JP2016196441A - 特定構造を有する化合物およびこれを含む感光性組成物 - Google Patents

特定構造を有する化合物およびこれを含む感光性組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2016196441A
JP2016196441A JP2015077815A JP2015077815A JP2016196441A JP 2016196441 A JP2016196441 A JP 2016196441A JP 2015077815 A JP2015077815 A JP 2015077815A JP 2015077815 A JP2015077815 A JP 2015077815A JP 2016196441 A JP2016196441 A JP 2016196441A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
compound
photosensitive composition
ppm
formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015077815A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6439557B2 (ja
Inventor
貴史 土井
Takashi Doi
貴史 土井
ロジャンスキー イーゴリ
Igor Rozhanski
イーゴリ ロジャンスキー
西村 功
Isao Nishimura
功 西村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSR Corp
Original Assignee
JSR Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JSR Corp filed Critical JSR Corp
Priority to JP2015077815A priority Critical patent/JP6439557B2/ja
Publication of JP2016196441A publication Critical patent/JP2016196441A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6439557B2 publication Critical patent/JP6439557B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Materials For Photolithography (AREA)
  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Nitrogen And Oxygen As The Only Ring Hetero Atoms (AREA)

Abstract

【課題】感光性組成物の含有成分として好適な新規な化合物の提供。
【解決手段】式(1)で表される化合物。
Figure 2016196441

[R1及びR2は芳香族環に結合する1価の有機基;a及びbは0〜4;nは1〜10;R3はn価の有機基]
【選択図】なし

Description

本発明は、特定構造を有する化合物およびこれを含む感光性組成物に関する。
感光性組成物を用いたパターンの製造方法に関して、現像液を用いた現像工程を行うことなく、光照射によりパターンを形成することが可能な感光性組成物が知られている(例えば、特許文献1〜2参照)。
特許文献1には、光及び/又は熱によって可逆的に開環−閉環する環を有する基本骨格に修飾基が導入されて、フォトクロミズムを示す、特定のフォトクロミック化合物を含む感光性組成物が記載されており、この組成物に、前記開環を行う波長光を照射し、感光性組成物を物質移動させる、パターンの形成方法が記載されている。
特許文献2には、光及び/又は熱によって分子間で可逆的に二量化し、フォトクロミズムを示す、特定のフォトクロミック化合物を含む感光性組成物が記載されており、この組成物に、前記二量化を行う波長光を照射し、凹凸パターンを形成させる方法が記載されている。
現像工程では、一般的に現像液および現像装置が必要であることから、現像液の廃液処理に関するコスト、環境に対する廃液の影響等の問題がある。このため、現像工程を必要としないパターンの製造方法については、さらなる検討が必要である。
特開2011−237508号公報 特開2014−098798号公報
本発明の課題は、現像工程を行うことなく、パターン化膜を製造することが可能な感光性組成物、および前記感光性組成物の含有成分として好適な新規な化合物を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、下記構造を有する化合物およびこれを含む感光性組成物により、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、例えば以下の[1]〜[7]に関する。
[1]式(1)で表される化合物。
Figure 2016196441
[式(1)中、R1は芳香族環に結合する基であって、1価の有機基であり、aは0〜4の整数であり、R1が複数ある場合は、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、任意の2つのR1が相互に結合して環を形成してもよく;R2は芳香族環に結合する基であって、1価の有機基であり、bは0〜4の整数であり、R2が複数ある場合は、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、任意の2つのR2が相互に結合して環を形成してもよく;式(1)中の−C1H=CH−C(O)−O−で表される2価の基中の炭素原子C1が、芳香族環に結合しており;nは1〜10の整数であり;R3はn価の有機基である。]
[2]前記nが2または3である、前記[1]に記載の化合物。
[3]前記R3が式(2)または(3)で表される基である、前記[2]に記載の化合物。
Figure 2016196441
[式(2)中、R4は炭素数1〜20のアルカンジイル基であり、R5は炭素数1〜20のアルカンジイル基であり、mは0〜20の整数であり、R5が複数ある場合は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。式(3)中、R6は炭素数1〜20のアルカンから3個の水素原子を除去した3価の基である。*は結合手を示す。]
[4]前記[1]〜[3]のいずれか1項に記載の化合物を含有する感光性組成物。
[5]基板上に、前記[4]に記載の感光性組成物の塗膜を形成する工程、前記塗膜の少なくとも一部分を選択的に露光する工程、および露光後の前記塗膜を加熱することによりパターンを形成する工程を有する、パターン化膜の製造方法。
[6]前記[4]に記載の感光性組成物を含有するパターン化膜。
[7]前記[5]に記載の製造方法で得られたパターン化膜。
本発明によれば、現像工程を行うことなく、パターン化膜を製造することが可能な感光性組成物、および前記感光性組成物の含有成分として好適な新規な化合物を提供することができる。具体的には、本発明の上記化合物を含有する感光性組成物から形成された塗膜の少なくとも一部分を露光し、続いて加熱することにより、露光部分から未露光部分へ物質移動が起こり、パターン化膜を形成することができる。
図1は、実施例1における接触式膜厚計による凹凸の測定結果である。 図2は、実施例3における接触式膜厚計による凹凸の測定結果である。
以下、本発明を実施するための形態について、好適態様も含めて説明する。なお、本明細書において、式(n)で表される化合物を「化合物(n)」とも記載する。前記nは式番号である。
〔特定構造を有する化合物〕
本発明の化合物は、式(1)で表される化合物であり、好ましくは式(1’)で表される化合物である。以下、本発明の化合物を「化合物(A)」ともいう。
Figure 2016196441
なお、本明細書において、式(1)中の
Figure 2016196441
で表される構造を、「特定構造」ともいう。
式(1)および(1’)中、各記号の詳細は以下のとおりである。
1は芳香族環に結合する基であって、1価の有機基である。aは0〜4の整数であり、露光部分から未露光部分へ物質移動が容易に起こりやすいことから、好ましくは0〜2である。R1が複数ある場合は、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、任意の2つのR1が相互に結合して環を形成してもよい。
2は芳香族環に結合する基であって、1価の有機基である。bは0〜4の整数であり、好ましくは0〜2である。R2が複数ある場合は、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、任意の2つのR2が相互に結合して環を形成してもよい。
式(1)および(1’)において、−C1H=CH−C(O)−O−で表される2価の基中の炭素原子C1が、芳香族環に結合している。前記芳香族環において、−C1H=CH−C(O)−O−で表される2価の基の結合位置は、ベンゾオキサジン環に対してp位が好ましい。
nは1〜10の整数である。
3はn価の有機基である。
1およびR2における有機基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、前記シクロアルキル基に含まれる1以上の水素原子が炭素数1〜20のアルキル基で置換された基(以下「置換シクロアルキル基」ともいう)、アリール基、または前記アリール基に含まれる1以上の水素原子が炭素数1〜20のアルキル基で置換された基(以下「置換アリール基」ともいう)が挙げられる。
アルキル基としては、例えば、直鎖状または分岐状のアルキル基が挙げられ、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基が挙げられる。好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜4のアルキル基である。
シクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基が挙げられる。好ましくは炭素数3〜20、より好ましくは炭素数3〜10のシクロアルキル基である。
置換シクロアルキル基としては、例えば、メチルシクロプロピル基、エチルシクロプロピル基、メチルシクロへキシル基、エチルシクロへキシル基、メチルシクロオクチル基、エチルシクロオクチル基が挙げられる。好ましくは炭素数4〜20、より好ましくは炭素数4〜10の置換シクロアルキル基である。
アリール基としては、例えば、単環式または2環式以上のアリール基が挙げられ、具体的には、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントリル基が挙げられる。好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜10のアリール基である。
置換アリール基としては、例えば、トルイル基、キシリル基が挙げられる。好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜10の置換アリール基である。
1およびR2は、好ましくは炭素数1〜20のアルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、さらに好ましくはメチル基、エチル基である。
芳香族環中の隣り合う炭素原子それぞれに、2つのR1が結合していてもよく、ここで、2つのR1が相互に結合して環を形成していてもよい。芳香族環中の隣り合う炭素原子それぞれに、2つのR2が結合していてもよく、ここで、2つのR2が相互に結合して環を形成していてもよい。前記環形成は、分子中に2箇所以上存在してもよい。
2つのR1またはR2が相互に結合して形成された環としては、例えば、脂環、芳香環、ヘテロ環が挙げられる。具体的には、シクロヘキサン環;ベンゼン環;フラン環、チオフェン環等のヘテロ環が挙げられ、好ましくはシクロヘキサン環およびベンゼン環である。また、このような環構造は、環上にアルキル基、水酸基等の置換基をさらに有していてもよい。例えば、ジヒドロ−1,3−ベンゾオキサジンのベンゼン環の酸素原子が結合する位置からみてα、β位のR1が相互に結合してベンゼン環を形成した場合、下記式で表される縮合環となる。下記式では、ベンゾオキサジン環部分のみ示す。
Figure 2016196441
3におけるn価の有機基の炭素数は、好ましくは1〜100、より好ましくは2〜40、さらに好ましくは4〜20である。
3におけるn価の有機基としては、例えば、アルカンからn個の水素原子を除去したn価の基、ジアルキレングリコールから2つの水酸基を除去した2価の基、トリアルキレングリコールから2つの水酸基を除去した2価の基、ポリアルキレングリコールから2つの水酸基を除去した2価の基、エーテル結合含有ポリオール(三官能以上)からn個の水酸基を除去したn価の基、アルカンポリオール(三官能以上)のアルキレンオキサイド変性体に由来するn価の基、ビスフェノールA骨格を有する2価の基、脂環式骨格を有する2価の基、イソシアヌレート骨格を有する2価または3価の基、ポリエステル構造を有するn価の基が挙げられる。
nは、露光部分から未露光部分へ物質移動が容易に起こりやすく、及び物質移動後のパターン化膜の耐薬品性に優れていることから、好ましくは1〜5、より好ましくは2または3である。R3は、露光部分から未露光部分へ物質移動が容易に起こりやすいことから、式(2)または(3)で表される基であることが好ましい。
Figure 2016196441
式(2)中、R4は炭素数1〜20のアルカンジイル基である。R5は炭素数1〜20のアルカンジイル基である。mは0〜20の整数であり、露光部分から未露光部分へ物質移動が容易に起こりやすいことから、好ましくは2〜10、より好ましくは3〜6である。R5が複数ある場合は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。式(3)中、R6は炭素数1〜20のアルカンから3個の水素原子を除去した3価の基である。*は結合手を示す。
アルカンジイル基としては、例えば、直鎖状または分岐状の基が挙げられ、具体的には、メチレン基、エタン−1,2−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−2,2−ジイル基、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、デカン−1,10−ジイル基が挙げられる。R4およびR5において、アルカンジイル基の炭素数は、それぞれ独立に好ましくは1〜10、より好ましくは2〜5である。
6を導くアルカンとしては、例えば、メタン、エタン、n−プロパン、n−ブタン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン等の直鎖状アルカン;2−メチルプロパン、2−メチルブタン、2,2−ジメチルプロパン、2,2−ジエチルプロパン、2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、2,4−ジメチルペンタン等の分岐状アルカンが挙げられる。R6を導くアルカンの炭素数は、好ましくは2〜10である。なお、R6は、アルカンに含まれる任意の1または2以上の炭素原子に結合した3個の水素原子を除去してなる3価の基である。
化合物(A)の具体例としては、例えば、下記化合物が挙げられる。
Figure 2016196441
〈化合物(A)の特性〉
本発明の化合物(A)を含有する感光性組成物から形成された塗膜に対して、選択的に露光を行い、続いて加熱を行うと、パターン化膜を形成することができる。塗膜の露光部分から未露光部分へ、感光性組成物の物質移動が起こる現象を、本発明は利用する。この理由の詳細は不明ではあるが、本発明の化合物(A)が、上記特定構造を有していることが影響していると推測される。このため、本発明の化合物(A)を用いることにより、現像工程を必要とせずに、パターン化膜を形成することができる。
本発明の化合物(A)は、上記特定構造に加えて、ジヒドロベンゾオキサジン構造を有する。ジヒドロベンゾオキサジン構造は、加熱等を行うことで開環反応により重合または自己架橋することが可能である。このため、他の架橋剤を加えることなく、化合物(A)を含有する感光性組成物から形成された塗膜を加熱することにより、硬化膜を形成することができる。
このため、本発明の化合物(A)を用いることにより、現像工程や他の架橋剤を必要とせずに、パターン化された硬化膜を形成することができる。このような硬化膜は、耐薬品性に優れる。
本発明の化合物(A)は、可視紫外吸収スペクトルにおいて、波長150〜700nmの範囲に吸収極大を有することが好ましく、波長200〜500nmの範囲に吸収極大を有することがより好ましい。
〔化合物(A)の製造方法〕
本発明の化合物(A)は、例えば、式(a1)で表されるフェノール化合物と、ホルムアルデヒドと、式(a2)で表されるハロゲン化アニリンとから、式(a3)で表されるハロゲン化フェニル−ジヒドロベンゾオキサジン化合物を合成し(工程A)、続いて、式(a3)で表される前記化合物と、式(a4)で表される多官能アクリレートとを、Heck反応(Heckカップリング)させる(工程B)ことにより、合成することができる。
Figure 2016196441
式(a1)および(a3)中、R1およびaは、それぞれ式(1)中の同一記号と同義である。ただし、式(a1)において、フェノール性水酸基に対してo位の基の一つは、水素原子である。式(a2)および(a3)中、R2およびbは、それぞれ式(1)中の同一記号と同義であり、Xは、ハロゲン原子であり、好ましくは塩素原子、ヨウ素原子である。Xの結合位置は、アミノ基に対してp位が好ましい。
フェノール化合物(a1)としては、例えば、フェノール、4−メチルフェノール、1−ナフトール、2−ナフトール、2,6−ジヒドロキシナフタレンが挙げられる。
ハロゲン化アニリン(a2)としては、例えば、4−クロロアニリン、4−ヨードアニリン、2−ヨードアニリンが挙げられる。
ホルムアルデヒドとして、パラホルムアルデヒドを用いることもできる。
工程Aにおいて、フェノール化合物(a1)1モルに対して、ハロゲン化アニリン(a2)を0.9〜1.1モルの範囲で用いることが好ましく、ホルムアルデヒドを1.9〜2.1モルの範囲で用いることが好ましい。
工程Aにおける反応条件は、以下のとおりである。反応温度は、通常は0〜250℃、好ましくは50〜150℃である。反応時間は、通常は0.5〜40時間、好ましくは1〜30時間である。反応中、反応条件は適宜変えることができる。また、反応はどのような気圧下で行ってもよい。特に、減圧下、水を除去しながら反応を行ってもよい。
工程Aの合成反応は、通常、反応溶媒中で行われる。反応溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶媒;クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒;キシレン、トルエン等の芳香族系溶媒;N−メチル−2−ピロリドン等の窒素原子含有溶媒が挙げられる。
工程Aの合成反応は、触媒の存在下で行うことができる。触媒としては、例えば、酸触媒および塩基触媒が挙げられる。酸触媒としては、例えば、塩酸、硫酸等の無機酸;p−トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、メタンスルホン酸等の有機酸;塩化アルミニウム、塩化亜鉛等のルイス酸;活性白土、酸性白土、ホワイトカーボン、ゼオライト、シリカアルミナ等の固体酸;酸性イオン交換樹脂が挙げられる。塩基触媒としては、例えば、ジアザビシクロウンデセン、ピリジン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが挙げられる。
Figure 2016196441
多官能アクリレート(a4)としては、例えば、
1,2−エタンジオールジアクリレート、1,2−プロパンジオールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,10−デカンジオールジアクリレート、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート等のアルカンジオールジアクリレート;
トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート等のアルカンポリオール(三官能以上)のジ,トリ又はポリアクリレート;
ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート等のジ,トリ又はポリアルキレングリコール−ジアクリレート;
ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等のエーテル結合含有ポリオール(三官能以上)のジ,トリ又はポリアクリレート;
トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキサイド変性トリアクリレート等のアルカンポリオール(三官能以上)のアルキレンオキサイド変性トリアクリレート;
ビスフェノールAのジグリシジルエーテルにアクリル酸を付加させたエポキシアクリレート、ビスフェノールAジアクリロイルオキシエチルエーテル、ビスフェノールAジアクリロイルオキシメチルエチルエーテル、ビスフェノールAジアクリロイルオキシエチルオキシエチルエーテル等のビスフェノールA骨格含有ジアクリレート;
トリシクロデカンジメタノールジアクリレート等の脂環式骨格含有ジアクリレート;
トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート等のイソシアヌレート骨格含有ジ又はトリアクリレート;
ポリエステルアクリレート(三官能以上)
が挙げられる。
工程Bでは、Heck反応に用いられている従来公知のHeck反応触媒を用いることができる。Heck反応触媒の中でも、パラジウム触媒が好ましい。パラジウム触媒としては、例えば、ジクロロ〔1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン〕パラジウム(II)、ジクロロビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス(トリ−o−トリルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、パラジウム活性炭素が挙げられる。
また、Heck反応に用いられる公知の塩基を添加することが好ましい。塩基としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩;トリn−ブチルアミン、トリn−プロピルアミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、ジn−ブチルアミン、ジn−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジメチルアミン等の3級アミンが挙げられる。
Heck反応を行う際に用いる溶媒としては、例えば極性溶媒が挙げられ、具体的には、N−メチル−2−ピロリドン、N,N’−ジメチルホルムアミド、N,N’−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチレンホスホルトリアミドが挙げられる。
化合物(a3)および化合物(a4)は、化合物(a4)中のアクリロイルオキシ基1モルに対して、化合物(a3)が好ましくは0.9〜1.1モルとなる量で、それぞれ用いることができる。
パラジウム触媒は、化合物(a3)1モルに対して、好ましくは0.001〜1モル、より好ましくは0.005〜0.5モル用いる。塩基は、パラジウム触媒1モルに対して、好ましくは1〜200モル用いる。
工程BのHeck反応における反応条件は、以下のとおりである。反応温度は、通常は80〜200℃、好ましくは100〜180℃である。反応時間は、通常は0.1〜10時間、好ましくは0.5〜2時間である。反応中、反応条件は適宜変えることができる。また、反応はどのような気圧下で行ってもよい。
各工程における反応終了後は、公知の精製方法、例えば、再沈殿法および液洗浄法により、目的物を精製することができる。各工程で得られた化合物の構造は、例えば、H−NMRにより確認することができる。
以上の様にして、目的とする本発明の化合物(A)を得ることができる。
〔感光性組成物〕
本発明の感光性組成物は、少なくとも上述した化合物(A)を含有する。
化合物(A)は1種類を単独で用いてもよく、2種類を併用してもよい。
本発明の感光性組成物において、固形分100質量%中、化合物(A)の含有量は好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上であり、固形分が化合物(A)のみからなっていてもよい。固形分とは、通常、組成物中に含まれる溶媒以外の全成分をいう。
本発明の感光性組成物は、必要に応じて、エポキシ基を有する化合物(以下「化合物(B)」ともいう)、硬化触媒(以下「触媒(C)」ともいう)、および有機粒子(以下「粒子(D)」ともいう)から選ばれる少なくとも1種の成分を含有することができる。
〈化合物(B)〉
本発明の化合物(A)は、ジヒドロベンゾオキサジン構造を有することから重合または自己架橋することが可能であるが、必要に応じて、さらに化合物(B)を用いてもよい。化合物(B)は、本発明の感光性組成物の硬化速度を調節する目的で、及び/又は接着強度を向上させる目的で用いることができる。
化合物(B)とは、少なくとも1つのエポキシ基を有する化合物のことを示し、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、テトラフェノール型エポキシ樹脂、フェノール−キシリレン型エポキシ樹脂、ナフトール−キシリレン型エポキシ樹脂、フェノール−ナフトール型エポキシ樹脂、フェノール−ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂のエポキシ樹脂;レゾルシノールジグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、エチレン/ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレン/ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル等のエポキシ化合物;が挙げられる。
化合物(B)は1種類を単独で用いてもよく、2種類を併用してもよい。
化合物(B)を用いる場合の感光性組成物中の前記(B)の含有量は、化合物(A)100質量部に対して、好ましくは1〜500質量部、より好ましくは10〜300質量部、さらに好ましくは50〜150質量部である。化合物(B)の含有量が前記範囲の場合、優れた接着強度を有するパターン化膜を得ることができる。
〈触媒(C)〉
触媒(C)は、ジヒドロベンゾオキサジン環やエポキシ基等の架橋性基の架橋反応を促進させ、硬化速度を促進する目的で用いることができ、これらの架橋性基に対して用いられる硬化触媒が挙げられる。
触媒(C)としては、例えば、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水メチルテトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルヘキサヒドロフタル酸、無水メチルエンドエチレンテトラヒドロフタル酸、および無水トリアルキルテトラヒドロフタル酸等の酸無水物類;トリフル酸ジエチルアンモニウム、トリフル酸トリエチルアンモニウム、トリフル酸ジイソプロピルアンモニウム、トリフル酸エチルシイソプロピルアンモニウム等のトリフル酸塩類;金属フルオロ硼素錯塩及び三弗化硼素錯化合物等の硼素化合物類;ビス(ペルフルオルアルキルスルホニル)メタン金属塩;PCl5、TiCl4、AlCl3、TeOMe等の無機酸;p−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸エステル等の有機酸類;ジシアンジアミド、ジエチルトルエンジアミン、メタキシレンジアミン等の塩基類;が挙げられる。
触媒(C)は1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
触媒(C)を用いる場合の感光性組成物中の前記(C)の含有量は、化合物(A)および化合物(B)の合計100質量部に対して、好ましくは0.5〜50質量部、より好ましくは1〜30質量部である。触媒(C)の含有量が前記範囲の場合、優れた接着強度を有するパターン化膜を得ることができる。
〈粒子(D)〉
粒子(D)は、感光性組成物から製造されるパターン化膜の靱性を向上させる目的で用いることができる。粒子(D)としては、例えば、オレフィン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、テフロン(登録商標)樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、およびシアナミド樹脂等の樹脂を粒子化したものが挙げられる。粒子(D)としては、特開2010−084083号公報、特開2012−224733号公報、および特開2012−052051号公報等に記載のコアシェル型粒子を用いることもできる。
粒子(D)は1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
粒子(D)の一次粒径は、通常は0.001〜50μmである。前記一次粒径は、透過型電子顕微鏡により測定することができる。
粒子(D)を用いる場合の感光性組成物中の前記(D)の含有量は、化合物(A)100質量部に対して、好ましくは1〜600質量部、より好ましくは10〜200質量部、更に好ましくは50〜100質量部である。
〈溶媒(E)〉
本発明の感光性組成物は、溶媒(E)を含有することが好ましい。
溶媒(E)は、化合物(A)およびその他の成分を均一に混合し、取り扱い性を向上させたり、感光性組成物の粘度を調節したり、保存安定性を向上させる目的で用いることができる。
溶媒(E)としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル等のプロピレングリコールジアルキルエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;テトラハイドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル類;ブチルセロソルブ等のセロソルブ類;ブチルカルビトール等のカルビトール類;乳酸エチル等の乳酸エステル類;酢酸エチル、酢酸イソプロピル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸イソブチル等の脂肪族カルボン酸エステル類;3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル等の他のエステル類;メチルエチルケトン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;γ-ブチロラクン等のラクトン類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;が挙げられる。
これらの中でも、化合物(A)を均一に溶解させることができることから、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールジアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、エーテル類が好ましい。
溶媒(E)は1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
本発明の感光性組成物において、溶媒(E)の含有量は、当該組成物中の固形分濃度が通常1〜50質量%、好ましくは5〜20質量%となる範囲である。
〈その他成分〉
本発明の感光性組成物には、その特定を損なわない範囲で、上記以外のその他成分を含有することができる。その他成分としては、例えば、パターン化膜の接着性を向上させるために、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、1,3,5−N−トリス(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、1,2,3−ベンゾトリアゾール等の接着助剤;パターン化膜の難燃性を向上させるために、ホスファゼン化合物、臭化物等の難燃剤;パターン化物に色を付与するために、染料および顔料等の着色剤;炭素繊維、ガラス繊維、合成樹脂繊維等の繊維類;ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエーテルスルホンおよびポリウレタン等の熱可塑性樹脂;耐擦傷性、クラック耐性を向上させるために、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、タルク、モンモリロナイト等の無機粒子;が挙げられる。
〈感光性組成物の製造方法〉
本発明の感光性組成物は、各成分を均一に混合することにより製造できる。また、ゴミを取り除くために、各成分を均一に混合した後、得られた混合物をフィルター等で濾過してもよい。
〔パターン化膜およびその製造方法〕
本発明のパターン化膜は、例えば上述の感光性組成物から形成される。前記組成物を用いることにより、耐熱性および耐薬品性が高いパターン化膜を、現像工程を行うことなく製造することができる。
本発明のパターン化膜の製造例を以下に示す。この製造例は、基板上に、本発明の感光性組成物の塗膜を形成する工程(塗膜形成工程)、前記塗膜の少なくとも一部分を選択的に露光する工程(露光工程)、および露光後の前記塗膜を加熱することによりパターンを形成する工程(パターン形成工程)を有する。
[1]塗膜形成工程
塗膜形成工程では、例えば、前記感光性組成物を、最終的に得られるパターン化膜の膜厚が例えば0.01〜50μmとなるように、基板上に塗布する。溶媒を除去する必要がある場合、オーブンやホットプレートを用いて、通常は50〜140℃で10〜360秒間、前記塗膜を加熱する。このようにして、基板上に塗膜を形成する。
基板としては、例えば、シリコンウエハ、化合物半導体ウエハ、ガラス基板、石英基板、セラミックス基板、アルミ基板が挙げられる。
感光性組成物の塗布方法としては、例えば、ディッピング法、スプレー法、バーコート法、ロールコート法、スピンコート法、カーテンコート法、グラビア印刷法、シルクスクリーン法、インクジェット法が挙げられる。
[2]露光工程
露光工程では、所望のマスクパターンを介して、例えばコンタクトアライナー、ステッパーまたはスキャナーを用いて、上記塗膜に対して露光を行う。パターン化膜からなる回折格子を製造する場合は、干渉露光を用いることもできる。
露光光としては、紫外線、可視光線などが挙げられ、通常、波長200〜500nmの光(例:i線(365nm))を用いる。露光光の照射量は、感光性組成物中の各成分の種類、含有量、塗膜の厚さなどによって異なるが、露光光にi線を使用する場合、露光量は通常50〜10,000mJ/cm2である。
[3]パターン形成工程
パターン形成工程では、露光部分から未露光部分への感光性組成物、特に化合物(A)由来の成分の物質移動が起こる温度で塗膜を加熱することにより、現像工程を経ることなく、パターンを形成する。この物質移動により、露光部分が凹部となり、凹凸パターンが形成される。
加熱条件は、上記物質移動によりパターン形成できる温度であれば特に限定されないが、例えば以下のとおりである。加熱温度は、通常は30℃以上、好ましくは50〜260℃、より好ましくは70〜230℃である。加熱時間は、通常は1分以上、好ましくは2〜60分、より好ましくは3〜10分である。加熱時の雰囲気は、窒素ガス等の不活性雰囲気下で行うこともできる。
以上のようにして、パターン化膜を得ることができる。
パターン化膜の凸部における最大膜厚は、好ましくは0.01〜50μm、より好ましくは0.05〜10μmである。膜厚および凹凸パターンは、接触式膜厚計により測定することができる。
本発明で得られるパターン化膜は、例えば、回折格子、光記録媒体等の用途に使用することができる。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
[NMR分析]
化合物(A)の化学シフトは、核磁気共鳴(NMR)法により、下記条件で測定した。
・装置:JEOL社製、商品名:ECP−400P
・溶媒:CDCl3
1.化合物(A)の合成
[合成例1]化合物(a)の合成
窒素雰囲気下、フラスコに6.5mLのメタノール、3.82g(127mmol;−CH2O−換算)のパラホルムアルデヒド、0.06g(1mmol)の水酸化カリウム、13.94g(63.5mmol)の4−ヨードアニリン、および6.89g(63.5mmol)の4−メチルフェノールを入れ、90℃で5時間撹拌した。得られた白い懸濁液に、50mLのエタノールを固形分が完全に溶解するまで加え、放冷した。析出した沈殿物を濾別し、濾物をエタノールで洗浄、乾燥させることにより、下記式(a)で示される化合物(a)を13.14g(収率58%)得た。1H−NMRの結果を以下に示す。
1H NMR(400MHz、CDCl3):7.52ppm(d、J=9Hz、2H)、6.89ppm(dd、J=8Hz、2H)、6.80ppm(unresolved、d、1H)、6.69ppm(d、J=8Hz、1H)、5.28ppm(s、2H)、4.54ppm(s、2H)、2.21ppm(s、3H)。
Figure 2016196441
[実施例1A]化合物(A1)の合成
窒素雰囲気下、還流冷却器を付した100mLのフラスコに、6.32g(18mmol)の化合物(a)、0.23g(0.18mmol)のパラジウム活性炭素(Pd10%、和光純薬社製)、および1.91g(18mmol)の炭酸ナトリウムを加えた。その後、36mLの脱水ジメチルアセトアミド、および1.91g(9.0mmol)の2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールジアクリレートをそれぞれシリンジで加え、160℃で60分間加熱撹拌した。その後、約100℃まで冷ました後、セライトパッドを使って固形分を濾別し、濾液を300mLの水に注ぎ入れた。析出物を濾過し、水で洗浄した後、乾燥させると黄褐色の固体を5.50g得た。これを少量の酢酸エチルに溶かし、過剰量のメタノールで再結晶することにより、下記式(A1)で示される化合物(A1)を1.46g(収率25%)得た。1H−NMRの結果を以下に示す。
1H NMR(400MHz、CDCl3):7.60ppm(d、J=16Hz、2H)、7.42ppm(d、J=8Hz、4H)、7.04ppm(d、J=8Hz、4H)、6.92ppm(dd、J=8Hz、2H)、6.83ppm(unresolved、d、2H)、6.71ppm(d、J=8Hz、2H)、6.28ppm(d、J=16Hz、2H)、5.34ppm(s、4H)、4.62ppm(s、4H)、4.06ppm(s、4H)、2.25ppm(s、6H)、1.05ppm(s、6H)。
Figure 2016196441
[実施例2A]化合物(A2)の合成
窒素雰囲気下、還流冷却器を付した100mLのフラスコに、7.02g(20mmol)の化合物(a)、0.26g(0.20mmol)のパラジウム活性炭素(Pd10%、和光純薬社製)、および2.12g(20mmol)の炭酸ナトリウムを入れた。その後、40mLの脱水ジメチルアセトアミド、および2.82g(10mmol)の1,10−デカンジオールジアクリレートをそれぞれシリンジで加え、165℃で90分間加熱撹拌した。その後、約100℃まで冷ました後、セライトパッドを使って固形分を濾別し、濾液を300mLの水に注ぎ入れた。粘性の析出物を酢酸エチルで抽出し、10%の食塩水で洗浄した。その後、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、硫酸マグネシウムを濾別、エバポレーターで溶媒留去することにより、黄褐色の固体を5.10g得た。これを少量の酢酸エチルに溶かし、過剰量のメタノールで再結晶することにより、下記式(A2)で示される化合物(A2)を3.66g(収率50%)得た。1H−NMRの結果を以下に示す。
1H NMR(400MHz、CDCl3):7.59ppm(d、J=16Hz、2H)、7.43ppm(d、J=9Hz、4H)、7.05ppm(d、J=9Hz、4H)、6.92ppm(dd、J=8Hz、2H)、6.83ppm(unresolved、d、2H)、6.71ppm(d、J=8Hz、2H)、6.28ppm(d、J=16Hz、2H)、5.33ppm(s、4H)、4.61ppm(s、4H)、4.15ppm(t、J=7Hz、4H)、2.25ppm(s、6H)、1.68ppm(t、J=7Hz、4H)、1.31ppm(broad、12H)。
Figure 2016196441
[実施例3A]化合物(A3)の合成
窒素雰囲気下、還流冷却器を付した100mLのフラスコに、7.37g(21mmol)の化合物(a)、0.27g(0.21mmol)のパラジウム活性炭素(Pd10%、和光純薬社製)、および2.23g(21mmol)の炭酸ナトリウムを入れた。その後、40mLの脱水ジメチルアセトアミド、および2.07g(7.0mmol)のトリメチロールプロパントリアクリレートをそれぞれシリンジで加え、165℃で90分間加熱撹拌した。その後、約100℃まで冷ました後、セライトパッドを使って固形分を濾別し、濾液を300mLの水に注ぎ入れた。淡褐色の析出物を濾過し、水で洗浄し、乾燥させた。これを少量の酢酸エチルに溶かし、過剰量のメタノールで再結晶することにより、下記式(A3)で示される化合物(A3)を3.99g(収率59%)得た。1H−NMRの結果を以下に示す。
1H NMR(400MHz、CDCl3):7.61ppm(d、J=16Hz、3H)、7.42ppm(d、J=9Hz、6H)、7.05ppm(d、J=9Hz、6H)、6.91ppm(dd、J=8Hz、3H)、6.83ppm(unresolved、d、3H)、6.71ppm(d、J=8Hz、3H)、6.31ppm(d、J=16Hz、3H)、5.33ppm(s、6H)、4.61ppm(s、6H)、4.13ppm(s、6H)、2.25ppm(s、9H)、1.78ppm(broad、2H)、1.26ppm(t、J=7Hz、3H)。
Figure 2016196441
[実施例4A]化合物(A4)の合成
窒素雰囲気下、還流冷却器を付した100mLのフラスコに、7.03g(20mmol)の化合物(a)、0.26g(0.20mmol)のパラジウム活性炭素(Pd10%、和光純薬社製)、および2.12g(20mmol)の炭酸ナトリウムを加えた。その後、40mLの脱水ジメチルアセトアミド、および3.02g(10mmol)のテトラエチレングリコールジアクリレートをそれぞれシリンジで加え、160℃で60分間加熱撹拌した。その後、100℃まで冷ました後、セライトパッドを使って固形分を濾別し、濾液を300mLの水に注ぎ入れた。粘性の析出物を酢酸エチルで抽出し、10%の食塩水で洗浄した。その後、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、硫酸マグネシウムを濾別、エバポレーターで溶媒留去することにより、黄褐色の固体を得た。これを少量の酢酸エチルに溶かし、過剰量のメタノールに注ぎ入れ、粘性の析出物をデカンテーションにより採取し、乾燥させた。その結果、下記式(A4)で示される化合物(A4)を4.27g(収率57%;黄色の固体)得た。1H−NMRの結果を以下に示す。
1H NMR(400MHz、CDCl3):7.61ppm(d、J=16Hz、2H)、7.42ppm(d、J=8Hz、4H)、7.05ppm(d、J=8Hz、4H)、6.92ppm(dd、J=8Hz、2H)、6.83ppm(unresolved、d、2H)、6.71ppm(d、J=8Hz、2H)、6.30ppm(d、J=16Hz、2H)、5.33ppm(s、4H)、4.61ppm(s、4H)、4.35ppm(t、J=7Hz、4H)、3.74ppm(t、J=7Hz、4H)、3.73ppm(s、8H)、2.25ppm(s、6H)。
Figure 2016196441
2.感光性組成物の製造、並びにパターン化膜の製造、及びその評価
2−1.感光性組成物の製造
[実施例1B〜4B]
化合物(A1)〜(A4)をそれぞれテトラハイドロフランに固形分濃度が10質量%となるよう溶解し、それぞれ実施例1B〜4Bの感光性組成物を製造した。
2−2.パターン化膜の製造、及びその評価
4インチのシリコンウェハに、前記感光性組成物をスピンコートし、その後、ホットプレートを用いて100℃で3分間加熱し、厚さ1.5μmの塗膜を作製した。次いで、アライナー(Suss Microtec社製、装置名「MA−200」)を用いて、高圧水銀灯からの紫外線を、パターンマスクを介して、波長365nmにおける露光量が2000mJ/cm2となるように塗膜に照射した。次いで、ホットプレートを用いて、下記表1に示す加熱条件で塗膜を加熱した。その結果、露光部が凹み、未露光部が膨らんだレリーフ構造が得られた。また、実施例1と3の接触式膜厚計による凹凸の測定結果を、それぞれ、図1および図2に示す。
Figure 2016196441
2−2.耐薬品性
4インチのシリコンウェハに、前記感光性組成物をスピンコートし、その後、ホットプレートを用いて100℃で3分間加熱し、厚さ1.5μmの塗膜を作製した。次いで、滞留式オーブンで200℃、1時間加熱して硬化膜を得た。得られたシリコンウェハ/硬化膜からなる基板を、室温で10分間、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、又はアセトン(ACE)に浸漬し、浸漬前後の膜厚の変動率を算出した。耐薬品性は以下の基準で評価した。評価結果を表2に示す。
AA:変動率が3%以下であった。
BB:3%を超える変動が見られた。
Figure 2016196441

Claims (7)

  1. 式(1)で表される化合物。
    Figure 2016196441
    [式(1)中、R1は芳香族環に結合する基であって、1価の有機基であり、aは0〜4の整数であり、R1が複数ある場合は、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、任意の2つのR1が相互に結合して環を形成してもよく;R2は芳香族環に結合する基であって、1価の有機基であり、bは0〜4の整数であり、R2が複数ある場合は、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、任意の2つのR2が相互に結合して環を形成してもよく;式(1)中の−C1H=CH−C(O)−O−で表される2価の基中の炭素原子C1が、芳香族環に結合しており;nは1〜10の整数であり;R3はn価の有機基である。]
  2. 前記nが2または3である、請求項1に記載の化合物。
  3. 前記R3が式(2)または(3)で表される基である、請求項2に記載の化合物。
    Figure 2016196441
    [式(2)中、R4は炭素数1〜20のアルカンジイル基であり、R5は炭素数1〜20のアルカンジイル基であり、mは0〜20の整数であり、R5が複数ある場合は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。式(3)中、R6は炭素数1〜20のアルカンから3個の水素原子を除去した3価の基である。*は結合手を示す。]
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物を含有する感光性組成物。
  5. 基板上に、請求項4に記載の感光性組成物の塗膜を形成する工程、
    前記塗膜の少なくとも一部分を選択的に露光する工程、および
    露光後の前記塗膜を加熱することによりパターンを形成する工程
    を有する、パターン化膜の製造方法。
  6. 請求項4に記載の感光性組成物を含有するパターン化膜。
  7. 請求項5に記載の製造方法で得られたパターン化膜。
JP2015077815A 2015-04-06 2015-04-06 特定構造を有する化合物およびこれを含む感光性組成物 Active JP6439557B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015077815A JP6439557B2 (ja) 2015-04-06 2015-04-06 特定構造を有する化合物およびこれを含む感光性組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015077815A JP6439557B2 (ja) 2015-04-06 2015-04-06 特定構造を有する化合物およびこれを含む感光性組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016196441A true JP2016196441A (ja) 2016-11-24
JP6439557B2 JP6439557B2 (ja) 2018-12-19

Family

ID=57357926

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015077815A Active JP6439557B2 (ja) 2015-04-06 2015-04-06 特定構造を有する化合物およびこれを含む感光性組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6439557B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110041286A (zh) * 2019-05-10 2019-07-23 福建泓光半导体材料有限公司 一种硬掩膜单体和组合物及图案形成方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0392860A (ja) * 1989-09-05 1991-04-18 Fuji Photo Film Co Ltd 感光性樹脂組成物
WO2010145947A2 (en) * 2009-06-18 2010-12-23 Agfa Graphics Nv A lithographic printing plate precursor
JP2011237508A (ja) * 2010-05-07 2011-11-24 Yokohama National Univ パターン形成方法
JP2014098798A (ja) * 2012-11-14 2014-05-29 Yokohama National Univ パターン形成方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0392860A (ja) * 1989-09-05 1991-04-18 Fuji Photo Film Co Ltd 感光性樹脂組成物
WO2010145947A2 (en) * 2009-06-18 2010-12-23 Agfa Graphics Nv A lithographic printing plate precursor
JP2011237508A (ja) * 2010-05-07 2011-11-24 Yokohama National Univ パターン形成方法
JP2014098798A (ja) * 2012-11-14 2014-05-29 Yokohama National Univ パターン形成方法

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JOURNAL OF MOLECULAR STRUCTURE, vol. 1027, JPN6018036813, 2012, pages 162-166 *

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110041286A (zh) * 2019-05-10 2019-07-23 福建泓光半导体材料有限公司 一种硬掩膜单体和组合物及图案形成方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6439557B2 (ja) 2018-12-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI593668B (zh) Compositions containing vinyl-containing compounds
TWI443082B (zh) 鹽起始劑
TWI433833B (zh) 鹽起始劑
JP3275075B2 (ja) ポジティブホトレジスト組成物
TWI439446B (zh) 鹽起始劑(一)
BE1013627A3 (fr) Composition de reserve, composes photosensibles qui y sont contenus et leurs utilisations.
KR101334046B1 (ko) 설포늄염 개시제
TWI496766B (zh) 鋶衍生物及其作為潛酸之用途
JP2001181221A (ja) 潜伏性酸供与体としてのヨードニウム塩
JP2018505879A (ja) 潜在酸およびそれらの使用
WO2006132139A1 (ja) レジスト用化合物およびレジスト組成物
TW201439068A (zh) 新穎磺酸衍生物化合物、光酸產生劑、陽離子聚合起始劑、阻劑組成物及陽離子聚合性組成物
JP7314055B2 (ja) 化合物、潜在性塩基発生剤、該化合物を含有する感光性樹脂組成物、及び硬化物
JPS5825630A (ja) 光重合による像の形成法
US11873380B2 (en) Photoreactive composition, reaction product, and method of producing reaction product
TW201113239A (en) Cyclic compound, method for prodcing the same, radiation-sensitive composition and method for forming resist pattern
TW202019864A (zh) 光學零件形成用組成物及光學零件,以及化合物及樹脂
TW201127802A (en) Cyclic compound, method of producing the same, radiation-sensitive composition and method of forming resist pattern
WO2011030683A1 (ja) 環状化合物、その製造方法、感放射線性組成物およびレジストパターン形成方法
TW201339133A (zh) 環狀化合物、其製造方法、感輻射線性組成物及抗蝕圖型形成方法
JP6439557B2 (ja) 特定構造を有する化合物およびこれを含む感光性組成物
TWI669349B (zh) Hardening composition for permanent resist film and permanent resist film
WO2005093516A1 (ja) レジスト組成物
JP2018083786A (ja) フェノール性水酸基含有化合物及びレジスト材料
TWI629300B (zh) 硬化性組成物、硬化膜及其形成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180111

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180912

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180925

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181011

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181023

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181105

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6439557

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250