JP2016191017A - ナノカーボンを含有する機能性多孔体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
なお、気孔率が下限以下であると、比表面積が大きく低下するので多孔体としての利点が失われてしまうこととなるので好ましくなく、上限を超えると多孔質高分子系材料の機械強度が著しく弱くなり取り扱いが困難となる。
この工程で使用される第1の溶媒は、高分子系材料に対して良溶媒であることが必要である。ここで、良溶媒とは、高分子系材料を溶かす能力の大きい溶媒のことを意味する。具体的には、良溶媒1Lに対して高分子量体(高分子系材料)10g以上が、好ましくは20g以上が、より好ましくは40g以上が溶解することを意味する。以下に高分子系材料に対する良溶媒を例示するが、こうした溶解性を満たせば例示に限られるものではない。例えば、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトニトリル、ポリエチレングリコール、メタノールやエタノールといった低級アルコール類等の、比較的高い極性の物が好適であるが、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、テトラヒドロフラン(THF)、アセトンやメチルエチルケン(MEK)等のケトン系溶媒、酢酸エチルや酢酸ブチル等のエステル系溶媒等から選ばれる1以上であり、分散剤の溶解性を考慮すると比較的高極性の有機溶媒がより好ましい。
カチオン系界面活性剤としては、例えば、四級アンモニウム塩が挙げられる。具体的には、トリメチルセチルアンモニウムクロライド、ドデシルトリメチルアンモニウムハライド、ヤシ油アルキルトリメチルアンモニウムハライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムハライド、牛脂アルキルトリメチルアンモニウムハライド、オクタデシルアンモニウムハライド、アルキルイミダゾリウムハライド等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ノニオン系界面活性剤としては、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルポリグルコシド、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
A)NC含有多孔体を溶媒に溶解させ、NCを0.1μm以下のメンブレンフィルターでろ過し、回収されたNCの重量から算出した。
B)溶媒に溶解しないNC含有多孔体については、NCを除いた同一の高分子系材料(高分子材料だけでなく、その前駆体、又はそれに類する固体を包含する)から得られた多孔体を別途作製し、これら二つの多孔体を元素分析に掛け、両者の炭素割合の差分から算出した。
NCとして、CNTの一種であるMWCNT(Nanocy社製品:直径9.5nm、長さ1.5μm、アスペクト比150)を40.1g、良溶媒であるDMSO1500g中に加え、十分湿らせた後、両性分子として3−(N,N−ジメチルステアリルアンモニオ)プロパンスルホネート(Fluka社試薬)を5.03g、界面活性剤としてコール酸を20.0g、更に安定剤を加え、ポットミル用陶磁容器中で良く撹拌した。その後、16時間ボールミル処理を行い、さらに4時間ビーズミル処理を施し、2.0wt%のMWCNT分散溶液を得た。
得られたNC含有高分子系多孔体のSEM写真(倍率:×10,000)を図1に示す。また、比較のため、比較例1で得られた高分子系多孔体(CNTを含有しないもの)のSEM写真(倍率同じ)を図2に示す。これら図1、図2から、実施例1のCNT含有高分子系多孔体は、表面にCNTが析出しておらず、多孔体基質としての高分子系材料の内部にCNTが分散して取り込まれていることが読み取れる。
実施例1と同様にして分散液中のMWCNTの含有量がそれぞれ、実施例2では1.5wt%、実施例3では1.0wt%、参考例1では0.5wt%になるように調整したCNT分散液を用い、実施例1の多孔体の調製と同様の手順で、それぞれ実施例2、3及び参考例1の高分子系多孔体を得た。得られた多孔体の外周及び内部ともに黒色であった。
CNTを加えずに、実施例1と同様の手順でCNTの含浸されていないPAN多孔体を得た。このPAN多孔体のSEM写真(倍率×10,000)を図2に示す。
比較例1で得られたPAN多孔体(NCの含浸されていないもの)を2.0%のCNT水分散液に24hr浸漬し、その後引上げて乾燥した。こうしてNC水分散液で浸漬処理された多孔体は、その外周は黒色であったが、これを切断して切断面を確認したところ、外周部を除く内面は白色であった。よって、高分子系多孔体内部までCNTが入り込んでいなかった。
Claims (9)
- ナノカーボンを第1の溶媒中に分散させる工程、ナノカーボンが分散された第1の溶媒に高分子系材料を溶解させて高分子系材料の溶解液を得る工程、該溶解液に第2の溶媒を加え、加熱後冷却してナノカーボンが分散された高分子系材料の多孔体を相分離した後、溶媒を除去してナノカーボン含有高分子系多孔体を得る工程を含み、前記第1の溶媒が高分子系材料に対して良溶媒であり、第2の溶媒が高分子系材料に対して貧溶媒であり、相分離した後に溶媒を除去して得られる高分子系材料の多孔体は、多孔質高分子系材料にナノカーボンが分散して取り込まれているナノカーボン含有高分子系多孔体であり、該多孔体の気孔率が50〜95%であり、ナノカーボンを10〜60wt%の範囲で含有していることを特徴とするナノカーボン含有高分子系多孔体の製造方法。
- 得られるナノカーボン含有高分子系多孔体の気孔率が80〜95%であり、該多孔体にナノカーボンを25〜40wt%の範囲で含有していることを特徴とする請求項1に記載のナノカーボン含有高分子系多孔体の製造方法。
- ナノカーボンを第1の溶媒中に分散させる工程において、ナノカーボンを分散した第1の溶媒に両性分子を混合した分散液とし、該両性分子による両性イオンの静電引力又は静電斥力を利用して、ナノカーボン凝集体を分散する請求項1又は2に記載のナノカーボン含有高分子系多孔体の製造方法。
- ナノカーボンを第1の溶媒中に分散させる工程において、ナノカーボンを分散した第1の溶媒に界面活性剤を2種以上混合した分散液とし、該界面活性剤による静電引力又は静電斥力を利用して、ナノカーボン凝集体を分散する請求項1又は2に記載のナノカーボン含有高分子系多孔体の製造方法。
- ナノカーボンが、カーボンナノチューブ、グラフェン及びカーボンナノホーンからなる群から選択される一又は二以上である請求項1〜4のいずれかに記載のナノカーボン含有高分子系多孔体の製造方法。
- 高分子系材料が、ポリアクリロニトリル、ポリアミック酸、可溶性ポリイミド、フェノキシ樹脂、縮合多環芳香族樹脂、石炭系樹脂、ポリスチレン、ジビニルベンゼン系樹脂、及びポリオルガノシロキサンからなる群から選択される一又は二以上である請求項1〜5のいずれかに記載のナノカーボン含有高分子系多孔体の製造方法。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法によってナノカーボン含有高分子系多孔体を得た後、該多孔体の高分子系材料を炭化又は黒鉛化させて全体として炭素質にすることを特徴とするナノカーボン含有炭素質多孔体の製造方法。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法によって得られることを特徴とするナノカーボン含有高分子系多孔体。
- 請求項7に記載の製造方法によって得られることを特徴とするナノカーボン含有炭素質多孔体。
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