−s,1H),4.21(m,2H),3.86(m,2H),3.62(t,J=5.2Hz,2H),3.35(q,J=5.2Hz,2H),1.44(s,9H).
(化合物5の合成)
化合物4(3.97g,12.8mmol)及びxylylene dicyanide(1.00g,6.42mmol)を乾燥エタノール(50mL)に溶解した。そこにBuNOH(40% in water)を5滴加え、3時間加熱還流した。得られた沈殿物を回収し、エタノールで洗浄し、黄色固体として化合物5を4.28g得た。収率90%。
H NMR(300MHz,CDCl):δ7.92(d,J=8.9Hz,4H),7.72(s,4H),7.52(s,2H),7.02(d,J=8.9Hz,4H),4.96(s,2H),4.20(m,4H),3.86(m,4H),3.63(t,J=5.1Hz,4H),3.36(q,J=5.1Hz,4H),1.45(s,18H).
(化合物6の合成)
化合物5(3.0g,4.06mmol)を乾燥ジクロロメタン(15mL)に懸濁させ、それにトリフルオロ酢酸(10mL,130mmol)を加えた。反応混合物を室温で21時間撹拌した後、乾燥ジエチルエーテルを加え、黄色固体として化合物6を2.99g得た。収率96%。
H NMR(300MHz,DMSO−d):δ8.09(s,2H),8.00(d,J=9.0Hz,4H),7.87(s,4H),7.84(s,6H),7.16(d,J=9.0Hz,4H),4.25(m,4H),3.84(m,4H),3.68(t,J=5.2Hz,4H),3.03(t,J=5.2Hz,4H).
(化合物7の合成)
化合物6(1.53g,2.00mmol)を乾燥ジクロロメタン(25mL)に溶解し、それにトリエチルアミン(0.61mL,4.40mmol)及び1−H−pyrazole−1−(N,N’−bis(tert−butyloxycarbonyl))carboxamidine(1.86g,6.00mmol)を加えた。反応混合物を室温で3日間撹拌した。その後、クロロホルム(100mL)を加え、水、飽和食塩水の順に洗浄した。有機相は無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ液を減圧濃縮した。粗製物はシリカゲルカラムクロマトグラフで精製し、黄色固体として化合物7を1.40g得た。収率68%。
H NMR(300MHz,CDCl):δ11.49(s,2H),8.69(br−s,2H),7.91(d,J=8.9Hz,4H),7.72(s,4H),7.52(s,2H),7.03(d,J=8.9Hz,4H),4.22(m,4H),3.89(m,4H),3.70(m,8H),1.51(s,18H),1.49(s,18H).
(OPV−G(実施例1)の合成)
化合物7(1.27g,1.24mmol)を乾燥ジクロロメタン(15mL)に懸濁させ、それにトリフルオロ酢酸(5.0mL,65.0mmol)を加えた。反応混合物を室温で17時間撹拌した後、乾燥ジエチルエーテルを加え、黄色固体としてOPV−Gを1.00g得た。収率95%。
H NMR(300MHz,DMSO−d):δ8.09(s,2H),8.00(d,J=8.9Hz,4H),7.87(s,4H),7.60(s,2H),7.15(d,J=8.9Hz,4H),4.23(m,4H),3.82(m,4H),3.59(t,J=5.2Hz,4H),3.32(t,J=5.2Hz,4H).
MS(MALDI):m/z=623.37([M−H−2CFCOO).
calcd(%)for C3840(OPV−G):C53.65,H4.74,N13.17;found:C53.51,H4.82,N13.11.
[実験例2]
下記合成スキーム2にしたがって、実施例2〜7の発蛍光性化合物を合成した。以下、実施例2〜7の化合物を、それぞれ「OPV−A」(実施例2)、「OPV−ImMe」(実施例3)、「OPV−ImC2OMe」(実施例4)、「OPV−ImC2OH」(実施例5)、「OPV−ImDEO」(実施例6)、「OPV−ImTEO」(実施例7)という場合がある。
(化合物8の合成)
p−ヒドロキシベンズアルデヒド(4.69g,38.4mmol)及びxylylenedicyanide(3.00g,19.2mmol)を乾燥エタノール(50mL)に溶解した。そこに酢酸(3.0mL)及びピペリジン(5.0mL)を加え、20時間加熱還流した。得られた沈殿物を回収した後、エタノールで洗浄し、黄色固体として化合物8を5.84g得た。収率83%。
(化合物9の合成)
化合物8(2.00g,5.49mmol)、炭酸カリウム(3.00g,21.7mmol)及び1,1’−Oxybis(2−bromoethane)(12.8g,55.2mmol)を乾燥アセトン(50mL)に懸濁させ、65℃で6時間加熱還流した。室温まで放冷した後、固形物をろ別し、ろ液を減圧濃縮した。粗製物はシリカゲルカラムクロマトグラフで精製し、黄色固体として化合物9を1.57g得た。収率43%。
H NMR(400MHz,CDCl):δ7.91(d,J=9.0Hz,4H),7.72(s,4H),7.52(s,2H),7.02(d,J=9.0Hz,4H),4.22(m,4H),3.93−3.89(m,8H),3.51(t,J=6.4Hz,4H).
(OPV−A、OPV−ImMe、OPV−ImC2OMe、OPV−ImC2OH、OPV−ImDEO、OPV−ImTEOの合成)
化合物9(350mg,0.53mmol)をアセトニトリル‐エタノール(2:1、v/v)の混合溶媒(15mL)に溶解し、それに10等量のアミン化合物あるいはイミダゾール化合物を加えた。反応混合物は24時間加熱還流した。室温まで放冷した後、析出した固体をろ取し、黄色固体を得た。収率44〜84%。
《OPV−A(実施例2)》
H NMR(400MHz,DMSO−d):δ8.09(s,2H),7.99(d,J=9.0Hz,4H),7.87(s,4H),7.15(d,J=9.0Hz,4H),5.27(t,J=5.0Hz,2H),4.25(m,4H),3.94(br−s,4H),3.84(br−t,8H),3.63(m,4H),3.48(m,4H),3.13(s,12H).
calcd(%)forC4052Br(OPV−A):C56.88,H6.21,N6.63;found:C56.62,H6.18,N6.62.
《OPV−ImMe(実施例3)》
H NMR(400MHz,DMSO−d):δ9.09(s,2H),8.09(s,2H),7.99(d,J=9.0Hz,4H),7.87(s,4H),7.75(t,J=1.8Hz,2H),7.70(t,J=1.8Hz,2H),7.12(d,J=9.0Hz,4H),4.39(t,J=5.0Hz,4H),4.20(m,4H),3.86(t,J=5.0Hz,4H),3.84(s,6H),3.81(m,4H).
calcd(%)forC4042Br(OPV−ImMe):C57.84,H5.10,N10.12;found:C57.94,H5.13,N10.04.
《OPV−ImC2OMe(実施例4)》
H NMR(400MHz,DMSO−d):δ9.14(s,2H),8.09(s,2H),7.99(d,J=9.2Hz,4H),7.87(s,4H),7.77(t,J=1.8Hz,2H),7.76(t,J=1.8Hz,2H),7.12(d,J=9.2Hz,4H),4.42(t,J=5.2Hz,4H),4.36(t,J=5.0Hz,4H),4.19(m,4H),3.87(t,J=5.2Hz,4H),3.81(m,4H),3.68(t,J=5.0Hz,4H),3.25(s,6H).
calcd(%)forC4450Br(OPV−ImC2OMe):C57.52,H5.49,N9.15;found:C57.32,H5.44,N9.12.
《OPV−ImC2OH(実施例5)》
H NMR(400MHz,DMSO−d):δ9.13(s,2H),8.09(s,2H),7.99(d,J=9.2Hz,4H),7.87(s,4H),7.76(t,J=1.8Hz,2H),7.75(t,J=1.8Hz,2H),7.12(d,J=9.2Hz,4H),5.18(t,J=5.3Hz,2H),4.42(t,J=5.2Hz,4H),4.23−4.19(m,8H),3.87(t,J=5.2Hz,4H),3.82(m,4H),3.72(q,J=5.3Hz,4H).
calcd(%)forC4246Br(OPV−ImC2OH):C56.64,H5.21,N9.44;found:C56.66,H5.24,N9.42.
《OPV−ImDEO(実施例6)》
H NMR(400MHz,DMSO−d):δ9.12(s,2H),8.08(s,2H),7.99(d,J=8.8Hz,4H),7.87(s,4H),7.77(t,J=1.8Hz,2H),7.75(t,J=1.8Hz,2H),7.12(d,J=8.8Hz,4H),4.42(t,J=5.0Hz,4H),4.35(t,J=5.0Hz,4H),4.19(m,4H),3.87(t,J=5.0Hz,4H),3.81(m,4H),3.76(t,J=5.0Hz,4H),3.53(m,4H),3.40(m,4H),3.21(s,6H).
calcd(%)forC4858Br(OPV−ImDEO):C57.26,H5.81,N8.35;found:C57.22,H5.87,N8.21.
《OPV−ImTEO(実施例7)》
H NMR(400MHz,DMSO−d):δ9.13(s,2H),8.08(s,2H),7.99(d,J=9.0Hz,4H),7.87(s,4H),7.77(t,J=1.8Hz,2H),7.76(t,J=1.8Hz,2H),7.12(d,J=9.0Hz,4H),4.39(t,J=5.0Hz,4H),3.77(t,J=5.0Hz,4H),3.55−3.53(m,4H),3.49−3.45(m,8H),3.42−3.40(m,4H),3.23(s,6H).
[実験例3]
下記合成スキーム3にしたがって、化合物10a、10b及び10cを出発材料として、それぞれ実施例8〜10の発蛍光性化合物を合成した。スキーム3中、「*」は結合手を表す。以下、実施例8〜10の化合物を、それぞれ「G2」(実施例8)、「G4」(実施例9)、「G6」(実施例10)という場合がある。各化合物の合成手順は、上述した合成スキーム1と同様であった。より具体的には、化合物10aから11a、12a、13aを経てG2(実施例8)を得た。また、化合物10bから11b、12b、13bを経てG4(実施例9)を得た。また、化合物10cから11c、12c、13cを経てG6(実施例8)を得た。
《G2(実施例8)》
H NMR(400MHz,DMSO−d):δ8.08(s,2H),7.99(d,J=9.2Hz,4H),7.86(s,4H),7.63(t,J=5.4Hz,2H),7.14(d,J=9.2Hz,4H),7.13(br−s,8H),4.13(t,J=6.2Hz,4H),3.30(q,J=6.2Hz,4H),1.97(quint,J=6.2Hz,4H).
MS(MALDI):m/z=563.1[M−H−2CFCOO
calcd(%)for C3636(G2):C54.68,H4.59,N14.17;found:C54.30,H4.55,N14.07.
《G4(実施例9)》
H NMR(400MHz,DMSO−d):δ8.07(s,2H),7.86(s,4H),7.78(t,J=5.4Hz,2H),7.77(t,J=5.4Hz,2H),7.73(d,J=2.0Hz,2H),7.61(dd,J=8.8,2.0Hz,2H),7.21(br−s,16H),7.20(d,J=8.8Hz,2H),4.13(t,J=6.4Hz,4H),4.10(t,J=6.4Hz,4H),3.28(m,8H),2.00(quint,J=6.4Hz,4H),1.98(quint,J=6.4Hz,4H).
MS(MALDI):m/z=793.0[M−3H−4CFCOO
HRMS(ESI):m/z calcd for[M−CFCOO:1135.4155;found:1135.4157.
《G6(実施例10)》
H NMR(400MHz,DMSO−d):δ8.09(s,2H),7.88(s,4H),7.86(t,J=5.6Hz,4H),7.75(t,J=5.6Hz,2H),7.40(s,4H),7.25(br−s,24H),4.09(t,J=6.4Hz,8H),4.05(t,J=6.4Hz,4H),3.35(q,J=6.4Hz,4H),3.30(q,J=6.4Hz,8H),2.01(quint,J=6.4Hz,8H),1.88(quint,J=6.4Hz,4H).
MS(MALDI):m/z=1023.2[M−5H−6CFCOO
HRMS(ESI):m/z calcd for[M−CFCOO:1593.5503;found:1593.5510.
[実験例4]
下記合成スキーム4にしたがって、実施例11の発蛍光性化合物を合成した。スキーム4中、「*」は結合手を表す。以下、実施例11の化合物を「DEO−OPV−CN−G」という場合がある。
(化合物14の合成)
アニリン(1.61g,17.3mmol)、炭酸カリウム(9.56g,69.2mmol)、ヨウ化カリウム(1.43g,8.65mmol)及び1−bromo−2−(2−methoxyethoxy)ethane(9.50g,51.9mmol)を乾燥DMF(5.0mL)に懸濁させ、80℃で24時間加熱した。室温まで放冷したのち、酢酸エチル(200 mL)を加え、水、飽和食塩水の順に洗浄した。有機相は無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ液を減圧濃縮した。粗製物はシリカゲルカラムクロマトグラフで精製し、無色オイル状物として化合物14を4.27g得た。収率83%。
H NMR(400MHz,CDCl):δ7.20(dd,J=8.4,7.6Hz,2H),6.71(d,J=8.4Hz,2H),6.66(t,J=7.6Hz,1H),3.63−3.519(m,16H),3.39(s,6H).
(化合物15の合成)
化合物14(4.26g,14.3mmol)を乾燥DMF(5.0mL)に溶解し、それにオキシ三塩化リン(2.0mL,21.5mmol)を加えた。反応混合物を60℃で3時間加熱した。その後、水(100mL)、酢酸エチル(200mL)を加え、有機相を水、飽和食塩水の順に洗浄した。有機相は無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ液を減圧濃縮した。粗製物はシリカゲルカラムクロマトグラフで精製し、黄色オイル状物として化合物15を3.48g得た。収率75%。
H NMR(400MHz,CDCl):δ9.73(s,1H),7.71(d,J=9.2Hz,2H),6.76(d,J=9.2Hz,2H),3.68(m,8H),3.61(m,4H),3.52(m,4H),3.38(s,6H).
(化合物16の合成)
Diethyl(4−Cyanobenzyl)phosphonate(3.24g,12.8mmol)、水素化ナトリウム(60% in oil,642mg,16.1mmol)を乾燥THF(15mL)に懸濁させ、そこに化合物15(3.47g,10.7mmol)を加えた。反応混合物を室温で4時間撹拌した。溶媒を減圧留去した後、水を加え、反応生成物をクロロホルムで抽出した。有機相を水、飽和食塩水の順に洗浄した。有機相は無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ液を減圧濃縮した。粗製物はシリカゲルカラムクロマトグラフで精製し、黄色固体として化合物16を3.64g得た。収率80%。
H NMR(400MHz,CDCl):δ7.58(d,J=8.4Hz,2H),7.51(d,J=8.4Hz,2H),7.38(d,J=8.8Hz,2H),7.12(d,J=16Hz,1H),6.85(d,J=16Hz,1H),6.71(d,J=8.8Hz,2H),3.68−3.52(m,16H),3.39(s,6H).
13C NMR(100MHz,CDCl):δ148.1,142.8,132.4,132.3,128.3,126.1,124.2,121.9,119.3,111.7,109.1,71.9,70.6,68.3,59.1,50.9.
(化合物17の合成)
化合物16(3.64g,8.57mmol)を乾燥THF(10mL)に溶解し、それにDIBAL(1.0M THF solution,17.1mL)を加えた。反応混合物を室温で18時間撹拌した後、10%酢酸水溶液を加え、反応を停止させた。反応生成物をクロロホルムで抽出し、有機相を水、飽和食塩水の順に洗浄した。有機相は無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ液を減圧濃縮した。粗製物はシリカゲルカラムクロマトグラフで精製し、橙色固体として化合物17を1.65g得た。収率45%。
H NMR(400MHz,CDCl):δ9.96(s,1H),7.83(d,J=8.4Hz,2H),7.60(d,J=8.4Hz,2H),7.41(d,J=9.0Hz,2H),7.19(d,J=16Hz,1H),6.92(d,J=16Hz,1H),6.72(d,J=9.0Hz,2H),3.68−3.53(m,16H),3.39(s,6H).
13C NMR(100MHz,CDCl):δ191.6,148.1,144.5,134.4,132.3,130.2,128.3,126.2,124.5,122.5,111.7,71.9,70.6,68.3,59.1,50.9.
(化合物18の合成)
化合物17(800mg,1.87mmol)及び化合物21(600mg,1.87mmol)を乾燥エタノール(10mL)に溶解した。そこにBuNOH(40% in water)を3滴加え、12時間加熱還流した。得られた沈殿物を回収し、エタノールで洗浄し、橙色固体として化合物18を1.11g得た。収率81%。
H NMR(400MHz,CDCl):δ7.86(d,J=8.4Hz,2H),7.61(d,J=8.8Hz,2H),7.54(d,J=8.4Hz,2H),7.40(d,J=8.8Hz,2H),7.39(s,1H),7.12(d,J=16Hz,1H),6.99(d,J=8.8Hz,2H),6.91(d,J=16Hz,1H),6.72(d,J=8.8Hz,2H),4.97(br−s,1H),4.17(m,2H),3.85(m,2H),3.68−3.53(m,18H),3.39(s,6H),3.36(m,2H),1.45(s,9H).
13C NMR(100MHz,CDCl):δ159.3,155.9,147.7,140.3,139.9,132.0,130.5,129.5,128.1,127.5,127.1,126.2,124.9,123.0,118.5,115.0,111.7,109.4,79.3,71.9,70.6,70.4,69.3,68.3,67.4,59.1,50.9,40.3,28.4.
MS(MALDI):m/z=752.71([M+Na]).
(化合物19の合成)
化合物18(980mg,1.34mmol)を乾燥ジクロロメタン(3.0mL)に懸濁させ、それにトリフルオロ酢酸(2.0mL,26.1mmol)を加えた。反応混合物を室温で6時間撹拌した後、乾燥ジエチルエーテルを加え、橙色固体として化合物19を904mg得た。収率91%。
H NMR(400MHz,DMSO−d):δ7.90(d,J=8.4Hz,2H),7.88(s,1H),7.73(br−s,3H),7.71(d,J=8.8Hz,2H),7.67(d,J=8.4Hz,2H),7.44(d,J=8.8Hz,2H),7.28(d,J=16Hz,1H),7.09(d,J=8.8Hz,2H),7.01(d,J=16Hz,1H),6.72(d,J=8.8Hz,2H),4.21(m,2H),3.83(m,2H),3.67(t,J=5.2Hz,2H),3.56−3.43(m,16H),3.25(s,6H),3.02(t,J=5.2Hz,2H).
13C NMR(100MHz,DMSO−d):δ159.1,158.1(q,J=31Hz,CFCOO),147.7,140.2,140.1,131.9,130.7,129.4,128.2,127.1,126.6,126.1,124.1,122.3,118.4,117.3(q,J=298Hz,CFCOO),115.1,111.5,108.1,71.3,69.7,68.8,67.9,67.2,66.8,58.1,50.2,38.6.
MS (MALDI):m/z=630.63([M−CFCOO]).
(化合物20の合成)
化合物19(800mg,1.08mmol)を乾燥ジクロロメタン(10mL)に溶解し、それにEtN(0.23mL,1.62mmol)及び1−H−pyrazole−1−(N,N−bis(tert−butyloxy−carbonyl))carboxamidine(503mg,1.62mmol)を加えた。反応混合物を室温で20時間撹拌した。その後、クロロホルム(100mL)を加え、水、飽和食塩水の順に洗浄した。有機相は無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ液を減圧濃縮した。粗製物はシリカゲルカラムクロマトグラフで精製し、橙色固体として化合物20を745mg得た。収率79%。
H NMR(400MHz,CDCl):δ11.5(s,1H),8.68(br−t,1H),7.85(d,J=8.6Hz,2H),7.59(d,J=8.8Hz,2H),7.53(d,J=8.6Hz,2H),7.40(d,J=8.8Hz,2H),7.39(s,1H),7.12(d,J=16Hz,1H),6.99(d,J=8.8Hz,2H),6.90(d,J=16Hz,1H),6.72(d,J=8.8Hz,2H),4.19(m,2H),3.87(m,2H),3.70−3.53(m,20H),3.39(s,6H),1.51(s,9H),1.48(s,9H).
13C NMR(100MHz,CDCl):δ163.5,159.4,156.3,153.0,147.7,140.2,139.8,132.0,130.5,129.5,128.1,127.4,127.1,126.2,124.9,123.1,118.5,115.1,111.7,109.5,83.0,79.2,71.9,70.6,69.5,69.3,68.4,67.5,59.1,50.9,40.5,28.3,28.0.
MS(MALDI):m/z=694.65([(DEO−OPV−CN−G)−CFCOOH+Na]).
(DEO−OPV−CN−G(実施例11)の合成)
化合物20(700mg,0.80mmol)を乾燥ジクロロメタン(3.0mL)に懸濁させ、それにトリフルオロ酢酸(2.0mL,26.1mmol)を加えた。反応混合物を室温で4時間撹拌した後、乾燥ジエチルエーテルを加え、赤色固体としてDEO−OPV−CN−Gを381mg得た。収率61%。
H NMR(400MHz,DMSO−d)δ7.90(d,J=8.6Hz,2H),7.87(s,1H),7.70(d,J=9.2Hz,2H),7.66(d,J=8.6Hz,2H),7.51(t,J=5.4Hz,1H),7.44(d,J=9.2Hz,2H),7.28(d,J=16Hz,1H),7.10(br−s,4H),7.09(d,J=9.2Hz,2H),7.01(d,J=16Hz,1H),6.72(d,J=9.2Hz,2H),4.18(m,2H),3.81(m,2H),3.60−3.43(m,18H),3.33(t,J=5.4Hz,2H),3.25(s,6H).
13C NMR(100MHz,DMSO−d)δ159.1,158.6(q,J=32Hz,CFCOO),157.1,147.7,140.2,140.1,131.9,130.7,129.4,128.1,127.1,126.6,126.1,124.1,122.3,118.4,116.7(q,J=296Hz,CFCOO),115.1,111.5,108.1,71.3,69.7,68.8,68.6,67.9,67.3,58.1,50.3,40.8.
MS(MALDI):m/z=672.66([M−CFCOO]).
[実験例5]
上述した合成スキーム4と同様な合成手順にしたがって、下記式(5)で表される実施例12〜15の発蛍光性化合物を合成した。
式(5)中、Rが−CHであるものが実施例12の化合物であり(以下、「Me−OPV−CN−G」という場合がある。)、Rが−n−Cであるものが実施例13の化合物であり(以下、「C−OPV−CN−G」という場合がある。)、Rが下記式(6)で表される基であるものが実施例14の化合物であり(以下、「C −OPV−CN−G」という場合がある。)、Rが−n−C1225であるものが実施例15の化合物である(以下、「C12−OPV−CN−G」という場合がある。)。
[式(6)中、「*」は結合手を表し、「†」は不斉炭素原子を表す。]
《Me−OPV−CN−G(実施例12)》
H NMR(400MHz,DMSO−d):δ7.91(d,J=8.6Hz,2H),7.87(s,1H),7.70(d,J=9.0Hz,2H),7.67(d,J=8.6Hz,2H),7.52(t,J=5.4Hz,1H),7.47(d,J=8.8Hz,2H),7.30(d,J=16Hz,1H),7.10(br−s,4H),7.09(d,J=9.0Hz,2H),7.03(d,J=16Hz,1H),6.74(d,J=8.8Hz,2H),4.19(m,2H),3.81(m,2H),3.59(m,2H),3.33(q,J=5.4Hz,2H),2.95(s,6H).
13C NMR(100MHz,DMSO−d):δ159.1,158.7(q,J=31Hz,CFCOO),157.1,150.2,140.2,140.1,131.9,130.8,129.4,127.9,127.1,126.5,126.1,124.5,122.5,118.4,117.1(q,J=298Hz,CFCOO),115.1,112.2,108.2,68.8,68.6,67.3,40.8(One peak is overlapped into solvent peak at ca.40ppm).
MS(MALDI):m/z=496.48([M−CFCOO]).
《C−OPV−CN−G(実施例13)》
H NMR(400MHz,DMSO−d):δ7.90(d,J=8.4Hz,2H),7.85(s,1H),7.70(d,J=9.0Hz,2H),7.65(d,J=8.4Hz,2H),7.49(t,J=5.6Hz,1H),7.42(d,J=8.6Hz,2H),7.25(d,J=16Hz,1H),7.10(br−s,4H),7.08(d,J=9.0Hz,2H),6.97(d,J=16Hz,1H),6.66(d,J=8.6Hz,2H),4.19(m,2H),3.81(m,2H),3.60(t,J=5.6Hz,2H),3.33(q,J=5.6Hz,2H),3.30(t,J=7.6Hz,4H),1.52(quint,J=7.6Hz,4H),1.33(sext,J=7.6Hz,4H),0.93(t,J=7.6Hz,6H).
13C NMR(100MHz,DMSO−d):δ159.0,158.3(q,J=32Hz,CFCOO),157.1,147.7,140.13,140.11,131.7,130.8,129.3,128.1,127.0,126.6,126.0,123.7,122.0,118.3,116.8(q,J=297Hz,CFCOO),115.1,111.6,108.1,68.7,68.6,67.3,49.9,40.8,29.0,19.6,13.7.
MS(MALDI):m/z=580.57([M−CFCOO]).
《C −OPV−CN−G(実施例14)》
H NMR(400MHz,DMSO−d):δ7.90(d,J=8.6Hz,2H),7.87(s,1H),7.70(d,J=8.6Hz,2H),7.65(d,J=8.6Hz,2H),7.55(br−s,1H),7.42(d,J=9.0Hz,2H),7.26(d,J=16Hz,1H),7.10(br−s,4H),7.09(d,J=8.6Hz,2H),6.98(d,J=16Hz,1H),6.68(d,J=9.0Hz,2H),4.19(m,2H),3.81(m,2H),3.59(m,2H),3.40−3.29(m,4H),3.07(dd,J=15Hz,8.0Hz,2H),1.80(m,2H),1.40(m,2H),1.10(m,2H),0.88(t,J=7.6Hz,6H),0.84(d,J=6.4Hz,6H).
13C NMR(100MHz,DMSO−d):δ159.0,158.4(q,J=31Hz,CFCOO),157.1,148.0,140.12140.11,131.7,130.7,129.3,127.9,127.0,126.5,125.9,123.5,122.0,118.3,117.1(q,J=298Hz,CFCOO),115.1,112.2,108.1,68.7,68.6,67.3,57.6,40.8,32.4,26.4,16.7,11.2.
MS(MALDI):m/z=608.62([M−CFCOO]).
《C12−OPV−CN−G(実施例15)》
H NMR(400MHz,DMSO−d):δ7.90(d,J=8.8Hz,2H),7.87(s,1H),7.70(d,J=9.0Hz,2H),7.65(d,J=8.8Hz,2H),7.50(t,J=5.6Hz,1H),7.42(d,J=8.8Hz,2H),7.26(d,J=16Hz,1H),7.10(br−s,4H),7.09(d,J=9.0Hz,2H),6.97(d,J=16Hz,1H),6.64(d,J=8.8Hz,2H),4.19(m,2H),3.81(m,2H),3.59(t,J=5.6Hz,2H),3.33(q,J=5.6Hz,2H),3.29(t,J=6.8Hz,4H),1.51(br−quint,4H),1.30−1.24(m,36H),0.85(t,J=6.8Hz,6H).
13C NMR(100MHz,DMSO−d):δ159.0,158.8(q,J=32Hz,CFCOO),157.1,147.6,139.9,139.8,131.8,130.5,129.4,128.0,126.9,126.5,125.9,123.7,121.9,118.3,116.8(q,J=296Hz,CFCOO),115.0,111.3,108.0,68.7,68.6,67.2,50.2,40.8,31.4,29.24,29.19,29.0,28.9,26.9,26.5,22.2,13.8.(Two carbon peaks of dodecyl group were overlapped.)
MS(MALDI):m/z=804.94([M−CFCOO]).
[実験例6]
下記合成スキーム5にしたがって、実施例16の発蛍光性化合物を合成した。以下、実施例16の化合物を「OPV−CN−G」という場合がある。
(化合物21の合成)
4−ヒドロキシベンジルシアニド(2.48g,18.6mmol)、炭酸カリウム(5.14g,37.2mmol)及び化合物3(5.00g,18.6mmol)を乾燥DMF(20mL)に懸濁させ、65℃で5時間加熱した。室温まで放冷したのち、酢酸エチル(200mL)を加え、水、飽和食塩水の順に洗浄した。有機相は無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ液を減圧濃縮した。粗製物はシリカゲルカラムクロマトグラフで精製し、無色固体として化合物21を4.25g得た。収率71%。
H NMR(400MHz,CDCl):δ7.23(d,J=8.8Hz,2H),6.93(d,J=8.8Hz,2H),4.95(br−s,1H),4.12(m,2H),3.82(m,2H),3.61(t,J=5.6Hz,2H),3.35(q,J=5.6Hz,2H),1.44(s,9H).
13C NMR(100MHz,CDCl):δ158.4,155.9,129.0,122.1,118.1,115.2,79.2,70.4,69.3,67.4,40.2,28.4,22.8.
MS(MALDI):m/z=342.71([M+Na]).
(化合物22の合成)
化合物21(2.00g,6.24mmol)及びテレフタルアルデヒド(419mg,3.12mmol)を乾燥エタノール(20mL)に溶解した。そこにBuNOH(40% in water)を3滴加え、3時間加熱還流した。得られた沈殿物を回収し、エタノールで洗浄し、黄色固体として化合物22を1.03g得た。収率45%。
H NMR(400MHz,CDCl):δ7.96(s,4H),7.64(d,J=8.8Hz,4H),7.44(s,2H),7.01(d,J=8.8Hz,4H),4.95(br−s,2H),4.18(m,4H),3.85(m,4H),3.63(t,J=5.6Hz,4H),3.36(q,J=5.6Hz,4H),1.45(s,18H).
13C NMR(100MHz,CDCl):δ159.8,155.9,138.6,135.3,129.5,127.4,126.9,117.9,115.1,112.2,79.3,70.5,69.3,67.5,40.3,28.4.
MS(MALDI):m/z=760.92([M+Na]).
(化合物23の合成)
化合物22(900mg,1.22mmol)を乾燥ジクロロメタン(5.0mL)に懸濁させ、それにトリフルオロ酢酸(3.0mL,39.2mmol)を加えた。反応混合物を室温で7時間撹拌した後、乾燥ジエチルエーテルを加え、黄色固体として化合物23を876mg得た。収率94%。
H NMR(400MHz,DMSO−d):δ8.04(s,4H),7.99(s,2H),7.79(br−s,6H),7.75(d,J=8.8Hz,4H),7.12(d,J=8.8Hz,4H),4.22(m,4H),3.83(m,4H),3.68(t,J=5.6Hz,4H),3.02(t,J=5.6Hz,4H).
13C NMR(100MHz,DMSO−d):δ159.5,158.1(q,J=32Hz,CFCOO),139.4,135.4,129.3,127.4,126.1,117.9,117.3(q,J=298Hz,CFCOO),115.2,110.9,68.8,67.3,66.9,38.6.
MS(MALDI):m/z=538.82([M−H−2CFCOO]).
(化合物24の合成)
化合物23(782mg,1.02mmol)を乾燥ジクロロメタン(10mL)に溶解し、それにEtN(0.43mL,3.06mmol)及び1−H−pyrazole−1−(N,N’−bis(tert−butyloxy−carbonyl))carboxamidine(950mg,3.06mmol)を加えた。反応混合物を室温で20時間撹拌した。その後、クロロホルム(100mL)を加え、水、飽和食塩水の順に洗浄した。有機相は無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ液を減圧濃縮した。粗製物はシリカゲルカラムクロマトグラフで精製し、黄色固体として化合物24を479mg得た。収率46%。
H NMR(400MHz,CDCl):δ11.48(s,2H),8.67(br−s,2H),7.96(s,4H),7.63(d,J=8.8Hz,4H),7.43(s,2H),7.01(d,J=8.8Hz,4H),4.21(m,4H),3.88(m,4H),3.70(m,8H),1.51(s,18H),1.48(s,18H).
13C NMR(100MHz,CDCl):δ163.5,159.9,156.3,153.0,138.5,135.4,129.5,127.4,126.9,117.9,115.2,112.2,83.0,79.3,69.6,69.2,67.6,40.5,28.3,28.0.
MS(MALDI):m/z=644.88([(OPV−CN−G)+Na−2CFCOOH]).
(OPV−CN−G(実施例16)の合成)
化合物24(400mg,0.39mmol)を乾燥ジクロロメタン(5.0mL)に懸濁させ、それにトリフルオロ酢酸(3.0mL,39.2mmol)を加えた。反応混合物を室温で10時間撹拌した後、乾燥ジエチルエーテルを加え、黄色固体としてOPV−CN−Gを300mg得た。収率90%。
H NMR(400MHz,DMSO−d):δ8.04(s,4H),7.99(s,2H),7.75(d,J=8.8Hz,4H),7.57(br−s,2H),7.13(br−s,8H),7.11(d,J=8.8Hz,4H),4.20(m,4H),3.81(m,4H),3.59(t,J=5.6Hz,4H),3.33(t,J=5.6Hz,4H).
13C NMR(100MHz,DMSO−d):δ159.5,158.7(q,J=31Hz,CFCOO),157.4,139.4,135.4,129.3,127.4,126.1,117.9,117.1(q,J=297Hz,CFCOO),115.2,110.9,68.8,68.6,67.4,40.8.
MS(MALDI):m/z=622.94([M−H−2CFCOO]).
[実験例7]
実施例1の発蛍光性化合物(OPV−G)について、ジカルボン酸に対する蛍光特性を検討した。
OPV−Gに、ジカルボン酸として、L−酒石酸又はmeso−酒石酸を加えて蛍光を測定した。測定条件は以下のとおりであった。
(測定条件)
OPV−Gの濃度:10μM、HEPESバッファー(10mM、pH7.4)中。
L−酒石酸及びmeso−酒石酸の濃度:5.0mM。
励起波長λex:388nm
測定装置:Perkin−ElmerLS55
測定温度:25℃
測定セル:1mm石英セル
測定結果を図1に示す。図1(a)に示されるように、実施例1の発蛍光性化合物は酒石酸に対して蛍光を発することが肉眼で観察された。また、図1(b)に示されるように、同じ測定条件にも関わらず、L−酒石酸添加時の蛍光強度は、meso−酒石酸添加時のそれよりも、2.5倍強い蛍光強度を与えることが認められた。
[実験例8]
実施例1の発蛍光性化合物(OPV−G)について、その特性を更に検討した。OPV−GにL−酒石酸を添加して紫外可視吸収スペクトルを測定したところ、370nmの吸収最大ピークが減少し且つ新たな吸収ピークが425nmに認められた(図2(a)を参照。)。このことは、J−会合体の形成を示唆している。その水性分散液の蛍光顕微鏡観察によって、ファイバー状の凝集体形成が認められた(図2(b)を参照。)。これに対して、meso−酒石酸の添加に対しては、370nmの吸収最大ピークが大きく減少し且つ342nmに短波長シフトした(図2(c)を参照。)。このことは、H−会合体が形成されていることを示唆している。その水性分散液の蛍光顕微鏡観察によって、粒子状の凝集体形成が認められた(図2(d)を参照。)。
ここで、J−会合体及びH−会合体について説明する。図16(a)は、J−会合体の一例を示す模式図である。図16(a)は、後述する、OPV−G(20)のカチオン性基21とヒアルロン酸10の負電荷11との相互作用により、OPV−G(20)がJ−会合体100を形成し発蛍光している様子を示す。また、図16(b)は、H−会合体の一例を示す模式図である。図16(b)は、後述する、OPV−G(20)のカチオン性基21とヘパリン30の負電荷31との相互作用により、OPV−G(20)がH−会合体200を形成し発蛍光している様子を示す。
図16(a)及び(b)に示すように、J−会合体では、発蛍光性化合物が、分子の長軸方向に滑りながら積み重なっている(slip−stacked fashion)。これに対し、H−会合体では、発蛍光性化合物が、分子の長軸方向に対して垂直方向に密に積み重なっている。
[実験例9]
実施例1の発蛍光性化合物(OPV−G)について、その特性を更に検討した。OPV−G(濃度:10μM)に、ジカルボン酸としてL−酒石酸又はmeso−酒石酸を逐次添加して蛍光滴定試験を行った。測定条件は、実験例7と同様であった。
結果を図3に示す。図中、Fはジカルボン酸が存在しない場合の蛍光強度を表し、Fはジカルボン酸が存在する場合の蛍光強度を表し、△F=F−Fである。したがって、△F/Fは蛍光強度の変化の度合いを意味することになる。
図3(a)に示されるように、L−酒石酸の添加に対しては、濃度の増加に対して250μMから蛍光(λem:518nm)が観測され、最大で45倍の蛍光増大を示した。これに対して、meso−酒石酸の添加に対しては、50μMから蛍光(λem:518nm)が観測され、最大で18倍の蛍光増大が認められた。図3(b)は図3(a)の低濃度域を拡大したものである。この結果から、OPV−Gは酒石酸の立体構造(L−体、meso−体)に依存した蛍光応答を与えていることが認められた。
[実験例10]
実施例1の発蛍光性化合物(OPV−G)について、その特性を更に検討した。OPV−G(濃度:10μM)に、ジカルボン酸としてフマル酸又はマレイン酸を逐次添加して蛍光滴定試験を行った。測定条件は、実験例7と同様であった。
結果を図4に示す。図4(a)に示されるように、フマル酸の添加に対しては、濃度の増加に対して200μMから蛍光(λem:520nm)が観測され、最大で54倍の蛍光増大を示した。これに対して、マレイン酸の添加に対しては、100μMから蛍光(λem:514nm)が観測され、最大で20倍の蛍光増大が認められた。図4(b)は図4(a)の低濃度域を拡大たものである。この結果から、OPV−Gはフマル酸、マレイン酸の位置異性体構造(trans−体、cis−体)に依存した蛍光応答を与えていることが認められた。
[実験例11]
実施例1の発蛍光性化合物(OPV−G)について、その特性を更に検討した。OPV−G(濃度:10μM)に、ジカルボン酸として、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸又はアジピン酸を逐次添加して蛍光滴定試験を行った。測定条件は、実験例7と同様であった。
結果を図5及び図6に示す。図5に示されるように、モノカルボン酸として酢酸を逐次添加した場合、蛍光が観測されなかった。これに対して、上記ジカルボン酸の添加に対しては、濃度の増加に対して蛍光(λem:515nm)が観測された。図6に示されるように、蛍光強度が観測される濃度(濃度閾値)と蛍光強度は、ジカルボン酸構造に特有のものであることが認められる。
実験例6〜8の結果に示されるように、実施例1の発蛍光性化合物を用いると、一定のジカルボン酸濃度においてターンオン又はスイッチオン式にジカルボン酸を検出し得ることが明らかとなった。さらに、ジカルボン酸の化学構造情報が蛍光応答の閾値、蛍光強度、及び蛍光波長に変換・増幅されることで、ジカルボン酸を識別し得ることが明らかとなった。
[実験例12]
実施例1の発蛍光性化合物(OPV−G)について、その特性を更に検討した。OPV−G(濃度:10μM)に、ポリカルボン酸としてポリアクリル酸(平均分子量5000)を逐次添加して蛍光滴定試験を行った。測定条件は、実験例7と同様であった。
結果を図7に示す。図7(a)に示されるように、ポリアクリル酸の添加に対しては、濃度の増加に対してターンオン又はスイッチオン式に蛍光(λem:520nm)が観測された。また、図7(b)に示されるように、蛍光強度は0.1ppmから観測され、1.3ppmで飽和に達した。
このように、実施例1の発蛍光性化合物を用いると、濃度範囲0.1から1.3ppmにおいて、ポリアクリル酸濃度を蛍光強度から測定し得ることが明らかとなった。
[実験例13]
実施例3の発蛍光性化合物(OPV−ImMe)について、その特性を検討した。OPV−ImMe(濃度:20μM)に、ポリカルボン酸としてポリアクリル酸(平均分子量5000)を逐次添加して蛍光滴定試験を行った。測定条件は、実験例7と同様であった。
結果を図8に示す。図8(a)に示されるように、ポリアクリル酸の添加に対しては、濃度の増加に対してターンオン又はスイッチオン式に蛍光(λem:515nm)が観測された。また、図8(b)に示されるように、蛍光強度は0.1ppmから観測され、4.0ppmで飽和に達した。
このように、実施例3の発蛍光性化合物を用いると、濃度範囲0.1から4.0ppmにおいて、ポリアクリル酸濃度を蛍光強度から測定し得ることが明らかとなった。
[実験例14]
実施例6の発蛍光性化合物(OPV−ImDEO)について、その特性を検討した。OPV−ImDEO(濃度:60μM)に、ポリカルボン酸としてポリアクリル酸(平均分子量5000)を逐次添加して蛍光滴定試験を行った。測定条件は、実験例7と同様であった。
結果を図9に示す。図9(a)に示されるように、ポリアクリル酸の添加に対しては、濃度の増加に対してターンオン又はスイッチオン式に蛍光(λem:513nm)が観測された。また、図9(b)に示されるように、蛍光強度は0.1ppmから観測され、15ppmで飽和に達した。
このように、実施例6の発蛍光性化合物を用いると、濃度範囲0.1から15ppmにおいて、ポリアクリル酸濃度を蛍光強度から測定し得ることが明らかとなった。
[実験例15]
実施例1の発蛍光性化合物(OPV−G)及び実施例8の発蛍光性化合物(G2)について、ヌクレオチドに対する蛍光特性検討した。具体的には、OPV−G及びG2に、ヌクレオチドとして、ATP、NADPHを添加して蛍光を測定した。以下に、ATP及びNADPHの化学式を示す。
測定条件は、実験例7と同様であった。ただし、溶媒には、EtOH/HEPESバッファー(10mM、pH7.4)(1:9 v/v)を用いた。測定結果を図10(a)及び(b)に示す。ATP又はNADPHを発蛍光性化合物に添加したところ、図10(a)に示すように、OPV−Gは、ATP及びNADPHの両者に対して同程度の蛍光応答を示した。一方、図10(b)に示すように、G2では、ATPとNADPHとで明瞭な蛍光強度の差異が認められた。
上述した実験例7及び8の結果から推察されるように、G2は、ATPとJ−会合体を形成し強い発蛍光を示すのに対し、NADPHとはH−会合体を形成するため、より弱い蛍光強度を示すものと考えられた。
実験例15の結果から、OPV−Gは、ヌクレオチド類を非特異的に検出することができ、G2は、ヌクレオチド類の中からATPを選択的に検出できることが明らかとなった。
[実験例16]
実施例8(G2)と実施例10(G6)の発蛍光性化合物について、発蛍光に対する塩濃度の影響を検討した。より具体的には、G2及びG6に、塩として塩化ナトリウム(NaCl)を逐次添加して蛍光滴定試験を行った。測定条件は、実験例7と同様であった。
測定結果を図11に示す。図11に示されるように、G2は、塩化ナトリウムの添加により蛍光を発することが認められた。これに対し、G6では、塩化ナトリウムの添加による発蛍光は認められなかった。
実験例16の結果に示されるように、G2は、塩濃度の存在下で自己会合して蛍光を発するのに対し、G6は、生理的塩濃度(約150mM)条件下でも蛍光を発しない、すなわち、自己会合しないことが明らかとなった。
[実験例17]
実施例10の発蛍光性化合物(G6)について、その特性を更に検討した。具体的には、生理的塩濃度条件下(NaCl:125mM、KCl:5mM、CaCl:1mM、MgCl:0.5mM)において、G6に、ヌクレオチドとして、AMP、ADP又はATPを添加して蛍光滴定試験を行った。測定条件は、実験例7と同様であった。
測定結果を図12(a)及び(b)に示す。図12(a)に示されるように、G6は、ATPに対して選択的に発蛍光を示すことが肉眼で観察された。また、図12(b)に示されるように、G6は、ヌクレオチドの中でもATPに選択的に蛍光応答を示すことが明らかとなった。
実験例16〜17の結果に示されるように、G6を用いると、生理的塩濃度条件下において、ターンオン又はスイッチオン式にATPを選択的に検出し、且つATPの濃度を蛍光強度から測定できることが明らかとなった。したがって、G6はATP検出剤であるということができる。
[実験例18]
実施例11の発蛍光性化合物(DEO−OPV−CN−G)について、アニオン性多糖類に対する蛍光特性を検討した。具体的には、DEO−OPV−CN−Gに、アニオン性多糖類として、ヘパリン、コンドロイチン硫酸又はヒアルロン酸を添加して蛍光滴定試験を行った。以下に、ヘパリン、コンドロイチン硫酸及びヒアルロン酸の化学式を示す。
測定条件は以下のとおりであった。
(測定条件)
DEO−OPV−CN−Gの濃度:30μM、HEPESバッファー(10mM、pH7.4)中。
励起波長λex:400nm
測定装置:Perkin−ElmerLS55
測定温度:25℃
測定セル:1mm石英セル
測定結果を図13(a)及び(b)に示す。図13(a)に示されるように、DEO−OPV−CN−Gにアニオン性多糖類を添加すると、赤色蛍光の強度増大が観察された。また、図13(b)に示されるように、DEO−OPV−CN−Gは、アニオン性多糖類の濃度増加に対して直線的な蛍光応答を与えることが明らかとなった。
実験例18の結果に示されるように、DEO−OPV−CN−Gを用いると、一定のアニオン性多糖類濃度においてターンオン又はスイッチオン式にアニオン性多糖類、特に、ヘパリンを選択的に検出することができ、且つアニオン性多糖類の濃度を蛍光強度から測定できることが明らかとなった。したがって、DEO−OPV−CN−Gは、アニオン性多糖類検出剤、又はヘパリン検出剤であるということができる。
[実験例19]
実施例1の発蛍光性化合物(OPV−G)について、アニオン性多糖類に対する蛍光特性を検討した。具体的には、OPV−Gに、アニオン性多糖類として、ヘパリン、コンドロイチン硫酸又はヒアルロン酸を添加して蛍光滴定試験を行った。測定条件は、実験例7と同様であった。
測定結果を図14(a)及び(b)に示す。図14(a)に示されるように、OPV−Gにアニオン性多糖類を添加すると、ヒアルロン酸添加に対して最も強い蛍光強度を与えた。また、図14(b)に示されるように、OPV−Gは、アニオン性多糖類の濃度増加に対して直線的な蛍光応答を与えることが明らかとなった。
[実験例20]
実施例1の発蛍光性化合物(OPV−G)について、その特性を更に検討した。具体的には、OPV−Gにヒアルロン酸及びヘパリンを添加して紫外可視吸収スペクトルを測定した。
その結果、図15(a)に示すように、ヒアルロン酸の添加により、370nmの吸収最大ピークが減少し且つ新たな吸収ピークが430nmに認められた。このことは、J−会合体が形成されたことを示唆している。図16(a)にJ−会合体の模式図を示す。図16(a)においては、OPV−G(20)のカチオン性基21とヒアルロン酸10の負電荷11との相互作用により、OPV−G(20)がJ−会合体100を形成し発蛍光している。
一方、図15(b)に示すように、ヘパリンの添加により、370nmの吸収最大ピークが大きく減少した。このことは、H−会合体が形成されたことを示唆している。図16(b)にH−会合体の模式図を示す。図16(b)においては、OPV−G(20)のカチオン性基21とヘパリン30の負電荷31との相互作用により、OPV−G(20)がH−会合体200を形成し発蛍光している。
実験例19及び20の結果に示されるように、OPV−Gを用いると、一定のアニオン性多糖類濃度においてターンオン又はスイッチオン式にアニオン性多糖類を検出できることが明らかとなった。また、OPV−Gは、アニオン性多糖類中最も電荷数の小さいヒアルロン酸の存在下でJ−会合体を形成することで、ヒアルロン酸を選択的に検出することができ、且つヒアルロン酸の濃度を蛍光強度から測定できることが明らかとなった。したがって、OPV−Gは、アニオン性多糖類検出剤、又はヒアルロン酸検出剤であるということができる。
[実験例21]
実施例1の発蛍光性化合物(OPV−G)について、その特性を更に検討した。具体的には、終濃度10μMのOPV−Gに、アニオン性多糖類として、ヘパリン(終濃度2.5ppm)、コンドロイチン硫酸(終濃度5.5ppm)又はヒアルロン酸(終濃度8.5ppm)を添加して蛍光を測定した。測定条件は、溶液のpHを1.5とした点以外は実験例7と同様であった。
図17(a)は、実験結果を示す写真である。また、図17(b)は、図17(a)の各試料の蛍光強度を測定した結果を示すグラフである。その結果、図17(a)及び(b)に示されるように、pH1.5の条件下でOPV−Gにアニオン性多糖類を添加すると、コンドロイチン硫酸の添加により最も強い蛍光強度を与えた。
実験例21の結果に示されるように、OPV−Gを用いると、酸性条件において、ターンオン又はスイッチオン式にアニオン性多糖類、特に、コンドロイチン硫酸を選択的に検出し得ることが明らかとなった。したがって、OPV−Gは、アニオン性多糖類検出剤、又はコンドロイチン硫酸検出剤であるということができる。
実験例18〜21の結果から、発蛍光性化合物の化学構造や溶液条件を適切に調整することにより、アニオン性多糖類に対する選択性をコントロールできることが明らかとなった。
[実験例22]
実施例16の発蛍光性化合物(OPV−CN−G)について、ジカルボン酸に対する蛍光特性を検討した。具体的には、OPV−CN−Gに、ジカルボン酸として、L−酒石酸又はmeso−酒石酸を添加して蛍光を測定した。測定条件は以下のとおりであった。
(測定条件)
OPV−CN−Gの濃度:10μM、DMSO/HEPESバッファー(10mM、pH7.4)中(1:2 v/v)。
L−酒石酸及びmeso−酒石酸の濃度:3.0mM。
励起波長λex:365nm(UVハンディーランプ)
測定結果を図18(a)〜(c)に示す。図18(a)は、実験結果を示す写真である。また、図18(b)及び(c)は、各試料の分光学的特徴を測定した結果を示すグラフである。図18(a)に示されるように、OPV−CN−Gは酒石酸の化学構造により異なる蛍光色を発することが肉眼で観察された。具体的には、OPV−CN−G単独では青色であるのに対し、L−酒石酸の存在下では緑色の蛍光を示し、meso−酒石酸の存在下では黄色の蛍光を示した。また、図18(b)及び(c)に示されるように、OPV−CN−Gは、ジカルボン酸の化学構造に対応した分光学的特徴を有することが明らかとなった。
実験例22の結果に示されるように、OPV−CN−Gを用いると、ジカルボン酸の化学構造を、発光色の違いにより肉眼で、又は分光光度計を用いて分光学的に識別できることが明らかとなった。
[実験例23]
上記式(1)において、Rで表されるアルキレン基がアミノ酸に由来するスペーサーを含む、実施例17の発蛍光性化合物(以下、「OPV−CN−G」という場合がある。)を合成した。下記式(7)にOPV−CN−Gの化学式を示す。式(7)中、「‡」で示す基はアミノ酸(アラニン)に由来する基である。また、「†」は不斉炭素原子を表す。
OPV−CN−Gに紫外線を照射して蛍光を肉眼で観察した結果、OPV−CN−Gは、固体状態と溶媒(DMSO)に溶解した状態とで異なる波長の蛍光を発することが明らかとなった。この結果は、OPV−CN−Gが凝集形態の変化に応じて異なる波長の蛍光を発することを示す。
本発明により、凝集誘起発光(AIE)を示す新たな発蛍光性化合物を提供することができる。また、イオン性化合物の検出剤を提供することができる。
10…ヒアルロン酸、11,31…負電荷、20…OPV−G、21…カチオン性基、30…ヘパリン、100…J−会合体、200…H−会合体。

Claims (4)

  1. 下記式(1)で表される発蛍光性化合物又はその塩。
    [式(1)中、Rはそれぞれ独立に、水素原子又はシアノ基、ハロゲン原子若しくはフェニル基を表し、Rはそれぞれ独立に、存在しないか又はハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基、アミノ基若しくは炭素数1〜3のアルコキシ基を表し、Rはそれぞれ独立に、存在しないか又は−O−、−S−、−NH−、−CO−若しくは−CONH−で中断されていてもよい炭素数1〜20のアルキレン基を表し、Xはそれぞれ独立に、存在しないか又はカチオン性基若しくはアニオン性基を表し、Rはそれぞれ独立に、存在しないか又は−O−、−S−、−NH−、−CO−、−CONH−で中断されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基若しくは炭素数1〜20のアルコール基若しくは−N(R(ここで、Rはそれぞれ独立に、水素原子又は−O−、−S−、−NH−、−CO−、−CONH−で中断されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基を表す。)を表す。pはそれぞれ独立に0〜4の整数を表し、qはそれぞれ独立に1〜5の整数を表し、少なくとも1つのXはカチオン性基又はアニオン性基である。]
  2. 請求項1に記載の発蛍光性化合物又はその塩を有効成分とする、イオン性化合物の検出剤。
  3. 前記式(1)におけるXがカチオン性基であり、前記イオン性化合物がアニオン性化合物である、請求項2に記載のイオン性化合物の検出剤。
  4. 溶媒と、被検試料と、請求項1に記載の発蛍光性化合物又はその塩とを含む混合液を調製する工程と、
    前記混合液の蛍光を検出する工程と、を備える、被検試料中のイオン性化合物の検出方法。
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