JP2016191204A - 剛性防護柵への外装板の取り付け構造 - Google Patents

剛性防護柵への外装板の取り付け構造 Download PDF

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Abstract

【課題】剛性防護柵に外装板を、短工期かつ低コストで、安定的に取り付けることが可能な剛性防護柵への外装板の取り付け構造を提供する。
【解決手段】頂部梁部材12は剛性防護柵90の頂部90Aにアンカー30によって取り付けられており、外側面部材14は頂部梁部材12に取り付けられているとともに剛性防護柵90の外側面にアンカー32によって取り付けられており、内側面部材16は頂部梁部材12に取り付けられているとともに剛性防護柵90の内側面にアンカー36によって取り付けられており、外装板42は外側面部材14に取り付けられているとともに、内側面部材16に取り付けられている。
【選択図】図8

Description

本発明は、剛性防護柵への外装板の取り付け構造に関する。ここで、剛性防護柵とは、防護柵を構成する主たる部材について弾性変形内での変形しか見込まない防護柵のことである。
自動車専用道路の高架部には、車両の落下を防止するための剛性防護柵が道路に沿って立設されていることが多い。
一方、首都高速道路をはじめとする自動車専用道路は、その多くが建設から数十年を経過しており、剛性防護柵についても建設から数十年を経過したものが増えてきている。
このため、耐候性や景観性の観点から剛性防護柵に何らかの対応を行うことが求められるようになってきており、対応のひとつとして、剛性防護柵に外装板を設置することが考えられている。
具体的には、特許文献1、2では、アンカーボルトで剛性防護柵の両側面に外装板を取り付けることが提案されている。また、特許文献3では、一端が床版外側に係止され他端が外側主桁のウェブ部内側面に係止された化粧板を用いることが提案されている。
しかしながら、特許文献1、2に記載の技術では、補強板の取り付けにおいて、既存壁体を貫通するボルトを高さ方向および道路に沿う方向に密に配置することが必要と考えられ、既存壁体の内部に配置されている鉄筋のほぼ全てを現地にて探索することが必要と考えられ、工期が長くなり、建設コストも大きくなると考えられる。
また、特許文献3に記載の技術で用いる化粧板は、一端が床版外側に係止され他端が外側主桁のウェブ部内側面に係止されるような大きなものであり、大がかりな施工が必要となると考えられる。
特許第4735223号公報 特開2002−227134号公報 特開平11−100811号公報
本発明は、かかる状況に鑑みてなされたものであって、剛性防護柵に外装板を、短工期かつ低コストで、安定的に取り付けることが可能な剛性防護柵への外装板の取り付け構造を提供することを課題とする。
本発明は、以下の剛性防護柵への外装板の取り付け構造により、前記課題を解決したものである。
即ち、本発明に係る剛性防護柵への外装板の取り付け構造は、道路に沿って立設された剛性防護柵への外装板の取り付け構造であって、前記剛性防護柵の頂部に設けられて前記道路に沿う方向に間隔を開けて配置された複数の頂部梁部材と、前記剛性防護柵の外側面に沿って設けられて前記道路に沿う方向に間隔を開けて配置された複数の外側面部材と、前記剛性防護柵の内側面に沿って設けられて前記道路に沿う方向に間隔を開けて配置された複数の内側面部材と、前記剛性防護柵の外面のうちの少なくとも一部に沿う外装板と、を備えてなり、前記頂部梁部材は前記剛性防護柵の頂部にアンカーによって取り付けられており、前記外側面部材は前記頂部梁部材に取り付けられているとともに前記剛性防護柵の外側面にアンカーによって取り付けられており、前記内側面部材は前記頂部梁部材に取り付けられているとともに前記剛性防護柵の内側面にアンカーによって取り付けられており、前記頂部梁部材は前記外装板と前記剛性防護柵との間に位置し、前記外側面部材は前記外装板と前記剛性防護柵との間に位置し、前記内側面部材は前記外装板と前記剛性防護柵との間に位置し、前記外装板は前記外側面部材に取り付けられているとともに、前記内側面部材に取り付けられていることを特徴とする剛性防護柵への外装板の取り付け構造である。
なお、本願において「道路に沿う方向」とは「道路の延びる方向」のことであり、両者は同一の方向を意味している。
また、「剛性防護柵の頂部」とは、剛性防護柵の部位のうち、上面を含む上端部の部位のことである。
また、「剛性防護柵の外側面」とは、剛性防護柵の側面のうち、道路と反対側の側面のことであり、「剛性防護柵の内側面」とは、剛性防護柵の側面のうち、道路側の側面のことである。
また、「剛性防護柵の外面」とは、大気と接する剛性防護柵の表面のことであり、例えば、剛性防護柵の側面(外側面および内側面)や上面は、剛性防護柵の外面の一部である。
また、「アンカーによって取り付けられる」とは、ある部材がアンカーによって直接に取り付けられる場合だけでなく、ある部材が他の部材を介して間接的にアンカーによって取り付けられる場合も含むものとする。
前記外装板は、前記剛性防護柵の延びる方向に分割して切り離すことができ、かつ、交換可能であるようにしておくことが、維持管理の点から好ましい。
前記外装板は、前記剛性防護柵の頂部の少なくとも一部に沿う頂部外装板と、前記剛性防護柵の外側面の少なくとも一部に沿う外側面外装板と、前記剛性防護柵の内側面の少なくとも一部に沿う内側面外装板と、に3分割されているように構成してもよい。
前記頂部外装板は前記外側面外装板および前記内側面外装板に取り付けられており、前記頂部梁部材には取り付けられていないように構成してもよい。
前記頂部梁部材の前記道路に沿う方向の長さが100mm以上300mm以下であり、前記頂部梁部材の配置ピッチが500mm以上1500mm以下であるように構成してもよい。
前記頂部梁部材は、前記頂部外装板を下方から支持可能な板状部材を備えているように構成してもよい。
前記外側面部材および前記内側面部材の前記道路に沿う方向の幅が60mm以上200mm以下であり、前記外側面部材および前記内側面部材の配置ピッチが500mm以上1500mm以下であるように構成してもよい。
前記剛性防護柵が前記道路に沿って設けられた地覆上に立設されている場合、前記内側面外装板は、前記地覆の上面にアンカーによって取り付けられているように構成してもよい。
本発明によれば、剛性防護柵に外装板を、短工期かつ低コストで、安定的に取り付けることが可能であり、施工の際に産業廃棄物もほとんど発生しない。
本発明の実施形態に係る剛性防護柵への外装板の取り付け構造40の下地構造10を示す横断面図(道路の延びる方向と直交する面で切断した断面図) 下地構造10の頂部梁部材12を剛性防護柵90の延びる方向から見た拡大側面図 図2のIII−III線断面図 剛性防護柵90に取り付けられた下地構造10を道路と反対側の方向から見た側面図 図4のV−V線断面図 剛性防護柵90に取り付けられた下地構造10を道路側の方向から見た側面図 下地構造10の固定鋼板36Aの正面図 本発明の実施形態に係る剛性防護柵への外装板の取り付け構造40を示す横断面図(道路の延びる方向と直交する面で切断した断面図) 取り付け構造40の頂部(図8のIX部)を拡大して示す横断面図(道路の延びる方向と直交する面で切断した断面図) 取り付け構造40の道路側の下端部(図8のX部)を拡大して示す横断面図(道路の延びる方向と直交する面で切断した断面図)
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る剛性防護柵への外装板の取り付け構造40を詳細に説明するが、図1および図8に示すように、本発明の実施形態に係る剛性防護柵への外装板の取り付け構造40は、下地構造10に外装板42(頂部外装板44、外側面外装板46および内側面外装板48)を取り付けてなる構造である。
そこで、以下では、まず、取り付け構造40のうち、外装板42を取り付けるための下地となる下地構造10について説明し、その後に、外装板42を下地構造10に取り付けて構成される取り付け構造40について説明する。
(1)下地構造
図1は本発明の実施形態に係る剛性防護柵への外装板の取り付け構造40の下地構造10を示す横断面図(道路の延びる方向と直交する面で切断した断面図)であり、図2は下地構造10の頂部梁部材12を剛性防護柵90の延びる方向から見た拡大側面図であり、図3は図2のIII−III線断面図である。また、図4は、剛性防護柵90に取り付けられた下地構造10を道路と反対側の方向から見た側面図であり、図5は、図4のV−V線断面図であり、図6は、剛性防護柵90に取り付けられた下地構造10を道路側の方向から見た側面図であり、図7は、下地構造10の固定鋼板36Aの正面図である。なお、本実施形態において、剛性防護柵90は道路に沿って立設されており、剛性防護柵90の延びる方向は道路の延びる方向と同じ方向である。
図1に示すように、本第1実施形態の取り付け構造40の下地構造10は、剛性防護柵90の頂部90Aに設けられている頂部梁部材12と、剛性防護柵90の外側面に設けられている外側面部材14と、剛性防護柵90の内側面に設けられている内側面部材16と、を有してなる。
(1−1)頂部梁部材12
頂部梁部材12は、剛性防護柵90の頂部90Aに埋め込まれたアンカー30によって剛性防護柵90に取り付けられている。頂部梁部材12は、底面部12Aと、ウェブ部12Bと、上面部12Cと、フランジ部12Dと、連結補強部12Eと、を有してなるが、それらはいずれも鋼板で構成されており、連結部位において溶接で連結されている。
底面部12Aは、図1に示すように、剛性防護柵90の頂部90Aの上面の上方に配置されている。図3に示すように、底面部12Aの形状は細長い六角形(剛性防護柵90の厚さ方向に長くなっている。)の板状体であり、板厚方向に貫通している2つの長孔12Fが設けられている。長孔12Fは剛性防護柵90の延びる方向(道路の延びる方向)に長くなっており、長孔12Fには剛性防護柵90の頂部90Aに埋め込まれたアンカー30が挿通されており、底面部12Aはアンカー30によって剛性防護柵90の頂部90Aに固定されている。底面部12Aの道路に沿う方向(剛性防護柵90の延びる方向)の長さ(図3における長さX)は、設計に応じて適宜に設定することができるが、設計で安全が確認できたことを前提として、100mm以上300mm以下とすることが好ましい。長さXを短くする方が頂部梁部材12の重量が小さくなり施工も容易になるが、長さXを短くし過ぎると頂部梁部材12の取り付けの安定性が悪くなるおそれがあるので、長さXは100mm以上あることが好ましい。一方、長さXが長くなり過ぎると、頂部梁部材12の重量が重くなり、施工性に悪影響を与えるとともに、材料費もかさむので、長さXは300mm以下であることが好ましい。
ウェブ部12Bは、その平面方向が水平面と直交し、かつ、剛性防護柵90の厚さ方向となるように立設された板状体であり、下辺には底面部12Aが溶接されており、上辺には上面部12Cが溶接されており、道路と反対側の辺にはフランジ部12Dが溶接されており、道路側の辺には内側面部材16が溶接されており、ウェブ部12Bは多数の部材を連結している。また、ウェブ部12Bの中心付近には貫通孔12Gが設けられており、頂部梁部材12の重量を軽減するとともに、鋼材の節約をしている。
上面部12Cは、板状部材であり、その上方に配置される外装板42のうちの頂部外装板44(図8および図9参照)を下方から支持する役割を有する。図1および図2では、頂部外装板44の配置状態に合わせて、道路側が下方となるようにやや傾斜させて上面部12Cを描いているが、傾斜の有無は設計に応じて決めることができ、このような傾斜が上面部12Cに必須というわけではない。
フランジ部12Dは、道路と反対側に配置された板状体であり、その平面方向が水平面と直交し、かつ、道路の延びる方向と平行となるように立設されている。上部には、貫通孔12H(図4参照)が板厚方向に貫通するように設けられており、丸頭ボルト50(図8および図9参照)が貫通孔12Hを挿通することにより外装板42のうちの外側面外装板46が取り付けられるようになっている。また、フランジ部12Dの底面部12Aよりも下方の部位と底面部12Aの下面との間には連結補強部12Eが溶接されており、フランジ部12Dは、下方に配置される外側面部材14を頂部梁部材12と連結させる役割も有している。
連結補強部12Eは、フランジ部12Dの底面部12Aよりも下方の部位と底面部12Aの下面との間に設けられた板状体であり、その平面方向が水平面と直交し、かつ、道路の延びる方向と直交するように配置されており、フランジ部12Dおよび底面部12Aと溶接されている。連結補強部12Eは、板厚方向に貫通する貫通孔を有しており、その貫通孔にボルト20Aを挿通させることにより、連結用鋼板20を介して外側面部材14を頂部梁部材12と連結させる。また、連結補強部12Eは、フランジ部12Dと底面部12Aとの間に配置されていてそれらと溶接されているので、フランジ部12Dと底面部12Aとの連結を補強する役割も果たしている。
本実施形態では、頂部梁部材12の各部位をいずれも鋼板で構成したが、頂部梁部材12の材質は鋼に限定されるわけではなく、鋼製ではない部材を用いてもよい。安全が確認できれば、例えば、高強度プラスチック、FRP等で形成された部材を用いてもよい。また、それらを混在して用いてもよく、また、鋼製の部材とともに用いてもよい。
(1−2)外側面部材14
外側面部材14は、図1に示すように、剛性防護柵90の外側面(反道路側の側面)に沿って上下方向に配置されており、外装板42のうちの外側面外装板46が取り付けられる部材であり、外側面外装板46を支持する役割を有する。外側面部材14の下端は、図1に示すように、床版94の下面よりも下方に達している。
外側面部材14は、図4および図5に示すように、フランジ部14Aとウェブ部14Bとを有してなり、断面がT形の鋼材である。図1および図4に示すように、外側面部材14のウェブ部14Bは、連結用鋼板20およびボルト20Aを介して頂部梁部材12の連結補強部12Eに取り付けられている。また、図5に示すように、外側面部材14は、連結用山形鋼34およびボルト34Cならびに固定鋼板32Aおよびスタッドボルト32Cを介してアンカー32によって剛性防護柵90の外側面に取り付けられている。
外側面部材14のアンカー32による取り付け機構を、図4および図5に基づき、さらに説明する。
固定鋼板32Aは左右の両端部付近に長孔32Bをそれぞれ有していて、2つの長孔32Bにアンカー32が挿通されており、固定鋼板32Aはアンカー32によって剛性防護柵90の外側面に取り付けられている。図4に示すように、1つの外側面部材14に対して、2つの固定鋼板32Aが上下に設けられている。
また、固定鋼板32Aは、2つの長孔32Bの間に2本のスタッドボルト32Cを備えており、この2本のスタッドボルト32Cにそれぞれ連結用山形鋼34が取り付けられている。連結用山形鋼34は一方の板状部34P(剛性防護柵90の外側面に沿う方向の板状部)に長孔34A(図4および図5参照)を備え、他方の板状部34V(剛性防護柵90の外側面に直交する方向の板状部)に長孔34B(図1および図5参照)を備えており、板状部34Pの長孔34Aに固定鋼板32Aのスタッドボルト32Cが図4および図5に示すように挿入されていて、2つの連結用山形鋼34が固定鋼板32Aに取り付けられている。また、図5に示すように、外側面部材14のウェブ部14Bが2つの連結用山形鋼34の板状部34Vに挟まれるように配置されており、ボルト34Cが2つの連結用山形鋼34の板状部34Vの長孔34Bと外側面部材14のウェブ部14Bの貫通孔14Dを挿通することによって、外側面部材14のウェブ部14Bが連結用山形鋼34と連結している。
上記の如く連結することによって、外側面部材14は、連結用山形鋼34、ボルト34C、スタッドボルト32C、固定鋼板32A、およびアンカー32によって剛性防護柵90の外側面に取り付けられている。なお、固定鋼板32Aと剛性防護柵90の外側面との間には、さらにゴム材料を配置してもよい。用いるゴム材料としては、例えば、厚さ3mmのクロロプレンゴムが考えられる。固定鋼板32Aと剛性防護柵90の外側面との間にゴム材料を配置することにより、アンカー32による固定鋼板32Aの取り付けの安定性を向上させることができる。
また、外側面部材14のフランジ部14Aには、図4に示すように、外側面外装板46を取り付けるための貫通孔14Cが上下方向に2列(各列に7つ)に設けられており、丸頭ボルト50(図8、図9参照)が貫通孔14Cを挿通することにより、外側面外装板46を外側面部材14に取り付けることができるようになっている。
外側面部材14の道路に沿う方向の幅(外側面部材14のフランジ部14Aの道路に沿う方向の幅)は、設計に応じて適宜に設定することができるが、設計で安全が確認できたことを前提として、60mm以上200mm以下とすることが好ましい。外側面部材14のフランジ部14Aの道路に沿う方向の幅を小さくし過ぎると、外側面外装板46を取り付けるための貫通孔14Cを設けることが困難になるので、外側面部材14のフランジ部14Aの道路に沿う方向の幅は60mm以上とすることが好ましい。一方、外側面部材14のフランジ部14Aの道路に沿う方向の幅が大きくなり過ぎると、外側面部材14の重量が重くなり、施工性に悪影響を与えるとともに、材料費もかさむので、外側面部材14のフランジ部14Aの道路に沿う方向の幅は200mm以下であることが好ましい。
本実施形態では、外側面部材14の各部位をいずれも鋼材で構成したが、外側面部材14の材質は鋼に限定されるわけではなく、鋼製ではない部材を用いてもよい。安全が確認できれば、例えば、高強度プラスチック、FRP等で形成された部材を用いてもよい。また、それらを混在して用いてもよく、また、鋼製の部材とともに用いてもよい。
(1−3)内側面部材16
内側面部材16は、図1に示すように、剛性防護柵90の内側面(道路側の側面)に沿って上下方向に配置されており、外装板42のうちの内側面外装板48が取り付けられる部材であり、内側面外装板48を支持する役割を有する。
内側面部材16は鋼板であり、図2に示すように、頂部梁部材12の底面部12Aおよびウェブ部12Bの道路側の辺に溶接により取り付けられている。また、図6に示すように、内側面部材16は、固定鋼板36Aを介してアンカー36によって剛性防護柵90の内側面に取り付けられている。
内側面部材16のアンカー36による取り付け機構を、図6に基づき、さらに説明する。
固定鋼板36Aは左右の両端部付近に長孔36Bをそれぞれ有していて、2つの長孔36Bにアンカー36が挿通されており、固定鋼板36Aはアンカー36によって剛性防護柵90の内側面に取り付けられている。図6に示すように、1つの内側面部材16に対して、2つの固定鋼板36Aが上下に設けられている。
また、固定鋼板36Aは、図7(固定鋼板36Aの正面図)に示すように、2つの長孔36Bの間に2つのねじ切り貫通孔36Cを備えている。2つのねじ切り貫通孔36Cの内面にはねじが切られており、六角穴付きボルト16Dをねじ込むことができるようになっている。内側面部材16には、固定鋼板36Aの2つのねじ切り貫通孔36Cの位置と対応するように2つの貫通孔16Bが設けられている。2つの貫通孔16Bの周囲には、それぞれ座ぐり孔16Cが設けられている。座ぐり孔16Cの深さは、例えば5mm程度である。
固定鋼板36Aの2つのねじ切り貫通孔36Cと内側面部材16の2つの貫通孔16Bの位置を合わせて、六角穴付きボルト16Dをねじ込むことにより、内側面部材16が固定鋼板36Aに取り付けられている。
上記の如く連結することによって、内側面部材16は、六角穴付きボルト16D、固定鋼板36A、およびアンカー36によって剛性防護柵90の内側面に取り付けられている。なお、固定鋼板36Aと剛性防護柵90の内側面との間には、さらにゴム材料を配置してもよい。用いるゴム材料としては、例えば、厚さ3mmのクロロプレンゴムが考えられる。固定鋼板36Aと剛性防護柵90の内側面との間にゴム材料を配置することにより、アンカー36による固定鋼板36Aの取り付けの安定性を向上させることができる。
また、内側面部材16には、図6に示すように、内側面外装板48を取り付けるための貫通孔16Aが上下方向に2列(各列に4つ)に設けられており、丸頭ボルト52(図8、図9参照)が貫通孔16Aを挿通することにより、内側面外装板48を内側面部材16に取り付けることができるようになっている。
内側面部材16の道路に沿う方向の幅は、設計に応じて適宜に設定することができるが、設計で安全が確認できたことを前提として、60mm以上200mm以下とすることが好ましい。内側面部材16の道路に沿う方向の幅を小さくし過ぎると、内側面外装板48を取り付けるための貫通孔16Aを設けることが困難になるので、内側面部材16の道路に沿う方向の幅は60mm以上とすることが好ましい。一方、内側面部材16の道路に沿う方向の幅が大きくなり過ぎると、内側面部材16の重量が重くなり、施工性に悪影響を与えるとともに、材料費もかさむので、内側面部材16の道路に沿う方向の幅は200mm以下であることが好ましい。
本実施形態では、内側面部材16を鋼板で構成したが、内側面部材16の材質は鋼に限定されるわけではなく、鋼製ではない部材を用いてもよい。安全が確認できれば、例えば、高強度プラスチック、FRP等で形成された部材を用いてもよい。また、それらを混在して用いてもよく、また、鋼製の部材とともに用いてもよい。
(1−4)下地構造10の配置
以上の如く下地構造10は構成されて剛性防護柵90に取り付けられているが、下地構造10の配置ピッチは、設計で安全が確認できたことを前提として、設計によって適宜に設定すればよい。具体的には、例えば、下地構造10の配置ピッチを500mm以上1500mm以下の範囲に設定することが考えられる。
下地構造10はこのように間隔を開けて配置されるので、下地構造10を剛性防護柵90に取り付けるためのアンカー30、32、36を打ち込む位置は剛性防護柵90の全面にわたるわけではない。このため、下地構造10を用いた取り付け構造である本実施形態に係る取り付け構造40においては、アンカー30、32、36を設置するために剛性防護柵90の鉄筋位置を探索する手間は少なく済み、剛性防護柵90の特定の範囲(下地構造10が配置される位置ごとのアンカー設置位置)についてのみ鉄筋位置を探索すればよい。また、剛性防護柵90の全面にわたってアンカーを設置するわけではないので、埋め込むアンカー30、32、36の本数も少なくて済み、工期を短くすることができ、工事費も少なくすることができる。
また、本実施形態における下地構造10は、前記の如く間隔を開けて配置されているので、車両の衝突により損傷を受けた場合であっても、損傷を受けた下地構造10のみを容易に交換することが可能であり、車両の衝突後の復旧費用および復旧に要する時間を低減させることができる。
(2)外装板の取り付け構造
図8は本発明の実施形態に係る剛性防護柵への外装板の取り付け構造40を示す横断面図(道路の延びる方向と直交する面で切断した断面図)であり、図9は、取り付け構造40の頂部(図8のIX部)を拡大して示す横断面図(道路の延びる方向と直交する面で切断した断面図)であり、図10は、取り付け構造40の道路側の下端部(図8のX部)を拡大して示す横断面図(道路の延びる方向と直交する面で切断した断面図)である。
図8および図9に示すように、剛性防護柵90の外周を覆う外装板42は、剛性防護柵90の頂部90Aに沿う面を有する頂部外装板44と、剛性防護柵90の外側面に沿う面を有する外側面外装板46と、剛性防護柵90の内側面に沿う面を有する内側面外装板48と、に分割されている。
頂部外装板44は外側面外装板46の上端部および内側面外装板48の上端部に取り付けられ、下地構造10に直接取り付けられる箇所はない。このため、頂部外装板44の取り付けは、外側面外装板46の外側面部材14への取り付け、および内側面外装板48の内側面部材16への取り付けが終了した後に行えばよい。
外側面外装板46の外側面部材14への取り付け、および内側面外装板48の内側面部材16への取り付けについては、施工のしやすい順番で行えばよい。本実施形態では、外側面外装板46の取り付け、内側面外装板48の取り付け、頂部外装板44の取り付けの順番で取り付けを行うものとし、この順番に説明を行う。
(2−1)外側面外装板46
外側面外装板46は、図8および図9に示すように、丸頭ボルト50によって頂部梁部材12のフランジ部12Dおよび外側面部材14のフランジ部14Aに取り付けられている。また、外側面外装板46の下端は、図8に示すように、床版94の下面よりも下方に達している。
本実施形態では、外側面外装板46を頂部梁部材12のフランジ部12Dおよび外側面部材14のフランジ部14Aに取り付けるために設けられた貫通孔は、図4に示すように2列に設けられていて、各列における貫通孔の数は8つ(頂部梁部材12のフランジ部12Dに1つ、外側面部材14のフランジ部14Aに7つ)である。一番上の貫通孔は、頂部梁部材12のフランジ部12Dの上部に設けられた貫通孔12Hであり、上から2番目以降の7つの貫通孔は、外側面部材14のフランジ部14Aに設けられた貫通孔14Cである。
外側面外装板46の水平方向の端部には、頂部梁部材12のフランジ部12Dに設けられた貫通孔12Hおよび外側面部材14のフランジ部14Aに設けられた貫通孔14Cの位置に合わせて貫通孔が設けられている。外側面外装板46の水平方向の端部に設けた貫通孔が、頂部梁部材12のフランジ部12Dに設けられた貫通孔12Hおよび外側面部材14のフランジ部14Aに設けられた貫通孔14Cの位置に合うように外側面外装板46を配置して、丸頭ボルト50を貫通孔12Hおよび貫通孔14Cに挿通させ、また、外側面外装板46の水平方向のもう一方の端部についても、同様に丸頭ボルト50を貫通孔12Hおよび貫通孔14Cに挿通させて、外側面外装板46の水平方向の両端部が頂部梁部材12のフランジ部12Dおよび外側面部材14のフランジ部14Aに取り付けられている。
上記の如く、本実施形態に係る取り付け構造40においては、外側面外装板46の水平方向の両端部が、頂部梁部材12のフランジ部12Dおよび外側面部材14のフランジ部14Aに取り付けられている。
また、本実施形態に係る取り付け構造40においては、外側面外装板46は、剛性防護柵90の延びる方向(道路に沿う方向)に分割された構成にしている。このように分割された構成とすることにより、車両の衝突により損傷を受けた場合であっても、損傷を受けた外側面外装板46のみを容易に交換することが可能となり、車両の衝突後の復旧費用および復旧に要する時間を低減させることができる。施工性のことも考慮すると、外側面外装板46の長さ(剛性防護柵90の延びる方向の長さ)は、500mm以上1500mm以下とすることが好ましい。また、この程度の長さとすることにより、車両の衝突等により損傷した場合でも、交換すべき外側面外装板46の範囲を小さくすることができる。
また、外側面外装板46の材質は特には限定されず、例えば、鋼、プラスチック、FRP等を用いることができる。また、それらを混在して用いてもよい。
(2−2)内側面外装板48
内側面外装板48は、図8および図9に示すように、丸頭ボルト52によって内側面部材16に取り付けられる。
本実施形態では、内側面外装板48を内側面部材16に取り付けるために設けられた貫通孔は、図6に示すように2列に設けられていて、各列における貫通孔の数は4つである。
内側面外装板48の水平方向の端部には、内側面部材16に設けられた貫通孔16Aの位置に合わせて貫通孔が設けられている。内側面外装板48の水平方向の端部に設けた貫通孔が、内側面部材16に設けられた貫通孔16Aの位置に合うように内側面外装板48を配置して、丸頭ボルト52を貫通孔16Aに挿通させ、また、内側面外装板48の水平方向のもう一方の端部についても、同様に丸頭ボルト52を貫通孔16Aに挿通させて、内側面外装板48の水平方向の両端部が内側面部材16に取り付けられている。
内側面外装板48の下端部には、図10に示すように、道路側に傾斜した傾斜部48Aおよび鉛直下向きに延びる鉛直部48Bが形成されている。鉛直部48Bには図示せぬ貫通孔が設けられており、該貫通孔を挿通する丸頭ボルト64によって折り曲げ鋼板62の鉛直部62Aが図10に示すように連結されている。折り曲げ鋼板62の水平部62Bには図示せぬ貫通孔が設けられていて、該貫通孔には地覆92の上面に埋め込まれたアンカー60が挿通しており、折り曲げ鋼板62はアンカー60によって地覆92に固定されている。このようにして、内側面外装板48の下端部は、丸頭ボルト64、折り曲げ鋼板62およびアンカー60により地覆92の上面に取り付けられている。
上記の如く、本実施形態に係る取り付け構造40においては、内側面外装板48の水平方向の両端部が、内側面部材16に取り付けられており、また、下端部が地覆92の上面に取り付けられている。
また、本実施形態に係る取り付け構造40においては、内側面外装板48は、剛性防護柵90の延びる方向(道路に沿う方向)に分割された構成にしている。このように分割された構成とすることにより、車両の衝突により損傷を受けた場合であっても、損傷を受けた内側面外装板48のみを容易に交換することが可能となり、車両の衝突後の復旧費用および復旧に要する時間を低減させることができる。施工性のことも考慮すると、内側面外装板48の長さ(剛性防護柵90の延びる方向の長さ)は、500mm以上1500mm以下とすることが好ましい。また、この程度の長さとすることにより、車両の衝突等により損傷した場合でも、交換すべき内側面外装板48の範囲を小さくすることができる。
また、内側面外装板48の材質は特には限定されず、例えば、鋼、プラスチック、FRP等を用いることができる。また、それらを混在して用いてもよい。
(2−3)頂部外装板44
頂部外装板44は、図8および図9に示すように、反道路側の端部が外側面外装板46の上端部に丸頭ボルト54によって取り付けられており、道路側の端部が内側面外装板48の上端部に丸頭ボルト56によって取り付けられており、下地構造10に直接取り付けられる箇所はない。このため、頂部外装板44の取り付けは、外側面外装板46の外側面部材14への取り付け、および内側面外装板48の内側面部材16への取り付けが終了した後に行えばよい。
上記の如く、本実施形態に係る取り付け構造40においては、頂部外装板44は、図8および図9に示すように、反道路側の端部が外側面外装板46の上端部に取り付けられており、道路側の端部が内側面外装板48の上端部に取り付けられている。
また、本実施形態に係る取り付け構造40においては、頂部外装板44は、剛性防護柵90の延びる方向(道路に沿う方向)に分割された構成にしている。このように分割された構成とすることにより、車両の衝突により損傷を受けた場合であっても、損傷を受けた頂部外装板44のみを容易に交換することが可能となり、車両の衝突後の復旧費用および復旧に要する時間を低減させることができる。施工性のことも考慮すると、頂部外装板44の長さ(剛性防護柵90の延びる方向の長さ)は、500mm以上1500mm以下とすることが好ましい。また、この程度の長さとすることにより、車両の衝突等により損傷した場合でも、交換すべき頂部外装板44の範囲を小さくすることができる。
また、頂部外装板44の材質は特には限定されず、例えば、鋼、プラスチック、FRP等を用いることができる。また、それらを混在して用いてもよい。
以上、「(1)下地構造」および「(2)外装板の取り付け構造」において、本実施形態に係る取り付け構造40およびその下地構造10について説明してきたが、本実施形態に係る取り付け構造40においては既存の剛性防護柵90をそのまま活用するので、産業廃棄物をほとんど出さずに施工を行うことができる。
(本発明の適用対象となり得る剛性防護柵)
以上説明してきた実施形態に係る取り付け構造40およびその下地構造10では、適用対象の剛性防護柵90を直壁型(柵の両側面が地面に対して90度の垂直面である剛性防護柵)としたが、本発明の適用対象となり得る剛性防護柵は直壁型に限られず、柵の側面が地面に対して傾斜していている剛性防護柵(例えば、柵の側面が傾斜面である単スロープ型やフロリダ型の剛性防護柵)であっても本発明の適用対象となり得る。
柵の側面が水平面に対して傾斜している剛性防護柵に対して本発明に係る取り付け構造を適用する場合は、剛性防護柵の側面の水平面に対する傾斜に合うように、下地構造の各部材を作製して、取り付け構造に用いればよい。
10…下地構造
12…頂部梁部材
12A…底面部
12B…ウェブ部
12C…上面部
12D…フランジ部
12E…連結補強部
12F、32B、34A、34B、36B…長孔
12G、12H、14C、14D、16A、16B…貫通孔
14…外側面部材
14A…フランジ部
14B…ウェブ部
16…内側面部材
16C…座ぐり孔
16D…六角穴付きボルト
20…連結用鋼板
20A、34C…ボルト
30、32、36、60…アンカー
32A、36A…固定鋼板
32C…スタッドボルト
34…連結用山形鋼
34P、34V…板状部
36C…ねじ切り貫通孔
40…取り付け構造
42…外装板
44…頂部外装板
46…外側面外装板
48…内側面外装板
48A…傾斜部
48B…鉛直部
50、52、54、56、64…丸頭ボルト
62…折り曲げ鋼板
62A…鉛直部
62B…水平部
90…剛性防護柵
90A…頂部
92…地覆
94…床版

Claims (8)

  1. 道路に沿って立設された剛性防護柵への外装板の取り付け構造であって、
    前記剛性防護柵の頂部に設けられて前記道路に沿う方向に間隔を開けて配置された複数の頂部梁部材と、
    前記剛性防護柵の外側面に沿って設けられて前記道路に沿う方向に間隔を開けて配置された複数の外側面部材と、
    前記剛性防護柵の内側面に沿って設けられて前記道路に沿う方向に間隔を開けて配置された複数の内側面部材と、
    前記剛性防護柵の外面のうちの少なくとも一部に沿う外装板と、
    を備えてなり、
    前記頂部梁部材は前記剛性防護柵の頂部にアンカーによって取り付けられており、
    前記外側面部材は前記頂部梁部材に取り付けられているとともに前記剛性防護柵の外側面にアンカーによって取り付けられており、
    前記内側面部材は前記頂部梁部材に取り付けられているとともに前記剛性防護柵の内側面にアンカーによって取り付けられており、
    前記頂部梁部材は前記外装板と前記剛性防護柵との間に位置し、前記外側面部材は前記外装板と前記剛性防護柵との間に位置し、前記内側面部材は前記外装板と前記剛性防護柵との間に位置し、
    前記外装板は前記外側面部材に取り付けられているとともに、前記内側面部材に取り付けられていることを特徴とする剛性防護柵への外装板の取り付け構造。
  2. 前記外装板は、前記剛性防護柵の延びる方向に分割して切り離すことができ、かつ、交換可能であることを特徴とする請求項1に記載の剛性防護柵への外装板の取り付け構造。
  3. 前記外装板は、前記剛性防護柵の頂部の少なくとも一部に沿う頂部外装板と、前記剛性防護柵の外側面の少なくとも一部に沿う外側面外装板と、前記剛性防護柵の内側面の少なくとも一部に沿う内側面外装板と、に3分割されていることを特徴とする請求項1または2に記載の剛性防護柵への外装板の取り付け構造。
  4. 前記頂部外装板は前記外側面外装板および前記内側面外装板に取り付けられており、前記頂部梁部材には取り付けられていないことを特徴とする請求項3に記載の剛性防護柵への外装板の取り付け構造。
  5. 前記頂部梁部材の前記道路に沿う方向の長さは100mm以上300mm以下であり、前記頂部梁部材の配置ピッチは500mm以上1500mm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の剛性防護柵への外装板の取り付け構造。
  6. 前記頂部梁部材には、前記頂部外装板を下方から支持可能な板状部材を備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の剛性防護柵への外装板の取り付け構造。
  7. 前記外側面部材および前記内側面部材の前記道路に沿う方向の幅は60mm以上200mm以下であり、前記外側面部材および前記内側面部材の配置ピッチは500mm以上1500mm以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の剛性防護柵への外装板の取り付け構造。
  8. 前記剛性防護柵は、前記道路に沿って設けられた地覆上に立設されており、
    前記内側面外装板は、前記地覆の上面にアンカーによって取り付けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の剛性防護柵への外装板の取り付け構造。
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