以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。本発明のパラフィン包埋ブロック作製装置は、例えば、がん遺伝子パネル検査等の遺伝子検査に用いるパラフィン固定包埋ブロックを作製する装置である。また、本発明のカセットホルダは、医療用のカセットを保持する部材であり、パラフィン固定包埋ブロックの作製に用いられる。
<第1の実施の形態>
図1、2は、本発明の一実施形態であるパラフィン包埋ブロック作製装置1の概略構成の一例を示す斜視図である。図2は、パラフィン包埋ブロック作製装置1の要部を拡大している。以下、水平方向をx方向及びy方向とし、鉛直方向をz方向とする。また、x方向とy方向とは直交する。
パラフィン包埋ブロック作製装置1は、主として、ヘッド10と、搬送部20(第1搬送部に相当)と、保持部30と、薬液瓶保持部40と、パラフィン充填瓶保持部50と、パラフィン固定部60とを有する。
ヘッド10は、搬送部20に設けられており、保持部30、薬液瓶保持部40及びパラフィン充填瓶保持部50の上方に配置されている。ヘッド10は、主として、カセットホルダ2(後に詳述)を把持するカセットホルダ把持部11と、蓋72(後に詳述)を把持する蓋把持部12と、カセットホルダ把持部11及び蓋把持部12が設けられた本体部13とを有する。
カセットホルダ把持部11は、平行移動に設けられた2本のツメ11a、11b(図2参照)を有し、ツメ11a、11bでカセットホルダ2を把持する。蓋把持部12は、平行移動に設けられた2本のツメ12a、12b(図2参照)を有し、ツメ12a、12bで蓋72を把持する。
カセットホルダ把持部11は、カセットホルダ2を把持する閉位置とカセットホルダ2を把持しない開位置との間でツメ11a、11bを開閉する開閉部(図示省略)を有する。蓋把持部12は、蓋72を把持する閉位置と蓋72を把持しない開位置との間でツメ12a、12bを開閉する開閉部(図示省略)が設けられている。開閉部は、アクチュエータと、アクチュエータからの動力を伝達する伝達機構とを有する。
また、蓋把持部12は、軸12axを中心に回転可能に設けられている。蓋把持部12は、蓋把持部12を回転させるアクチュエータと、アクチュエータからの動力を伝達する伝達機構とを有する。
本体部13は、軸10axを中心に回転可能に設けられている。本体部13は、本体部13を回転させるアクチュエータと、アクチュエータからの動力を伝達する伝達機構を含む。
ヘッド10は、本体部13が軸10axを中心に回転することで、カセットホルダ把持部11及び蓋把持部12の姿勢を調整することができる。軸10axは、z方向に対して略45度傾いており、カセットホルダ把持部11及び蓋把持部12は、長手方向がヘッド10の軸10axに対して略45度傾いている。したがって、軸10axを中心にヘッド10を回転させると、カセットホルダ把持部11の長手方向がz方向に沿っており(カセットホルダ把持部11がカセットホルダ2を縦向きに保持する)、蓋把持部12の長手方向がx方向に沿った状態と、カセットホルダ把持部11の長手方向がx方向に沿っており(カセットホルダ把持部11がカセットホルダ2を横向きに保持する)、蓋把持部12の長手方向がz方向に沿った状態との間でカセットホルダ把持部11及び蓋把持部12の位置及び向きが変化する。
搬送部20は、ヘッド10を水平方向又は鉛直方向に移動させる。搬送部20は、主として、x方向に延設されたレール21、22と、y方向に延設されたレール23と、z方向に延設されたレール24と、アクチュエータ(図示省略)を有する駆動部25とを有する。
レール21にはレール24が設けられており、レール22には駆動部25が設けられている。駆動部25には、レール23が設けられている。駆動部25により、ヘッド10及びレール23、24がレール21に沿ってx方向に移動し、ヘッド10がレール23に沿ってy方向に移動する。
また、ヘッド10は、レール24に設けられている。駆動部25により、ヘッド10及びレール23、24がz方向に移動する。
したがって、搬送部20は、ヘッド10、すなわちカセットホルダ把持部11に把持されたカセットホルダ2を、保持部30、薬液瓶保持部40、パラフィン充填瓶保持部50及びパラフィン固定部60の間で搬送することができる。
保持部30は、カセットホルダを縦向きに保持する。図3は、保持部30の概略構成の一例を示す斜視図である。
保持部30は、主として、枠31と、センサ32とを有する。枠31は、x方向に略沿って平行に配置された2枚の板状部31a、31bを有する。板状部31a、31bには、それぞれスリット31c、31dが4個ずつ設けられている。スリット31c、31dはz方向に沿っており、スリット31cとスリット31dのx方向の位置が略一致している。
スリット31c、31dにより、保持部30には、保持部30a、30b、30c、30dが隣接して設けられている。スリット31c、31dには、カセットホルダ2が挿入される。その結果、保持部30a、30b、30c、30dにはカセットホルダ2が縦向きに保持される。カセットホルダ2が縦向きであるとは、カセットホルダ2の長手方向が鉛直方向に沿った状態である。
なお、図3に示す形態では、保持部30a、30b、30c、30dが隣接して設けられているが、保持部30a、30b、30c、30dは隣接しなくてもよい。
ここで、カセットホルダ2について説明する。図4は、カセットホルダ2の概略構成の一例を示す図であり、(A)は平面図であり、(B)は側面図である。
カセットホルダ2は、主として、カセット101(図5参照)が設けられるカセット受け部91と、略板状の板状部92と、カセット受け部91に設けられた凸部93とを有する。カセット受け部91及び凸部93には、一対のスリット94a、94bが設けられている。
カセットホルダ2の説明において、板状部92の延設方向と略直交する方向を上下方向とし、凸部93の突出方向を下方向とし、凸部93の突出方向と反対方向を上方向とする。なお、図4(A)の平面図は、カセットホルダ2を上から見た図である。
カセット受け部91は、平面視(カセットホルダ2を上から見たときに)長方形状であり、主として、底面91aと、リブ91bとを有する。底面91aは、カセット101が設けられたときにカセット101の下面が当接する平面であり、平面視長方形状である。底面91aには、複数の透孔97が設けられている。
リブ91bは、底面91aから上向きに突出している。リブ91bは、平面視長方形状であり、カセット101が設けられたときにカセット101の周縁に当接する。ただし、リブ91bの形状はこれに限られない。例えば、平面視コの字形状のリブでもよいし、平行な2本の棒状部からなるリブでもよい。
リブ91bには、カセット101がカセット受け部91に設けられたときにカセット101を保持するカセット押えツメ91dが設けられている。ただし、カセット押えツメ91dは必須ではない。
底面91aには、下向きに突出するように凸部93が設けられている。凸部93は、内部が空洞である。本実施の形態では、凸部93は略角錐台形状であるが、凸部93の形状はこれに限られない。
凸部93には、複数の透孔97が設けられている。本実施の形態では、透孔97は、凸部93の底面93aに設けられており、側面93bには設けられていないが、透孔97が側面93bに設けられていてもよい。
図5は、カセットホルダ2にカセット101を設ける様子を示す図である。底面93aに検体(以下、サンプルSという)が載置された状態で、カセット101がカセット受け部91に取り付けられる。カセット101の前端101aをリブ91bの突起91eに当接させてから、カセット101の後端101bをリブ91bの内部に挿入すると、後端101bにカセット押えツメ91dが引っ掛かり、カセット101がカセットホルダ2に取り付けられるとともに、サンプルSがカセットホルダ2に封入される。
図4の説明に戻る。底面91a、リブ91b及び側面93bには、スリット94a、94bが設けられている。スリット94a、94bは、リブ91bの短辺と略平行であり、カセットホルダ2の平面視において同一直線上に配置されている。側面から見たときに、スリット94a、94bの高さh1は、リブ91bの先端と凸部93の先端との間の距離h2の半分以上である。
板状部92は、リブ91bの2つの短辺のうちの1つの辺91cに設けられている。板状部92は、底面91aと略平行に延設されている。板状部92は、カセットホルダ2の平面視において略矩形形状であり、リブ91bの長辺と略平行な方向(第1方向)に沿った2つの辺92a、92bを有する。平面視において辺92a、92bはリブ91bの長辺と同程度の長さを有し、その結果辺92a、92bに沿った方向がカセットホルダ2の長手方向になる。
辺92a、92bには、それぞれ突起95a、95bが設けられている。突起95a、95bは、平面視において外向きに突出する一対の突起である。
また、辺92a、92bには、それぞれ突起96a、96bが設けられている。突起96a、96bは、平面視において外向きに突出する一対の突起である。突起96a、96bの高さは、突起95a、95bの高さより低い。言い換えれば、突起96a、96bの両端の幅w2は、突起95a、95bの両端の幅w1より小さい。突起96a、96bは、カセット受け部91と突起95a、95bとの間に設けられている。
突起96a、96bは、先端がそれぞれリブ91bの短辺(辺91c)と略平行な方向(第2方向)に移動可能に構成されている。突起96a、96bは、それぞれ、辺92a、92bと略平行な平面部97a、97bと、平面部97a、97bと辺92a、92bとを連結するL字形状の腕部98a、98bとを有する。平面部97a、97bは、板状部92を含む面と略直交する。
辺92a、92bはそれぞれ凹部92e、92fを有し、腕部98a、98bの根元部分が凹部92e、92fの内部で変形することで、平面部97a、97bが辺91cと略平行な方向に移動する。
平面部97a、97bの両端は、板状部92に向けて折り曲げられている。平面部97a、97bと両端の折り曲げられた部分との連結部分は、エッジ状でもよいし、円弧状(R形状)でもよい。
ただし、突起96a、96bの先端を、辺91cと略平行な方向に移動可能にする構成はこれに限られない。
図3の説明に戻る。センサ32は、保持部30a、30b、30c、30dにカセットホルダ2が保持されているか否かを検出するセンサであり、保持部30a、30b、30c、30d毎に設けられている。センサ32は、例えば透過型の光センサであり、発光部及び受光部がスリット31cを挟んで対向するように設けられている。センサ32は、スリット31cに挿入されたカセットホルダ2(突起95a)により発光部から照射された光が遮られることで受光部が光を受光しないことを用いて、カセットホルダ2の有無を検知する。
センサ33は、枠31に隣接して設けられている。センサ33は、例えば反射型の光センサであり、カセットホルダ把持部11の位置を検知する。
図1、2の説明に戻る。薬液瓶保持部40は、ホルマリン、エタノール、キシレンを含む薬液が充填された複数の薬液瓶70が隣接して複数設けられている。薬液瓶70にはカセットホルダ2が挿入され、カセットホルダ2内部のサンプルSが薬液に浸漬される。薬液瓶保持部40に隣接して、蓋を仮置きする仮置き部45が設けられている。
図6は、薬液瓶保持部40及び仮置き部45の概略構成の一例を示す斜視図である。薬液瓶保持部40は、主として、水平方向に沿って延設された板状部41、42を有する。板状部41には、複数の孔41aが設けられている。孔41aには、薬液瓶70が設けられる。
薬液瓶70は、中心軸と直交する平面で切断したときの断面形状が多角形状の瓶本体71と、瓶本体71の開口部を覆う蓋72とを有する。瓶本体71は、例えばガラス製である。瓶本体71と蓋72とは螺合されている。
孔41aの形状は瓶本体71の外形に対応しており、孔41aには瓶本体71が挿入される。孔41aは、x方向及びy方向に沿って二次元状に配置されている。したがって、薬液瓶保持部40には、薬液瓶70が二次元状に配置される。瓶本体71が孔41aに挿入されると、瓶本体71の底面が板状部42に載置される。
薬液瓶70にはカセットホルダ2が挿入される。図7は、内部にカセットホルダ2が設けられた瓶本体71の概略構成の一例を示す図であり、(A)はカセットホルダ2の正面から見た図であり、(B)はカセットホルダ2の側面から見た図である。図7では、瓶本体71を断面視しているが、断面を示すハッチングを省略している。
瓶本体71は、主として、底面71aと、底面71aの上側に設けられた六角筒状の側面71bと、側面71bの上側に設けられた円筒形状の筒状部71cとを有する。筒状部71cの外周面には、蓋72に形成されたねじが螺合されるねじ71dが形成されている。また、筒状部71cの上端面は開口部71eである。
カセットホルダ2は、開口部71eから瓶本体71の内部に挿入される。このときのカセットホルダ2の向きは、板状部92が鉛直方向に沿った縦向きである。突起95a、95bの両端の幅w1(図4参照)が筒状部71cの直径Dより大きいため、突起95a、95bが開口部71eの上に引っ掛かり、カセットホルダ2のz方向の位置決めがされる。
また、突起96a、96bの両端の幅w2(図4参照)が突起95a、95bの両端の幅w1(図4参照)より小さく、突起96a、96bの先端(平面部97a、97b)がカセットホルダ2の幅方向に移動可能に構成されているため、カセットホルダ2を瓶本体71の内部に挿入すると、平面部97a、97bが筒状部71cの内周面に当接し、かつ、平面部97a、97bが筒状部71cの内周面を押圧する。したがって、瓶本体71に挿入されたカセットホルダ2が回転しないように、カセットホルダ2が瓶本体71に固定される。
図6の説明に戻る。薬液瓶保持部40には、薬液瓶保持部40a、40b、40c、40dが隣接して設けられている。ここでは、薬液瓶保持部40a~40dはy方向に隣接して設けられているが、隣接していなくてもよい。
薬液瓶保持部40a~40dはそれぞれ保持部30a~30dに対応しており、保持部30aに保持されたカセットホルダ2は薬液瓶保持部40aに設けられた薬液瓶70に浸漬され、保持部30bに保持されたカセットホルダ2は薬液瓶保持部40bに設けられた薬液瓶70に浸漬され、保持部30cに保持されたカセットホルダ2は薬液瓶保持部40cに設けられた薬液瓶70に浸漬され、保持部30dに保持されたカセットホルダ2は薬液瓶保持部40dに設けられた薬液瓶70に浸漬される。
図8は、パラフィン包埋ブロック作製装置1の概略構成を示す平面図である。図8では、ヘッド10及び搬送部20の図示を省略している。
薬液瓶保持部40a~40dは、x方向に細長い領域であり、それぞれ薬液瓶群70a~70dが設けられている。薬液瓶群70a~70dは、x方向に沿って設けられた複数の薬液瓶70を含む。
薬液瓶群70aには保持部30aに保持されたカセットホルダ2が挿入され、薬液瓶群70bには保持部30bに保持されたカセットホルダ2が挿入され、薬液瓶群70cには保持部30cに保持されたカセットホルダ2が挿入され、薬液瓶群70dには保持部30dに保持されたカセットホルダ2が挿入される。
薬液瓶群70a~70dは、それぞれ7個の薬液瓶70を含む。薬液瓶群70a~70dは、それぞれ-x側から順に、ホルマリンが充填された薬液瓶70h(第1薬液瓶に相当)、エタノールが充填された薬液瓶70i、70j、70k(第2薬液瓶に相当)、キシレンが充填された薬液瓶70l、70m、70n(第3薬液瓶に相当)を有する。カセットホルダ2は、薬液瓶70h、70i、70j、70k、70l、70m、70nに順に挿入される。
図6、8では一部の薬液瓶70の図示を省略しているが、実際には、薬液瓶保持部40a~40dのうちの少なくとも2つについては、すべての孔41aに薬液瓶70が挿入されている。
薬液瓶保持部40の奥側(+y側)には、仮置き部45が設けられている。仮置き部45は、瓶本体71から取り外された蓋72を載置する蓋載置部45aと、仮蓋73を載置する仮蓋載置部45bとを有する。仮蓋73は、カセットホルダ2が挿入された瓶本体71に被せるものである。
図1、2の説明に戻る。パラフィン充填瓶保持部50は、薬液瓶保持部40に隣接して設けられている。ただし、パラフィン充填瓶保持部50と薬液瓶保持部40とは隣接していなくてもよい。パラフィン充填瓶保持部50には、液体のパラフィン(以下、パラフィン液という)が充填されたパラフィン充填瓶75が設けられる。パラフィン充填瓶75は、充填されている液がパラフィンである以外は薬液瓶70と同様であり、瓶本体71と蓋72とを有する。
図8に示すように、パラフィン充填瓶保持部50は、主として、水平方向に沿って延設された板状部51、52と、加熱部53とを有する。板状部51には、それぞれ複数の孔51aが設けられている。孔51aの形状はパラフィン充填瓶75の外形に対応しており、孔51aにはパラフィン充填瓶75が挿入される。孔51aは、x方向及びy方向に沿って二次元状に配置されている。したがって、パラフィン充填瓶保持部50には、パラフィン充填瓶75が二次元状に配置される。パラフィン充填瓶75が孔51aに挿入されると、パラフィン充填瓶75の底面が板状部52に載置される。
加熱部53は、板状部51、52を覆うように設けられている。加熱部53は、パラフィン充填瓶75に充填された液体パラフィンを60℃程度に加熱し、液体パラフィンが固体にならないようにする。
なお、加熱部53の形態は図示した形態に限られない。例えば、加熱部53は、板状部51、52上に電熱線を貼付したものを加熱部53としてもよい。
パラフィン充填瓶保持部50には、パラフィン充填瓶保持部50a、50b、50c、50dが隣接して設けられている。ここでは、パラフィン充填瓶保持部50a~50dはy方向に隣接して設けられているが、隣接しなくてもよい。
パラフィン充填瓶保持部50a~50dは、x方向に細長い領域であり、それぞれパラフィン充填瓶群75a~75dが設けられている。パラフィン充填瓶群75a~75dは、x方向に沿って設けられた複数のパラフィン充填瓶75を含む。
パラフィン充填瓶保持部50a~50dは、それぞれ保持部30a~30d及び薬液瓶保持部40a~40dに対応しており、保持部30aに保持されたカセットホルダ2はパラフィン充填瓶保持部50aに設けられたパラフィン充填瓶75に挿入され、保持部30bに保持されたカセットホルダ2はパラフィン充填瓶保持部50bに設けられたパラフィン充填瓶75に挿入され、保持部30cに保持されたカセットホルダ2はパラフィン充填瓶保持部50cに設けられたパラフィン充填瓶75に挿入され、保持部30dに保持されたカセットホルダ2はパラフィン充填瓶保持部50dに設けられたパラフィン充填瓶75に挿入される。
パラフィン充填瓶群75a~75dは、それぞれ3個のパラフィン充填瓶75を含む。パラフィン充填瓶群75a~75dは、それぞれ-x側から順にパラフィン充填瓶75h、75i、75jを有する。カセットホルダ2は、パラフィン充填瓶75h、75i、75jに順に挿入される。
図6、8では一部のパラフィン充填瓶75の図示を省略しているが、実際には、パラフィン充填瓶保持部50a~50dのうちの少なくとも2つについては、すべての孔51aにパラフィン充填瓶75が挿入されている。
図1、2の説明に戻る。パラフィン固定部60は、パラフィン充填瓶保持部50に隣接して設けられている。ただし、パラフィン固定部60とパラフィン充填瓶保持部50とは隣接しなくてもよい。
パラフィン固定部60は、カセットホルダ2が横向きに載置される載置部61と、パラフィンを吐出するノズルを有するパラフィン吐出部62と、冷却機構を有する冷却部63と、を有する。載置部61は水平方向(ここでは、y方向)に移動可能に設けられている。パラフィン吐出部62及び冷却部63は、載置部61の移動方向、ここではy方向に隣接して設けられている。
図9は、パラフィン固定部60の概略構成の一例を示す斜視図である。図9では、パラフィン吐出部62の図示を省略している。載置部61は、水平方向に沿って延設された板状部材であり、カセットホルダが横向きに載置される。ここで、カセットホルダ2が横向きであるとは、板状部92の延設方向が水平方向であり、カセットホルダ2が上向きである(凸部93が鉛直下向きに突出している)場合である。
冷却部63は、主として、カセットホルダ2が載置される平面部63aと、平面部63aを冷却する冷却機構63bとを有する。冷却機構63bは、ペルチェ素子等の冷却部を有する。冷却機構63bにより効率よく冷却するため、平面部63aは金属で形成されていることが望ましい。
載置部61は、4つの孔61a、61b、61c、61dが設けられている。孔61a~61dには、カセットホルダ2及びパラフィン受け皿102が横向きに載置される。
図10は、カセットホルダ2及びパラフィン受け皿102の概略構成の一例を示す図であり、(A)はパラフィン受け皿102の斜視図であり、(B)はカセットホルダ2がパラフィン受け皿102に載置された状態を示す斜視図であり、(C)はカセットホルダ2がパラフィン受け皿102に載置された状態を示す断面図である。
パラフィン受け皿102は、主として、カセットホルダ2が当接する板状部102aと、板状部102aに形成された凸部102bと、板状部102aの周囲に形成されたリブ102cとを有する。パラフィン受け皿102にカセットホルダ2が載置されると、板状部102aに底面91aが当接し、凸部102bに凸部93が挿入される。
図9の説明に戻る。孔61a~61dには、予めパラフィン受け皿102が載置されている。カセットホルダ2は、孔61a~61dに予め載置されているパラフィン受け皿102の上に載置される。
孔61a~61dはそれぞれ保持部30a~30dに対応しており、保持部30aに保持されたカセットホルダ2は孔61aに載置されているパラフィン受け皿102の上に載置され、保持部30bに保持されたカセットホルダ2は孔61bに載置されているパラフィン受け皿102の上に載置され、保持部30cに保持されたカセットホルダ2は孔61cに載置されているパラフィン受け皿102の上に載置され、保持部30dに保持されたカセットホルダ2は孔61dに載置されているパラフィン受け皿102の上に載置される。
パラフィン固定部60は、載置部61、すなわちカセットホルダ2を水平方向に搬送する搬送部66、67(第2搬送部に相当)を有する。搬送部66は、図9に実線で示す位置から載置部61を-y方向に移動させて、孔61a~61dに設けられたカセットホルダ2をパラフィン吐出部62のノズル62d(後に詳述)の下側に(図9の点線で示す領域A)に配置する。また、搬送部67は、載置部61を-y方向に移動させて、孔61a~61dに設けられたカセットホルダ2を領域Aから冷却部63の上に移動させて平面部63aに載置する。
なお、本発明では、パラフィン固定部60が2つの搬送部66、67を有したが、パラフィン固定部60が搬送部66、67の機能を有する1つの搬送部を有してもよい。
図11は、パラフィン吐出部62の概略構成の一例を示す断面図である。パラフィン吐出部62は、主として、筐体62aと、タンク62bと、パイプ62cと、ノズル62dとを有する。タンク62b及びパイプ62cは筐体62aの内部に設けられており、ノズル62dは筐体62aに設けられている。
筐体62aは、図示しない加熱部を有する。加熱部は、タンク62bと、パイプ62c及びノズル62dをパラフィンが液体になる60℃程度に加熱する。
タンク62bの内部には、液体のパラフィンが充填されている。パラフィンは、パイプ62cを経由してタンク62bからノズル62dに供給され、ノズル62dから吐出される。
ノズル62dの鉛直方向下側(図9の点線で示す領域A)には、振動台68が設けられている。振動台68は、例えば、x、y、zの3方向の並進運動及び各軸回りの回転運動の加振が可能である。なお、振動台68は、少なくとも1方向の加振が可能であればよいが、水平方向への振動が可能であることが望ましい。振動台68はすでに公知であるため、説明を省略する。
また、振動台68は、加熱部(図示せず)を有し、振動台68に載置されたカセットホルダ2を加熱する。ただし、振動台68において加熱部は必須ではない。
図12は、パラフィン包埋ブロック作製装置1の電気的な構成を示すブロック図である。パラフィン包埋ブロック作製装置1は、主として、制御部110と、通信部112と、記憶部114と、を備える。制御部110は、CPU(Central Processing Unit)を主に備えて構成されており、記憶部114に格納されたプログラムに従って動作する。
制御部110には、ヘッド10(カセットホルダ把持部11、蓋把持部12、本体部13)、搬送部20(駆動部25)、保持部30(センサ32、33)、パラフィン固定部60(パラフィン吐出部62、冷却部63、搬送部66、67、振動台68)が接続されており、制御部110は各部の制御を行う。具体的には、制御部110は、カセットホルダ把持部11を制御してツメ11a、11bを開閉し、蓋把持部12を制御してツメ12a、12bを開閉し、また蓋把持部12を回転させる。また、制御部110は、本体部13を制御して軸10axを中心にヘッド10を回転させる。また、制御部110は、搬送部20を制御して、ヘッド10を水平方向及び鉛直方向に移動させる。また、制御部110は、センサ32、33からの信号を取得して、その信号に基づいてヘッド10及び搬送部20を制御する。また、制御部110は、搬送部66、67を制御して載置部61を水平方向に移動させる。また、制御部110は、パラフィン吐出部62を制御してパラフィンをノズル62dから吐出する。また、制御部110は、振動台68を制御して、振動台68を振動させるとともに加熱部(図示せず)により振動台68を加熱する。制御部110の動作については、後に詳述する。
通信部112は、外部の装置と通信するための通信インターフェース等で構成される。
記憶部114は、ハードディスク等で構成される。この記憶部114は、制御部110における処理の実行に必要な各種プログラムや各種の情報、及び処理結果の情報を記憶する。
なお、図12に示すパラフィン包埋ブロック作製装置1の構成は、本実施形態の特徴を説明するにあたり主要構成を説明したのであって、例えば一般的な情報処理装置が備える構成を排除するものではない。
図13は、パラフィン包埋ブロック作製装置1の処理の流れを示すフローチャートである。以下の処理は、主に制御部110によって行われる。
制御部110は、保持部30に設けられたカセットホルダ2をカセットホルダ把持部11で把持する(ステップS10)。制御部110は、センサ32によりカセットホルダ2が保持部30a~30dのどこに保持されているかを検知する。そして、制御部110は、搬送部20によりカセットホルダ2が検知された保持部30a~30dの上方にカセットホルダ把持部11を移動させる。さらに、制御部110は、ツメ11a、11bを開いた状態でカセットホルダ把持部11を下方に移動させ、ツメ11a、11bを閉じてカセットホルダ2をカセットホルダ把持部11で把持する。
例えば、保持部30a~30dの全てにカセットホルダ2が保持されている場合には、保持部30aに保持されたカセットホルダ2をカセットホルダ把持部11で把持する。また、例えば、保持部30b~30dにカセットホルダ2が保持されている場合には、保持部30bに保持されたカセットホルダ2をカセットホルダ把持部11で把持する。
また、制御部110は、ツメ11a、11bを開位置に配置した状態で、センサ33による検知結果に基づいてカセットホルダ把持部11を保持部30b~30dの上方に位置決めする。そして、制御部110は、ツメ11a、11bを開位置から閉位置に移動させることで、ツメ11a、11bでカセットホルダ2を把持する。
次に、制御部110は、カセットホルダ2を薬液に浸漬する(ステップS20)。このとき、制御部110は、カセットホルダ把持部11が把持しているカセットホルダ2が保持されていた保持部30a~30dに対応する薬液瓶保持部40a~40dの上方にカセットホルダ把持部11を移動させる。例えば、カセットホルダ把持部11が保持部30aに保持されたカセットホルダ2を把持している場合には、制御部110は、薬液瓶保持部40aの上方にカセットホルダ把持部11を移動させる。また、例えば、カセットホルダ把持部11が保持部30bに保持されたカセットホルダ2を把持している場合には、制御部110は、薬液瓶保持部40bの上方にカセットホルダ把持部11を移動させる。
図14は、カセットホルダ2を薬液に浸漬する処理(ステップS20)の流れを示すフローチャートである。以下、ステップS20の流れについて、カセットホルダ把持部11が保持部30aに保持されたカセットホルダ2を把持した場合を例に説明する。
制御部110は、薬液瓶70の蓋72を開ける(ステップS201)。最初にステップS201を行う場合には、制御部110は、薬液瓶保持部40aに配置されている薬液瓶70のうちの一番左(-x側)に位置する薬液瓶70hの蓋を開ける。
ステップS201の処理について説明する。まず、制御部110は、軸10axを中心にヘッド10を回転させて、カセットホルダ把持部11の長手方向がz方向に沿っており、蓋把持部12の長手方向がx方向に沿った状態から、カセットホルダ把持部11の長手方向がx方向に沿っており、蓋把持部12の長手方向がz方向に沿った状態へとヘッド10の姿勢を変化させる。次に、制御部110は、ツメ12a、12bを開状態にして蓋把持部12を鉛直下向き(-z方向)に移動させる。
次に、制御部110は、ツメ12a、12bを閉状態にして蓋把持部12で蓋72を把持し、蓋72を把持した状態で蓋把持部12を回転させて瓶本体71に対して蓋72を回転させて瓶本体71から蓋72を外し、蓋把持部12を鉛直上向き(+z方向)に移動させる。z方向から見たときに瓶本体71及び孔41aが共に六角形状であるため、蓋把持部12により蓋72を回転させても瓶本体71は回転せず、瓶本体71を把持することなく瓶本体71から蓋72を外すことができる。
次に、制御部110は、ステップS201で蓋72を開けた薬液瓶70の上にカセットホルダ2が位置するように、ヘッド10を移動させる(ステップS202)。そして、制御部110は、ステップS201で蓋72を開けた薬液瓶70にカセットホルダ2を挿入し、カセットホルダ2を薬液に浸漬させる(ステップS203)。
ステップS203の処理について説明する。まず、制御部110は、軸10axを中心にヘッド10を回転させて、カセットホルダ把持部11の長手方向がx方向に沿っており、蓋把持部12の長手方向がz方向に沿った状態から、カセットホルダ把持部11の長手方向がz方向に沿っており、蓋把持部12の長手方向がx方向に沿った状態へとヘッド10の姿勢を変化させる。次に、制御部110は、カセットホルダ把持部11を-z方向に移動させて、カセットホルダ2を瓶本体71の内部に挿入する。カセットホルダ2が瓶本体71の内部に挿入されたら、制御部110は、ツメ11a、11bを開状態にしてカセットホルダ2の把持を解除する。
図7に示すように、カセットホルダ2の突起95a、95bが開口部71eの上に引っ掛かるため、カセットホルダ2が瓶本体71の内部に落ちない。また、カセットホルダ2の突起96a、96bの先端(平面部97a、97b)が筒状部71cの内周面に当接し、かつ、平面部97a、97bが筒状部71cの内周面を押圧するため、瓶本体71に挿入されたカセットホルダ2が回転しない。
図14の説明に戻る。制御部110は、ツメ11a、11bを開状態にしてカセットホルダ2の把持を解除したら、ヘッド10を+z方向に移動させる。これにより、ステップS203の処理を終了する。
次に、制御部110は、ステップS203でカセットホルダ2を挿入した薬液瓶70に仮蓋73を被せる(ステップS204)。
ステップS204の処理について説明する。まず、制御部110は、軸10axを中心にヘッド10を回転させて、カセットホルダ把持部11の長手方向がz方向に沿っており、蓋把持部12の長手方向がx方向に沿った状態から、カセットホルダ把持部11の長手方向がx方向に沿っており、蓋把持部12の長手方向がz方向に沿った状態へとヘッド10の姿勢を変化させる。そして、制御部110は、ヘッド10を水平方向(x方向及びy方向の少なくとも1方)及び+z方向に移動させて、ヘッド10を仮置き部45の上方に移動させる。そして、制御部110は、蓋把持部12が把持している蓋72を蓋載置部45aに載置する。
次に、制御部110は、仮蓋載置部45bに載置された仮蓋73を蓋把持部12で把持する。具体的には、制御部110は、蓋載置部45aの上方にヘッド10を移動させ、ヘッド10を-z方向に移動させてからツメ12a、12bを開状態にして蓋72を蓋載置部45aに載置する。また、制御部110は、ヘッド10を+z方向に移動させてから、蓋把持部12が仮蓋載置部45bの上方に位置するようにヘッド10を水平方向に移動させ、ヘッド10を-z方向に移動させてからツメ12a、12bを閉状態にして仮蓋73を把持する。
次に、制御部110は、把持した仮蓋73を、蓋72が取り外された瓶本体71の開口部を覆うように瓶本体71に載置する。具体的には、制御部110は、蓋72が取り外された瓶本体71の上方に仮蓋73が位置するようにヘッド10を水平方向に移動させ、ヘッド10を-z方向に移動させてからツメ12a、12bを開状態にして仮蓋73を瓶本体71に載置する。したがって、薬液の蒸発や臭いを防ぐことができる。これにより、ステップS204の処理を終了する。
制御部110は、ステップS203の処理を開始してから所定時間が経過したかを判定する(ステップS205)。所定時間は、例えば、ステップS203でカセットホルダ2が挿入された薬液瓶70が薬液瓶70hの場合には6~48時間の間の任意の時間(本実施の形態では、24時間)であり、薬液瓶70i、70j、70k、70l、70m、70nの場合にはそれぞれ1時間である。
制御部110は、ステップS203の処理を開始してから所定時間が経過するまでの間(ステップS205の処理中)に、一定時間間隔でカセットホルダ2を薬液瓶70の内部で上下動させて、薬液瓶70の中に充填された薬液を攪拌する。例えば、制御部110は、カセットホルダ把持部11でカセットホルダ2を把持し、ヘッド10を+z方向及び-z方向に連続して微小距離(例えば、10mm~30mm程度)だけ移動させる。一定時間は、例えば15分である。これにより、サンプルSの近傍に新しい薬液を供給することができる。
ステップS203の処理を開始してから所定時間が経過していない場合(ステップS205でNO)には、制御部110は、ステップS205を繰り返す。
ステップS203の処理を開始してから所定時間が経過した場合(ステップS205でYES)には、制御部110は、瓶本体71から仮蓋73を取り外し(ステップS206)、仮蓋73を取り外した瓶本体71からカセットホルダ2を取り出す(ステップS207)。
ステップS206の処理について説明する。まず、制御部110は、ヘッド10を水平方向及び鉛直方向に移動させて、ヘッド10をカセットホルダ2が挿入された薬液瓶70の上方に配置する。このとき、ヘッド10は、蓋把持部12の長手方向がz方向に沿った状態である。次に、制御部110は、ツメ12a、12bを開状態にしてヘッド10を-z方向に移動させてから、ツメ12a、12bを閉状態にして蓋把持部12で仮蓋73を把持する。そして、制御部110は、ヘッド10を+z方向に移動させて仮蓋73を瓶本体71から取り外し、軸10axを中心にヘッド10を回転させてカセットホルダ把持部11の長手方向がz方向に沿った状態にする。これにより、ステップS206の処理を終了する。
ステップS207の処理について説明する。制御部110は、ツメ11a、11bを開状態にしてヘッド10を-z方向に移動させてから、ツメ11a、11bを閉状態にしてカセットホルダ把持部11でカセットホルダ2を把持する。そして、制御部110は、ヘッド10を+z方向に移動させて、瓶本体71からカセットホルダ2を引き出す。これにより、ステップS207の処理を終了する。
次に、制御部110は、カセットホルダ2を取り出した薬液瓶70に蓋72を取り付ける(ステップS208)。
ステップS208の処理について説明する。まず、制御部110は、軸10axを中心にヘッド10を回転させて、カセットホルダ把持部11の長手方向がz方向に沿っており、蓋把持部12の長手方向がx方向に沿った状態から、カセットホルダ把持部11の長手方向がx方向に沿っており、蓋把持部12の長手方向がz方向に沿った状態へとヘッド10の姿勢を変化させる。蓋把持部12が仮蓋73を把持しているため、制御部110は、ヘッド10を水平方向に移動させて、蓋把持部12を仮蓋載置部45bの上に移動させ、ヘッド10を-z方向に移動させてからツメ12a、12bを開状態にして、仮蓋73を仮蓋載置部45bに載置する。
次に、制御部110は、ヘッド10を+z方向に移動させてから水平方向に移動させて、蓋把持部12を蓋載置部45aの上方にヘッド10を移動させる。そして、制御部110は、ツメ12a、12bを開状態にしてヘッド10を-z方向に移動させてからツメ12a、12bを閉状態にして、蓋把持部12で蓋72を把持する。また、制御部110は、ヘッド10を+z方向に移動させてから、ステップS25でカセットホルダ2を取り出した薬液瓶70の上方にヘッド10を移動させ、ヘッド10を-z方向に移動させながら蓋把持部12を回転させて瓶本体71に蓋72を取り付ける。次に、制御部110は、ツメ12a、12bを開状態にして蓋72の把持を解除し、ヘッド10を+z方向に移動させる。これにより、ステップS208の処理を終了する。
次に、制御部110は、薬液瓶保持部40aに配置されている薬液瓶70のうちの一番右(+x側)に配置された薬液瓶70nに対してステップS208までの処理が終了したかを判定する(ステップS209)。一番右に配置された薬液瓶70nに対してステップS208までの処理が終了していない場合(ステップS209でNO)には、制御部110は、ステップS208で蓋72を取り付けた薬液瓶70の右隣の薬液瓶70の蓋を開ける(ステップS210)。薬液瓶70の蓋を開ける処理は、ステップS201と同様である。その後、制御部110は、処理をステップS202に戻す。
例えば、薬液瓶70hに対してステップS202~S208の処理を行った場合には、制御部110は、薬液瓶70iの蓋72を開け(ステップS210)、カセットホルダ2を薬液瓶70iの上に移動させ(ステップS202)、カセットホルダ2を薬液瓶70iに挿入する(ステップS203)。
また、例えば、薬液瓶70kに対してステップS202~S208の処理を行った場合には、制御部110は、薬液瓶70lの蓋72を開け(ステップS22)、カセットホルダ2を薬液瓶70lの上に移動させ(ステップS202)、カセットホルダ2を薬液瓶70lに挿入する(ステップS203)。
一番右に配置された薬液瓶70nに対してステップS208までの処理が終了した場合(ステップS209でYES)には、制御部110は、ステップS20の一連の処理を終了する。
図13の説明に戻る。次に、制御部110は、カセットホルダ2をパラフィン液に浸漬する(ステップS30)。このとき、制御部110は、カセットホルダ把持部11が把持しているカセットホルダ2が保持されていた保持部30a~30dに対応するパラフィン充填瓶保持部50a~50dの上方にカセットホルダ把持部11を移動させる。例えば、カセットホルダ把持部11が保持部30aに保持されたカセットホルダ2を把持している場合には、制御部110は、パラフィン充填瓶保持部50aの上方にカセットホルダ把持部11を移動させる。また、例えば、カセットホルダ把持部11が保持部30bに保持されたカセットホルダ2を把持している場合には、制御部110は、パラフィン充填瓶保持部50bの上方にカセットホルダ把持部11を移動させる。
図15は、カセットホルダ2をパラフィン液に浸漬する処理(ステップS30)の流れを示すフローチャートである。以下、ステップS30の流れについて、カセットホルダ把持部11が保持部30aに保持されたカセットホルダ2を把持した場合を例に説明する。
制御部110は、パラフィン充填瓶75の蓋72を開ける(ステップS301)。最初にステップS301の処理を行う場合には、制御部110は、パラフィン充填瓶保持部50aに配置されているパラフィン充填瓶75のうちの一番左(-x側)のパラフィン充填瓶75hの蓋を開ける。ステップS301の処理は、ステップS201の処理と同様であるため、説明を省略する。
次に、制御部110は、ステップS301で蓋72を開けたパラフィン充填瓶75の上にカセットホルダ2が位置するように、ヘッド10を移動させる(ステップS302)。ステップS302の処理は、ステップS202の処理と同様であるため、説明を省略する。
次に、制御部110は、ステップS301で蓋72を開けたパラフィン充填瓶75にカセットホルダ2を挿入し、カセットホルダ2をパラフィン液に浸漬させる(ステップS303)。ステップS303の処理はステップS203の処理と同様であるため、説明を省略する。
次に、制御部110は、ステップS303でカセットホルダ2を挿入したパラフィン充填瓶75に仮蓋73を被せる(ステップS304)。ステップS304の処理はステップS204の処理と同様であるため、説明を省略する。
制御部110は、ステップS33の処理を開始してから所定時間が経過したかを判定する(ステップS305)。所定時間は、例えば、1時間20分である。
制御部110は、ステップS205と同様に、ステップS303の処理を開始してから所定時間が経過するまでの間(ステップS305の処理中)に、カセットホルダ把持部11でカセットホルダ2を把持し、一定時間間隔でカセットホルダ2を上下動させて、パラフィン充填瓶75の中に充填されたパラフィン液を攪拌してもよい。
ステップS303の処理を開始してから所定時間が経過していない場合(ステップS305でNO)には、制御部110は、ステップS305を繰り返す。
ステップS303の処理を開始してから所定時間が経過した場合(ステップS305でYES)には、制御部110は、パラフィン充填瓶75から仮蓋73を取り外し(ステップS306)、仮蓋73を取り外したパラフィン充填瓶75からカセットホルダ2を取り出す(ステップS307)。ステップS306、S307の処理は、それぞれ、ステップS206、S207の処理と同様であるため、説明を省略する。
次に、制御部110は、カセットホルダ2を取り出したパラフィン充填瓶75に蓋72を取り付ける(ステップS308)。ステップS308の処理は、ステップS208の処理と同様であるため、説明を省略する。
次に、制御部110は、パラフィン充填瓶保持部50aに配置されているパラフィン充填瓶75のうちの一番右(+x側)に配置されたパラフィン充填瓶75jに対してステップS308までの処理が終了したかを判定する(ステップS309)。一番右に配置されたパラフィン充填瓶75jに対してステップS308までの処理が終了していない場合(ステップS309でNO)には、制御部110は、制御部110は、ステップS308で蓋72を取り付けたパラフィン充填瓶75の右隣のパラフィン充填瓶75の蓋を開ける(ステップS310)。パラフィン充填瓶75の蓋を開ける処理は、ステップS301と同様である。その後、制御部110は、処理をステップS302に戻す。
一番右に配置されたパラフィン充填瓶75jに対してステップS308までの処理が終了した場合(ステップS309でYES)には、制御部110は、ステップS30の一連の処理を終了する。
図13の説明に戻る。次に、制御部110は、カセットホルダ2を載置部61に載置する(ステップS40)。このとき、制御部110は、カセットホルダ把持部11が把持しているカセットホルダ2が保持されていた保持部30a~30dに対応する孔61a~61dに載置されているパラフィン受け皿102の上に載置される。例えば、カセットホルダ把持部11が保持部30aに保持されたカセットホルダ2を把持している場合には、制御部110は、孔61aに載置されているパラフィン受け皿102の上にカセットホルダ2を載置させる。また、例えば、カセットホルダ把持部11が保持部30bに保持されたカセットホルダ2を把持している場合には、制御部110は、孔61bに載置されているパラフィン受け皿102の上にカセットホルダ2を載置させる。
ここで、カセットホルダ把持部11が保持部30aに保持されたカセットホルダ2を把持している場合を例に、ステップS40の処理を説明する。ステップS36において、カセットホルダ把持部11の長手方向、すなわちカセットホルダ2が水平方向に沿っているため、制御部110は、カセットホルダ把持部11が水平方向に沿った状態で、搬送部20によりカセットホルダ把持部11を水平方向に移動させて、孔61aの上方にカセットホルダ2を配置する。次に、制御部110は、搬送部20によりカセットホルダ把持部11を-z方向に移動させて、パラフィン受け皿102の上にカセットホルダ2を載置する。
パラフィン受け皿102の上にカセットホルダ2が載置されたら、制御部110は、ツメ11a、11bを開位置に移動させてカセットホルダ把持部11からカセットホルダ2を離す。そして、制御部110は、搬送部20によりカセットホルダ把持部11を水平方向及び鉛直方向に移動させて、カセットホルダ把持部11をパラフィン固定部60から遠ざける。これにより、ステップS40の処理を終了する。
次に、制御部110は、載置部61に載置されたカセットホルダ2にパラフィンを充填する(ステップS50)。ここで、孔61aにカセットホルダ2が載置されている場合を例に、ステップS50の処理を説明する。制御部110は、搬送部66により載置部61を-y方向に移動させて、孔61aをノズル62dの下側に配置する。これにより、孔61aに設けられたカセットホルダ2がノズル62dの下側に配置される。そして、カセットホルダ2がノズル62dの下側に配置された状態で、制御部110は、ノズル62dからパラフィンを吐出する。
図10(B)、(C)に示すように、パラフィン受け皿102の上にカセットホルダ2が載置されているため、ノズル62dから吐出されたパラフィンは、凸部93の内部に充填される。
図11に示すように、カセットホルダ2がノズル62dの下側に配置された状態では、カセットホルダ2及びパラフィン受け皿102は振動台68に載置されている。制御部110は、ノズル62dからパラフィンを吐出しつつ、振動台68、すなわちカセットホルダ2及びパラフィン受け皿102を振動させる。これにより、凸部93の内部にパラフィンを行き渡らせることができる。
同時に、制御部110は、振動台68、すなわちカセットホルダ2及びパラフィン受け皿102を加熱する。これにより、凸部93の内部にパラフィンが行き渡る前にパラフィンが固まって凸部93の内部に空気が残ってしまうことを防止することができる。
図13の説明に戻る。次に、制御部110は、カセットホルダ2に充填されたパラフィンを冷却する(ステップS60)。制御部110は、搬送部67により載置部61を-y方向に移動させて、載置部61をノズル62dの下側から冷却部63の上側に移動させる。これにより、孔61a~61dに載置されたパラフィン受け皿102が平面部63aに載置され、冷却部63によりカセットホルダ2内部のパラフィンが冷却される。これにより、パラフィン包埋ブロック作製装置1の一連の処理が終了する。
なお、図13ではパラフィン包埋ブロック作製装置1が1つのカセットホルダ2に対して処理する場合の処理の流れを示したが、パラフィン包埋ブロック作製装置1は、複数のカセットホルダ2に対して同時に処理を行うことが可能である。以下、保持部30a、30bに保持された2個のカセットホルダ2に対して処理を行う場合を例に説明する。
制御部110は、保持部30aに保持されたカセットホルダ2に対してステップS10及びステップS201~S204の処理を行い、保持部30aに保持されたカセットホルダ2のステップS205の処理の間(所定時間が経過するまでの間)に保持部30bに保持されたカセットホルダ2に対してステップS10及びステップS201~S205の処理を行う。また、保持部30aに保持されたカセットホルダ2に対してステップS206~S210の処理を行ったあとで、保持部30bに保持されたカセットホルダ2に対してステップS206~S210の処理を行う。これにより、2つのカセットホルダ2に対してステップS10、S20の処理を同時に行うことができる。
また、パラフィン包埋ブロック作製装置1は、ステップS30についても保持部30a、30bに保持されたカセットホルダ2を同時に処理する。制御部110は、保持部30aに保持されたカセットホルダ2に対してステップS301~S304の処理を行い、保持部30aに保持されたカセットホルダ2のステップS305の処理の間に保持部30bに保持されたカセットホルダ2に対してステップS301~S305の処理を行う。また、保持部30aに保持されたカセットホルダ2に対してステップS306~S310の処理を行ったあとで、保持部30bに保持されたカセットホルダ2に対してステップS306~S310の処理を行う。これにより、2つのカセットホルダ2に対してS30の処理を同時に行うことができる。
そして、制御部110は、保持部30a、30bに保持されたカセットホルダ2に対して連続してステップS40、S50の処理を行う。つまり、制御部110は、保持部30aに保持されたカセットホルダ2に対するパラフィン充填瓶75jに対するステップS302~S309の処理においてステップS309がYESの場合、ステップS309の次にステップS40及びS50の処理を行う。その後、制御部110は、保持部30bに保持されたカセットホルダ2に対するパラフィン充填瓶75jに対するステップS302~S309の処理において、ステップS309がYESの場合、ステップS309の次にステップS40及びS50の処理を行う。
また、制御部110は、複数のカセットホルダ2に対してステップS60を同時に行う。つまり、制御部110は、載置部61を-y方向に移動させて、載置部61をノズル62dの下側から冷却部63の上側に移動させる。これにより、載置部61に載置された全てのカセットホルダ2及びパラフィン受け皿102が平面部63aに載置され、冷却部63により載置部61に載置された全てのカセットホルダ2内のパラフィンが同時に冷却される。
図16は、パラフィン包埋ブロック作製装置1により処理が行われた後のカセットホルダ2を示す図である。ステップS50で吐出されたパラフィンは、パラフィン受け皿102により凸部93の内部に充填され、ステップS50で凸部93の内部に充填されたパラフィンが固化される。したがって、パラフィン受け皿102をカセットホルダ2から取り外しても、固化したパラフィンは凸部93から流出せず、パラフィンの内部にサンプルSが包埋された包埋ブロックBが凸部93の内部に形成される。
図17は、カセットホルダ2から包埋ブロックを取り出す様子を示す図である。カセット受け部91及び凸部93には一対のスリット94a、94bが設けられているため、カセットホルダ2は、スリット94a、94bに沿って折ることが可能である。スリット94a、94bは同一直線上に配置されているため、スリット94aとスリット94bとの間に力が集中しやすい。また、スリット94a、94bはリブ91bの短辺(辺91c)と略平行であり、板状部92は辺91cから突出するように延設されているため、作業者が板状部92を把持してスリット94a、94bの開口部が広くなる方向にカセットホルダ2を変形させる(図17の矢印参照)ことで、スリット94a、94bと力点(作業者がカセットホルダ2を把持している位置)とを遠くし、カセットホルダ2を折れやすくできる。
図18は、カセットホルダ2から取り出されたカセット101及び包埋ブロックBを示す図であり、(A)は側面図であり、(B)は斜視図である。カセットホルダ2を折り曲げると、カセットホルダ2からカセット101及び包埋ブロックBが取り出される。溶融パラフィンが固化することでカセット101と包埋ブロックBとが一体化される。
本実施の形態によれば、カセット受け部91及び凸部93にスリット94a、94bが設けられており、スリット94a、94bは平面視において同一直線上に配置されているため、スリット94a、94bに沿ってカセットホルダ2を容易に折り曲げ、カセットホルダ2の内部から包埋ブロックBを容易に取り出すことができ、包埋ブロックBを作製するときの作業性がよい。
また、本実施の形態によれば、側面から見たときに、スリット94a、94bの高さh1は、リブ91bの先端と凸部93の先端との間の距離h2の半分以上であるため、スリット94a、94bに沿ってカセットホルダ2を弱い力で折り曲げることができる。
また、本実施の形態によれば、リブ91bの2つの辺91cのうちの1つに、板状部92が底面91aと略平行に延設されているため、板状部92を把持してカセット受け部91に設けられたカセット101を薬液に浸漬すればよい。作業者がサンプルSを薬液に浸漬する薬液処理を行う場合には、作業者が薬液に浸漬されたカセット101に触れる必要がないため、安全かつ効率的に作業を行うことができる。また、パラフィン包埋ブロック作製装置1を用いる場合には、カセットホルダ把持部11が板状部92を把持してカセット101を薬液から取り出すことができるため、作業性がよい。
また、本実施の形態によれば、辺92a、92bにはそれぞれ突起95a、95bが設けられているため、板状部92を把持してカセット受け部に設けられたカセットを薬液に浸漬するとき、瓶本体71の開口部71eに突起95a、95bが引っ掛かり、カセットホルダ2が瓶本体71の中に落下しないようにすることができる。したがって、作業者が薬液処理を行う場合には、作業者が板状部92を把持してカセット101を薬液から取り出すことができる。また、パラフィン包埋ブロック作製装置1を用いる場合には、板状部92を把持するカセットホルダ把持部11が薬液に触れないため、パラフィン包埋ブロック作製装置1の不具合を防ぐことができる。
また、本実施の形態によれば、辺92a、92bにはそれぞれ突起96a、96bが設けられているため、突起96a、96bが瓶本体71の内周面に当接する。これにより、カセットホルダ2が瓶本体71の中で回転しないようにできる。また、突起96a、96bの先端に平面部97a、97bが設けられているため、平面部97a、97bが瓶本体71の内周面を押圧することができる。したがって、カセットホルダ2を瓶本体71に固定することができる。
なお、本実施の形態では、保持部30が4つの保持部30a~30dを有し、薬液瓶保持部40が4つの薬液瓶保持部40a~40dを有し、パラフィン充填瓶保持部50が4つのパラフィン充填瓶保持部50a~50dを有したが、保持部30は少なくとも2つの保持部30a、30bを有すればよいし、薬液瓶保持部40は少なくとも2つの薬液瓶保持部40a、40bを有すればよいし、パラフィン充填瓶保持部50は少なくとも2つのパラフィン充填瓶保持部50a、50bを有すればよい。また、薬液瓶保持部40a~40d及びパラフィン充填瓶保持部50a~50dはそれぞれ隣接して設けられていたが、薬液瓶保持部40a~40d及びパラフィン充填瓶保持部50a~50dは隣接しなくてもよい。
<第2の実施の形態>
図19は、本発明の第2の実施の形態にかかるカセットホルダ3の概略を示す斜視図である。図20は、カセットホルダ3の概略構成の一例を示す図であり、(A)は平面図であり、(B)は側面図である。なお、第1の実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
カセットホルダ3は、主として、カセット101(図5参照)が設けられるカセット受け部191と、略板状の板状部192と、カセット受け部191に設けられた凸部193とを有する。
カセットホルダ3の説明において、板状部192の延設方向と略直交する方向を上下方向とし、凸部193の突出方向を下方向とし、凸部193の突出方向と反対方向を上方向とする。なお、図19(A)の平面図は、カセットホルダ3を上から見た図である。
カセット受け部191は、平面視長方形状であり、主として、底面191aと、リブ191bとを有する。底面191aは、カセット101が設けられたときにカセット101の下面が当接する平面であり、平面視長方形状である。底面191aには、複数の透孔197が設けられている。
リブ191bは、底面191aから上向きに突出している。リブ191bは、平面視長方形状であり、カセット101が設けられたときにカセット101の周縁に当接する。リブ191bは、高さが低いリブ191fと、高さが高いリブ191gとを有する。リブ191gにより、カセットホルダ3がスリット194a、194b(後に詳述)で折り曲げやすくなる。
リブ191bには、カセット101がカセット受け部191に設けられたときにカセット101を保持するカセット押えツメ191dが設けられている。ただし、カセット押えツメ191dは必須ではない。また、リブ191bには、カセット押えツメ191dの反対側に突起191eが設けられている。
底面191aには、下向きに突出するように凸部193が設けられている。凸部193は、内部が空洞であり、サンプルSが載置される底面193aと、側面193bとを有する。凸部193には、複数の透孔197が設けられている。
カセット受け部191には、一対のスリット194a、194bが設けられている。スリット194a、194bは、リブ91bの短辺(辺191c)と略平行であり、カセットホルダ3の平面視において同一直線上に配置されている。
板状部192は、辺191cに設けられており、底面191aと略平行に延設されている。板状部192は、平面視矩形形状であり、リブ191bの長辺と略平行な方向(第1方向)に沿った2つの辺192a、192bを有する。平面視において辺192a、192bはリブ191bの長辺と同程度の長さを有し、その結果、辺192a、192bに沿った方向がカセットホルダ3の長手方向になる。
辺192a、192bには、それぞれ突起195a、195b及び突起198a、198bが設けられている。突起195a、195b及び突起198a、198bは、平面視において外向きに突出する一対の突起である。
また、辺192a、192bには、それぞれ突起196a、196bが設けられている。突起196a、196bは、平面視において外向きに突出する一対の突起である。突起196a、196bは、先端がそれぞれ辺91cと略平行な方向に移動可能に構成されている。
突起196a、196bは、それぞれ、腕部120a、120bと、腕部120a、120bの先端に設けられた先端部121a、121bとを有する。腕部120a、120bは、細長い板状であり、根元側がカセット受け部191近傍に設けられた片持ち梁状の部材である。腕部120a、120bは、弾性変形が可能であり、腕部120a、120bと辺192a、192bとのなす角度θ1は25°~45°である。そのため、先端部121a、121bがカセットホルダ3の幅方向に移動しやすい。ただし、角度θ1は25°~45°に限られない。
突起195a、195bは、突起196a、196bの根元を補強する部材であり、突起196a、196bの根元部分に、突起196a、196bと一体形成されている。突起198a、198bは、突起196a、196bの先端が辺91cと略平行な方向に移動したときに突起196a、196bが当接するものであり、突起196a、196bの過度の変形を防止する。
カセットホルダ3は、開口部71e(図7参照)から瓶本体71の内部に挿入される。このときのカセットホルダ3の向きは、板状部192が鉛直方向に沿った縦向きである。突起196a、196bの両端の幅が筒状部71cの直径D(図7参照)より大きいため、先端部121a、121bが開口部71eの上に引っ掛かり、カセットホルダ3のz方向の位置決めがされる。また、突起198a、198bが設けられているため、突起196a、196bが変形しすぎて、カセットホルダ3が瓶本体71の内部に落下することを防止する。
また、突起196a、196bの先端がカセットホルダ3の幅方向に移動可能に構成されているため、カセットホルダ3を瓶本体71の内部に挿入すると、突起196a、196bのエッジ部分が開口部71eの内周面を内側から押圧する。したがって、瓶本体71に挿入されたカセットホルダ3が回転しないように、カセットホルダ3が瓶本体71に固定される。
本実施の形態によれば、板状部192が底面191aと略平行に延設されているため、カセットホルダ把持部11が板状部192を把持してカセット受け部191に設けられたカセット101を薬液に浸漬することができる。また、スリット194a、194bに沿ってカセットホルダ3を折り曲げ、カセットホルダ3の内部から包埋ブロックBを容易に取り出すことができ、包埋ブロックBを作製するときの作業性がよい。
なお、カセットホルダ3は、辺192a、192bにそれぞれ突起195a、195b及び突起196a、196bが設けられていたが、辺192a又は辺192bにさらに突起が設けられていてもよい。図21に示すカセットホルダ3Aでは、辺192bに突起199bが設けられている。突起199bは、板状部192の片側にのみ設けられている。突起199bの先端が筒状部71c(図7参照)の内周面に当接することで、カセットホルダ3Aが瓶本体71に対して位置決めされる。
<第3の実施の形態>
図22は、本発明の第3の実施の形態にかかるカセットホルダ4の概略を示す図であり、(A)は平面図であり、(B)は側面図である。なお、第1、2の実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
カセットホルダ4は、主として、カセット受け部91と、略板状の板状部292と、凸部93とを有する。なお、リブ91bの短辺(辺91c)と略平行な方向が幅方向(本発明の第2方向)である。
板状部292は、辺91cに設けられている。板状部292は、突起296a、296bを有する。板状部292は、板状部92に対して凹部92e、92fの有無、突起296a、296bのみ異なり、その他は同一である。
突起296a、296bは、それぞれ辺92a、92bに設けられている。突起296a、296bは、平面視において外向きに突出する一対の突起である。突起296a、296bの高さは、突起95a、95bの高さより低い。突起296a、296bは、カセット受け部91と突起95a、95bとの間に設けられている。
突起296a、296bは、それぞれ、辺92a、92bと略平行な平面部122a、122bと、平面部122a、122bと辺92a、92bとを連結する腕部123a、123bと、平面部122a、122bの先端側に設けられた先端部124a、124bとを有する。平面部122a、122bは、板状部92を含む面と略直交する。突起296a、296bは、平面部122a、122b及び先端部124a、124bがそれぞれ幅方向に移動可能に構成されている。
腕部123a、123bは、細長い板状であり、根元側がカセット受け部91近傍に設けられた片持ち梁状であり、弾性変形が可能である。平面部122a、122bの先端側に先端部124a、124bが設けられており、腕部123a、123bが弾性変形することにより平面部122a、122b及び先端部124a、124bが幅方向に移動する。
腕部123a、123bと辺92a、92bとのなす角度θ2は25°~45°であり、本実施の形態では30°である。したがって、腕部123a、123bが長くなり、弱い力で平面部122a、122bが移動可能である。ただし、角度θ2は25°~45°に限られない。
平面部122a、122bと腕部123a、123bとの連結部分及び平面部122a、122bと先端部124a、124bとの連結部分は、エッジ状でもよいし、円弧状(R形状)でもよい。本実施の形態では、連結部分は半径8mmの円弧状(R8)である。
先端部124a、124bは、突起296a、296bの板状部292に設けられていない側の端に配置されている。先端部124a、124bは、突起95a、95bに近づくにつれて板状部292に近づくように傾いている。
図23は、内部にカセットホルダ4が設けられた瓶本体71Aの概略構成の一例を示す断面図である。図23では、断面を示すハッチングを省略している。瓶本体71Aは、プラスチック製である点で瓶本体71と異なり、底面71a、側面71b、筒状部71c及び開口部71eを有する点で瓶本体71と共通する。カセットホルダ4が瓶本体71Aの内部に挿入されると、突起296a、296bが板状部292に近づくように弾性変形し、平面部122a、122bが筒状部71c(図7参照)の内周面に当接し、かつ、平面部122a、122bが筒状部71cの内周面を押圧する。したがって、瓶本体71に挿入されたカセットホルダ4が回転しないように、カセットホルダ4が瓶本体71に固定される。
瓶本体71Aは、プラスチック製であるため、内側に突出する突起71fが開口部71eに形成される。例えば、ブロー成型により瓶本体71Aを形成する場合には、突っ切りバイトにより余分な部分を切断して開口部71eを形成するため、突っ切り加工によるバリが突起71fとして形成されてしまう。カセットホルダ4では、突起296a、296bの先端部124a、124bが突起95a、95bに近づくにつれて板状部292に近づくように傾いているため、突起296a、296bが突起71fに引っかからず、カセットホルダ4を瓶本体71Aにスムーズに出し入れすることができる。
本実施の形態によれば、突起296a、296bを単純な形状にすることができる。したがって、製造が容易になる。また、先端部124a、124bを設けることで突起296a、296bの破損を防ぐことができる。
また、本実施の形態によれば、根元側がカセット受け部91近傍に設けられた片持ち梁状の腕部123a、123bを有するため、瓶本体71Aに対してカセットホルダ4が大きく傾いていたとしても(図23点線参照)、カセットホルダ4を瓶本体71Aに挿入することができる。
なお、突起296a、296bの形状はこれに限られない。図24は、変形例に係るカセットホルダ4Aの概略を示す図であり、カセットホルダ4Aの要部のみを図示している。
カセットホルダ4Aは、主として、カセット受け部91と、略板状の板状部292Aと、凸部93(図示省略)とを有する。略板状の板状部292Aは、辺92a、92bにそれぞれ設けられた突起296a-1、296b-1を有する。突起296a-1、296b-1は、平面視において外向きに突出する一対の突起である。突起296a-1、296b-1の高さは、突起95a、95bの高さより低い。突起296a-1、296b-1は、カセット受け部91と突起95a、95bとの間に設けられている。
突起296a-1、296b-1は、それぞれ、辺92a、92bと略平行な平面部125a、125bと、平面部125a、125bと辺92a、92bとを連結する腕部126a、126bと、平面部125a、125bの先端側に設けられた先端部127a、127bとを有する。平面部125a、125bは、板状部92を含む面と略直交する。
腕部126a、126bは、細長い板状であり、根元側がカセット受け部91の近傍に設けられた片持ち梁状であり、弾性変形が可能である。平面部125a、125bの先端側に先端部127a、127bが設けられており、腕部126a、126bが弾性変形することにより平面部125a、125b及び先端部127a、127bが幅方向に移動可能である。
腕部126a、126bと辺92a、92bとのなす角度θ3は26°である。したがって、腕部126a、126bが長くなり、弱い力で平面部125a、125bが移動可能である。
図25は、変形例に係るカセットホルダ4Bの概略を示す図であり、カセットホルダ4Bの要部のみを図示している。カセットホルダ4Bは、主として、カセット受け部91と、略板状の板状部292Bと、凸部93(図示省略)とを有する。略板状の板状部292Bは、辺92a、92bにそれぞれ設けられた突起296a-2、296b-2を有する。突起296a-2、296b-2は、平面視において外向きに突出する一対の突起である。突起296a-2、296b-2の高さは、突起95a、95bの高さより低い。突起296a-2、296b-2は、カセット受け部91と突起95a、95bとの間に設けられている。
突起296a-2、296b-2は、それぞれ、辺92a、92bと略平行な平面部128a、128bと、平面部128a、128bと辺92a、92bとを連結する腕部129a、129bと、平面部128a、128bの先端側に設けられた先端部130a、130bとを有する。平面部128a、128bは、板状部92を含む面と略直交する。
腕部129a、129bは、細長い板状であり、根元側がカセット受け部91の近傍に設けられた片持ち梁状であり、弾性変形が可能である。平面部128a、128bの先端側に先端部130a、130bが設けられており、腕部129a、129bが弾性変形することにより平面部128a、128b及び先端部130a、130bが幅方向に移動可能である。
腕部129a、129bと辺92a、92bとのなす角度θ4は45°である。したがって、腕部129a、129bの長さが短くても、平面部128a、128bの移動量を大きく保つことができる。
先端部130a、130bと平面部128a、128bとのなす角度θ5は30°である。したがって、腕部129a、129bが変形し過ぎたとしても、先端部130a、130bを板状部292Bに当てて突起296a-2、296b-2の破壊を防ぐことができる。
<第4の実施の形態>
図26は、本発明の第4の実施の形態にかかるカセットホルダ5の概略を示す図であり、(A)は平面図であり、(B)は側面図である。カセットホルダ5は、主として、カセット受け部91と、略板状の板状部392と、凸部93とを有する。なお、第1~3の実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
板状部392は、辺91cに設けられている。板状部392は、板状部92に対して突起396a、396bのみ異なり、その他は同一である。
突起396a、396bは、それぞれ辺92a、92bに設けられている。突起396a、396bは、平面視において外向きに突出する一対の突起である。突起396a、396bの高さは、突起95a、95bの高さより低い。突起396a、396bは、カセット受け部91と突起95a、95bとの間に設けられている。
突起396a、396bは、先が折れ曲がった鉤状である。突起396a、396bは、それぞれ、片持ち梁状の腕部131a、131bと、細長い板状の突出部135a、135bとを有する。突出部135a、135bは、腕部131a、131bの先端に設けられており、板状部392から遠ざかる方向に突出する。
突出部135a、135bは、それぞれ、一端が腕部131a、131bに設けられた連結部133a、133bと、連結部133a、133bの先端側に設けられた円弧部132a、132bと、円弧部132a、132bの先端側に設けられた先端部134a、134bとを有する。突起396a、396bは、円弧部132a、132b及び先端部134a、134bがそれぞれ幅方向に移動可能に構成されている。
腕部131a、131bは、細長い板状であり、弾性変形が可能である。腕部131a、131bは、それぞれ、根元側が突起95a、95bに固定された片持ち梁状であり、突起95a、95bからカセット受け部91に向けて突出しており、辺92a、92bと略平行に延設されている。
腕部131a、131bと連結部133a、133bとは、それぞれ、頂部136a、136bで連結されている。連結部133a、133bは、頂部136a、136bが固定された片持ち梁状であり、弾性変形が可能である。
円弧部132a、132bは、円弧状であり、連結部133a、133bの腕部131a、131bと反対側に設けられている。円弧部132a、132bの中心Oは、突出部135a、135bよりも板状部392側に位置する。したがって、円弧部132a、132bは、外側に凸となる。
腕部131a、131b及び突出部135a、135bが板状部392に近づく方向に弾性変形することにより、円弧部132a、132bが幅方向に移動する。腕部131a、131bと連結部133a、133bとのなす角度θ6は25°~65°であり、本実施の形態では25°である。角度θ6を小さくすることで連結部133a、133bを長くし、腕部131a、131b及び連結部133a、133bを共に弾性変形させて円弧部132a、132bを移動させるため、弱い力で突起396a、396bが変形し、柔らかい突起396a、396bとなる。ただし、角度θ6は25°~65°に限られない。
先端部130a、130bは、突起396a、396bの板状部392に設けられていない側の端に配置されている。先端部130a、130bは、突起95a、95bに近づくにつれて板状部392に近づくように傾いており、その角度θ7は30°である。
図27は、内部にカセットホルダ4が設けられた瓶本体71Aの概略構成の一例を示す断面図である。図23では、断面を示すハッチングを省略している。カセットホルダ5が瓶本体71Aの内部に挿入されると、腕部131a、131b及び突出部135a、135bが弾性変形し、円弧部132a、132bが筒状部71cの内周面に当接し、かつ、円弧部132a、132bが筒状部71cの内周面を押圧する。したがって、瓶本体71Aに挿入されたカセットホルダ2が回転しないように、カセットホルダ5が瓶本体71Aに固定される。また、突起95a、95bに近づくにつれて板状部392に近づくように先端部130a、130bが傾いているため、突起396a、396bが変形しても先端部130a、130bが突起71fに引っかからず、カセットホルダ5を瓶本体71Aにスムーズに出し入れすることができる。
本実施の形態によれば、腕部131a、131bを辺92a、92bと略平行に延設することで、円弧部132a、132bに加わる力の向きと腕部131a、131bの変形方向とが略一致し、円弧部132a、132bが移動しやすくなる。また、突起396a、396b(腕部131a、131b及び突出部135a、135b)の全長が長くなるため、弱い力で突起396a、396bが弾性変形可能であり、弱い力で突起396a、396bを変形させることができる。
なお、突起396a、396bの形状はこれに限られない。突起396a、396bは、腕部131a、131bと連結部133a、133bとが頂部136a、136bで連結されており、頂部136a、136bが尖っているが、腕部131a、131bと連結部133a、133bとが円弧で連結されていてもよい。本発明においては、腕部と連結部とが円弧で連結されていた(頂部が尖っていない)形態も、先が折れ曲がった鉤状の突起に含まれる。
また、例えば、突起が、円弧部に加えて平面部を有していてもよい。図28は、変形例に係るカセットホルダ5Aの概略を示す図であり、カセットホルダ5Aの要部のみを図示している。カセットホルダ5Aは、主として、カセット受け部91と、略板状の板状部392Aと、凸部93(図示省略)とを有する。略板状の板状部392Aは、辺92a、92bにそれぞれ設けられた突起396a-1、396b-1を有する。
突起396a-1、396b-1は、平面視において外向きに突出する一対の突起である。突起396a-1、396b-1の高さは、突起95a、95bの高さより低い。突起396a-1、396b-1は、カセット受け部91と突起95a、95bとの間に設けられている。
突起396a-1、396b-1は、先が折れ曲がった鉤状である。突起396a-1、396b-1は、それぞれ、片持ち梁状の腕部131a、131bと、細長い板状の突出部137a、137bとを有する。突出部137a、137bは、腕部131a、131bの先端に設けられており、板状部392から遠ざかる方向に突出する。
突出部137a、137bは、それぞれ、一端が腕部131a、131bに設けられた連結部138a、138bと、連結部138a、138bの先端側に設けられた円弧部139a、139bと、円弧部139a、139bの先端側に設けられた平面部140a、140bと、平面部140a、140bの先端側に設けられた先端部141a、141bとを有する。平面部140a、140bは、辺92a、92bと略平行であり、板状部392Aを含む面と略直交する。腕部131a、131bと連結部138a、138bとは、それぞれ、頂部142a、142bで連結されている。
円弧部139a、139bは、円弧状であり、連結部138a、138bの腕部131a、131bと反対側に設けられている。円弧部139a、139bの中心Oは、突出部137a、137bよりも板状部392側に位置する。したがって、円弧部139a、139bは、外側に凸となる。したがって、カセットホルダ5Aを瓶本体71A(図23、27参照)の内部に挿入すると、まず、円弧部139a、139bが筒状部71c(図23、27参照)の内周面に当接する。
腕部131a、131bと連結部138a、138bとのなす角度θ8は45°である。角度θ8が大きいため、連結部138a、138bを弾性変形させることなく、腕部131a、131bの弾性変形のみで円弧部139a、139b、平面部140a、140b及び先端部141a、141bが幅方向に移動する。また、突出部137a、137bも弾性変形可能であるため、弱い力で突起396a-1、396b-1を変形させることができる。
先端部141a、141bは、突起396-1a、396-1bの板状部392Aに設けられていない側の端に配置されている。平面部140a、140bと先端部141a、141bとは曲面で連結されている。先端部141a、141bは、突起95a、95bに近づくにつれて板状部392Aに近づくように傾いている。したがって、突起396a、396bが変形しても先端部141a、141bが突起71f(図23、27参照)に引っかからず、カセットホルダ5Aを瓶本体71Aにスムーズに出し入れすることができる。
図29は、変形例に係るカセットホルダ5Bの概略を示す図であり、カセットホルダ5Bの要部のみを図示している。カセットホルダ5Bは、主として、カセット受け部91と、略板状の板状部392Bと、凸部93(図示省略)とを有する。略板状の板状部392Aは、辺92a、92bにそれぞれ設けられた突起396a-2、396b-2を有する。
突起396a-2、396b-2は、平面視において外向きに突出する一対の突起である。突起396a-2、396b-2の高さは、突起95a、95bの高さより低い。突起396a-2、396b-2は、カセット受け部91と突起95a、95bとの間に設けられている。
突起396a-2、396b-2は、先が折れ曲がった鉤状である。突起396a-2、396b-2は、それぞれ、片持ち梁状の腕部131a、131bと、細長い板状の突出部143a、143bとを有する。突出部143a、143bは、腕部131a、131bの先端に設けられており、板状部392から遠ざかる方向に突出する。
突出部143a、143bは、それぞれ、一端が腕部131a、131bに設けられた連結部144a、144bと、連結部144a、144bの先端側に設けられた円弧部145a、145bと、円弧部145a、145bの先端側に設けられた平面部146a、146bと、平面部146a、146bの先端側に設けられた先端部147a、147bとを有する。平面部146a、146bは、辺92a、92bと略平行であり、板状部392Bを含む面と略直交する。腕部131a、131bと連結部144a、144bとは、それぞれ、頂部148a、148bで連結されている。
円弧部145a、145bは、円弧状であり、連結部144a、144bの腕部131a、131bと反対側に設けられている。円弧部145a、145bの中心Oは、突出部143a、143bよりも板状部392側に位置する。したがって、円弧部145a、145bは、外側に凸となる。したがって、カセットホルダ5Bを瓶本体71A(図23、27参照)の内部に挿入すると、まず、円弧部145a、145bが筒状部71cの内周面に当接する。
腕部131a、131bと連結部144a、144bとのなす角度θ9は65°である。角度θ9が大きいため、連結部144a、144bを弾性変形させることなく、腕部131a、131bの弾性変形のみで平面部140a、140bが幅方向に移動する。
先端部147a、147bは、突起396a-2、396b-2の板状部392Bに設けられていない側の端に配置されている。平面部146a、146bと先端部147a、147bとは曲面で連結されている。先端部147a、147bは、突起95a、95bに近づくにつれて板状部392Bに近づくように傾いている。したがって、突起396a-2、396b-2が変形しても先端部147a、147bが突起71f(図23、27参照)に引っかからず、カセットホルダ5Bを瓶本体71Aにスムーズに出し入れすることができる。
<第5の実施の形態>
図30は、本発明の第5の実施の形態にかかるカセットホルダ6の概略を示す図であり、(A)は平面図であり、(B)は側面図である。なお、第1~4の実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
カセットホルダ6は、主として、カセット受け部91と、略板状の板状部492と、凸部93とを有する。板状部492は、辺91cに設けられている。板状部492は、突起496a、496bを有する。板状部492は、板状部92に対して突起496a、496bのみ異なり、その他は同一である。
突起496a、496bは、それぞれ辺92a、92bに設けられている。突起496a、496bは、平面視において外向きに突出する一対の突起である。突起496a、496bの高さは、突起95a、95bの高さより低い。突起496a、496bは、カセット受け部91と突起95a、95bとの間に設けられている。
突起496a、496bは、先が折れ曲がった鉤状である。突起496a、496bは、それぞれ、片持ち梁状の腕部131a、131bと、細長い板状の突出部149a、149bとを有する。突出部149a、149bは、腕部131a、131bの先端に設けられており、板状部492から遠ざかる方向に突出する。
突出部149a、149bは、それぞれ、一端が腕部131a、131bに設けられた連結部150a、150bと、連結部150a、150bの先端側に設けられた円弧部151a、151bと、円弧部151a、151bの先端側に設けられた平面部152a、152bと、平面部152a、152bの先端側に設けられた先端部153a、153bとを有する。
腕部131a、131bと連結部150a、150bとは、それぞれ、頂部154a、154bで連結されている。連結部150a、150bは頂部154a、154bが固定された片持ち梁状である。
突出部149a、149bは弾性変形が可能であり、腕部131a、131b及び突出部149a、149bが弾性変形することにより、円弧部151a、151b、平面部152a、152b及び先端部153a、153bが幅方向に移動する。
腕部131a、131bと連結部150a、150bとのなす角度θ10は25°~65°であり、本実施の形態では45°である。ただし、角度θ10は25°~65°に限られない。
円弧部151a、151bは、円弧状であり、連結部150a、150bの腕部131a、131bと反対側に設けられている。円弧部151a、151bの中心Oは、突出部149a、149bよりも板状部492側に位置する。したがって、円弧部151a、151bは、外側に凸となる。
平面部152a、152bは、それぞれ、辺92a、92bに対して傾いており、かつ、板状部92を含む面と略直交する。平面部152aは、辺92aに対して、突起95aに近づくにつれて辺92aから遠ざかるように傾いており、平面部152bは、辺92bに対して、突起95bに近づくにつれて辺92bから遠ざかるように傾いている。その角度θ11は3.5°~5°であり、本実施の形態では3.5°である。ただし、θ11は3.5°~5°に限られない。
カセットホルダ6が瓶本体71A(図23、27参照)の内部に挿入されると、平面部152a、152bが筒状部71cの内周面に当接し、かつ、平面部152a、152bが筒状部71cの内周面を押圧する。したがって、瓶本体71Aに挿入されたカセットホルダ6が回転しないように、カセットホルダ6が瓶本体71に固定される。
本実施の形態によれば、平面部152a、152bが辺92a、92bに対して突起95a、95bに近づくにつれて辺92a、92bから遠ざかるように傾いているため、平面部152a、152bが筒状部71cの内周面をより強く押圧することができる。
<第6の実施の形態>
図31は、本発明の第6の実施の形態にかかるカセットホルダ7の概略を示す図であり、(A)は平面図であり、(B)は側面図である。なお、第1~5の実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
カセットホルダ7は、主として、カセット受け部91と、略板状の板状部592と、凸部93とを有する。板状部592は、辺91cに設けられている。板状部592は、突起596a、596bを有する。板状部592は、板状部92に対して突起596a、596bのみ異なり、その他は同一である。
突起596a、596bは、それぞれ辺92a、92bに設けられている。突起596a、596bは、平面視において外向きに突出する一対の突起である。突起596a、596bの高さは、突起95a、95bの高さより低い。突起596a、596bは、カセット受け部91と突起95a、95bとの間に設けられている。
突起596a、596bは、先が折れ曲がった鉤状である。突起596a、596bは、それぞれ、片持ち梁状の腕部131a、131bと、細長い板状の突出部155a、155bとを有する。突出部155a、155bは、腕部131a、131bの先端に設けられており、板状部592から遠ざかる方向に突出する。
突出部155a、155bは、それぞれ、一端が腕部131a、131bに設けられた連結部156a、156bと、連結部156a、156bの先端側に設けられた円弧部157a、157bと、円弧部157a、157bの先端側に設けられた平面部158a、158bと、平面部158a、158bの先端側に設けられた先端部159a、159bとを有する。
腕部131a、131bと連結部156a、156bとは、それぞれ、頂部160a、160bで連結されている。連結部156a、156bは頂部160a、160bが固定された片持ち梁状である。
腕部131a、131bと連結部156a、156bとのなす角度θ12は25°~65°であり、本実施の形態では65°である。したがって、連結部156a、156bはほぼ弾性変形せず、主に腕部131a、131bが弾性変形することにより、円弧部157a、157b、平面部158a、158b及び先端部159a、159bが幅方向に移動する。ただし、θ12は25°~65°に限られない。
円弧部157a、157bは、連結部156a、156bの腕部131a、131bと反対側に設けられている。円弧部157a、157bは、点Oを中心とする円弧状(例えば、半径5mm~8mmの円弧)である。円弧部157a、157bの中心Oは、突出部155a、155bよりも板状部592側に位置する。したがって、円弧部157a、157bは、外側に凸となる。
平面部158a、158bは、それぞれ、辺92a、92bに対して傾いており、かつ、板状部92を含む面と略直交する。平面部158aは、辺92aに対して、突起95aに近づくにつれて辺92aに近づくように傾いており、平面部158bは、辺92bに対して、突起95bに近づくにつれて辺92bに近づくように傾いている。その角度θ13は3.5°~5°であり、本実施の形態では5°である。ただし、θ13は3.5°~5°に限られない。
先端部159a、159bは、突起596a、596bの板状部592に設けられていない側の端に配置されている。先端部159a、159bは、突起95a、95bに近づくにつれて板状部592に近づくように傾いている。
図32は、瓶本体71Aの内部にカセットホルダ7を設ける様子を模式的に示す図であり、(A)は突起596aが変形する前の様子を示し、(B)は突起596aが変形する過程を示し、(C)は突起596aが変形し終わった様子を示す。図32(A)に示すように、平面部158a、158bが突起95a、95bに近づくにつれて辺92a、92bに近づくように傾いており、円弧部157a、157bが外側に凸となっているため、円弧部157a、157bが突出部155a、155bの最も外側に位置する。したがって、カセットホルダ7が瓶本体71Aの内部に挿入されると、まず円弧部157a、157bが筒状部71cの内周面に当接する。
図32(A)に示す状態からカセットホルダ7が押し込まれると、図32(B)に示すように、円弧部157a、157bが筒状部71cの内周面に沿って移動しながら腕部131a、131bが弾性変形する。図32(B)に示す状態からさらにカセットホルダ7が押し込まれると、図32(C)に示すように、腕部131a、131b(場合によってはさらに突出部155a、155b)が弾性変形し、平面部158a、158bが辺92a、92bと略平行になる(図31の二点鎖線も同様の状態を示す)。したがって、カセットホルダ7が瓶本体71Aに完全に挿入された状態では、平面部158a、158b全体が筒状部71cの内周面に当接し、かつ、平面部158a、158b全体で筒状部71cの内周面を押圧する。したがって、瓶本体71Aに挿入されたカセットホルダ7が回転しないように、カセットホルダ7が瓶本体71Aに固定される。
また、先端部159a、159bは、突起95a、95bに近づくにつれて板状部592に近づくように傾いているため、突起596a、596bが突起71f(図32では図示省略)に引っかからず、カセットホルダ7を瓶本体71Aにスムーズに出し入れすることができる。
本実施の形態によれば、平面部158a、158bが辺92a、92bに対して突起95a、95bに近づくにつれて辺92a、92bに近づくように傾いているため、平面部158a、158b全体で筒状部71cの内周面を押圧することができる。したがって、変形しやすい柔らかい突起596a、596bでありながら、カセットホルダ7を瓶本体71Aによりしっかりと固定することができる。
また、本実施の形態によれば、円弧部157a、157bで瓶本体71Aの内周面を押しながら突起596a、596bが変形するため、カセットホルダ7を瓶本体71Aに出し入れするときに突起596a、596bに無理な力がかからず、カセットホルダ7の出し入れがスムーズになるとともに、突起596a、596bの破損を防止することができる。
なお、突起596a、596bの形状はこれに限られない。図33は、変形例に係るカセットホルダ7Aの概略を示す図であり、カセットホルダ7Aの要部のみを図示している。カセットホルダ7Aは、主として、カセット受け部91と、略板状の板状部592Aと、凸部93(図示省略)とを有する。略板状の板状部592Aは、辺92a、92bにそれぞれ設けられた突起596a-1、596b-1を有する。
突起596a-1、596b-1は、平面視において外向きに突出する一対の突起である。突起596a-1、596b-1の高さは、突起95a、95bの高さより低い。突起596a-1、596b-1は、カセット受け部91と突起95a、95bとの間に設けられている。
突起596a-1、596b-1は、先が折れ曲がった鉤状である。突起596a-1、596b-1は、それぞれ、片持ち梁状の腕部131a、131bと、細長い板状の突出部161a、161bとを有する。突出部161a、161bは、腕部131a、131bの先端に設けられており、板状部592Aから遠ざかる方向に突出する。
突出部161a、161bは、それぞれ、一端が腕部131a、131bに設けられた連結部162a、162bと、連結部162a、162bの先端側に設けられた円弧部163a、163bと、円弧部163a、163bの先端側に設けられた平面部164a、164bと、平面部164a、164bの先端側に設けられた先端部165a、165bとを有する。腕部131a、131bと連結部162a、162bとは、それぞれ、頂部166a、166bで連結されている。
腕部131a、131bと連結部162a、162bとのなす角度θ14は60°である。したがって、連結部162a、162bはほぼ弾性変形せず、主に腕部131a、131bが弾性変形することにより、円弧部163a、163b、平面部164a、164b及び先端部165a、165bが幅方向に移動する。
円弧部163a、163bは、連結部162a、162bの腕部131a、131bと反対側に設けられている。円弧部163a、163bは、点Oを中心とする円弧状である。円弧部163a、163bの中心O、突出部161a、161bよりも板状部592A側に位置し、円弧部163a、163bは外側に凸となる。
平面部164a、164bは、それぞれ、辺92a、92bに対して傾いており、かつ、板状部592Aを含む面と略直交する。平面部164aは、辺92aに対して、突起95aに近づくにつれて辺92aに近づくように傾いており、平面部164bは、辺92bに対して、突起95bに近づくにつれて辺92bに近づくように傾いている。その角度θ15は5°である。
したがって、カセットホルダ7Aが瓶本体71Aの内部に挿入されると、まず円弧部163a、163bが筒状部71cの内周面に当接する。そして、円弧部163a、163bが筒状部71cの内周面に沿って移動しながら、平面部164a、164bが辺92a、92bと略平行になるまで腕部131a、131b及び突出部161a、161bが弾性変形する。
また、先端部165a、165bは、突起95a、95bに近づくにつれて板状部592Aに近づくように傾いているため、突起596a-1、596b-1が突起71f(図23、27参照)に引っかからず、カセットホルダ7を瓶本体71Aにスムーズに出し入れすることができる。
図34は、変形例に係るカセットホルダ7Bの概略を示す図であり、カセットホルダ7Bの要部のみを図示している。カセットホルダ7Bは、主として、カセット受け部91と、略板状の板状部592Bと、凸部93(図示省略)とを有する。略板状の板状部592Bは、辺92a、92bにそれぞれ設けられた突起596a-2、596b-2を有する。
突起596a-2、596b-2は、平面視において外向きに突出する一対の突起である。突起596a-2、596b-2の高さは、突起95a、95bの高さより低い。突起596a-2、596b-2は、カセット受け部91と突起95a、95bとの間に設けられている。
突起596a-2、596b-2は、先が折れ曲がった鉤状である。突起596a-2、596b-2は、それぞれ、片持ち梁状の腕部131a、131bと、細長い板状の突出部167a、167bとを有する。突出部167a、167bは、腕部131a、131bの先端に設けられており、板状部592Bから遠ざかる方向に突出する。
突出部167a、167bは、それぞれ、一端が腕部131a、131bに設けられた連結部168a、168と、連結部168a、168bの先端側に設けられた円弧部169a、169bと、円弧部169a、169bの先端側に設けられた平面部170a、170bと、平面部170a、170bの先端側に設けられた先端部171a、171bとを有する。腕部131a、131bと連結部168a、168bとは、それぞれ、頂部172a、172bで連結されている。
腕部131a、131bと連結部168a、168bとのなす角度θ16は60°である。平面部170a、170bは、それぞれ、辺92a、92bに対して傾いており、かつ、板状部92を含む面と略直交する。平面部170a、170bは、辺92a、92bに対して、突起95a、95bに近づくにつれて辺92a、92bに近づくように傾いている。その角度θ17は5°である。
したがって、カセットホルダ7Bが瓶本体71A(図23、27参照)の内部に挿入されると、まず円弧部169a、169bが筒状部71cの内周面に当接する。そして、円弧部169a、169bが筒状部71cの内周面に沿って移動しながら、平面部170a、170bが辺92a、92bと略平行になるまで腕部131a、131b及び突出部167a、167bが弾性変形する。
また、先端部171a、171bは、突起95a、95bに近づくにつれて板状部592Aに近づくように傾いているため、突起596a-2、596b-2が突起71f(図23、27参照)に引っかからず、カセットホルダ7Bを瓶本体71Aにスムーズに出し入れすることができる。
<第7の実施の形態>
図35は、本発明の第7の実施の形態にかかるカセットホルダ8の概略構成の一例を示す図であり、(A)は平面図であり、(B)は側面図である。なお、第1~6の実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
カセットホルダ8は、主として、カセット受け部91と、略板状の板状部692と、凸部93とを有する。板状部692は、辺91cに設けられており、底面91aと略平行に延設されている。板状部692は、突起696a、696bと、凹部692e、692fを有する。板状部692は、板状部392に対して突起696a、696b及び凹部692e、692fの形状が異なり、その他は同一である。
辺92a、92bには、それぞれ突起696a、696bが設けられている。突起696a、696bは、平面視において外向きに突出する一対の突起である。突起696a、696bは、先端がそれぞれ辺91cと略平行な方向に移動可能に構成されている。突起696a、696bは、カセット受け部91と突起95a、95bとの間に設けられている。
突起696aは、突起95aの高さよりも高い(図35の点線参照)。ただし、突起696a、696bの高さは図示した形態に限られず、突起696bが突起95bの高さよりも高くてもよい。
突起696a、696bは、細長い板状であり、弾性変形が可能である。突起696a、696bは、それぞれ、円弧部173a、173bと、円弧部173a、173bと辺92a、92bとを連結する腕部174a、174bと、円弧部173a、173bの先端側に設けられた先端部175a、175bとを有する。突起696a、696bは、円弧部173a、173b及び先端部175a、175bがそれぞれ幅方向に移動可能に構成されている。
腕部174a、174bは、細長い板状であり、根元側がカセット受け部91近傍に設けられた片持ち梁状であり、弾性変形が可能である。円弧部173a、173bの先端側に先端部175a、175bが設けられており、腕部174a、174bが弾性変形することにより円弧部173a、173b及び先端部175a、175bが幅方向に移動する。
円弧部173a、173bは、円弧状であり、腕部174a、174bの先端側に設けられている。円弧部173a、173bの中心Oは、突起696a、696bよりも板状部692側に位置する。したがって、円弧部173a、173bは、外側に凸となる。
腕部174a、174bと辺92a、92bとのなす角度θ17は25°~45°であり、本実施の形態では45°である。したがって、腕部174a、174bが長くなり、弱い力で円弧部173a、173bが移動可能である。また、腕部123a、123bが長いため、円弧部173a、173bの移動量が大きくなる。ただし、角度θ17は25°~45°に限られない。
先端部175a、175bは、突起696a、696bの板状部692に設けられていない側の端に配置されている。先端部175a、175bは、突起95a、95bに近づくにつれて板状部692に近づくように傾いている。
辺92a、92bには、それぞれ凹部692e、692fが設けられている。突起696a、696bが弾性変形すると、先端部175a、175bが凹部692e、692fの内部に挿入される。
カセットホルダ8を瓶本体71A(図23、27参照)の内部に挿入しようとすると、まず突起696a、696bが板状部692に近づくように弾性変形する。カセットホルダ8が瓶本体71Aの内部に挿入された状態では、図35の二点鎖線に示すように、突起696a、696bが大きく弾性変形する。本実施の形態では、突起696a、696bが突起95a、95bの高さよりも高く、突起696a、696bが長くなっているが、凹部692e、692fが深いため、突起696a、696bが突起95a、95bの高さよりも低くなるように突起696a、696bが弾性変形可能であり、カセットホルダ8を瓶本体71Aに固定することができる。
先端部175a、175bが突起95a、95bに近づくにつれて板状部292に近づくように傾いているため、突起696a、696bが突起71f(図23、27参照)に引っかからず、カセットホルダ8を瓶本体71Aにスムーズに出し入れすることができる。
本実施の形態によれば、突起696a、696bが突起95aの高さよりも高く形成されていたとしても、カセットホルダ8を瓶本体71Aの内部に挿入することができる。また、突起696a、696bが長くなるため、弱い力で突起696a、696bを弾性変形させることができる。
<第8の実施の形態>
図36は、本発明の第8の実施の形態にかかるカセットホルダ9の概略を示す図であり、(A)は平面図であり、(B)は側面図である。なお、第1~7の実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
カセットホルダ9は、主として、カセット受け部91と、略板状の板状部792と、凸部93とを有する。板状部792は、辺91cに設けられている。板状部792は、突起796a、796bと、凹部792e、792fを有する。板状部792は、板状部592に対して突起796a、796b及び凹部792e、792fの形状が異なり、その他は同一である。
突起796a、796bは、それぞれ辺92a、92bに設けられている。突起796a、796bは、平面視において外向きに突出する一対の突起である。突起796a、796bの高さは、突起95a、95bの高さより低い。突起796a、796bは、カセット受け部91と突起95a、95bとの間に設けられている。
突起796aは、突起95aの高さよりも高い(図36の点線参照)。なお、突起796a、796bの高さは図示した形態に限られず、突起796bが突起95bより高くてもよい。
突起796a、796bは、先が折れ曲がった鉤状である。突起796a、796bは、それぞれ、片持ち梁状の腕部131a、131bと、細長い板状の突出部176a、176bとを有する。突出部176a、176bは、腕部131a、131bの先端に設けられており、板状部792から遠ざかる方向に突出する。
突出部176a、176bは、それぞれ、一端が腕部131a、131bに設けられた連結部177a、177bと、連結部177a、177bの先端側に設けられた円弧部178a、178bと、円弧部178a、178bの先端側に設けられた平面部179a、179bと、平面部179a、179bの先端側に設けられた先端部180a、180bとを有する。
腕部131a、131bと連結部177a、177bとは、それぞれ、頂部181a、181bで連結されている。連結部177a、177bは頂部181a、181bが固定された片持ち梁状である。
腕部131a、131bと連結部177a、177bとのなす角度θ18は25°~65°であり、本実施の形態では65°である。したがって、連結部177a、177bはほぼ弾性変形せず、主に腕部131a、131bが弾性変形することにより、円弧部178a、178b、平面部179a、179b及び先端部180a、180bbが幅方向に移動する。
円弧部178a、178bは、連結部177a、177bの腕部131a、131bと反対側に設けられている。円弧部178a、178bは、点Oを中心とする円弧状である。円弧部178a、178bの中心Oは、連結部177a、177bよりも板状部592側に位置する。したがって、円弧部178a、178bは、外側に凸となる。
平面部179a、179bは、それぞれ、辺92a、92bに対して傾いており、かつ、板状部92を含む面と略直交する。平面部179a、179bは、辺92a、92bに対して、突起95a、95bに近づくにつれて辺92a、92bに近づくように傾いている。その角度θ19は3.5°~5°であり、本実施の形態では5°である。
先端部180a、180bは、突起796a、796bの板状部792に設けられていない側の端に配置されている。先端部180a、180bは、突起95a、95bに近づくにつれて板状部792に近づくように傾いている。
辺92a、92bには、それぞれ凹部792e、792fが設けられている。突起796a、796bが弾性変形すると、頂部181a、181bが凹部792e、792fの内部に挿入される。
カセットホルダ9を瓶本体71A(図23、27参照)の内部に挿入しようとすると、まず突起796a、796bが板状部692に近づくように弾性変形する。
カセットホルダ8が瓶本体71Aの内部に挿入された状態では、図36の二点鎖線に示すように、突起796a、796bが大きく弾性変形する。本実施の形態では、突起796a、796bが突起95a、95bの高さよりも高くなっているが、凹部792e、792fが深いため、突起796a、796bが突起95a、95bの高さよりも低くなるように突起796a、796bが弾性変形可能であり、カセットホルダ9を瓶本体71Aに固定することができる。
先端部180a、180bが突起95a、95bに近づくにつれて板状部792に近づくように傾いているため、突起796a、796bが突起71f(図23、27参照)に引っかからず、カセットホルダ9を瓶本体71Aにスムーズに出し入れすることができる。
本実施の形態によれば、突起796a、796bが突起95a、95bの高さよりも高く形成されていたとしても、カセットホルダ9を瓶本体71Aの内部に挿入することができる。
<第9の実施の形態>
図37は、本発明の第7の実施の形態にかかるカセットホルダ3Bの概略構成の一例を示す図であり、(A)は上面図であり、(B)は平面図である。なお、第1、2の実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
カセットホルダ3Bは、主として、カセット受け部191と、略板状の板状部892と、凸部193とを有する。板状部892は、辺91cに設けられており、底面91aと略平行に延設されている。板状部892は、突起896a、896bを有する。板状部892は、板状部392に対して突起896a、896bのみ異なり、その他は同一である。
辺92a、92bには、それぞれ突起896a、896bが設けられている。突起896a、896bは、平面視において外向きに突出する一対の突起である。突起896a、896bは、先端がそれぞれ辺91cと略平行な方向に移動可能に構成されている。
突起896a、896bは、それぞれ、腕部182a、182bと、腕部182a、182bの先端に設けられた板状部186a、186bとを有する。腕部182a、182bは、細長い板状であり、根元側がカセット受け部91の近傍に設けられた片持ち梁状の部材である。腕部182a、182bは、弾性変形が可能である。
腕部182a、182bは、それぞれ、根元部183a、183bと、中央部184a、184bと、先端部185a、185bとを有する。根元部183a、183b、中央部184a、184b、先端部185a、185bは、それぞれ、細長い板状であり、辺92a、92bに対する傾斜角度が異なる。根元部183a、183bの辺92a、92bに対する傾斜角度は最も大きく、先端部185a、185bの辺92a、92bに対する傾斜角度は最も小さい。このように腕部182a、182bを構成することで、根元部183a、183bと辺92a、92bとのなす角度を大きくすることができる。
根元部183a、183bと辺92a、92bとのなす角度θ20は25°~45°である。そのため、板状部186a、186bがカセットホルダ8の幅方向に移動しやすい。ただし、角度θ20は25°~45°に限られない。
板状部186a、186bは、板状であり、板状部892と略平行に設けられている。板状部186aと板状部186bとは大きさが異なる。本実施の形態では、板状部186bが板状部186aより大きく、特に幅方向の長さが長い。
カセットホルダ3Bが瓶本体71(図7参照)、71A(図23、27参照)の内部に挿入されると、腕部182a、182bが弾性変形し、先端部185a、185bが筒状部71c(図7、23、27参照)の内周面に当接し、かつ、先端部185a、185bが筒状部71cの内周面を押圧する。また、板状部186a、186bが開口部71e(図7、23、27参照)の上に引っ掛かり、カセットホルダ3Bが瓶本体71、71Aに落下しないように高さ方向に位置決めされる。したがって、瓶本体71、71Aに挿入されたカセットホルダ8が回転しないように、カセットホルダ3Bが瓶本体71、71Aに固定される。
本実施の形態によれば、単純な形状の突起896a、896bとすることができる。また、板状部186aと板状部186bとの大きさが異なるため、様々な大きさの筒状部71cや開口部71eに対応することができる。
以上、この発明の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
また、本発明において、「略」とは、厳密に同一である場合のみでなく、同一性を失わない程度の誤差や変形を含む概念である。例えば、略平行、略直交とは、厳密に平行、直交の場合には限られない。また、例えば、単に平行、直交等と表現する場合においても、厳密に平行、直交等の場合のみでなく、略平行、略直交等の場合を含むものとする。