JP2016195024A - 有機el装置の製造方法、有機el装置および電子機器 - Google Patents

有機el装置の製造方法、有機el装置および電子機器 Download PDF

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【課題】液滴吐出法による成膜ムラの発生を抑制できる、有機EL装置の製造方法および電子機器を提供する。【解決手段】液滴吐出法を用いて、第1の隔壁により区画された第1の画素領域に第1の機能液を吐出するとともに、第2の隔壁により区画された第2の画素領域に第1の機能液とは異なる第2の機能液を吐出する液滴吐出工程と、第1の画素領域および第2の画素領域に吐出された第1の機能液および第2の機能液を乾燥させることで、第1の機能液および第2の機能液に含まれる溶媒を取り除く乾燥工程とを有する。液滴吐出工程において第1の画素領域に吐出される第1の機能液および第2の画素領域に吐出される第2の機能液の液量を調整し、乾燥工程において第1の機能液が乾燥を開始してから乾燥が終了するまでの第1の期間と、乾燥工程において第2の機能液が乾燥を開始してから乾燥が終了するまでの第2の期間との少なくとも一部が重なるようにする。【選択図】図6

Description

本発明は、有機EL装置の製造方法、有機EL装置および電子機器に関するものである。
近年、有機エレクトロルミネッセンス(EL:Electro Luminecent)素子(以下、有機EL素子)と呼ばれる発光素子を用いた電気光学装置の開発が進められている。有機EL素子はRGB各色で寿命が異なるため、色毎に画素サイズを変更し、有機EL素子の発光面積を異ならせることで寿命を揃えるようにした技術が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
ところで、有機EL素子を形成する場合において、液滴吐出法を用いることで、材料を無駄なく微細且つ容易に配置する技術が知られている(例えば、特許文献3参照)。このような液滴吐出法を用いる場合、隔壁により区画された画素領域に吐出したインクを乾燥させることで有機EL素子を形成する。
そこで、液滴吐出法を用いて、色ごとにサイズが変更された各画素に有機EL素子を形成することが考えられる。この場合、画素サイズに応じてインク吐出量を異ならせる必要がある。
特開2005−235566号公報 特開2008−66366号公報 特開2007−95614号公報
しかしながら、画素サイズに応じてインク吐出量を異ならせると、インクの乾燥時間が画素毎で異なってしまい、膜質にバラツキが生じるおそれがある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、液滴吐出法による成膜ムラの発生を抑制できる、有機EL装置の製造方法、有機EL装置および電子機器を提供することを目的とする。
本発明の第1態様に従えば、液滴吐出法を用いて、第1の隔壁により区画された第1の画素領域に第1の機能液を吐出するとともに、第2の隔壁により区画された第2の画素領域に第2の機能液を吐出する液滴吐出工程と、前記第1の画素領域および前記第2の画素領域に吐出された前記第1の機能液および前記第2の機能液を乾燥させることで、前記第1の機能液および前記第2の機能液に含まれる溶媒を取り除く乾燥工程と、を有し、前記液滴吐出工程において前記第1の画素領域に吐出される前記第1の機能液、および前記第2の画素領域に吐出される前記第2の機能液の液量を調整することにより、前記乾燥工程において前記第1の機能液が乾燥を開始してから乾燥が終了するまでの第1の期間と、前記乾燥工程において前記第2の機能液が乾燥を開始してから乾燥が終了するまでの第2の期間との少なくとも一部が重なるようにする有機EL装置の製造方法が提供される。
第1態様に係る有機EL装置の製造方法によれば、例えば、第1の機能液および第2の機能液の液量をほぼ同程度とすることで、第1の機能液が乾燥を開始してから乾燥が終了するまでの期間と、第2の機能液が乾燥を開始してから乾燥が終了するまでの第2の期間との少なくとも一部が重なるので、第1の機能液と第2の機能液の乾燥状態を揃えることができる。よって、第1の機能液および第2の機能液を乾燥して形成される第1の機能層および第2の機能層の成膜ムラの発生を抑えることができる。
本発明の第2態様に従えば、液滴吐出法を用いて、第1の隔壁により区画された第1の画素領域に第1の機能液を吐出するとともに、第2の隔壁により区画された第2の画素領域に第2の機能液を吐出する液滴吐出工程と、前記第1の画素領域および前記第2の画素領域に吐出された前記第1の機能液および前記第2の機能液を乾燥させることで、前記第1の機能液および前記第2の機能液に含まれる溶媒を取り除く乾燥工程と、を有し、前記第1の機能液、および前記第2の機能液の濃度調整を行うことにより、前記乾燥工程において前記第1の機能液が乾燥を開始してから乾燥が終了するまでの第1の期間と、前記乾燥工程において前記第2の機能液が乾燥を開始してから乾燥が終了するまでの第2の期間との少なくとも一部が重なるようにする有機EL装置の製造方法が提供される。
第2態様に係る有機EL装置の製造方法によれば、例えば、第1の機能液および第2の機能液の濃度を調整することで、第1の機能液が乾燥を開始してから乾燥が終了するまでの期間と、第2の機能液が乾燥を開始してから乾燥が終了するまでの第2の期間との少なくとも一部が重なるので、第1の機能液と第2の機能液の乾燥状態を揃えることができる。よって、第1の機能液および第2の機能液を乾燥して形成される第1の機能層および第2の機能層の成膜ムラの発生を抑えることができる。
本発明の第3態様に従えば、液滴吐出法を用いて、第1の隔壁により区画された第1の画素領域に第1の機能液を吐出するとともに、第2の隔壁により区画された第2の画素領域に第2の機能液を吐出する液滴吐出工程と、前記第1の画素領域および前記第2の画素領域に吐出された前記第1の機能液および前記第2の機能液を乾燥させることで、前記第1の機能液および前記第2の機能液に含まれる溶媒を取り除く乾燥工程と、を有し、前記乾燥工程において前記第1の機能液が乾燥を開始してから乾燥が終了するまでを第1の期間とし、前記第2の機能液が乾燥を開始してから乾燥が終了するまでの第2の期間としたとき、前記第1の機能液の沸点、および前記第2の機能液の沸点を、前記第1の期間と前記第2の期間の少なくとも一部が重なるような温度とする有機EL装置の製造方法が提供される。
第3態様に係る有機EL装置の製造方法によれば、例えば、第1の機能液および第2の機能液の溶媒の沸点を調整することで、第1の機能液が乾燥を開始してから乾燥が終了するまでの期間と、第2の機能液が乾燥を開始してから乾燥が終了するまでの第2の期間との少なくとも一部が重なるので、第1の機能液と第2の機能液の乾燥状態を揃えることができる。よって、第1の機能液および第2の機能液を乾燥して形成される第1の機能層および第2の機能層の成膜ムラの発生を抑えることができる。
上記第1態様に係る有機EL装置の製造方法においては、前記液滴吐出工程において、前記第1の画素領域に吐出する前記第1の機能液と、前記第2の画素領域に吐出する前記第2の機能液との液量の差を10%以内とするのが好ましい。
この構成によれば、第1の機能液および第2の機能液の乾燥状態が良好に揃うようになるので、第1の機能層および第2の機能層の成膜ムラの発生を抑えることができる。
上記第2態様に係る有機EL装置の製造方法においては、前記液滴吐出工程を実施した後に、溶媒を前記第1の画素領域に吐出することで前記濃度調整を行うのが好ましい。
この構成によれば、第1の機能液の濃度調整を簡便且つ確実に行うことができる。
上記第2態様に係る有機EL装置の製造方法においては、前記液滴吐出工程を実施した後に、溶媒を前記第2の画素領域に吐出することで前記濃度調整を行うのが好ましい。
この構成によれば、第2の機能液の濃度調整を簡便且つ確実に行うことができる。
上記第2態様に係る有機EL装置の製造方法においては、前記濃度調整が行われた前記第1の機能液、および前記第2の機能液を、前記液滴吐出工程において吐出するのが好ましい。
この構成によれば、第1の機能液および第2の機能液の濃度調整を精度良く行うことができる。
上記第3態様に係る有機EL装置の製造方法においては、前記液滴吐出工程を実施した後に、溶媒を前記第1の画素領域に吐出することで前記第1の機能液の沸点を調整するのが好ましい。
この構成によれば、第1の機能液の沸点を調整することで、第1の機能液の乾燥時間を調整することができる。よって、第1の期間と第2の期間とが重なる割合を容易に調整できる。
上記第3態様に係る有機EL装置の製造方法においては、前記液滴吐出工程を実施した後に、溶媒を前記第2の画素領域に吐出することで前記第2の機能液の沸点を調整するのが好ましい。
この構成によれば、第2の機能液の沸点を調整することで、第2の機能液の乾燥時間を調整することができる。よって、第1の期間と第2の期間とが重なる割合を容易に調整できる。
上記第3態様に係る有機EL装置の製造方法においては、前記第1の機能液の沸点が、前記第1の期間と前記第2の期間との少なくとも一部が重なるような温度となるように前記第1の機能液に含まれる溶媒の種類を選択するのが好ましい。
この構成によれば、溶媒の種類を適宜選択することで第1の機能液の沸点を調整できるので、第1の機能液の乾燥時間を調整することができる。よって、第1の期間と第2の期間とが重なる割合を容易に調整できる。
上記第3態様に係る有機EL装置の製造方法においては、前記第2の機能液の沸点が、前記第1の期間と前記第2の期間との少なくとも一部が重なるような温度となるように前記第2の機能液に含まれる溶媒の種類を選択するのが好ましい。
この構成によれば、溶媒の種類を適宜選択することで第2の機能液の沸点を調整できるので、第2の機能液の乾燥時間を調整することができる。よって、第1の期間と第2の期間とが重なる割合を容易に調整できる。
上記第1乃至第3態様に係る有機EL装置の製造方法においては、前記乾燥工程における前記第1の期間と前記第2の期間とが重なる割合を50%以上とするのが好ましい。
この構成によれば、第1の機能液および第2の機能液の乾燥状態が良好に揃うようになるので、第1の機能層および第2の機能層の成膜ムラの発生を抑えることができる。
本発明の第4態様に従えば、上記第1乃至第3態様に係る製造方法により製造された有機EL装置が提供される。
第4態様に係る有機EL装置によれば、上記第1乃至3態様に係る製造方法により成膜ムラの発生が抑制されているので、表示品質に優れた信頼性の高い有機EL装置を提供できる。
本発明の第5態様に従えば、上記第4態様に係る有機EL装置を備える電子機器が提供される。
第5態様に係る電子機器によれば、上記第4態様に係る成膜ムラの発生が抑制された有機EL装置を備えるので、本電子機器は表示品質に優れた信頼性の高いものとなる。
電気光学装置の回路構成を示す模式図。 有機EL装置の構成を示す概略平面図。 サブ画素の配置を示す概略平面図。 サブ画素の断面構造を示す概略断面図。 (a)、(b)はインクジェットヘッドの構成を示す図。 (a)〜(c)は調整ステップを概念的に示す図。 携帯電話の一例を示す斜視図。 腕時計の一例を示す斜視図。 携帯型情報処理装置の一例を示す斜視図。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。また、以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに必ずしも限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
まず、本実施形態の有機EL装置の製造方法により製造した有機EL装置の構成について図面を参照しつつ説明する。図1は本実施形態の有機EL装置の電気的な構成を示す等価回路図、図2は本実施形態の有機EL装置の構成を示す概略平面図、図3はサブ画素の配置を示す概略平面図、図4はサブ画素の断面構造を示す概略断面図である。
図1に示すように、本実施形態の有機EL装置100は、互いに交差する複数の走査線12及び複数のデータ線13と、電源線14とを有している。複数の走査線12が接続される走査線駆動回路16と、複数のデータ線13が接続されるデータ線駆動回路15とを有している。また、複数の走査線12と複数のデータ線13との各交差部に対応してマトリックス状に配置された発光画素である複数のサブ画素18を有している。
サブ画素18は、発光素子としての有機EL素子80と、有機EL素子80の駆動を制御する画素回路20とを有している。
有機EL素子80は、陽極としての画素電極31と、陰極としての共通電極70と、画素電極31と共通電極70との間に設けられた機能層40とを有している。このような有機EL素子80は電気的にダイオードとして表記することができる。なお、詳しくは後述するが、画素電極31がサブ画素18毎形成されており、共通電極70は複数のサブ画素18に亘る共通陰極として形成されている。したがって、機能層40及び共通電極70は複数のサブ画素18に亘って連続して設けられており機能層40及び共通電極70はサブ画素18毎に区分はないが、便宜上、サブ画素18毎に有機EL素子80が設けられていると説明している。
画素回路20は、スイッチング用トランジスター21と、蓄積容量22と、駆動用トランジスター23とを含んでいる。2つのトランジスター21,23は、例えばnチャネル型もしくはpチャネル型の薄膜トランジスター(TFT;Thin Film Transistor)やMOSトランジスターを用いて構成することができる。
スイッチング用トランジスター21のゲートは走査線12に接続され、ソースまたはドレインのうち一方がデータ線13に接続され、ソースまたはドレインのうち他方が駆動用トランジスター23のゲートに接続されている。
駆動用トランジスター23のソースまたはドレインのうち一方が有機EL素子80の画素電極31に接続され、ソースまたはドレインのうち他方が電源線14に接続されている。駆動用トランジスター23のゲートと電源線14との間に蓄積容量22が接続されている。
走査線12が駆動されてスイッチング用トランジスター21がオン状態になると、そのときにデータ線13から供給される画像信号に基づく電位がスイッチング用トランジスター21を介して蓄積容量22に保持される。該蓄積容量22の電位すなわち駆動用トランジスター23のゲート電位に応じて、駆動用トランジスター23のオン・オフ状態が決まる。そして、駆動用トランジスター23がオン状態になると、電源線14から駆動用トランジスター23を介して画素電極31と共通電極70とに挟まれた機能層40にゲート電位に応じた量の電流が流れる。有機EL素子80は、機能層40を流れる電流量に応じて発光する。
図2に示すように、有機EL装置100は、素子基板10を有している。素子基板10には、表示領域E0(図中、一点鎖線で表示)と、表示領域E0の外側に周辺領域E3とが設けられている。表示領域E0は、実表示領域(発光領域)E1(図中、二点鎖線で表示)と、実表示領域E1を囲む非表示領域E2とを有している。
実表示領域E1には、発光画素としてのサブ画素18がマトリックス状に配置されている。サブ画素18は、前述したように発光素子としての有機EL素子80を備えており、スイッチング用トランジスター21及び駆動用トランジスター23の動作に伴って、青(B)、緑(G)、赤(R)のうちいずれかの色の発光が得られる構成となっている。
本実施形態では、同色の発光が得られるサブ画素18が第1の方向に配列し、異なる色の発光が得られるサブ画素18が第1の方向に対して交差(直交)する第2の方向に配列した、所謂ストライプ方式のサブ画素18の配置となっている。以降、上記第1の方向をY方向とし、上記第2の方向をX方向として説明する。なお、素子基板10におけるサブ画素18の配置はストライプ方式に限定されず、モザイク方式、デルタ方式であってもよい。
非表示領域E2には、主として各サブ画素18の有機EL素子80を発光させるための周辺回路が設けられている。例えば、図2に示すように、X方向において実表示領域E1を挟んだ位置にY方向に延在して一対の走査線駆動回路16が設けられている。一対の走査線駆動回路16の間で実表示領域E1に沿った位置に検査回路17が設けられている。
素子基板10のX方向に平行な一辺部(図中の下方の辺部)に、外部駆動回路との電気的な接続を図るためのフレキシブル回路基板(FPC)43が接続されている。FPC45には、FPC45の配線を介して素子基板10側の周辺回路と接続される駆動用IC44が実装されている。駆動用IC44は前述したデータ線駆動回路15を含むものであり、素子基板10側のデータ線13や電源線14は、FPC45を介して駆動用IC44に電気的に接続されている。
表示領域E0と素子基板10の外縁との間、つまり周辺領域E3には、例えば各サブ画素18の有機EL素子80の共通電極70に電位を与えるための配線29などが形成されている。配線29は、FPC45が接続される素子基板10の辺部を除いて、表示領域E0を囲むように素子基板10に設けられている。
次に、図3を参照してサブ画素18の平面的な配置について説明する。
図3に示すように、青(B)の発光が得られるサブ画素18B、緑(G)の発光が得られるサブ画素18G、赤(R)の発光が得られるサブ画素18RがX方向に順に配列している。同色の発光が得られるサブ画素18はY方向に隣り合って配列している。本実施形態においては、X方向に配列した3つのサブ画素18B,18G,18Rを1つの画素19として表示をなす構成となっている。
なお、図3では、異なる色のサブ画素18B,18G,18Rの配置は、X方向において左側から青(B)、緑(G)、赤(R)の順になっているが、これに限定されるものではない。例えば、X方向において、左側から赤(R)、緑(G)、青(B)の順であってもよい。
各サブ画素18は、隔壁24により区画されたサブ画素領域Aに設けられ、該サブ画素領域Aには有機EL素子80が設けられている。図3においては、サブ画素18B,18G,18Rにそれぞれ対応したサブ画素領域Ab,Ag,Arが隔壁24により区画されている。また、サブ画素領域Ab,Ag,Arには、発光色に対応した有機発光層を含む有機EL素子80B,80G,80Rが設けられている。
ここで、サブ画素領域Abは、特許請求の範囲の「第1の画素領域」に対応し、サブ画素領域Agは、特許請求の範囲の「第2の画素領域」に対応し、サブ画素領域Arは、特許請求の範囲の「第3の画素領域」に対応する。
また、有機EL素子80Bは、特許請求の範囲の「第1の有機EL素子」に対応し、有機EL素子80Gは、特許請求の範囲の「第2の有機EL素子」に対応し、有機EL素子80Rは、特許請求の範囲の「第3の有機EL素子」に対応する。
各サブ画素領域Aには、略矩形状の画素電極31が設けられている。画素電極31は長手方向がY方向に沿って配置されている。各サブ画素領域Aには、後述のように発光色に応じた機能層(不図示)が配置されている。
次に、図4を参照して有機EL装置100の断面構造について説明する。図4では、1つのサブ画素領域Aの断面構造を例に挙げて説明する。
図4に示すように、有機EL装置100は、素子基板10と、素子基板10上に形成される画素電極31と、画素電極31の周縁部を覆った状態に設けられる隔壁24と、隔壁24により区画されるサブ画素領域A内において画素電極31上に配置される機能層40と、少なくとも機能層40を覆って素子基板10上に形成された共通電極70と、を備えている。
本実施形態では、画素電極31と、これの直上に配置された機能層40と、この機能層40を覆う共通電極70とから、有機EL素子80が形成されている。また、本実施形態の有機EL装置100では、有機EL素子80で発光した光を、共通電極70側に射出するトップエミッション方式が採用されている。なお、素子基板10の上には、有機EL素子80を覆うシール層35及び封止基板36が設けられている。
素子基板10は、基材41と、基材41上に形成されて配線や駆動素子等を備える素子層42と、を備えている。基材41としては、本実施形態ではトップエミッション方式を採用しているので、透明基板及び不透明基板のいずれも用いることができる。不透明基板としては、例えばアルミナ等のセラミックス、ステンレススチール等の金属シートに表面酸化などの絶縁処理を施したもの、また熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂、さらにはそのフィルム(プラスチックフィルム)などが挙げられる。透明基板としては、例えばガラス、石英ガラス、窒化ケイ素等の無機物や、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の有機高分子(樹脂)を用いることができる。また、前記材料を積層または混合して形成された複合材料を用いることもできる。本実施形態では、基材41の材料として前述した不透明のプラスチックフィルムを用いる。
素子層42は、有機EL装置100を駆動させるための各種配線や図1に示すスイッチング用TFTや駆動用TFTなどを含む画素回路20、及び無機材料または有機材料からなる絶縁膜などを備えて構成されている。各種配線や駆動素子は、フォトリソグラフィ技術やエッチング技術等を用いてパターニングすることで形成されており、また、絶縁膜は、蒸着法やCVD法、スパッタ法などの公知の成膜法によって形成されている。
素子層42上には、素子層42に含まれる駆動用TFT(図示せず)のソース電極と接続する電極48が形成されている。また、この素子層42上には、前記電極48を覆って平坦化層43が形成されている。平坦化層43は、素子層42に形成される各構成要素による凹凸をなくし、有機EL素子を形成するのに適した平坦な面を実現するために形成されたものである。平坦化層43の形成材料としては、アクリル樹脂等の有機絶縁材料や無機絶縁材料が用いられる。
平坦化層43には、前記電極48に通じるコンタクトホール43aが形成されており、このコンタクトホール43aを含む平坦化層43上の領域には、画素電極31が形成されている。これにより、このコンタクトホール43aを介して、前記電極48と画素電極31とが電気的に接続されている。
画素電極31の形成材料としては、例えばITO(Indium Tin Oxide:インジウム錫酸化物)等の金属酸化物が用いられる。なお、本実施形態ではトップエミッション方式が採用されているため、画素電極31は透光性を備える必要がない。したがって、本実施形態では、前記ITOからなる透明導電層の下側に、Al等の光反射性金属層が形成されて積層構造とされ、この積層構造によって光反射性を有する画素電極31が形成されている。このような画素電極31は、公知の成膜法で成膜された後、パターニングされることにより形成されている。
また、平坦化層43の上には、隔壁24が形成されている。
隔壁24は、無機隔壁24aと、無機隔壁24a上に形成された有機隔壁24bと、を含む。隔壁24は、画素電極31をサブ画素領域Aごとに区画し、かつ画素電極31の上面を露出させる開口部50を形成する。機能層40は、隔壁24によって形成された開口部50内に、発光色毎に種類の異なる機能材料を含む機能液を塗布し乾燥、焼成することによって形成される。
無機隔壁24aは、酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(SiN)、酸窒化シリコン(SiON)等の絶縁性の無機材料によって形成されたもので、その表面に親液化処理が施され、濡れ性が向上させられたことにより、親液性を有したものとなっている。
有機隔壁24bは、例えば平坦化層43と同じ有機材料(例えば、アクリル樹脂等)によって形成されたもので、その表面に撥液化処理(CF処理)が施されたことにより、撥液性を有したものとなっている。
無機隔壁24aは、一端が開口部50内に入り込むように形成されており、画素電極31の端部を覆った状態で平坦化層43の上方に至るように形成されている。無機隔壁24aには、画素電極31の平坦部分を露出させる画素開口24a1が形成されている。画素開口24a1は、画素電極31および共通電極70間に印加された電圧により機能層40に含まれる発光層を発光させる発光面積を規定するものである。ここで、画素開口24a1は、平面視長円形状(トラック形状)に形成されている(図3参照)。
有機隔壁24bは、無機隔壁24aを覆って形成され、サブ画素領域Aを構成する開口部50の開口形状を規定するものである。なお、本例では、有機隔壁24bはその内面がテーパ面となっている。
なお、有機隔壁24bは、例えば、その高さが2μmとなっており、一方、無機隔壁24aは有機隔壁24bに比べて十分に薄く形成されている。したがって、無機隔壁24aの上面と画素開口24a1内に露出する画素電極31の上面との間には、ほとんど段差が形成されておらず、よって無機隔壁24aの上面と画素電極31の上面とはほぼ平坦な面を形成している。
機能層40は、隔壁24により形成される開口部50(サブ画素領域A)に配置されている。機能層40は、少なくとも発光層9を含む複数の薄膜を積層することによって構成されている。
具体的に、本実施形態の機能層40は、正孔注入層(HIL)7、正孔輸送層(HTL)8、発光層(EML)9を含む複数の薄膜を積層することによって形成されている。
正孔注入層7、正孔輸送層8は、例えば、3,4−ポリエチレンジオキシチオフェン−ポリスチレンスルフォン酸(PEDOT/PSS)の分散液、すなわち、ポリスチレンスルフォン酸を分散媒として、3,4−ポリエチレンジオキシチオフェンを分散させ、さらにこれを水に分散させた分散液等の液状材料を乾燥、焼成することによって形成されている。
発光層9は、蛍光あるいは燐光を発光することが可能な公知の発光材料により形成されている。ここで、発光層9の形成材料としては、例えば、(ポリ)フルオレン誘導体(PF)、(ポリ)パラフェニレンビニレン誘導体(PPV)、ポリフェニレン誘導体(PP)、ポリパラフェニレン誘導体(PPP)、ポリビニルカルバゾール(PVK)、ポリチオフェン誘導体、ポリメチルフェニルシラン(PMPS)などのポリシラン系などが好適に用いられる。また、これらの高分子材料に、ペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素などの高分子系材料や、ルブレン、ペリレン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドン等の低分子材料をドープして用いることもできる。さらに、Ir(ppy)3などの燐光材料を用いることもできる。
本実施形態では、各サブ画素領域Aに配置する発光層9として、赤(R)、緑(G)、青(B)の各色光に対応した形成材料を用いている。
本実施形態において、有機EL装置100は、画素電極31と共通電極70との間で光共振器が構成されている。サブ画素18B,18G,18Rごとの画素電極31B,31G,31Rの膜厚が異なることにより、それぞれの光共振器における光学的な距離が異なっている。これにより、サブ画素18B,18G,18Rのそれぞれにおいて各色に対応した共振波長の光が得られる構成となっている。
ところで、従来より、有機EL素子は色毎に特性が異なることが知られている。
例えば、青(B)を発光する発光層は相対的に寿命が短いため、他色(緑(G)、赤(R))の光に対応するサブ画素18R,18Gに比べて画素サイズを大きくしたり、機能層の膜厚を相対的に変えている。
また、視感度が高い緑(G)を発光する発光層は、他色(R(赤)、B(青))の光に対応するサブ画素18R,18Bに比べて画素サイズを大きくしたり、機能層の膜厚を相対的に変えている。
これに対し、本実施形態の有機EL装置100は、例えば、サブ画素18R,18G,18B毎に機能層40(正孔注入層(HIL)7、正孔輸送層(HTL)8、又は発光層(EML)9)の膜厚が調整されることで、有機EL素子80における色毎の特性(寿命や視感度)のバラツキが抑えられたものとなっている。
続いて、本実施形態の有機EL装置100の製造方法について図面を参照しながら説明する。
本実施形態において、機能層40は、液滴吐出法により、液状の機能液を隔壁24によって区画形成されたサブ画素領域A内に吐出(塗布)し、乾燥、焼成することによって形成する。液滴吐出法としては、例えば、インクジェット装置を用いたインクジェット法等が例示できる。
図5(a)は、液滴吐出法で液滴を吐出する装置(液滴吐出装置)に備えられた液滴吐出ヘッド51の断面図である。この液滴吐出ヘッド51には、液状体を収容する液体室52に隣接して、ピエゾ素子53が設けられている。液体室52には、液状体を収容する材料タンクを含む液状体供給系55を介して、液状体が供給されるようになっている。ピエゾ素子53は、駆動回路54に接続されており、この駆動回路54を介してピエゾ素子53に電圧を印加し、ピエゾ素子53を変形させる。これにより、液体室52を変形して内圧を高め、ノズル56から液状体の液滴を吐出する。すなわち、印加電圧の値を変化させることにより、ピエゾ素子53の歪み量を制御し、液状体の吐出量を制御するようになっている。
また、この液滴吐出ヘッド51は、図5(b)に示すようにその下面に多数のノズル56を、一定間隔で一列(あるいは複数列)に配置した、マルチノズルタイプのものである。これらノズル56からは、それぞれ独立して、機能層40の形成材料となる機能液(液状体)の液滴が吐出されるようになっている。
具体的に本実施形態の製造方法は、液滴吐出法を用いて、サブ画素領域Ab,Ag,Arに液状の機能液を吐出する液滴吐出工程と、サブ画素領域Ab,Ag,Arに吐出した機能液を乾燥させることで前記サブ画素領域Ab,Ag,Arに有機EL素子80B,80G,80Rを形成する乾燥工程と、を有している。
液滴吐出法により吐出した機能液を乾燥させる上記乾燥工程においては、乾燥後にムラが発生することを抑制するには、乾燥する領域全体(複数のサブ画素領域Aが形成された素子基板10)の溶媒雰囲気を均一にすることが重要である。
本実施形態では上述のようにサブ画素18B,18G,18R間で機能層40(正孔注入層(HIL)7、正孔輸送層(HTL)8、又は発光層(EML)9)の膜厚を調整するため、各サブ画素領域Ab,Ag,Arに吐出される機能液の量に差が生じることとなる。
各サブ画素領域Ab,Ag,Ar間において吐出された機能液の量に差がある場合、乾燥工程において、相対的に機能液の量が少ないサブ画素領域Aから乾燥が順次完了していく。
最後に乾燥するサブ画素領域Aでは、隣接するサブ画素領域Aの乾燥が完了しているため、溶媒雰囲気が他のサブ画素領域Aとは異なっている。
そのため、機能液の乾燥状態が安定しなくなることにより、乾燥後に形成される機能層の膜形状に歪みが生じる。すると、有機EL素子80に乾燥状態のバラツキに起因した成膜ムラが生じてしまう。
本発明者らは、種類の異なる機能液が乾燥を開始してから乾燥が終了するまでの期間(以下、乾燥期間と称す)が互いにの少なくとも一部でも重なっていれば(オーバーラップしていれば)、乾燥する領域全体の溶媒雰囲気が安定し、各機能液が安定して乾燥することで機能層の成膜ムラの発生を抑制できるとの知見を得た。そして、本発明を完成させた。
本実施形態の製造方法は、上記液滴吐出工程において、機能液における液膜の状態を調整する調整ステップを設けている。
上記調整ステップは、乾燥工程においてサブ画素領域Abに吐出された第1の機能液が乾燥を開始してから乾燥が終了するまでの第1の期間と、サブ画素領域Agに吐出された第2の機能液が乾燥を開始してから乾燥が終了するまでの第2の期間と、サブ画素領域Arに吐出された第3の機能液が乾燥を開始してから乾燥が終了するまでの第3の期間と、の少なくとも一部が重なる(オーバーラップする)ように、第1、第2および第3の機能液における液膜の状態を調整する。
本発明者らは、機能液の乾燥期間は機能液の量、濃度、溶媒の種類によって変化し、これらを調整することで乾燥期間を調整できることを見出した。
そして、上記調整ステップとして、機能液の量、濃度、溶媒の種類のいずれかを調整することで、各機能液における乾燥期間のオーバーラップ量(重なり量)を任意に制御することを可能とした。
図6(a)〜(c)は、調整ステップを概念的に示す図である。図6において、縦軸は機能液の液膜の厚さを示し、横軸は乾燥工程における経過時間を示す。
機能液は、乾燥の進行に伴って液膜が減少し、溶媒成分が無くなった時点で最終的に膜厚が一定となる。そのため、機能液が乾燥を開始する時間である乾燥開始時間、機能液が乾燥を終了する時間である乾燥終了時間、および、乾燥開始時間から乾燥終了時間までの期間である乾燥期間は、例えば、CCDカメラ等の撮像手段を用いて、機能液の液面の変化を観察することでそれぞれ規定可能である。
図6(a)〜(c)では、第1の機能液R1が乾燥を開始する時間を乾燥開始時間T1sとし、乾燥が終了する時間を乾燥終了時間T1eとし、乾燥開始時間T1sから乾燥終了時間T1eまでの期間を乾燥期間T1とする。
また、第2の機能液R2が乾燥を開始する時間を乾燥開始時間T2sとし、乾燥が終了する時間を乾燥終了時間T2eとし、乾燥開始時間T2sから乾燥終了時間T2eまでの期間を乾燥期間T2とする。
また、第3の機能液R3が乾燥を開始する時間を乾燥開始時間T3sとし、乾燥が終了する時間を乾燥終了時間T3eとし、乾燥開始時間T3sから乾燥終了時間T3eまでの期間を乾燥期間T3とする。
本実施形態において、調整ステップでは、上述のように各機能液における乾燥期間T1〜T3をオーバーラップさせる第1の手段として、各サブ画素領域A間で各機能液の量が略等しくなるようにしている。
機能液の吐出量の調整は、液滴吐出ヘッド51からの液滴の吐出量を調整することで簡便且つ確実に実行可能である。本実施形態では、サブ画素領域A間の機能液の液量差を±10%以内、好ましくは±5%以内に抑えるように、各サブ画素領域A間で各機能液の量を調整している。
サブ画素領域A間の機能液の液量差を±10%以内に抑えれば、各機能液における乾燥期間T1〜T3がオーバーラップする割合(重なる割合)を50%以下とすることができる。
また、サブ画素領域A間の機能液の液量差を±5%以内に抑えれば、各機能液における乾燥期間T1〜T3がオーバーラップする割合(重なる割合)を80%以下とすることができる。
このように各サブ画素領域Aにおける乾燥期間T1〜T3がオーバーラップする割合が高くなると、乾燥する領域全体の溶媒雰囲気が安定して各機能液の乾燥状態を安定させることができる。よって、乾燥後に各サブ画素領域Aに形成される機能層40の成膜ムラの発生を抑制することができる。
ところで、本実施形態では、上述のように各サブ画素領域A間で機能層40(正孔注入層(HIL)7、正孔輸送層(HTL)8、又は発光層(EML)9)の膜厚を異ならせている。
一般に、機能層40の膜厚を厚くするには、機能液の吐出量を増やせばよい。しかしながら、機能液の吐出量を増やすと、サブ画素領域A間における機能液の液量差が大きくなってしまい、各サブ画素領域Aにおいて機能液の乾燥期間T1〜T3がオーバーラップしなくなってしまい、乾燥後に形成される機能層40に成膜ムラが発生するおそれがある。
そこで、本実施形態の調整ステップでは、第2の手段として、各機能液の濃度を調整するようにしている。
機能液の濃度を調整すると、機能液中に分散される有機材料(正孔注入層7、正孔輸送層8又は発光層9の形成材料)の量が変化する。すなわち、機能液の濃度を相対的に高く設定すれば、乾燥後に形成される機能層40の膜厚を厚くしつつ、液滴吐出工程においてサブ画素領域A内に吐出する機能液の量を抑えることができる。
一方、機能液の濃度を相対的に低く設定すれば、乾燥後に形成される機能層40の膜厚を薄くするとともに、液滴吐出工程において吐出される機能液の量を増やすことができる。
機能液の濃度の調整(濃度を低くする調整)は、液滴吐出ヘッド51の所定ノズルから溶媒のみを吐出することで実現できる。このようにすれば、例えば、機能液が配置された所定のサブ画素領域Aに溶媒のみを吐出することで機能液の濃度を薄めることができる。
本実施形態では、予め、濃度と乾燥期間T1〜T2との関係を実験等により算出することで作成したデータに基づいて、上記調整ステップを実行する。
よって、各サブ画素領域A間において、機能液の量を略等しくできるので、各機能液における乾燥時間を良好にオーバーラップさせることができる。したがって、乾燥する領域全体の溶媒雰囲気が安定して各機能液の乾燥状態が安定するため、乾燥後に形成される機能層の成膜ムラの発生を抑制することができる。
さらに、本実施形態の調整ステップでは、第3の手段として、各機能液に含まれる溶媒の沸点を調整するようにしている。
溶媒の沸点調整は、例えば、予め沸点が異なる溶媒(高沸点溶媒あるいは低沸点溶媒)を含む複数種類の機能液を用意し、各々の種類の機能液を吐出する液滴吐出ヘッド51を用いればよい。あるいは、所定のサブ画素領域Aに配置された機能液に対して、沸点を調整可能な沸点調整材料を液滴吐出ヘッド51から選択的に吐出することで機能液の沸点を調整するようにすればよい。
例えば、溶媒の沸点を相対的に高く調整すると、図6(b)に示すように、乾燥工程において機能液の乾燥開始時間T1s´,T2s´,T3s´を遅らせるとともに、乾燥開始時間T1s,T2s,T3sから乾燥終了時間T1e´,T2e´,T3e´までの乾燥期間T1´〜T3´を乾燥期間T1〜T3に比べて延ばすことができる。
一方、溶媒の沸点を相対的に低く調整すると、図6(c)に示すように、乾燥工程において機能液の乾燥開始時間T1s´´,T2s´´,T3s´´を早めるとともに、乾燥開始時間T1s´´,T2s´´,T3s´´から乾燥終了時間T1e´´,T2e´´,T3e´´までの乾燥期間T1´´〜T3´´を乾燥期間T1〜T3に比べて短くすることができる。
本実施形態では、予め、沸点と乾燥期間T1〜T2との関係を実験等により算出することで作成したデータに基づいて、上記調整を行う。
よって、各サブ画素領域A間で機能液の乾燥期間T1〜T3を良好にオーバーラップさせることができる。
したがって、乾燥する領域全体の溶媒雰囲気が安定して各機能液の乾燥状態が安定するので、乾燥後に各サブ画素領域Aに形成される機能層40の成膜ムラの発生を抑制することができる。
以上のようにして、各サブ画素領域Aに機能層40を形成した後、機能層40及び隔壁24を覆って透明導電材料を成膜し、共通電極70を形成する(図4参照)。この共通電極70の形成では、機能層40の形成とは異なり、真空蒸着法等で行うことにより、サブ画素領域Aにのみ選択的に形成するのでなく、素子基板10のほぼ全面に形成する。
その後、共通電極70上に接着剤を用いてシール層35(図4参照)を形成し、さらにこのシール層35によって封止基板36(図4参照)を接着し、封止を行う。これにより、本実施形態の有機EL装置100が得られる。
本実施形態によれば、各サブ画素領域A間で機能液の乾燥期間T1〜T3を良好にオーバーラップさせることができるので、各サブ画素領域Aにおいて機能液の乾燥状態を揃えることができる。よって、各サブ画素領域Aに成膜ムラの発生が抑制された信頼性の高い機能層40を備えた有機EL装置100を製造できる。
(電子機器)
次に、上記製造方法により製造した有機EL装置100を備える電子機器の具体例について、図7、図8及び図9を参照して説明する。
図7は、携帯電話200の一例を示す斜視図である。携帯電話200は、図7に示すように、携帯電話本体201を備え、この携帯電話本体201に設けられた表示部202に上記有機EL装置100を用いた例である。
図8は、腕時計300の一例を示す斜視図である。腕時計300は、図8に示すように、時計本体301を備え、この時計本体301に設けられた表示部302に上記有機EL装置100を用いた例である。
図9は、パーソナルコンピューターなどの携帯型情報処理装置400の一例を示す斜視図である。携帯型情報処理装置400は、図9に示すように、装置本体401を備え、この装置本体401に設けられた表示部402に上記有機EL装置100を用いた例である。
上記携帯電話200、腕時計300および携帯型情報処理装置400によれば、成膜ムラの発生が抑制された有機EL装置100を備えるので、表示品質に優れた信頼性の高いものとなる。
また、上記有機EL装置100を備えた電子機器としては、それ以外にも、例えば、デジタルスチルカメラ、車載用モニター、デジタルビデオカメラ、ビューファインダー型またはモニター直視型のビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳、電卓、ワークステーション、テレビ電話機、POS端末機などの表示部を備えた電子機器を挙げることができる。
なお、本発明は、上記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、1つの画素19が3つのサブ画素18B,18G,18Rから構成される場合を例に挙げたが、本発明はこれに限定されない。例えば、1つの画素19がサブ画素18B,18G,18Rのうちいずれか2つのみを有した構成であっても良い。この場合においても、上記調整ステップを備えることで、各サブ画素領域Aに成膜ムラが抑制された機能層40を形成することができる。
また、上記実施形態では、画素電極31B,31G,31Rの膜厚をそれぞれ異ならせることで光共振器における光学的な距離の調整方法する場合を例に挙げたが、本発明はこれに限定されない。例えば、サブ画素領域Aごとに正孔注入層7の膜厚を調整することで光共振器における光学的な距離を調整してもよい。
このようにサブ画素領域Aごとに正孔注入層7の膜厚を異ならせる場合においても、上記調整ステップを用いれば、各サブ画素領域Aにおいて機能液(正孔注入層7の形成材料)の乾燥状態を揃えることができる。よって、各サブ画素領域Aに形成された正孔注入層7を含む機能層40は、成膜ムラの発生が抑制された信頼性の高いものとなる。
Ab…サブ画素領域(第1の画素領域)、Ag…サブ画素領域(第2の画素領域)、Ar…サブ画素領域(第3の画素領域)、R1…第1の機能液、R2…第2の機能液、R3…第3の機能液、T1…乾燥期間(第1の期間)、T2…乾燥期間(第2の期間)、T3…乾燥期間(第3の期間)、24…隔壁、40…機能層、80B…有機EL素子(第1の有機EL素子)、80G…有機EL素子(第2の有機EL素子)、80R…有機EL素子(第3の有機EL素子)、100…有機EL装置、200…携帯電話(電子機器)、300…腕時計(電子機器)、400…携帯型情報処理装置(電子機器)。

Claims (14)

  1. 液滴吐出法を用いて、第1の隔壁により区画された第1の画素領域に第1の機能液を吐出するとともに、第2の隔壁により区画された第2の画素領域に第2の機能液を吐出する液滴吐出工程と、
    前記第1の画素領域および前記第2の画素領域に吐出された前記第1の機能液および前記第2の機能液を乾燥させることで、前記第1の機能液および前記第2の機能液に含まれる溶媒を取り除く乾燥工程と、を有し、
    前記液滴吐出工程において前記第1の画素領域に吐出される前記第1の機能液、および前記第2の画素領域に吐出される前記第2の機能液の液量を調整することにより、前記乾燥工程において前記第1の機能液が乾燥を開始してから乾燥が終了するまでの第1の期間と、前記乾燥工程において前記第2の機能液が乾燥を開始してから乾燥が終了するまでの第2の期間との少なくとも一部が重なるようにすることを特徴とする有機EL装置の製造方法。
  2. 液滴吐出法を用いて、第1の隔壁により区画された第1の画素領域に第1の機能液を吐出するとともに、第2の隔壁により区画された第2の画素領域に第2の機能液を吐出する液滴吐出工程と、
    前記第1の画素領域および前記第2の画素領域に吐出された前記第1の機能液および前記第2の機能液を乾燥させることで、前記第1の機能液および前記第2の機能液に含まれる溶媒を取り除く乾燥工程と、を有し、
    前記第1の機能液、および前記第2の機能液の濃度調整を行うことにより、前記乾燥工程において前記第1の機能液が乾燥を開始してから乾燥が終了するまでの第1の期間と、前記乾燥工程において前記第2の機能液が乾燥を開始してから乾燥が終了するまでの第2の期間との少なくとも一部が重なるようにすることを特徴とする有機EL装置の製造方法。
  3. 液滴吐出法を用いて、第1の隔壁により区画された第1の画素領域に第1の機能液を吐出するとともに、第2の隔壁により区画された第2の画素領域に第2の機能液を吐出する液滴吐出工程と、
    前記第1の画素領域および前記第2の画素領域に吐出された前記第1の機能液および前記第2の機能液を乾燥させることで、前記第1の機能液および前記第2の機能液に含まれる溶媒を取り除く乾燥工程と、を有し、
    前記乾燥工程において前記第1の機能液が乾燥を開始してから乾燥が終了するまでを第1の期間とし、前記第2の機能液が乾燥を開始してから乾燥が終了するまでの第2の期間としたとき、前記第1の機能液の沸点、および前記第2の機能液の沸点を、前記第1の期間と前記第2の期間の少なくとも一部が重なるような温度とすることを特徴とする有機EL装置の製造方法。
  4. 前記液滴吐出工程において、前記第1の画素領域に吐出する前記第1の機能液と、前記第2の画素領域に吐出する前記第2の機能液との液量の差を10%以内とすることを特徴とする請求項1に記載の有機EL装置の製造方法。
  5. 前記液滴吐出工程を実施した後に、溶媒を前記第1の画素領域に吐出することで前記濃度調整を行うことを特徴とする請求項2に記載の有機EL装置の製造方法。
  6. 前記液滴吐出工程を実施した後に、溶媒を前記第2の画素領域に吐出することで前記濃度調整を行うことを特徴とする請求項2または5に記載の有機EL装置の製造方法。
  7. 前記濃度調整が行われた前記第1の機能液、および前記第2の機能液を、前記液滴吐出工程において吐出することを特徴とする請求項2に記載の有機EL装置の製造方法。
  8. 前記液滴吐出工程を実施した後に、溶媒を前記第1の画素領域に吐出することで前記第1の機能液の沸点を調整することを特徴とする請求項3に記載の有機EL装置の製造方法。
  9. 前記液滴吐出工程を実施した後に、溶媒を前記第2の画素領域に吐出することで前記第2の機能液の沸点を調整することを特徴とする請求項3または8に記載の有機EL装置の製造方法。
  10. 前記第1の機能液の沸点が、前記第1の期間と前記第2の期間との少なくとも一部が重なるような温度となるように前記第1の機能液に含まれる溶媒の種類を選択することを特徴とする請求項3に記載の有機EL装置の製造方法。
  11. 前記第2の機能液の沸点が、前記第1の期間と前記第2の期間との少なくとも一部が重なるような温度となるように前記第2の機能液に含まれる溶媒の種類を選択することを特徴とする請求項3または10に記載の有機EL装置の製造方法。
  12. 前記乾燥工程における前記第1の期間と前記第2の期間とが重なる割合を50%以上とすることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の有機EL装置の製造方法。
  13. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の有機EL装置の製造方法により製造された有機EL装置。
  14. 請求項13に記載の有機EL装置を備えることを特徴とする電子機器。
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