一般に、組織を検査する方法は、検査のための組織をエンベディングカセットに入れた後、パラフィン(ホルマリン)を組織の内部に吸収させるプロセッシング過程と、プロセッシングされた組織を組織検査のための厚さに切削できるように組織をパラフィンと共に凝固するエンベディング過程と、パラフィン液が凝固されたエンベディングカセットをスライス装備に固定させ、凝固されたパラフィンを既に設定された厚さの組織に切削する切削過程と、プロセッシングされて切削された組織を溶かして検査する検査過程とからなる。
ここで、従来の組織を検査する方法に用いられた組織検査用エンベディング組立体は、図1に示したように、エンベディングカセット10及びエンベディングモールド20からなり、エンベディングカセット10は、エンベディングモールド20に置かれたり結合された後、組織をパラフィンにエンベディングするためのエンベディング過程に用いられる。
そこで、従来の組織パラフィンブロックを製作するためのエンベディング過程では、プロセッシングされた組織をエンベディングモールド20に入れ、エンベディングカセット10をエンベディングモールド20に載せた後、載せられたエンベディングカセット10を介して液状のパラフィン液11を注入してエンベディングモールド20に充填し、これを凝固させることによって組織パラフィンブロックを作るようになる。
しかし、エンベディング過程は、一般に手作業で行われているので、様々な問題を発生させている。
問題の一つは、組織をエンベディングするためにエンベディングモールドとエンベディングカセットにパラフィン液を注入するエンベディング過程で発生する。
前記エンベディング過程は、手作業で行われるので、エンベディングモールドと結合されたエンベディングカセットに正確な量のパラフィンを注入できなくなり、その結果、図2に示したように、パラフィン液11がエンベディングカセットを超えて大盛りの形態で凝固され得る。
このように、パラフィン液11がエンベディングカセット10に大盛りの形態で凝固されると、切削過程で問題が発生する。
エンベディングされた組織を切削する過程では、組織が含まれたパラフィン液が凝固されて固定されたカセットを切削装置に固定し、固定された状態で組織が含まれたパラフィン液を切削する過程を繰り返すことによって、パラフィンに含まれた組織を組織検査に必要な厚さに切削することができる。
ここで、切削装置30は、図3に示したように、エンベディングカセットを固定する固定手段31を備えており、前記固定手段31の位置を調整するための位置調節手段32を備えている。
一方、切削装置30に固定されたエンベディングカセット10に凝固されたパラフィンを切削するための切削手段(図示せず)は、切削装置30の前面に備えられている。
したがって、パラフィン液が凝固されたエンベディングカセット10を切削装置30に固定する過程は、凝固されたパラフィンに含まれた組織を切削するにおいて非常に重要である。
図2に示したように、エンベディングカセットの上面にパラフィンが大盛りの形態で凝固されている場合、切削装置30はエンベディングカセット10を調整する過程を必要とする。
すなわち、大盛りの形態でないエンベディングカセット、大盛りのサイズが大きいエンベディングカセット及び大盛りのサイズが小さいエンベディングカセットは、図4に示したように、切削装置30に固定される状態がそれぞれ異なるという問題がある。
そのため、円滑な切削作業のためには、各状態に応じてエンベディングカセットを固定するための追加的な作業が必要であるという問題がある。
切削装置を調節しないためには、エンベディングカセットの上面に大盛りの形態で凝固されたパラフィンを除去する作業が必要であるという問題がある。
また、従来の組織を検査する方法に用いられた組織検査用エンベディング組立体は、図13に示したように、前記エンベディングカセット10を前記エンベディングモールド20に単純に載せた状態であるので、パラフィン液11が前記エンベディングカセット10を前記エンベディングモールド20から分離させ、その結果、前記エンベディングカセット10と前記エンベディングモールド20との間に隙間が生じ、パラフィン液11が漏れて前記エンベディングカセット10の側面まで溢れるようになる。
このような状態でパラフィン液11が凝固されると、図14に示したように、前記エンベディングカセット10の側面までパラフィン液11が凝固されるという問題があった。
したがって、従来の組織検査用エンベディング組立体は、次の過程である組織パラフィンブロックの切削過程に直ぐ利用できないので、前記エンベディングカセットの側面に凝固されたパラフィンを除去する追加的な作業が必要である。
従来のエンベディングカセットの側面に凝固されたパラフィンを除去する方法としては、パラフィンの性質を用いて高い温度(約78℃以上)のパラフィン除去平板装備を備え、使用者が手作業でエンベディングカセット10の側面に凝固されたパラフィンを高い温度のパラフィン除去平板装備で焼くことによって、前記エンベディングカセット10の側面に凝固されたパラフィンを除去する方法がある。
他の方法としては、パラフィン除去自動化装備を用いてパラフィンを除去する方法があるが、この場合も、使用者がエンベディングカセット10の側面に凝固されたパラフィンをパラフィン除去自動化装備に直接入れなければならず、時間がかかり、装備が高価であるという問題がある。
更に他の方法としては、刀などの装備を用いてパラフィンを直接除去する方法があるが、この場合も、一つのエンベディングカセット当たり5秒〜7秒ほど時間がかかり、また、操作者に危険が伴うという問題がある。
本発明は、前記のような問題を解決するためになされたものであって、エンベディング過程でエンベディングカセットに多量のパラフィン液が注入されたとしても、適当量のパラフィン液を超えるパラフィン液を外部に排出し、適正量のパラフィンをエンベディングカセットに凝固できるようにするエンベディングカセットを提供しようとする。
本発明は、エンベディングモールドに適切なサイズの隔壁を形成し、エンベディングカセットをエンベディングモールドの隔壁に挿入・固定することによって、エンベディング過程でパラフィン液がエンベディングカセットの側面に流れ出て凝固されることを防止する組織検査のためのエンベディング組立体を提供しようとする。
また、本発明は、エンベディング過程でパラフィン液がエンベディングモールドの外部に流れてエンベディングカセットの側面に凝固されることを防止する組織検査のためのエンベディング組立体を提供しようとする。
前記目的を達成するための本発明の一実施例は、エンベディングモールドに結合するとき、組織が収納され得る空間を前記エンベディングモールドに形成し、前記エンベディングモールドに結合された状態で前記エンベディングモールドに収納された組織をエンベディングするためのエンベディングカセットにおいて、エンベディング作業を行うとき、結合された前記エンベディングモールドの収納空間と連通し、注入されるパラフィン液が凝固され得る空間が形成された胴体;及び前記胴体の下部面の縁部に形成された少なくとも一つ以上のパラフィン隔壁溝;が備えられ、前記エンベディングモールドと結合されてエンベディング作業を行うとき、注入されるパラフィン液が前記少なくとも一つ以上のパラフィン隔壁溝に流入して隔壁を形成し、これを通じて、パラフィン液が前記エンベディングモールドの間に流出することを防止することを特徴とする。
一方、前記胴体の側面には、エンベディング作業を行うとき、前記パラフィン液が既に設定された容量を超えて注入されたとしても、既に設定された容量を超えるパラフィン液を外部に排出する少なくとも一つ以上の容量維持ホールが形成されることが好ましい。
そして、前記容量維持ホールは、前記胴体の左右側面の上部に折り曲げられて形成されることが好ましい。
その一方、前記容量維持ホールは、前記胴体の左右側面に形成されることもある。
また、前記容量維持ホールは、前記胴体の後面上部が折り曲げられて形成されることもある。
前記目的を達成するための本発明の第2の実施例に係る組織検査のためのエンベディングモールドは、内部に組織を収納できる組織収納空間を備えた胴体と、前記胴体の下部面の縁部に形成された少なくとも一つ以上のリブ固定溝とが備えられたエンベディングカセットに結合されるエンベディングモールドにおいて、前記エンベディングカセットを載せるための載置部;前記エンベディングカセットのリブ固定溝に対応するように前記載置部に形成された少なくとも一つ以上の固定リブ;前記パラフィン液を外部に排出するように前記載置部の固定リブの外側に形成されたパラフィン排出口;及びプロセッシングされた組織を収納し、前記固定リブを通じて前記エンベディングカセットが結合された状態で前記エンベディングカセットを通過して注入されたパラフィン液が前記エンベディングカセットの下部に凝固される空間を形成する組織固定空間;を備えることを特徴とする。
前記各固定リブが隣接した前記載置部の内側コーナーには、前記パラフィン液を外部に排出するためのパラフィン補助排出口がそれぞれ形成されることが好ましい。
また、前記固定リブの一側には、前記エンベディングカセットの挿入をガイドするためのガイド突起が形成され、前記エンベディングカセットのリブ固定溝にはガイド溝が形成され得る。
そして、前記エンベディングカセットのリブ固定溝は、エンベディングカセットの枠の一側に一体型で形成され、前記エンベディングモールドの固定リブは、エンベディングモールドの枠の一側に沿って一体型で形成されることが好ましい。
一方、前記エンベディングモールドには、前記エンベディングカセットの側面の一部が挿入される挿入溝がさらに含まれることが好ましい。
前記目的を達成するための本発明の第2の実施例に係る組織検査のためのエンベディング組立体は、内部に組織を収納できる組織収納空間を備えた胴体と、前記組織収納空間を覆うための蓋と、前記胴体の下部面の縁部に形成された少なくとも一つ以上のリブ固定溝とが備えられたエンベディングカセット;及び前記エンベディングカセットを載せるための載置部と、前記エンベディングカセットのリブ固定溝に対応するように前記載置部に形成された少なくとも一つ以上の固定リブと、プロセッシングされた組織を収納し、前記固定リブを通じて前記エンベディングカセットが結合された状態で前記エンベディングカセットを介して注入された前記パラフィン液が前記エンベディングカセットの下部に凝固される空間を形成する組織固定空間とが備えられたエンベディングモールド;を含むことが好ましい。
そして、前記載置部の固定リブの外側には、前記パラフィン液を外部に排出するためのパラフィン排出口がそれぞれ形成されることが好ましい。
また、前記各固定リブが隣接した前記載置部の内側コーナーには、前記パラフィン液を外部に排出するためのパラフィン補助排出口がそれぞれ形成されることが好ましい。
そして、前記固定リブの一側には、前記エンベディングカセットの挿入をガイドするためのガイド突起が形成され、前記エンベディングカセットのリブ固定溝にはガイド溝が形成されることが好ましい。
本発明の他の実施例によると、前記エンベディングカセットのリブ固定溝は、エンベディングカセットの枠の一側に一体型で形成され、前記エンベディングモールドの固定リブは、エンベディングモールドの枠の一側に沿って一体型で形成されることもある。
また、前記エンベディングモールド200には、前記エンベディングカセット100の側面の一部が挿入される挿入溝260及び外壁270がさらに含まれることもある。
上述した構成を有する本発明は、エンベディングカセットにパラフィン隔壁溝が形成され、エンベディングカセットがエンベディングモールドに結合されることによって、エンベディング過程でパラフィン液がエンベディングカセットの側面に溢れて凝固されることを防止し、エンベディング過程後、エンベディングカセットの側面に凝固されたパラフィンを除去する過程を経ることなく、直ぐ切削過程を行えるという優れた効果を有する。
また、本発明は、エンベディング作業を行うとき、エンベディングモールドに注入するパラフィンがエンベディングカセットに大盛りの形態で凝固されることを防止することによって、別途の作業を行うことなく、エンベディングカセットを切削装置に結合した状態で切削過程を行い、その結果、組織検査時間及び検査過程を減少させ得るという優れた効果を有する。
本発明は、エンベディングカセットにリブ固定溝が形成され、エンベディングモールドに固定リブが形成されることによってエンベディングカセットとエンベディングモールドとが結合され、その結果、エンベディング過程でパラフィン液がエンベディングカセットの側面に溢れて凝固されることを防止し、エンベディング過程後、エンベディングカセットの側面に凝固されたパラフィンを除去する過程を経ることなく、直ぐ切削過程を行えるという優れた効果を有する。
そして、本発明は、エンベディングカセットの側面に凝固されたパラフィンを除去する追加的な過程を経ることなく直ぐ切削過程を行うことによって、組織検査時間及び検査過程を減少させ得るという優れた効果を有する。
また、本発明は、載置部の固定リブの外側にパラフィン排出口が形成され、パラフィン液が溢れたとしても、溢れたパラフィン液が全てパラフィン排出口を介して外部に排出されることによって、エンベディングカセットの側面にパラフィン液が凝固されることを防止できるという効果を有する。
[第1の実施例]
以下では、本発明の第1の実施例に係る組織検査のためのエンベディングカセットについて添付の図5〜図11を参照して詳細に説明する。
本発明の第1の実施例は、エンベディングモールドと結合するとき、エンベディングモールドに組織を収納するための空間を形成し、エンベディングモールドに収納された組織をエンベディングするためのエンベディングカセットに関する。
図5は、本発明の組織検査のためのエンベディングカセットを示した斜視図で、図6は、図5による組織検査のためのエンベディングカセットの断面図で、本願発明の図面符号は、図5〜図11に限定して説明する。
本発明に係るエンベディングカセットは、胴体110、容量維持ホール120及びパラフィン隔壁溝130を含む。
胴体110には、エンベディング作業を行うとき、エンベディングモールド200の収納空間と連通し、注入されるパラフィン液11が凝固され得る空間が形成されることが好ましい。このような胴体110には、組織12のプロセッシング作業のために組織12が収納され得る空間が形成されており、胴体110の下部には、パラフィン液11の通過は可能で、組織12の外部への離脱を防止する公知の構成である選択的透過部材(図示せず)が形成され、選択的透過部材が形成された蓋は着脱可能であることが好ましい。
そして、少なくとも一つ以上の容量維持ホール120は、胴体110の側面に形成され、エンベディング作業を行うとき、パラフィン液11が既に設定された容量以上注入されたとしても、既に設定された容量以上のパラフィン液11を外部に排出し、パラフィン液11が大盛りの形態で凝固されることを防止する。
図6は、図5によるエンベディングカセットの断面図であって、エンベディングカセットの胴体110の下部面には、少なくとも一つ以上のパラフィン隔壁溝130が胴体110の下部面の縁部に沿って形成されることが好ましい。したがって、エンベディングカセットの下部面に形成されるパラフィン隔壁溝130は、エンベディングカセットとエンベディングモールド200とが結合された状態でエンベディングカセットを介して注入されるパラフィン液11がエンベディングカセットとエンベディングモールド200との間に漏出し、エンベディングカセットの側面にパラフィンが凝固されることを防止することができる。
このように、パラフィン隔壁溝130を通じてパラフィン液11がエンベディングカセットとエンベディングモールド200との間に漏出し、エンベディングカセットの側面にパラフィンが凝固されることを防止することによって、既に設定された容量のパラフィン液11がエンベディングモールド200と結合されたエンベディングカセットの容量を超えて注入されたとしても、パラフィン液11がエンベディングモールド200とエンベディングカセットとの間に漏出しないだけでなく、エンベディングカセットの胴体110に形成された容量維持ホール120を介して排出できるようにするという効果を提供することができる。
このようなエンベディングカセットを用いてエンベディングする過程を検討すると、まず、図7に示したように、エンベディングモールド200に組織12が収納された後、エンベディングカセットがエンベディングモールド200に結合される。
その後、エンベディングモールド200とエンベディングカセットとが結合された状態でパラフィン液11が注入される。ここで、パラフィン液11が、図8に示したように、エンベディングモールド200とエンベディングカセットとの間に注入されると、パラフィン液11は、パラフィン隔壁溝130に注入されて凝固される。
このように、パラフィン液11がパラフィン隔壁溝130に注入されて凝固される場合、図9に示したように、パラフィン隔壁溝130に凝固されたパラフィン液11により、注入されるパラフィン液11がエンベディングモールド200とエンベディングカセットとの間に漏出することを防止できるだけでなく、既に設定された容量以上のパラフィン液11が容量維持ホール120を介して外部に排出され、エンベディングカセットの胴体110にパラフィン液が大盛りの形態で凝固されることを防止することができる。
このようなエンベディングカセットの胴体110は、図10に示したように、蓋(図示せず)を締結してプロセス過程に用いることもできる。
更に他の実施例によると、図11に示したように、容量維持ホール121は、胴体110の左右側面にホール状に形成されることもある。
一方、容量維持ホール121が、図11に示したように、エンベディングカセットの胴体110の左右側面にホール状に形成される場合、製作過程の便宜性を提供し、蓋を結合したとしても、容量維持ホール121が蓋によって塞がれることを防止できるという効果がある。したがって、従来のパラフィン蓋を容易に利用できるという効果がある。
さらに、容量維持ホール120は、図面には示していないが、胴体110の後面上部が折り曲げられて形成されることもある。胴体110の後面上部が折り曲げられて容量維持ホール120が形成される場合、パラフィン液11が胴体110の後面を介して排出され、胴体110の側面にパラフィン液11が凝固されることを未然に防止できるだけでなく、何ら作業を行うことなく、エンベディングカセットを切削装置に装着して切削過程を行えるようにするという効果がある。
一方、パラフィン隔壁溝130は、エンボス形態で形成されることもあり、その形状を限定することはない。したがって、多様な種類のエンベディングカセットの生産が可能であるという効果を提供することもできる。
一方、エンベディングカセットを用いてエンベディングする他の過程を検討すると、まず、図7に示したように、エンベディングモールド200に組織12が収納された後、エンベディングカセットがエンベディングモールド200に結合される前に、エンベディングカセットをパラフィン液に浸す。このようにエンベディングカセットをパラフィン液に浸した後で取り出すと、図12に示したように、エンベディングカセットのパラフィン隔壁溝130は、パラフィン液を含むようになり、その後、エンベディングカセットとエンベディングモールド200との結合時にパラフィン隔壁としての役割をする。
このように、エンベディングカセットのパラフィン隔壁溝130にパラフィン液を含む状態でエンベディングカセットとエンベディングモールド200とを結合すると、エンベディングカセットのパラフィン隔壁溝130にはパラフィン隔壁が形成され、エンベディングカセットとエンベディングモールド200とを結合した後でエンベディング作業を行うとき、パラフィン液がエンベディングモールド200とエンベディングカセットとの間に漏出することを防止することができる。その後、エンベディング過程は、前記実施例と同一の方法を通じて行えばよい。
[第2の実施例]
本発明の第2の実施例に係るエンベディングモールド及びエンベディング組立体について図15〜図19を参照して説明し、図面符号も図15〜図19に限定して使用する。
図15は、本発明の組織検査のためのエンベディングカセットと結合されるエンベディングセットを示した分離斜視図で、図16は、図15による組織検査のためのエンベディングカセットと組み立てられたエンベディングモールドの断面図である。
本発明の第2の実施例に係る組織検査のためのエンベディング組立体は、エンベディングカセット100及びエンベディングモールド200からなる。
エンベディングカセット100は、内部に組織12を収納できる組織収納空間120を備えた胴体121と、前記組織収納空間120を覆うための蓋122と、前記胴体121の下部面の縁部に形成された少なくとも一つ以上のリブ固定溝110とを含む。
エンベディングカセット100の胴体121の下部には、パラフィン液11の通過は可能で、組織12の外部への離脱を防止する選択的透過部材が形成され、内部には組織12を収納できる組織収納空間120が備えられることが好ましい。
そして、エンベディングカセット100の蓋122は、パラフィン液11の通過は可能で、組織12の外部への離脱を防止する選択的透過部材を備えており、前記胴体121の組織収納空間120を覆うことが好ましい。
また、エンベディングカセット100には、胴体121の下部面の縁部に沿って少なくとも一つ以上のリブ固定溝110が形成されることが好ましい。
このようなエンベディングカセット100は、組織12のプロセッシング過程と切削過程に用いられるものであって、プロセッシング過程では、組織にパラフィン液が吸収され得るように組織をエンベディングカセット100の胴体121に収納し、蓋122を覆ってラベリングした後、プロセッシング装備に入れる。
その後、エンベディングカセット100はエンベディング過程に用えられる。このために、プロセッシングされた組織をエンベディングカセット100から取り出してエンベディングモールド200の組織固定空間230に収納した後、エンベディングモールド200とエンベディングカセット100とを結合する。このとき、エンベディングカセット100は、エンベディングモールド200の固定リブ220に嵌めて固定する。続いて、液体状態のパラフィン液をエンベディングカセット100を介してエンベディングモールド200の組織固定空間230に注入した後、既に設定された時間が経過すると、図17に示したように、パラフィン液11は、プロセッシングされた組織12と共にエンベディングカセット100の下部に凝固される。ここで、このような作動は、エンベディングカセット100の蓋122の存在と関係がない。
本発明の第2の実施例における組織検査のためのエンベディング組立体によるエンベディングモールド200は、載置部210、固定リブ220及び組織固定空間230を備えることが好ましい。
エンベディングモールド200の載置部210は、エンベディングカセット100を載せる役割をする。
そして、固定リブ220は、エンベディングカセット100のリブ固定溝110に対応するように載置部210に少なくとも一つ以上形成され、エンベディングカセット100のリブ固定溝110に挿入されてエンベディングカセット100を固定し、エンベディング過程でパラフィン液が溢れてエンベディングカセット100の側面に凝固されることを防止する。このとき、エンベディングカセット100のリブ固定溝とエンベディングモールド200の固定リブは、置換されて形成されることもある。
組織固定空間230は、プロセッシングされた組織12を収納し、固定リブ220を通じてエンベディングカセット100が結合された状態でエンベディングカセット100を通過して注入されたパラフィン液11がエンベディングカセット100の下部に凝固される空間を形成する。
本発明の第2の実施例によると、エンベディングカセット100のリブ固定溝110にエンベディングモールド200の固定リブ220を挿入することによってエンベディングカセット100を固定する。
その後、エンベディングカセット100を通過して注入されたパラフィン液11により、エンベディングモールド200の組織固定空間230にプロセッシングされて収納された組織12がエンベディングカセット100の下部にパラフィン液11と共に凝固される。
このとき、エンベディングカセット100のリブ固定溝110と固定リブ220により、パラフィン液11が流れ出たり漏れなくなり、パラフィン液11は、エンベディングカセット100の側面には凝固されず、前記エンベディングカセット100の下部のみに凝固される。
このように、エンベディングカセット100の側面に凝固されたパラフィン液11を除去する過程を経ることなく、パラフィン液11の内部に共に凝固された組織12を切削できるミクロトーム装置にエンベディングカセット100が直ぐ装着され、エンベディングカセット100の下部に凝固されたパラフィン液11を切削する過程を行うことができる。
また、本発明の第2の実施例においては、載置部210の固定リブ220の外側に、パラフィン液11を外部に排出するためのパラフィン排出口240がそれぞれ形成されることもある。このように、載置部210の固定リブ220の外側にパラフィン排出口240が形成される場合、パラフィン液11がエンベディングカセット100を超えて溢れたとしても、溢れたパラフィン液が全てパラフィン排出口240を介して外部に排出されることによって、エンベディングカセット100の側面にパラフィン液11が凝固されることを防止できるという効果がある。
そして、本発明の第2の実施例においては、各固定リブ220が隣接した載置部210の内側コーナーに、過度に提供されるパラフィン液11を外部に排出するためのパラフィン補助排出口250がそれぞれ形成されることもある。一方、エンベディングカセット100には、エンベディングカセット100とエンベディングモールド200との結合時、パラフィン補助排出口250が位置する部位にカセット用補助排出口(図示せず)がさらに形成されることが好ましい。これを通じて、適正量のパラフィン液11が用いられるように調節されるだけでなく、エンベディングカセット100の側面にパラフィン液11が凝固されることを防止できるという効果がある。
また、パラフィン補助排出口250は、任意の道具を前記パラフィン補助排出口250に挿入することによってエンベディング過程を経た後、エンベディングカセット100とエンベディングモールド200とを簡便に分離できるようにするという効果を有する。
さらに、本発明の第2の実施例においては、固定リブ220の一側にエンベディングカセット100の挿入をガイドするためのガイド突起221が形成され、エンベディングカセットのリブ固定溝110にはガイド溝111が形成されることもある。これは、エンベディングカセットとエンベディングモールド200との結合を簡便にするという効果を有する。
一方、本発明の第2の実施例の他の実施例は、図18に示したように、以前の実施例と比較すると、エンベディングカセットのリブ固定溝110と固定リブ220のみが異なっており、その他の構成要素は同一である。
エンベディングカセットのリブ固定溝110は、エンベディングカセットの枠の一側に一体型で形成され、エンベディングモールド200の固定リブ220は、エンベディングモールド200の枠の一側に沿って一体型で形成されることもある。したがって、本発明の第2の実施例の他の実施例は、多様な製造方法を通じて具現することができる。
図18においては、固定リブ220の外側にパラフィン排出口240は形成されず、パラフィン補助排出口250のみが形成されているが、エンベディングモールド200の製作により、パラフィン排出口240とパラフィン補助排出口250は選択的に形成することができ、これを限定することはない。
図19は、本発明の第2の実施例の更に他の実施例に係る組織検査のためのエンベディング組立体を示した断面図で、図19に示したように、エンベディングモールド200には、エンベディングカセット100の側面の一部が挿入される挿入溝260がさらに含まれ、パラフィン液がエンベディングカセット100の側面に凝固されることを完璧に防止することもできる。ここで、前記挿入溝260の一側の外壁270は、挿入されるエンベディングカセット100の側面及び後面の高さより高いか同じであってもよく、これを限定することはない。
以上では、本発明に対する好ましい各実施例を説明したが、本発明は、上述した各実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載によって定義され、本発明の属する技術分野で多様な変形と改作が可能であることは自明である。