JP2016191647A - 検査装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】受光部で受光される光の光量の変動を小さくさせることができる検査装置を提供すること。【解決手段】検査装置は、光源部71、主軸モータ、ステッピングモータ、ホルダ61、測定用光センサ72を備えている。光源部71は、発光ダイオード73、アパーチャ715が形成されたアパーチャ板714と、レンズ716を備え、ホルダ61は、ホルダ側アパーチャ694が形成されたアパーチャ板69を備える。測定用光センサ72の受光光量は、制御用光センサ721の受光光量よりも大きい。従って、制御用受光回路の増幅回路の増幅率が測定用受光回路の増幅回路の増幅率よりも大きくなる。その結果、制御用受光回路の受光光量の変動に対する感度は、測定用受光回路の受光光量の変動に対する感度よりも高くなる。従って、発光部から発光される光の光量の変動を低下させることができる。【選択図】図7
Description
本発明は、検査対象物の検査を行うための検査チップを支持するホルダが回転され、遠心力によって液体が送液される検査装置に関する。
従来、マイクロチップ又は検査チップと呼ばれる検査対象受体を遠心処理して、生体物質および化学物質等を検査する検査装置が知られている。例えば、特許文献1に開示の検査装置においては、検査対象受体を保持した受体ホルダが公転されることで、検査対象受体に遠心力が付与される。検査対象受体に注入された検体及び試薬は、遠心力により検査対象受体上の流路を経由して貯留部に流入して攪拌される。その後、発光部から発光され検査対象受体上の流路の延設方向と直交する方向に延びる光が検査対象受体の貯留部を透過する。この貯留部を透過した光が受光部で受光されることで、検査結果が得られる。
特許文献2に開示の分析装置は、試料である血漿あるいは血清中の総コレステロール成分の濃度を測定する場合に、酵素法にて反応し呈色した測定対象物における光源から測定対象物への入射光量に対する出射光量の割合の対数、いわゆる吸光度から総コレステロール成分の濃度を換算する。入射光は、光源と分析用媒体の間に配置されたハーフミラーで分割され、一方は参照用検出器にて受光される。この参照用検出器にて受光された光は、I−V増幅器、A/Dコンバータなどで構成された信号処理手段により処理され、入射光量に相当する電圧値が求められる。もう一方の光は、分析媒体中の測定対象物を照射し、測定対象物を通過した光は検出器にて受光される。検出器にて受光された光は、信号処理手段により処理されて出射光量に相当する電圧値として求められる。この入射光量の電圧値と出射光量の電圧値により吸光度が求められる。
特許文献1に開示の検査装置では、測定精度を上げるため、発光部から発光される光の光量の変動を小さくして、受光部で受光される光量の変動を小さくするのが望ましい。
また、特許文献2に記載された参照用検出器にて受光された光に基づき、発光部から発光される光の光量が調節されるのが望ましい。特許文献1に開示の検査装置に特許文献2に開示のハーフミラー及び参照用検出器を適用した場合には、ハーフミラーの反射率が透過率よりも大きい、またはハーフミラーと受光部との間にアパーチャが設けられると、受光部に入射する光量より、参照用検出器に入射する光量が大きくなる。このため、受光部が受光した光から得られる検出値と、参照用検出器が受光した光から得られる検出値を同じ程度にして測定精度を上げる為に、参照用検出器側の増幅回路の増幅度を、受光部側の増幅回路の増幅度よりも小さくすることが考えられる。その結果、参照用検出器側の信号処理手段の光量の変動に対する感度は、受光部側の信号処理手段の光量の変動に対する感度よりも鈍くなる。これにより、参照用検出器側の信号処理手段の光量が変動していないにもかかわらず、受光部側の信号処理手段の光量が大きく変動する可能性がある。従って、受光部で受光される光の光量の変動を小さくさせることができないという問題点があった。
また、特許文献2に記載された参照用検出器にて受光された光に基づき、発光部から発光される光の光量が調節されるのが望ましい。特許文献1に開示の検査装置に特許文献2に開示のハーフミラー及び参照用検出器を適用した場合には、ハーフミラーの反射率が透過率よりも大きい、またはハーフミラーと受光部との間にアパーチャが設けられると、受光部に入射する光量より、参照用検出器に入射する光量が大きくなる。このため、受光部が受光した光から得られる検出値と、参照用検出器が受光した光から得られる検出値を同じ程度にして測定精度を上げる為に、参照用検出器側の増幅回路の増幅度を、受光部側の増幅回路の増幅度よりも小さくすることが考えられる。その結果、参照用検出器側の信号処理手段の光量の変動に対する感度は、受光部側の信号処理手段の光量の変動に対する感度よりも鈍くなる。これにより、参照用検出器側の信号処理手段の光量が変動していないにもかかわらず、受光部側の信号処理手段の光量が大きく変動する可能性がある。従って、受光部で受光される光の光量の変動を小さくさせることができないという問題点があった。
本発明の目的は、受光部で受光される光の光量の変動を小さくさせることができる検査装置を提供することである。
本発明に係る検査装置は、試料液が注入された検査チップを支持可能なホルダが第一軸線を中心に公転されることで前記試料液に遠心力が付与される検査装置であって、公転される前記ホルダの公転軌道外に配置され、光を発光する発光部と、前記ホルダに設けられ、前記発光部から発光された光の内の一部の光を通過させるホルダ側アパーチャを有するホルダ側アパーチャ板と、前記ホルダ側アパーチャを通過した光を受光する測定用受光部と、前記第一軸線を中心に前記ホルダを公転させ、前記発光部と前記測定用受光部との間であって、前記光の光軸が前記ホルダ側アパーチャを通過する位置に前記ホルダを停止する公転機構と、前記発光部と、前記ホルダ側アパーチャ板が前記光軸と直交する位置に前記公転機構により配置される前記ホルダとの間、かつ前記公転軌道外に設けられ、前記発光部からの光の一部を反射し、一部を透過するスプリッタと、前記スプリッタからの光を受光する制御用受光部と、前記制御用受光部の出力を増幅する制御用増幅回路と、前記測定用受光部の出力を増幅する測定用増幅回路と、前記制御用増幅回路の出力に基づいて前記発光部の発光光量を制御する発光制御部とを備え、前記スプリッタ、前記制御用受光部、前記測定用受光部、前記ホルダ側アパーチャは、前記測定用受光部の受光光量が前記制御用受光部の受光光量よりも大きくなるように構成され、前記制御用増幅回路の増幅率が前記測定用増幅回路の増幅率以上であることを特徴とする。
制御用増幅回路の増幅率が測定用増幅回路の増幅率以上であるので、制御用増幅回路からの出力値が一定であれば、測定用増幅回路からの出力値も一定になるので、出力値の変動幅が小さくなり、測定結果が安定する。さらに、前記測定用受光部の受光光量が前記制御用受光部の受光光量よりも大きいので、測定用受光部の受光光量が小さくなることによる測定精度の低下を低減できる。
前記検査装置において、前記スプリッタの透過率Tが、前記スプリッタの反射率Rよりも大きいものが用いられてもよい。この場合には、透過率Tが反射率Rよりも大きいスプリッタが使用されることにより、測定用受光部の受光光量が制御用受光部の受光光量よりも大きくなる。簡単な構成で測定用受光部の受光光量が制御用受光部の受光光量よりも大きくできる。
前記検査装置において、前記測定用受光部の受光光量から電流への変換効率bが、前記制御用受光部の受光光量から電流への変換効率aよりも大きくてもよい。測定用受光部の変換効率bが制御用受光部の変換効率aよりも高いものが採用されることにより、制御用増幅回路の増幅率を測定用増幅回路の増幅率以上に設定できる。
前記検査装置において、前記制御用受光部の受光面積AFPDが、前記ホルダ側アパーチャの開口面積AAPより小さくてもよい。この場合には、制御用受光部の受光面積AFPDがホルダ側アパーチャの開口面積AAPより小さくなることで、測定用受光部の受光光量PPDを制御用受光部の受光光量PFPDよりも大きくできる。
前記検査装置において、前記制御用受光部と前記スプリッタとの間に、開口面積が前記ホルダ側アパーチャの開口面積よりも小さい制御部側アパーチャを有する制御部側アパーチャ板を備えてもよい。この場合には、制御用受光部の受光面積がホルダ側アパーチャの開口面積より大きい受光素子しかない場合に有効である。
前記検査装置において、前記測定用増幅回路から出力される電圧値の変動量に基づいて、前記制御用増幅回路の増幅率を変更する増幅率制御部を備え、前記増幅率制御部は、記憶部に予め記憶された前記測定用受光部で検出される電圧値の変動量の目標値を読み出し、前記変動量と比較する比較手段と、前記比較手段により、前記変動量が前記目標値の範囲内から外れる場合には、前記制御用増幅回路の増幅率を変更するようにしてもよい。この場合には、測定用受光部で検出される電圧値の変動量に基づいて、制御用増幅回路の増幅率を変更することができるので、制御用増幅回路の増幅率が自動調整される。従って、発光部から発光される光の光量の変動を自動で低下できる。
前記検査装置において、前記制御用増幅回路は、オペアンプの非反転増幅回路から構成され、前記非反転増幅回路の反転入力端子(−)に接続された接地抵抗(R1)と、
前記非反転増幅回路の非反転入力端子(+)と出力端子間に接続されるフィードバック抵抗(R2)とを備え、前記増幅率制御部は、前記フィードバック抵抗(R2)の抵抗値を増加させることにより、前記制御用増幅回路の増幅率を増加させるようにしてもよい。この場合には、増幅率制御部は、フィードバック抵抗(R2)の抵抗値を増加させることで、容易に制御用増幅回路の増幅率を増加させることができる。従って、簡単な回路で、制御用増幅回路の増幅率を増加させることがでる。従って、発光部から発光される光の光量の変動を自動で低下できる。
前記非反転増幅回路の非反転入力端子(+)と出力端子間に接続されるフィードバック抵抗(R2)とを備え、前記増幅率制御部は、前記フィードバック抵抗(R2)の抵抗値を増加させることにより、前記制御用増幅回路の増幅率を増加させるようにしてもよい。この場合には、増幅率制御部は、フィードバック抵抗(R2)の抵抗値を増加させることで、容易に制御用増幅回路の増幅率を増加させることができる。従って、簡単な回路で、制御用増幅回路の増幅率を増加させることがでる。従って、発光部から発光される光の光量の変動を自動で低下できる。
本発明を具体化した実施形態について、図面を参照して説明する。尚、図3は、検査システム3を構成する検査装置1の平面図及び制御装置90の内部の機能ブロックを示している。
<1.検査システム3の概略構造>
図1〜図3を参照して、検査システム3の概略構造について説明する。本実施形態の検査システム3は、液体である検体及び試薬を収容可能な検査チップ2と、検査チップ2を用いて検査を行う検査装置1とを含む。検査チップ2は、検査装置1のホルダ61に支持される。検査装置1がホルダ61と検査チップ2とから離間した垂直方向の第一軸線A1を中心としてホルダ61及び検査チップ2を回転させると、遠心力がホルダ61及び検査チップ2に作用する。検査装置1が第一軸線A1に直交する水平方向の第二軸線A2を中心にホルダ61及び検査チップ2を回転させると、ホルダ61及び検査チップ2に作用する遠心力の方向である遠心方向が検査チップ2に対して切り替えられる。
図1〜図3を参照して、検査システム3の概略構造について説明する。本実施形態の検査システム3は、液体である検体及び試薬を収容可能な検査チップ2と、検査チップ2を用いて検査を行う検査装置1とを含む。検査チップ2は、検査装置1のホルダ61に支持される。検査装置1がホルダ61と検査チップ2とから離間した垂直方向の第一軸線A1を中心としてホルダ61及び検査チップ2を回転させると、遠心力がホルダ61及び検査チップ2に作用する。検査装置1が第一軸線A1に直交する水平方向の第二軸線A2を中心にホルダ61及び検査チップ2を回転させると、ホルダ61及び検査チップ2に作用する遠心力の方向である遠心方向が検査チップ2に対して切り替えられる。
<2.検査装置1の構造>
図1〜図3を参照して、検査装置1の構造について説明する。以下の説明では、図1及び図2の上方、下方、右方、左方、紙面手前側、及び紙面奥側を、夫々、検査装置1の上方、下方、右方、左方、前方、及び後方とする。本実施形態では、第一軸線A1の方向は検査装置1の上下方向であり、第二軸線A2の方向は、ホルダ61及び検査チップ2が第一軸線A1を中心として回転される際の速度の方向である。なお、図3は検査装置1の上部筐体30の天板が取り除かれた状態を示す。
図1〜図3を参照して、検査装置1の構造について説明する。以下の説明では、図1及び図2の上方、下方、右方、左方、紙面手前側、及び紙面奥側を、夫々、検査装置1の上方、下方、右方、左方、前方、及び後方とする。本実施形態では、第一軸線A1の方向は検査装置1の上下方向であり、第二軸線A2の方向は、ホルダ61及び検査チップ2が第一軸線A1を中心として回転される際の速度の方向である。なお、図3は検査装置1の上部筐体30の天板が取り除かれた状態を示す。
図1及び図2に示すように、検査装置1は、上部筐体30、下部筐体31、上板32、ターンテーブル33、角度変更機構34、ホルダ61、及び制御装置90を備える。ターンテーブル33は、後述する上板32の上側に回転可能に設けられた円盤である。検査チップ2は、ターンテーブル33の上方に配置されたホルダ61に支持される。角度変更機構34は、ターンテーブル33に設けられた駆動機構である。この角度変更機構34は、第二軸線A2を中心にホルダ61を回転させることで検査チップ2を回転させる。上部筐体30は、後述する上板32に固定されており、検査チップ2に対して光学測定を行う図3に示す測定部7が内部に設けられている。制御装置90は、検査装置1の各種処理を制御するコントローラである。
下部筐体31の概略構造を説明する。図1及び図2に示すように、下部筐体31は、枠部材を組み合わせた箱状のフレーム構造を有する。下部筐体31の上面には、長方形の板材である上板32が設けられている。下部筐体31の内部には、第一軸線A1を中心にターンテーブル33を回転させる駆動機構が、次のように設けられている。
下部筐体31内の左方寄りに、ターンテーブル33を回転させるための駆動力を供給する主軸モータ35が設置されている。主軸モータ35の軸36は、上方に突出しており、プーリ37が固定されている。下部筐体31の中央部には、下部筐体31の内部から上方に延びる垂直な主軸57が設けられている。主軸57は、上板32を貫通して、下部筐体31の上側に突出している。主軸57の上端部は、ターンテーブル33の中央部に接続されている。
主軸57は、上板32の直下に設けられた支持部材53により、回転自在に保持されている。支持部材53の下側では、主軸57にプーリ38が固定されている。プーリ37とプーリ38とに亘って、ベルト39が掛け渡されている。主軸モータ35が軸36を回転させると、プーリ37、ベルト39、及びプーリ38を介して駆動力が主軸57に伝達される。このとき、主軸57の回転に連動して、ターンテーブル33が主軸57を中心に回転する。
下部筐体31内の右方寄りに、下部筐体31の内部において上下方向に延びるガイドレール56が設けられている。T型プレート48は、ガイドレール56に沿って下部筐体31内において上下方向に移動可能である。
先述の主軸57は、内部が中空の筒状体である。内軸40は、主軸57の内部において上下方向に移動可能な軸である。図3に示すように、内軸40は、上方から見て四角形である。図1及び図2に示すように、内軸40の上端部は、主軸57内を貫通してターンテーブル33の上方に延び、後述する一対のラックギア43に接続されている。T型プレート48の左端部には、軸受41が設けられている。軸受41の内部では、内軸40の下端部が回転自在に保持される。
T型プレート48の前方には、T型プレート48を上下動させるためのステッピングモータ51が固定されている。ステッピングモータ51の軸58は後方に向けて突出している。軸58の先端には、円盤状のカム板59が固定されている。カム板59の後側の面には、円柱状の突起70が設けられている。突起70の先端部は、溝部83に挿入されている。突起70は、溝部83内を摺動可能である。ステッピングモータ51が軸58を回転させると、カム板59の回転に連動して突起70が上下動する。このとき、溝部83に挿入されている突起70に連動して、T型プレート48がガイドレール56に沿って上下動する。
角度変更機構34の詳細構造を説明する。角度変更機構34は、一対のラックギア43を備えている。一対のラックギア43は、金属製の板状部材である。図3に示すように、一対のラックギア43は、夫々、内軸40における互いに対向する面の上端に固定される。一方のラックギア43は、上側から見て内軸40から一方向側に延び、他方のラックギア43は、一方向側とは反対側に延びる。図1に示すように、一対のラックギア43における内軸40側とは反対側の端部には、ギア431が上下方向に形成されている。ラックギア43は、内軸40の上下動に伴って上下動する。
図3に示すように、上側から見て各ラックギア43の時計回り方向側には、夫々、支持部47が設けられている。支持部47は、ホルダ61を回転可能に支持する。より詳細には、図1及び図2に示すように、支持部47は、2つの円柱部471、延伸部472、及び支軸473を備えている。2つの円柱部471は、ラックギア43に沿って並べて配置され、上下方向に延びる。延伸部472は、円柱部471の上端から、ラックギア43に沿って内軸40から離れる方向に延び、その先端が支軸473を固定する。支軸473は、上側から見て時計回り方向側に延び、その先端が、ホルダ61に形成された後述するギア部76の内側に配置されている。支軸473とギア部76との間には、図6に示す軸受479が配置されている。ギア部76は、ラックギア43のギア431と噛み合っている。ラックギア43の上下動に伴ってギア部76が支軸473を中心に回転することで、ホルダ61が回転する。故に、ホルダ61に保持された検査チップ2が支軸473を中心に回転する。
本実施形態では、主軸モータ35がターンテーブル33を回転駆動するのに伴って、ホルダ61及び検査チップ2が垂直軸である内軸40を中心に回転して、ホルダ61及び検査チップ2に遠心力が作用する。即ち、主軸モータ35は、第一軸線A1を中心にホルダ61及び検査チップ2を回転させ、遠心力を作用させる。ホルダ61及び検査チップ2の第一軸線A1を中心とした回転を、公転と呼ぶ。一方、ステッピングモータ51が内軸40を上下動させるのに伴って、ホルダ61及び検査チップ2が水平軸である支軸473を中心に回転して、ホルダ61及び検査チップ2に作用する遠心力の遠心方向が相対変化する。即ち、ステッピングモータ51は、第二軸線A2を中心にホルダ61及び検査チップ2を回転させる。ホルダ61及び検査チップ2の第二軸線A2を中心とした回転を、自転と呼ぶ。
図1に示すように、T型プレート48が可動範囲の最上端まで上昇した状態では、ラックギア43も可動範囲の最上端まで上昇する。このとき、ホルダ61及び検査チップ2は、自転角度が0度の定常状態になる。また、図2に示すように、T型プレート48が可動範囲の最下端まで下降した状態では、ラックギア43も可動範囲の最下端まで下降する。このとき、ホルダ61及び検査チップ2は、定常状態から第二軸線A2を中心に反時計回りに90度回転した状態になる。つまり、本実施形態ではホルダ61及び検査チップ2が自転可能な角度幅は、自転角度0度〜90度である。以下の説明では、自転角度0度を第一自転角度という場合があり、自転角度90度を第二自転角度という場合がある。
上部筐体30の詳細構造を説明する。図3に示すように、上部筐体30は、枠部材を組み合わせた箱状のフレーム構造を有し、上板32の左部上側に設置されている。より詳細には、上部筐体30は、ターンテーブル33の回転中心にある主軸57からみて、ホルダ61及び検査チップ2が回転される範囲の外側に設けられている。
上部筐体30の内部に設けられた測定部7は、測定光を発光する光源部71と、光源部71に対向し、光源部71から発せられた測定光を検出する測定用光センサ72とを有する。光源部71及び測定用光センサ72は、検査チップ2の回転軌道の外側において、ターンテーブル33の前後両側に配置されている。本実施形態では、検査チップ2の公転可能範囲のうちで主軸57の左側位置が、検査チップ2に測定光が照射される測定位置である。検査チップ2が測定位置にある場合、光源部71と測定用光センサ72とを結ぶ測定光が、検査チップ2の前面及び後面に対して略垂直に交差する。
<3.制御装置90の電気的構成>
図3を参照して、制御装置90の電気的構成について説明する。制御装置90は、検査装置1の主制御を司るCPU91と、各種データを一時的に記憶するRAM92と、制御プログラムを記憶したROM93とを有する。CPU91には、ユーザが制御装置90に対する指示を入力するための操作部94と、各種データ、及びプログラムを記憶するハードディスク装置95と、各種情報を表示するディスプレイ96とが接続されている。制御装置90としては、パーソナルコンピュータを用いてもよいし、専用の制御装置を用いてもよい。また、制御装置90が検査装置1の筐体内に内蔵されていてもよい。
図3を参照して、制御装置90の電気的構成について説明する。制御装置90は、検査装置1の主制御を司るCPU91と、各種データを一時的に記憶するRAM92と、制御プログラムを記憶したROM93とを有する。CPU91には、ユーザが制御装置90に対する指示を入力するための操作部94と、各種データ、及びプログラムを記憶するハードディスク装置95と、各種情報を表示するディスプレイ96とが接続されている。制御装置90としては、パーソナルコンピュータを用いてもよいし、専用の制御装置を用いてもよい。また、制御装置90が検査装置1の筐体内に内蔵されていてもよい。
さらに、CPU91には、公転コントローラ97、自転コントローラ98、及び測定コントローラ99が接続されている。公転コントローラ97は、主軸モータ35を回転駆動させる制御信号を主軸モータ35に送信することによって、ホルダ61及び検査チップ2の公転を制御する。自転コントローラ98は、ステッピングモータ51を回転駆動させる制御信号をステッピングモータ51に送信することによって、ホルダ61及び検査チップ2の自転を制御する。測定コントローラ99は、測定部7を駆動することによって、検査チップ2の光学測定を実行する。尚、CPU91が公転コントローラ97、自転コントローラ98及び測定コントローラ99を制御する。
測定コントローラ99には、A/D変換回路(Analog-to-digital converter)103及びA/D変換回路104が接続されている。A/D変換回路103には、測定用受光回路101が接続されている。また、A/D変換回路104には、制御用受光回路102が接続されている。また、測定コントローラ99には、LED制御回路105が接続されている。LED制御回路105は発光ダイオード73の発光量を制御する。測定用受光回路101は、後述する測定用光センサ72からの検出電流を処理する。制御用受光回路102は、後述する制御用光センサ721からの検出電流を処理する。測定用受光回路101及び制御用受光回路102には、図8に示す、I−V変換回路120及び増幅回路130が各々組み込まれている。I−V変換回路120及び増幅回路130の詳細は後述する。測定用受光回路101からの検出電圧値は、A/D変換回路103によりデジタル値に変換されて、測定コントローラ99を介して、CPU91に送られる。制御用受光回路102からの検出電圧値は、A/D変換回路104によりデジタル値に変換されて、測定コントローラ99を介して、CPU91に送られる。
<4.検査チップ2の構造>
図4を参照して、本実施形態に係る検査チップ2の詳細構造を説明する。以下の説明においては、図4の上方、下方、左方、右方、紙面手前側、及び紙面奥側を、それぞれ、検査チップ2の上方、下方、左方、右方、前方、及び後方とする。
図4を参照して、本実施形態に係る検査チップ2の詳細構造を説明する。以下の説明においては、図4の上方、下方、左方、右方、紙面手前側、及び紙面奥側を、それぞれ、検査チップ2の上方、下方、左方、右方、前方、及び後方とする。
図4に示すように、検査チップ2は一例として前方から見た場合に正方形状であり、所定の厚みを有する透明な合成樹脂の板材20を主体とする。板材20の前面は、透明の合成樹脂の薄板から構成されたシート291によって封止されている。板材20とシート291との間には、検査チップ2に封入された液体が流動可能な液体流路25が形成されている。液体流路25は、板材20の前面側に所定深さに形成された凹部であり、板材20の厚み方向である前後方向と直交する方向に延びる。シート291は、板材20の流路形成面を封止する。シート291は、図4以外の図においては図示を省略している。液体流路25は板材20の後面に形成されてもよいし、前面と後面の両方に形成されてもよい。
液体流路25は、検体定量流路11、試薬定量流路13,15、及び測定部80等を含む。検体定量流路11は、検査チップ2の左上部に設けられている。試薬定量流路13は、検体定量流路11の右側に設けられている。試薬定量流路15は、試薬定量流路13の右側、且つ検査チップ2の右上部に設けられている。測定部80は、検査チップ2の右下部に設けられている。
図4においては、検体定量流路11及び試薬定量流路13,15に共通する構成の符号は検体定量流路11のみに記載し、試薬定量流路13,15における符号は省略する。検体定量流路11及び試薬定量流路13,15は、それぞれ、保持部111、供給部112、定量部114、第一案内部115、第二案内部117、及び余剰部116を含む。保持部111は、上方に開口する凹部である。保持部111は、検体17、第一試薬18、又は第二試薬19が注入及び貯留される部位である。検体17は、例えば、血液、血漿、血球、骨髄、尿、膣組織、上皮組織、腫瘍、精液、唾液、又は食料品などの成分を含む液体である。以下の説明においては、検体17、第一試薬18、及び第二試薬19を総称する場合、又はいずれかを特定しない場合、液体16という。
供給部112は、保持部111の右上部分から下方向に延びる流路である。供給部112の下方には、定量部114が設けられている。定量部114は、液体16が定量される部位であり、左下方に凹む凹部である。以下の説明においては、検体定量流路11、試薬定量流路13、及び試薬定量流路15に設けられた定量部114を、夫々、定量部114A,114B,114Cという場合がある。
定量部114の上部から、第一案内部115が右方向に延び、第二案内部117が左方向に延びる。第一案内部115は、定量部114の左下方に設けられた余剰部116に接続されている。余剰部116は、第二案内部117を移動した液体16が収容される部位であり、第二案内部117の下端部から右方向に設けられた凹部である。
第一案内部115は、定量部114において定量された液体16が移動する流路である。第一案内部115は、右方向に延びた後、下方に延びる。第一案内部115の下端は、検査チップ2の右下部に設けられた測定部80に繋がっている。測定部80は、下方に凹む凹部である。後述する光学測定が行われる際には、測定部80に測定光が透過される。
<5.検査チップ2のその他構造>
ホルダ61の支軸473を中心とする自転に伴って、検査チップ2が支軸473を中心に自転する。検査チップ2は図4に示す定常状態である場合、上辺部21及び下辺部24が重力Gの方向と直交し、右辺部22及び左辺部23が重力Gの方向と平行、且つ、左辺部23が右辺部22よりも主軸57側に配置される。定常状態の検査チップ2が測定位置に配置されている状態において、光源部71と測定用光センサ72とを結ぶ測定光を測定部80に通過させることで、検査装置1は光学測定による検査を行う。
ホルダ61の支軸473を中心とする自転に伴って、検査チップ2が支軸473を中心に自転する。検査チップ2は図4に示す定常状態である場合、上辺部21及び下辺部24が重力Gの方向と直交し、右辺部22及び左辺部23が重力Gの方向と平行、且つ、左辺部23が右辺部22よりも主軸57側に配置される。定常状態の検査チップ2が測定位置に配置されている状態において、光源部71と測定用光センサ72とを結ぶ測定光を測定部80に通過させることで、検査装置1は光学測定による検査を行う。
<6.ホルダ61の構造>
図5及び図6を参照して、ホルダ61について説明する。以下の説明においては、図5の左側、右側、上側、下側、紙面手前側、紙面奥側を、夫々、ホルダ61の左側、右側、上側、下側、前側、後側とする。また、図1に示す第一軸線A1は、ホルダ61の左側に位置する。図5に示すように、ホルダ61は、ホルダ部60、開閉部79、及び図6に示す錘部900を備えている。ホルダ部60は、ホルダ筐体62とアパーチャ板69とを備えている。アパーチャ板69は、ホルダ筐体62の前側に設けられている。ホルダ筐体62とアパーチャ板69とによって、装着部74と、ホルダ開口部75とが形成される。装着部74は、検査チップ2を着脱可能な部位である。ホルダ開口部75は、検査チップ2が装着部74に着脱される開口部である。
図5及び図6を参照して、ホルダ61について説明する。以下の説明においては、図5の左側、右側、上側、下側、紙面手前側、紙面奥側を、夫々、ホルダ61の左側、右側、上側、下側、前側、後側とする。また、図1に示す第一軸線A1は、ホルダ61の左側に位置する。図5に示すように、ホルダ61は、ホルダ部60、開閉部79、及び図6に示す錘部900を備えている。ホルダ部60は、ホルダ筐体62とアパーチャ板69とを備えている。アパーチャ板69は、ホルダ筐体62の前側に設けられている。ホルダ筐体62とアパーチャ板69とによって、装着部74と、ホルダ開口部75とが形成される。装着部74は、検査チップ2を着脱可能な部位である。ホルダ開口部75は、検査チップ2が装着部74に着脱される開口部である。
図5に示すように、アパーチャ板69は、ホルダ筐体62の前面に装着される板状部材である。アパーチャ板69の上端701は左右方向に延びる。アパーチャ板69の左右の端は、ホルダ筐体62の外周に沿っている。アパーチャ板69の下端702は、後述する下壁部64の前側を左右方向に延びる。アパーチャ板69の右下部には、ホルダ側アパーチャ694が設けられている。ホルダ側アパーチャ694は、第二軸線A2より第一軸線A1から遠い側である右側に設けられている。ホルダ側アパーチャ694は、図1に示す光源部71から測定用光センサ72に向けて発光された測定光を検査チップ2の測定部80に透過させる。
図5に示すように、アパーチャ板69の上右部には、前方に突出する壁部691が設けられている。壁部691は、一対の延伸壁部692と、係合壁部693とを備えている。一対の延伸壁部692は、互いに左右方向に離間し、上下方向に延びる。係合壁部693は、左右方向に延び、一対の延伸壁部692の上端に接続される。係合壁部693は、後述する開閉部79に設けられた爪部802と係合する。係合壁部693の下側には、前側から見て左右方向に長く、前後方向にアパーチャ板69を貫通する開口部695が設けられている。
図5に示すように、ホルダ筐体62は、後壁部63、下壁部64、左壁部65、右壁部66、及び図5及び図6に示す一対の保持部67を備えている。後壁部63は、ホルダ筐体62の後部を形成する。図6に示すように、後壁部63は、前側から見て中央部に円形の孔部631を備えている。孔部631は、後壁部63を前後方向に貫通する。孔部631の内側には、軸受479を介して図1及び図5に示す支軸473が配置されている。前側から見た場合の支軸473の中心が、第二軸線A2である。後壁部63の左下面と右下面とは、第二軸線A2を中心とした円弧状に形成された円弧面632,633である。後壁部63の上面634と下面635とは、左右方向に延び、左面636と右面637とは、上下方向に延びる。上面634の中央やや右側には、上方に突出する突出部638が設けられている。図6に示すように、突出部638は、後述する開閉部79に当接する。図6に示すように、後壁部63の後部において孔部631の周囲には、ギア部76が設けられている。
図6に示すように、後壁部63の右下部には、後壁部63を前後方向に貫通する孔部639が設けられている。孔部639は、ホルダ側アパーチャ694と検査チップ2の測定部80とを透過した光が通過する部位である。
下壁部64、左壁部65及び右壁部66は、夫々、後壁部63の下部、左部、及び右部から前方に突出している。下壁部64は、前側から見て上面が下方に凹んだ凹状である。下壁部64の上端641は、後述する装着部74の下端を規定する。右壁部66は、上下方向に延びる。右壁部66は、上部に突出部(図示せず)を備え、下部に突出部(図示せず)を備えている。各突出部は、左方に突出している。各突出部は、後述する装着部74の右端を規定する。
図5に示すように、アパーチャ板69の左部及び右部には、アパーチャ板69を前後方向に貫通する図示しない孔部が設けられている。アパーチャ板69がホルダ筐体62に装着される際には、螺子851及び螺子852の軸部が、夫々、アパーチャ板69の孔部を介して、図示しない螺子穴に締結される。
図5に示すように、ホルダ筐体62とアパーチャ板69とによって囲まれる直方体状の領域は、検査チップ2を着脱可能な装着部74である。より詳細には、アパーチャ板69の後面が装着部74の前面である。後壁部63の前面が装着部74の後面である。また、図5及び図6に示すように、アパーチャ板69の上端701と後壁部63とは、装着部74に検査チップ2を挿入可能なホルダ開口部75を形成する。図5及び図6に示すように、検査チップ2がホルダ61に保持された場合、検査チップ2が装着部74に配置され、検査チップ2の上部が装着部74より上方に露出する。
図5及び図6に示すように、一対の保持部67は、ホルダ筐体62の右上部から上方に延びる。一対の保持部67は、互いに前後方向に離間している。一対の保持部67の上端の間には、軸797が架け渡されている。一対の保持部67は、軸797を介して開閉部79を回転可能に支持する。
軸797は、第二軸線A2に沿う前後方向に延びる。このため、図5及び図6に示すように、開閉部79は、第二軸線A2に沿う第三軸線A3を中心にして、図5に実線で示す閉鎖位置と、図5に二点鎖線で示す開放位置との間で回転可能である。第三軸線A3は、第二軸線A2より第一軸線A1から遠い側である右側に設けられている。開閉部79は、閉鎖位置から開放位置に回転する場合に、第二軸線A2から離れる方向に回転する。
図5に二点鎖線で示すように、開閉部79が開放位置にある場合、ホルダ開口部75の上方に、開閉部79が位置しない。この開放位置において、検査チップ2はホルダ開口部75を介して装着部74に着脱される。図5に示すように、開閉部79が閉鎖位置にある場合、ホルダ開口部75の右部の上方に、開閉部79が位置する。故に、開閉部79は、閉鎖位置にあるとき、検査チップ2を装着部74から抜き取り不能にホルダ開口部75の一部を閉鎖している。
開閉部79は、図示しない一対の回転軸部、アーム部795、係合板部796、及び当接部800を備えている。開閉部79は、図5に示す軸797に一対の回転軸部(図示せず)により回転可能に支持され、軸797を中心に開閉部79が回動する。回転軸部には、上方に突出する板部805が設けられている。
軸797の周囲には、図示しないバネが巻き付けられている。バネの一端は板部805に固定され、他端はホルダ部60に固定されている。バネ806は、開閉部79を閉鎖位置から開放位置に向かう方向に付勢する。
アーム部795は、開閉部79が閉鎖位置にある場合において、図示しない回転軸部から左方に延びる板状部材である。図5に示すように、開閉部79が閉鎖位置にある場合におけるアーム部795の下面には、下方に突出して検査チップ2に当接する当接部800が設けられている。当接部800は、図5に示す下壁部64の上端641との間において検査チップ2を位置決めする。アーム部795は、平面視矩形状に上下方向に貫通する図示しないアーム開口部を備えている。開閉部79が閉鎖位置にあるとき、検査チップ2の取手部27は、アーム開口部の内側に配置される。
図5に示すように、係合板部796の後面の下部には、後方に突出する爪部802が設けられている。開閉部79が閉鎖位置にあるとき、爪部802は、係合壁部693の下面に係合する。
図6に示すように、後壁部63の後面における左下部には、錘部900が装着されている。錘部900は、第二軸線A2に対して開閉部79の反対側に位置する。錘部900は、ホルダ部60において開閉部79より第一軸線A1に近い部位に装着されている。また、開閉部79は、第二軸線A2より第一軸線A1から遠い側である右側に設けられ、錘部900は、第二軸線A2より第一軸線A1に近い側である左側に設けられている。
<7.測定部7の構造の詳細>
次に、図3、図7を参照して、測定部7の構造を説明する。図7に示すように、測定部7は、ホルダ61の公転軌道50外に配置され、ホルダ61を挟んで対向する光源部71と、測定用光センサ72とから構成されている。測定用光センサ72は基板740に固定されている。光源部71から発光された光731は、光源部71側のアパーチャ板714のアパーチャ715を通過して、レンズ716により平行光732となる。
平行光732の一部は後述するビームスプリッタ717を透過して透過光733となる。透過光733は、ホルダ61側のアパーチャ板69のホルダ側アパーチャ694、および検査チップ2の図4に示す測定部80の領域82を通過して、測定光735となる。尚、図7において、検査チップ2は図示されていない。図7においては、検査チップ2は、ホルダ61の装着部74に保持される。測定光735は測定用光センサ72により受光され、検査チップ2の測定部80に溜まった液体の測定が行われる。尚、図7に示すホルダ61の停止位置が、既定の測定位置である。この既定の測定位置において、ホルダ61のアパーチャ板69は、発光ダイオード73から発光されて測定用光センサ72に向かう光軸733Aに直交する。従って、光軸733Aがホルダ側アパーチャ694を通過する。以下、測定部7の構造について詳細説明する。
次に、図3、図7を参照して、測定部7の構造を説明する。図7に示すように、測定部7は、ホルダ61の公転軌道50外に配置され、ホルダ61を挟んで対向する光源部71と、測定用光センサ72とから構成されている。測定用光センサ72は基板740に固定されている。光源部71から発光された光731は、光源部71側のアパーチャ板714のアパーチャ715を通過して、レンズ716により平行光732となる。
平行光732の一部は後述するビームスプリッタ717を透過して透過光733となる。透過光733は、ホルダ61側のアパーチャ板69のホルダ側アパーチャ694、および検査チップ2の図4に示す測定部80の領域82を通過して、測定光735となる。尚、図7において、検査チップ2は図示されていない。図7においては、検査チップ2は、ホルダ61の装着部74に保持される。測定光735は測定用光センサ72により受光され、検査チップ2の測定部80に溜まった液体の測定が行われる。尚、図7に示すホルダ61の停止位置が、既定の測定位置である。この既定の測定位置において、ホルダ61のアパーチャ板69は、発光ダイオード73から発光されて測定用光センサ72に向かう光軸733Aに直交する。従って、光軸733Aがホルダ側アパーチャ694を通過する。以下、測定部7の構造について詳細説明する。
図7に示すように、光源部71は、フランジが形成された円筒形の光源カバー711と、基板712と、発光ダイオード73と、アパーチャ板714と、レンズ716と、ビームスプリッタ717と、基板720と、制御用光センサ721と、から構成される。制御用光センサ721の出力は、図3に示す測定コントローラ99に入力され、CPU91が取得する。基板712には、発光ダイオード73が固定され、発光ダイオード73を覆うように光源カバー711が基板712に固定されている。発光ダイオード73は、測定用光センサ72に向けて発光する。光源カバー711は、円筒部713と、フランジ711A、アパーチャ板714と、レンズ716から構成されている。アパーチャ板714は、開口部であるアパーチャ715が中央に形成された円板である。アパーチャ板714は、円筒部713と一体でもよいし、別部材でもよい。アパーチャ板714は、円筒部713の前側の開口部を封止している。フランジ711Aは円筒部713のアパーチャ板714と反対側の外周に設けられ、円筒部713を基板712に固定する。アパーチャ板714の発光ダイオード73に対向する面及び円筒部713の内側の面は、黒色、または表面に微細な凹凸が多数形成された散乱面になっており、反射光の光強度は大きく減衰する。
レンズ716は、凸面が測定用光センサ72を向く平凸レンズである。レンズ716は、アパーチャ板714の発光ダイオード73と対向する面と反対側の面に固定されている。発光ダイオード73の発光面73Aは、レンズ716の光軸上かつ焦点距離fの位置に設けられている。レンズ716の光軸はアパーチャ715の中心を通る。平行光732の光軸が光軸733Aである。光軸733Aは、図1及び図7に示す第一軸線A1と交差する前後方向に延びる。レンズ716と測定用光センサ72との間には、ビームスプリッタ717が光軸733Aに対して45度に傾斜して設けられている。ビームスプリッタ717により反射された反射光734は、基板720に設けられた制御用光センサ721に受光される。
図8を参照して、測定用受光回路101及び制御用受光回路102に各々内蔵されるI−V変換回路120及び増幅回路130の説明をする。測定用受光回路101のI−V変換回路120に測定用光センサ72が接続されている。制御用受光回路102のI−V変換回路120に制御用光センサ721が接続されている。測定用光センサ72及び制御用光センサ721としては、例えば、フォトダイオードが使用される。フォトダイオードには、受光した光の強さに応じて電流が流れる。I−V変換回路120は、電流値を電圧値に変換する変換回路である。I−V変換回路120は、オペアンプ121及びフィードバック抵抗123から構成される。測定用受光回路101の場合には、オペアンプ121の反転入力端子121Bには、測定用光センサ72を構成するフォトダイオードのカソードが接続され、アノードは接地されている。反転入力端子121Bと出力端子124の間には、フィードバック抵抗123が接続されている。オペアンプ121の非反転入力端子121Aは接地されている。このI−V変換回路120により、測定用光センサ72に光が当たり、測定用光センサ72に流れる電流値Ipdが電圧値V1に変換され、オペアンプ121の出力端子124から出力される。フィードバック抵抗123の値をRfとすると、電圧値V1は、以下の式により求められる。
V1=Rf×Ipd
尚、制御用受光回路102の場合には、オペアンプ121の反転入力端子121Bには、制御用光センサ721を構成するフォトダイオードのカソードが接続され、アノードは接地されている。
V1=Rf×Ipd
尚、制御用受光回路102の場合には、オペアンプ121の反転入力端子121Bには、制御用光センサ721を構成するフォトダイオードのカソードが接続され、アノードは接地されている。
増幅回路130は、オペアンプ121による非反転増幅回路であり、オペアンプ121、接地抵抗132及びフィードバック抵抗133により構成される。I−V変換回路120の出力端子124は、オペアンプ131の非反転入力端子131Aに接続されている。接地抵抗132は、オペアンプ131の反転入力端子131Bに接続されている。反転入力端子131Bと出力端子134の間には、フィードバック抵抗133が接続されている。出力端子134には、増幅された電圧値Voutが出力される。接地抵抗132の値をR1、フィードバック抵抗133の値をR2とした場合には、増幅された電圧値Voutは、以下の式により求められる。
Vout=(1+R2/R1)×V1
尚、フィードバック抵抗133及び接地抵抗132は、デジタルポテンションメータであり、CPU91の制御により値が変更される。
Vout=(1+R2/R1)×V1
尚、フィードバック抵抗133及び接地抵抗132は、デジタルポテンションメータであり、CPU91の制御により値が変更される。
<ビームスプリッタ717の透過率T>反射率Rの場合>
次に、図7を参照して、測定用光センサ72の受光光量PPD及び制御用光センサ721の受光光量PFPDの値について説明する。レンズ716を通過した平行光732の光量がP0であり、平行光732のホルダ側のアパーチャ板69への照射面積がABEAMである。ビームスプリッタ717の透過率がTであり、反射率がRである。また、ホルダ側アパーチャ694の開口面積がAAPであり、制御用受光部としての制御用光センサ721の受光面積がAFPDである。測定用受光部としての測定用光センサ72の受光光量がPPDであり、制御用受光部としての制御用光センサ721の受光光量がPFPDである。尚、測定用光センサ72と制御用光センサ721の受光光量の電流値への変換効率は同じであるものとする。
PPD及びPFPDは、以下の式により求められる。
PPD=P0×T×AAP/ABEAM (式1)
PFPD=P0×R×AFPD/ABEAM (式2)
T>Rの場合に、PPD>PFPDとなるように、AAP及びAFPDの面積が決められている。
例えば、ホルダ側アパーチャ694の開口径がDAPの場合には、ホルダ側アパーチャ694の開口面積AAP=π(DAP/2)2 である。
また、例えば、制御用光センサ721の受光面の径がDFPDの場合には、制御用光センサ721の受光面積AFPD=π(DFPD/2)2 である。
平行光732の径がDBEAMの場合には、ホルダ側のアパーチャ板69への照射面積がABEAM=π(DBEAM/2)2 である。
次に、図7を参照して、測定用光センサ72の受光光量PPD及び制御用光センサ721の受光光量PFPDの値について説明する。レンズ716を通過した平行光732の光量がP0であり、平行光732のホルダ側のアパーチャ板69への照射面積がABEAMである。ビームスプリッタ717の透過率がTであり、反射率がRである。また、ホルダ側アパーチャ694の開口面積がAAPであり、制御用受光部としての制御用光センサ721の受光面積がAFPDである。測定用受光部としての測定用光センサ72の受光光量がPPDであり、制御用受光部としての制御用光センサ721の受光光量がPFPDである。尚、測定用光センサ72と制御用光センサ721の受光光量の電流値への変換効率は同じであるものとする。
PPD及びPFPDは、以下の式により求められる。
PPD=P0×T×AAP/ABEAM (式1)
PFPD=P0×R×AFPD/ABEAM (式2)
T>Rの場合に、PPD>PFPDとなるように、AAP及びAFPDの面積が決められている。
例えば、ホルダ側アパーチャ694の開口径がDAPの場合には、ホルダ側アパーチャ694の開口面積AAP=π(DAP/2)2 である。
また、例えば、制御用光センサ721の受光面の径がDFPDの場合には、制御用光センサ721の受光面積AFPD=π(DFPD/2)2 である。
平行光732の径がDBEAMの場合には、ホルダ側のアパーチャ板69への照射面積がABEAM=π(DBEAM/2)2 である。
例えば、T=75%=3/4、R=25%=1/4、DAP=1mm、DBEAM=6mm、DFPD=1mmの場合には、
AAP=π(1/2)2 =π/4
AFPD=π(1/2)2 =π/4
ABEAM=π(6/2)2 =9π
(式1)により、
PPD=P0×(3/4)×(π/4)/(9π)=P0/48
(式2)により、
PFPD=P0×(1/4)×(π/4)/(9π)= P0/144
従って、P0/48>P0/144 であるので、
PPD>PFPD である。
AAP=π(1/2)2 =π/4
AFPD=π(1/2)2 =π/4
ABEAM=π(6/2)2 =9π
(式1)により、
PPD=P0×(3/4)×(π/4)/(9π)=P0/48
(式2)により、
PFPD=P0×(1/4)×(π/4)/(9π)= P0/144
従って、P0/48>P0/144 であるので、
PPD>PFPD である。
ホルダ側アパーチャ694の径を調整することにより、測定用光センサ72の受光光量PPDを制御用光センサ721の受光光量PFPDよりも大きくできるが、ホルダ側アパーチャ694の径を変えると、ホルダ61内部に保持される検査チップ2の測定流路の位置を変更する必要が出てくるなどの他の構成への影響が発生する。一方、T>Rとすれば、検査チップ2の流路位置を変更するなどの他の構成への影響が発生することなく、測定用光センサ72の受光光量PPDを制御用光センサ721の受光光量PFPDよりも大きくできる。
従って、測定用光センサ72が受光光量PPDから得られる検出電圧値と、制御用光センサ721光から得られる検出電圧値を同じ程度にする為には、制御用受光回路102の増幅回路130(図8参照)の増幅率が、測定用受光回路101の増幅回路130(図8参照)の増幅率よりも大きくする必要がある。その結果、制御用受光回路102の受光光量PFPDの変動に対する感度は、測定用受光回路101の受光光量PPDの変動に対する感度よりも高くなる。従って、発光部から発光される光の光量の変動を小さくすることができる。
図7を参照して、制御用光センサ721の受光光量の電流値への変換効率がa(A/W)、測定用光センサ72の受光光量の電流値への変換効率がb(A/W)である場合の、測定用光センサ72の電流値Ipd及び制御用光センサ721の電流値Ifpdについて説明する。測定用光センサ72の電流値Ipd及び制御用光センサ721の電流値Ifpdは、以下の式により求められる。
Ipd=b×P0×T×AAP/ABEAM (式3)
Ifpd=a×P0×R×AFPD/ABEAM (式4)
(式4)により、
a=Ifpd/(P0×R×AFPD/ABEAM)
(式3)により、
b=Ipd/(P0×T×AAP/ABEAM)
Ifpd=Ipdの場合には、
a/b=(P0×T×AAP/ABEAM)/(P0×R×AFPD/ABEAM)
=(T×AAP)/(R×AFPD)
=T/R×AAP/AFPD
従って、
a/b<T/R×AAP/AFPD
となるように、ビームスプリッタ717の透過率T及び反射率Rを設定し、また、ホルダ側アパーチャ694の開口面積AAP、制御用光センサ721の受光面積AFPDを設定すればよい。
一般には、0.3<a,b<0.6 であえるので 0.5<a/b<2
になる。
従って、制御用光センサ721の変換効率a及び測定用光センサ72の変換効率bを調整することにより、制御用受光回路102の増幅回路130(図8参照)の増幅率を、測定用受光回路101の増幅回路130(図8参照)の増幅率よりも大きくすることができる。その結果、制御用受光回路102の受光光量PFPDの変動に対する感度は、測定用受光回路101の受光光量PPDの変動に対する感度よりも高くなる。従って、発光部から発光される光の光量の変動を低下させることができる。
Ipd=b×P0×T×AAP/ABEAM (式3)
Ifpd=a×P0×R×AFPD/ABEAM (式4)
(式4)により、
a=Ifpd/(P0×R×AFPD/ABEAM)
(式3)により、
b=Ipd/(P0×T×AAP/ABEAM)
Ifpd=Ipdの場合には、
a/b=(P0×T×AAP/ABEAM)/(P0×R×AFPD/ABEAM)
=(T×AAP)/(R×AFPD)
=T/R×AAP/AFPD
従って、
a/b<T/R×AAP/AFPD
となるように、ビームスプリッタ717の透過率T及び反射率Rを設定し、また、ホルダ側アパーチャ694の開口面積AAP、制御用光センサ721の受光面積AFPDを設定すればよい。
一般には、0.3<a,b<0.6 であえるので 0.5<a/b<2
になる。
従って、制御用光センサ721の変換効率a及び測定用光センサ72の変換効率bを調整することにより、制御用受光回路102の増幅回路130(図8参照)の増幅率を、測定用受光回路101の増幅回路130(図8参照)の増幅率よりも大きくすることができる。その結果、制御用受光回路102の受光光量PFPDの変動に対する感度は、測定用受光回路101の受光光量PPDの変動に対する感度よりも高くなる。従って、発光部から発光される光の光量の変動を低下させることができる。
尚、制御用光センサ721の受光面積AFPDをホルダ側アパーチャ694の開口面積AAPよりも小さくすることで、制御用光センサ721の受光光量を測定用光センサ72の受光光量よりも少なくするようにしてもよい。受光面積AFPDの狭い制御用光センサ721を選ぶだけで容易に実現できる。
また、図9に示すように、制御用光センサ721とビームスプリッタ717との間に、開口面積がホルダ側アパーチャ694のAAPよりも小さい制御部側アパーチャ723Aを有する制御部側アパーチャ板723を設けても良い。受光面積AFPDの大きな制御用光センサ721しか手に入らない場合にも制御用光センサ721の受光光量を測定用光センサ72の受光光量よりも少なくすることができる。
<8.検査方法の一例>
検査装置1及び検査チップ2を用いた検査方法について説明する。図4に示すように、検体定量流路11の保持部111に検体17が配置される。試薬定量流路13の保持部111に第一試薬18が配置される。試薬定量流路15の保持部111に第二試薬19が配置される。
<8.検査方法の一例>
検査装置1及び検査チップ2を用いた検査方法について説明する。図4に示すように、検体定量流路11の保持部111に検体17が配置される。試薬定量流路13の保持部111に第一試薬18が配置される。試薬定量流路15の保持部111に第二試薬19が配置される。
ユーザは、第一自転角度であり、開閉部79が開放位置にあるホルダ61の上側から、ホルダ開口部75を介して装着部74に検査チップ2を配置する。これによって、図5及び図6に示すように、検査チップ2がホルダ61によって支持される。ユーザは、開閉部79を図5に示す二点鎖線の開放位置から図5に示す実線の閉鎖位置に回転させる。
<増幅回路130の増幅率調整処理>
はじめに、図10のフローチャートを参照して、増幅回路130の増幅率調整処理について説明する。増幅回路130の増幅率調整処理は、検査装置1及び検査チップ2を用いた検査の開始時に行われる増幅回路130の増幅率を調整する処理である。図10に示す増幅率調整処理のプログラムは、ROM93に記憶されている。ユーザが操作部94から検査の開始のコマンドを入力すると、CPU91は、ROM93に記憶されている増幅回路130の増幅率調整処理のプログラムに基づいて、処理を実行する。この増幅率調整処理は、図12及び図13に示す測定処理に先だって実行される。以下の説明では、制御用光センサ721の検出電圧の目標値であるFeedback Photo Detector目標値を「F−PD目標値」という。また、制御用光センサ721を「F−PD」とも言う。測定用光センサ72を「PD」とも言う。
はじめに、図10のフローチャートを参照して、増幅回路130の増幅率調整処理について説明する。増幅回路130の増幅率調整処理は、検査装置1及び検査チップ2を用いた検査の開始時に行われる増幅回路130の増幅率を調整する処理である。図10に示す増幅率調整処理のプログラムは、ROM93に記憶されている。ユーザが操作部94から検査の開始のコマンドを入力すると、CPU91は、ROM93に記憶されている増幅回路130の増幅率調整処理のプログラムに基づいて、処理を実行する。この増幅率調整処理は、図12及び図13に示す測定処理に先だって実行される。以下の説明では、制御用光センサ721の検出電圧の目標値であるFeedback Photo Detector目標値を「F−PD目標値」という。また、制御用光センサ721を「F−PD」とも言う。測定用光センサ72を「PD」とも言う。
以下、F−PD目標値について説明する。測定用光センサ72が安定的に光を測定できる光の強さの範囲が決まっている。この光の強さの範囲における測定用光センサ72の検出電圧になった際の発光ダイオード73の駆動電流が決まっている。この駆動電流が発光ダイオード73に流れた際に制御用光センサ721で検出される検出電圧値がF−PD目標値である。即ち、CPU91は、制御用光センサ721で検出される検出電圧値がF−PD目標値となるように発光ダイオード73の駆動電流を調整すれば、測定用光センサ72が安定的に発光ダイオード73からの光の強さを測定できる。
はじめにCPU91は、制御用光センサ721の検出電圧値であるF−PD電圧値を図3に示す測定コントローラ99を介して読み込む(S31)。具体的には、制御用光センサ721の電流値Ipdは、図8に示すI−V変換回路120により電圧値に変換され、増幅回路130により電圧値が(1+R2/R1)倍に増幅される。増幅された電圧値は、図3に示すA/D変換回路104によりデジタル値のF−PD電圧値に変換される(S31)。
次いで、CPU91は、F−PD電圧値がF−PD目標値の所定の範囲内か否かを判断する(S32)。F−PD目標値は、ROM93に記憶されており、CPU91が読み出す(S32)。所定の範囲は、例えば、F−PD目標値のプラス・マイナス0.05%である。F−PD目標値は、例えば、発光ダイオード73、ビームスプリッタ717、制御用光センサ721、測定用光センサ72の各特性及びホルダ61のホルダ側アパーチャ694の開口面積等により決まっている。F−PD電圧値がF−PD目標値の所定の範囲内の場合には(S32:YES)、CPU91は、発光ダイオード73の駆動電流であるLED電流の値を変えずに発光ダイオード73を発光し、測定用光センサ72の検出電圧値であるPD電圧値を読み込む(S34)。具体的には、CPU91は、測定用光センサ72の検出電圧値であるPD電圧値を図3に示す測定コントローラ99を介して読み込む(S34)。具体的には、測定用光センサ72の電流値Ipdは、図8に示すI−V変換回路120により電圧値に変換され、増幅回路130により電圧値が(1+R2/R1)倍に増幅される。増幅された電圧値は、図3に示すA/D変換回路103によりデジタル値のPD電圧値に変換される(S34)。このPD電圧値は、RAM92に記憶される。
また、CPU91は、制御用光センサ721の検出電圧値であるF−PD電圧値がF−PD目標値以内でないと判断した場合には(S32:NO)、周知のPID制御(Proportional-Integral-Derivative Controller)を行う(S33)。PID制御は、制御工学におけるフィードバック制御の一種であり、入力値の制御を出力値と目標値との偏差、その積分、および微分の3つの要素によって行う方法である。CPU91は、PID制御(S33)を行った後に制御をS32に戻す。F−PD電圧値がF−PD目標値の所定の範囲内になった場合には(S32:YES)、CPU91は、発光ダイオード73の駆動電流であるLED電流の値を変えずに発光ダイオード73を発光し、測定用光センサ72であるPDの電圧値を読み込む(S34)。
次に、CPU91は、PD電圧値をN回測定した否か判断する(S35)。N回の一例としては、20回〜30回の範囲の任意の回数である。N回の具体的値は、ROM93に記憶されている。CPU91は、N回測定していないと判断した場合には(S35:NO)、処理をS32に戻す。
CPU91は、PD電圧値をN回測定したと判断した場合には(S35:YES)、PD電圧値の変動量を計算する(S36)。以下、PD電圧値の変動量を計算の一例を説明する。PD電圧値は、一般的には初期値(N=1回目)から測定する度に徐々にズレていく挙動を示す。従って、N回目に測定したPD電圧値とROM93に記憶されているPD電圧値の目標値との差を求める(S36)。この差がPD電圧値の変動量である。次に、CPU91は、処理S36で計算した変動量が目標値内か否かを判断する(S37)。変動量の目標値は、ROM93に記憶されており、CPU91が読み出す(S37)。変動量が目標値内か否かは、例えば、変動量が、一例として、±45mV以内か否かが判断されればよい。変動量が±45mV以内であれば、CPU91は、変動量が目標値内であると判断する(S37:YES)。増幅回路130の増幅率が適切でない場合には、測定N回目のPD電圧値が基準となる目標値の±100mV程度変動する。CPU91は、変動量が目標値内と判断できる場合には(S37:YES)、増幅回路130の増幅率の調整をせずに処理を終了する。また、CPU91は、変動量が目標値内にないと判断できる場合には(S37:NO)、増幅回路130の増幅率変更を行う(S38)。増幅回路130の増幅率変更は、デジタルポテンションメータであるフィードバック抵抗133及び接地抵抗132の値を、CPU91が変更する。図8に示す増幅回路130は、電圧値V1を(1+R2/R1)倍に増幅するので、CPU91が、フィードバック抵抗133の抵抗値R2を大きくするか、または、接地抵抗132の抵抗値R1を小さくすることで、増幅回路130の増幅率が増加する(S38)。また、接地抵抗132の抵抗値R1及びフィードバック抵抗133の抵抗値R2の両方が変更される場合には、R2/R1の値が大きくなるようにCPU91が制御することで、増幅回路130の増幅率が増加する(S38)。
次いで、CPU91は、処理をS37に戻す。CPU91は、変動量が目標値内と判断できる場合には(S37:YES)、処理を終了する。
<フィードバック制御>
図11のフローチャートを参照して、フィードバック制御について説明する。フィードバック制御においては、CPU91は、制御用光センサ721の検出電圧値に基づいて、発光ダイオード73の発光状態を一定範囲に制御する。図11に示すフィードバック制御のプログラムは、ROM93に記憶されている。ユーザが操作部94から処理開始のコマンドを入力すると、CPU91は、ROM93に記憶されているフィードバック制御のプログラムに基づいて、フィードバック制御を実行する。このフィードバック制御は、図10に示す増幅回路の増幅率の調整処理が行われた後、図12及び図13に示す測定処理が終了するまで常時実行される。以下の説明の「F−PD目標値」は、増幅回路130の増幅率調整処理の「F−PD目標値」と同じである。
図11のフローチャートを参照して、フィードバック制御について説明する。フィードバック制御においては、CPU91は、制御用光センサ721の検出電圧値に基づいて、発光ダイオード73の発光状態を一定範囲に制御する。図11に示すフィードバック制御のプログラムは、ROM93に記憶されている。ユーザが操作部94から処理開始のコマンドを入力すると、CPU91は、ROM93に記憶されているフィードバック制御のプログラムに基づいて、フィードバック制御を実行する。このフィードバック制御は、図10に示す増幅回路の増幅率の調整処理が行われた後、図12及び図13に示す測定処理が終了するまで常時実行される。以下の説明の「F−PD目標値」は、増幅回路130の増幅率調整処理の「F−PD目標値」と同じである。
はじめにCPU91は、F−PD目標値をROM93から読み込む(S1)。CPU91は、制御用光センサ721で検出される検出電圧値がF−PD目標値となるように発光ダイオード73の駆動電流を調整すれば、測定用光センサ72が安定的に発光ダイオード73からの光の強さを測定できる。次いで、CPU91は、測定コントローラ99を制御して、発光ダイオード73の駆動電流を調整する(S2)。例えば、CPU91は、最初、駆動電流をROM93に記憶されている基準の電流値に設定する。次いで、CPU91は、制御用光センサ721の検出電圧であるF−PD電圧値がF−PD目標値の所定の範囲内か否かを判断する(S3)。所定の範囲は、例えば、F−PD目標値のプラス・マイナス0.05%である。F−PD目標値は、例えば、発光ダイオード73、制御用光センサ721、測定用光センサ72、及びビームスプリッタ717の各特性と、発光ダイオード73と測定用光センサ72との距離、制御用光センサ721とビームスプリッタ717との距離等により決まっていてもよい。F−PD電圧値がF−PD目標値の所定の範囲内の場合には(S3:YES)、CPU91は、発光ダイオード73の駆動電流であるLED電流の値を変えずに発光ダイオード73を発光し(S4)、処理をS3の判断処理に移行する。F−PD電圧値がF−PD目標値の所定の範囲内でない場合には(S3:NO)、CPU91は、測定コントローラ99を制御して、発光ダイオード73の駆動電流を調整する(S2)。具体的には、F−PD電圧値がF−PD目標値より高い場合には、CPU91は、測定コントローラ99を制御して、発光ダイオード73の駆動電流を所定量だけ減少する(S2)。F−PD電圧値がF−PD目標値より低い場合には、CPU91は、測定コントローラ99を制御して、発光ダイオード73の駆動電流を所定量だけ増やす(S2)。次いで、CPU91は、処理をS3の判断処理に移行する。図12及び図13に示す測定処理が終了すると、フィードバック制御は終了する。上記S1〜S4のフィードバック制御により、制御用光センサ721で検出される検出電圧値がF−PD目標値となるように発光ダイオード73の駆動電流を調整されるので、測定用光センサ72が安定的に光の強さを測定できる。
<測定処理>
次に、図12及び図13に示すフローチャートを参照して測定処理について説明する。図12及び図13に示す測定処理のプログラムは、ROM93に記憶されている。ユーザが操作部94から測定処理開始のコマンドを入力すると、CPU91は、ROM93に記憶されている測定処理のプログラムに基づいて、測定処理を実行する。はじめに、CPU91は、制御用光センサ721の検出電圧であるF−PD電圧値がF−PD目標値の所定の範囲内か否かを判断する(S11)。F−PD目標値は、ROM93に記憶されており、CPU91が読み出す(S11)。所定の範囲は、例えば、F−PD目標値のプラス・マイナス0.05%である。例えば、F−PD電圧値がF−PD目標値の所定の範囲内の場合には、CPU91は、F−PD電圧値がF−PD目標値の所定の範囲内であると判断する(S11:YES)。CPU91は、F−PD電圧値がF−PD目標値の所定の範囲内であると判断しない場合には(S11:NO)、再度、S11の判断処理を行う。CPU91は、F−PD電圧値がF−PD目標値の所定の範囲内であると判断した場合には(S11:YES)、CPU91は、公転コントローラ97及び自転コントローラ98を制御して、ホルダ61を光学測定位置に移動する(S12)。尚、この光学測定位置の移動は、図示しないエンコーダからの信号に基づき、実行される。CPU91は、測定コントローラ99を制御して、測定用光センサ72の検出電圧がROM93に記憶されている測定物閾値以内か否かを判断する(S13)。この判断は、検査チップ2が正しくホルダ61に装着され、測定部80に検査対象の液体が有るか否かを判断するものである。CPU91は、測定用光センサ72の検出電圧が測定物閾値以内であると判断した場合には(S13:YES)、CPU91は、制御用光センサ721の検出電圧であるF−PD電圧値がF−PD目標値の所定の範囲内であるか否かを判断する(S14)。例えば、F−PD電圧値がF−PD目標値のプラス・マイナス0.05%内の値に到達した場合には、CPU91は、F−PD電圧値がF−PD目標値の所定の範囲内であると判断する(S14:YES)。CPU91は、制御用光センサ721の検出電圧であるF−PD電圧値がF−PD目標値の所定の範囲内であると判断しない場合には(S14:NO)、S14の処理を繰り返す。CPU91は、F−PD電圧値がF−PD目標値の所定の範囲内であると判断した場合には(S14:YES)、発光ダイオード73の発光状態が安定しているので、測定用光センサ72の出力電圧値であるPhoto Detector値(以下、「PD値」という)を取得する(S15)。
次に、図12及び図13に示すフローチャートを参照して測定処理について説明する。図12及び図13に示す測定処理のプログラムは、ROM93に記憶されている。ユーザが操作部94から測定処理開始のコマンドを入力すると、CPU91は、ROM93に記憶されている測定処理のプログラムに基づいて、測定処理を実行する。はじめに、CPU91は、制御用光センサ721の検出電圧であるF−PD電圧値がF−PD目標値の所定の範囲内か否かを判断する(S11)。F−PD目標値は、ROM93に記憶されており、CPU91が読み出す(S11)。所定の範囲は、例えば、F−PD目標値のプラス・マイナス0.05%である。例えば、F−PD電圧値がF−PD目標値の所定の範囲内の場合には、CPU91は、F−PD電圧値がF−PD目標値の所定の範囲内であると判断する(S11:YES)。CPU91は、F−PD電圧値がF−PD目標値の所定の範囲内であると判断しない場合には(S11:NO)、再度、S11の判断処理を行う。CPU91は、F−PD電圧値がF−PD目標値の所定の範囲内であると判断した場合には(S11:YES)、CPU91は、公転コントローラ97及び自転コントローラ98を制御して、ホルダ61を光学測定位置に移動する(S12)。尚、この光学測定位置の移動は、図示しないエンコーダからの信号に基づき、実行される。CPU91は、測定コントローラ99を制御して、測定用光センサ72の検出電圧がROM93に記憶されている測定物閾値以内か否かを判断する(S13)。この判断は、検査チップ2が正しくホルダ61に装着され、測定部80に検査対象の液体が有るか否かを判断するものである。CPU91は、測定用光センサ72の検出電圧が測定物閾値以内であると判断した場合には(S13:YES)、CPU91は、制御用光センサ721の検出電圧であるF−PD電圧値がF−PD目標値の所定の範囲内であるか否かを判断する(S14)。例えば、F−PD電圧値がF−PD目標値のプラス・マイナス0.05%内の値に到達した場合には、CPU91は、F−PD電圧値がF−PD目標値の所定の範囲内であると判断する(S14:YES)。CPU91は、制御用光センサ721の検出電圧であるF−PD電圧値がF−PD目標値の所定の範囲内であると判断しない場合には(S14:NO)、S14の処理を繰り返す。CPU91は、F−PD電圧値がF−PD目標値の所定の範囲内であると判断した場合には(S14:YES)、発光ダイオード73の発光状態が安定しているので、測定用光センサ72の出力電圧値であるPhoto Detector値(以下、「PD値」という)を取得する(S15)。
次いで、図13に示すように、CPU91は、遠心処理を行う(S21)。具体的には、CPU91は、HDD95に予め記憶されているモータの駆動情報を読み込み、公転コントローラ97に主軸モータ35の駆動情報をセットし、自転コントローラ98にステッピングモータ51の駆動情報をセットする。次いで、CPU91が公転コントローラ97を制御し、主軸モータ35の駆動を開始する。また、CPU91は自転コントローラ98を制御し、ステッピングモータ51を駆動する(S21)。この遠心処理により、検体定量流路11の保持部111に配置された検体17が所定量計量され、試薬定量流路13の保持部111配置された第一試薬18も所定量計量され、混合されて測定部80に溜まる。
次いで、CPU91は、公転コントローラ97を制御して、主軸モータ35の軸36を回転させ、ホルダ61を光学測定位置に移動する(S22)。また、CPU91は、自転コントローラ98を制御して、ステッピングモータ51の軸58を原点位置に移動する(S22)。従って、ホルダ61を測定位置に移動する。
次いで、CPU91は、サンプリング処理を行う(S23)。このサンプリング処理は、測定用光センサ72により検出されたデータを取得する処理である。具体的には、測定用光センサ72の検出値の時間変化が測定結果として使用されるので、所定の期間において、測定用光センサ72により検出されたデータを取得し、所定の期間過ぎたら、次のステップに進むという処理である。次いで、CPU91は、公転コントローラ97を制御し、主軸モータ35を原点位置に移動する(S24)。次いで、CPU91は、処理を終了する。
また、CPU91は、S13の判断処理で、測定部閾値以内では無いと判断した場合には(S13:NO)、測定用光センサ72の検出値が測定物閾値より大か否かを判断する(S16)。CPU91は、測定用光センサ72の検出値が測定物閾値より大と判断した場合には(S16:YES)、ホルダ61には検査チップ2が無いと判断されるので、CPU91は、ディスプレイ96に「測定物なし」と表示して通知する(S17)。また、CPU91は、測定用光センサ72の検出値が測定物閾値より大と判断できない場合には(S16:NO)、ホルダ61には検査チップ2が正しく挿入されていないと考えられるので、ディスプレイ96に「測定物異常」と表示して通知する(S18)。その後、CPU91は、処理をS24に移行する。CPU91は、公転コントローラ97を制御し、主軸モータ35の原点位置に移動する(S24)。次いで、CPU91は、処理を終了する。
<9.本実施形態の主たる作用・効果>
以上のように本実施形態における検査装置1による検査が行われる。本実施形態においては、ビームスプリッタ717、制御用光センサ721、測定用光センサ72、ホルダ側アパーチャ694は、測定用光センサ72の受光光量が制御用光センサ721の受光光量よりも大きくなるように構成されている。従って、制御用受光回路102の増幅回路130の増幅率が測定用受光回路101の増幅回路130の増幅率より大きくできる。その結果、制御用受光回路102の光量の変動に対する感度を制御用受光回路102の感度よりも高めて出力値の変動幅を小さくできる。よって、測定用光センサ72の測定結果が安定する。
以上のように本実施形態における検査装置1による検査が行われる。本実施形態においては、ビームスプリッタ717、制御用光センサ721、測定用光センサ72、ホルダ側アパーチャ694は、測定用光センサ72の受光光量が制御用光センサ721の受光光量よりも大きくなるように構成されている。従って、制御用受光回路102の増幅回路130の増幅率が測定用受光回路101の増幅回路130の増幅率より大きくできる。その結果、制御用受光回路102の光量の変動に対する感度を制御用受光回路102の感度よりも高めて出力値の変動幅を小さくできる。よって、測定用光センサ72の測定結果が安定する。
また、透過率Tが反射率Rよりも大きいビームスプリッタ717が使用されることにより、測定用光センサ72の受光光量が制御用光センサ721の受光光量よりも大きくなる。よって、簡単な構成で測定用光センサ72の受光光量を制御用光センサ721の受光光量よりも大きくできる。
測定用光センサ72の変換効率bが制御用光センサ721の変換効率aよりも高いものが採用されることにより、制御用受光回路102の増幅回路130の増幅率が測定用受光回路101の増幅回路130の増幅率より大きくできる。
制御用光センサ721の受光面積AFPDがホルダ側アパーチャ694の開口面積AAPより小さくなることで、測定用光センサ72の受光光量PPDを制御用光センサ721の受光光量PFPDよりも大きくできる。
制御用光センサ721とビームスプリッタ717との間に、開口面積がホルダ側アパーチャ694の開口面積AAPよりも小さい制御部側アパーチャ723Aを有する制御部側アパーチャ板723を備えたので、制御用光センサ721の受光面積がホルダ側アパーチャ694の開口面積より大きい受光素子しかない場合でも、制御用光センサ721の受光光量PFPDを測定用光センサ72の受光光量PPDより小さくできる。
制御用光センサ721で検出される電圧値の変動量に基づいて、制御用受光回路102の増幅回路130の増幅率を変更することができるので、制御用受光回路102の増幅率が自動調整される。従って、発光ダイオードから発光される光の光量の変動を自動で低下できる。
CPU91は、フィードバック抵抗133の抵抗値R2を増加させることで、容易に
制御用受光回路102の増幅回路130の増幅率を増加させることができる。従って、簡単な回路で、制御用受光回路102の増幅回路130の増幅率を増加させることができる。従って、発光部から発光される光の光量の変動を自動で低下できる。
制御用受光回路102の増幅回路130の増幅率を増加させることができる。従って、簡単な回路で、制御用受光回路102の増幅回路130の増幅率を増加させることができる。従って、発光部から発光される光の光量の変動を自動で低下できる。
また、本実施形態においては、ビームスプリッタ717を備えているので、制御用光センサ721により発光ダイオード73からの光の一部を受光して、発光ダイオード73からの光の強度を検出できるので、発光ダイオード73からからの光の強度を安定させるように精密に制御することができる。
また、本実施形態においては、発光ダイオード73と測定用光センサ72との間に検査チップ2が存在しても、制御用光センサ721は、発光ダイオード73からの光を検査チップ2を透過せずに受光できる。制御装置90が制御用光センサ721により受光された光の強度に基づいて、発光ダイオード73の発光量が常に一定になるように制御するので、発光ダイオード73が発光する光の強度を安定させることができる。従って、測定用光センサ72の測定結果が安定し、測定精度を向上できる。
また、本実施形態においては、ROM93に目標電圧値を記憶しておくことにより、制御装置90が発光ダイオード73の発光量が一定になるように制御するので、発光ダイオード73が発光する光の強度を安定させることができる。従って、測定結果が安定し、測定精度を向上できる。
上記実施形態において、ホルダ61は本発明の「ホルダ」の一例である。発光ダイオード73は本発明の「発光部」の一例である。測定用光センサ72は本発明の「測定用受光部」の一例である。制御用光センサは本発明の「制御用受光部」の一例である。制御用受光回路102の増幅回路130が、本発明の「制御用増幅回路」の一例である。測定用受光回路101の増幅回路130が、本発明の「測定用増幅回路」の一例である。ホルダ側アパーチャ694は本発明の「ホルダ側アパーチャ」の一例である。アパーチャ板69は本発明の「ホルダ側アパーチャ板」の一例である。制御部側アパーチャ723Aは本発明の「発光部側アパーチャ」の一例である。制御部側アパーチャ板723は本発明の「発光部側アパーチャ板」の一例である。ROM93が本発明の「目標電圧値を記憶する記憶部」の一例である。CPU91が、本発明の「制御部」の一例である。ビームスプリッタ717が、本発明の「スプリッタ」の一例である。S37の処理を実行するCPU91が、本発明の「比較手段」の一例である。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、検査装置1が第一軸線A1に直交する水平方向の第二軸線A2を中心にホルダ61及び検査チップ2を回転させるようにしているが、本発明は、検査装置1が第一軸線A1と平行な軸線を中心にホルダ61及び検査チップ2を回転させる検査装置にも適用できる。本実施の形態では、ホルダ61は、2個設けられていたが、4個、6個等設けられていてもよい。
また、ビームスプリッタ717を透過した光を制御用光センサ721、反射した光を測定用光センサ72に入射させてもよい。また、増幅回路130の増幅率変更は、増幅率の増加だけでなく低下でも良い。
1 検査装置
2 検査チップ
3 検査システム
61 ホルダ
69 アパーチャ板
71 光源部
72 測定用光センサ
73 発光ダイオード
90 制御装置
91 CPU
93 ROM
101 測定用受光回路
102 補正用受光回路
120 I−V変換回路
121 オペアンプ
130 増幅回路
131 オペアンプ
694 ホルダ側アパーチャ
714 アパーチャ板
715 アパーチャ
716 レンズ
717 ビームスプリッタ
721 制御用光センサ
723 制御部側アパーチャ板
723A 制御部側アパーチャ
2 検査チップ
3 検査システム
61 ホルダ
69 アパーチャ板
71 光源部
72 測定用光センサ
73 発光ダイオード
90 制御装置
91 CPU
93 ROM
101 測定用受光回路
102 補正用受光回路
120 I−V変換回路
121 オペアンプ
130 増幅回路
131 オペアンプ
694 ホルダ側アパーチャ
714 アパーチャ板
715 アパーチャ
716 レンズ
717 ビームスプリッタ
721 制御用光センサ
723 制御部側アパーチャ板
723A 制御部側アパーチャ
Claims (7)
- 検査チップを支持可能なホルダを第一軸線を中心に公転させる検査装置であって、
公転される前記ホルダの公転軌道外に配置され、光を発光する発光部と、
前記ホルダに設けられ、前記発光部から発光された光の内の一部の光を通過させるホルダ側アパーチャを有するホルダ側アパーチャ板と、
前記ホルダ側アパーチャを通過した光を受光する測定用受光部と、
前記第一軸線を中心に前記ホルダを公転させ、前記発光部と前記測定用受光部との間であって、前記光の光軸が前記ホルダ側アパーチャを通過する位置に前記ホルダを停止する公転機構と、
前記発光部と、前記ホルダ側アパーチャ板が前記光軸と直交する位置に前記公転機構により配置される前記ホルダとの間、かつ前記公転軌道外に設けられ、前記発光部からの光の一部を反射し、一部を透過するスプリッタと、
前記スプリッタからの光を受光する制御用受光部と、
前記制御用受光部の出力を増幅する制御用増幅回路と、
前記測定用受光部の出力を増幅する測定用増幅回路と、
前記制御用増幅回路の出力に基づいて前記発光部の発光光量を制御する発光制御部と
を備え、
前記スプリッタ、前記制御用受光部、前記測定用受光部、前記ホルダ側アパーチャは、前記測定用受光部の受光光量が前記制御用受光部の受光光量よりも大きくなるように構成され、
前記制御用増幅回路の増幅率が前記測定用増幅回路の増幅率以上であることを特徴とする検査装置。 - 前記スプリッタの透過率Tが、前記スプリッタの反射率Rよりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の検査装置。
- 前記測定用受光部の受光光量から電流への変換効率bが、前記制御用受光部の受光光量から電流への変換効率aよりも大きいことを特徴とする請求項1または2に記載の検査装置。
- 前記制御用受光部の受光面積AFPDが、前記ホルダ側アパーチャの開口面積AAPより小さいことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の検査装置。
- 前記制御用受光部と前記スプリッタとの間に、開口面積が前記ホルダ側アパーチャの開口面積よりも小さい制御部側アパーチャを有する制御部側アパーチャ板を備えたことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の検査装置。
- 前記測定用増幅回路から出力される電圧値の変動量に基づいて、前記制御用増幅回路の増幅率を変更する増幅率制御部を備え、
前記増幅率制御部は、記憶部に予め記憶された前記測定用受光部で検出される電圧値の変動量の目標値を読み出し、前記変動量と比較する比較手段と、
前記比較手段により、前記変動量が前記目標値の範囲内から外れる場合には、前記制御用増幅回路の増幅率を変更することを特徴とする請求項1に記載の検査装置。 - 前記制御用増幅回路は、オペアンプの非反転増幅回路から構成され、
前記非反転増幅回路の反転入力端子に接続された接地抵抗と、
前記非反転増幅回路の非反転入力端子と出力端子間に接続されるフィードバック抵抗とを備え、
前記増幅率制御部は、前記フィードバック抵抗の抵抗値を増加させることにより、前記制御用増幅回路の増幅率を増加させることを特徴とする請求項6に記載の検査装置。
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JP2015072247A JP2016191647A (ja) | 2015-03-31 | 2015-03-31 | 検査装置 |
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Family Applications (1)
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JP2015072247A Pending JP2016191647A (ja) | 2015-03-31 | 2015-03-31 | 検査装置 |
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- 2015-03-31 JP JP2015072247A patent/JP2016191647A/ja active Pending
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