JP2016190343A - 金属板へのラミネート用フィルム - Google Patents

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【課題】 本発明は、レトルト処理適性、絞り加工性、しごき加工性に優れたラミネート用フィルムの提供を目的とするもので、レトルト処理を行っても白化したり、金属板から剥離したりすることのないラミネート用フィルムであって、絞り加工等によっても剥離しないラミネート用フィルムの提供を課題とする。【解決手段】 接着層と基材層とを備える未延伸フィルムであって、前記接着層はポリブチレンテレフタレート系樹脂85〜55重量%とポリエチレンテレフタレート系樹脂15〜45重量%とからなる樹脂組成物から形成され、前記基材層はポリブチレンテレフタレート系樹脂が90重量%以上である樹脂組成物から形成されており、前記基材層の厚さが未延伸フィルム全体の厚さの1/2以上であることを特徴とする金属板へのラミネート用フィルム。【選択図】 図1

Description

本発明は、飲料缶や食缶(以下、「飲食料缶」と称する)等の材料として用いられる金属板へのラミネート用フィルムに関する。本発明のラミネート用フィルムは、製缶に際して絞り加工やしごき加工(以下、「絞り加工等」と称する)が行われるDR缶やDI缶といった2ピース缶の缶胴材の為の金属板へのラミネート用フィルムとして特に適する。
飲食料缶は、機械的強度、密閉性に優れる容器である。また内容物を高温で充填してそのまま密封することが可能で、レトルト処理などの殺菌処理も容易に行えるため、さまざまな飲食料の容器として使用されている。
飲食料缶に用いられる金属板には、従来、内容物の風味を保つと同時に、金属板の腐食を防止するため、あるいは缶外面の美粧性の向上、印刷面の保護等を目的として、熱硬化性樹脂を主成分とする溶剤型塗料が塗布されてきた。
しかしながらこのような塗装缶においては、以下のような問題がある。
(イ)塗膜中の残留溶剤等の低分子量物質が内容物中に移行し、内容物の風味が低下する恐れがある。
(ロ)有機溶剤を多量に使用する為、環境負荷が大きく、更に塗膜の乾燥、焼き付けにも多量の熱エネルギーが必要である。
このような問題のない飲食料缶として、近年、ラミネート缶が注目されている。ラミネート缶とは、溶剤型塗料に代えてプラスチックフィルムをラミネートした金属板(以下、ラミネート金属板と称す)を成形加工した缶であり、内容物の風味を低下し難く、有機溶剤を使用しない為、環境負荷も小さい。
当該ラミネート金属板に用いられるプラスチックフィルム(以下、「ラミネート用フィルム」と称す)としては、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが広く用いられているが、近年、ポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」と略称する)の短所を補うために、PETにポリブチレンテレフタレート(以下、「PBT」と略称する)をブレンドすることが提案されている。
特許文献1は、金属板との接着性、耐レトルト性、フレーバー性、耐衝撃性等に優れたラミネート用フィルムの提供を目的とした発明であり、該ラミネート用フィルムとして、PET又はこれを主体とする極限粘度が0.50~0.90のポリエステル(A)10~60重量%と、PBT又はこれを主体とする極限粘度が0.60以上のポリエステル(B)90~40重量%とからなるポリエステル樹脂組成物で構成されたフィルムであり、更に熱特性が特定の条件を満足するフィルムが提案されている。
特許文献2は、金属板との熱ラミネート性、缶の成形性、特に絞り成形やしごき成形等の高次加工性に優れ、更に内容物の保味保香性にも優れたラミネート用フィルムの提供を目的とし、PET又はこれを主体とするポリエステル(I)90〜45質量%とPBT又はこれを主体とするポリエステル(II)10〜55質量%とからなるポリエステルA層と、ポリエステル(I)55〜25質量%とポリエステル(II)45〜75質量%とからなるB層とを積層してなる、少なくとも2層のラミネート用フィルムが提案されている。
特許文献3には、ラミネート性、耐摩耗性、成形加工性に優れ、金属板と貼り合せて成形加工されたあとに、美麗性に優れたラミネート用フィルムとして、融点が246〜270℃のエチレンテレフタレートを主な繰り返し単位とするポリエステル1を80〜20重量%、融点が180〜240℃のブチレンテレフタレートを主な繰り返し単位とするポリエステル2を20〜80重量%混合して成るポリエステル層(A層)の少なくとも片面に、エチレンテレフタレートおよび/またはブチレンテレフタレートを主な繰り返し単位とするポリエステル3よりなる層(B層)を積層して為るポリエステルフィルムであって、フィルムのCOOH末端基量が特定範囲であり、かつA層および/またはB層に白色顔料を混合することを特徴とする白色のラミネート用フィルムが提案されている。
しかしながらこれらのフィルムはすべて延伸フィルムであるため、絞り加工等を行う際に均一に拡張し難い。近年、飲食料缶は大容量化、薄肉化の要求が進みつつあり、絞り加工等におけるラミネート用フィルムの変形加工割合が増大している。そのためラミネート用フィルムとして延伸フィルムを用いた場合は、絞り加工等により金属板から剥離する恐れがあった。
また飲食料缶はしばしばレトルト処理が行われるが、ラミネート用フィルムの種類によっては、レトルト処理時に白く変色(以下、「レトルト白化」と称する)することがあった。レトルト白化の問題は、主としてフィルムを着色し、白化を隠蔽するという手段により解決されている。特許文献4では、ラミネート用フィルム(皮膜構造)として金属板面に接する層がPBTもしくはPBTが90mass%以上のポリエステル層とすることを提案している。特許文献4には、レトルト白化はレトルト処理時にフィルム内に浸入してきた水蒸気に起因すること、このような水蒸気の浸入を防止するためには、金属板に接する層に結晶化速度の速いPBTを用いるとよいことが記載されている。
特開平10−195210 特開2002−307631 特開2003−127307 特開2005−254629
本発明者らは、レトルト処理適性、絞り加工性、しごき加工性に優れたラミネート用フィルムを鋭意検討する過程で、特許文献4記載のラミネート用フィルムは、レトルト白化は起こり難いものの、加工条件によっては金属板に対し密着不良となることを見出した。
ラミネート金属板における主な密着不良は以下の3つである。
(1)ラミネート用フィルムと金属板とを貼合した際の密着性(以下、「一次密着性」と称す)が不足し、貼合直後に金属板からラミネート用フィルムが剥離する。
(2)ラミネート用フィルムと金属板とを貼合した後、得られるラミネート金属板をレトルト処理した際の密着性(以下、「二次密着性」と称す)が低下し、レトルト処理直後に金属板からラミネート用フィルムが剥離する。
(3)ラミネート用フィルムと金属板とを貼合し、絞り加工等を行った後にレトルト処理を行った際の密着性(以下、「成形後密着性」と称す)が低下し、金属板からラミネート用フィルムが剥離する。
特許文献4記載のラミネート用フィルムは、一次密着性は良好であるが、二次密着性、成形後密着性が満足できるものではなかった。
本発明は、レトルト処理適性、絞り加工性、しごき加工性に優れたラミネート用フィルムの提供を目的とするもので、レトルト処理を行っても白化したり、金属板から剥離したりすることのないラミネート用フィルムであって、絞り加工後のレトルト処理等によっても剥離しないラミネート用フィルムの提供を課題とする。
本発明者らは上記課題を解決するための手段を鋭意検討した結果、ラミネート用フィルムの主たる層を結晶化速度が速くレトルト白化し難いPBT系樹脂が90重量%以上である樹脂組成物から形成し、さらに接着層にPET系樹脂を15~45重量%添加することにより、上記課題が解決できることを見出した。PET系樹脂の使用は、密着性の改善に寄与するがレトルト白化を誘発する恐れがある。しかしながら本発明者らは、当該樹脂の配合割合が45重量%以下であればレトルト白化を顕著に抑制できることを見出したのである。
即ち、本発明によると上記課題を解決するための手段として、接着層と基材層とを備える未延伸フィルムであって、前記接着層はポリブチレンテレフタレート系樹脂85〜55重量%とポリエチレンテレフタレート系樹脂15〜45重量%とからなる樹脂組成物から形成され、前記基材層はポリブチレンテレフタレート系樹脂が90重量%以上である樹脂組成物から形成されており、前記基材層の厚さが未延伸フィルム全体の厚さの1/2以上であることを特徴とする金属板へのラミネート用フィルムが提供され、
前記基材層の、前記接着層を備える面と反対側の面に、外層を備えることを特徴とする前記金属板へのラミネート用フィルムが提供され、
厚さが25μm以下であることを特徴とする前記金属板へのラミネート用フィルムが提供され
前記ポリエチレンテレフタレート系樹脂が、ポリエチレンテレフタレートのホモポリマーであることを特徴とする前記金属板へのラミネート用フィルムが提供される。
更に本発明によると、前記基材層がポリブチレンテレフタレート系樹脂99.5〜90重量%とポリエチレンテレフタレート系樹脂0.5〜10重量%とからなる樹脂組成物から形成されることを特徴とする前記金属板へのラミネート用フィルムが提供され、
前記ポリエチレンテレフタレート系樹脂が、ポリエチレンテレフタレートのホモポリマーであることを特徴とする前記金属板へのラミネート用フィルムが提供され、
前記金属板が2ピース缶の缶胴材として用いられることを特徴とする前記金属板へのラミネート用フィルムが提供され、
前記金属板へのラミネート用フィルムの製造方法であって、共押出キャスティング法によることを特徴とする金属板へのラミネート用フィルムの製造方法が提供される。
本発明の金属板へのラミネート用フィルムは、金属板との一次密着性に優れるだけでなく、二次密着性、成形後密着性にも優れ、更にレトルト処理を行ってもほとんど白化することがない。
よって、本発明のラミネート用フィルムを貼合した金属板は、レトルト処理適性、絞り加工性、しごき加工性に優れる。
本発明のラミネート用フィルムの模式断面図で、二層構成のラミネート用フィルムの模式断面図(α)及び三層構成のラミネート用フィルムの模式断面図(β)である。
以下、本発明を詳細に説明する。尚、本発明のラミネート用フィルムは、接着層および基材層、更には外層を備えるが、他の樹脂層を備えることを除外するものではない。
[ラミネート用フィルム]
本発明のラミネート用フィルムは、少なくとも接着層及び基材層を備え、必要に応じて更に外層を備える。図1は本発明のラミネート用フィルムの模式断面図で、図1(α)は接着層Aと基材層Bのみからなるラミネート用フィルム10αであり、図1(β)は更に外層Cを備えるラミネート用フィルム10βである。該外層Cは、基材層Bの接着層Aを有する面と反対側の面に位置する。よって、本発明のラミネート用フィルムを金属板に貼合した際には、金属板側から順に、接着層A、基材層B、外層Cとなる。
また本発明のラミネート用フィルムは、未延伸フィルムである。延伸処理されたフィルムは引張破断伸度が小さく、絞り加工等を行う際に拡張し難く、破れやすい。
本発明のラミネート用フィルムの膜厚は、30μm以下であることが望ましく、特に25μm以下であることが望ましい。膜厚が増加すると、金属板へのラミネート速度が遅くなる為、生産性が低下する。また膜厚が増加するとレトルト処理時にフィルム内部に蓄積される水蒸気量も増加する恐れがある。レトルト処理時にフィルム内部に蓄積された水蒸気が、そのままフィルム内部で気泡となるとレトルト白化の原因となる。
[接着層]
本発明の接着層は、金属板と接する樹脂層であり、PBT系樹脂とPET系樹脂とからなる樹脂組成物から形成される。
PBT系樹脂とは、テレフタル酸成分と1,4−ブタンジオール成分とを主成分として溶融重縮合反応、あるいは引き続いて固相重合されたPBTのホモポリマー、テレフタル酸成分と1,4−ブタンジオール成分とを主成分とし、本発明の効果が損なわれない範囲で適宜他の成分を共重合した共重合タイプのPBTであるが、レトルト白化の問題を考慮するとPBTのホモポリマーであることを望ましい。またPET系樹脂とは、テレフタル酸成分とエチレングリコール成分とを主成分として溶融重縮合反応、あるいは引き続いて固相重合されたPETのホモポリマー、テレフタル酸成分とエチレングリコール成分とを主成分とし、本発明の効果が損なわれない範囲で適宜他の成分を共重合した共重合体タイプのPETであるが、レトルト白化の観点からPETのホモポリマーが特に適する。PETのホモポリマーがレトルト白化を抑制する理由は定かではないが、共重合タイプのPETよりも高い結晶性を持つためと推察される。
接着層におけるPBT系樹脂とPET系樹脂との配合割合は、PBT系樹脂:PET系樹脂=85〜55重量%:15〜45重量%が好ましく、特に63〜52重量%:37〜48重量%が好ましい。PET系樹脂の配合割合が上記範囲よりも小さいと、ラミネート用フィルムと金属板の二次密着性、成形後密着性が不足する。逆にPET系樹脂の配合割合が上記範囲よりも大きくなると、レトルト白化の恐れが生じる。
該接着層の膜厚は、基材層の厚さがラミネートフィルム全体の厚さの1/2以上になることを妨げなければ特に限定されないが、0.5〜10μm程度が好ましく、1〜5μmがより好ましく、2〜4μmが特に好ましい。接着層の膜厚が0.5μm未満では密着性の改善効果に乏しく、10μmを超えるとレトルト白化抑制効果が低下する。また接着層の厚さが2〜4μmであると、レトルト白化抑制効果、成形後密着性が共に優れる。
[基材層]
本発明の基材層は、ラミネート用フィルムにおける主たる層であり、PBT系樹脂が90重量%以上である樹脂組成物から形成される。
基材層におけるPBT系樹脂も、接着層におけるPBT系樹脂と同様、PBTのホモポリマー、或いは該樹脂を主成分とし、本発明の効果が損なわれない範囲で適宜他の成分を共重合した共重合タイプのPBTである。また接着層と同様に、レトルト白化を抑えるためにはPBTのホモポリマーが特に適する。
基材層には、PBT系樹脂の耐レトルト白化性を阻害しない範囲で他の樹脂成分を配することができる。そして、接着層との密着性を考慮すると若干のPET系樹脂を配することが望ましい。該PET系樹脂を配合する場合、配合量は0.5〜10重量%が適する。配合量が0.5重量%未満であると接着層との密着性改善の効果が期待できず、10重量%を超えるとPBT系樹脂の耐レトルト白化性能を低下させる恐れがある。基材層におけるPET系樹脂は、外層におけるPET系樹脂と同様に、PETのホモポリマー、或いは共重合体タイプのPETから選ばれる。外層におけるPET系樹脂と、基材層におけるPET系樹脂が同じタイプの樹脂であると、層間の密着性が特に良好となり、成形後密着性に優れる。
[外層]
外層(C)を成す樹脂組成は特に限定されず、飲料用缶に充填される内容物、飲料用缶を製缶する際の加工条件等に応じ適宜決定すればよいが、レトルト白化を抑えるために、PET系樹脂の配合割合が45重量%以下であることが望ましい。また、該外層(C)を接着層(A)と同じ樹脂組成物とすれば、ラミネート用フィルムを金属板に積層する際に、ラミネート用フィルムの表裏を区別する必要がなくなる為、作業性が向上する。尚、この場合、外層(C)の厚さも接着層(A)の厚さと同じであることが望ましい。
上述した接着層、基材層、外層の各層には滑剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、防曇剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、着色剤、顔料剤、帯電防止剤、結晶核剤等の添加剤を適宜添加することができる。尚、PET系樹脂はPBT系樹脂に比べて結晶化速度が遅い為、PET系樹脂を添加する層には結晶核剤を添加することが好ましい。フィルムを着色する場合は、例えば0.1〜10重量%の顔料を結晶核剤に代えて用いることができる。
[ラミネート用金属板の製造方法]
本発明のラミネート用フィルムの製造方法は特に限定されないが、品質の良好なフィルムを連続して製造するためには、共押出キャスティング法を採用することが望ましい。具体的には、接着層用樹脂組成物、基材層用樹脂組成物、必要に応じて外層用樹脂組成物を、別々の押出機から一つのフラットダイへ供給し、該フラットダイからフィルム状に溶融押出し、キャスティングロールにて冷却し、これを延伸処理することなく製膜することが望ましい。延伸処理を施さないフィルムは、鋼板へラミネートする際に、ラミネート可能な温度領域が広い。
[ラミネート金属板]
本発明のラミネート用フィルムをラミネートする金属板は特に限定されるものではないが、安価で且つ密着性に優れるティンフリースチール、ブリキなどの表面処理鋼板、アルミニウム板を用いることができる。また金属板に本発明のラミネート用フィルムを貼合する方法としては、熱圧着法を例示することができる。具体的には、金属板を予め所定温度まで予熱しておき、これとラミネート用フィルムとを温度制御可能なロールによって圧接して熱圧着させた後、室温まで冷却するとよい。
本発明のラミネート用フィルムが積層されたラミネート金属板は、2ピース缶の上蓋、缶胴材、3ピース缶の上蓋、底蓋、缶胴材として用いることができるが、優れた密着性を考慮すると、2ピース缶の缶胴材として特に適している。またレトルト白化の問題もない為、レトルト処理を行う食品の包装に特に適し、特にレトルト白化の目立つ缶の外側にラミネートするフィルムとして適する。
以下、実施例に基づき本発明の効果を詳細に説明する。尚、本発明のフィルムの評価は以下の方法にて行う。
(1)耐レトルト白化性
初めに金属板にラミネート用フィルムを熱圧着してラミネート金属板を得る。次いで、該ラミネート金属板を底蓋形状に打ち抜き、これを試験片とする。該試験片を缶銅に巻き締めた後、125℃で90分間、レトルト処理を行う。処理後、試験片における白化部分の面積率を求め、耐レトルト白化性を評価する。
(2)一次密着性
初めに金属板にラミネート用フィルムを熱圧着してラミネート金属板を得る。次いで、該ラミネート金属板の端部において、ラミネート用フィルムの一部を剥離し、該剥離部分を180°開いた状態でオートグラフに装着し、ラミネート用フィルムを剥離するために必要な力を測定する。該力が大きいほど、一次密着性は高く、6N/15mm以上であれば、実用上問題はない。
(3)二次密着性
耐レトルト白化性の試験と同様にして、底蓋形状の試験片を作成し、該試験片を缶銅に巻き締めた後、125℃90分間、レトルト処理を行う。処理後、ラミネート用フィルムが金属板から剥離している部分の長さを測定し、二次密着性を評価する。
(4)成形後密着性
初めに金属板にラミネート用フィルムを熱圧着してラミネート金属板を得る。次いで、該ラミネート金属板を絞りしごき加工にてDI缶に成形する。得られるDI缶を125℃90分間レトルト処理し、処理後、缶上端から剥離したラミネート用フィルムの長さを測定し、成形後密着性を評価する。
[実施例1]
接着層及び外層用の樹脂組成物として、PBTのホモポリマーを60重量%とPETのホモポリマーを40重量%混合したものを、基材層用の樹脂組成物として、PBTのホモポリマーを97重量%、PETのホモポリマーを3重量%混合したものを用い、共押出キャスティング法にて、厚み18μmのラミネート用フィルムを製造した。各層の厚さ構成比は、接着層:基材層:外層=2:6:2である。得られたラミネート用フィルムを用いて(1)(2)(3)の評価を行った。結果を表1に記す。
[実施例2]
各層の厚さ構成比を、接着層:基材層:外層=1:8:1とした以外は実施例1と同様にして、ラミネート用フィルムを得た。得られたラミネート用フィルムを用いて(1)(2)(3)の評価を行った。結果を表1に記す。
[実施例3、4]
PETのホモポリマーに代えて、ポリエチレンテレフタレート−ポリエチレンイソフタレート共重合体(イソフタレート8mol%)を用い、接着層及び外層における該樹脂の配合割合を表1に記すように変化した以外は実施例1と同様にしてラミネート用フィルムを得た。尚、表1においてポリエチレンテレフタレート−ポリエチレンイソフタレート共重合体(イソフタレート8mol%)は、PET−iと表記する。得られたフィルムを用いたラミネート金属板の評価を表1に記す。
[比較例1]
PBTのホモポリマーを用い、18μmの単層のラミネート用フィルムを得た。得られたラミネート用フィルムを用いて(1)(2)(3)の評価を行った。結果を表1に記す。
[比較例2乃至5]
接着層、基材層、外層を形成する樹脂組成物、各層の厚さ構成比を表1に記すように変化した以外は、実施例1と同様にしてラミネート用フィルムを得た。尚、表中のPBTはポリブチレンテレフタレートのホモポリマー、PETはポリエチレンテレフタレートのホモポリマー、PET−iはポリエチレンテレフタレート−ポリエチレンイソフタレート共重合体(イソフタレート8mol%)を表す。得られたラミネート用フィルムを用いて(1)(2)(3)の評価を行った。結果を表1に記す。
接着層及び外層におけるPET系樹脂の割合が45重量%以下である実施例1乃至4のフィルムを用いたラミネート金属板は、耐レトルト白化試験によってほとんど変色が見られなかった。特に、PET系樹脂としてPETのホモポリマーを用いた実施例1及び2のフィルムは、レトルト白化が全く見られなかった。一方、PET系樹脂の配合割合が45重量%を超える比較例2乃至5のフィルムを用いると、耐レトルト白化試験において、大きな面積が白化していた。また比較例1のフィルムを用いた金属板は、レトルト白化は見られなかったが、二次密着性試験において大きな剥離(5mmを超える剥離)が見られた。
次に、実施例1乃至4、比較例1、比較例3のフィルムをラミネートしたラミネート金属板を用いて、DI缶を成形し、成形後密着性を確認した。結果を表1に合せて記す。実施例1乃至4のフィルムを用いたものは、剥離がほとんど見られず、成形後密着性が良好であることが確認できた。特に実施例1のフィルムは、剥離が全く見られず、成形後密着性に優れるものであった。一方、PET系樹脂が添加されていない比較例1のフィルムはラミネート用フィルムが大きく剥離していた。また接着性樹脂層にPET系樹脂が45重量%を超えて配合されている比較例3も、成形後密着性は不良であった。
10、10α、10β:金属板へのラミネート用フィルム
A:接着層
B:基材層
C:外層

Claims (8)

  1. 接着層と基材層とを備える未延伸フィルムであって、
    前記接着層はポリブチレンテレフタレート系樹脂85〜55重量%とポリエチレンテレフタレート系樹脂15〜45重量%とからなる樹脂組成物から形成され、前記基材層はポリブチレンテレフタレート系樹脂が90重量%以上である樹脂組成物から形成されており、
    前記基材層の厚さが未延伸フィルム全体の厚さの1/2以上であることを特徴とする金属板へのラミネート用フィルム。
  2. 前記基材層の、前記接着層を備える面と反対側の面に、外層を備えることを特徴とする請求項1記載の金属板へのラミネート用フィルム。
  3. 厚さが25μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の金属板へのラミネート用フィルム。
  4. 前記ポリエチレンテレフタレート系樹脂が、ポリエチレンテレフタレートのホモポリマーであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の金属板へのラミネート用フィルム。
  5. 前記基材層がポリブチレンテレフタレート系樹脂99.5〜90重量%とポリエチレンテレフタレート系樹脂0.5〜10重量%とからなる樹脂組成物から形成されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の金属板へのラミネート用フィルム。
  6. 前記ポリエチレンテレフタレート系樹脂が、ポリエチレンテレフタレートのホモポリマーであることを特徴とする請求項5に記載の金属板へのラミネート用フィルム。
  7. 前記金属板が2ピース缶の缶胴材として用いられることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の金属板へのラミネート用フィルム。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載された金属板へのラミネート用フィルムの製造方法であって、共押出キャスティング法によることを特徴とする金属板へのラミネート用フィルムの製造方法。

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