JP2016189823A - 吸収体 - Google Patents
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Abstract
Description
吸収体を形成する高吸収性ポリマー粒子の膨潤を防止して高吸収性ポリマー粒子によって高い吸収性能を得るために、高吸収性ポリマー粒子を湿潤状態で脆弱部を有する紙によって被覆する構造が知られている。(特許文献1)
また、装着者による使用時における感触やドライ感を高めるために、パルプ繊維で形成を積層する構造が知られている。(特許文献2)
そこで、本発明の主たる課題は、多量の排尿が行われた場合にも高吸収性ポリマー粒子のゲルブロッキングを抑制し、装着者の身体側面に位置する吸収体のドライ感を高め、尿漏れを防止する吸収体を提供することにある。
請求項1に係る発明は、装着者の身体側面に位置する不織布シートから形成された上側シートと、装着者の反身体側面に位置する不織布シートから形成された下側シートと、前記上側シートと下側シートに設けられるパルプ繊維から形成された中間層を備える吸収体において、
前記上側シートの内外面に、前後方向と幅方向に所定の間隔を隔てて高吸収性ポリマー粒子からなる高吸収性ポリマー粒子群を形成し、
平面視において前記下側シートの内外面に、前記高吸収性ポリマー粒子群と同一位置に高吸収性ポリマー粒子からなる高吸収性ポリマー粒子群を形成し、
平面視において前記中間層に、前記高吸収性ポリマー粒子群と同一位置に空隙部を形成したことを特徴とする吸収体である。
前記上側シートの外面に、前後方向と幅方向に所定の間隔を隔てて高吸収性ポリマー粒子からなる高吸収性ポリマー粒子群を形成し、
平面視において前記下側シートの内面に、前記高吸収性ポリマー粒子群と同一位置に高吸収性ポリマー粒子からなる高吸収性ポリマー粒子群を形成し、
平面視において前記中間層に、前記高吸収性ポリマー粒子群と同一位置に空隙部を形成したことを特徴とする吸収体である。
さらに、上側シートに浸透した排尿を中間層によって下側シートにすばやく移送して装着者の身体側面に位置する吸収体のドライ感を高め、尿漏れを防止することができ、上側シートと下側シートによって吸収体を包装する包装シートを代替えすることができ部品点数を削減し、製造工程も簡易にすることができる。
図1に示すように、パンツタイプ使い捨ておむつ100は、製品の外面をなす外装体12と、外装体12の内面に貼り付けられた内装体200とから形成されている。
図2に示すように、内装体200は、平面視において長方形に形成されているが、任意の形状にすることもできる。なお、本明細書において「前後方向」とは、腹側と背側を結ぶ方向を言い、「幅方向」とは、前後方向と直交する方向を言い、「上下方向」とは、パンツタイプ使い捨ておむつ100の装着状態において胴回り方向と直交する方向を言うものとする。
表面シート30は、液を透過する性質を有するものであり、例えば、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどを例示することができる。また、このうち不織布は、その原料繊維が何であるかは、特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。例えば、柔軟性、ドレープ性を求めるのであれば、スパンボンド法、スパンレース法が、嵩高性、ソフト性を求めるのであれば、エアスルー法、ポイントボンド法、サーマルボンド法が、好ましい加工方法である。
中間シート40は、表面シート30と同様の素材や、スパンレース、スパンボンド、SMS、パルプ不織布、パルプとレーヨンとの混合シート、ポイントボンド又はクレープ紙を例示できる。特にエアスルー不織布が嵩高であるため好ましい。エアスルー不織布には芯鞘構造の複合繊維を用いるのが好ましく、この場合芯に用いる樹脂はポリプロピレン(PP)でも良いが剛性の高いポリエステル(PET)が好ましい。目付けは20〜80g/m2が好ましく、25〜60g/m2がより好ましい。不織布の原料繊維の太さは2.2〜10dtexであるのが好ましい。不織布を嵩高にするために、原料繊維の全部又は一部の混合繊維として、芯が中央にない偏芯の繊維や中空の繊維、偏芯且つ中空の繊維を用いるのも好ましい。なお、目付けとは、次のようにして測定されるものである。試料又は試験片を予備乾燥した後、標準状態(試験場所は、温度20±5℃、相対湿度65%以下)の試験室又は装置内に放置し、恒量になった状態にする。予備乾燥は、試料又は試験片を相対湿度10〜25%、温度50℃を超えない環境で恒量にすることをいう。なお、公定水分率が0.0%の繊維については、予備乾燥を行わなくてもよい。恒量になった状態の試験片から米坪板(200mm×250mm、±2mm)を使用し、200mm×250mm(±2mm)の寸法の試料を切り取る。試料の重量を測定し、20倍して1平米あたりの重さを算出し、目付けとする。また、中間シート40は、必須の部材ではなく省略する事もできる。
液不透過性シート11は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂等からなるプラスチックフィルムや、不織布の表面にプラスチックフィルムを設けたラミネート不織布、プラスチックフィルムに不織布等を重ねて接合した積層シートなどを例示することができる。液不透過性シート11には、近年、ムレ防止の観点から好まれて使用されている不透液性かつ透湿性を有する素材を用いることが好ましい。透湿性を有するプラスチックフィルムとしては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性プラスチックフィルムが広く用いられている。このほかにも、マイクロデニール繊維を用いた不織布、熱や圧力をかけることで繊維の空隙を小さくすることによる防漏性強化、高吸水性樹脂または疎水性樹脂や撥水剤の塗工といった方法により、プラスチックフィルムを用いずに液不透過性としたシートも、液不透過性シート11として用いることができる。
立体ギャザー60は、内装体200の前後方向長さに等しい長さを有する帯状のギャザーシート62を幅方向に折り返して二つに折り重ねるとともに、折り返し部分及びその近傍のシート間に、細長状弾性伸縮部材63を長手方向に沿って伸長状態で、幅方向に間隔をあけて複数本固定してなるものである。立体ギャザー60のうち幅方向において折り返し部分と反対側の端部は内装体200の側縁部の裏面に固定された取付部分65とされ、この取付部分65以外の部分は取付部分65から突出する突出部分66とされている。なお、立体ギャザー60の折り返しの形状等は、特に制限はなく他の折り返し形状にすることもできる。
吸収要素50は、吸収体56と、吸収体56を包む包装シート58とから形成されている。図7〜9に示すように、第1実施形態の吸収体56は、合成繊維不織布、パルプ繊維不織布、紙等からなる上側シート20と合成繊維不織布、パルプ繊維不織布、紙等からなる下側シート22の間に、パルプ繊維からなる中間層21を挟持して形成されている。
上側シート20の身体側面である上面(請求項における「内面」)と反身体側面である下面(請求項における「外面」)には、上下方向と幅方向に所定の間隔を隔てて高吸収性ポリマー粒子からなる高吸収性ポリマー粒子群24が粘着されている。同様に、下側シート22の身体側面である上面(請求項における「内面」)と反身体側面である下面(請求項における「外面」)には、上下方向と幅方向に所定の間隔を隔てて高吸収性ポリマー粒子からなる高吸収性ポリマー粒子群24が粘着されている。なお、上側シート20の上下面に設けられた高吸収性ポリマー粒子群24と下側シート22の上下面に設けられた高吸収性ポリマー粒子群24は、平面視において同一位置に設けられている。中間層21には、上側シート20の上下面に設けられた高吸収性ポリマー粒子群24と下側シート22の上下面に設けられた高吸収性ポリマー粒子群24と対向する部位に空隙部25が形成されている。
図10〜12に示すように、上側シート20の反身体側面である下面には、上下方向と幅方向に所定の間隔を隔てて高吸収性ポリマー粒子からなる高吸収性ポリマー粒子群24が粘着されている。同様に、下側シート22の身体側面である上面には、上下方向と幅方向に所定の間隔を隔てて高吸収性ポリマー粒子からなる高吸収性ポリマー粒子群24が粘着されている。なお、上側シート20の下面に設けられた高吸収性ポリマー粒子群24と下側シート22の上面に設けられた高吸収性ポリマー粒子群24は、平面視において同一位置に設けられている。中間層21には、上側シート20の下面に設けられた高吸収性ポリマー粒子群24と下側シート22の上面に設けられた高吸収性ポリマー粒子群24と対向する部位に空隙部25が形成されている。
包装シート58は、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMS不織布(SMS、SSMMS等)が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレン複合材などを使用できる。目付けは、5〜40g/m2、特に10〜30g/m2のものが望ましい。
外装体12は、図3に示すように、股間部から腹側に延在する前身頃Fを構成する部分と、股間部から背側に延在する後身頃Bを構成する部分とを有し、これら前身頃Fの両側部と後身頃Bの両側部とを接合することのよって、図1に示すように、装着者の胴を通すためのウエスト開口部WOと、脚を通すための左右一対の脚開口部LOが形成される。なお、外装体12は、特に制限はなく前身頃Fを構成する部分と後身頃Bを構成する部分を別体にすることもできる。
次に、上側シート20の高吸収性ポリマー粒子群24の第1製造方法について説明する。なお、下側シート22の高吸収性ポリマー粒子群24の製造方法も同一製造方法であるので説明を省略する。
図13に示すように、高吸収性ポリマー粒子群24の第1製造方法は、ホットメルトが塗布された上側シート20を貯留室71内に貯留された高吸収性ポリマー粒子内を通過させて、上側シート20の上下面に上下方向と幅方向に所定の間隔を隔てて高吸収性ポリマー粒子群24を形成する方法である。
図14に示すように、高吸収性ポリマー粒子群24の第2製造方法は、ホットメルトが塗布された上側シート20を貯留室71の上側を通過させ、上側シート20の上側に設けられた負圧発生器75により貯留室71内に貯留された高吸収性ポリマー粒子を吸い上げて、上側シート20の上下面に上下方向と幅方向に所定の間隔を隔てて高吸収性ポリマー粒子群24を形成する方法である。
次に、上側シート20と、中間層21と、下側シート22から形成される吸収体56の製造方法について説明する。
図15に示すように、吸収体56の製造方法は、積繊ドラム80に巻回された上側シート20の下面に、積繊ドラム80の上側に設けられた噴出装置81からパルプ繊維を上載し、上側シート20の下面に上載なパルプ繊維を均しローラ83で除去して、上側シート20の下面上に中間層21を形成した後、中間層21の下面を下側シート22の上面に上載して吸収体56を形成する方法である。
・「伸長率」は自然長を100%としたときの値を意味する。
・「目付け」は次のようにして測定されるものである。試料又は試験片を予備乾燥した後、標準状態(試験場所は、温度20±5℃、相対湿度65%以下)の試験室又は装置内に放置し、恒量になった状態にする。予備乾燥は、試料又は試験片を相対湿度10〜25%、温度50℃を超えない環境で恒量にすることをいう。なお、公定水分率が0.0%の繊維については、予備乾燥を行わなくてもよい。恒量になった状態の試験片から米坪板(200mm×250mm、±2mm)を使用し、200mm×250mm(±2mm)の寸法の試料を切り取る。試料の重量を測定し、20倍して1平米あたりの重さを算出し、目付けとする。
・「吸水速度」は、2gの高吸収性ポリマー及び50gの生理食塩水を使用して、JIS K7224‐1996「高吸水性樹脂の吸水速度試験法」を行ったときの「終点までの時間」とする。
21 中間層
22 下側シート
24 高吸収性ポリマー粒子群
25 空隙部
Claims (6)
- 装着者の身体側面に位置する不織布シートから形成された上側シートと、装着者の反身体側面に位置する不織布シートから形成された下側シートと、前記上側シートと下側シートに設けられるパルプ繊維から形成された中間層を備える吸収体において、
前記上側シートの内外面に、前後方向と幅方向に所定の間隔を隔てて高吸収性ポリマー粒子からなる高吸収性ポリマー粒子群を形成し、
平面視において前記下側シートの内外面に、前記高吸収性ポリマー粒子群と同一位置に高吸収性ポリマー粒子からなる高吸収性ポリマー粒子群を形成し、
平面視において前記中間層に、前記高吸収性ポリマー粒子群と同一位置に空隙部を形成したことを特徴とする吸収体。 - 装着者の身体側面に位置する不織布シートから形成された上側シートと、装着者の反身体側面に位置する不織布シートから形成された下側シートと、前記上側シートと下側シートに設けられるパルプ繊維から形成された中間層を備える吸収体において、
前記上側シートの外面に、前後方向と幅方向に所定の間隔を隔てて高吸収性ポリマー粒子からなる高吸収性ポリマー粒子群を形成し、
平面視において前記下側シートの内面に、前記高吸収性ポリマー粒子群と同一位置に高吸収性ポリマー粒子からなる高吸収性ポリマー粒子群を形成し、
平面視において前記中間層に、前記高吸収性ポリマー粒子群と同一位置に空隙部を形成したことを特徴とする吸収体。 - 平面視において前記高吸収性ポリマー粒子群と隣接する高吸収性ポリマー粒子群を7〜12mmの間隔を隔てて形成した請求項1又は2記載の吸収体。
- 平面視において前記高吸収性ポリマー粒子群の直径を3〜5mmに形成した請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸収体。
- 前記下側シートに形成された高吸収性ポリマー粒子群の吸水速度を、前記上側シートに形成された高吸収性ポリマー粒子群の吸水速度よりも速く形成した請求項1〜4のいずれか1項に記載の吸収体。
- 前記中間層の繊維密度を、身体側面から反身体面側に向かうに従って高く形成した請求項1〜5のいずれか1項に記載の吸収体。
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